説明

標識を用いない生体分子の検出

本発明は、サンプル液体中の生体分子又はアナライトを、標識を用いずに検出するための方法及びデバイスを提供する。方法は、少なくとも2つの導電表面のうちの1つにアナライトが結合することを可能にするステップを含む。交番電界が、少なくとも2つの導電表面間に印加される。少なくとも2つの導電表面間を流れる交流電流の振幅及び位相が、基準信号の振幅及び位相と比較される。双方の電流間の差から、アナライトが導電表面に存在するかどうかを決定することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体分子が表面と関連するときの該表面における誘電特性の変化を利用して、生体分子又は他のアナライトを標識を用いずに検出するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
生体分子の検出は、医学的診断並びに環境及び食品の安全の監視のような多くのアプリケーションにおいて必要である。一般に、バイオセンサは、ターゲット特有の認識分子が固定化される表面を有する。この表面は、関心のある1又は複数のアナライトを含むサンプルと接触させられ、アナライトは、結合され、従って更に固定化されることができる。これらの結合イベントは、測定可能な信号に変えられなければならない。感度が良く且つ特異的な態様で生体分子を検出することができるようにするために、発展(development)ステップ及び標識が、通常、適用される。発展ステップの例は、2次、3次又は更に高次の抗体の使用であり、それらの抗体のうち1次抗体は、固定化されたターゲットと結合し、最後の抗体は、標識をもつ。DNAマイクロアレイのような他のアッセイの場合、ターゲットは、それらが認識層と結合することができるようになる前に、まず標識化されることが多い。ここで、最も多く使用される標識は、発光団であるが、標識の他の例は、光学的に又は電気的に検出されることができる製品に基板を変えることができる放射性同位元素及び酵素である。
【0003】
米国特許第5,114,674号明細書には、容量性アフィニティセンサが、記述されている。第1の実施例において、図1に示されるセンサ10は、2つの電極12、14を有する。電極12、14は、反対の極性を有し、ベースレイヤ16上に配置され、不動態化(passivating)層20によって絶縁される。レセプタ22は、不動態化層20から延び、生化学的活性層を形成する。この層のそれぞれのレセプタ22は、特定のアナライト24の分子のための潜在的な結合部位である。大きい分子26は、大きい分子鎖を形成するためにアナライト24に結合し、大きい分子鎖は、電極12、14間の電界30中で加えられるアレイとしてレセプタ22に結合する。これらの大きい分子鎖は、低い比誘電率(dielectric constants)を有し、電界30から、高い比誘電率の溶媒28の多くの量を移動させる。大きい分子鎖は、容量アフィニティセンサ10の誘電材料の厚さを大きく増やすアレイとして結合し、そのセンサ10の誘電特性を大きく変える。
【0004】
米国特許第5,114,674号明細書の発明の第2の実施例には、直接的な結合を使用する容量性アフィニティセンサが記述されている。この第2の実施例によるセンサは、図2に示されている。センサ表面34は、図1の第1の実施例に記載されるような、ベースレイヤ16及び不動態化層20を有する。第1の実施例のレセプタ分子22の一例であるウィルスフラグメント36が、センサ表面34から、生化学的活性層に延びている。溶媒28中のアナライトは、人間の抗ウィルス抗体38である。この人間の抗ウィルス抗体38は、ウィルスのフラグメント36に結合するためにそのウィルスのフラグメント36に対して生体特異性をもつ。抗ヒト抗体40及び結合されたタンパク質分子46が、溶媒28に加えられる。両方が溶媒28に加えられる前に、結合されたタンパク質分子46は、抗ヒト抗体40に結合される。複数の抗ヒト抗体40が、それぞれの人間の抗ウィルス抗体38に結合し、大きい分子鎖のアレイを形成する。分子鎖は、非常に大きく、低い比誘電率を有し、従って、高い比誘電率を有する溶媒28の多くの量を移動させる。センサの誘電特性は、溶媒28中の抗ウィルス抗体38の濃度によって大きく変化する。
【0005】
双方の実施例において、低い比誘電率のアナライト分子の移動は、2つの電極間の生化学的活性層から、より高い比誘電率の溶媒分子を移動させ、これによって2つの電極間のキャパシタンスを低減させる。2つの電極間のキャパシタンスは、米国特許第5,114,674号の発明によるセンサによって測定されるアナライトの濃度に反比例する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記発明のデバイスの不利益は、溶媒中のアナライトが標識化(ラベリング)及びゆえに複数の発展ステップを必要とすることである。発展ステップ及び標識の使用は、より長くより複雑なアッセイ、高価な生体分子及び標識の増加する使用、及びより複雑且つ高価なアッセイデバイスをもたらす。高速且つ費用対効果的な測定のために、理想的なアッセイは、標識フリーである(標識を使用しない)。しかしながら、標識を使用しないアッセイはほとんど存在しない。その理由は、通常、標識を使用しないアッセイが、必要な感度及び特異性を欠くからである。
【0007】
更に、認識表面との相互作用の前にターゲットを標識化することは、ターゲット分子に変化を生じさせることがあり、これは、ターゲット分子の有効性に影響を与えることがあり、それらの濃度を変化させることがあり、及び/又は例えば標識化が分子ごとに又は測定ごとに変わるとき、ターゲット分子の正確な検出を妨げることがある。
【0008】
更に、複数のアナライトが、1つのボリュームにおいて検出されるとき、複数の発展及び標識化ステップに起因する一層高いアッセイの複雑さは、すぐに、増加する交差反応及び他の背景問題をまねく。標識を用いないアッセイの利用は、それらが多重化される検出のために引き起こす不利益及び発展ステップの必要を回避する。
【0009】
本発明の目的は、標識の適用を必要としない、1又は複数の生体分子、分子複合体又は他のアナライトを検出するための方法及びデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的は、本発明による方法及びデバイスによって達成される。
【0011】
方法は、サンプル液体中のアナライトを標識を用いずに検出するためのデバイスを提供する。デバイスは、その間に電界が印加されうる少なくとも2つの導電表面を有し、導電表面の少なくとも1つは、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する。電界は、それ自体を固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブに付着させる分子によって影響を及ぼされるように生じさせられる。更に、デバイスは、2つの導電表面の間に、10−2乃至10Hzの周波数を有する電界を与えるための手段を有する。検出のために使用される周波数は、表面における又は表面に形成される誘電インタフェースにおける相互作用を検出するように選択される。表面感度を向上させるために、好適には、10−2乃至10Hzの周波数が使用されることができる。
【0012】
更に、デバイスは、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する第1の導電表面と、第1の導電表面と同じターゲット特有のアフィニティプローブを含みうる又は含まなくてもよい第2の導電表面と、の間を流れる第1の交流電流の振幅及び/又は位相を測定するための測定手段を有することができる。代替例として、インピーダンス測定が行われることができる。
【0013】
本発明のデバイスは、更に、第1の交流電流の振幅及び位相を、基準信号の振幅及び位相と比較するための比較器を有することができる。
【0014】
本発明の特定の実施例において、デバイスは、第1及び第2の導電表面を有することができる。第1の導電表面は、少なくとも1つの側の上に又は1つの側に、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを含むことができる。第1及び第2の導電表面は、互いにほぼ平行に配置されることができ、ターゲット特有のプローブを有する固定化された側は、第2の導電表面と向かい合う。
【0015】
更に別の見地において、少なくとも1つの導電表面の少なくとも一部は、少なくとも1つの他の導電表面の少なくとも一部と互いにかみ合う(interdigitate)ことができる。
【0016】
本発明の方法及びデバイスを使用して決定されることができるアナライトは、例えば、ペプチド、タンパク質、抗体又はそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、微生物、ウィルス、バクテリア、藻類、原生動物、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、ポリサッカライド(polysacchraide)、グリコシレートされたサイト、任意の他の小さい分子、又は例えば1又は複数の炭水化物基を含むペプチド又は結合された補助因子を有する酵素のような前述の組み合わせである。
【0017】
本発明において使用されることができるサンプル液体は、例えば解析溶液、血液のような体液、血漿、血清、尿、唾液、肺水(lung fluid)、髄液、細胞抽出液、汚水、産業処理における任意の流体、乳、飲料水、地表水、任意の他の食品又はその溶液である。
【0018】
本発明において使用されることができるターゲット特有のアフィニティプローブは、例えば、ペプチド、タンパク質、抗体又はそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アプタマ、炭水化物、オリゴサッカライド、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、微生物、ウィルス、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、任意の他の小さい分子、特定の結合特性を有するポリマー、又は例えば1又は複数の炭水化物基を含むペプチド、結合された補助因子を有する酵素若しくは多重結合のタンパク質のような前述の組み合わせ、である。
【0019】
更に、本発明は、サンプル液体中のアナライトを標識を使わずに検出するための方法を提供する。方法は、サンプル液体中のアナライトと、少なくとも1つの導電表面上の又は導電表面における少なくとも1つのターゲット特有のアフィニティプローブと、の間の関連を可能にするように、少なくとも1つの導電表面をサンプル液体に露呈することを含む。前の任意のステップの間に少なくとも1つの導電表面をアッセイする次のステップにおいて、電界が、少なくとも1つの固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する第1の導電表面と、同じ固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを含みうる又は含まなくてもよい第2の導電表面と、の間に印加され、続いて、結果として生じる第1の交流電流の例えば振幅及び位相のような電気的特性が測定される。印加される電界の周波数は、10−2乃至10Hzである。好適には、印加される電界の周波数は、10−2乃至10Hzでありうる。次のステップにおいて、第1の交流電流の振幅及び位相のような電気的特性が、基準信号の振幅及び位相のような電気的特性と比較され、それによって比較結果が生成される。比較結果から、アナライトが、ターゲット特有のアフィニティプローブの少なくとも1つに関連したかどうかが決定される。
【0020】
本発明の一実施例において、基準信号は、アナライトのインキュベーションなしに、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを含む少なくとも1つの導電表面と同様の導電基板において独立して得られる較正信号でありえる。
【0021】
別の実施例において、方法は、液体サンプルへの露呈の前に、少なくとも1つのターゲット特有のアフィニティプローブが固定化されている少なくとも1つの導電表面をアッセイし、その結果第2の交流電流をもたらすアッセイステップを含むことができる。このアッセイステップは、液体サンプルに露呈した後のアッセイステップと同じステップを含むことができる。この実施例において、第2の交流電流が、基準信号でありうる。
【0022】
更に別の実施例において、基準信号は、測定又は周波数スペクトルの組でありうる。
【0023】
本発明の方法は、更に、サンプル液体を除去することを含むことができる。
【0024】
方法は、更に、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブに非特異的に結合される材料を除去するために、導電表面を洗浄溶液によりリンスすることを含むことができる。
【0025】
別の実施例において、方法は、更に、サンプル液体又は洗浄溶液を測定溶液と置き換えるために、導電表面をリンスするステップを含むことができる。
【0026】
本発明の一実施例において、少なくとも1つの固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する導電表面と、同じ固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを含むことができ又は含まなくてもよい第2の導電表面と、の間に電界を印加するステップと、第1の交流電流の振幅及び位相を測定するステップと、が、誘電スペクトルを得るために交番電界の周波数を変化させながら、繰り返される。
【0027】
方法は、更に、洗浄又は測定溶液の温度及び/又は組成を変えるステップを含むことができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例示によって説明する添付の図面とともに以下の詳細な説明から明らかになる。この説明は、例示のためだけに与えられており、本発明の範囲を制限しない。以下で引用される参照図は、添付の図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
さまざまな異なる図において、同じ参照図は、同じ又は類似の構成要素を指す。
【0030】
本発明は、特定の実施例に関して及び特定の図面を参照して記述されるが、本発明は、それらに限定されず、請求項のみによって制限される。記述される図面は、概略的なものにすぎず、非制限的である。図面において、構成要素のいくつかの大きさは、説明の目的で、誇張されていることがあり、一定の縮尺で描かれていないことがある。「有する、含む」なる語が、本説明及び請求項において使用されているが、他の構成要素又はステップを除外しない。例えば「a」、「an」、「the」のような不定冠詞又は定冠詞が、単数名詞に言及するときに使用されているが、これは、特記されていない限り、名詞の複数形を含む。
【0031】
更に、この説明及び請求項において第1、第2、第3なる語が、同様の構成要素を区別するために使用されているが、必ずしも連続した順序又は時間順を説明するために使用されているのではない。このように使用される語は、適当な環境下において入れ替え可能であり、ここに記述される本発明の実施例は、ここに記述され又は説明されるもの以外のシーケンスでの動作が可能であることが理解されるべきである。
【0032】
本発明は、生体分子又はアナライトが導電表面又は導電表面上の絶縁層と関連するときの導電表面における誘電特性の変化を利用して、溶媒中の生体分子又は他のアナライトを、標識を使わずに検出するための方法及びセンサデバイスを提供する。
【0033】
本発明のデバイス50は、少なくとも2つの導電表面51a及び51bであって、該導電表面51a及び51bの少なくとも一方が、それに付着され又は少なくとも1つの表面上の絶縁層に付着される固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブ52を有し、該導電表面間に電界が印加されることができる、少なくとも2つの導電表面51a及び51bと、本発明のセンサデバイス50から離れており又は本発明のセンサデバイス50に組み込まれており、電界の印加をもたらし、結果として生じる電流の振幅及び/又は位相を測定する別のデバイス54への接続を可能にする導電コネクタ53a、53bと、を有する。
【0034】
図3に、本発明の一実施例によるデバイス50が示されている。デバイスは、2つの導電表面51a、51bを有することができる。導電表面51aは、51b、例えば、金属(例えば銅、金、銀、プラチナ)、導電金属酸化物(例えばインジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物)、又は導電ポリマー(例えばポリアニリン、ポリピロール又はポリ(エチレンジオキソチオフェン)(poly(ethylenedioxothiophene))/ポリスチレンスルホン酸混合物)を含むことができる。導電表面51a、51bは、1つの導電材料からなる塊状であってもよく、又は基板上の層であってもよい。好適には、基板は、絶縁体である。導電表面51a、51bが、異なる材料の基板上の導電層で構成されるとき、導電層の表面は、基板の表面と同じ高さであってもよく、又は代替例として、基板の表面と比較して高められ又は引っ込められることができる。導電表面51a、51bは、いかなる有用な形状及び/又は大きさを有することもでき、いかなる有用な構造に構成されることもできる。形状は、例えば円、多角形、三角形、矩形、及びストリップのようないかなる適切な形状であってもよい。ストリップは、直線状であり、又は曲がり部、角部、若しくは互いにリンクされるこれらの形状の2又はそれ以上を含むことができ、例えばかみ合い(interdigitated)構造の形状であってもよい。導電表面51a、51bの大きさは、直径、長さ又は幅が2cm乃至1nmのいかなる大きさでもよい。導電表面は、平坦であってもよく、又は引っ込められた若しくは高められた領域を含むこともできる。
【0035】
導電表面51a、51bの少なくとも一方は、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブ52を有することができる。本発明のこの実施例において、導体表面51aのみが、ターゲット特有のアフィニティプローブ52によって固定化される。この実施例の更なる説明において、ターゲット特有のアフィニティプローブ52によって固定化された導電表面は、導電表面51aと示され、他方の導電表面は、導電表面51bと示される。好適には、ターゲット特有のアフィニティプローブ52は、いかなる適切なプローブであってもよく、例えば、ペプチド、タンパク質、抗体又はそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アプタマ、炭水化物、オリゴサッカライド、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、微生物、ウィルス、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、任意の他の小さい分子、又は1又は複数の炭水化物基を含むペプチド、結合された補助因子を有する酵素、若しくは多重結合のタンパク質のような前述したものの組み合わせである。最も好適には、ターゲット特有のアフィニティプローブ52は、抗体又はそのフラグメント、アプタマ、オリゴサッカライド、又はオリゴヌクレオチドでありうる。
【0036】
ターゲット特有のアフィニティプローブ52は、例えばフロー、ドロッピング、スポッティング、接触によって、又は他の任意の適切な堆積技法によって、導電表面51a上に堆積されることができる。
【0037】
導電表面51aへのターゲット特有のアフィニティプローブ52の固定化は、さまざまな異なるやり方で達成されることができる。
【0038】
一実施例において、導電表面51aは、ターゲット特有のアフィニティプローブ52の固定化の前に、修飾される(modified、変えられる)ことができる。可能な修飾は、導電表面51aに、例えばカルボキシル基、アミン基その他のような活性基を与えること、及び/又は例えばスクシンイミジルエステルの形成のようなこれらの基の活性化、を含みうる。多くの目的のために、導電表面51aは、アルキル鎖又はその改変によって修飾されることができる。アルキル鎖は、他のアルキル鎖の結合又はその改変の結合のために、アフィニティプローブ52の結合のために、又はアフィニティプローブ52の固定化のために使用されうる分子又は分子複合体の結合のために、活性化され、使用されることができる活性基を含むことができる。導電表面は、自己組織化単分子層すなわちSAMによりコーティングされることができる。
【0039】
別の実施例において、ターゲット特有のアフィニティプローブ52は、例えばこれに限定されないが、カルボキシル酸基、アミン基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアナート、(メタ)アクリレート、チオール、スルフィド、ビオチン、アフィニティペプチド、オリゴサッカライド、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド及びスクシンイミジルエステルのような活性化されたエステルのような、それらの固定化のために使用されることができる1又は複数の活性基を含むように修飾されることができる。
【0040】
ターゲット特有のアフィニティプローブ52は、導電表面51aに直接吸着し又は結合することができ、結合の例は、チオール基を含むアフィニティプローブ52の金、銀又はプラチナ表面との関連である。
【0041】
代替例として、アフィニティプローブ52は、導電表面51aに与えられた活性基又は活性化された基に結合することができる。活性基又は活性化された基は、化学結合を介して導電表面51aと連結される。化学結合の数は、1乃至10万でありえ、これらの間のいかなる数であってもよい。2以上の化学結合が、導電表面51aと、アフィニティプローブ52の固定化のために使用される活性基又は活性化された基との間に存在するとき、リンカについて言及することができる。リンカ分子は、いかなる組成も有することができる。多くの場合に使われる分子は、アルキル鎖及びその改変、エチレングリコール鎖並びにヒドロゲルでありうる。
【0042】
アフィニティプローブ52の固定化の別のモードは、導電表面51aにすでに固定化されているアフィニティプローブ52に特異的に結合する1又は複数の分子又は分子複合体との関連を介する。非制限的な例は、ビオチニル化されたペプチドの、表面固定化されたストレプタビジン(streptavidin)との関連、抗体の、抗免疫グロブリンである固定化された別の抗体との関連、第1のオリゴヌクレオチドの一部が第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部と相補的である場合の、オリゴヌクレオチドの、固定化された第2のオリゴヌクレオチドとの関連、である。
【0043】
2つの導電表面51a、51bの構造は、実質的に平行でありえ、固定化されたアフィニティプローブ52を有する側51aは、他の導電表面51bと向かい合っている。代替例として、2つの表面51a、51bは、互いに完全に平行でなくてもよく、0乃至180度のいかなる角度をなすようにも配置されることができる。一方の導電表面51a、51bの一部は、他方の導電表面51a、51bの一部と互いにかみ合うことができる。2つの導電表面51a、51b間の間隔は、1ナノメートルから1センチメートルの間で多様である。
【0044】
ターゲット特有のアフィニティプローブ52を導電表面51a上に固定化した後、デバイス50が、分析されなければならないアナライト56を含むサンプル液体55に露呈される前に、導電表面51aをアッセイする任意のステップが、実施されることができる。導電表面51a、51bは、存在する可能性のあるアナライト56と、アフィニティプローブ52(図4を参照)との間の関連を可能にするために、サンプル液体55に露呈される。
【0045】
好適には、サンプル液体55は、分析溶液、血液のような体液、血漿、血清、尿、唾液、肺水、髄液、細胞抽出液、汚水、産業処理における流体、乳、飲料水、地表水、任意の他の食品又はその溶液でありうる。
【0046】
好適には、アナライト56は、ペプチド、タンパク質、抗体又はそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、細胞のオルガネラ、細胞溶解物、細胞膜、微生物、ウィルス、バクテリア、原生動物、藻類、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、任意の他の小さい分子、又は例えば1又は複数の炭水化物基を含むペプチド又は結合された補助因子を有する酵素のような前述したものの組み合わせ、でありうる。より好適には、アナライト56は、タンパク質又はポリヌクレオチドでありうる。
【0047】
次のステップにおいて、サンプル液体55は、任意に除去されることができ、そののち、非特異的に結合された材料を除去するために、洗浄溶液によって表面51aを任意にリンスするステップが続く。洗浄溶液は、例えば、さまざまな異なる濃度のさまざまな異なる塩、糖、例えばTween又は非特異的な結合を除去するためのもののような洗浄剤、を含みうる。測定中に使用される場合、洗浄溶液は、更に、測定中に信号を強めることができる付加の成分又は最適化された濃度を含むことができ、及び/又は容易に誘電スペクトルにおいて(好適にはより高い周波数で)見られることができ、洗浄ステップの程度を特徴付けるために使用されることができる化合物を含むことができる。例えば電界又は磁界の印加、温度の上昇等の、非特異的に結合された材料を除去する他の方法が、使用されることもできる。
【0048】
次の任意のステップにおいて、表面51aは、サンプル液体55又は洗浄溶液を測定溶液と置き換えるために、再びリンスされることができる。測定溶液は、特定の塩のタイプ及び濃度、大きい両性イオンのような特定のバッファ塩、糖、洗浄剤、その他を含むことができる。
【0049】
アナライト56の存在について表面51aをアッセイするステップは、前の任意のステップのいずれかの間に、逐次的に又は同時に実施されることができる。
【0050】
サンプル液体55への露呈前及び/又は露呈後に導電表面51aをアッセイするステップは、以下のステップによって実施されることができる。第1のステップにおいて、固定化されたアフィニティプローブ52を有する導電表面51aと導電表面51bとの間に電圧を印加することによって、交番電界が印加される。
【0051】
印加される交番電界の周波数は、10−3乃至1012Hzでありえるが、表面感度を向上させるために、好適には10−3乃至10Hzであり、より好適には10−2乃至10Hzであり、最も好適には10−2乃至10Hzである。印加される交番電界の振幅は、好適には0乃至10Vでありえ、より好適には0.001乃至1Vでありえ、最も好適には0.01乃至0.2Vでありうる。
【0052】
結果として生じる交流電流の振幅及び位相が測定される。前記交流電流の振幅及び位相から、例えば分析下の材料の比誘電率又はインピーダンスのような誘電特性に関する情報が、得られることができる。電圧と同相の電流の成分から、比誘電率の導電部が導き出されることができ、電界と位相がずれた電流の成分から、比誘電率の容量部が得られることができる。電流信号から、例えばキャパシタンス及びインピーダンスのような多くの他の量が得られることができる。
【0053】
任意には、電界を印加し、結果として生じる電流の振幅及び位相を測定するステップが、誘電スペクトルを得るために周波数を変化させながら、繰り返されることができ、それによって、得られることができる情報量が、増加されうる。
【0054】
次の任意のステップにおいて、前述のステップは、例えば洗浄又は測定溶液の温度又は組成のような1又は複数のパラメータを変化させながら、繰り返されることができる。
【0055】
次に、アナライト56に対する導電表面51aの露呈後、前述のステップのいずれかの間に逐次的に又は同時に、交流電流の振幅及び位相又はそれらから計算される量又は値を、基準信号の振幅及び位相と比較するステップが行われる。比較のために、単一の測定が使用されてもよいが、測定及び完全な周波数スペクトルの組が使用されることもできる。
【0056】
基準信号は、さまざまな異なるやり方で決定されることができる。一実施例において、基準信号は、較正信号でありえ、かかる較正信号は、センサデバイス50による測定の実施の前に且つ測定から独立して、導電表面51aと同様の導電基板において得られることができる。
【0057】
別の実施例において、基準信号は、センサデバイス50をサンプル液体55に露呈する前に、センサデバイス50の導電表面51aにおいて得られる。
【0058】
他の実施例において、比較のため、アナライト56をアフィニティプローブ52に関連させる前に同じ導電表面51aの評価を使用する代わりに、アナライト56に露呈されなかった他の導電表面51bの評価が、使用されることもできる。
【0059】
アナライト56のターゲット特有のアフィニティプローブ52との関連後、交流電流の振幅及び位相又はそこから導き出される任意の値の変化から、アナライト56の存在が導き出されることができる。更に、アナライト56の量は、定性的に決定されることができ、又はアナライト56の数は、定量的に決定されることができる。
【0060】
結合前、結合中及び結合後のスペクトルの正確な比較のために、洗浄ステップを必要とする同じ測定溶液において得られるデータを使用することが重要である。測定溶液の塩濃度は、他の(好適にはより高い)周波数の誘電スペクトルを使用してチェックされることができ、洗浄ステップの程度及びゆえにアナライト56の濃度決定の精度の制御として使用されることができる。
【0061】
加えて又は代替例として、発展プロシージャにおいて洗い流されない残余の塩についての補正は、アナライト56の検出のために使用されるもの以外の誘電スペクトルの周波数における測定を適用することによって、達成されることができる。
【0062】
本発明の別の一実施例において、本発明の方法は、複数のターゲットを検出するために使用されることができる。これは、各導電表面上にそれぞれ異なるターゲット特有のアフィニティプローブ52が固定化される複数の導電表面51a、51bを、特定の距離をおいて配置し、同時にそれらをサンプル液体55の1つの同じボリュームに露呈することによって達成されることができる。導電表面は、サンプル液体55への露呈の前後に、並行に又は逐次的に評価されることができる。そのようにして、本発明のデバイス50を使用する1つの測定によって、さまざまなアナライト56を含むサンプル液体55を解析することが可能である。
【0063】
特定の例において、本発明のデバイス50は、10mMのリン酸塩バッファ中のアナライト56として、血液凝固物質であるフォン・ウィルブランド因子(vWF)の1ピコモル(pM)濃度を含むサンプル液体55を調べるために適用される。導電表面(51a、51b)は、互いにかみ合わせられる金電極であり、金電極上には、それぞれ異なる自己組織化単分子層(SAM)が形成され、単分子層上には、抗vWF抗体が固定化される。
【0064】
まず、図5には、比誘電率の実数部又は容量部が、MilliQ(脱イオン水)及び10mmのリン酸塩バッファに関して周波数の関数としてプロットされており、それにより10マイクロメータの間隔をもつ互いにかみ合わせられた金電極の表面のより近いところで又はバルク中で測定したときの周波数の変化が示されている。低い周波数のところでは、より多くのイオンが、サンプル液体バルク中にある。それゆえ、電気的二重層はより薄くなり、容量はより高くなる。図5において、より低い周波数では、比誘電率の容量部が、より高い周波数においてよりも高いことが分かる。MilliQ溶液中には、より少ないイオンが存在するので、比誘電率の容量部は、リン酸塩バッファ溶液中の同じ周波数の場合よりも高い。図6は、比誘電率の虚数部又は導電部を示す。
【0065】
図7において、10mmのリン酸塩バッファに1pM濃度のvWFを複数回注入した後の、センサのCole−Coleプロットが示されている。それぞれの異なる注入は、20分の時間期間内に実施される。それぞれの注入と注入の間に、センサは、洗浄溶液により処理される。図7は、比誘電率の導電部を容量部の関数として示している。
【0066】
図8乃至図11は、本発明のデバイス及び方法を適用することによって、サンプル液体中のアナライトを検出することが可能であることを示している。図8及び図9において、互いにかみ合わせられる金電極は、アセチルシステインのSAMにより被覆される。測定は、0.1Hzの周波数で実施される。図10及び図11は、メルカプトヘキサデカン酸のSAMにより被覆されている互いにかみ合わせられた金電極において得られた結果を示している。ここでも、測定は、0.1Hzの周波数で実施される。
【0067】
図12及び図13は、それぞれ、抗vWF(上側の曲線)によって又は抗IFNgamma(下側の曲線)によって固定化されている互いにかみ合わせられた金電極において測定された総インキュベーション時間の関数として、比誘電率の容量部及び導電部を示している。抗IFNgammaは、vWFに対して非特異的である。これらの結果から、図8乃至図11の結果が、抗インターフェロンγ抗体が固定化されるSAM上での1pM濃度のvWFの非特異的結合の検出と比較される場合、信号の少なくとも一部が特異的であることが明らかになる。図12及び図13の上下の曲線間の差は、信号の特異的な部分を表す。
【0068】
本発明の方法及びデバイス50によれば、決定されなければならないアナライト56は、従来技術のように標識化される必要がない。このために、検出のために使用される周波数は、表面51aにおける又は表面51aに形成される誘電インタフェースにおける、相互作用を検出するように選択される。サンプル液体55中の成分の影響は、結果的に強く減じられ、(干渉するバックグラウンド信号の低減によって)検出方法の感度の大幅な改善及び特定性の大幅な改善をもたらす。アナライト56の濃度の定量的な測定の信頼性を増加させるために、冗長性が、同じアナライト56について2以上のセンサデバイス50を使用することによって組み込まれてもよい。
【0069】
本発明の方法及びデバイス50は、水溶液中の生体分子又は分子複合体の測定のために使用されることができるだけでなく、他のいかなる種類の溶液中の他のいかなる分子又は分子複合体の検出のためにも適用されることができることに注意することが重要である。
【0070】
好適な実施例、特定の構造及び構成、並びに材料が、本発明によるデバイスに関して本願明細書に記述されたが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細のさまざまな変更又は変形が行われることができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来技術による容量アフィニティセンサを示す図。
【図2】従来技術による容量アフィニティセンサを示す図。
【図3】本発明の一実施例によるセンサデバイスを示す図。
【図4】本発明の一実施例によるセンサデバイスを示す図。
【図5】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図6】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図7】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図8】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図9】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図10】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図11】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図12】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。
【図13】本発明の特定の例による測定曲線を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル液体中のアナライトを、標識を使わずに検出するためのデバイスであって、
少なくとも一方の導電表面が、固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する、少なくとも2つの導電表面と、
前記2つの導電表面間に、10−2乃至10Hzの周波数を有する電界を与えるための手段と、
を有するデバイス。
【請求項2】
前記固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する第1の導電表面と第2の導電表面との間を流れる第1の交流電流の振幅及び位相を測定するための測定手段を更に有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の交流電流の振幅及び位相を、基準信号の振幅及び位相と比較するための比較器を更に有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
第1及び第2の導電表面を有し、前記第1の導電表面が、少なくとも一方の側に前記固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の導電表面及び第2の導電表面が、実質的に互いに平行に配置されており、前記ターゲット特有のプローブによって固定化されている側が、前記第2の導電表面と向かい合っている、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の導電表面の少なくとも一部が、前記第2の導電表面の少なくとも一部と互いにかみ合う、請求項4又は請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記アナライトが、ペプチド、タンパク質、抗体及びそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、微生物、ウィルス、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、任意の他の小さい分子、及び1又は複数の炭水化物基を含むペプチド又は結合された補助因子を有する酵素のような前述したものの組み合わせ、からなるグループから選択される、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記サンプル液体が、分析溶液、血液のような体液、血漿、血清、尿、唾液、肺水又は髄液、細胞抽出液、排水、産業処理における任意の流体、乳、飲料水、地表水、並びに任意の他の食品及びその溶液、からなるグループから選択される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ターゲット特有のアフィニティプローブが、ペプチド、タンパク質、抗体及びそのフラグメント、酵素、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アプタマ、炭水化物、オリゴサッカライド、脂質、代謝物質、補助因子、ホルモン、サイトカイン、細胞、微生物、ウィルス、薬剤、農薬、除草剤、殺菌剤、毒素、ビタミン、任意の他の小さい分子、及び1又は複数の炭水化物基を含むペプチド、結合された補助因子を有する酵素又は多重結合のタンパク質のような前述したものの組み合わせ、からなるグループから選択される、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
サンプル液体中のアナライトを、標識を使わずに検出するための方法であって、
前記サンプル液体中の前記アナライトと、少なくとも1つのターゲット特有のアフィニティプローブとの間の関連を可能にするために、導電表面上に固定化された少なくとも1つのターゲット特有のアフィニティプローブを有する少なくとも1つの導電表面を、前記サンプル液体に露呈するステップと、
関連されるアナライトの存在について、前記少なくとも1つの導電表面をアッセイするアッセイステップと、
を含み、前記アッセイステップが、
少なくとも1つの導電表面の第1の導電表面と、第2の導電表面との間に、10−2乃至10Hzの周波数を有する交番電界を印加して、前記第1及び前記第2の導電表面間に第1の交流電流を生じさせるステップと、
前記第1の交流電流の電気的特性を測定するステップと、
前記ステップのいずれかの間に逐次的に又は同時に、前記第1の交流電流の前記測定された電気的特性を、基準信号の電気的特性と比較して、比較結果を生成する比較ステップと、
前記アナライトが前記ターゲット特有のアフィニティプローブの少なくとも1つと関連したかどうかを、前記比較結果から決定するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記比較ステップが、前記第1の交流電流の振幅及び位相を、前記基準信号の振幅及び位相と比較することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電界が、10−2乃至10Hzの周波数を有する、請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の導電表面が、前記第1の導電表面と同じターゲット特有のアフィニティプローブを含む、請求項10乃至請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基準信号が、前記アナライトのインキュベーションなしに、前記少なくとも1つの導電表面と同様の導電表面を使用して、独立して得られる較正信号である、請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、前記サンプル液体に露呈される前に、前記少なくとも1つのターゲット特有のアフィニティプローブが固定化されている前記少なくとも1つの導電表面をアッセイし、それによって第2の交流電流が生じることを含む、請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記基準信号が、前記第2の交流電流である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サンプル液体を除去することを更に含む、請求項10乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブに非特異的に結合される材料を除去するために、洗浄溶液によって前記導電表面をリンスすることを更に含む、請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記サンプル液体又は洗浄溶液を測定溶液と置き換えるために、前記導電表面をリンスすることを更に含む、請求項10乃至請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの固定化されたターゲット特有のアフィニティプローブを有する前記第1の導電表面と前記第2の導電表面との間に前記交番電界を印加するステップ及び前記第1の交流電流の振幅及び位相を測定するステップが、誘電スペクトルを得るために前記交番電界の周波数を変化させながら、繰り返される、請求項10乃至請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
洗浄溶液又は測定溶液の温度及び/又は組成を変化させることを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基準信号が、測定又は周波数スペクトルの組である、請求項10乃至請求項21のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−507689(P2007−507689A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527542(P2006−527542)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051794
【国際公開番号】WO2005/031352
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】