説明

標識物質として少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物

本発明は、標識物質として少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物、鉱油に添加剤を添加するための該濃縮物の使用ならびに該濃縮物を含有する鉱油に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識物質として少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物、鉱油に添加剤を添加するための該濃縮物の使用ならびにこのような濃縮物を含有する鉱油に関する。
【0002】
鉱油に添加剤を添加するためには多くの場合、キャリアオイルおよび種々の燃料添加剤の混合物に加えて通常は着色剤ならびに、国家財産的または製造元特有の目に見えない標識のためにさらに標識物質を含有する添加剤濃縮物(以下では関連する言語慣用に従って「パッケージ」ともよぶ)が使用される。このパッケージにより種々の鉱油販売会社は添加剤が添加されていない鉱油の「プール」から供給することができ、かつその個々のパッケージによりはじめて鉱油に、たとえば相応する輸送容器に充填する間に、会社特有の添加剤、着色ならびに標識を付与することが可能になる。
【0003】
標識物質は多くの場合、鉱油から抽出され、かつ引き続き誘導体にすることによって着色した化合物へと変換される物質であるか、または可視スペクトルの波長範囲でも不可視スペクトルの波長範囲でも吸収を示す(たとえばNIRにおいて)物質である。それ自体でそのまま使用される、つまりあらかじめ誘導体にした後ではじめて使用されるのではない標識物質として、種々の化合物群、たとえばフタロシアニン、ナフタロシアニン、ニッケル−ジチオール錯体、芳香族アミンのアミニウム化合物、メチン着色剤およびアズレンスクエア酸着色剤(たとえばWO94/02570A1、WO96/10620A1)、あるいはまたビスアゾ着色剤(たとえばEP256460A1)が提案されている。ガソリンもしくは鉱油を着色するためのアントラキノン誘導体は文献US2,611,772、US2,068,372、EP1001003A1およびEP1323811A2に記載されている。
【0004】
実地では通例の標識物質の多くはたしかに鉱油中での希釈された比率では安定しているが、しかしパッケージ中の濃縮された条件では安定していないことが判明している。パッケージ成分の作用により、標識物質の特性(たとえば吸光度)は短時間で変化する。
【0005】
ところで本発明の課題は、濃縮物中に含有されている標識物質の、該濃縮物の残りの成分の作用に対する安定性に関しても、極めて良好な長期間安定性により優れている燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物を提供することであった。
【0006】
これに応じて、冒頭で言及した、標識物質として少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物(パッケージ)が判明した。
【0007】
本発明によるパッケージは特に成分として以下のものを含有している:
a)少なくとも1のアントラキノン誘導体、
b)少なくとも1のキャリアオイル、
c)界面活性剤、分散剤および弁座摩耗防止剤からなる群から選択される少なくとも1の添加剤
d)ならびに場合によりその他の添加剤および助剤。
【0008】
成分a)として特に、
式I
【0009】
【化1】

式II
【0010】
【化2】

および式III
【0011】
【化3】

[式中、
、Zは相互に無関係に水素、ヒドロキシ、OR、NHRまたはNRを表し、
、Rは相互に無関係にRまたはCORを表し、
Xは水素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、OR、アミノ、NHR、RまたはCH(R)(R10)を表し、
n、mは0、1、2、3または4を表し、その際、そのつどnもしくはmが1より大である場合、基RもしくはXは同じであるか、または相互に異なっており、
、R10は相互に無関係にシアノ、COOHまたはCOORを表し、
は水素、RまたはNHRを表し、
〜Rは相互に無関係に水素、RまたはNHRを表し、かつ
Rは場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C20−アルキル基により場合により置換されているC〜C−シクロアルキル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C20−アルキル基により場合により置換されている飽和の複素環式の5員もしくは6員の基、1もしくは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されているC〜C10−アリール、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されている、3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール、アリール基中で1もしくは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されているC〜C10−アリール−C〜C−アルキル、またはヘテロアリール基中に3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、後者は場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている1もしくは複数のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されている]の化合物からなる群から選択されているアントラキノン誘導体を使用する。
【0012】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキルとして、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、へプチ−3−イル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、3,5,5,7−テトラメチルノニル、イソトリデシル(上記の名称イソオクチル、イソノニル、イソデシルおよびイソトリデシルは慣用名であり、かつオキソ合成により得られるアルコールに由来する。このことに関してはUllmanns Encyklopaedie der technischen Chemie、第4版、第7巻、第215〜217頁ならびに第11巻、第435〜436頁を参照のこと)、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、メトキシメチル、2−エチルヘキソキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−もしくは3−メトキシプロピル、2−もしくは3−エトキシプロピル、2−もしくは3−プロポキシプロピル、2−もしくは3−ブトキシプロピル、2−もしくは4−メトキシブチル、2−もしくは4−エトキシブチル、2−もしくは4−プロポキシブチル、2−もしくは4−ブトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、4,8−ジオキサデシル、3,6,8−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシルまたは3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルが挙げられる。
【0013】
〜C−シクロアルキル基として、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが該当する。これらのシクロアルキルは場合によりさらに1もしくは複数の、特に3までのC〜C20−アルキル基により置換されており、その際、後者は場合によりさらにエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている。このような、場合によりさらに酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル基の例はすでに上記で記載した。
【0014】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C20−アルキル基により場合により置換されている飽和の複素環式の5員もしくは6員の基は、たとえばピロリジン、2−もしくは3−メチルピロリジン、2,4−ジメチル−3−エチルピロリジン、ピラゾリジン、2−、3−、4−もしくは5−メチルピラゾリジン、イミダゾリジン、2−、3−、4−もしくは5−メチルイミダゾリジン、オキサゾリジン、2−、4−もしくは5−メチルオキサゾリジン、イソオキサゾリジン、3−、4−もしくは5−メチルイソオキサゾリジン、ピペリジン、2−、3−、4−メチル−もしくは−エチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ピペラジン、4−(C〜C−アルキル)ピペラジン、たとえば4−メチルピペラジンまたたは4−エチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンまたはチオモルホリン−S,S−ジオキシドから誘導される。
【0015】
変項Zおよび/またはZの定義の基OR、NHRおよびNRのR、変項Xの定義の基ORおよびNHRのR、基RおよびR10の定義の基COORのR、変項RならびにR〜Rの定義の基NHRのRが、相応する、場合により置換された飽和の複素環式の5員もしくは6員の基に相応する場合、該当する基のそのつどのヘテロ原子への結合は、複素環式の5員もしくは6員の基の炭素原子を介して行われる。同じことが、Rが変項RおよびRの定義および変項Rの定義において単独で、相応する、場合により置換された飽和の複素環式の5員もしくは6員の基に相応する場合に該当する。その他の場合には該結合は複素環式の5員もしくは6員の基の炭素原子または結合のために適切なヘテロ原子を介して行われてもよい。
【0016】
〜C10−アリールとして特にフェニルおよびナフチルが挙げられる。これらは1もしくは複数のハロゲン、たとえばフッ素、塩素または臭素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されている。場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、相応するC〜C20−アルキル基、もしくはC〜C20−アルコキシ基、C〜C20−アルキルアミノ基またはC〜C20−ジアルキルアミノ基中に含有されているC〜C20−アルキル基はすでに上記で例として記載した。
【0017】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されている、3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール基はたとえば、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、1H−アゼピン、2H−アゼピン、オキサゾール、チアゾール、1,2,3−、1,2,4−もしくは1,3,4−オキサゾール、1,2,3−、1,2,4−もしくは1,3,4−チアジアゾールならびに場合によりベンゼン環縮合もしくはジベンゼン環縮合した環、たとえばキノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾ[b]フラン(クマロン)、ベンゾ[b]チオフェン(チオナフテン)、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、1H−インダゾール、インドキサゾール、ベンゾ[d]イソチアゾール、アントラニル、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンまたはフェナジンから誘導される。場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル置換基はすでに上記で例として記載した。
【0018】
変項Zおよび/またはZの定義の基OR、NHRおよびNRのR、変項Xの定義の基ORおよびNHRのR、基RおよびR10の定義の基COORのR、変項RならびにR〜Rの定義の基NHRのRが、相応する、場合により置換されたヘテロアリールに相応する場合、該当する基のそのつどのヘテロ原子への結合はヘテロアリールの炭素原子を介して行われる。同じことが、変項Rおよび/またはRの定義および変項Rの定義においてRが単独で、相応する、場合により置換されたヘテロアリールに相応する場合には該当する。その他の場合には該結合はヘテロアリールの炭素原子または結合のために適切なヘテロ原子を介して行われてよい。
【0019】
アルキル基中で1もしくは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されているC〜C10−アリール−C〜C−アルキルとして、特にベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルおよび4−フェニルブチルが挙げられる。場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている相応するC〜C20−アルキル基、もしくはC〜C20−アルコキシ基、C〜C20−アルキルアミノ基またはC〜C20−ジアルキルアミノ基中に含有されているC〜C20−アルキル基は、すでに上記で例として記載した。
【0020】
1もしくは複数の、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、C〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより場合により置換されている、ヘテロアリール基中に3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルは、たとえばすでに上記に挙げたヘテロアリール基から誘導され、該基はヘテロアリールの炭素原子を介して、または結合のために適切なヘテロ原子を介してC〜C−アルキル基に結合している。場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている相応するC〜C20−アルキル基、もしくはC〜C20−アルコキシ基、C〜C20−アルキルアミノ基またはC〜C20−ジアルキルアミノ基中に含有されているC〜C20−アルキル基はすでに上記で例として記載した。
【0021】
有利な本発明による燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物は、式中で、
、Zは相互に無関係に水素またはNHRを表し、
、Rは相互に無関係にRを表し、
Xは水素、シアノまたはCH(R)(R10)を表し、
n、mは0、1、2、3または4を表し、その際、nもしくはmは1より大である場合、基RもしくはXは同じであるか、または相互に異なっており、
、R10は相互に無関係にシアノまたはCOORを表し、
は水素、RまたはNHRを表し、
〜Rは水素またはNHRを表し、
はNHRを表し、かつ
Rは場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により場合により置換されているシクロヘキシル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により場合により置換されている飽和の複素環式の5員もしくは6員の基、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されているC〜C10−アリール、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されている、3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール、フェニル基中で、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されているフェニル−C〜C−アルキル、またはヘテロアリール基中に3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、後者は、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されている
式I、IIおよびIIIのアントラキノン誘導体を含有し、その際、有利な基Rはすでに前記で例として記載したもののなかに記載されている。
【0022】
式Iのアントラキノン誘導体として特に以下に示す式Ia〜Ifの化合物が挙げられる:
【0023】
【化4】

【0024】
この場合、式Ia〜Ie中で変項Rはそのつど相互に無関係に、および式If中で変項Rは場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、および場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されているC〜C10−アリールを表す。
【0025】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキルの意味において、変項Rの選択は有利には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、へプチ−3−イル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、3,5,5,7−テトラメチル−ノニル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシメチル、2−エチルヘキソキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−および3−メトキシプロピル、2−および3−エトキシプロピル、2−および3−プロポキシプロピル、2−および3−ブトキシプロピル、2−および4−メトキシブチル、2−および4−エトキシブチル、2−および4−プロポキシブチル、2−および4−ブトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、4,8−ジオキサデシル、3,6,8−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシルおよび3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルからなる群から行われる。
【0026】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されたC〜C10−アルキルの意味において、変項Rの選択は有利には、非置換のフェニル、場合によりエーテル官能基中で酸素により中断されている、前記で例としてあげたC〜C15−アルキル基により置換されている、2−、3−および4−位でモノ置換、2,3−、2,4−および3,4−位でジ置換および2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−および3,4,5−位でトリ置換されたフェニル基からなる群から行われる。
【0027】
有利には式Ia〜Ieの化合物中のそのつど基Rは同一である。
【0028】
式IIのアントラキノン誘導体として特に以下に示す式IIa〜IIcの化合物が挙げられる:
【0029】
【化5】

【0030】
この場合、式IIa〜IIc中で変項R、RおよびRは相互に無関係に、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、および場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されたC〜C10−アリールを表す。
【0031】
式IIa〜IIc中のXは、アントラキノン骨格の2,3−位もしくは6,7−位の2の水素原子、2のシアノ基または2,3−位もしくは6,7−位の2の同一の基CH(R)(R10)を表す。後者の両方の基CH(R)(R10)は、2の基CH(COOR)、CH(CN)COORまたはCH(CN)であり、その際、基Rは有利には、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、または場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されたC〜C10−アリールを表す。
【0032】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキルの意味において、変項R、RおよびRの選択は有利にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、へプチ−3−イル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、3,5,5,7−テトラメチル−ノニル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシメチル、2−エチルヘキソキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−および3−メトキシプロピル、2−および3−エトキシプロピル、2−および3−プロポキシプロピル、2−および3−ブトキシプロピル、2−および4−メトキシブチル、2−および4−エトキシブチル、2−および4−プロポキシブチル、2−および4−ブトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、4,8−ジオキサデシル、3,6,8−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシルおよび3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルからなる群から行われる。
【0033】
場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されたC〜C10−アリールの意味において、変項R、RおよびRの選択は、非置換のフェニル、場合によりエーテル官能基中で酸素により中断されている前記で例として記載したC〜C15−アルキル基により置換されている2−、3−および4−位でモノ置換、2,3−位、2,4−位および3,4−位でジ置換および2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位、2,4,5−位、2,4,6−位および3,4,5−位でトリ置換されたフェニル基からなる群から行われる。
【0034】
特に有利には両方の変項R、RおよびRもしくはR、RおよびRもしくはRおよびRが相互に同じである式IIa、IIbおよびIIcの化合物、つまり相応する化合物として以下のものが挙げられる:
【0035】
【化6】

【0036】
【化7】

ならびに6,7−位でシアノ基または基CH(R)(R10)により置換された相応する化合物、その際、変項Rは前記のものを表す。
【0037】
本発明により使用すべき式IIIのアントラキノン誘導体として特に以下に示す式IIIa〜IIIdの化合物が挙げられる:
【0038】
【化8】

[式中、
は、RまたはNHRを表し、
は、NHRを表し、
Wは、水素またはNHRの意味における基R〜Rを表し、
pは、1、2、3または4を表し、その際、pが1より大の場合には基は同一であり、かつ
Rは場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により場合により置換されているシクロヘキシル、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により場合により置換されている飽和の複素環式の5員もしくは6員の基、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されているC〜C10−アリール、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されている、3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール、フェニル基中で、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されているフェニル−C〜C−アルキル、またはヘテロアリール基中に3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、後者は、場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより場合により置換されており、
その際、有利な基Rはすでに前記で記載した一般的な基Rの定義において例として記載したものである]。
【0039】
式IIIa〜IIId中のRは特に有利には場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されているC〜C15−アルキル、または場合によりエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されている、1もしくは複数のC〜C15−アルキルにより場合により置換されているC〜C10−アリールを表す。
【0040】
式IIIa〜IIId中のRは特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソ−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、へプチ−3−イル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、3,5,5,7−テトラメチル−ノニル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシメチル、2−エチルヘキソキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−および3−メトキシプロピル、2−および3−エトキシプロピル、2−および3−プロポキシプロピル、2−および3−ブトキシプロピル、2−および4−メトキシブチル、2−および4−エトキシブチル、2−および4−プロポキシブチル、2−および4−ブトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、4,8−ジオキサデシル、3,6,8−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、非置換のフェニル、場合によりエーテル官能基中で酸素により中断されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソ−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、へプチ−3−イル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、3,5,5,7−テトラメチル−ノニル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシメチル、2−エチルヘキソキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−および3−メトキシプロピル、2−および3−エトキシプロピル、2−および3−プロポキシプロピル、2−および3−ブトキシプロピル、2−および4−メトキシブチル、2−および4−エトキシブチル、2−および4−プロポキシブチル、2−および4−ブトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、4,8−ジオキサデシル、3,6,8−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシルおよび3,6,9,12−テトラオキサテトラデシルからなる群から選択された前記で例として記載したC〜C15−アルキル基により置換されている2−、3−および4−位でモノ置換、2,3−位、2,4−位および3,4−位でジ置換および2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位、2,4,5−位、2,4,6−位および3,4,5−位でトリ置換されたフェニル基からなる群から選択されている。
【0041】
キャリアオイルとして通常は粘性の、高沸点および特に熱安定性の液体を使用する。キャリアオイルは熱い金属表面、たとえばインレット・バルブを薄い液膜で覆い、かつこのことによって金属表面における分解生成物の形成および堆積を防止するか、または遅らせる。
【0042】
本発明による燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物の成分b)として考えられるキャリアオイルはたとえば鉱物性のキャリアオイル(基油)特に「溶剤中性(Solvent Neutral:SN)500〜2000」の粘度クラスのオイル、M=400〜1800のオレフィン重合体をベースとする、特にポリブテンもしくはポリイソブテンをベースとする(水素化された、または水素化されていない)、ポリアルファオレフィンまたはポリ内部オレフィンをベースとする合成キャリアオイル、ならびにアルコキシル化長鎖アルコールまたはフェノールをベースとする合成キャリアオイルである。本発明によればキャリアオイルとして使用すべき、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの、ポリブチル−もしくはポリイソブテンアルコールへの付加物はたとえば文献EP277345A1に記載されており、その他の本発明により使用すべきポリアルケンアルコール−ポリアルコキシレートは文献WO00/50543A1に記載されている。本発明により使用すべき別のキャリアオイルとして、たとえば文献WO00/61708に記載されているようなポリアルケンアルコール−ポリエーテルアミンが挙げられる。
【0043】
当然のことながら、本発明によるパッケージの残りの成分と互いに相容性である限りは、種々のキャリアオイルの混合物もまた使用することができる。
【0044】
内燃機関の気化器および吸気装置あるいはまた燃料供給装置のための噴射装置もまた次第に、たとえば空気からの微粒子および燃焼室からの未燃焼炭化水素残分に起因する不純物により負荷される。
【0045】
これらの不純物の低減または回避のために、バルブおよび気化器もしくは噴射装置の清浄維持のために燃料に添加剤(界面活性剤)を添加する。このような界面活性剤は一般に、1もしくは複数のキャリアオイルと組み合わせて適用される。該キャリアオイルは付加的な「洗浄機能」を果たし、界面活性剤の清浄作用および清浄維持作用を支援および促進し、かつこうして界面活性剤の必要量の低減に貢献することができる。
【0046】
ここでさらに、通常、キャリアオイルとして使用される物質の多くはさらに界面活性剤および/または分散剤としての作用を展開し、このことによってこのような場合に後者の割合を低減することができることに言及しておく。界面活性剤/分散剤の作用を有するこのようなキャリアオイルはたとえば最後に挙げたWO文献に記載されている。
【0047】
界面活性剤、分散剤および弁座摩耗防止剤の作用様式もまたしばしば相互に明確に境界付けることはできず、従ってこれらの化合物はまとめて成分c)に記載されている。本発明によるパッケージにおいて適用される通常の界面活性剤はたとえば文献WO00/50543A1およびWO00/61708A1に記載されており、かつ次のものを含む:
EP−A244616により高反応性のポリイソブテンのヒドロホルミル化および引き続きアンモニア、モノアミンまたはポリアミン、たとえばジメチレンアミノプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミンを用いた還元アミノ化によって得られるポリイソブテンアミン、
主としてb−位およびg−位に二重結合を有するポリブテンまたはポリイソブテンの塩素化および引き続きアンモニア、モノアミンまたは上記のポリアミンを用いたアミノ化により得られるポリ(イソ)ブテンアミン、
空気またはオゾンによるポリ(イソ)ブテンの二重結合の、カルボニル化合物またはカルボキシル化合物への酸化および引き続き還元(水素化)条件下でのアミノ化により得られるポリ(イソ)ブテンアミン、
DE−A19620262により、アミンとの反応およびその後のアミノアルコールの脱水および還元によりポリイソブテンエポキシドから得られるポリイソブテンアミン、
WO−A97/03946により、平均重合度P=5〜100を有するポリイソブテンと酸化窒素または酸化窒素と酸素とからなる混合物との反応および引き続き該反応生成物の水素化により得られる、場合によりヒドロキシル基を有するポリイソブテンアミン、
EP−A476485により、ポリイソブテンエポキシドとアンモニア、モノアミンまたは上記のポリアミンとの反応により得られる、ヒドロキシル基を有するポリイソブテンアミン、
〜C30−アルカノール、C〜C30−アルカンジオール、モノ−もしくはジ−C〜C30−アルキルアミン、C〜C30−アルキルシクロヘキサノールまたはC〜C30−アルキルフェノールと、ヒドロキシル基もしくはアミノ基あたり1〜30モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとの反応および引き続きアンモニア、モノアミンまたは上記のポリアミンによる還元アミノ化により得られるポリエーテルアミン、ならびに
EP−A831141によりポリイソブテン置換されたフェノールとアルデヒドおよびモノアミンまたは上記のポリアミンとの反応により得られる「ポリイソブテン−マンニッヒ塩基」。
【0048】
本発明により使用すべきその他の界面活性剤および/または弁座摩耗防止剤はたとえば文献WO00/47698A1に記載されており、かつ数平均分子量(M)85〜20000を有する少なくとも1の疎水性炭化水素基および少なくとも1の極性基を有する化合物を含み、かつ次のものから選択されている:
(i)6までの窒素原子を有するモノアミノ基またはポリアミノ基、この場合、少なくとも1の窒素原子は塩基性の特性を有する、
(ii)場合によりヒドロキシル基と組み合わせたニトロ基、
(iii)モノアミノ基またはポリアミノ基と組み合わせたヒドロキシル基、その際、少なくとも1の窒素原子は塩基性の特性を有する、
(iv)カルボキシル基またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、
(v)スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、
(vi)ヒドロキシル基、少なくとも1の窒素原子が塩基性の特性を有するモノアミノ基もしくはポリアミノ基を、またはカルバメート基を末端に有するポリオキシ−C〜C−アルキレン基、
(vii)カルボン酸エステル基、
(viii)無水コハク酸から誘導される、ヒドロキシ基および/またはアミノ基および/またはアミド基および/またはイミド基を有する基および
(ix)フェノール性ヒドロキシル基とアルデヒドおよびモノアミンもしくはポリアミンのマンニッヒ反応から得られる基。
【0049】
モノアミノ基またはポリアミノ基(i)を含有する添加剤は有利にはポリプロペンまたは高反応性の(つまり、主として末端の二重結合を、多くの場合、β−位およびγ−位に有する)か、または通例の(つまり、主として中に位置する二重結合を有する)ポリブテンまたはポリイソブテンをベースとし、M=300〜5000を有する、ポリアルケンモノアミンまたはポリアルケンポリアミンである。このような、n−ブテン単位を20質量%まで有していてもよいポリイソブテンからヒドロホルミル化およびアンモニア、モノアミンまたはポリアミン、たとえばジメチルアミノプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミンによる還元アミノ化により製造することができる高反応性のポリイソブテンをベースとする添加剤は、特に文献EP244616A2から公知である。添加剤を製造する際に主として中に位置する二重結合を(多くの場合、β−位およびγ−位に)有するポリブテンまたはポリイソブテンから出発する場合、塩素化および引き続きアミノ化によるか、または空気もしくはオゾンを用いた、カルボニル化合物またはカルボキシル化合物への二重結合の酸化による、および引き続き還元(水素化)条件下でのアミノ化による製造経路が提供される。この場合、アミノ化のために同一のアミンを上記のとおり、ヒドロホルミル化された高反応性ポリイソブテンの還元アミノ化のために使用することができる。ポリプロペンをベースとする相応する添加剤は特に文献WO94/24231A1に記載されている。
【0050】
別の有利なモノアミノ基(i)を有する添加剤は、平均重合度P=5〜100を有するポリイソブテンと、酸化窒素もしくは酸化窒素と酸素とからなる混合物とからの反応生成物の水素化生成物であり、これらはたとえば文献WO97/03946A1に記載されている。
【0051】
別の有利なモノアミノ基(i)を有する添加剤はポリイソブテンエポキシドからアミンとの反応およびその後のアミノアルコールの脱水および還元により得られる化合物であり、これらは特に文献DE19620262A1に記載されている。
【0052】
場合によりヒドロキシル基と組み合わせて、ニトロ基(ii)を含有する添加剤は有利には平均重合度P=5〜100または10〜100のポリイソブテンと、酸化窒素もしくは酸化窒素と酸素とからなる混合物との反応生成物であり、これらは特に文献WO96/03367A1およびWO96/03479A1に記載されている。これらの反応生成物は通常、純粋なニトロポリイソブタン(たとえばα,β−ジニトロポリイソブタン)と、混合されたヒドロキシニトロポリイソブタン(たとえばα−ニトロ−β−ヒドロキシポリイソブタン)とからなる混合物である。
【0053】
ヒドロキシル基をモノアミノ基もしくはポリアミノ基(iii)と組み合わせて含有している添加剤は特に、有利に主として末端の二重結合を有し、M=300〜5000を有するポリイソブテンと、アンモニア、モノアミンもしくはポリアミンとから得られるポリイソブテンエポキシドの反応生成物であり、これらは特に文献EP476485A1に記載されている。
【0054】
カルボキシル基またはそのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(iv)を含有する添加剤は有利にはC〜C40のオレフィンと、全モル質量500〜20000を有する無水マレイン酸とのコポリマーであり、そのカルボキシル基は完全に、もしくは部分的にアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩へと、およびカルボキシル基の残りの基はアルコールまたはアミンと反応している。このような添加剤は特に文献EP307815A1から公知である。このような添加剤は主として弁座の摩耗防止のために使用され、かつたとえば文献WO87/01126A1に記載されており、通例の界面活性剤、たとえばポリ(イソ)ブテンアミンまたはポリエーテルアミンと組み合わせて有利に使用することができる。
【0055】
スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩(v)を含有する添加剤は有利にはスルホコハク酸アルキルエステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であり、これは特に文献EP639632A1に記載されている。このような添加剤は主として弁座の摩耗防止のために使用され、かつ通例の界面活性剤、たとえばポリ(イソ)ブテンアミンまたはポリエーテルアミンと有利に組み合わせて使用することができる。
【0056】
ポリオキシ−C〜C−アルキレン基(vi)を有する添加剤は有利にはポリエーテルまたはポリエーテルアミンであり、これらはC〜C60−アルカノール、C〜C30−アルカンジオール、モノ−もしくはジ−C〜C30−アルキルアミン、C〜C30−アルキルシクロヘキサノールまたはC〜C30−アルキルフェノールと、ヒドロキシル基またはアミノ基あたり1〜30モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとの反応により、およびポリエーテルアミンの場合、アンモニア、モノアミンもしくはポリアミンを用いたその後の還元アミノ化により得られる。このような生成物は特に文献EP310875A1、EP356725A1、EP700985A1およびUS4,877,416に記載されている。ポリエーテルの場合、このような生成物はキャリアオイルの特性も有する。このために一般的な例はトリデカノール−もしくはイソトリデカノールブトキシレート、イソノニルフェノールブトキシレートならびにポリイソブテノールブトキシレートおよび−プロポキシレートならびにアンモニアとの相応する反応生成物である。
【0057】
カルボン酸エステル基(vii)を有する添加剤は有利にはモノ−、ジ−もしくはトリカルボン酸と、長鎖のアルカノールもしくはポリオールとからなるエステルであり、特に100℃で2mm/sの最小粘度を有するエステルであり、これらはたとえば特に文献DE3838918A1に記載されている。モノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸として脂肪族または芳香族の酸を使用することができ、エステルアルコールもしくはポリオールとして特にたとえば6〜24の炭素原子を有する長鎖の代表例が適切である。エステルの一般的な代表例はイソ−オクタノール、イソ−ノナノール、イソ−デカノールおよびイソ−トリデカノールのアジペート、フタレート、イソ−フタレート、テレフタレートおよびトリメリテートである。このような生成物はキャリアオイルの特性もまた満足する。
【0058】
無水コハク酸から誘導され、ヒドロキシ基および/またはアミノ基および/またはアミド基および/またはイミド基(viii)を有する基を含有する添加剤は、有利にはポリイソブテニル無水コハク酸の相応する誘導体であり、これは通例の、または高反応性のM=300〜5000を有するポリイソブテンと、無水マレイン酸とを熱的な方法で、または塩素化されたポリイソブテンを経由して反応させることにより得られる。この場合、特に重要であるのは脂肪族ポリアミン、たとえばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミンとの誘導体である。このようなオットー燃料添加剤は特に文献US4,849,572に記載されている。
【0059】
フェノール性ヒドロキシル基と、アルデヒドおよびモノアミンもしくはポリアミンとのマンニッヒ反応により得られる基(ix)を有する添加剤は有利にはポリイソブテン置換されたフェノールとホルムアルデヒドおよびモノアミンもしくはポリアミン、たとえばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンまたはジメチルアミノプロピルアミンとの反応生成物である。ポリイソブテニル置換されたフェノールは通例の、もしくは高反応性のM=300〜5000を有するポリイソブテンから由来する。このような「ポリイソブテン−マンニッヒ塩基」は特に文献EP831141A1に記載されている。
【0060】
個別的に記載される添加剤の正確な定義のためにここでは従来技術の上記の文献の開示を明文をもって引用する。
【0061】
成分c)としての分散剤はたとえばポリイソブテンコハク酸無水物のイミド、アミド、エステルおよびアンモニウム塩およびアルカリ金属塩である。これらの化合物は特に潤滑油中で使用されるが、しかし部分的に燃料組成物中の界面活性剤としても使用される。
【0062】
場合により本発明によるパッケージの成分d)として存在していてもよいその他の添加剤および助剤は、有機溶剤、たとえばアルコール、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ネオペタノールまたはヘキサノール、たとえばグリコール、たとえば1,2−エチレングリコール、1,2−もしくは1,3−プロピレングリコール、1,2−、2,3−もしくは1,4−ブチレングリコール、ジ−もしくはトリエチレングリコールまたはジ−もしくはトリプロピレングリコール、たとえばエーテル、たとえばメチルt−ブチルエーテル、1,2−エチレングリコールモノ−もしくは−ジメチルエーテル、1,2−エチレングリコールモノ−もしくは−ジエチルエーテル、3−メトキシプロパノール、3−イソプロポキシプロパノール、テトラヒドロフランまたはジオキサン、たとえばケトン、たとえばアセトン、メチルエチルケトンまたはジアセトンアルコール、たとえばエステル、たとえば酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステルまたは酢酸ブチルエステル、たとえばラクタム、たとえばN−メチルピロリジノン(NMP)、たとえば脂肪族もしくは芳香族炭化水素ならびにこれらの混合物、たとえばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油エーテル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、デカリン、ジメチルナフタリンまたはホワイトスピリットおよびたとえば鉱油、たとえばガソリン、ケロシン、ディーゼル油または加熱油である。
【0063】
腐食防止剤、たとえば有色金属腐食防止の際の塗膜形成傾向のある有機カルボン酸のアンモニウム塩または複素環式芳香族化合物をベースとするもの、
酸化防止剤または安定剤、たとえばアミン、たとえばp−フェニレンジアミン、ジシクロヘキシルアミンもしくはこれらの誘導体またはフェノール、たとえば2,4−ジ−t−ブチルフェノールまたは3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸をベースとするもの、解乳化剤、
帯電防止剤、
メタロセン、たとえばフェロセンまたはメチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、
潤滑性改善剤(潤滑剤)、たとえば特定の脂肪酸、アルケニルコハク酸エステル、ビス(ヒドロキシアルキル)脂肪アミン、ヒドロキシアセトアミドまたはひまし油、
燃料のpH値を低下させるためのアミン、
その他の、アントラキノン誘導体とは異なる標識物質ならびに
着色剤。
【0064】
成分a)、つまり少なくとも1のアントラキノン誘導体の濃度は、本発明によるパッケージ中で通常、鉱油にパッケージを添加した後で所望の標識物質濃度がその中に含有されているような程度に選択される。鉱油中での標識物質の通常の濃度は約0.01〜数10質量ppmの範囲である。
【0065】
そのつど成分a)〜c)および場合によりd)の全量に対して
成分b)、つまり少なくとも1のキャリアオイルは、本発明によるパッケージ中で通常、1〜50質量%、特に5〜30質量%の濃度で、および
成分c)、つまり少なくとも1の界面活性剤および/または少なくとも1の分散剤は、通常25〜90質量%、特に30〜80質量%の濃度で
、含有されており、その際、成分a)〜c)および場合によりd)の成分の個々の濃度の合計は100質量%である。
【0066】
燃料のpH値の低下のために、成分d)として腐食防止剤、酸化防止剤または安定剤、解乳化剤、帯電防止剤、メタロセン、潤滑性改善剤およびアミンが本発明によるパッケージ中に含有されている場合、これらの濃度は合計して通常、パッケージの全量に対して(つまり成分a)〜c)およびd)の全量の対して)10質量%を超えることはなく、その際、腐食防止剤および解乳化剤の濃度は通常、そのつどパッケージの全量の約0.01〜0.5質量%の範囲である。
【0067】
成分d)として付加的な(つまりすでに残りの成分と共に導入されていない)有機溶剤が本発明によるパッケージ中に含有されている場合、その濃度は合計して通常、パッケージの全量に対して20質量%以上になることはない。これらの溶剤は通常、より正確な供給性に関して、純粋な標識物質および/または着色剤の代わりにパッケージに添加される標識物質および/または着色剤の溶液に由来する。
【0068】
成分d)として別の、アントラキノン誘導体とは異なる標識物質が本発明によるパッケージ中に含有されている場合、その濃度は再び、該物質が鉱油中でのパッケージに添加後に有すべき含有率に従って算定される。同じことが成分a)について記載したことにも該当する。
【0069】
成分d)として着色剤が本発明によるパッケージ中に含有されている場合、その濃度は通常、パッケージの全量に対して約0.1〜5質量%である。
【0070】
実施例:
以下に示すアントラキノン誘導体を試験した。化合物1〜9の合成は、1,4,5,8−テトラクロロアントラキノンおよび相応する置換されたアニリンから出発して文献EP0323184A1に記載された方法により行った。
【0071】
化合物1(λmax=753nm、THF):
【0072】
【化9】

化合物2(λmax=750nm、THF):
【0073】
【化10】

化合物3(λmax=673nm、THF):
【0074】
【化11】

化合物4(λmax=758nm、THF):
【0075】
【化12】

化合物5(λmax=756nm、THF):
【0076】
【化13】

化合物6(λmax=756nm、THF):
【0077】
【化14】

化合物7(λmax=756nm、THF):
【0078】
【化15】

化合物8:
【0079】
【化16】

化合物9(λmax=670nm、THF):
【0080】
【化17】

【0081】
三置換された化合物が化合物8を製造する際の副生物として得られた。
化合物10(λmax=643nm、THF):
【0082】
【化18】

【0083】
S.G.33(BASF社から得られる市販品)
化合物11(λmax=328nm、THF):
【0084】
【化19】

(BASF社から得られる市販品)
化合物12(λmax=648nm、THF):
【0085】
【化20】

【0086】
S.B.79(BASF社から得られる市販品)
比較(λmax=770nm、THF):
比較化合物として以下の式のフタロシアニンを使用した:
【0087】
【化21】

(WO98/52950A1により製造)
貯蔵安定性のための試験
燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物の使用される試験混合物をその中に含有されている成分およびこれらのそのつどの割合と共に以下の第1表に記載した:
【0088】
【表1】

(界面活性剤、キャリアオイル、腐食防止剤および解乳化剤はたとえばBASF社から得られる市販品である)
A)第1表に記載されている主成分である界面活性剤およびキャリアオイルに対する化合物1〜9および比較化合物の貯蔵安定性を試験した。このためにそのつどの化合物50〜100mgをShellsol AB 50ml中に溶解するか、または、Shellsol AB中での化合物の溶解度が十分ではない場合には、該化合物をまずイソプロパノールまたはNMP約5mlで溶解し、かつ次いでShellsol AB で50mlになるまで満たす。引き続き該溶液を折りたたみ濾紙により濾過した。
【0089】
濾液1〜3mlを界面活性剤またはキャリアオイルで10mlまで満たし(そのつどの化合物の0.01〜0.08%の濃度に相応)、かつ1mmのキュベットで相応する、添加剤を添加していない対照に対して測定した。
【0090】
試料を10mlのアンプル中に充填し、気密に密閉し、かつ水浴中に50℃で貯蔵した。
【0091】
その結果は第2表および第3表に記載されている。全ての試験において初期吸光度を標準化した。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
比較化合物はキャリアオイルの存在下で、界面活性剤が存在する場合よりも時間に依存した標準化吸光度の明らかにより迅速な低下を示した。従ってこれらの値は記載しなかった。
【0095】
B)第1表からの界面活性剤および燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物に対する化合物10〜12の貯蔵安定性を試験した。このために、界面活性剤もしくは燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物中の化合物10〜12の1質量%の含有率を有する溶液を製造し、かつ室温ならびに40℃での貯蔵時間に依存した標準化吸光度を決定した。標準化は貯蔵の開始時(つまり、相応する溶液の製造の直後)における吸光度の値に行った。結果は記載に記載されている。
【0096】
化合物10:
室温での界面活性剤:7〜14日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
40℃での界面活性剤:7〜14日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
室温での燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物:7〜14日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
40℃での燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物:7〜14日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
【0097】
化合物11:
室温での界面活性剤:4、12、28および42日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
40℃での界面活性剤:4、12、28および42日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
室温での燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物:21日および28日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
40℃での燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物:21日および28日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は確認することができなかった。
【0098】
化合物12:
室温での界面活性剤:4、12、28および42日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は実質的に確認することができなかった。結果は以下の表が示している:
【0099】
【表4】

40℃での界面活性剤:4、12、28および42日の貯蔵時間後に標準化吸光度の変化は実質的に確認することができなかった。結果は以下の表が示している:
【0100】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
標識物質として少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する燃料および潤滑剤添加剤の濃縮物。
【請求項2】
式I
【化1】

式II
【化2】

式III
【化3】

[式中、
、Zは相互に無関係に水素、ヒドロキシ、OR、NHRまたはNRを表し、
、Rは相互に無関係にRまたはCORを表し、
Xは水素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、OR、アミノ、NHR、RまたはCH(R)(R10)を表し、
n、mは0、1、2、3または4を表し、その際、そのつどnもしくはmが1より大である場合、基RもしくはXは同じであるか、または相互に異なっており、
、R10は相互に無関係にシアノ、COOHまたはCOORを表し、
は水素、RまたはNHRを表し、
〜Rは相互に無関係に水素、RまたはNHRを表し、かつ
Rはエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよいC〜C20−アルキル、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C20−アルキル基により置換されていてもよいC〜C−シクロアルキル、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C20−アルキル基により置換されていてもよい飽和の複素環式の5員もしくは6員の基、1もしくは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよいC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより置換されていてもよいC〜C10−アリール、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより置換されていてもよい、3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール、アリール基中で1もしくは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよいC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより置換されていてもよいC〜C10−アリール−C〜C−アルキル、またはヘテロアリール基中に3〜12の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、後者は、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルキルアミノまたはC〜C20−ジアルキルアミノにより置換されていてもよい]の化合物からなる群から選択される少なくとも1のアントラキノン誘導体を含有する請求項1記載の濃縮物。
【請求項3】
式Iおよび式II中で、
、Zは相互に無関係に水素またはNHRを表し、
、Rは相互に無関係にRを表し、
Xは水素、シアノまたはCH(R)(R10)を表し、
n、mは0、1、2、3または4を表し、その際、nもしくはmが1より大である場合、基RもしくはXは同じであるか、または相互に異なっており、
、R10は相互に無関係にシアノまたはCOORを表し、
は水素、RまたはNHRを表し、
〜Rは水素またはNHRを表し、
はNHRを表し、かつ
Rはエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよいC〜C15−アルキル、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により置換されていてもよいシクロヘキシル、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル基により置換されていてもよい飽和の複素環式5員もしくは6員の基、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより置換されていてもよいC〜C10−アリール、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより置換されていてもよい、3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール、フェニル基中で、エーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより置換されていてもよいフェニル−C〜C−アルキル、またはヘテロアリール基中に3〜5の炭素原子を有するヘテロアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、後者はエーテル官能基中で1〜4の酸素原子により中断されていてもよい1もしくは複数のC〜C15−アルキル、C〜C15−アルコキシ、C〜C15−アルキルアミノまたはC〜C15−ジアルキルアミノにより置換されていてもよいことを特徴とする、請求項2記載の濃縮物。
【請求項4】
鉱油に添加剤を添加するための請求項1から3までのいずれか1項記載の濃縮物の使用。
【請求項5】
請求項1から3までのいずれか1項記載の濃縮物を含有する鉱油。

【公表番号】特表2007−515532(P2007−515532A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546049(P2006−546049)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014587
【国際公開番号】WO2005/063942
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】