説明

横方向移送システムを有する水平配向されたガス化装置

都市固形廃棄物を含む炭素質原料を、ガス化を通じて産生ガスに効率的に変換するための方法および装置を記載する。より具体的には、ガス化装置を通して材料を移動させるための1つ以上の横方向移送システムを有する水平配向されたガス化装置が提供され、それによって、原料の乾燥、揮発、および炭化物から灰への変換といった順次的な進展が存在するように、ガス化プロセスの水平方向の展開が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素質原料のガス化の分野に関し、特に、横方向移送システムを有する水平配向されたガス化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス化は、都市固形廃棄物(MSW)または石炭等の炭素質原料の、可燃性ガスへの変換を可能にするプロセスである。ガスは、電気、蒸気を生成するために、または化学物質および液体燃料を産生(produce)するための基本原材料として、使用され得る。
ガスの考えられる使用法として、内部処理および/またはその他の外部目的用の蒸気の産生(production)のため、または、蒸気タービンによる電気の生成のためのボイラー内における燃焼;電気の生成のためのガスタービンまたはガスエンジン内における直接的な燃焼;燃料電池;メタノールおよびその他の液体燃料の産生;プラスチックおよび肥料等の化学物質の産生のためのさらなる原料として;別個の産業用燃料ガスとしての、水素および一酸化炭素両方の抽出;ならびにその他の産業上の用途が挙げられる。
【0003】
概して、ガス化プロセスは、炭素質原料を、制御および/または限定された量の酸素および任意選択で蒸気とともに加熱チャンバ(ガス化装置)内へ送給することからなる。過剰な酸素によって動作してCO、HO、SO、およびNOを産生する焼却または燃焼とは対照的に、ガス化プロセスは、CO、H、HS、およびNHを含む生ガス組成物を産生する。清浄化後、興味深い一次ガス化産物はHおよびCOである。
【0004】
有用な原料は、あらゆる都市廃棄物、産業活動によって産生された廃棄物、および生物医学的廃棄物、下水、汚泥、石炭、重油、石油コークス、重油精製残留物、製油所廃棄物、炭化水素汚染土壌、バイオマス、および農業廃棄物、タイヤ、ならびにその他の有害廃棄物を含み得る。原料の起源に応じて、揮発物は、HO、H、N、O、CO、CO、CH、HS、NH、C、また、アセチレン類、オレフィン類、芳香族類、タール類、炭化水素液(油)、および炭化物(カーボンブラックおよび灰)等の不飽和炭化水素を含む場合がある。
原料を加熱したとき、発生する第1の成分は水である。乾燥原料の温度が上昇すると、熱分解が起こる。熱分解中、原料は熱で分解されて、タール類、フェノール類、および光揮発性炭化水素ガスを放出し、その一方で、当該原料は炭化物に変換される。
炭化物は、有機および無機材料からなる残留固体を含む。熱分解後、炭化物は乾燥原料よりも高濃度の炭素を有し、活性炭素の源としての役割を果たし得る。高温(>1,200℃)で動作するガス化装置内、または高温ゾーンを有するシステム内において、無機鉱物質が溶解またはガラス化され、スラグと呼ばれる溶融ガラス状物質を形成する。
【0005】
スラグは溶解されガラス化された状態であるため、通常は無害であると考えられ、無害材料として埋立地において処分、または鉱石、路盤、もしくはその他の建設材料として販売され得る。加熱プロセスにおいて極度に燃料が無駄になること、ならびに、有用な合成ガスおよび固体材料に変換され得る材料を残留廃棄物として処分するのはさらに無駄であることから、廃棄材料を焼却によって処分することは、あまり望ましいことでなくなりつつある。
ガス化プロセスを実現する手段は様々に異なるが、ガス化装置内の雰囲気(酸素濃度または空気もしくは蒸気含有量)、ガス化装置の設計、内部および外部加熱手段、ならびにプロセスの動作温度という4つの主要な工学的要因に依存する。産生ガスの品質に影響を及ぼす要因として、原料組成、調製、および粒径;ガス化装置加熱速度;滞留時間;乾燥またはスラリー送給システムのいずれを用いるか、原料反応物流動形状、乾燥灰またはスラグ鉱物除去システムの設計を含むプラント構成;直接的または間接的な熱生成および移送方法を使用するか;ならびに、合成ガス清浄化システムが挙げられる。ガス化は、通常、約650℃〜1,200℃の範囲の温度で、真空下、大気圧下、または最大約100気圧の圧力下のいずれかで実行される。
【0006】
ガス化プロセスによって産生された熱を捕捉し、そのような熱を利用して電気を生成するための多数のシステムが提案されており、一般に複合サイクルシステムとして知られている。
産生ガス中のエネルギーは、プロセスによってガス化システム全体に産生された相当な量の回収可能な顕熱と相まって、概してプロセスを駆動するために十分な電気を産生し、それによって局所的な電力消費の費用を軽減することができる。大量の炭素質原料をガス化するために必要な電力の量は、当該原料の化学組成に直接的に左右される。
ガス化プロセスにおいて生成されたガスが、「低品質の」炭素質原料により低温ガス化装置内において生成される傾向がある種類のガス等、多種多様な揮発物を含む場合、当該ガスは概してオフガスと称される。原料の特徴およびガス化装置内における条件によって、COおよびHが支配的な化学種であるガスが生成される場合、当該ガスを合成ガスと称する。いくつかのガス化施設では、ガス品質コンディショニングシステムを冷却および清浄する前に、生オフガスまたは生合成ガスをより精製されたガス組成物に変換するための技術を用いる。
【0007】
材料をガス化するためにプラズマ加熱技術を利用することは、長年にわたって商業的に使用されてきた技術である。プラズマは、少なくとも部分的にイオン化され、ガス原子、ガスイオン、および電子で構成される、高温発光ガスである。プラズマは、このようにして、あらゆるガスによって産生され得る。ガスは、中性(例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン)、還元的(例えば、水素、メタン、アンモニア、一酸化炭素)、または酸化的(例えば、酸素、二酸化炭素)である可能性があるため、これによってプラズマ中における化学反応の優れた制御を与える。バルク相において、プラズマは電気的に中性である。
【0008】
いくつかのガス化システムでは、プラズマ熱を用いて、高温でガス化プロセスを駆動する、および/または、ガス状分子がプラズマ熱と接触した際におけるその他の投入物もしくは反応物の追加の有無にかかわらず、長鎖揮発物およびタール類をより小さい分子に変換、再構成、または再形成することにより、オフガス/合成ガスを精製し、それらのガスは、その構成原子に解離することになる。これらの原子の多くはその他の投入された分子と反応して新たな分子を形成することになり、一方、その他は類似原子と再結合する場合がある。プラズマ熱と接触している分子の温度が低下すると、全ての原子が完全に再結合する。投入ガスは化学量論的に制御され得るため、出力ガスは、例えば、相当レベルの一酸化炭素およびわずかなレベルの二酸化炭素を産生するように制御され得る。
【0009】
プラズマ加熱によって達成可能な超高温(3,000〜7,000℃)は、あらゆる形態または組み合わせの液体、気体、および固体を含む、受け取ったままの状態の廃棄物を含む事実上あらゆる投入原料が適応し得る、高温ガス化プロセスを可能にする。プラズマ技術は、全ての反応を同時に生じさせるために一次ガス化チャンバ内に位置付けられてもよいし(高温ガス化)、それらを順次に生じさせるためにシステム内に位置付けられてもよいし(高温精製を伴う低温ガス化)、その何らかの組み合わせであってもよい。
炭素質原料のガス化中に産生されたガスは、通常、極めて熱いが、少量の不要な化合物を含有する場合があり、それを使用可能な産物に変換するために、さらなる処置を必要とする。炭素質材料が気体状態に変換されると、金属、硫黄化合物、および灰等の望ましくない物質をガスから除去することができる。例えば、ガス化中に産生されたガスから粒子状物質および酸性ガスを除去するために、多くの場合、乾式濾過システムおよび湿式スクラバが使用される。ガス化プロセス中に産生されたガスを処置するためのシステムを含む、多数のガス化システムが開発されている。
【0010】
これらの要因は、例えば、米国特許第6,686,556号、第6,630,113号、第6,380,507号、第6,215,678号、第5,666,891号、第5,798,497号、第5,756,957号、および米国特許出願第2004/0251241号、第2002/0144981号において記載されている種々の異なるシステムの設計において、考慮されている。また、米国特許第4,141,694号、第4,181,504号、第4,208,191号、第4,410,336号、第4,472,172号、第4,606,799号、第5,331,906号、第5,486,269号、および第6,200,430号を含む、種々の用途において使用するための合成用ガスの産生のために石炭をガス化するための異なる技術に関する、多数の特許がある。
【0011】
先行技術のシステムおよびプロセスは、変化に応じて連続的に取り扱われなくてはならない課題に、十分に取り組んでこなかった。これらのタイプのガス化システムのいくつかは、ガス化反応から有用なガスを生成するプロセスを調整するための手段を説明している。したがって、プロセスの全体効率を最大化する様式で炭素質原料を十分にガス化することができるシステム、および/または、プロセス全体を含むステップを提供することは、当該技術分野において著しい進歩となるであろう。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、横方向移送システムを有する水平配向されたガス化装置を提供することにある。本発明の一側面によれば、1つ以上の原料投入口、1つ以上のガス出口、および固体残渣出口を有する、水平配向されたガス化チャンバと、チャンバ加熱システムと、処理中に、ガス化装置を通して材料を移動させるための1つ以上の横方向の移送ユニットと、1つ以上の横方向の移送ユニットの移動を制御するための制御システムとを備える、水平配向されたガス化装置が提供される。
【0013】
本発明の他の側面によれば、原料をオフガスおよび灰に変換するためのプロセスであって、
a) 水平配向されたガス化装置内に3つの領域的温度ゾーンを構築するステップにおいて、第1のゾーンは乾燥を促進する温度であり、第2のゾーンは揮発を促進する温度であり、第3のゾーンは炭化物から灰への変換を促進する温度である、ステップと、
b) 炭素質原料を第1のゾーンに提供して、炭素質原料をある期間、第1のゾーンに維持して、実質的に乾燥した反応材料を得るステップと、
c) 乾燥した反応材料の揮発性成分が揮発してオフガスを形成するように、実質的に乾燥した反応材料をある期間、第2のゾーンに渡すステップと、
d) 炭化物がさらにオフガスおよび灰に変換されるように、残留炭化物をある期間、第2のゾーンから第3のゾーンに渡すステップとを含むプロセスが提供される。
【0014】
本発明は、最適化すべき炭素質原料のガス化の種々のステージ全体にわたる揮発物の抽出を可能にする、横方向移送システムを有する水平配向されたガス化装置を提供する。原料は、ガス化装置の一端に導入され、処理中に、1つ以上の横方向の移送ユニットによってガス化装置を通して移動される。ガス化が、COおよびCOを同時に産生しながら、乾燥、揮発、および炭化物から灰への変換(炭素変換)を通して進むと、材料の堆積物の上部の温度は、概して上昇する。制御システムは、温度、および堆積物の高さまたはプロファイルのような計測可能なパラメータから情報を得るとともに、各横方向の移送ユニットの移動を独立して管理する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
定義
本願明細書において、「検知要素」という用語は、プロセス、プロセスデバイス、プロセス入力、またはプロセス出力の特徴を検知するように構成されたシステムのあらゆる要素を説明するものとして定義され、そのような特徴は、1つ以上の局所的、領域的、および/または、大域的プロセスの監視、調節、および/または制御に使用可能な特徴値によって表すことができる。ガス化システムの文脈で検知要素とみなされるものには、これに限定されないが、プロセス、流体、および/または材料の温度、圧力、流れ、組成、および/または他のそのような特徴、およびシステム内のあらゆる所与の地点での材料の位置および/または性質、ならびにシステム内で使用されるあらゆるプロセスデバイスのあらゆる動作の特徴を検知するための、センサ、検出器、モニタ、アナライザ、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。検知要素の上記の例は、それぞれがガス化システムの文脈の中で関連するものであるが、本開示の文脈の中で特に関連するものではない場合もあるため、本願明細書において検知要素として定義される要素は、これらの例に照らして限定および/または不適切に解釈されるべきではないことが、当業者には理解されよう。
【0016】
本願明細書において、「応答要素」という用語は、それと動作可能に関連付けられたプロセスデバイスを動作させるために、1つ以上の所定の、計算された、固定された、および/または調整可能な制御パラメータに従って、検知された特徴に応答するように構成されたシステムの任意の要素を説明するものとして定義され、1つ以上の制御パラメータは、望ましいプロセス結果を提供するものとして定義される。ガス化システムの文脈内で検討される応答要素には、これに限定されないが、静的な、事前設定された、および/または動的に可変のドライバ、動力源、ならびに、1つ以上の制御パラメータに基づいて、機械的、電気的、磁気的、空気圧、油圧、またはそれらの組み合わせとすることができる動作を行わせるように構成可能な他の要素が挙げられる。ガス化システムの文脈の中でプロセスデバイスとみなされ、それに対して1つ以上の応答要素を動作可能に連結することができるものは、これに限定されないが、材料および/または原料投入手段、プラズマ熱源のような熱源、添加剤投入手段、種々のガスブロワおよび/または他のそのようなガス循環デバイス、種々のガス流量および/または圧力調整器、およびガス化システム内のあらゆる局所的、領域的、および/または大域的プロセスに対して影響を及ぼすように動作可能な他のプロセスデバイスが挙げられる。応答要素の上記の例は、それぞれがガス化システムの文脈の中で関連するものであるが、本開示の文脈の中で特に関連するものではない場合もあるため、本願明細書において応答要素として定義される要素は、これらの例に照らして限定および/または不適切に解釈されるべきではないことが、当業者には理解されよう。
【0017】
本願明細書において、「反応材料」という用語は、これに限定されないが、部分的に、または完全に処理された原料を含む、原料を意味することができる。
本願明細書において、「(炭素質)原料」という用語は、本ガス化プロセスにおけるガス化に適切なあらゆる炭素質材料とすることができ、これに限定されないが、あらゆる廃棄物、石炭(石炭を燃焼させる動力発生器での使用には好適でない、低級の高硫黄石炭を含む)、石油コークス、重油、バイオマス、下水スラッジ、パルプおよび製紙工場からのスラッジ、および農業廃棄物が挙げられる。ガス化に好適な廃棄物には、都市廃棄物、産業活動によって産生された廃棄物(塗料スラッジ、規格外の塗料産物、使用済み吸着剤)、自動車の不要物、使用済みタイヤ、および生物医学的廃棄物のような有害および無害の廃棄物や、再利用不可能なプラスチック、下水スラッジ、石炭、重油、石油コークス、重油精製残留物、製油所廃棄物、炭化水素で汚染された固形廃棄物、およびバイオマスを含む、再利用に不適切な炭素質材料や、農業廃棄物、タイヤ類、有害廃棄物、産業廃棄物、およびバイオマスが挙げられる。ガス化に有用なバイオマスの例には、これに限定されないが、廃材または新鮮材、果物、野菜、穀物加工の残骸、製紙工場の残渣、藁、草、および肥料が挙げられる。
【0018】
本願明細書において、「入力」という用語は、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントに入力または通信しようとしているか、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントに現在入力または通信しているか、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントに入力または通信したことを示す。入力には、これに限定されないが、組成物、情報、データ、および信号、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。組成物に関しては、入力には、これに限定されないが、流入液、反応物質、試薬、燃料、物体、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。情報に関しては、入力には、これに限定されないが、システムの仕様、および動作パラメータが挙げられる。データに関しては、入力には、これに限定されないが、システムによって生成または収集された結果、測定値、初見、説明、統計、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。信号に関しては、入力には、これに限定されないが、空気、電気、オーディオ、光(視覚的および非視覚的)、機械的なもの、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。システムまたはそのコンポーネントに関して、入力とは、所与のシステムまたはシステムのコンポーネントへの入力が、別のシステムまたはシステムのコンポーネントに関する出力にもなりうるように、システムまたはそのコンポーネントに入力または通信されようとしているか、現在入力または通信されているか、入力または通信されたものとして定義することができる。入力は、また、システムによる入力または通信のアクションまたはプロセスも示すことができる。
【0019】
本願明細書において、「出力」という用語は、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントから出る、または通信されようとしているか、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントから現在出ている、または通信されているか、あらゆるシステムまたはそのコンポーネントから出た、または通信されたことを示す。出力には、これに限定されないが、組成物、情報、データ、および信号、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。組成物に関しては、出力には、これに限定されないが、流出液、反応生成物、プロセス廃棄物、燃料、物体、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。情報に関しては、出力には、これに限定されないが、システムの仕様、および作動パラメータが挙げられる。データに関しては、出力には、これに限定されないが、システムによって生成または収集された結果、測定値、初見、説明、統計、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。信号に関しては、出力には、これに限定されないが、空気、電気、オーディオ、光(視覚的および非視覚的)、機械的なもの、またはそれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。システムまたはそのコンポーネントに関して、出力とは、所与のシステムまたはシステムのコンポーネントの出力が、別のシステムまたはシステムのコンポーネントに関する入力にもなりうるように、システムまたはそのコンポーネントから出されようと、または通信されようとしているか、現在出されている、または通信されているか、出された、または通信されたものとして定義することができる。出力は、システムを出るか、またはこれと連通するアクションまたはプロセスを示すこともできる。
【0020】
システムの概要
図1を参照すると、本発明は、1つ以上の原料投入口(2004)と、1つ以上のガス出口(2006)と、固体残渣(灰)出口(2008)とを有する、水平配向されたガス化装置(2000)を提供する。材料は、1つ以上の原料投入口(2004)を経てガス化装置(2000)に入り、制御システムによって制御される1つ以上の横方向移送ユニット(2010)によって、処理中にガス化装置(2000)を通って移動する。
本発明は、炭素質原料からの気体の分子の抽出を容易にする、横方向移送システムを備えた水平配向されたガス化装置(2000)を提供する。特に、本発明は、順次に、乾燥、揮発、および炭化物から灰への変換(炭素変換)を促進することによってガス化プロセスを容易にする、ガス化装置を提供する。これは、材料を別の領域に移動させる前に、特定の温度範囲で乾燥を生じさせ、材料を別の領域に移動させる前に、別の温度範囲で揮発を生じさせ、別の温度範囲で炭化物から灰への変換を生じさせることによって達成される。それに応じて、ガス化装置内の材料を、1つ以上の横方向移送ユニット(2010)によって、送給領域から固体残渣端部の方へ移動させると、材料は、異なる程度の乾燥、揮発、および炭化物から灰への変換(炭素変換)を受ける。
【0021】
反応材料の移動を容易にするために、個々の横方向移送ユニット(2010)を独立に制御してもよいし、2つ以上の横方向移送ユニット(2010)の群を協調的に制御してもよい。
したがって、水平配向されたガス化装置内の各区域は、ガス化プロセスのある段階を促進する温度範囲および任意選択のプロセス添加剤(2019)(空気、酸素、および/または蒸気等)を経験する。反応材料の堆積物中においては、ガス化の全ての段階が同時に発生しているが、個々の段階は、ある一定の温度範囲において有利である。
ガス化装置を介して材料を物理的に移動させることにより、揮発を促進するために材料の温度を上げる前に、エネルギー的に効率的な可能な限りの乾燥を発生させることで、ガス化プロセスが容易になり得る。続いてプロセスは、炭化物から灰への変換(炭素変換)を促進するために材料の温度を上げる前に、エネルギー的に効率的な可能な限りの揮発を発生させようとする。
【0022】
図2および図3に示されるように、本発明を用いることによって達成されるガス化プロセスの水平方向の拡張は、ガス化装置内の特定の場所での材料の特徴に応じて、ガス化プロセスの1つ以上のステージ(乾燥、揮発、および炭化物から灰への変換)を領域的に促進することによって、ガス化プロセスを容易にする。
理論的には、任意の場所のガス化装置の状態は、その特定の場所での反応材料の特徴に応じて最適化することができる。しかし、本概念の実用的な実施形態は、より大きな領域の一般的または平均的な反応材料の特徴に応じて最適化された、有限数の領域にガス化装置を分けるものである。したがって、例えば、ガス化装置は、原料の特徴に応じて、2つ、3つ、4つ以上の領域に分けることができる。理解を容易にするために、下記の説明では、ガス化装置を3つの領域に分けたものを記載する。しかし、本発明は、3つの領域を有するガス化装置に限られるものではない。
ガス化装置全体にわたって連続的かつ並列の様式でプロセスが行われることを上述したが、ガス化装置は、概念上、複数の領域に分割することができる。3つの領域の実施形態では、以下の通りである。
【0023】
領域I:材料の乾燥促進
図2を参照すると、領域Iは、ライン310およびライン320との間の領域となる。原料は、領域Iにおいてガス化装置に供給される。この領域の通常の温度範囲(材料堆積物の底部で測定したとき)は、約300乃至900℃である。ここでの主なプロセスは乾燥であり、大部分が材料の堆積物の上部および中央部で生じ、温度は約100℃以上である。加えて、この領域では、いくらかの揮発および炭化物から灰への変換(炭素変換)が生じる。
【0024】
領域II:材料の揮発促進
図3を参照すると、領域IIは、ライン320とライン330との間の領域となる。材料堆積物は、底部の温度範囲が約400乃至950℃である。領域IIで生じる主なプロセスは、乾燥動作の残りによる揮発、および実質的な量の炭化物から灰への変換(炭素変換)である。
【0025】
領域III:炭化物から灰への変換(炭素変換)
図3を参照すると、領域IIIは、ライン330とライン340との間の領域となる。領域IIIの温度範囲は、約500乃至1000℃である。しかし、一実施形態では、灰の凝集を防止するために、この領域の最大温度は約950℃を超えない。領域IIIの主なプロセスは、揮発の量がより少ない(残部)炭素変換である。この時までに、反応材料から水分が除去されている。この領域の終りまでに、大部分の固体残渣が灰となる。
一実施形態では、領域IIIからの灰は、灰収集チャンバに移し替えられる。適切な灰収集チャンバは当該技術分野において既知であり、したがって、システムの要件を考慮する当業者であれば、適切な灰収集チャンバのサイズ、形状、および製造法を容易に知るであろう。
一実施形態において、灰は、冷却のために水槽内に移し替えられ、任意選択で弁の制御下において、そこから導管を介してガス化装置残渣が排出地点へ送出されることになる。
一実施形態では、灰は、灰からスラグへの変換のために、固体残渣コンディショニング変換チャンバに移し替えられる。
【0026】
水平配向されたガス化装置
ここで図1を参照すると、ガス化装置(2000)は、原料投入口(2004)と、ガス出口(2006)と、灰(固体残渣)出口(2008)とを有する水平配向されたガス化チャンバ(2002)を備える。ガス化装置は、ガス化チャンバを通して固体材料を輸送するための1つ以上の横方向移送ユニット(2010)を有する、横方向移送システムをさらに備える。
一実施形態では、特定のガス化装置内の横方向移送ユニットの数は、反応材料が移動しなければならない経路長、および反応材料が各横方向移送ユニットによって移動することができる距離に依存し、また、別個の移送および機械的複雑さによって生じるプロセス外乱の最小化と、コストと、信頼性とを妥協して解決する。
処理中、原料は、原料投入部(2004)を介してチャンバ(2002)内の一端(以後、送給端と称する)に導入され、送給端からガス化チャンバ内の種々の領域を介して灰(固体残渣)出口(2008)または灰端の方へ輸送される。送給材料がチャンバを通って前進するにつれて、揮発性留分が揮発されてオフガスを形成し、結果として生じる炭化物が反応してさらなるオフガスおよび灰を形成することから、当該材料はその質量および体積を失う。
【0027】
この漸進的変換により、材料の高さ(堆積物の高さ)は、送給端からチャンバの灰端へ向けて低下し、固体残渣(灰)のみが残存するときに水平になる。
一実施形態において、オフガスは、ガス出口(2006)を通って、例えば、プラズマ熱依存処理を含む、さらなる処理を受けることができるガス精製チャンバ内、または、貯蔵チャンバもしくは槽内へ逃れる。固体残渣(灰)は、灰出口(2008)を介して、例えばさらなる処理のために灰収集チャンバまたは固体残渣コンディショニングチャンバへ輸送される。
一実施形態では、ガス化装置は、複数の床レベルまたは段を有する階段状床を有する。任意選択で、各フロアレベルを傾斜させる。一実施形態では、床面は、約5°乃至約10°傾斜する。
階段状床ガス化装置の一実施形態において、個々の段(床レベル)は、上記で論じた個々の領域と少なくとも部分的に相関し、各領域または段は、程度の異なる乾燥、揮発、および炭素変換のために最適化された条件を有する。便宜上、最上段を段A、次の段を段B等と称することにする。対応する横方向移送ユニットは、同じ文字によって識別されることになる、すなわち、横方向移送ユニットAまたはラムAが段Aを稼働させ、横方向移送ユニットBまたはラムBが段Bを稼働させる。
【0028】
三段の実施形態においては、上段または段A(2012)、中段または段B(2014)、および下段または段C(2016)がある。
材料は、第1の段(段A)(2012)に送給される。この段の通常温度範囲は(材料の堆積物の底部において計測した場合)300乃至900℃である。
段Bは、残部の乾燥動作による揮発、さらに相当な量の炭化物から灰への変換(炭素変換)を促進するために、400乃至950℃の底部温度範囲を有するように設計される。
段Cの温度範囲は500乃至1,000℃である。段Cにおける主なプロセスは、より少ない量(残部)の揮発を伴う炭化物から灰への変換(炭素変換)のものである。
一実施形態において、それらの段上における移動は、任意選択で各段が独立に制御される横方向移送ユニットにより稼働する横方向移送システムによって容易になる。
【0029】
チャンバの設計検討事項
ガス化装置のチャンバは、原料をオフガスに処理するための密閉、絶縁されたスペースを提供し、冷却、精製その他のような下流側のプロセスへのオフガスの通路を可能にし、任意選択で、以降のさらなる処理のための灰の除去を可能にするように設計される。原料のこのような処理は、ガス化装置を通じての熱風および/または蒸気のようなプロセス添加剤の反応材料への導入を促進し、反応材料の堆積物高さの制御、および破壊または架橋せずにガス化装置を通じた反応材料の移動を可能にする設計によって容易になる。設計は、任意選択で、検査、保守および修復のための点検口をガス化装置内部に提供することができる。
【0030】
ガス化装置は、炭素質原料からの揮発性化合物の抽出を達成するように設計される。したがって、ガス化装置の形状を設計するときには、とりわけ熱移送、ガス流、プロセス添加剤の混合のような因子を考慮することができる。コンピュータモデリングを使用することで、ガス化装置設計の最適化を容易にすることができる。適切なコンピュータモデリングシステムおよびシミュレータは、従来技術において既知であり、米国特許第6,817,388号(参照することにより組み込まれる)に詳述されているような化学プロセスシミュレータが挙げられる。
一実施形態では、化学プロセスシミュレータの使用に加えて、ガス化装置の流量モデリングを行って、プロセス投入の適切な混合を確実にし、また、動的影響が有意とならないようにすることができる。
【0031】
ガス化装置の物理的設計の特徴は、複数の因子によって決定される。これらの因子には、例えば、含水量、粒度、硬さおよび流量の特徴;システムのスループット;必要な変換効率(滞留時間);所望のガス化装置のジオメトリ(1/d比率);材料移送の特徴;混合の特徴(固体およびガス);とりわけ、ガスの表面上の速度および添加剤の分布を含む、処理すべき原料の化学的組成および物理的特徴が挙げられる。ガス化チャンバの内部構成およびサイズは、部分的には、処理すべき投入した廃棄物の流れの分析を通じた動作特徴によって決定される。
上述のように、原料は、原料投入口(2004)を経てガス化装置に導入され、処理中にガス化チャンバを通って移動する。この移動は、完全に、または部分的に横方向移送システムを用いて達成される。
一実施形態では、反応材料移送を容易にするために、ガス化装置を設計するときには、種々の機器類、または下流側の反応材料からの抵抗、あるいは壁の摩擦による反応材料の架橋、妨害のリスクを低減または排除できるように、ガス化装置を通じた反応材料の移送の力学を検討することができる。
【0032】
処理中、酸素源としての空気がチャンバ内に導入される。任意選択で、ガス化チャンバへの空気の一様流を容易にし、ホットスポット形成を防止し、および/または温度制御を改良するために、処理空気を注入する方法を選択してもよい。空気は、任意選択でチャンバの底部付近から、チャンバの側部を通して導入するか、チャンバの床を通して導入するか、または両方を通して導入することができる。
ガス化装置の設計においては、プロセス添加剤投入部の位置、配向、および数も考慮すべきである。プロセス添加剤は、任意選択で、望ましい変換結果を達成するために最も効率的な反応を確実にする場所においてガス化装置に注入されてもよい。
【0033】
一実施形態において、ガス化チャンバの床は、材料の堆積物の基部における空気等のプロセス添加剤の導入を可能にするために、種々の程度まで穿孔されている。
一実施形態において、チャンバの側壁は、側面からの良好な空気透過のために十分な小さい幅を達成するために底部の方へ内向きに傾斜しているが、依然として必要体積の材料を有する。傾斜角は、任意選択で、処理中に材料がチャンバの底部の方へ落下することを確実にするために十分急勾配にされ得る。
一実施形態では、ガス化チャンバは、原料投入口、空気および蒸気投入口、ガス出口、および灰除去のための接続要素を備えた、鋼製溶接物である。
一実施形態では、ガス化チャンバは、管状である。
一実施形態では、ガス化チャンバの天盤または上部は、ガス化チャンバ全体にわたってガスの流量および滞留時間を最適化するように設計される。天盤部分は、ガス化チャンバを通してガスの流れを促進する、平坦、ドーム形、半円筒形、または他の構成とすることができる。
一実施形態では、本発明のガス化チャンバは、任意選択で半円形ドームまたはアーチ型の天盤を含む断面であり、任意選択でテーパ付きの下部を備えた水平方向の容器である。
【0034】
材料
ガス化チャンバは、必要とされる固体滞留時間にわたって適切な量の材料を収めるようにサイズ決定された内部体積を有する、部分的または完全に耐火物で裏打ちされたチャンバである。耐火物は、ガス化チャンバを高温および腐食性ガスから保護し、プロセスからの熱の不必要な損失を最小化する。耐火物材料は、当業者に既知である従来の耐火物材料であってもよく、当該材料は、例えば最大約1100℃の、高温非加圧反応に使用するのに適している。耐火システムを選定する際に考慮すべき要因としては、内部温度、摩耗;浸食および腐食;外部容器の温度の望ましい熱保存/制限;耐火物の望ましい寿命が挙げられる。適切な耐火物材料の例としては、高温焼成セラミック、すなわち、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、窒化ホウ素、リン酸ジルコニウム、ガラスセラミック、ならびに、シリカ、アルミナ、クロミア、およびチタニアを主として含有する高アルミナ質煉瓦が挙げられる。ガス化チャンバを腐食性ガスからさらに保護するために、チャンバは、任意選択で、保護膜によって部分的または完全に裏打ちされる。そのような膜は当該技術分野において既知であるため、当業者であれば、システムの要件に基づいて、例えばSauereisen High Temperature Membrane No.49を含む適切な膜を容易に識別することができるであろう。
【0035】
一実施形態において、耐火物は、高温、摩耗、浸食、および腐食に耐えるための高密度層を内側に有する多層設計である。高密度材料の外側にあるのは、耐性が低いが絶縁度は高い、より低密度の材料である。任意選択で、この層の外側は、極めて高い絶縁度を有する極めて低密度の泡板材料であり、浸食による摩耗にもさらされないため、使用される場合がある。多層耐火物において使用するための適切な材料は、当該技術分野において既知である。
一実施形態において、多層耐火物は、内側に配向されたクロミア層と、中央のアルミナ層と、外側の断熱板層とを備える。
一実施形態において、多層耐火物は、内側に配向されたクロミア層と、中央のアルミナ層と、外側の断熱板層とを備える。
チャンバの壁は、任意選択で、耐火ライニングのための支持部または耐火アンカーを組み込んでもよい。適切な耐火支持部およびアンカーは、当該技術分野において既知である。
【0036】
横方向移送システム
設計の目的
ガス化プロセスの特定の段階(乾燥、揮発、炭化物から灰への変換)を促進するために、材料はガス化チャンバを介して移動させられる。ガス化プロセスの制御を容易にするために、ガス化チャンバを介する材料の移動は、プロセス要件に応じて変動し得る(可変移動)。ガス化装置を通るこの材料の横方向移動は、1つ以上の横方向移送ユニットを備える横方向移送システムの使用によって達成される。横方向移送システムによる反応材料の移動は、移動速度、各横方向移送ユニットが移動する距離、および、複数の横方向移送ユニットが使用される際の互いに対して移動させられる順序を変動させることによって最適化され得る。1つ以上の横方向移送ユニットが協調的に作用してもよいし、個々の横方向移送ユニットが独立に作用してもよい。材料流速および堆積物の高さの制御を容易にするために、個々の横方向移送ユニットを、変動する速度、変動する移動距離、変動する移動の頻度で、独立に移動させてもよい。
【0037】
下流側のステージに位置する反応材料によって課せられる壁の摩擦および背圧の両方が減じられるかまたは排除されるように、1つ以上の横方向移送ユニットの移動を厳密に調節することによって、所望のプロファイルを得ることができる。
横方向移送システムは、ガス化装置の過酷な状態下で効果的に動作できなければならず、また、特に、高温で動作できなければならない。さらに、原料の高温環境および研磨性によって、横方向移送システムが堅牢であることが求められる。
熱風がガス化装置の床を通して供給される実施形態では、横方向移送設計は、空気流の遮断による処理の低下に対する動作の保証を妥協して解決することができる。
【0038】
横方向移送ユニット
個々の横方向移送ユニットは、移動要素と、案内要素または位置合わせ要素とを備える。移動要素には適切な案内係合要素が装備され得ることが、当業者には明らかであろう。
移動要素には、これに限定されないが、棚/プラットフォーム、プッシャラムまたは搬送用ラム、プラウ、スクリュー要素、コンベア、またはベルトが挙げられる。ラムには、単一ラムまたは多指ラムが挙げられる。
一実施形態では、ガス化装置の設計は、単一ラムまたは多指ラムを使用できるようにする。
一実施形態では、ラムの動作中において、ガス流量による干渉を最小限にすることが望ましい場合、多指ラムが使用される。
多指ラム設計では、多指ラムは、一体構造とするか、またはラム指がラム本体に取り付けられた構造とすることができ、個々のラム指は、任意選択で、場所に応じて異なる幅を有する。多指ラム設計における指部間の間隙は、反応材料の粒子が架橋しないように選択される。
一実施形態では、個々の指部は、幅が約2乃至約3インチ(約50.8乃至約76.2mm)で、厚さが約0.5乃至約1インチ(約12.7乃至約25.4mm)で、間隙幅が約0.5乃至約2インチ(約12.7乃至約50.8mm)である。
一実施形態では、移動要素は、「T字形」である。
【0039】
システムが超高温で動作する特定の実施形態では、任意選択で、冷却を移動要素に提供することができる。一実施形態では、ラムまたは棚を使用して、冷却をラムまたは棚内に提供することができる。このような冷却は、チャンバの外側からラムまたは棚の内側を循環する流体(例、空気または水)によって行うことができる。
一実施形態では、プラウは、折り畳み式のアームを有し、プラウを後退させたときに、このアームを後退させることができる。
一実施形態では、コンベアは、ベルトまたは翼付きのチェーンコンベアである。
【0040】
移動要素は、高温度での使用に好適な材料で構成される。このような材料は、当業者に既知のものであり、ステンレス鋼、軟鋼、または耐火物で部分的に保護された、または完全に保護された軟鋼が挙げられる。
案内要素は、ガス化装置の内側に位置させるか、または内部に取り付けることができる。別様には、案内要素は、ガス化装置の外部に位置させるか、または外部に取り付けることができる。
案内要素が内側にあるか、または内部に取り付けられた実施形態では、横方向移送システムは、詰まりまたは破片の閉じ込めを防ぐように設計することができる。
案内要素をガス化装置の外側に位置させるか、外部に取り付けた実施形態では、ガス化装置は、移動要素がそこを通ってガス化チャンバに入ることができる、少なくとも1つの密閉可能な開口部を含む。
案内要素には、ガス化装置の側壁に位置する1つ以上の案内チャネル、案内トラックまたはレール、案内トラフ、または案内チェーンが挙げられる。
【0041】
案内係合部材は、案内要素を移動可能に係合するようにサイズ設定された、1つ以上のホイールまたはローラを任意選択で含むことができる。一実施形態では、案内係合部材は、案内トラックに沿って摺動させるように適合させたシューを備えた摺動部材である。任意選択で、シューは、少なくとも1つの交換可能な摩耗パッドをさらに備える。
一実施形態では、移動要素の横方向の場所は、移動要素がガス化チャンバに入る地点にのみ提供され、位置合わせ要素によって、移動要素は、常に角度を付けて位置合わせされ、それによって、複雑で精密な案内機構の必要性が排除されるようにする。
一実施形態では、位置合わせ要素は、共通軸によって同期して駆動される2つのチェーンである。これらのチェーンは、任意選択で個々に調節可能であり、適切な位置合わせを容易にする。
【0042】
一実施形態では、横方向移送システムは、可動棚/プラットフォームとすることができ、材料は、この棚/プラットフォームの上部に位置することによって、その大部分がガス化装置を通して移動される。一部の材料は、可動棚/プラットフォームの前縁によって押すこともできる。
一実施形態では、横方向移送システムは、搬送用ラムとすることができ、材料は、この搬送用ラムの上部に位置することによって、その大部分がガス化装置を通して移動される。一部の材料は、搬送用ラムの前縁によって押すこともできる。
一実施形態では、横方向移送システムは、プッシャラムとすることができ、材料は、ガス化装置通して大部分が押される。任意選択で、ラムの高さは、実質的に、移動させるべき材料の深さと略同じである。
一実施形態では、横方向移送システムは、一組のコンベアスクリューとすることができる。任意選択で、コンベアスクリューは、チャンバの床に配置することができ、それによって、空気の導入を妨げずに材料を移動させることができる。
【0043】
横方向移送システムを推進する動力は、モータおよび駆動システムによって提供され、アクチュエータによって制御される。
個々の横方向移送ユニットは、任意選択で、専用のモータによって動力が供給されて個々のアクチュエータを有するか、または1つ以上の横方向移送ユニットは、単一のモータによって動力が供給されて共有アクチュエータを有することができる。
基本的に、横方向移送システムの正確な制御を提供することができる、あらゆる制御可能なモータまたは機械的回動デバイスを使用して、横方向移送システムを推進することができる。適切なモータおよびデバイスは、従来技術において既知であり、電気モータ、合成ガス、蒸気、ガス、ガソリン、ディーゼル、またはマイクロタービンによって動作するモータが挙げられる。
【0044】
一実施形態では、モータは、モータの出力軸を順方向または逆方向に選択的に駆動する、電気可変速モータである。任意選択で、スリップクラッチをモータとモータの出力軸との間に提供することができる。モータは、ギアボックスをさらに備えることができる。
横方向移送システムの移動は、油圧システム、油圧ラム、チェーンおよびスプロケット駆動、またはラックアンドピニオン駆動によって達成することができる。モータの回転運動を線形運動に変換するこれらの方法は、ユニットの各側部において同期化した様式で提供して、位置合わせしたユニットを保持するので、機構の詰まりの可能性を最小限に抑えることを助力することができる、という利点がある。
一実施形態では、正確な案内を必要とせずに、ラムごとに2つのチェーンを使用して、角度を付けて位置合わせした状態にラムを保持する。
【0045】
横方向移送ユニットの、外部に取り付けられた部分またはコンポーネントは、任意選択で、密閉されていないか、部分的に密閉された、または密閉された筐体またはケース内に収容することができる。筐体は、保守が行えるように、着脱可能なカバーをさらに備えることができる。一実施形態では、筐体は、ガス化チャンバの内側よりも高い内圧を有することができるが、これは、窒素を用いて達成することができる。
【0046】
チャンバ加熱システム
ガス化プロセスには、加熱が必要である。熱付加は、原料の部分的な酸化によって直接的に生じさせるか、または従来技術において既知の1つ以上の熱源を用いて間接的に生じさせることができる。
一実施形態では、熱源が熱風を循環させることができる。熱風は、例えば、エアボックス、空気加熱器、または熱交換器から供給することができ、これらは全て従来技術において既知である。
一実施形態では、熱風は、独立した空気の供給および分配システムによって各レベルに提供される。適切な空気の送給および分配システムは、従来技術において既知であり、各段レベルごとに別個のエアボックスを含み、熱風は、エアボックスから、各段レベルの床にあるその段への穿孔を通すか、または各段レベルごとに独立して制御されるスパージャを経て通すことができる。
【0047】
一実施形態では、各床レベルは、個々の段の長さに延びる1つ以上の溝を有する。これらの溝は、熱風および/または蒸気パイプを収容するようにサイズ設定される。パイプは、任意選択で、その下部の1/3から半分が穿孔され、段全体にわたって、熱風または蒸気の一様な分布を容易にする。別様には、スパージャパイプは、パイプの上部に向かって穿孔することができる。
一実施形態では、熱源として、高温の砂を循環させることができる。
一実施形態では、熱源は、電気ヒーターまたは電気加熱要素とすることができる。
ガス化装置の初期起動を容易にするために、ガス化装置は、チャンバを予熱する種々の従来のバーナ(例、天然ガス、油/ガス、またはプロパンバーナ)を収容するようにサイズ設定された、アクセスポートを含むことができる。また、木材/バイオマス源、エンジン排気、電気ヒーターを、チャンバの予熱に使用することもできる。
【0048】
プロセス添加剤投入
プロセス添加剤は、任意選択で添加して、原料の特定のガスへの効率的な変換を容易にする。蒸気投入を用いて、十分な遊離酸素および水素が、投入原料の分解された要素の、産生ガスおよび/または無害の化合物への変換を最大化するようにできる。空気投入を用いて、処理の化学平衡を支援して、炭素の燃料ガスへの変換を最大化(遊離炭素を最小限に抑える)し、また、入熱のコストを最小限に抑えながら、最適な処理温度を維持することができる。
任意選択で、他の添加剤を使用してプロセスを最適化し、それによって、排出を改善することができる。
したがって、本発明は、1つ以上のプロセス添加剤投入口を含むことができる。これらは、蒸気注入および/または空気注入のための投入口を含む。蒸気投入口は、蒸気を、高温領域に方向付け、ガス化装置を出る直前に産生ガス質量に方向付けるように、戦略的に位置させることができる。空気投入口は、プロセス添加剤の処理領域への完全被覆を確実にするように、ガス化装置チャンバの内外に戦略的に位置させることができる。
【0049】
一実施形態では、プロセス添加剤投入口は、ガス化装置の床の近位に位置する。
一実施形態では、床の近位に位置するプロセス添加剤投入口は、耐火物床に溝を掘った半パイプ空気スパージャである。このような空気スパージャは、交換、補修、または改良を容易にし、一方で、反応材料の横方向移送による干渉を最小限に抑えるように設計することができる。空気スパージャ内の空気孔の数、直径、および配置は、システム要件または横方向移送システムの設計に従って変化しうる。
一実施形態では、プロセス添加剤投入口は、ガス化装置の床に位置する。このようなプロセス添加剤投入口は、細かい粒子による詰まりを最小限に抑えるか、または詰まりを防ぐようなアタッチメントを備えるように設計される。任意選択で、プロセス添加剤投入は、プロセス添加剤を添加することができる孔パターンを含むことができる。種々の孔パターンを、システム要件または横方向移送システムの設計に基づいて使用することができる。通気孔パターンの選択では、検討する因子には、床を流動化させるような高速を避けること、耐火壁に沿った空気のチャネリングを避けるように、孔がガス化装置の壁および端部に近すぎないようにすること、および許容可能な力学を確実にするように、孔と孔の間の間隔がほぼ公称送給粒度(2インチ:50.8mm)を超えないようにすること、が挙げられる。
一実施形態では、横方向移送ユニットの動作が通気孔を通過する空気を妨げるように、通気孔のパターンが配置される。
【0050】
多指ラムが使用される一実施形態では、通気孔のパターンは、加熱されたときに、通気孔が指部と指部の(の間隙)間にあり、互いにオフセットすることで矢印パターンとなる。別様には、通気孔のパターンは、均一な送風が最大(すなわち、全く給気されない床の領域が最小)となるように、一方の孔は覆われず、他方の孔が覆われるように混成させることもできる。
一実施形態では、孔のパターンは、横方向の材料移送に対して最小限の破壊または抵抗で、大きな表面積を通じてプロセス添加剤の均一な分布を容易にする。
一実施形態では、プロセス添加剤投入口は、添加剤の拡散、低速での投入を提供する。
熱風がチャンバの加熱に使用される実施形態では、さらなる空気/酸素注入口を、任意選択で提供することができる。
【0051】
補修ポート
一実施形態では、ガス化チャンバは、1つ以上のポートをさらに備えることができる。これらのポートは、保守および修復のためにチャンバ内に入れるように、サービスポート(2020)を含むことができる。このようなポートは、従来技術において既知であり、種々のサイズの密閉可能なポート孔を含むことができる。
一実施形態では、ガス化装置の内部へのアクセスは、動作中に、密閉可能な耐火物で内張りされたカバーによって閉じることができる、一端にある待避孔によって提供される。
一実施形態では、1つ以上のエアボックスを除去することによって、さらなるアクセスが利用可能である。
ガス化装置は、任意選択で、フランジ付き下方部分を含むことができ、これは、ガス化チャンバのフランジ付き主要部分に接続され、耐火物の検査および修理のためのガス化チャンバの開口を容易にする。
【0052】
灰除去システム
ガス化完了後の残留固体(灰)は、任意選択で、ガス化装置から除去して処理システムに渡すことができる。したがって、ガス化装置は、固体残渣または灰の除去を容易にする、任意選択で、制御可能な固体除去システムを含むことができる。
一実施形態では、制御可能な固体除去システムは、チャンバから灰を押し出すラム機構を備える。
一実施形態では、制御可能な固体除去システムは、ラムを運搬するシステムから構成される。任意選択で、各ストロークによって固体残渣処理チャンバに供給される材料の量を制御できるように、ラムストロークの長さを制御することができる。
【0053】
本発明のさらなる一実施形態では、制御可能な固体除去システムは、制御可能な回転アーム機構を備えることができる。
材料を処理してガス化装置内の領域から領域へ移動させると、堆積物内で生成した熱で融解が生じる場合があり、その結果、灰が凝集することになる。凝集した灰は、投下ポート型の出口に詰まりを生じさせることが分かっている。したがって、本発明は、灰凝集物を破壊するための手段を任意選択で備えることができる。
一実施形態では、いかなる凝集物もチャンバからの出口に詰まりを形成しないようにするために、スクリューコンベア概念を用いて、灰をガス化装置から抽出する。ラムの運動は、灰を抽出機内に押し出し、抽出機は、ガス化装置から灰を引き出して灰コンベアシステムに供給する。灰がコンベアシステムに供給される前に、抽出スクリューの回転で凝集物を破壊する。この破壊アクションは、抽出スクリューの翼端に鋸歯状部を備えることによって高めることができる。
【0054】
制御
本発明の一実施形態では、制御システムは、本願明細書に記載された種々のシステムまたはサブシステム内に、および/またはこれらによって実装された1つ以上のプロセスの制御を提供すること、および/またはそのようなプロセスに影響を及ぼすために、本願明細書で検討する1つ以上のプロセスの制御を提供することができる。概して、制御システムは、所与のシステム、サブシステム、またはそのコンポーネントに関連する、および/またはガス化システムのようなシステム内に実装された1つ以上の大域的なプロセスに関連する、種々の局所的および/または領域的プロセスを制御し、その内部で、またはそれと協働して本発明の種々の実施形態を動作させ、それによって、規定された結果に対するこれらのプロセスに影響を及ぼすように適合させた、その種々の制御パラメータを調整することができる。したがって、種々の検知要素および応答要素は、制御システム全体に、またはその1つ以上のコンポーネントに関して分配され、これらを使用して、種々のプロセス、反応物質、および/または産物の特徴を取得し、これらの特徴を、所望の結果の達成に寄与する、好適な範囲の当該の特徴と比較し、1つ以上の制御可能なプロセスデバイスを経て実行中のプロセスのうちの1つ以上の変化を実装して応答する。
【0055】
制御システムは、概して、例えば、システム、システムに実装されたプロセス、システムに提供された入力、および/またはシステムによって生成された出力に関連する、1つ以上の特徴を検知するための1つ以上の検知要素を備える。1つ以上の計算プラットフォームは、検知された特徴を代表する特徴値を利用するためにこれらの検知要素に通信で接続され、その特徴値を、選択された動作および/または下流側の結果に好適なものとして、これらの特徴を特徴付けるように定義された所定の範囲の当該の値と比較し、この所定の範囲に特徴値を維持することに寄与する1つ以上のプロセス制御パラメータを計算する。したがって、複数の応答要素が、システム、プロセス、入力、および/または出力に影響を及ぼし、それによって、検知された特徴を調整するように動作可能な1つ以上のプロセスデバイスに動作可能に接続し、また、計算されたプロセス制御パラメータを利用し、それに従ってプロセスデバイスを動作させるための、計算プラットフォームに通信で接続することができる。
【0056】
一実施形態では、制御システムは、炭素質原料のガスへの変換に関連する種々のシステム、プロセス、入力、および/または出力の、フィードバック、フィードフォワード、および/または予測制御を提供するので、それらに関連して実装された1つ以上のプロセスの効率を促進する。例えば、種々のプロセスの特徴は、評価して、制御可能に調整してこれらのプロセスに影響を及ぼすことができ、これに限定されないが、原料の発熱量および/または組成、産生ガスの特徴(例、発熱量、温度、圧力、流量、組成、炭素含量等)、当該の特徴に許容される変動の程度、および出力の値に対する入力のコストが挙げられる。種々の制御パラメータに対する連続および/またはリアルタイム調整は、それによって1つ以上のプロセス関連の特徴が、設計および/または下流側の仕様に従って、評価および最適化される様式で実行することができる。制御パラメータには、これに限定されないが、熱源動力、添加剤供給量(例、酸素、酸化剤、蒸気等)、原料供給量(例えば、1つ以上の相異なる、および/または混合した送給)、ガスおよび/またはシステム圧力/流量調節器(例、ブロワ、逃し弁および/または制御弁、フレア等)等が挙げられる。
【0057】
代替的に、またはこれに加えて、制御システムは、適切な動作を確実にするために、および任意選択で、当該の基準を適用したときに、システムによって実装されたプロセスが規制基準内にあるように、所与のシステムの種々のコンポーネントの動作を監視するように構成することができる。
一実施形態によれば、制御システムは、所与のシステムの総エネルギー衝撃の監視および制御に使用することができる。例えば、システムによって実装されたプロセスのうちの1つ以上を最適化することによって、またはこれらのプロセッサによって生成されたエネルギー(例、廃熱)の回復を増加させることによって、例えば、システムのエネルギー衝撃を減じるか、または最小限に抑えるように、所与のシステムを、動作させることができる。代替的に、またはこれに加えて、当該の特徴が、下流側の仕様に好適なだけでなく、効率的および/または最適な使用のために実質的に最適化されるように、制御システムは、制御されたプロセスを経て生成された産生ガスの組成および/または他の特徴(例、温度、圧力、流量等)を調整するように構成することができる。例えば、産生ガスを、所与のタイプのガスエンジンに使用して電気を産生する一実施形態では、産生ガスの特徴は、これらの特徴が、当該のエンジンの最適な入力特徴に最良に一致するように調整することができる。
一実施形態では、種々のコンポーネントにおける反応物質および/または産物の滞留時間に関する、またはプロセス全体のうちの種々のプロセスに関する、制限または性能のガイドラインが満たされるように、および/または最適化されるように、制御システムは、所与のプロセスを調整するように構成することができる。例えば、上流側のプロセス速度は、そのように制御して、1つ以上のその後の下流側のプロセスに実質的に整合させることができる。
【0058】
加えて、種々の実施形態では、制御システムは、連続および/またはリアルタイム様式で、所与のプロセスの種々の側面の順次および/または同時制御に適合させることができる。
概して、制御システムは、アプリケーションに好適なあらゆるタイプの制御システムのアーキテクチャを手近に備えることができる。例えば、制御システムは、実質的集中制御システム、分散制御システム、またはそれらの組み合わせを備えることができる。集中制御システムは、概して、局所的および/または遠隔検知デバイスと連通するように構成された中央コントローラと、制御プロセスに関連する種々の特徴をそれぞれが検知し、直接的または間接的に制御プロセスに影響を及ぼすように適合させた、1つ以上の制御可能なプロセスデバイスを経てそれらに応答する応答要素とを備える。集中アーキテクチャを使用することで、大部分の計算が、単一または複数の集中処理装置を介して中央で実行され、プロセスの制御を実装するために必要なハードウェアおよび/またはソフトウェアの大部分が、同じ場所に位置する。
【0059】
分散制御システムは、概して、局所的および/または領域的特徴を監視するためのそれぞれの検知および応答要素とそれぞれ連通することができ、また、局所的プロセスまたはサブプロセスに影響を及ぼすように構成された局所的および/または領域的プロセスデバイスを経てそれらに応答する、2つ以上の分散コントローラを備える。
種々のネットワーク構成を経て分散コントローラ間では、通信も行うことができ、第1のコントローラを経て検知した特徴は、第2のコントローラに通信されてその場所で応答し、当該の遠位応答は、第1の場所で検知された特徴に影響を及ぼすことができる。例えば、下流側の産生ガスの特徴は、下流側の監視デバイスによって検知することができ、また、上流側のコントローラによって制御されるコンバータに関連付けられた制御パラメータを調整することによって、この特徴を調整することができる。分散型アーキテクチャでは、コントローラ間には、制御ハードウェアおよび/またはソフトウェアも分配され、同じだがモジュール的に構成された制御スキームは、各コントローラ上に実装するか、または種々の共同のモジュール式制御スキームをそれぞれのコントローラ上に実装することができる。
【0060】
別様には、制御システムは、さらに通信で接続された別個の局所的、領域的、および/または、大域的制御サブシステムに細分化することができる。このようなアーキテクチャによって、所与のプロセスまたは一連の相互関係のあるプロセスを行い、他の局所的制御サブシステムとの最小限の相互作用によって局所的に制御することができる。大域的主制御システムは、次いでそれぞれの局所的制御サブシステムと連通して、大域的結果のために、必要な調整を局所的プロセスに指示することができる。
本発明のシステムは、上述のアーキテクチャのうちのいずれか、または従来技術において既知の他のアーキテクチャ(これらのアーキテクチャは、本開示の全般的な範囲および本質内にあるものとみなされる)を使用することができる。例えば、本発明の文脈の範囲内で制御および実装されたプロセスは、適用可能なときには、関連する上流側または下流側のプロセスに使用される、あらゆる集中および/または遠隔制御システムへの任意選択の外部通信を備えた、専用の局所的環境において制御することができる。別様には、制御システムは、領域的および/または大域的プロセスを協働的に制御するように設計された、領域的および/または大域的制御システムのサブコンポーネントを備えることができる。例えば、モジュール式制御システムは、制御モジュールが、システムの種々のサブコンポーネントを双方向で制御し、一方で、領域的および/または大域的制御に必要とされるモジュール間通信を提供するように設計することができる。
【0061】
制御システムは、概して、1つ以上の集中ネットワーク型および/または分散型処理装置と、種々の検知要素から現在検知した特徴を受信するための1つ以上の入力と、新たな、または更新された制御パラメータを種々の応答要素に通信するための1つ以上の出力とを備える。制御システムの1つ以上の計算プラットフォームは、種々の所定の、および/または再調整された制御パラメータ、設定されたまたは好適なシステムおよびプロセスの特徴の動作範囲、システム関しおよび制御用ソフトウェア、動作データ等をその中に格納するための、1つ以上の局所的および/または遠隔コンピュータ可読の媒体(例、ROM、RAM、リムーバブル媒体、局所的、および/またはネットワークアクセス媒体等)を備えることもできる。任意選択で、計算プラットフォームは、直接的または種々のデータ格納デバイスを介したアクセスを有し、シミュレーションデータおよび/またはシステムパラメータ最適化およびモデリング手段を処理することができる。また、計算プラットフォームは、制御システムに管理上のアクセス(システムのアップグレード、保守、改良、新たなシステムモジュールおよび/または機器への適応等)を提供するための、1つ以上の任意選択のグラフィカルユーザインタフェースおよび入力周辺機器、ならびに、データおよび情報を外部ソースと通信するための種々の任意選択の出力周辺機器(例、モデム、ネットワーク接続、プリンタ等)を備えることができる。
【0062】
処理システムおよびサブ処理システムのうちのいずれか1つは、排他的にハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアのあらゆる組み合わせを備えることができる。サブ処理システムのうちのいずれかは、単独または1つ以上の比例(P)、積分(I)、または微分(D)コントローラのあらゆる組み合わせ(例、Pコントローラ、Iコントローラ、PIコントローラ、PDコントローラ、PIDコントローラ等)を備えることができる。P、I、およびDコントローラの理想的な選択は、ガス化システムの反応プロセスの一部の力学および遅延時間、および組み合わせが制御を意図した動作条件の範囲、および組み合わせコントローラの力学および遅延時間に依存することが、当業者には明らかとなろう。これらの組み合わせは、特徴値を検知要素を経て連続的に監視すること、およびその特徴値を特定の値と比較して、それぞれの制御要素に応答要素を介して影響を及ぼして十分な調整を行い、観察値と特定の値との間の差異を減じることができる、アナログのハードワイヤードで実装することができることが、当業者には明らかとなろう。さらに、組み合わせは、ハードウェアとソフトウェアを混合したデジタル環境で実装できることが、当業者には明らかとなろう。追加的な任意のサンプリング、データ収集、およびデジタル処理の関連する効果は、当業者に既知である。P、I、Dの組み合わせ制御は、フィードフォワードおよびフィードバック制御で実装することができる。
【0063】
補正制御またはフィードバック制御では、適切な検知要素を介して監視される制御パラメータまたは制御変数の値は、特定の値または範囲と比較される。制御信号は、2つの値の間の偏差に基づいて決定され、偏差を減じるために制御要素に提供される。従来のフィードバックまたは応答制御システムは、適応および/または予測コンポーネントを備えるようにさらに適合させることができ、所与の条件に対する応答は、モデル化した反応、および/または以前に観察した反応に従って調整して、反応の応答を検知した特徴に提供し、一方で、補償アクションにおける潜在的なオーバーシュートを制限できることが理解されよう。例えば、所与のシステム構成に提供された取得したデータおよび/または過去のデータは、協働的に使用して、システムおよび/またはプロセスの特徴に対する応答を調整することができ、この特徴は、以前の応答を監視して所望の結果を提供するように調整した、最適な値から所与の範囲内にあることが検知されている。このような適応および/または予測制御スキームは、当技術分野で既知であり、本開示の全般的な範囲および本質から逸脱するものとはみなされない。
【0064】
制御要素
上記に定義および説明したように、本文脈の範囲内で検討される検知要素には、これに限定されないが、温度検知要素、位置センサ、近接センサ、堆積物高さセンサ、およびガスを監視するための手段が挙げられる。
一実施形態では、ガス化装置は、1つ以上の除去可能な熱電対を備えた温度センサアレイをさらに備える。熱電対は、戦略的に配置して、各ステージに沿った地点、および各ステージの種々の高さでの温度を監視することができる。
適切な熱電対は、従来技術において既知であり、ベアワイヤ熱電対、表面プローブ、接地熱電対を含む熱電対プローブ、非接地型熱電対、および露出型熱電対、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
一実施形態では、個々の熱電対は、端部密閉チューブ(サーモウェル)を経てガス化チャンバ内に挿入され、次いで容器シェルに対して密閉され、これによって、シーリングチューブよりも長くなるようにした可撓性ワイヤを使用できるようになり、熱電対の接合部(温度検出点)は、シールドチューブの端部に押し付けられて、温度変化に正確かつ迅速に応答する(図28を参照のこと)。
【0065】
任意選択で、熱電対チューブによって遮断されないようにするために、シールドチューブキャップの端部に偏向器を装着することができる。一実施形態では、偏向器は、正方形の平坦なプレートであり、耐火物と接触し、サーモウェル上の後流の粒子への反応物質の流れに沿って備えられる(図28を参照のこと)。
加えて、本発明は、ガスの出口を監視するためのデバイスを備えることができる。 一実施形態では、ガス組成モニタと、ガス流量計とを含むことができる。
材料堆積物の全体にわたってプロセス温度を測定することによって、堆積物の上のガス相の温度を最適化し、また、結果として生じたオフガスの流速を測定し、オフガスの組成を分析することによって、注入される空気の量を最適化して、効率を最大化し、灰のスラグ化、燃焼、不十分なオフガスの発熱量、過剰な粒子状物質、およびダイオキシン/フランの形成を最小限に抑えることができ、それによって、局所的排出基準を満たすか、または改善することができる。このような測定値は、ガス化装置の初期起動または初期試験中に、およびガス化装置の動作中に定期的または連続的に取り込むことができ、また、任意選択でリアルタイムで取り込むことができる。
【0066】
一実施形態では、ガス化装置は、圧力センサを任意選択で備えるか、またはガス化装置内で監視することができる。
ガス化装置は、レベルスイッチまたはモニタをさらに備えて、堆積物高さを評価することができる。適切なレベルスイッチ、センサ、およびモニタは、従来技術において既知である。一実施形態では、レベル機器類は、点光源レベルスイッチを備える。
一実施形態では、レベルスイッチは、チャンバの一方にエミッタを、他方に受信器を有するマイクロ波デバイスであり、ガス化チャンバ内のその時点での固体材料の有無を検出する。
当業者は、所望の反応材料堆積物プロファイルが得られるように、レベルスイッチ、センサ、モニタの適切な配置を容易に決定することができる。
一実施形態では、ガス化装置は、近接または位置センサをさらに備える。
【0067】
上記に定義および説明したように、本文脈の範囲内で検討される応答要素には、これに限定されないが、関連する所与のパラメータの調整によって所与のプロセスに影響を及ぼすように構成されたプロセス関連のデバイスに動作可能に連結された、種々の制御要素が挙げられる。例えば、本文脈の範囲内で、1つ以上の応答要素を介して動作可能なプロセスデバイスには、これに限定されないが、チャンバの加熱を制御する要素、プロセス添加剤を制御する要素、および横方向移送システムの移動を制御する要素が挙げられる。
【0068】
横方向移送システムのための制御システム
レベル制御システムには、ガス化装置内部において安定した堆積物の高さを維持することが求められる。安定したレベル制御は、低レベルにおいて生じうる、プロセス空気の注入による材料の流動化を防ぎ、また、高レベルで生じうる、制限的な空気流による堆積物全体の不十分な温度分布を防ぐ。安定したレベルを維持することで、材料の反応量が一定に維持され、一貫したガス化装置の滞留時間も維持する。
任意選択で、ガス化装置測定内の一連のレベルスイッチは、堆積物の深さを測定する。レベルスイッチは、任意選択で、チャンバの一方にエミッタを、他方に受信器を有するマイクロ波デバイスであり、ガス化装置内部のその時点での固体材料の有無を検出する。
横方向移送ユニットは、必要に応じて、堆積物の高さが所望のレベルに制御されるように移動する。これを達成するために、横方向移送ユニットがラムを備える実施形態では、ラムは、特定のラム動作シーケンス、ラム速度、ラム距離、およびラム配列頻度を含む、複数のキー制御パラメータのある一連のプログラムされたステップで移動する。
【0069】
概して、ラムは、同時に、または所定の順序で、設定値の距離を移動するか、または制御レベルスイッチが切断されるまで移動する。レベルスイッチの制御アクションは、単一のスイッチの空またはフルによる切断か、または複数のスイッチの空またはフルによる切断か、またはそれらのあらゆる組み合わせに基づくことができる。その後、ラムが戻ってサイクルが終了し、プロセスが繰り返される。ガス化装置のプロセスおよび滞留時間の要件によって必要とされるときには、サイクル間に遅延が存在する。
階段状床の実施形態における材料の効率的な移動を確実にするために、横方向移送ユニット移動の順序は、ガス化装置の低レベルで開始し、ポケットを形成し、次いで、横方向移送ユニットの移動要素が後退する前に上の段からポケットを満たして堆積物の引き込みを防ぎ、その後これらのステップを繰り返す。
【0070】
一実施形態では、ラムの順序付けは、低位のラムを最初に伸長させるステップと、中位のラムを伸長させて材料を低位のラムに投下して、ラムの移動によって形成された空隙を満たすステップと、低位のラムを後退させるステップと、上位のラムを伸長させて中位のラムの後方の空隙を満たすステップと、中位のラムを後退させるステップと、送給ポートから新たな材料を投下して上位ラム上のあらゆる空隙を満たし、上位ラムを後退させるステップとを含む。任意選択で、これらの運動の全ては、システム計装データに応えて、制御システムによって自動的に独立して制御することができる。
3段の一実施形態では、ガス化装置のスループットは、ガス化装置への定量供給量を調整することによって設定される。レベル制御システムは、ついで、必要に応じて横方向移送ユニットの移動要素を制御して、各段上の堆積物のレベルを目標に制御するが、これは、ガス化装置からの灰の排出速度の制御を含む。
【0071】
3段の一実施形態では、段Cの横方向移送ユニットの移動要素は、場所表示器または案内点、およびガス化装置から灰を排出する頻度に関して、固定長さ分移動させることによって、ガス化装置のスループットを設定する。段Bの横方向移送ユニットの移動要素は、段Cへの材料の移し替えが必要であれば、追従して移動し、段Cのステージ開始のレベルスイッチの状態を「フル」に変更する。段Aの横方向移送ユニットの移動要素は、段Bへの材料の押し出しが必要であれば、追従して移動し、段Bのステージ開始のレベルスイッチの状態を「フル」に変更する。全ての横方向移送ユニットの移動要素は、次いで同時に後退し、全体の順序が繰り返される前に、スケジュールされた遅延を実行することができる。さらなる構成を使用して、連続したストローク長さの変化を、レベルスイッチによって要求される変化未満に制限して、横方向移送ユニット誘起の過剰な外乱を防止する。
任意選択で、横方向移送ユニットの移動要素の各段の端部までの完全伸長が時折生じるようにプログラムして、停滞した材料がステージの端部付近に積層および凝集しないようにすることができる。
【0072】
温度制御
最良の変換効率を得るために、ガス化装置内の温度および堆積物を通じた温度分布を安定させること、および制御することができる。
堆積物内の温度制御は、所与の領域または段へのプロセス空気の流量を変化させることによって達成することができる。底部チャンバにおいて各段に提供されたプロセス空気流を調整して、各段内の温度を安定させることができる。任意選択で、別の横方向移送ユニットの移動要素を用いた温度制御は、ホットスポットの破壊および架橋の防止にも必要となりうる。
一実施形態では、堆積物内の温度制御は、所与の段へのプロセス空気の流量を変化させることによって達成(すなわち、ほぼ燃焼)される。例えば、ガス化装置内の各段に提供されるプロセス空気流は、段の温度を安定させるように、制御システムによって調整することができる。別のラムストロークを用いた温度制御を使用して、ホットスポットを破壊して、架橋を防止することもできる。
一実施形態では、各段の空気流は、略一定の温度範囲および段同士の比率を維持するように事前設定される。例えば、総空気流の約36%を段Aに、約18%を段Bに、そして約6%を段Cに導き、残り(例えば、総空気流の40%)をガス改質チャンバに導くことができる。別様には、空気の投入比率を動的に変化させて、ガス化装置および/または改質装置の各段内に生じる温度およびプロセスを調整することができる。
【0073】
下流側の選択肢
本発明のガス化装置は、廃棄物処理および合成ガス産生を含む、種々のアプリケーションに適合させることができる。したがって、ガス化装置は、用途に応じてより大きなシステムのコンポーネントになりうる。
一実施形態では、ガス化装置は、廃棄物処理用途に適合され、適切な汚染軽減デバイスを装着したフレアスタックとガス連通する。
一実施形態では、ガス化装置は、合成ガス生成システムのコンポーネントであり、サイクロン酸化機、ガス精製システム、またはガス改質システムを備える。
一実施形態では、ガス化装置は、危険物処理装置のコンポーネントである。
サイクロン酸化剤、ガス精製システム、またはガス改質システムは、プラズマ熱源を用いてオフガスを精製する。
【0074】
実施例
実施例1
図4乃至図10を参照すると、一実施形態では、ガス化装置(2100)は、原料投入口(2104)と、ガス出口(2106)と、固体残渣出口(2108)と、種々のサービスポート(2120)と、アクセスポート(2122)とを有する、耐火物で裏打ちされた水平配向されたガス化チャンバ(2102)を備える。ガス化チャンバ(2102)は、複数の床レベル(2112、2114、および2116)を備えた階段状床を有する。各床レベルは、約5乃至約10°傾斜する。各床レベルは、床レベルの近位の側壁内に位置する一連の添加剤投入口(2126)を有し、酸素および/または蒸気を追加することができる。
【0075】
段を通じた移動は、横方向移送システムによって容易になる。本実施例(図4乃至図9)では、横方向移送システムは、一連の棚ユニット(2128、2130、2132)を備え、材料は、棚の前縁によって押されている一部の材料とともに、棚の上部に位置させることによって、その大部分がガス化装置を通して移動される。図示されるように、各床レベルは、外部フレーム(2134)に取り付けられた移動棚ユニット(2128、2130、2132)によって稼働する。ガス化チャンバ壁内の対応する密閉可能な開口部は、各移動棚を入れることができる。したがって、移動棚ユニット(2128、2130、2132)は、制御速度で、それぞれ床レベル(2112、2114、2116)に沿って材料を移動させることができる。個々の棚がそれぞれの段にわたって移動する距離は、外部に取り付けられたコントローラによって制御される。それぞれの押し出しに対する開始および停止点を制御する能力によって、ガス化チャンバを通じた堆積物の高さを制御することができる。通常動作では、材料が必要に応じて移動した後に、棚をチャンバから完全に、または部分的に後退させることができる。例えば、棚は、処理領域のわずかに外側だがそれでも耐火物の内側にあるところまで後退させて、プロセスガスをチャンバの床から導入することができる。これは特に、最終処理ゾーンに適用可能であり、このゾーンでは、材料は、より塵埃状であり、チャンバの床からの複数のガス導入地点によって流動化する必要がある。棚の後退により、プロセスによる棚の必要以上の加熱および熱の損失を防止する。
【0076】
外部に取り付けられたコントローラは、ローラチェーン(2166)によって移動棚に連結されたギヤヘッド同期モータ(2156)である。移動棚の運動の開始点および停止点は、プロセスコンピュータによって遠隔制御される。運動の速度および頻度も、コンピュータによって制御される。
【0077】
以下、図8、図9、および図10を参照すると、各移動棚ユニットは、外部に取り付けられた案内部分(2136)と、案内部分係合部材を有する移動要素または棚(2138)と、外部に取り付けられた駆動システムと、外部に取り付けられたコントローラとを備える。移動棚ユニットの、外部に取り付けられた部分は、密閉筐体(2139)内に収容される。筐体は、保守を行えるように、除去可能なカバーをさらに備える。
図8および図9を参照すると、案内部分は、フレーム(部分的に示す)(2134)に取り付けられた、一対の概平行な細長いトラック(2140(a)、2140(b))を備える。個々のトラックの角度は、対応する段の傾きに概ね対応する。各々のトラックは、略矩形の断面を有する。移動要素は、チャンバ壁内対応する密閉可能な開口部を通って摺動可能に移動するようにサイズ設定された、細長い矩形ブロック(2144)を備える。
【0078】
図10を参照すると、細長い矩形ブロックの前縁は、ガス化チャンバの床に対して略垂直である。チャンバの耐火物(2146)と接触する細長い矩形ブロックの前下縁は鋭利であり、材料の上部へのまくれ上がり、および機構の詰まりのリスクを低減する。鋭利な前縁は、効果的にセルフシャープニングを行うように設計される。前縁が耐火物床に対して平坦に摺動すると、棚(2128)の底面にわずかな摩耗が生じるので、前縁を鋭利にする傾向がある。棚は、末端部の交換または固定端の研削を含みうる保守のために、容易に除去できるように設計される。
細長い矩形ブロックは、各面に対して密閉状態を得て、通常のプロセス動作中に、材料が出て行かないように、また空気が進入しないようにし、さらに異常な状況の間に有毒ガスの漏出を制御することができるように、チャンバ壁を密閉係合し、略滑らかな平行面を有する。シールは、耐火物の内面に位置し、棚の摺動面に対して弾性的に保持される。これは、材料の飛散およびガス漏れを最小限に抑え、棚の詰まりの可能性を排除する。シール(2148)は、動作中に容易に交換できるように設計され、ステンレス鋼で製造される。
【0079】
図10に示されるように、移動棚は、スクレーパ(2150)をさらに備え、棚がチャンバから引き込められた(または部分的に引き込められた)ときに、材料を棚から除去する。スクレーパは、外部のフレームに固定された一体形のシートメタル部分であり、動作中に容易に交換できるように設計される。
細長い矩形ブロック(2144)は、略平行なブラケットに取り付けられる。各ブラケットは、少なくとも2つの案内係合部材(2154)を有する。図8に示される案内係合部材は、トラック(2140(a)または2140(b))を移動可能に係合するようにサイズ設定されたローラである。
【0080】
トラックに沿って細長い矩形ブロックを推進する動力は、外部に取り付けられた電気可変速モータ(2156)によって供給され、このモータは、モータ出力軸(2158)を順方向または逆方向に選択的に駆動し、制御速度で細長い矩形ブロックを伸縮させることができる。モータ(2156)とモータ出力軸(2158)との間には、スリップクラッチが提供される。モータは、ギアボックスをさらに備える。モータの出力軸には、2つの駆動スプロケット歯車(2160)が取り付けられる。軸(2164)に動作可能に取り付けられた駆動スプロケット(2160)および対応する被駆動スプロケット(2162)は、ブラケット(2168)によって細長い矩形ブロック(2144)に固定されたチェーン部材(2166)と嵌合する。
各ストロークによってチャンバに供給される材料の量が制御されるように、ラムストロークは、近接およびリミットスイッチによって制御される。スイッチを用いて、ラムの出発位置および長さを確認し、次いで速度が、モータコントローラ内の可変周波数駆動によって制御される。
【0081】
実施例2
図11〜図25を参照すると、一実施形態では、ガス化装置(2200)は、原料投入(2204)と、ガス出口(2206)と、固体残渣出口(2208)と、種々のサービスポート(2220)およびアクセスポート(2222)とを有する、耐火物で裏打ちされた水平配向されたガス化チャンバ(2202)を備える。ガス化チャンバ(2202)は、複数の床レベル(2212、2214および2216)を備えた階段状床を有する、耐火物で裏打ちされた鋼溶接物である。
固体残渣出口は、ガス化装置から灰を引き出して灰コンベアシステムに供給する抽出スクリュー(2209)を備えた灰抽出器を備える。
【0082】
図16を参照すると、耐火物は多層設計であり、内側には、高温、摩耗、浸食、および腐食に耐える高密度クロミア層(2402)を有し、中間には、中温耐性および断熱因子(2404)を有する高密度アルミナ層を有し、外側には、摩耗または浸食には晒されないので使用できる超高断熱因子(2406)を有する超低密度断熱板(insboard)を有する。ガス化チャンバの金属シェル(2408)は、耐火物で裏打ちされる。
各レベルまたは段は、加熱空気が導入される有孔床(2270)を有する。処理中の空気孔の遮断を防止するために、空気孔のサイズは、絞りを形成することで、各孔全体の圧力降下を生じさせるように選択される。この圧力降下は、廃棄物粒子が孔に入るのを防ぐのに十分である。孔には、上表面の方へテーパが付いており、孔内に粒子が詰まらないようにする。加えて、横方向移送ユニットの移動で、孔を遮断しているあらゆる材料を取り除くことができる。
【0083】
各レベルまたは段に対する空気の送給は、独立して制御可能である。各段の有孔床(2270A、2270B、2270C)を通じた独立した空気の送給は、各段で床を形成するエアボックス(2272、2274および2276)によって達成される。
図17および図18を参照すると、エアボックスの応力関連の不具合またはバックリングのリスクを低減するために、複数の特徴が含まれる。エアボックスの有孔天板(2302)の材料は、システムの耐食要件を満たす合金である。エアボックスの有孔表面シート(2302)は、比較的薄く、曲げまたはバックリングを防ぐように硬化リブおよび構造用支持部材(2304)を有する。
ボックスの平坦な前部、上部、および底部シートへの応力を最小限に抑えるために、両シートの間には有孔ウェブが取り付けられる。ボックスの熱膨張を許容するために、1つの縁部だけに取り付け、他の3つの縁部は自由に膨張させる。
【0084】
図17を参照すると、段Aおよび段Bのボックス(2272および2274)の固定縁部も、投入空気配管(2278)の接続地点である。したがって、接続フランジ(2280)は高温となり、ガス化装置の冷却壁に対して密閉しなければならない。シュラウド概念が用いられる。熱風ボックス(2272)およびパイプ(2278)は、シュラウド(2282)の一端に取り付けられ、シュラウド(2282)の他端は、冷却ガス化装置(2200)に接続される。シュラウド(2282)の長さ全体に温度勾配が生じるので、いずれの接続部においても応力がほとんどまたは全く存在しない。シュラウド(2282)と、エアボックス(2272)の内部ダクトとの間のスペースには断熱材を充填して、熱を保ち、温度勾配がシュラウド全体に生じるようにする。エアボックス2270A(2272)がチャンバ内の動作位置にあるとき、空気接続部の反対側の天板は、エアボックスを越えて延在して、耐火棚の上に載置される。これは、運転中のエアボックスへの支持を提供し、さらに、材料をエアボックスの下に落とさないように密閉する役割を果たす。同時に、自由に移動できるようにしてエアボックスの膨張を許容することもできる。
【0085】
図21を参照すると、エアボックスの下流縁も、同様に処理することができる。エアボックスの上流縁は、ラムとエアボックスの天板(2302)との間で、弾性シートシーリング(2306)によって密閉される。
熱風供給配管へは、水平フランジを経て接続されるので、エアボックスを除去するには、フランジを分離して除去できるようにするだけでよい。
第3の段のエアボックス(2276)は、下方から挿入され、ボックスのガス化装置(2200)に対する密閉および位置決めにシュラウドの概念を用いる。第3の段のエアボックスの全般的な機構を図19に示す。
【0086】
第3のステージのボックスの縁部周辺に飛散する塵埃に対する密閉は、ボックスを第2のステージの縁部の耐火レッジの下方に配置することによって達成される。側部は、耐火物の側部の凹部の下方から突出する可塑性シールによって密閉される。これらのシールは、ボックスの上面に位置し、壁とボックスとの間を密閉する。エアボックスの下流縁は、可撓性シールを使用して、抽出器トラフの側部に対して塵埃を密閉する。
第3のステージのエアボックスを除去できるようにするために、熱風パイプは垂直に接続される。
【0087】
段を通じた移動は、横方向移送システムによって容易になる。図24および図25を参照すると、本実施例では、横方向移送システムは、一連の多指搬送用ラム(2228、2230、2232)を備え、単一の多指搬送用ラムが各段で稼働する。搬送用ラムのシステムはさらに、各ステージ段での堆積物の高さ、およびガス化チャンバ内の総滞留時間を制御することができる。各搬送用ラムは、その段の全長または一部分にわたって、可変速で移動することができる。
【0088】
図24を参照すると、各搬送用ラムは、外部に取り付けられた案内部分と、多指搬送用ラムと、外部に取り付けられた駆動システムと、外部に取り付けられたコントローラとを備える。
多指搬送用ラムは、指部(2328)がラム本体(2326)に取り付けられ、個々の指部がその位置に応じて異なる幅を有する構造である。多指搬送用ラムの設計では、指部間の間隙は、反応材料の粒子がその間隙を埋めないように選択される。個々の指部は、幅が約2乃至約3インチ(約50.8乃至約76.2mm)で、厚さが約0.5乃至約1インチ(約12.7乃至約25.4mm)で、間隙幅が約0.5乃至約2インチ(約12.7乃至約50.8mm)である。
【0089】
エアボックスの通気孔パターンは、搬送用ラムの運転が通気孔を通る空気を妨げるように配置される。
多指搬送用ラムは、各指部(2328)の先端を、エアボックス上面におけるあらゆる起伏に、より密に適合させることができるように組み込まれた、独立した柔軟性を有する。この順応性は、指部を締め付けないショルダーボルトを使用して、指部(2328)をラム本体(2326)に取り付けることによって提供される。この概念は、指の容易な交換も可能にする。
ラム指部の端部は、(例えば、膨張によって)ラムとエアボックスとの相対的な位置が変化した場合に、先端部が空気の上部と接触するように、下方に曲がっている。この特徴は、空気孔がラムによって覆われることによる、プロセスへのあらゆる有害な影響を少なくし、空気は、ラムとエアボックスとの間の間隙を通って流れ続ける。
【0090】
図24および図25を参照すると、案内部分は、フレーム上に取り付けられた一対の略水平で略平行な細長いトラック(2240(a)、2240(b))(図示せず)を備える。トラックのそれぞれは、略L型断面を有する。移動部分は、搬送用ラム本体(2326)と、チャンバ壁内の対応する密閉可能な開口部を通って摺動可能に移動するようにサイズ設定された、一連の細長い略矩形のラム指部(2328)とを備える。ラム指部は、高温での使用に好適な材料で構成される。
【0091】
ラム指部は、密閉状態でチャンバ壁を係合するように適合され、無制御の空気がガス化装置に入って、プロセスを妨げたり、爆発性雰囲気を形成したりしないようにする。また、チャンバからの危険な有毒物質および可燃性ガスの漏出、さらに破片の過剰な飛散を防止することも必要である。大気中へのガスの漏出は、ラム機構をシールドボックス内に収容することによって防ぐ。このボックスは、窒素パージ施設を備え、ボックス内部での爆発性ガス混合物の形成を防ぐ。ラムの各指部には、破片のシーリングおよび限定されたガスシーリングが提供される。シーリングは、ラムの各指部の各表面を押圧する緩衝片(2308)の形態である(図22を参照のこと)。
破片の流出は、シールドボックス内の窓によって観察され、破片の除去を容易にするように、塵埃除去施設が提供される。この除去は、ラムボックスのシールの完全性を壊さずに達成することができる(図23を参照のこと)。
【0092】
塵埃除去施設(2310)は、塵埃缶(2332)のためのシャッタ(2316)および付着部位(2318)を備えた塵埃出口(2314)を有する金属トレイ(2312)と、手動操作の、チェーン(2320)駆動の塵埃プッシャ(2322)とを備える。オペレータハンドル(2324)を使用したときに、塵埃は、プッシャ(2322)によって塵埃出口(2314)の方に押される。
【0093】
ラムを移動させるための動力は、(図1に示されるように)ギアボックスおよびローラチェーンシステムを介してラムを駆動する電気モータによって提供される。簡潔には、トラックに沿ってラムを推進する動力は、制御速度でラムを伸縮させることができる、順方向または逆方向に選択的にモータ出力軸(2258)を駆動する、外部に取り付けられた電動可変速モータ(2256)によって供給される。位置センサ(2269)は、ラムの位置情報を制御システムに送信する。2つの駆動スプロケット歯車(2260)は、モータ出力軸に取り付けられる。駆動スプロケット(2260)および軸(2264)に取り付けられた対応する被駆動スプロケット(2262)は、ブラケット(2268)によって細長い矩形ブロック(2244)に固定されたチェーン部材(2266)と動作可能に嵌合する。
【0094】
モータは、制御システム全体によって制御されるが、このシステムは、開始および停止位置、移動速度、および移動頻度を命令することができる。各ラムは、独立して制御される。ラムを引き込めるときに、ラムの上部にある材料が引き戻される傾向がある。この傾向は、ラムのストローク適切に順序付けすることによって対処される。
【0095】
実施例3
図26を参照すると、実施例2に記載の本発明の実施形態では、千鳥状のラムの順序制御方法を実装して、ラムの移動を容易にすることができる。例示的なラム順序の要約は、以下の通りである。
1. ラムC(2232)を(調整可能な設定点を用いて)固定距離移動させて、段C(2216)の先端部にポケットを形成する。
2. ラムC(2232)がトリガ距離(トリガ距離は、調整可能な設定点を有する)を通過した直後に、ラムB(2230)が追従する。ラムBは、材料を押し出し/輸送して、段C(2216)の先端部のポケットを即座に満たす。フィードバック制御は、レベルスイッチC(2217)を遮断する必要がある場合にはストロークさせ、すでに遮断されている場合は最小の設定点距離をストロークさせ、遮断されていない場合は最大の設定点距離をストロークさせるものである。ラムB(2230)が段C(2216)の先端部のポケットを満たすのと同時に、段B(2230)の先端部にポケットを形成する。
【0096】
3. ラムB(2228)がトリガ距離を通過した直後に、ラムA(2228)が追従する。ラムA(2228)は、材料を押し出し/輸送して段B(2214)の先端部のポケットを即座に満たす。フィードバック制御は、レベルスイッチB(2215)を遮断する必要がある場合にはストロークさせ、すでに遮断されている場合は最小の設定点距離をストロークさせ、遮断されていない場合は最大の設定点距離をストロークさせる。ラムA(2228)が段B(2214)の先端部のポケットを満たすのと同時に、段A(2212)の先端部にポケットを形成する。これは一般的に、送給装置を起動させて、レベルスイッチA(2213)が再び遮断されるまで、ガス化装置を満たす。
4. 全てのラムは、同時に基準位置へ逆戻りする。
このような順序付け方法によって得られた反応材料のプロファイルを、図27(プロファイルB)に示す。
【図面の簡単な説明】
【0097】
一例として添付の図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【図1】原料投入口、ガス出口、灰出口、および横方向移送システムを詳述した、本発明の水平配向された階段状床ガス化装置の概略図である。
【図2】ガス化装置の異なる領域を概略的に示すフロー図である。
【図3】ガス化装置の一実施形態の領域1、2および3で行われるガス化プロセスの代表例を示す図である。
【図4】原料投入口、ガス出口、灰出口、横方向移送システム、添加剤ポート、およびアクセスポートを詳述した、ガス化装置の一実施形態の断面図である。
【図5】熱電対およびプロセス添加剤ポートを詳述した、図4に示すガス化装置の実施形態の中心縦方向断面図である。
【図6】図4および図5に示すガス化装置の実施形態の斜視図である。
【図7】横方向移送システムの外部要素を詳述する、図4乃至図6に示すガス化装置の実施形態の外部の図である。
【図8】図4乃至図6に示すガス化装置の横方向移送ユニットの一部を示す図である。
【図9】図8に示す横方向移送ユニットの底面図である。
【図10】図8に示す横方向移送ユニットの別の実施形態を示す図である。
【0098】
【図11】原料投入口、ガス出口、灰出口、ラム筐体およびアクセスポートを詳述した、ガス化装置の一実施形態の斜視図である。
【図12】エアボックス、灰缶、および集塵機を詳述した、図11に示すガス化装置の側面図である。
【図13】原料投入口、ガス出口、灰出口、横方向移送システム、熱電対、およびアクセスポートを詳述した、図11および12に示すガス化装置の中心縦方向断面図である。
【図14】エアボックス、ラム指部、および灰抽出スクリューを詳述した、図11乃至図13のガス化装置の断面図である。
【図15】段Cのエアボックス、ラム指、灰抽出スクリューおよび鋸歯縁部を詳述した図14の詳細を示す断面図である。
【図16】耐火物を詳述した、図11および図12のガス化装置の断面図である。
【図17】図11乃至図16に示すガス化装置の段Aおよび段Bのエアボックスアセンブリを詳述した図である。
【図18】図11乃至図16に示すガス化装置の段Cのエアボックスの断面図である。
【図19】段Cのエアボックスおよび灰スクリュー抽出機を詳述した、図11乃至図16のガス化装置の外部の側面図である。
【図20】エアボックスを詳述した、図11乃至図16のガス化装置の断面図である。
【0099】
【図21】搬送用ラムとエアボックスの天板との間の弾性シートシーリングによる、エアボックスの上流端の密閉を詳述した、図11乃至図16のガス化装置の断面図である。
【図22】図11乃至図16に示すガス化装置の多指搬送用ラムの塵埃シールを詳述した図である。
【図23】塵埃プッシャ、塵埃缶アタッチメント、シャッタ、オペレータハンドル、およびチェーン機構を詳述した、図11乃至図16に示すガス化装置の一実施形態の塵埃除去システムを示す図である。
【図24】横方向移送ユニット構造の一部を詳述した、図11乃至図16に示すガス化装置のラム筐体を詳述した図である。
【図25】図11乃至図16に示すガス化装置の段1の多指搬送用ラムの設定を詳述した図である。
【図26】本発明の一実施形態におけるレベルスイッチの場所を詳述した図である。
【図27】本発明の一実施態様による、実施例2のガス化装置のための2つの反応材料堆積物のプロファイルを詳述した図である。
【図28】偏向器を詳述した、本発明の実施形態のための熱電対の図である。
【図29】ガス改質チャンバに連結された実施例2のガス化装置の図である。
【図30】ガス改質チャンバに連結された実施例2のガス化装置の別の図である。
【図31】1つのプラズマトーチを詳述した、ガス改質チャンバに連結された実施例2のガス化装置の断面図である。
【図32】動力装置に組み込まれた図29乃至図31のコンバータを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の原料投入口、1つ以上のガス出口、および固体残渣出口を有する、水平配向されたガス化チャンバと、
チャンバ加熱システムと、
処理中に、ガス化装置を通して材料を移動させるための1つ以上の横方向の移送ユニットと、
1つ以上の横方向の移送ユニットの移動を制御するための制御システムと、を備えることを特徴とする水平配向されたガス化装置。
【請求項2】
ガス化チャンバは、2つ以上の領域的温度ゾーンを備え、2つ以上の領域的温度ゾーンの各領域的温度ゾーンは、領域的温度ゾーンを通して材料を移動させるための横方向の移送ユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項3】
ガス化装置は、階段状床を有し、各温度領域的ゾーンが実質的に1つの段に対応することを特徴とする請求項2に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項4】
横方向の移送ユニットは、棚、プッシャラム、スクリュー、コンベア、またはそれらの組み合わせを移動させるステップを含むことを特徴とする請求項1、2、または3に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項5】
横方向の移送ユニットは、ラムを備えることを特徴とする請求項3に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項6】
ラムは、多指搬送用ラムであることを特徴とする請求項5に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項7】
加熱システムは、各段に熱風を供給する、独立して制御されるエアボックスを備えることを特徴とする請求項3、5、または6に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項8】
灰抽出機をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項9】
灰抽出機は、抽出スクリューを備えることを特徴とする請求項7に記載の水平配向されたガス化装置。
【請求項10】
原料をオフガスおよび灰に変換するためのプロセスであって、
a) 水平配向されたガス化装置内に3つの領域的温度ゾーンを構築するステップ、ここにおいて、第1のゾーンは乾燥を促進する温度であり、第2のゾーンは揮発を促進する温度であり、第3のゾーンは炭化物から灰への変換を促進する温度である、ステップと、
b) 炭素質原料を第1のゾーンに提供して、炭素質原料をある期間、第1のゾーンに維持して、実質的に乾燥した反応材料を得るステップと、
c) 乾燥した反応材料の揮発性成分が揮発してオフガスを形成するように、前記実質的に乾燥した反応材料をある期間、第2のゾーンに渡すステップと、
d) 炭化物がさらにオフガスおよび灰に変換されるように、残留炭化物をある期間、第2のゾーンから第3のゾーンに渡すステップと、を含むことを特徴とするプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2010−500420(P2010−500420A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510138(P2009−510138)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/068413
【国際公開番号】WO2007/131241
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508328497)プラスコエナジー アイピー ホールデイングス,エス.エル.,ビルバオ,シャフハウゼン ブランチ (3)
【氏名又は名称原語表記】PlascoEnergy IP Holdings, S.L., Bilbao, Schaffhausen Branch
【住所又は居所原語表記】Vordergasse 3, CH−8200 Schaffhausen, Switzerland
【Fターム(参考)】