横架リム及び横架リムを備えるラインガイドデバイスの部材
【課題】
ラインガイドデバイスの部材となる2つの側面板を連結するための横架リムが、少なくともその端部の一方にて、紛失されるおそれのある部品を用いることなく側面板に安定的にロック可能とする。
【解決手段】
横架リム(5、6)が操作部(7)及びロック部(8)を備え、ロック部(8)は、操作部(7)により、横架リム(5、6)の長手方向に沿って、この横架リム(5、6)の
連結端部(9)の方向に結合位置まで変位可能に形成されると共に、連結端部(9)から離れる方向にロック解除位置まで変位可能とした。
ラインガイドデバイスの部材となる2つの側面板を連結するための横架リムが、少なくともその端部の一方にて、紛失されるおそれのある部品を用いることなく側面板に安定的にロック可能とする。
【解決手段】
横架リム(5、6)が操作部(7)及びロック部(8)を備え、ロック部(8)は、操作部(7)により、横架リム(5、6)の長手方向に沿って、この横架リム(5、6)の
連結端部(9)の方向に結合位置まで変位可能に形成されると共に、連結端部(9)から離れる方向にロック解除位置まで変位可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインガイドデバイスの部材の2つの側面板を連結するための横架リムであって、この横架リムが、少なくともその端部の一方にて、横架リムに連結されるべき側面板にロック可能な横架リムに関する。
さらに、本発明は、相互に枢動可能に連結されてラインガイドデバイスを構成する部材であって、この部材が、相互に対向する2つの側面板及び相互に対向する2つの側面板を連結する横架リムを有し、この横架リムが、少なくともその端部の一方にて、横架リムに連結されるべき側面板にロック可能な部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ラインガイドデバイスの部材用の横架リムとして、ラッチ係合により側面板に解除可能に固定されるものが、最新技術により知られている。比較的高い応力及び比較的大きなライン重量が課せられる場合には、横架リムは、部材の安定性が高められるように、側面板に固定的に連結されることが望ましい。そのためには、例えば横架リムを側面板にねじ留めすることによるなどの解除不能な連結が、知られている。さらには、外部から側面板中にロックバーを挿入することにより、横架リムを側面板にロックさせることが知られており、この場合では、横架リムは、ロックバーを取り外すことにより、側面板から再度解除可能である。
【0003】
しかし、チェーンリンク部材を開くためには、すなわち横架リムを取り外すためにロックバーを取り外すためには、ガイドチャネル内に設置されているラインガイドデバイスにあっては、ロックバーの作業を可能にするために、そして、ロックバーを外方向に抜き取るために、ガイドチャネルから取り出されなければならない。
さらに、ロックバーは、紛失されるおそれがある構成要素であり、横架リムがロック解除された後に個別に取り出されなければならない構成要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、この明細書の冒頭部分において示される種類の横架リム、及びそのような横架リムを有するラインガイドデバイスの部材であって、横架リムが、連結されるべき側面板に安定的な態様でロック可能であり、紛失されるおそれのある部品がロックのために必要とされない横架リム及び部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、この明細書の冒頭部分において示される種類の横架リムにおいて、操作部及びロック部が横架リムの上または中に設けられ、ロック部が、操作部により、実質的にこの横架リムの長手方向に沿って、この横架リムを側面板に連結させる端部の方向に向かって、この横架リムが側面板にロックされるロック位置まで変位可能であり、また、前記端部から離れてこの横架リムが側面板から解除可能となるロック解除位置まで変位可能としたことにより達成される。
【0006】
本発明による構造により、横架リムの上または中の、操作部及びこの操作部と協働するロック部は、ガイドチャネルからラインガイドデバイスを取り出すなど、ラインガイドデバイスを操作する必要なしに、いかなる支障を伴うこともなく、外部からアクセス可能である。さらに、横架リムの上または中に配された操作部及びロック部は、操作部及びロック部のロック位置と、操作部及びロック部のロック解除位置の両方において、利用可能な十分なスペースを横架リムが有することにより、操作部及びロック部が紛失されるおそれがないように、構成され得る。操作部及びこの操作部と協働するロック部は、ロック解除位置にある場合に、紛失されるおそれのある部品として特に取り外される必要はない。
【0007】
本発明の好ましい一展開例においては、ロック部は、横架リムの長手方向に沿って横架リムの中または表面上を案内される。
【0008】
好ましくは、ロック部は、横架リムの端部の方向に向く突出部を有し、この突出部により、ロック部は側面板に連結されることとなる。突出部は、横架リムの長手方向に形成され、側面板の内方に向く面に開口された溝内に係合され、それによりロック作用をもたらすような構成のものである。突出部は、例えば平坦な平行六面体の形態などの、プレート状に形成することができる。
【0009】
操作部及び/またはロック部は、ロック部がロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合に、固定され得るような構成にしてもよい。操作部及びロック部が位置固定されることにより、操作部及び/またはロック部が、ロック位置から偶発的に解除され、このようにして横架リムと側部プレートとの間の連結強度を少なくとも低減させ得る危険を効果的に抑制することが可能となる。さらに、この構成により、操作部及びレバー部は、リムから突出するように変位しなければ外れないので、ライン・デバイスが稼動しているときに容易に変位することを阻止する結果となる。ロック解除位置からの偶発的な解除が生じる場合には、横架リムの取り付けが困難になる可能性がある。
【0010】
本発明の有利な一展開例においては、ロック部は、折曲レバーにより操作部に連結される。操作部は、横架リムの中または上に枢動可能に、しかし、その端部方向には変位不能に支持される。
【0011】
横架リムの対向端部の両方が、対向的に配設された部材の側面板に対してロック可能となる場合には、横架リムの端部にてロック部とそれぞれ協働する2つの個別の操作部、または、さらには両ロック部と協働する1つの操作部を用いることが可能である。
【0012】
本発明による横架リムのさらに有利な一構成においては、ロック部がロック位置にある場合、操作部は横架リムの収容凹部内に枢動可能に収容され、ロック部がロック解除位置にある場合、収容凹部から枢動可能に起立されている。
【0013】
好ましくは、収容凹部は、横架リムの面に構成され、ラインガイドデバイスの部材の側面板に横架リムが連結した状態で外側に開口される。
【0014】
望ましくは、ロック部がロック位置にある場合には、操作部は、収容凹部から起立する端部に、収容凹部の対向的に配設された端部に対して間隔をもって配置され、それにより、収容凹部から起立する操作部の端部を持ち上げるための工具の係合手段が形成されている。
【0015】
操作部は、収容凹部から起立する枢動可能な端部にて、または収容凹部内において露出する面に、さらに溝を形成することが可能であり、この溝が、収容凹部から起立させる枢動可能な操作部の端部を上げるための工具の係合手段となる。
【0016】
好ましくは、操作部は、ロック部がロック位置にある場合には、操作部がロック位置から偶発的に移動されるおそれがなく、または、ロック位置がラインガイドデバイスの部材の振動により解除されるおそれがなくなるように、横架リムの中または上にラッチ可能に形成されている。
【0017】
収容凹部の領域内において、可能な限り平滑な表面を有するためには、ロック部がロック位置にある場合に、操作部の表面が横架リムの周囲の面と面一にあり、収容凹部の外方に面した状態で操作部が配置されることが望ましい。
【0018】
本発明の好ましい一展開例においては、操作部は、横架リムの上または中において枢動可能な構成となるために、横架リムの中または上に回転可能に支持されるヒンジ部を備える。ヒンジ部は、横架リムの中または上のヒンジ装着部内に係合するヒンジピンを備えることが可能である。
【0019】
望ましくは、ヒンジ装着部は、例えばヒンジピンなどのヒンジ部が、横架リムの中または上に、特定的な例においては設置受け手段の中に、ラッチされ得るように、横架リムの中または上に設けられる。
【0020】
折曲レバーは、その第1の端部にて、第1のヒンジにより操作部に連結され、第1の端部に対向するその第2の端部にて、第2のヒンジによりロック部に連結される、レバー部を有することが可能である。
【0021】
好ましくは、ヒンジは、フィルムヒンジの形態である。したがって、操作部、レバー部、及びロック部は、プラスチック材料構成要素の形態において、例えば射出成形により、単一部材に作製され得る。
【0022】
有利な一展開例においては、操作部、レバー部、及びロック部は、操作部及びロック部に対するレバー部の、それぞれが実質的に直線状となる位置への移動を制限する当接部を有する。
【0023】
さらに好ましい一構成においては、操作部は、横架リムの中または上の枢支部に対向するその端部にて、レバー部の上に延在する舌片部を有する。舌片部は、比較的低レベルの手動力によりロックを実施することが可能となるように、折曲レバーの操作部のてこ長さを延長させる。
【0024】
有利には、舌片部は、操作部の比較的大きな材料厚さの領域にて突出する。
【0025】
次いで、折曲レバーは、以下の通りに設計されてよい。第1のヒンジが、操作部の比較的大きな材料厚さの領域の、舌片部から離れる方向に向く端部と、レバー部の、やはり舌片部から離れる方向に向く端部とを連結し、第2のフィルムヒンジが、レバー部及びロック部の、舌片部の方向に向く、対向的に配設された端部同士を連結する。
【0026】
この設計構成においては、比較的厚い領域の、舌片部に隣接する部分、及び舌片部の方向に向くレバー部の端部領域が、レバー部に対する操作部の実質的に直線状となる位置への枢動を制限するための当接部を形成する。レバー部及びロック部の、舌片部から離れるように延在する2つの対向的に配設された端部領域が、ロック部に対するレバー部の実質的に直線状となる位置への枢動移動を制限するための当接部を形成する。
【0027】
舌片部の厚さを超えた分の操作部の材料厚さは、レバー部の厚さにほぼ一致することが可能であり、そのため操作部及びレバー部は、直線状位置にある場合には、ほぼ均等の厚さの領域を有する。折曲レバーが、直線状位置に移動されると、舌片部及びレバー部は、互いに接した状態におかれ、したがって横架リム中の均等の高さのスペース中に配置され得る。
【0028】
別の構成においては、横架リムをその2つの対向端部にてロックするために、両ロック部と協働する操作部を用いることもまた可能である。このために、単一の操作部に2つの操作用部品を備えることが可能であり、これら2つの操作用部品は、ヒンジによって共に連結され、2つのロック部がロック解除位置にある場合には互いに対して角度をなして配置される。ロック部をロック位置に移動させるためには、例えばフィルムヒンジによって共に連結される2つの操作部は、押されて直線状位置におかれることが可能である。
【0029】
2つのロック部をブリッジの形態に連結する単一の操作部が、とりわけ短い横架リムの場合には、有利となり得る。
【0030】
好ましくは、操作部及び/またはロック部は、開口の側壁部にてラッチ可能である。このために、操作部及び/またはロック部はそれぞれ、それぞれ側方に突出する第1の突出部を有することが可能であり、この第1の突出部は、ロック部がそれぞれロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合には、側壁部中に形成された開口内にラッチする。好ましくは、突出部及び開口は、開口の側壁部との関係において、ロック解除位置とロック位置との間でのロック部の移動に対して横方向に延在する。
【0031】
横架リムの好ましい一構成においては、第1の突出部は、ロック解除位置において、開口内に案内されるロック部を位置固定するための当接部の役割を果たす。そのために、第1のラッチ突出部は、ロック解除位置においては、内部にて開口に対接することが可能であり、これにより、操作部は、ロック部のロック解除位置からロック位置へと枢動され得る。
【0032】
横架リムの他の一構成においては、操作部は、ロック位置で、ロック部及び/またはレバー部と固定され、好ましくはラッチされ得る。このようにして、操作部を強制的にロック解除位置に保持することが可能となり、これにより、リムを部材に取り付けることが容易になる。
【0033】
このために、互いの中にラッチ係合する2つのフック要素を提供することが可能である。例としては、操作部は、第2の突出部を備え、この第2の突出部は、ロック位置においては、好ましくはレバー部に形成されたラッチ開口内にラッチ係合する。操作部及びレバー部を互いに対して枢動可能に設置するために、第2のラッチ突出部は、操作部7の装着部への方向成分を有するフック形状に延在することが可能である。同様に、ラッチ開口は、アンダーカット構成部を有することが可能であり、第2の突出部は、ロック部がロック位置にある場合には、このアンダーカット構成部の背面側にラッチ係合する。
【0034】
したがって、第2の突出部は、ラッチ開口内にスナップ係合状態となり、及び/または、ラッチ開口とフック係合状態となることが可能である。これは、第2の突出部及びアンダーカット構成部が若干弾性変形することによる。さらに、ロック部がロック位置にある状態から、操作部を枢動させる場合、好ましくは弾性の、または少なくとも実質的に弾性の変形を伴い、その弾性変形抵抗に抗してなされ得る。したがって、変形抵抗は、この枢動に対する抵抗を形成する。具体的には第2の突出部の端部にて変形を開始するために、第2の突出部は、その自由端部の方向へと幅細にした構成のものとすることができる。
【0035】
さらに、第2の突出部及び関連付けされるラッチ隙間は、横架リムの長手方向に対して横方向に延在することが可能である。
【0036】
とりわけ、操作部が、ロック部がロック位置にある場合に、リムの周囲の面と面一となると、ロック位置から操作部を起こして解除することが困難となることが分かる。このことは、以下においてより詳細に説明されるように、操作部またはロック部がロック位置にあるときに固定されるラッチであることによって、強化され得る。このため、操作部が、収容凹部から外方に起こして枢動するその端部側にて、収容凹部の端縁との間に、工具を挿し入れる側方開口を形成することもできる。
【0037】
例えば、上記において示された構成のレバー部を備える折曲レバーの形態の操作部においては、工具が開口を挿し入れる際にレバー部の下方に係合するのを防ぐために、レバー部は、ロック部がロック位置にある場合に、開口の方向に位置する面に、開口を貫通して係合する工具を支持するための受止部を形成することが可能である。この受止部は、工具が中に支持される溝の形態であることが可能である。好ましくは、開口は、スロット状に構成され、したがって、従来式のねじ回しに適合化され得る。開口は、塵埃が開口を介して進入するのを防ぐために、例えばフィルム様閉鎖具によって、または、フィルムヒンジにより横架リムに連結される閉鎖具、とりわけフラップによって閉鎖可能に形成してもよい。
【0038】
代替の一構成においては、操作部は、横架リムの長手方向に横架リムの中または上に案内され、とりわけロック部に剛体的に連結され得る、スライダの形態であることが可能である。
【0039】
このために、横架リムは、窓を有することが可能であり、この窓は、操作部を覆って設置され、操作部、したがってロック部が、この窓を介して、手動により、または工具により、ロック部がロック位置にある状態へと、及びロック位置からロック解除位置にある状態へと、変位可能となる。
【0040】
好ましくは、操作部は、ロック部から離れる方向に向き、ロック部がロック位置にある場合にスナップ動作により窓内に係合されるラッチ舌部を有する。
【0041】
好ましくは、操作部は、横架リムの中または上の当接面に対接することにより、ロック位置からロック解除位置への操作部の変位を制限する当接部を有する。
【0042】
前述の代替形態の好ましい一構成においては、操作部は、変位を生じさせるための工具の係合を可能にする溝を有する。
【0043】
さらに、前述の目的は、複数の相互枢動可能部材から構成され得るラインガイドデバイスの部材であって、前述において説明されるような、2つの相互に対向する側面板及びそれらを連結する横架リムを有する部材によって、達成される。
【0044】
とりわけ、ロックすることにより横架リムに連結されることとなる側面板は、内方に向けられた、すなわち対向する側面板の方向に向けられた突出部を有し、横架リムの連結されることとなる端部は、内方に開口した、すなわち部材の内部の方向に開口した、突出部が係合する開口を有し、対向する側面板の方向を向く突出部の端部は、ロック部が中に係合する開口を有する。
【0045】
当該側面板に連結されることとなる横架リムの端部は、突出部が開口内に係合し、ロックされることとなる横架リムの端部が側面板の内部にて正確に配置されるように、突出部の上で連結されてもよい。また、ロック部は、操作部により、突出部の開口内に押し込まれてロック位置に達する。
【0046】
他の変形形態もまた可能であり、ロックされる横架リムの端部が、側面板の開口部に位置するように案内され、これにより、ロック部と噛み合う側面板の領域が、前記開口部と噛み合う横架リムの端部に配置される。望ましくは、側面板の開口は、横架リムがその開口に係合することが可能となるように内側に開かれ、すなわち部材の内部の方向に開かれ、また、横架リムが対向する開口に取り付けることができるように、側面板の長手方向に対して垂直に開口する。次いで、ロック部が内側に係合可能な開口が、ロックされることとなる横架リムの端部の端部部分と対向関係にある、側面板の内側に向けられた側壁部に設けられる。
【0047】
好ましい一構成においては、横架リムは、より大きなあるいは小さな対向側面部が両端に形成されたプレート状リムの形態を成し、内向きの突出部は、やはりプレート形状構成のものであり、突出部中の端部開口は実質的に平坦な平行六面体の形態である。
【0048】
さらに、突出部は、その比較的大きな面に鼻状突起が形成され、横架リムには、その開口端部に鼻状突起を受け入れるための穴を備える。
【0049】
鼻状突起が形成された突出部と、横架リムの開口及び穴とによりもたらされる確動ロック連結により、ロックされることとなる横架リムの、側面板への特に安定的な固定が可能となる。
【0050】
以下、本発明の2つの実施形態を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】部材側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2の領域Yの拡大図。
【図4】図2の領域Zの拡大図。
【図5】図1の部材の半分に切断した斜視図。
【図6】部材全体斜視図。
【図7】図6に示される横架リムの拡大図。
【図8】ロック解除位置にあるロックデバイス側面図。
【図9】ロック解除位置にあるロックデバイス斜視図。
【図10】ロック位置にあるロックデバイス側面図。
【図11】ロック位置にあるロックデバイス斜視図。
【図12】ロックデバイスが解除位置にあるリムの他の実施形態を示す図。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図及びXIII−XIII線切断部斜視図。
【図14】図13のXIV部及びXV部を示す図。
【図15】ロックデバイスがロック位置にある図12のリムの平面図。
【図16】図15におけるリムの長手方向XVI−XVI線断面図。
【図17】図16に図示されるXVII部を示す図。
【図18】図15に図示されるロックデバイスがロック解除位置にある実施形態を示す側面図。
【図19】図18に図示されるロックデバイスの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1、2、5及び6が、ラインガイドデバイスの部材を示し、複数のこのようなリンク部材が共にヒンジ連結され、ラインガイドデバイスを形成する。これらの図に示される実施形態では、ラインガイドデバイスはエネルギーガイドチェーンの形態をなし、そのリンク部材は、隣接する部材とヒンジ連結するためのリンク部材領域1及び2を有する。
【0053】
エネルギーガイドチェーンの各リンク部材は、2つの側面板3及び4と、この2つの側面板3及び4を連結する上方横架リム5及び下方横架リム6とを備える。以下においてより詳細に説明されるように、横架リム5及び6はそれぞれ、ロックデバイスにより側面板3及び4に連結される。以下において説明されるように、図2から図11において示される横架リム5、6は、ロックデバイスの構成が異なる点において、図12から図17において示される横架リム5、6とは異なる。
【0054】
とりわけ図3及び図4ならびに図8及び図11において詳細に示されるように、ロックデバイスは、操作部7及びロック部8を備えている。このロック部8は操作部7を操作することにより横架リム5または6の実質的に長手方向に沿ってその端部9に向かってロック位置まで変位可能に形成されている。横架リム5または6は、それぞれのロック部がロック位置にある場合には、それぞれ側面板3または4に固定される。また、ロック部8は、横架リム5または6の端部9から離れる方向にロック解除位置まで変位可能であり、このロック解除位置において、横架リム5または6はそれぞれ側面板3または4から解除される。
【0055】
とりわけ図8から図11において示されるように、ロック部8は、折曲可能なレバー構造により操作部7に連結され、操作部7は、とりわけ図3及び図4から分かるように、それぞれ横架リム5または6内に枢動可能に設置される。
【0056】
図4、図10及び図11に示されるロック位置においては、操作部7は、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に折り畳まれ、その一方で、図3、図8及び図9において示されるロック解除位置においては、収容凹部10から起立するように枢動される。
【0057】
特に、図2及び図5から分かるように、横架リム5及び6は、2つの縦長の平行プレート11及び12を備え、夫々が横に延在された補強リム部13を介して連結されている。
横架リム5及び6は、平行プレート11及び12の端部側に開口する受入口14を備え、この受入口14は、端部から内方に、すなわち部材内部方向に延設され、この受入口14内に、当該側面板3及び4からそれぞれ対向する側面板に向けられた突出部15が係合する。
【0058】
突出部15を受ける受入口14は、プレート11と12との間において、突出部15から所与の領域にわたって横架リム5及び6の長手方向に、横架リム5及び6の中央部の方向に延びる。とりわけ図3及び図4から分かるように、この領域は、ロック部8を受け、ロック部8を横架リム内に案内する。
【0059】
より正確には図3、図4、図8〜図11から分かるように、折曲レバーの形態であるロックデバイスは、プレート状レバー部16を有し、このプレート状レバー部16は、第1の端部にて、第1のヒンジ17により操作部7に連結され、第1の端部と対向関係にあるその第2の端部にて、第2のヒンジ18によりロック部8に連結される。ヒンジ17及び18は、フィルムヒンジの形態である。
【0060】
さらに上述において指定した図面から分かるように、操作部7は、枢動装着部19に対向するその端部にて、レバー部16の上方に延長された舌片部20を有する。舌片部は、操作部7の比較的大きな材料厚さの肉厚領域21から突出する。第1のヒンジ17は、対向的に配設された肉厚領域21の端部と、レバー部16の端部同士を、操作部7の舌片部20から離れる方向に向かって連結し、第2のヒンジ18は、対向的に配設されたレバー部16の端部と、ロック部8の端部同士を、舌片部の方向に向かうように連結する。
【0061】
図3、図4、図8〜図11から分かるように、舌片部20の厚さを超えた分の操作部7の材料厚さは、材料16の厚さにほぼ一致しており、そのため操作部7及びレバー部16は、それらが直線的位置にある場合には、厚さはほぼ均等になる。折曲レバーが、直線的位置に移動されると、舌片部20及びレバー部16は互いに重なりあって、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に収納される。操作部7及び操作部7上に形成された舌片部20は平坦面を形成し、この平坦面は、図4、図10及び図11に示されるロック位置においては、横架リム5または6の収容凹部10の外側の面と面一となって収容凹部10を覆う。
【0062】
また、レバー部16の厚さは、ロック部8の厚さと一致しており、そのため、両部分は、それぞれ横架リム5または6の長手方向に延びる受入口14の間隙内に案内される。
【0063】
図3、図4、図8〜図11からさらに分かるように、ロック部8には、操作部7と反対側の端部に突出部22が形成され、この突出部22は、それぞれ側面板3または4の内方に向く突出部15の対応する端部開口23内に係合し、横架リム5または6をそれぞれ各側面板3、4にロックする。
【0064】
操作部7、レバー部16及びロック部8を備えるロックデバイスは、単一部材射出成形の形態において、図3、図8及び図9から分かるような構成に作製される。
【0065】
ロックデバイスは、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に、ロック部8により取り付けられる。それぞれ横架リム5または6の内方側壁部の間にロック部8を案内するために、ロック部8は、適切な幅からなるプレート状に形成されている。ロック部8のの端部に形成された突出部22は、側面板3、4の突出部15の先端開口23に嵌め合わされる。
【0066】
さらに、操作部は、図3に図示されるように、それぞれ横架リム5または6に対して枢動可能にするために、ヒンジ部24により装着部19内に取り付けられる。半円溝形に形成された装着部19は、それぞれ横架リム5または6の端部9から離れる方向へ延びる受入口14の範囲を画定し、それにより、装着部19は、ロックデバイスの折曲レバーの支持手段を形成する。
【0067】
操作部7及びレバー部16は、収容凹部10及び受入口14内に取り付けた状態で、互いに所定の角度で折り曲げられ、これにより、舌片部20をその外側から押圧したときの圧力で、ロック部8を、横架リム5または6の先端9に向かって変位させることが可能となる。したがって、収容凹部10の穴は、舌片部20を押圧する圧力によりロック部8が変位すると同時に、レバー部16と操作部7との間の角度が増大して、最終的に180°となったときに、レバー部16が収容凹部10内に収納されるように横架リム5または6の端部9に向かって広がっている。操作部7及び舌片部20の上面は、直線状の180°位置においては、横架リム5または6の収容凹部10を囲む上面と面一に配置される。
【0068】
操作部7のヒンジ部24は、それぞれ横架リム5または6中の装着部19内に係合するヒンジピンを備え、また、装着部19は、ヒンジピンが装着部19内に係合可能に設計されている。
【0069】
とりわけ図11において図示されるように、ヒンジ部の反対側に位置し、収容凹部10から起き上がるように突出する操作部7の先端には、舌片部20を収容凹部から起こすときにその先端側を持ち上げるために、例えば小型ねじ回しなどの工具を挿し込む溝25が形成されている。
【0070】
図12から図17は、横架リム5、6の他の実施形態を示す。この実施形態は、とりわけロックデバイスの設計構成の点で、図2から図11に示される横架リム5、6の実施形態とは異なる。この実施形態においては、操作部7及びロック部8は、ロック部8がロック位置にある場合及びロック解除位置にある場合に、定位置に固定され得る。操作部7及びロック部8は、図12の右手に図示されるロック部8及び操作部7を除いては、図12から図14においてはロック解除状態が図示され、図15から図17においてはロック状態が図示される。
【0071】
とりわけ、ロック部8は、その位置をロック解除位置に固定するため第1の突出部26を有する。この突出部26は、ロック解除位置においては、横架リム5、6の収容凹部10に対してロック解除位置からロック位置へ向う方向vに当接し、この状態で操作部7は枢動可能である。ロック部をロック解除位置からロック位置に移動させるためには、初めに、第1の突出部26及び/または受入口14を弾性変形させるときに生ずる抵抗に抗して、第1の突出部26が受入口14内に侵入させる必要がある。第1の突出部26は、横架リム6、7の長手方向に対して垂直に、またはロック方向vに対して垂直に延設され、その長さ全体にわたってその側方が収容凹部10に対して当接する。さらに、第1の突出部26は、ロック部8の表面に一体的に形成される、すなわち、この場合、第1の突出部26は、ロック部8の上に射出成形される。
【0072】
横架リム6、7のこの実施形態において、ロック部8のロック位置への位置固定は、図15から図17に示される異なる機構に基づいている。操作部7及びレバー部16は、ロック部8がロック位置にあるときに、互いにラッチ可能に形成されている。とりわけ図15及び図16から分かるように、操作部7は、操作部7がロック位置にある場合にレバー部16に重なる舌片部20に、第2の突出部27を有する。ロック位置においては、第2の突出部27は、レバー部16の上のラッチ開口28内に係合する。
【0073】
第2の突出部27は、先端が装着部19へ湾曲したフック状に形成されている。ラッチ開口28は、アンダーカット構成部29を備え、ロック部8がロック位置にある場合には、第2の突出部27は、このアンダーカット構成部29の内側に係合する。したがって、第2の突出部27及びラッチ開口28は、ロック位置においては、互いにフック係合する状態になる。この点において、第2の突出部27と、アンダーカット構成部29を備えるラッチ開口28とは、それぞれフックを形成する。このラッチ係合またはフック係合を解除するためには、第2の突出部27及びラッチ開口28、すなわち詳細には突出部27の自由端部30及びアンダーカット構成部29が弾性変形されなければならない、すなわち拡張されなければならない。フック状突出部27は、その自由端部30へ向かって薄くなるように形成されている。同様に、アンダーカット構成部29の壁部厚さは、その自由端部30に向かって薄くなるように形成されている。
【0074】
第1の突出部26は、ロック部8がロック位置にある場合には、ロック方向vに受入口14内に案内されるように構成され、受入口14が弾性拡張することによりその内側で受入口14に摺接する。これにより、ロック部8をロック位置からロック解除位置に移動させるために加えられなければならない力は、さらに増加し、このようにして、ロック部8がロック位置にある場合にロック部8が位置固定される。
【0075】
図16から明確に分かるように、ヒンジ17、18はそれぞれ、ロック位置においては、リム5、6に対接し、これにより定位置に固定される。とりわけ、第1のヒンジ17は、内部にてプレート12に対接し、第2のヒンジ18は舌片部に対接する。
【0076】
図18及び図19は、個別の図として、操作部7、ロック部8、及びレバー部16を備えるロックデバイスの側面図及び平面斜視図を示す。例えば図18に図示されるように、操作部は、ロック部8がロック位置にある場合には、横架リム5、6の表面と整列関係に配置される。ロック部8をロック解除するためには、操作部7が、その枢動端部31にて、本明細書においては示されない工具により収容凹部10から起こされるように枢動される。すなわちこの場合には、操作部7が、収容凹部10から起こされるように梃子運動される。図15からさらに分かるように、操作部7は、その両側に、収容凹部10の端縁32に対して所定の隙間となる凹部が形成され、これによって、収容凹部10の端縁32との間に工具を係合するための開口33が形成される。本明細書においては、開口33は、スロット様構成のものであり、したがって、例えば従来型のねじ回しなどをこの開口33に挿し込んで係合させるのに適する。
【0077】
とりわけ図18及び図19に図示されるように、ロック部8がロック位置にある場合に開口33の方向に向く面34に、開口33から挿入された工具を支持するための受止部35が、レバー部16の上に設けられる。これは、開口33から挿し込まれた工具が、不適切に係合されることを防ぐために、さらには、レバー部16の下方に係合されて損傷するのを防ぐために設けられている。本例において、受止部35は、溝形状構成のものであり、工具は、溝底部にて停止され、てこ動作の実施の際に受止部35内に案内され得る。
【符号の説明】
【0078】
1 ヒンジ領域
2 ヒンジ領域
3 側面板
4 側面板
5 上方横架リム
6 下方横架リム
7 操作部
8 ロック部
9 端部
10 開口
11 プレート
12 プレート
13 リム
14 開口
15 突出部
16 レバー部
17 第1のヒンジ
18 第2のヒンジ
19 装着部
20 舌片部
21 領域
22 突出部
23 開口
24 ヒンジ部
25 溝
26 第1の突出部
27 第2の突出部
28 ラッチ開口
29 アンダーカット構成部
30 自由端部
31 端部
32 端部
33 開口
34 面
35 受け部
v ロック方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインガイドデバイスの部材の2つの側面板を連結するための横架リムであって、この横架リムが、少なくともその端部の一方にて、横架リムに連結されるべき側面板にロック可能な横架リムに関する。
さらに、本発明は、相互に枢動可能に連結されてラインガイドデバイスを構成する部材であって、この部材が、相互に対向する2つの側面板及び相互に対向する2つの側面板を連結する横架リムを有し、この横架リムが、少なくともその端部の一方にて、横架リムに連結されるべき側面板にロック可能な部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ラインガイドデバイスの部材用の横架リムとして、ラッチ係合により側面板に解除可能に固定されるものが、最新技術により知られている。比較的高い応力及び比較的大きなライン重量が課せられる場合には、横架リムは、部材の安定性が高められるように、側面板に固定的に連結されることが望ましい。そのためには、例えば横架リムを側面板にねじ留めすることによるなどの解除不能な連結が、知られている。さらには、外部から側面板中にロックバーを挿入することにより、横架リムを側面板にロックさせることが知られており、この場合では、横架リムは、ロックバーを取り外すことにより、側面板から再度解除可能である。
【0003】
しかし、チェーンリンク部材を開くためには、すなわち横架リムを取り外すためにロックバーを取り外すためには、ガイドチャネル内に設置されているラインガイドデバイスにあっては、ロックバーの作業を可能にするために、そして、ロックバーを外方向に抜き取るために、ガイドチャネルから取り出されなければならない。
さらに、ロックバーは、紛失されるおそれがある構成要素であり、横架リムがロック解除された後に個別に取り出されなければならない構成要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、この明細書の冒頭部分において示される種類の横架リム、及びそのような横架リムを有するラインガイドデバイスの部材であって、横架リムが、連結されるべき側面板に安定的な態様でロック可能であり、紛失されるおそれのある部品がロックのために必要とされない横架リム及び部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、この明細書の冒頭部分において示される種類の横架リムにおいて、操作部及びロック部が横架リムの上または中に設けられ、ロック部が、操作部により、実質的にこの横架リムの長手方向に沿って、この横架リムを側面板に連結させる端部の方向に向かって、この横架リムが側面板にロックされるロック位置まで変位可能であり、また、前記端部から離れてこの横架リムが側面板から解除可能となるロック解除位置まで変位可能としたことにより達成される。
【0006】
本発明による構造により、横架リムの上または中の、操作部及びこの操作部と協働するロック部は、ガイドチャネルからラインガイドデバイスを取り出すなど、ラインガイドデバイスを操作する必要なしに、いかなる支障を伴うこともなく、外部からアクセス可能である。さらに、横架リムの上または中に配された操作部及びロック部は、操作部及びロック部のロック位置と、操作部及びロック部のロック解除位置の両方において、利用可能な十分なスペースを横架リムが有することにより、操作部及びロック部が紛失されるおそれがないように、構成され得る。操作部及びこの操作部と協働するロック部は、ロック解除位置にある場合に、紛失されるおそれのある部品として特に取り外される必要はない。
【0007】
本発明の好ましい一展開例においては、ロック部は、横架リムの長手方向に沿って横架リムの中または表面上を案内される。
【0008】
好ましくは、ロック部は、横架リムの端部の方向に向く突出部を有し、この突出部により、ロック部は側面板に連結されることとなる。突出部は、横架リムの長手方向に形成され、側面板の内方に向く面に開口された溝内に係合され、それによりロック作用をもたらすような構成のものである。突出部は、例えば平坦な平行六面体の形態などの、プレート状に形成することができる。
【0009】
操作部及び/またはロック部は、ロック部がロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合に、固定され得るような構成にしてもよい。操作部及びロック部が位置固定されることにより、操作部及び/またはロック部が、ロック位置から偶発的に解除され、このようにして横架リムと側部プレートとの間の連結強度を少なくとも低減させ得る危険を効果的に抑制することが可能となる。さらに、この構成により、操作部及びレバー部は、リムから突出するように変位しなければ外れないので、ライン・デバイスが稼動しているときに容易に変位することを阻止する結果となる。ロック解除位置からの偶発的な解除が生じる場合には、横架リムの取り付けが困難になる可能性がある。
【0010】
本発明の有利な一展開例においては、ロック部は、折曲レバーにより操作部に連結される。操作部は、横架リムの中または上に枢動可能に、しかし、その端部方向には変位不能に支持される。
【0011】
横架リムの対向端部の両方が、対向的に配設された部材の側面板に対してロック可能となる場合には、横架リムの端部にてロック部とそれぞれ協働する2つの個別の操作部、または、さらには両ロック部と協働する1つの操作部を用いることが可能である。
【0012】
本発明による横架リムのさらに有利な一構成においては、ロック部がロック位置にある場合、操作部は横架リムの収容凹部内に枢動可能に収容され、ロック部がロック解除位置にある場合、収容凹部から枢動可能に起立されている。
【0013】
好ましくは、収容凹部は、横架リムの面に構成され、ラインガイドデバイスの部材の側面板に横架リムが連結した状態で外側に開口される。
【0014】
望ましくは、ロック部がロック位置にある場合には、操作部は、収容凹部から起立する端部に、収容凹部の対向的に配設された端部に対して間隔をもって配置され、それにより、収容凹部から起立する操作部の端部を持ち上げるための工具の係合手段が形成されている。
【0015】
操作部は、収容凹部から起立する枢動可能な端部にて、または収容凹部内において露出する面に、さらに溝を形成することが可能であり、この溝が、収容凹部から起立させる枢動可能な操作部の端部を上げるための工具の係合手段となる。
【0016】
好ましくは、操作部は、ロック部がロック位置にある場合には、操作部がロック位置から偶発的に移動されるおそれがなく、または、ロック位置がラインガイドデバイスの部材の振動により解除されるおそれがなくなるように、横架リムの中または上にラッチ可能に形成されている。
【0017】
収容凹部の領域内において、可能な限り平滑な表面を有するためには、ロック部がロック位置にある場合に、操作部の表面が横架リムの周囲の面と面一にあり、収容凹部の外方に面した状態で操作部が配置されることが望ましい。
【0018】
本発明の好ましい一展開例においては、操作部は、横架リムの上または中において枢動可能な構成となるために、横架リムの中または上に回転可能に支持されるヒンジ部を備える。ヒンジ部は、横架リムの中または上のヒンジ装着部内に係合するヒンジピンを備えることが可能である。
【0019】
望ましくは、ヒンジ装着部は、例えばヒンジピンなどのヒンジ部が、横架リムの中または上に、特定的な例においては設置受け手段の中に、ラッチされ得るように、横架リムの中または上に設けられる。
【0020】
折曲レバーは、その第1の端部にて、第1のヒンジにより操作部に連結され、第1の端部に対向するその第2の端部にて、第2のヒンジによりロック部に連結される、レバー部を有することが可能である。
【0021】
好ましくは、ヒンジは、フィルムヒンジの形態である。したがって、操作部、レバー部、及びロック部は、プラスチック材料構成要素の形態において、例えば射出成形により、単一部材に作製され得る。
【0022】
有利な一展開例においては、操作部、レバー部、及びロック部は、操作部及びロック部に対するレバー部の、それぞれが実質的に直線状となる位置への移動を制限する当接部を有する。
【0023】
さらに好ましい一構成においては、操作部は、横架リムの中または上の枢支部に対向するその端部にて、レバー部の上に延在する舌片部を有する。舌片部は、比較的低レベルの手動力によりロックを実施することが可能となるように、折曲レバーの操作部のてこ長さを延長させる。
【0024】
有利には、舌片部は、操作部の比較的大きな材料厚さの領域にて突出する。
【0025】
次いで、折曲レバーは、以下の通りに設計されてよい。第1のヒンジが、操作部の比較的大きな材料厚さの領域の、舌片部から離れる方向に向く端部と、レバー部の、やはり舌片部から離れる方向に向く端部とを連結し、第2のフィルムヒンジが、レバー部及びロック部の、舌片部の方向に向く、対向的に配設された端部同士を連結する。
【0026】
この設計構成においては、比較的厚い領域の、舌片部に隣接する部分、及び舌片部の方向に向くレバー部の端部領域が、レバー部に対する操作部の実質的に直線状となる位置への枢動を制限するための当接部を形成する。レバー部及びロック部の、舌片部から離れるように延在する2つの対向的に配設された端部領域が、ロック部に対するレバー部の実質的に直線状となる位置への枢動移動を制限するための当接部を形成する。
【0027】
舌片部の厚さを超えた分の操作部の材料厚さは、レバー部の厚さにほぼ一致することが可能であり、そのため操作部及びレバー部は、直線状位置にある場合には、ほぼ均等の厚さの領域を有する。折曲レバーが、直線状位置に移動されると、舌片部及びレバー部は、互いに接した状態におかれ、したがって横架リム中の均等の高さのスペース中に配置され得る。
【0028】
別の構成においては、横架リムをその2つの対向端部にてロックするために、両ロック部と協働する操作部を用いることもまた可能である。このために、単一の操作部に2つの操作用部品を備えることが可能であり、これら2つの操作用部品は、ヒンジによって共に連結され、2つのロック部がロック解除位置にある場合には互いに対して角度をなして配置される。ロック部をロック位置に移動させるためには、例えばフィルムヒンジによって共に連結される2つの操作部は、押されて直線状位置におかれることが可能である。
【0029】
2つのロック部をブリッジの形態に連結する単一の操作部が、とりわけ短い横架リムの場合には、有利となり得る。
【0030】
好ましくは、操作部及び/またはロック部は、開口の側壁部にてラッチ可能である。このために、操作部及び/またはロック部はそれぞれ、それぞれ側方に突出する第1の突出部を有することが可能であり、この第1の突出部は、ロック部がそれぞれロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合には、側壁部中に形成された開口内にラッチする。好ましくは、突出部及び開口は、開口の側壁部との関係において、ロック解除位置とロック位置との間でのロック部の移動に対して横方向に延在する。
【0031】
横架リムの好ましい一構成においては、第1の突出部は、ロック解除位置において、開口内に案内されるロック部を位置固定するための当接部の役割を果たす。そのために、第1のラッチ突出部は、ロック解除位置においては、内部にて開口に対接することが可能であり、これにより、操作部は、ロック部のロック解除位置からロック位置へと枢動され得る。
【0032】
横架リムの他の一構成においては、操作部は、ロック位置で、ロック部及び/またはレバー部と固定され、好ましくはラッチされ得る。このようにして、操作部を強制的にロック解除位置に保持することが可能となり、これにより、リムを部材に取り付けることが容易になる。
【0033】
このために、互いの中にラッチ係合する2つのフック要素を提供することが可能である。例としては、操作部は、第2の突出部を備え、この第2の突出部は、ロック位置においては、好ましくはレバー部に形成されたラッチ開口内にラッチ係合する。操作部及びレバー部を互いに対して枢動可能に設置するために、第2のラッチ突出部は、操作部7の装着部への方向成分を有するフック形状に延在することが可能である。同様に、ラッチ開口は、アンダーカット構成部を有することが可能であり、第2の突出部は、ロック部がロック位置にある場合には、このアンダーカット構成部の背面側にラッチ係合する。
【0034】
したがって、第2の突出部は、ラッチ開口内にスナップ係合状態となり、及び/または、ラッチ開口とフック係合状態となることが可能である。これは、第2の突出部及びアンダーカット構成部が若干弾性変形することによる。さらに、ロック部がロック位置にある状態から、操作部を枢動させる場合、好ましくは弾性の、または少なくとも実質的に弾性の変形を伴い、その弾性変形抵抗に抗してなされ得る。したがって、変形抵抗は、この枢動に対する抵抗を形成する。具体的には第2の突出部の端部にて変形を開始するために、第2の突出部は、その自由端部の方向へと幅細にした構成のものとすることができる。
【0035】
さらに、第2の突出部及び関連付けされるラッチ隙間は、横架リムの長手方向に対して横方向に延在することが可能である。
【0036】
とりわけ、操作部が、ロック部がロック位置にある場合に、リムの周囲の面と面一となると、ロック位置から操作部を起こして解除することが困難となることが分かる。このことは、以下においてより詳細に説明されるように、操作部またはロック部がロック位置にあるときに固定されるラッチであることによって、強化され得る。このため、操作部が、収容凹部から外方に起こして枢動するその端部側にて、収容凹部の端縁との間に、工具を挿し入れる側方開口を形成することもできる。
【0037】
例えば、上記において示された構成のレバー部を備える折曲レバーの形態の操作部においては、工具が開口を挿し入れる際にレバー部の下方に係合するのを防ぐために、レバー部は、ロック部がロック位置にある場合に、開口の方向に位置する面に、開口を貫通して係合する工具を支持するための受止部を形成することが可能である。この受止部は、工具が中に支持される溝の形態であることが可能である。好ましくは、開口は、スロット状に構成され、したがって、従来式のねじ回しに適合化され得る。開口は、塵埃が開口を介して進入するのを防ぐために、例えばフィルム様閉鎖具によって、または、フィルムヒンジにより横架リムに連結される閉鎖具、とりわけフラップによって閉鎖可能に形成してもよい。
【0038】
代替の一構成においては、操作部は、横架リムの長手方向に横架リムの中または上に案内され、とりわけロック部に剛体的に連結され得る、スライダの形態であることが可能である。
【0039】
このために、横架リムは、窓を有することが可能であり、この窓は、操作部を覆って設置され、操作部、したがってロック部が、この窓を介して、手動により、または工具により、ロック部がロック位置にある状態へと、及びロック位置からロック解除位置にある状態へと、変位可能となる。
【0040】
好ましくは、操作部は、ロック部から離れる方向に向き、ロック部がロック位置にある場合にスナップ動作により窓内に係合されるラッチ舌部を有する。
【0041】
好ましくは、操作部は、横架リムの中または上の当接面に対接することにより、ロック位置からロック解除位置への操作部の変位を制限する当接部を有する。
【0042】
前述の代替形態の好ましい一構成においては、操作部は、変位を生じさせるための工具の係合を可能にする溝を有する。
【0043】
さらに、前述の目的は、複数の相互枢動可能部材から構成され得るラインガイドデバイスの部材であって、前述において説明されるような、2つの相互に対向する側面板及びそれらを連結する横架リムを有する部材によって、達成される。
【0044】
とりわけ、ロックすることにより横架リムに連結されることとなる側面板は、内方に向けられた、すなわち対向する側面板の方向に向けられた突出部を有し、横架リムの連結されることとなる端部は、内方に開口した、すなわち部材の内部の方向に開口した、突出部が係合する開口を有し、対向する側面板の方向を向く突出部の端部は、ロック部が中に係合する開口を有する。
【0045】
当該側面板に連結されることとなる横架リムの端部は、突出部が開口内に係合し、ロックされることとなる横架リムの端部が側面板の内部にて正確に配置されるように、突出部の上で連結されてもよい。また、ロック部は、操作部により、突出部の開口内に押し込まれてロック位置に達する。
【0046】
他の変形形態もまた可能であり、ロックされる横架リムの端部が、側面板の開口部に位置するように案内され、これにより、ロック部と噛み合う側面板の領域が、前記開口部と噛み合う横架リムの端部に配置される。望ましくは、側面板の開口は、横架リムがその開口に係合することが可能となるように内側に開かれ、すなわち部材の内部の方向に開かれ、また、横架リムが対向する開口に取り付けることができるように、側面板の長手方向に対して垂直に開口する。次いで、ロック部が内側に係合可能な開口が、ロックされることとなる横架リムの端部の端部部分と対向関係にある、側面板の内側に向けられた側壁部に設けられる。
【0047】
好ましい一構成においては、横架リムは、より大きなあるいは小さな対向側面部が両端に形成されたプレート状リムの形態を成し、内向きの突出部は、やはりプレート形状構成のものであり、突出部中の端部開口は実質的に平坦な平行六面体の形態である。
【0048】
さらに、突出部は、その比較的大きな面に鼻状突起が形成され、横架リムには、その開口端部に鼻状突起を受け入れるための穴を備える。
【0049】
鼻状突起が形成された突出部と、横架リムの開口及び穴とによりもたらされる確動ロック連結により、ロックされることとなる横架リムの、側面板への特に安定的な固定が可能となる。
【0050】
以下、本発明の2つの実施形態を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】部材側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2の領域Yの拡大図。
【図4】図2の領域Zの拡大図。
【図5】図1の部材の半分に切断した斜視図。
【図6】部材全体斜視図。
【図7】図6に示される横架リムの拡大図。
【図8】ロック解除位置にあるロックデバイス側面図。
【図9】ロック解除位置にあるロックデバイス斜視図。
【図10】ロック位置にあるロックデバイス側面図。
【図11】ロック位置にあるロックデバイス斜視図。
【図12】ロックデバイスが解除位置にあるリムの他の実施形態を示す図。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図及びXIII−XIII線切断部斜視図。
【図14】図13のXIV部及びXV部を示す図。
【図15】ロックデバイスがロック位置にある図12のリムの平面図。
【図16】図15におけるリムの長手方向XVI−XVI線断面図。
【図17】図16に図示されるXVII部を示す図。
【図18】図15に図示されるロックデバイスがロック解除位置にある実施形態を示す側面図。
【図19】図18に図示されるロックデバイスの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1、2、5及び6が、ラインガイドデバイスの部材を示し、複数のこのようなリンク部材が共にヒンジ連結され、ラインガイドデバイスを形成する。これらの図に示される実施形態では、ラインガイドデバイスはエネルギーガイドチェーンの形態をなし、そのリンク部材は、隣接する部材とヒンジ連結するためのリンク部材領域1及び2を有する。
【0053】
エネルギーガイドチェーンの各リンク部材は、2つの側面板3及び4と、この2つの側面板3及び4を連結する上方横架リム5及び下方横架リム6とを備える。以下においてより詳細に説明されるように、横架リム5及び6はそれぞれ、ロックデバイスにより側面板3及び4に連結される。以下において説明されるように、図2から図11において示される横架リム5、6は、ロックデバイスの構成が異なる点において、図12から図17において示される横架リム5、6とは異なる。
【0054】
とりわけ図3及び図4ならびに図8及び図11において詳細に示されるように、ロックデバイスは、操作部7及びロック部8を備えている。このロック部8は操作部7を操作することにより横架リム5または6の実質的に長手方向に沿ってその端部9に向かってロック位置まで変位可能に形成されている。横架リム5または6は、それぞれのロック部がロック位置にある場合には、それぞれ側面板3または4に固定される。また、ロック部8は、横架リム5または6の端部9から離れる方向にロック解除位置まで変位可能であり、このロック解除位置において、横架リム5または6はそれぞれ側面板3または4から解除される。
【0055】
とりわけ図8から図11において示されるように、ロック部8は、折曲可能なレバー構造により操作部7に連結され、操作部7は、とりわけ図3及び図4から分かるように、それぞれ横架リム5または6内に枢動可能に設置される。
【0056】
図4、図10及び図11に示されるロック位置においては、操作部7は、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に折り畳まれ、その一方で、図3、図8及び図9において示されるロック解除位置においては、収容凹部10から起立するように枢動される。
【0057】
特に、図2及び図5から分かるように、横架リム5及び6は、2つの縦長の平行プレート11及び12を備え、夫々が横に延在された補強リム部13を介して連結されている。
横架リム5及び6は、平行プレート11及び12の端部側に開口する受入口14を備え、この受入口14は、端部から内方に、すなわち部材内部方向に延設され、この受入口14内に、当該側面板3及び4からそれぞれ対向する側面板に向けられた突出部15が係合する。
【0058】
突出部15を受ける受入口14は、プレート11と12との間において、突出部15から所与の領域にわたって横架リム5及び6の長手方向に、横架リム5及び6の中央部の方向に延びる。とりわけ図3及び図4から分かるように、この領域は、ロック部8を受け、ロック部8を横架リム内に案内する。
【0059】
より正確には図3、図4、図8〜図11から分かるように、折曲レバーの形態であるロックデバイスは、プレート状レバー部16を有し、このプレート状レバー部16は、第1の端部にて、第1のヒンジ17により操作部7に連結され、第1の端部と対向関係にあるその第2の端部にて、第2のヒンジ18によりロック部8に連結される。ヒンジ17及び18は、フィルムヒンジの形態である。
【0060】
さらに上述において指定した図面から分かるように、操作部7は、枢動装着部19に対向するその端部にて、レバー部16の上方に延長された舌片部20を有する。舌片部は、操作部7の比較的大きな材料厚さの肉厚領域21から突出する。第1のヒンジ17は、対向的に配設された肉厚領域21の端部と、レバー部16の端部同士を、操作部7の舌片部20から離れる方向に向かって連結し、第2のヒンジ18は、対向的に配設されたレバー部16の端部と、ロック部8の端部同士を、舌片部の方向に向かうように連結する。
【0061】
図3、図4、図8〜図11から分かるように、舌片部20の厚さを超えた分の操作部7の材料厚さは、材料16の厚さにほぼ一致しており、そのため操作部7及びレバー部16は、それらが直線的位置にある場合には、厚さはほぼ均等になる。折曲レバーが、直線的位置に移動されると、舌片部20及びレバー部16は互いに重なりあって、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に収納される。操作部7及び操作部7上に形成された舌片部20は平坦面を形成し、この平坦面は、図4、図10及び図11に示されるロック位置においては、横架リム5または6の収容凹部10の外側の面と面一となって収容凹部10を覆う。
【0062】
また、レバー部16の厚さは、ロック部8の厚さと一致しており、そのため、両部分は、それぞれ横架リム5または6の長手方向に延びる受入口14の間隙内に案内される。
【0063】
図3、図4、図8〜図11からさらに分かるように、ロック部8には、操作部7と反対側の端部に突出部22が形成され、この突出部22は、それぞれ側面板3または4の内方に向く突出部15の対応する端部開口23内に係合し、横架リム5または6をそれぞれ各側面板3、4にロックする。
【0064】
操作部7、レバー部16及びロック部8を備えるロックデバイスは、単一部材射出成形の形態において、図3、図8及び図9から分かるような構成に作製される。
【0065】
ロックデバイスは、それぞれ横架リム5または6の収容凹部10内に、ロック部8により取り付けられる。それぞれ横架リム5または6の内方側壁部の間にロック部8を案内するために、ロック部8は、適切な幅からなるプレート状に形成されている。ロック部8のの端部に形成された突出部22は、側面板3、4の突出部15の先端開口23に嵌め合わされる。
【0066】
さらに、操作部は、図3に図示されるように、それぞれ横架リム5または6に対して枢動可能にするために、ヒンジ部24により装着部19内に取り付けられる。半円溝形に形成された装着部19は、それぞれ横架リム5または6の端部9から離れる方向へ延びる受入口14の範囲を画定し、それにより、装着部19は、ロックデバイスの折曲レバーの支持手段を形成する。
【0067】
操作部7及びレバー部16は、収容凹部10及び受入口14内に取り付けた状態で、互いに所定の角度で折り曲げられ、これにより、舌片部20をその外側から押圧したときの圧力で、ロック部8を、横架リム5または6の先端9に向かって変位させることが可能となる。したがって、収容凹部10の穴は、舌片部20を押圧する圧力によりロック部8が変位すると同時に、レバー部16と操作部7との間の角度が増大して、最終的に180°となったときに、レバー部16が収容凹部10内に収納されるように横架リム5または6の端部9に向かって広がっている。操作部7及び舌片部20の上面は、直線状の180°位置においては、横架リム5または6の収容凹部10を囲む上面と面一に配置される。
【0068】
操作部7のヒンジ部24は、それぞれ横架リム5または6中の装着部19内に係合するヒンジピンを備え、また、装着部19は、ヒンジピンが装着部19内に係合可能に設計されている。
【0069】
とりわけ図11において図示されるように、ヒンジ部の反対側に位置し、収容凹部10から起き上がるように突出する操作部7の先端には、舌片部20を収容凹部から起こすときにその先端側を持ち上げるために、例えば小型ねじ回しなどの工具を挿し込む溝25が形成されている。
【0070】
図12から図17は、横架リム5、6の他の実施形態を示す。この実施形態は、とりわけロックデバイスの設計構成の点で、図2から図11に示される横架リム5、6の実施形態とは異なる。この実施形態においては、操作部7及びロック部8は、ロック部8がロック位置にある場合及びロック解除位置にある場合に、定位置に固定され得る。操作部7及びロック部8は、図12の右手に図示されるロック部8及び操作部7を除いては、図12から図14においてはロック解除状態が図示され、図15から図17においてはロック状態が図示される。
【0071】
とりわけ、ロック部8は、その位置をロック解除位置に固定するため第1の突出部26を有する。この突出部26は、ロック解除位置においては、横架リム5、6の収容凹部10に対してロック解除位置からロック位置へ向う方向vに当接し、この状態で操作部7は枢動可能である。ロック部をロック解除位置からロック位置に移動させるためには、初めに、第1の突出部26及び/または受入口14を弾性変形させるときに生ずる抵抗に抗して、第1の突出部26が受入口14内に侵入させる必要がある。第1の突出部26は、横架リム6、7の長手方向に対して垂直に、またはロック方向vに対して垂直に延設され、その長さ全体にわたってその側方が収容凹部10に対して当接する。さらに、第1の突出部26は、ロック部8の表面に一体的に形成される、すなわち、この場合、第1の突出部26は、ロック部8の上に射出成形される。
【0072】
横架リム6、7のこの実施形態において、ロック部8のロック位置への位置固定は、図15から図17に示される異なる機構に基づいている。操作部7及びレバー部16は、ロック部8がロック位置にあるときに、互いにラッチ可能に形成されている。とりわけ図15及び図16から分かるように、操作部7は、操作部7がロック位置にある場合にレバー部16に重なる舌片部20に、第2の突出部27を有する。ロック位置においては、第2の突出部27は、レバー部16の上のラッチ開口28内に係合する。
【0073】
第2の突出部27は、先端が装着部19へ湾曲したフック状に形成されている。ラッチ開口28は、アンダーカット構成部29を備え、ロック部8がロック位置にある場合には、第2の突出部27は、このアンダーカット構成部29の内側に係合する。したがって、第2の突出部27及びラッチ開口28は、ロック位置においては、互いにフック係合する状態になる。この点において、第2の突出部27と、アンダーカット構成部29を備えるラッチ開口28とは、それぞれフックを形成する。このラッチ係合またはフック係合を解除するためには、第2の突出部27及びラッチ開口28、すなわち詳細には突出部27の自由端部30及びアンダーカット構成部29が弾性変形されなければならない、すなわち拡張されなければならない。フック状突出部27は、その自由端部30へ向かって薄くなるように形成されている。同様に、アンダーカット構成部29の壁部厚さは、その自由端部30に向かって薄くなるように形成されている。
【0074】
第1の突出部26は、ロック部8がロック位置にある場合には、ロック方向vに受入口14内に案内されるように構成され、受入口14が弾性拡張することによりその内側で受入口14に摺接する。これにより、ロック部8をロック位置からロック解除位置に移動させるために加えられなければならない力は、さらに増加し、このようにして、ロック部8がロック位置にある場合にロック部8が位置固定される。
【0075】
図16から明確に分かるように、ヒンジ17、18はそれぞれ、ロック位置においては、リム5、6に対接し、これにより定位置に固定される。とりわけ、第1のヒンジ17は、内部にてプレート12に対接し、第2のヒンジ18は舌片部に対接する。
【0076】
図18及び図19は、個別の図として、操作部7、ロック部8、及びレバー部16を備えるロックデバイスの側面図及び平面斜視図を示す。例えば図18に図示されるように、操作部は、ロック部8がロック位置にある場合には、横架リム5、6の表面と整列関係に配置される。ロック部8をロック解除するためには、操作部7が、その枢動端部31にて、本明細書においては示されない工具により収容凹部10から起こされるように枢動される。すなわちこの場合には、操作部7が、収容凹部10から起こされるように梃子運動される。図15からさらに分かるように、操作部7は、その両側に、収容凹部10の端縁32に対して所定の隙間となる凹部が形成され、これによって、収容凹部10の端縁32との間に工具を係合するための開口33が形成される。本明細書においては、開口33は、スロット様構成のものであり、したがって、例えば従来型のねじ回しなどをこの開口33に挿し込んで係合させるのに適する。
【0077】
とりわけ図18及び図19に図示されるように、ロック部8がロック位置にある場合に開口33の方向に向く面34に、開口33から挿入された工具を支持するための受止部35が、レバー部16の上に設けられる。これは、開口33から挿し込まれた工具が、不適切に係合されることを防ぐために、さらには、レバー部16の下方に係合されて損傷するのを防ぐために設けられている。本例において、受止部35は、溝形状構成のものであり、工具は、溝底部にて停止され、てこ動作の実施の際に受止部35内に案内され得る。
【符号の説明】
【0078】
1 ヒンジ領域
2 ヒンジ領域
3 側面板
4 側面板
5 上方横架リム
6 下方横架リム
7 操作部
8 ロック部
9 端部
10 開口
11 プレート
12 プレート
13 リム
14 開口
15 突出部
16 レバー部
17 第1のヒンジ
18 第2のヒンジ
19 装着部
20 舌片部
21 領域
22 突出部
23 開口
24 ヒンジ部
25 溝
26 第1の突出部
27 第2の突出部
28 ラッチ開口
29 アンダーカット構成部
30 自由端部
31 端部
32 端部
33 開口
34 面
35 受け部
v ロック方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインガイドデバイスの部材である2つの側面板(3、4)を連結する際に、少なくとも一方の端部(9)が、前記側面板(3、4)の一方にロック可能に形成された横架リム(5.6)において、
この横架リム(5、6)は、操作部(7)及びロック部(8)を備え、前記ロック部(8)は、操作部(7)により、実質的にこの横架リム(5、6)の長手方向に沿って、この横架リム(5、6)を前記側面板(3、4)に連結する端部(9)の方向に、この横架リム(5、6)が側面板(3、4)に結合する位置まで変位可能に形成されると共に、前記端部(9)から離れる方向に、この横架リム(5、6)が前記側面板(3、4)から取り外し可能となるロック解除位置まで変位可能であることを特徴とする横架リム(5、6)。
【請求項2】
前記ロック部(8)は、その長手方向に沿って、前記横架リム(5、6)内を、またはその表面上を案内されることを特徴とする請求項1に記載の横架リム(5、6)。
【請求項3】
前記ロック部(8)は、前記横架リム(5、6)の前記端部の方向に向く突出部(22)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の横架リム(5、6)。
【請求項4】
前記操作部(7)及び/または前記ロック部(8)は、前記ロック部(7)がロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合には、定位置に固定され得ることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項5】
前記ロック部(8)は、折曲レバーにより前記操作部(7)に連結され、前記横架リム(5、6)の中または上の装着部(19)に枢動可能に支持されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項6】
前記操作部(7)は、前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記横架リム(5、6)中の収容凹部(10)内に枢動可能に収容され、前記ロック部(8)がロック解除位置にある場合には、前記収容凹部(10)から枢動可能に起立されていることを特徴とする請求項5記載の横架リム(5、6)。
【請求項7】
前記操作部(7)は、前記収容凹部(10)から起立する端部側に、前記収容凹部(10)の対向的に配設された端部(31)に対して間隔をもって配置され、それにより、前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記収容凹部(10)から起立する前記端部を持ち上げるための工具の係合手段が形成されたことを特徴とする請求項6記載の横架リム(5、6)。
【請求項8】
前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記操作部(7)は、前記収容凹部(10)の周囲に形成される前記横架リム(5、6)の表面と面一に配置されることを特徴とする請求項6又は7に記載の横架リム(5、6)。
【請求項9】
前記折曲レバーは、レバー部(16)を有し、前記レバー部(16)は、その第1の端部にて、第1のヒンジ(17)によって前記操作部(7)に連結され、前記第1の端部に対向するその第2の端部にて、第2のヒンジ部(18)によって前記ロック部(8)に連結されることを特徴とする請求項5乃至8いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項10】
前記操作部(7)は、前記枢動装着部(19)に対向するその端部に、前記レバー部(16)の上に延在する舌片部(20)を有することを特徴とする請求項5乃至9いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項11】
前記ロック部(8)は、前記ロック部(8)をロック解除位置に位置固定する第1の突出部(26)を有し、前記第1の突出部(26)は、ロック解除位置においては、内部にて前記横架リム(5、6)の前記収容凹部(10)に摺接することを特徴とする請求項6乃至10いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項12】
前記操作部(7)は、ロック位置においては、前記ロック部(8)と、または前記レバー部(16)とラッチ可能であることを特徴とする請求項9乃至11いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項13】
前記操作部(7)は、ロック位置においては、前記レバー部(16)の上に形成されたラッチ開口(28)内にラッチ係合する第2の突出部(27)を有することを特徴とする、請求項12に記載の横架リム(5、6)。
【請求項14】
前記操作部(7)の前記収容凹部(10)から枢動可能に起立する端部(32)側に、前記収容凹部(10)の端縁(32)との間に、前記工具が貫通するための側方開口(33)が形成され、前記レバー部(16)は、前記ロック部(8)がロック位置にある場合に前記開口の方向に位置する面(34)に、前記開口(33)から挿通されて係合する前記工具を支持するための受止部(35)を有することを特徴とする請求項7乃至13いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項15】
前記操作部(7)は、前記横架リムの長手方向に沿って前記横架リムの中にまたは上に案内されるスライダ状に形成されると共に、前記ロック部(8)に剛体的に連結されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の横架リム。
【請求項16】
相互に枢動可能に連結されてラインガイドデバイスを構成する部材において、
相互に対向する2つの側面板(3、4)と、前記側面板(3、4)を連結する請求項1乃至28いずれか記載の横架リム(5、6)とを有する部材。
【請求項17】
ロックすることにより前記横架リム(5、6)に連結されることとなる前記側面板(3、4)には、内向きの突出部(15)が形成され、前記横架リム(5,6)の連結されるべき前記端部(9)には、前記突出部(15)と係合する内側に向かって開口した収容凹部(10)が形成され、前記対向する側面板(6、5)の方向に向く前記突出部(15)の端部に、前記ロック部(8)と係合する開口(23)が形成されたことを特徴とする請求項16に記載の部材。
【請求項1】
ラインガイドデバイスの部材である2つの側面板(3、4)を連結する際に、少なくとも一方の端部(9)が、前記側面板(3、4)の一方にロック可能に形成された横架リム(5.6)において、
この横架リム(5、6)は、操作部(7)及びロック部(8)を備え、前記ロック部(8)は、操作部(7)により、実質的にこの横架リム(5、6)の長手方向に沿って、この横架リム(5、6)を前記側面板(3、4)に連結する端部(9)の方向に、この横架リム(5、6)が側面板(3、4)に結合する位置まで変位可能に形成されると共に、前記端部(9)から離れる方向に、この横架リム(5、6)が前記側面板(3、4)から取り外し可能となるロック解除位置まで変位可能であることを特徴とする横架リム(5、6)。
【請求項2】
前記ロック部(8)は、その長手方向に沿って、前記横架リム(5、6)内を、またはその表面上を案内されることを特徴とする請求項1に記載の横架リム(5、6)。
【請求項3】
前記ロック部(8)は、前記横架リム(5、6)の前記端部の方向に向く突出部(22)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の横架リム(5、6)。
【請求項4】
前記操作部(7)及び/または前記ロック部(8)は、前記ロック部(7)がロック位置にある場合及び/またはロック解除位置にある場合には、定位置に固定され得ることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項5】
前記ロック部(8)は、折曲レバーにより前記操作部(7)に連結され、前記横架リム(5、6)の中または上の装着部(19)に枢動可能に支持されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項6】
前記操作部(7)は、前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記横架リム(5、6)中の収容凹部(10)内に枢動可能に収容され、前記ロック部(8)がロック解除位置にある場合には、前記収容凹部(10)から枢動可能に起立されていることを特徴とする請求項5記載の横架リム(5、6)。
【請求項7】
前記操作部(7)は、前記収容凹部(10)から起立する端部側に、前記収容凹部(10)の対向的に配設された端部(31)に対して間隔をもって配置され、それにより、前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記収容凹部(10)から起立する前記端部を持ち上げるための工具の係合手段が形成されたことを特徴とする請求項6記載の横架リム(5、6)。
【請求項8】
前記ロック部(8)がロック位置にある場合には、前記操作部(7)は、前記収容凹部(10)の周囲に形成される前記横架リム(5、6)の表面と面一に配置されることを特徴とする請求項6又は7に記載の横架リム(5、6)。
【請求項9】
前記折曲レバーは、レバー部(16)を有し、前記レバー部(16)は、その第1の端部にて、第1のヒンジ(17)によって前記操作部(7)に連結され、前記第1の端部に対向するその第2の端部にて、第2のヒンジ部(18)によって前記ロック部(8)に連結されることを特徴とする請求項5乃至8いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項10】
前記操作部(7)は、前記枢動装着部(19)に対向するその端部に、前記レバー部(16)の上に延在する舌片部(20)を有することを特徴とする請求項5乃至9いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項11】
前記ロック部(8)は、前記ロック部(8)をロック解除位置に位置固定する第1の突出部(26)を有し、前記第1の突出部(26)は、ロック解除位置においては、内部にて前記横架リム(5、6)の前記収容凹部(10)に摺接することを特徴とする請求項6乃至10いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項12】
前記操作部(7)は、ロック位置においては、前記ロック部(8)と、または前記レバー部(16)とラッチ可能であることを特徴とする請求項9乃至11いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項13】
前記操作部(7)は、ロック位置においては、前記レバー部(16)の上に形成されたラッチ開口(28)内にラッチ係合する第2の突出部(27)を有することを特徴とする、請求項12に記載の横架リム(5、6)。
【請求項14】
前記操作部(7)の前記収容凹部(10)から枢動可能に起立する端部(32)側に、前記収容凹部(10)の端縁(32)との間に、前記工具が貫通するための側方開口(33)が形成され、前記レバー部(16)は、前記ロック部(8)がロック位置にある場合に前記開口の方向に位置する面(34)に、前記開口(33)から挿通されて係合する前記工具を支持するための受止部(35)を有することを特徴とする請求項7乃至13いずれか記載の横架リム(5、6)。
【請求項15】
前記操作部(7)は、前記横架リムの長手方向に沿って前記横架リムの中にまたは上に案内されるスライダ状に形成されると共に、前記ロック部(8)に剛体的に連結されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の横架リム。
【請求項16】
相互に枢動可能に連結されてラインガイドデバイスを構成する部材において、
相互に対向する2つの側面板(3、4)と、前記側面板(3、4)を連結する請求項1乃至28いずれか記載の横架リム(5、6)とを有する部材。
【請求項17】
ロックすることにより前記横架リム(5、6)に連結されることとなる前記側面板(3、4)には、内向きの突出部(15)が形成され、前記横架リム(5,6)の連結されるべき前記端部(9)には、前記突出部(15)と係合する内側に向かって開口した収容凹部(10)が形成され、前記対向する側面板(6、5)の方向に向く前記突出部(15)の端部に、前記ロック部(8)と係合する開口(23)が形成されたことを特徴とする請求項16に記載の部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−525769(P2010−525769A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503345(P2010−503345)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000602
【国際公開番号】WO2008/125084
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507336499)イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュクレンクター ハフトゥング (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000602
【国際公開番号】WO2008/125084
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507336499)イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュクレンクター ハフトゥング (12)
【Fターム(参考)】
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