樹脂成形品
【課題】プリント基板等に取り付けるために1個ずつ取り上げる際に絡み合わないクランプを提供する。
【解決手段】クランプ1は、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければキャリアフィルム20から分離できない連結構造にてキャリアフィルム20と連結されて出荷されて、使用時にはキャリアフィルム20から分離されるので、例えばプリント基板等に取り付けるにあたってキャリアフィルム20から1個ずつ分離すればよく、その際にクランプ1同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。キャリアフィルム20に整然と連結されているので員数不足又は員数過剰は生じない。クランプ1を分離した痕跡がキャリアフィルム20に残り白変するので、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(紛失や組み付け忘れはなかったか)を容易に検認できる。
【解決手段】クランプ1は、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければキャリアフィルム20から分離できない連結構造にてキャリアフィルム20と連結されて出荷されて、使用時にはキャリアフィルム20から分離されるので、例えばプリント基板等に取り付けるにあたってキャリアフィルム20から1個ずつ分離すればよく、その際にクランプ1同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。キャリアフィルム20に整然と連結されているので員数不足又は員数過剰は生じない。クランプ1を分離した痕跡がキャリアフィルム20に残り白変するので、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(紛失や組み付け忘れはなかったか)を容易に検認できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
例えば筐体に取り付けられて配線を保持するクランプ、プリント基板と筐体との間隔を保持するためのスペーサ等の樹脂成形品がある。そうした樹脂成形品の中でも筐体と配線、プリント基板と筐体、プリント基板同士などの連結に使用されるものはファスナと総称される。
【0003】
従来、ファスナは、ビニール袋にバラ梱包して出荷されていた。そのため、袋から1個ずつの取り出そうとしてもファスナ同士が絡み合ってしまい、1個ずつの取り出しにならないことがあった。また、注文数量が例えば100個/1袋であっても、員数不足を避けるために1袋当たり数個の余剰梱包にするのが通常であった。しかし、その余剰分が組み付けライン上で余った場合に、組み付け忘れの発生を疑われることもあった。
【0004】
バラ梱包による出荷は上記のような問題があったので、特開2002−46139号公報に開示の技術を利用して、キャリアフィルムにファスナを配列した荷姿にすることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−46139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の技術は、目的、構成、作用効果のいずれも本願発明とは相違し、そのままでは採用できなかった。具体的には、樹脂成形品のフィルムからの分離が円滑になされることを要するので、樹脂成形品をフィルムに着けたままで出荷しても搬送途中に離脱してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の樹脂成形品は、
出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければ前記キャリアフィルムから分離できない連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていて、
使用時には前記キャリアフィルムから分離される
ことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の樹脂成形品は、出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければキャリアフィルムから分離できない連結構造にてキャリアフィルムと連結されているから、例えばプリント基板や筐体等に取り付けるにあたって、キャリアフィルムから1個ずつ分離すればよく、その際に樹脂成形品同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。
【0009】
また、キャリアフィルムに整然と連結されているので、必要とされる個数に揃えることが容易に、かつ確実に行えるので、員数不足又は員数過剰は生じない。
【0010】
不可逆的に変形させるとは、例えば破断、ひび割れ、折り目が残るような折り曲げ等であり、その痕跡を目視で認識できるような変形である。そのため、樹脂成形品を使用するためにキャリアフィルムから分離したときにはキャリアフィルムに上記のような変形痕が残るので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、変形痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
【0011】
なお、樹脂成形品に成形不良などがあって、出荷前の検査ではじく場合がある。その場合には、鋏などの刃物を用いて、連結構造部分が残らないようにキャリアフィルムの一部を切断して不良品を取り除けばよい。そうした鋏などによる切断痕は、使用のために破断した場合の変形痕とは明らかに違ったものになるから、上記の検認に支障はない。
【0012】
また、当日の生産に必要となる部品個数を予め計数して、その個数だけを作業者に供給する生産方式もあるが、そのような場合にも容易に、かつ確実に供給個数に揃えることができる。
【0013】
ところで、1本のキャリアフィルムにて多数の樹脂成形品を担持する構成になるので、樹脂成形品の個数を数え易くする等の補助的な構成を付加することができる。
【0014】
例えばレーザ印字等で10個や5個毎の目印、目盛り等をキャリアフィルムに設けておけば、キャリアフィルムに担持されている樹脂成形品の個数を数えやすくなる。なお、上記のように不良品を切除することがあるので、良品の個数で(切除分を除いて)個数の目印等を設けるのが望ましい。
【0015】
また、1本のキャリアフィルムに担持されている樹脂成形品の総数、樹脂成形品のサイズ、品番等をキャリアフィルムに印字しておいてもよい。
【0016】
或いは、樹脂成形品のサイズ等に応じてキャリアフィルムの色を異ならせてもよい。そうすれば、サイズの近いもの同士をキャリアフィルムの色で区別することが可能になる。
【0017】
なお、1本のキャリアフィルムに1種類或いは1サイズの樹脂成形品だけを担持させる必要はなく、複数種類の或いは複数サイズの樹脂成形品を例えば樹脂成形品の組み付け工程や使用順序に従った配列で担持させてもよい。
【0018】
さらに、樹脂成形品が適宜の個数になるようにキャリアフィルムを切断することもあるので、そうした切断を容易にするためのミシン目を設けておいてもよい。
【0019】
請求項2は連結構造の具体的な例を示すものであり、前記キャリアフィルムに設けられた開口を前記樹脂成形品の一部が貫通した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品である。
【0020】
その請求項2の発明においては、請求項3記載のように、前記キャリアフィルムには、前記開口から前記キャリアフィルムの外周に至る切れ目が設けられている構成を採用することができ、樹脂成形品をキャリアフィルムから分離するときに要する力を少なくできる。
【0021】
請求項4も連結構造の具体的な例を示すものであり、前記キャリアフィルムの一部が前記樹脂成形品に設けられた孔に進入した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品である。
【0022】
請求項5は樹脂成形品の具体的な例を示すものであり、板状の部材に取り付けるための取付手段が設けられていて、使用時には前記取付手段を用いて前記板状の部材に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の樹脂成形品である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図2】実施例1におけるキャリアフィルムとクランプの連結構造の説明図。
【図3】実施例2でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図4】実施例3でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図5】実施例4でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図6】実施例5でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、キャリアフィルムの平面図(b)。
【図7】連結開口の形状変形例1(1)のキャリアフィルムの平面図(a)、一部拡大図(b)。
【図8】連結開口の形状変形例1(2)のキャリアフィルムの平面図(a)、一部拡大図(b)。
【図9】連結開口の形状変形例2のキャリアフィルムの平面図(a)〜(d)。
【図10】連結構造の変形例(1)の説明図。
【図11】連結構造の変形例(2)の説明図。
【図12】連結構造の変形例(3)の説明図。
【図13】樹脂成形品の変形例でキャリアフィルムに担持させたスペーサの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例1]
この実施例は樹脂成形品の一種であるクランプに本発明を適用した例である。なお、実施例のクランプ1はPP、PE、ナイロン、ABS等の合成樹脂の成形品である。
【0025】
図1に示すように、クランプ1は電線や光ファイバ等の長尺物を保持するためのクランプ機能部2と、クランプ1を板状の部材(例えばプリント基板、電子機器の筐体、自動車などの板金)に取り付けるための取付機能部3(取付手段に該当)とからなっている。
【0026】
クランプ機能部2は、板状の基部4、その基部4の一端に立設されたロック部5及びロック部5とは逆の端部に連接された帯状の開閉部6にて構成されている。
【0027】
開閉部6は、ロック部5と対面した姿勢の支持壁7、支持壁7の上端に連接されたヒンジ部8、ヒンジ部8の片端に連接された可動部9及び可動部9の先端に連接された弾性係脱部10を備えている。開閉部6をヒンジ部8にて弾性的に折り曲げると、弾性係脱部10がロック部5の上端に設けられた出入口からロック部5の内側に入り込む。そして、係止用の段差11が係止突起12に係止されると、基部4、ロック部5及び開閉部6にて閉鎖環が形成されるので、その閉鎖環にて電線等を保持できる。
【0028】
取付機能部3は、基部4の下面に連接された台座部14、台座部14から斜め下向きに対をなして延出された弾性翼片15、台座部14から下向きに突設された支柱部16及び支柱部16の先端から折り返すように延出された一対の弾性逆止片17を備えている。この取付機能部3は、図示するとおり、いわゆる矢じり型スナップ(支柱部16及び弾性逆止片17)と弾性板(弾性翼片15)との組み合わせであり、構造及び機能は周知のものと同様である。
【0029】
但し、弾性翼片15は、クランプ1とキャリアフィルム20とを連結するための部材でもあり、この点は公知のものとは異なっている。
【0030】
キャリアフィルム20は合成樹脂製(例えばPET、PE、PP等)のフィルムであり、テープ状をなしている。
【0031】
キャリアフィルム20には、長手方向に沿って等ピッチで配された位置決め穴21が片方の長辺沿いに設けられている。もう一方の長辺側には、略長方形の切抜凹部22が設けられており、切抜凹部22を設けたことによって形成されたコーナー部24には連結開口23が設けられている。
【0032】
本実施例の場合、1つの切抜凹部22、この切抜凹部22を挟む位置になる2つのコーナー部24に設けられた連結開口23及び2箇所の位置決め穴21が、1個のクランプ1に対応している。そして、この1個のクランプ1に対応した区画25同士をミシン目26によって仕切っている。
【0033】
切抜凹部22を挟んで対をなす連結開口23は、それぞれが弾性翼片15の先端部をキャリアフィルム20に連結するために使用される。その連結構造の詳細は図2に示すごとくであり、弾性翼片15を構成している合成樹脂の一部が連結開口23を貫通しており、コーナー部24が弾性翼片15の内部に進入している。このように弾性翼片15の先端部がキャリアフィルム20に連結されているので、弾性翼片15の下側に位置する支柱部16及び弾性逆止片17が切抜凹部22に進入した状態になっている。
【0034】
このように、クランプ1をキャリアフィルム20に連結した構造で製造するにはアウトサート成形が行われる。その具体的な手順は次の通りである。なお、キャリアフィルム20は、予め図1に示す形状に加工されている。
【0035】
まず、射出成形機にセットされた金型の固定側と可動側との間に、キャリアフィルム20を挟み込んで型閉する。金型のキャビティは言うまでもなくクランプ1に倣っており、連結開口23を含んだコーナー部24がキャビティ内に進入している。また、この型閉持には、金型に突設された位置決め突起が位置決め穴21に嵌り込むことで、キャリアフィルム20と金型との位置決めがなされる。
【0036】
続いて、溶融樹脂をキャビティ内へ射出注入しクランプ1を成形する。適宜の冷却時間を経過した後に型開し、クランプ1を離型させて、キャリアフィルム20を長手方向に送る。これにより、成形品であるクランプ1が金型から離脱し、次の(クランプ1を未保持の)切抜凹部22が金型に送り込まれる。
【0037】
以後は、上述の型閉、射出、冷却、型開、離型、キャリアフィルム20の送りを繰り返すことにより、連続的にクランプ1の成形が行われ、図1に示すように、1本のキャリアフィルム20に多数のクランプ1が担持された形態となる。
【0038】
このように弾性翼片15の先端部がキャリアフィルム20に連結されているので、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければ(ここでは連結開口23の周囲を破断しなければ)、クランプ1をキャリアフィルム20から分離できない。そして、連結開口23の周囲を破断してクランプ1をキャリアフィルム20から取り外せば、その破断痕が明瞭に残るので、「そこにクランプ1が存在し、そのクランプ1が取り去られた」ことがはっきりと分かる。
【0039】
なお、クランプ1に成形不良などがあって検査ではじく場合には、鋏などの刃物を用いて、連結構造部分(連結開口23を含んだコーナー部24)が残らないようにキャリアフィルム20の一部を切断して不良品を取り除く。そうした鋏などによる切断痕は、連結開口23の周囲を破断した場合の変形痕とは明らかに違ったものになるから、鋏などによる切断痕であれば、「そこは不良品を出荷前に排除した痕跡である」ことがはっきりと分かる。
【0040】
このようにして製造されたクランプ1は、キャリアフィルム20に担持されたまま、検査され、不良品は上述のようにコーナー部24にて切除されて、良品のみが出荷数となるようにキャリアフィルム20が切断され、出荷される。
【0041】
そして、クランプ1を使用する際には(板金などに組み付ける際には)、クランプ1をキャリアフィルム20から引きちぎるようにすれば、連結開口23の周囲が破断されてクランプ1がキャリアフィルム20から分離される。
【0042】
本実施例のクランプ1は、出荷時には、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければキャリアフィルム20から分離できない連結構造にてキャリアフィルム20と連結されていて、使用時にはキャリアフィルム20から分離されるので、例えばプリント基板、筐体、板金等に取り付けるにあたって、キャリアフィルム20から1個ずつ分離すればよく、その際にクランプ1同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。
【0043】
また、キャリアフィルム20に整然と連結されているので、必要とされる個数に揃えることが容易に、かつ確実に行えるので、員数不足又は員数過剰は生じない。
【0044】
連結開口23の周囲を破断してキャリアフィルム20からクランプ1を分離したときにはキャリアフィルム20に上記のような破断痕が残り、また破断面などが白変するので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
【0045】
また、当日の生産に必要となる部品個数を予め計数して、その個数だけを作業者に供給する生産方式でも、容易に、かつ確実に供給個数に揃えることができる。そうした生産方式などで、クランプ1が適宜の個数になるようにキャリアフィルム20を切断することもあるが、ミシン目26を設けてあるのでそうした切断も容易である。
[実施例2]
実施例1では2箇所の連結構造にてクランプ1とキャリアフィルム20とを連結しているが、連結構造を1箇所(最少箇所数)とした例を説明する。
【0046】
図3に示す実施例2の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。一方、実施例2のキャリアフィルム30では、ミシン目26によって仕切られた区画25(1個のクランプ1に対応した区画25)毎に1つの位置決め穴21が設けられている。また、各区画25は凸字形状をなしており、その舌部27には1つの連結開口31が設けられている。そして、クランプ1の1箇所(この実施例では弾性係脱部10の先端の摘み部10a)が、連結開口31を介しての実施例1と同様の連結構造にてキャリアフィルム30と連結されている。
【0047】
このように連結構造を1箇所にすることも可能であり、そのようにした実施例2も実施例1と同様の効果を奏する。
[実施例3]
連結構造を3箇所以上にすることも可能であるので、連結構造を3箇所とした例を説明する。
【0048】
図4に示す実施例3の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。一方、実施例3のキャリアフィルム32では、ミシン目26によって仕切られた区画25(1個のクランプ1に対応した区画25)毎に、キャリアフィルム32の両長辺に沿って2つずつ(計4つ)の位置決め穴21が設けられている。それら2組の位置決め穴21に挟まれるようにして、成形用開口33が設けられている。成形用開口33の下部には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部34が設けられており、上部には実施例2の舌部27と同様の舌部35が設けられている。そして、凹部34の両側のコーナー部及び舌部35の片方のコーナー部には各1つの連結開口36、37が設けられている。図1及び図3と図4との対比から明らかであるが、本実施例のキャリアフィルム32は実施例1のキャリアフィルム20と実施例2の30とを上下に突き合わせた構造をしている。
【0049】
クランプ1は、実施例1と同様に弾性翼片15の先端部が連結開口36を介してキャリアフィルム32に連結され、実施例2と同様に摘み部10aが連結開口37を介してキャリアフィルム32に連結されている。
【0050】
このように連結構造を3箇所にすることも可能であり、そのようにした実施例3も実施例1と同様の効果を奏する。なお、3つの連結開口36、37による3点支持になっているので、キャリアフィルム32に担持されたクランプ1は実施例1、2よりも安定する。
[実施例4]
実施例3ではキャリアフィルム32の両長辺に沿って位置決め穴21を2列に配して、その間にクランプ1を位置させているが、これとは逆にクランプ1を外側に2列で配して中央部に位置決め穴21を1列に配することもできる。
【0051】
図5に示す実施例4の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。
【0052】
一方、実施例4のキャリアフィルム40では、位置決め穴21がキャリアフィルム40の長手方向に沿って配される点は実施例1〜3と同様であるが、それらが幅方向の中央部に1列に配されている点で実施例1〜3とは異なっている。
【0053】
キャリアフィルム40がミシン目26によって複数の区画41に仕切られているのは実施例1〜3と同様であるが、各区画41が2個のクランプ1に対応している点が実施例1〜3とは異なっている。即ち、本実施例の場合、1つの区画41には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部42が2箇所ずつ設けられており、凹部42の両側のコーナー部には各1つの連結開口43が設けられている。
【0054】
そして、クランプ1は各凹部42に1個ずつ配されて(1つの区画41については2個のクランプ1が背中合わせ状に配されて)、実施例1と同様に弾性翼片15の先端部が連結開口43を介してキャリアフィルム40に連結されている。
【0055】
このように1つの区画41に2個のクランプ1を保持することも可能であり、そのようにした実施例4も実施例1と同様の効果を奏する。なお、1つの区画41に2個のクランプ1を保持するので、キャリアフィルム40の単位長さ当たりで担持できるクランプ1の個数を実施例1〜3よりも多く(約2倍に)できる。
[実施例5]
実施例4ではクランプ1をキャリアフィルム40の外側に2列で配しているが、キャリアフィルムの内側に2列で配置することもできる。
【0056】
図6に示す実施例5の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。
【0057】
一方、実施例5のキャリアフィルム70では、位置決め穴21がキャリアフィルム70の長手方向に沿って配される点は実施例1〜4と同様であるが、それらが幅方向の中央部に1列に配されている点、そして位置決め穴21を挟むようにして上下一対の成形用開口73が設けられている点で異なる。
【0058】
成形用開口73には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部74が設けられており、そのコーナー部には実施例1と同様に連結開口75が設けられている。また略台形状の大舌部76と長方形状の小舌部77とが成形用開口73に突出するように設けられている。そして、大舌部76の頂部には連結開口78が設けられ、小舌部77の先端部には連結開口79が設けられている。また大舌部76には成形金型内でのキャリアフィルム70の位置決め用の穴81も設けられている。
【0059】
上下2つの成形用開口73の大舌部76の基部同士を結ぶようにしてミシン目82が設けられており、ミシン目82は上下2つの成形用開口73の一対を隣同士で区分する境界線となっている。また、何本かおきに(例えば5本おき、10本おき等)ミシン目82の隣に矢印83のような数量マークが設けられている。
【0060】
さらに、キャリアフィルム70の上下の縁部84には、位置決め穴21と同様に成形機への送り込みに使用される縁部位置決め穴85が設けられている。また、各縁部位置決め穴85の間には成形用開口73に達する切れ込み86が設けられている。
【0061】
クランプ1は、各成形用開口73に1個あてで配されて、上下で鏡像状に対をなしている。クランプ1は、弾性翼片15の先端部が連結開口75を介してキャリアフィルム70に連結され、可動部9が連結開口79を介してキャリアフィルム70に連結され、弾性係脱部10が連結開口78を介してキャリアフィルム70に連結されている。つまり、4つの連結開口75、78、79による4点支持になっているので、キャリアフィルム70に担持されたクランプ1は実施例1〜4よりも安定する。
【0062】
ミシン目82で切断すれば、上の切れ込み86〜ミシン目82〜下の切れ込み86で キャリアフィルム70を分割できる。このときに、矢印83が数量の目印となる。
【0063】
ミシン目82を利用して適宜の長さに切断したものを、中央部に設けられている位置決め穴21を利用して吊り下げることができる。
【0064】
また、切れ込み86が設けられているので、クランプ1を図6(a)において上下方向に引っ張れば、簡単にクランプ1をキャリアフィルム70から取り出すことができる。すなわち、クランプ1をキャリアフィルム70から取り出す作業を行いやすい。
【0065】
さらに、図示するところから明らかなように、クランプ1の開放部分(ロック部5と開閉部6の間)をキャリアフィルム70にて閉じる状態になるから、クランプ1同士が絡まり合うのを防止できる。
[連結開口の形状変形例1]
上記の実施例1〜4では円形の連結開口23を採用しているが、図7に示すように四角形の連結開口23aとすることや、図8に示すように楕円形の連結開口23bとすることができる。言うまでもないが、円形、四角形、楕円形以外の形状(例えば三角形、五角形など)も可能である。
[連結開口の形状変形例2]
上記の実施例1〜4及び連結開口の形状変形例1の連結開口23、23a、23bは周が閉じた開口であるが、図9に例示するとおり、連結開口23からキャリアフィルム20の外周に至る切れ目29a〜29dを設けることができる。このような切れ目29a〜29dを設けておけば、クランプ1をキャリアフィルム20から分離するときに要する力を少なくできる。
【0066】
こうした切れ目29a〜29dを設けた場合、キャリアフィルム20からクランプ1を分離するときには、連結開口23の周囲が破断されずに切れ目29a〜29dを広げる形態で変形するが、その変形時に屈曲した部分や引き伸ばされた部分が白変するので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
[連結構造の変形例]
実施例1〜4及び連結開口の形状変形例1、2ではキャリアフィルムに連結開口を設けておき、その連結開口にクランプ1(樹脂成形品)の樹脂の一部を貫通させることで連結しているが、キャリアフィルムの一部を例えば突出させて、この部分をクランプ1(樹脂成形品)の樹脂中に埋没させることでも連結できる。そうした例を図10〜12に示す。
【0067】
図10に示す例は、キャリアフィルム50の一部をハンマーヘッド状に突出させて連結突起51となし、連結突起51を弾性翼片15の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0068】
図11に示す例では、キャリアフィルム50の一部を弾性翼片15の弧に沿った弓状に突出させて連結突起52となし、連結突起52を弾性翼片15の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0069】
図12に示す例では、キャリアフィルム50の一部を円環状に突出させて連結突起53となし、連結突起53をロック部5及び開閉部6(支持壁7)の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0070】
これらの例のように、キャリアフィルムの一部をクランプ1(樹脂成形品)の樹脂中に埋没させることで両者を連結しても、クランプ1をキャリアフィルム50から分離すれば破断痕が残るので、実施例1〜4等と同様の効果が得られる。
[樹脂成形品の変形例]
上述の各例では樹脂成形品としてのクランプ1に本発明を適用した例を説明したが、他の構造の樹脂成形品であっても本発明を適用できる。
【0071】
図13に示す例は、プリント基板と筐体やプリント基板同士などの連結に使用されるスペーサ60に本発明を適用した例である。
【0072】
スペーサ60は主柱63の上下両端に取付機能部61、62を備えている。
【0073】
上の取付機能部61は、主柱63の上端に設けられた基部65と、基部65から突設された支柱部69と、支柱部69の先端から折り返すように延出された弾性逆止片71と、弾性逆止片71と基部65とを連結する連結帯73とを備えている。
【0074】
下の取付機能部62は、主柱63の下端に設けられた基部72と、基部72の両側に延出された弾性翼片73と、基部72から突設された支柱部74と、支柱部74の先端から折り返すように延出された弾性逆止片75と、弾性逆止片75と基部72とを連結する連結帯76とを備えている。
【0075】
上下の取付機能部61、62の構造は実施例1の取付機能部3とは若干異なるが本質的な機能(用途)は同様である。すなわち、スペーサ60は、例えば上の取付機能部61にてプリント基板に取り付けられ、下の取付機能部62にて筐体に取り付けられることで、2枚の板状物(プリント基板と筐体)の間隔を保持しながら両者を連結する。
【0076】
そして、図13の例では、実施例1と同様に弾性翼片73の先端部が連結開口23を介してキャリアフィルム20に連結されている。
【0077】
上に説明し、図13に示したところから明らかなように、樹脂成形品を変更しても本発明を適用でき、実施例1等と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・クランプ、
2・・・クランプ機能部、
3・・・取付機能部、
4・・・基部、
5・・・ロック部、
6・・・開閉部、
7・・・支持壁、
8・・・ヒンジ部、
9・・・可動部、
10・・・弾性係脱部、
10a・・・摘み部、
11・・・段差、
12・・・係止突起、
14・・・台座部、
15・・・弾性翼片、
16・・・支柱部、
17・・・弾性逆止片、
20・・・キャリアフィルム、
21・・・位置決め穴、
22・・・切抜凹部、
23・・・連結開口、
23a・・・連結開口、
23b・・・連結開口、
24・・・コーナー部、
25・・・区画、
26・・・ミシン目、
27・・・舌部、
29a・・・切れ目、
30・・・キャリアフィルム、
31・・・連結開口、
32・・・キャリアフィルム、
33・・・成形用開口、
34・・・凹部、
35・・・舌部、
36・・・連結開口、
37・・・連結開口、
40・・・キャリアフィルム、
41・・・区画、
42・・・凹部、
43・・・連結開口、
50・・・キャリアフィルム、
51・・・連結突起、
52・・・連結突起、
53・・・連結突起、
60・・・スペーサ、
61・・・取付機能部、
62・・・取付機能部、
63・・・主柱、
65・・・基部、
69・・・支柱部、
71・・・弾性逆止片、
72・・・基部、
73・・・弾性翼片、
73・・・連結帯、
74・・・支柱部、
75・・・弾性逆止片、
76・・・連結帯。
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
例えば筐体に取り付けられて配線を保持するクランプ、プリント基板と筐体との間隔を保持するためのスペーサ等の樹脂成形品がある。そうした樹脂成形品の中でも筐体と配線、プリント基板と筐体、プリント基板同士などの連結に使用されるものはファスナと総称される。
【0003】
従来、ファスナは、ビニール袋にバラ梱包して出荷されていた。そのため、袋から1個ずつの取り出そうとしてもファスナ同士が絡み合ってしまい、1個ずつの取り出しにならないことがあった。また、注文数量が例えば100個/1袋であっても、員数不足を避けるために1袋当たり数個の余剰梱包にするのが通常であった。しかし、その余剰分が組み付けライン上で余った場合に、組み付け忘れの発生を疑われることもあった。
【0004】
バラ梱包による出荷は上記のような問題があったので、特開2002−46139号公報に開示の技術を利用して、キャリアフィルムにファスナを配列した荷姿にすることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−46139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の技術は、目的、構成、作用効果のいずれも本願発明とは相違し、そのままでは採用できなかった。具体的には、樹脂成形品のフィルムからの分離が円滑になされることを要するので、樹脂成形品をフィルムに着けたままで出荷しても搬送途中に離脱してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の樹脂成形品は、
出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければ前記キャリアフィルムから分離できない連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていて、
使用時には前記キャリアフィルムから分離される
ことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の樹脂成形品は、出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければキャリアフィルムから分離できない連結構造にてキャリアフィルムと連結されているから、例えばプリント基板や筐体等に取り付けるにあたって、キャリアフィルムから1個ずつ分離すればよく、その際に樹脂成形品同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。
【0009】
また、キャリアフィルムに整然と連結されているので、必要とされる個数に揃えることが容易に、かつ確実に行えるので、員数不足又は員数過剰は生じない。
【0010】
不可逆的に変形させるとは、例えば破断、ひび割れ、折り目が残るような折り曲げ等であり、その痕跡を目視で認識できるような変形である。そのため、樹脂成形品を使用するためにキャリアフィルムから分離したときにはキャリアフィルムに上記のような変形痕が残るので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、変形痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
【0011】
なお、樹脂成形品に成形不良などがあって、出荷前の検査ではじく場合がある。その場合には、鋏などの刃物を用いて、連結構造部分が残らないようにキャリアフィルムの一部を切断して不良品を取り除けばよい。そうした鋏などによる切断痕は、使用のために破断した場合の変形痕とは明らかに違ったものになるから、上記の検認に支障はない。
【0012】
また、当日の生産に必要となる部品個数を予め計数して、その個数だけを作業者に供給する生産方式もあるが、そのような場合にも容易に、かつ確実に供給個数に揃えることができる。
【0013】
ところで、1本のキャリアフィルムにて多数の樹脂成形品を担持する構成になるので、樹脂成形品の個数を数え易くする等の補助的な構成を付加することができる。
【0014】
例えばレーザ印字等で10個や5個毎の目印、目盛り等をキャリアフィルムに設けておけば、キャリアフィルムに担持されている樹脂成形品の個数を数えやすくなる。なお、上記のように不良品を切除することがあるので、良品の個数で(切除分を除いて)個数の目印等を設けるのが望ましい。
【0015】
また、1本のキャリアフィルムに担持されている樹脂成形品の総数、樹脂成形品のサイズ、品番等をキャリアフィルムに印字しておいてもよい。
【0016】
或いは、樹脂成形品のサイズ等に応じてキャリアフィルムの色を異ならせてもよい。そうすれば、サイズの近いもの同士をキャリアフィルムの色で区別することが可能になる。
【0017】
なお、1本のキャリアフィルムに1種類或いは1サイズの樹脂成形品だけを担持させる必要はなく、複数種類の或いは複数サイズの樹脂成形品を例えば樹脂成形品の組み付け工程や使用順序に従った配列で担持させてもよい。
【0018】
さらに、樹脂成形品が適宜の個数になるようにキャリアフィルムを切断することもあるので、そうした切断を容易にするためのミシン目を設けておいてもよい。
【0019】
請求項2は連結構造の具体的な例を示すものであり、前記キャリアフィルムに設けられた開口を前記樹脂成形品の一部が貫通した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品である。
【0020】
その請求項2の発明においては、請求項3記載のように、前記キャリアフィルムには、前記開口から前記キャリアフィルムの外周に至る切れ目が設けられている構成を採用することができ、樹脂成形品をキャリアフィルムから分離するときに要する力を少なくできる。
【0021】
請求項4も連結構造の具体的な例を示すものであり、前記キャリアフィルムの一部が前記樹脂成形品に設けられた孔に進入した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品である。
【0022】
請求項5は樹脂成形品の具体的な例を示すものであり、板状の部材に取り付けるための取付手段が設けられていて、使用時には前記取付手段を用いて前記板状の部材に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の樹脂成形品である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図2】実施例1におけるキャリアフィルムとクランプの連結構造の説明図。
【図3】実施例2でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図4】実施例3でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図5】実施例4でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【図6】実施例5でキャリアフィルムに担持させたクランプの平面図(a)、キャリアフィルムの平面図(b)。
【図7】連結開口の形状変形例1(1)のキャリアフィルムの平面図(a)、一部拡大図(b)。
【図8】連結開口の形状変形例1(2)のキャリアフィルムの平面図(a)、一部拡大図(b)。
【図9】連結開口の形状変形例2のキャリアフィルムの平面図(a)〜(d)。
【図10】連結構造の変形例(1)の説明図。
【図11】連結構造の変形例(2)の説明図。
【図12】連結構造の変形例(3)の説明図。
【図13】樹脂成形品の変形例でキャリアフィルムに担持させたスペーサの平面図(a)、同じく側面図(b)、キャリアフィルムの平面図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例1]
この実施例は樹脂成形品の一種であるクランプに本発明を適用した例である。なお、実施例のクランプ1はPP、PE、ナイロン、ABS等の合成樹脂の成形品である。
【0025】
図1に示すように、クランプ1は電線や光ファイバ等の長尺物を保持するためのクランプ機能部2と、クランプ1を板状の部材(例えばプリント基板、電子機器の筐体、自動車などの板金)に取り付けるための取付機能部3(取付手段に該当)とからなっている。
【0026】
クランプ機能部2は、板状の基部4、その基部4の一端に立設されたロック部5及びロック部5とは逆の端部に連接された帯状の開閉部6にて構成されている。
【0027】
開閉部6は、ロック部5と対面した姿勢の支持壁7、支持壁7の上端に連接されたヒンジ部8、ヒンジ部8の片端に連接された可動部9及び可動部9の先端に連接された弾性係脱部10を備えている。開閉部6をヒンジ部8にて弾性的に折り曲げると、弾性係脱部10がロック部5の上端に設けられた出入口からロック部5の内側に入り込む。そして、係止用の段差11が係止突起12に係止されると、基部4、ロック部5及び開閉部6にて閉鎖環が形成されるので、その閉鎖環にて電線等を保持できる。
【0028】
取付機能部3は、基部4の下面に連接された台座部14、台座部14から斜め下向きに対をなして延出された弾性翼片15、台座部14から下向きに突設された支柱部16及び支柱部16の先端から折り返すように延出された一対の弾性逆止片17を備えている。この取付機能部3は、図示するとおり、いわゆる矢じり型スナップ(支柱部16及び弾性逆止片17)と弾性板(弾性翼片15)との組み合わせであり、構造及び機能は周知のものと同様である。
【0029】
但し、弾性翼片15は、クランプ1とキャリアフィルム20とを連結するための部材でもあり、この点は公知のものとは異なっている。
【0030】
キャリアフィルム20は合成樹脂製(例えばPET、PE、PP等)のフィルムであり、テープ状をなしている。
【0031】
キャリアフィルム20には、長手方向に沿って等ピッチで配された位置決め穴21が片方の長辺沿いに設けられている。もう一方の長辺側には、略長方形の切抜凹部22が設けられており、切抜凹部22を設けたことによって形成されたコーナー部24には連結開口23が設けられている。
【0032】
本実施例の場合、1つの切抜凹部22、この切抜凹部22を挟む位置になる2つのコーナー部24に設けられた連結開口23及び2箇所の位置決め穴21が、1個のクランプ1に対応している。そして、この1個のクランプ1に対応した区画25同士をミシン目26によって仕切っている。
【0033】
切抜凹部22を挟んで対をなす連結開口23は、それぞれが弾性翼片15の先端部をキャリアフィルム20に連結するために使用される。その連結構造の詳細は図2に示すごとくであり、弾性翼片15を構成している合成樹脂の一部が連結開口23を貫通しており、コーナー部24が弾性翼片15の内部に進入している。このように弾性翼片15の先端部がキャリアフィルム20に連結されているので、弾性翼片15の下側に位置する支柱部16及び弾性逆止片17が切抜凹部22に進入した状態になっている。
【0034】
このように、クランプ1をキャリアフィルム20に連結した構造で製造するにはアウトサート成形が行われる。その具体的な手順は次の通りである。なお、キャリアフィルム20は、予め図1に示す形状に加工されている。
【0035】
まず、射出成形機にセットされた金型の固定側と可動側との間に、キャリアフィルム20を挟み込んで型閉する。金型のキャビティは言うまでもなくクランプ1に倣っており、連結開口23を含んだコーナー部24がキャビティ内に進入している。また、この型閉持には、金型に突設された位置決め突起が位置決め穴21に嵌り込むことで、キャリアフィルム20と金型との位置決めがなされる。
【0036】
続いて、溶融樹脂をキャビティ内へ射出注入しクランプ1を成形する。適宜の冷却時間を経過した後に型開し、クランプ1を離型させて、キャリアフィルム20を長手方向に送る。これにより、成形品であるクランプ1が金型から離脱し、次の(クランプ1を未保持の)切抜凹部22が金型に送り込まれる。
【0037】
以後は、上述の型閉、射出、冷却、型開、離型、キャリアフィルム20の送りを繰り返すことにより、連続的にクランプ1の成形が行われ、図1に示すように、1本のキャリアフィルム20に多数のクランプ1が担持された形態となる。
【0038】
このように弾性翼片15の先端部がキャリアフィルム20に連結されているので、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければ(ここでは連結開口23の周囲を破断しなければ)、クランプ1をキャリアフィルム20から分離できない。そして、連結開口23の周囲を破断してクランプ1をキャリアフィルム20から取り外せば、その破断痕が明瞭に残るので、「そこにクランプ1が存在し、そのクランプ1が取り去られた」ことがはっきりと分かる。
【0039】
なお、クランプ1に成形不良などがあって検査ではじく場合には、鋏などの刃物を用いて、連結構造部分(連結開口23を含んだコーナー部24)が残らないようにキャリアフィルム20の一部を切断して不良品を取り除く。そうした鋏などによる切断痕は、連結開口23の周囲を破断した場合の変形痕とは明らかに違ったものになるから、鋏などによる切断痕であれば、「そこは不良品を出荷前に排除した痕跡である」ことがはっきりと分かる。
【0040】
このようにして製造されたクランプ1は、キャリアフィルム20に担持されたまま、検査され、不良品は上述のようにコーナー部24にて切除されて、良品のみが出荷数となるようにキャリアフィルム20が切断され、出荷される。
【0041】
そして、クランプ1を使用する際には(板金などに組み付ける際には)、クランプ1をキャリアフィルム20から引きちぎるようにすれば、連結開口23の周囲が破断されてクランプ1がキャリアフィルム20から分離される。
【0042】
本実施例のクランプ1は、出荷時には、キャリアフィルム20を不可逆的に変形させなければキャリアフィルム20から分離できない連結構造にてキャリアフィルム20と連結されていて、使用時にはキャリアフィルム20から分離されるので、例えばプリント基板、筐体、板金等に取り付けるにあたって、キャリアフィルム20から1個ずつ分離すればよく、その際にクランプ1同士が絡み合ってしまって作業性が低下するおそれはない。
【0043】
また、キャリアフィルム20に整然と連結されているので、必要とされる個数に揃えることが容易に、かつ確実に行えるので、員数不足又は員数過剰は生じない。
【0044】
連結開口23の周囲を破断してキャリアフィルム20からクランプ1を分離したときにはキャリアフィルム20に上記のような破断痕が残り、また破断面などが白変するので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
【0045】
また、当日の生産に必要となる部品個数を予め計数して、その個数だけを作業者に供給する生産方式でも、容易に、かつ確実に供給個数に揃えることができる。そうした生産方式などで、クランプ1が適宜の個数になるようにキャリアフィルム20を切断することもあるが、ミシン目26を設けてあるのでそうした切断も容易である。
[実施例2]
実施例1では2箇所の連結構造にてクランプ1とキャリアフィルム20とを連結しているが、連結構造を1箇所(最少箇所数)とした例を説明する。
【0046】
図3に示す実施例2の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。一方、実施例2のキャリアフィルム30では、ミシン目26によって仕切られた区画25(1個のクランプ1に対応した区画25)毎に1つの位置決め穴21が設けられている。また、各区画25は凸字形状をなしており、その舌部27には1つの連結開口31が設けられている。そして、クランプ1の1箇所(この実施例では弾性係脱部10の先端の摘み部10a)が、連結開口31を介しての実施例1と同様の連結構造にてキャリアフィルム30と連結されている。
【0047】
このように連結構造を1箇所にすることも可能であり、そのようにした実施例2も実施例1と同様の効果を奏する。
[実施例3]
連結構造を3箇所以上にすることも可能であるので、連結構造を3箇所とした例を説明する。
【0048】
図4に示す実施例3の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。一方、実施例3のキャリアフィルム32では、ミシン目26によって仕切られた区画25(1個のクランプ1に対応した区画25)毎に、キャリアフィルム32の両長辺に沿って2つずつ(計4つ)の位置決め穴21が設けられている。それら2組の位置決め穴21に挟まれるようにして、成形用開口33が設けられている。成形用開口33の下部には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部34が設けられており、上部には実施例2の舌部27と同様の舌部35が設けられている。そして、凹部34の両側のコーナー部及び舌部35の片方のコーナー部には各1つの連結開口36、37が設けられている。図1及び図3と図4との対比から明らかであるが、本実施例のキャリアフィルム32は実施例1のキャリアフィルム20と実施例2の30とを上下に突き合わせた構造をしている。
【0049】
クランプ1は、実施例1と同様に弾性翼片15の先端部が連結開口36を介してキャリアフィルム32に連結され、実施例2と同様に摘み部10aが連結開口37を介してキャリアフィルム32に連結されている。
【0050】
このように連結構造を3箇所にすることも可能であり、そのようにした実施例3も実施例1と同様の効果を奏する。なお、3つの連結開口36、37による3点支持になっているので、キャリアフィルム32に担持されたクランプ1は実施例1、2よりも安定する。
[実施例4]
実施例3ではキャリアフィルム32の両長辺に沿って位置決め穴21を2列に配して、その間にクランプ1を位置させているが、これとは逆にクランプ1を外側に2列で配して中央部に位置決め穴21を1列に配することもできる。
【0051】
図5に示す実施例4の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。
【0052】
一方、実施例4のキャリアフィルム40では、位置決め穴21がキャリアフィルム40の長手方向に沿って配される点は実施例1〜3と同様であるが、それらが幅方向の中央部に1列に配されている点で実施例1〜3とは異なっている。
【0053】
キャリアフィルム40がミシン目26によって複数の区画41に仕切られているのは実施例1〜3と同様であるが、各区画41が2個のクランプ1に対応している点が実施例1〜3とは異なっている。即ち、本実施例の場合、1つの区画41には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部42が2箇所ずつ設けられており、凹部42の両側のコーナー部には各1つの連結開口43が設けられている。
【0054】
そして、クランプ1は各凹部42に1個ずつ配されて(1つの区画41については2個のクランプ1が背中合わせ状に配されて)、実施例1と同様に弾性翼片15の先端部が連結開口43を介してキャリアフィルム40に連結されている。
【0055】
このように1つの区画41に2個のクランプ1を保持することも可能であり、そのようにした実施例4も実施例1と同様の効果を奏する。なお、1つの区画41に2個のクランプ1を保持するので、キャリアフィルム40の単位長さ当たりで担持できるクランプ1の個数を実施例1〜3よりも多く(約2倍に)できる。
[実施例5]
実施例4ではクランプ1をキャリアフィルム40の外側に2列で配しているが、キャリアフィルムの内側に2列で配置することもできる。
【0056】
図6に示す実施例5の場合、クランプ1の構造は実施例1と同様である。
【0057】
一方、実施例5のキャリアフィルム70では、位置決め穴21がキャリアフィルム70の長手方向に沿って配される点は実施例1〜4と同様であるが、それらが幅方向の中央部に1列に配されている点、そして位置決め穴21を挟むようにして上下一対の成形用開口73が設けられている点で異なる。
【0058】
成形用開口73には実施例1の切抜凹部22と同様の凹部74が設けられており、そのコーナー部には実施例1と同様に連結開口75が設けられている。また略台形状の大舌部76と長方形状の小舌部77とが成形用開口73に突出するように設けられている。そして、大舌部76の頂部には連結開口78が設けられ、小舌部77の先端部には連結開口79が設けられている。また大舌部76には成形金型内でのキャリアフィルム70の位置決め用の穴81も設けられている。
【0059】
上下2つの成形用開口73の大舌部76の基部同士を結ぶようにしてミシン目82が設けられており、ミシン目82は上下2つの成形用開口73の一対を隣同士で区分する境界線となっている。また、何本かおきに(例えば5本おき、10本おき等)ミシン目82の隣に矢印83のような数量マークが設けられている。
【0060】
さらに、キャリアフィルム70の上下の縁部84には、位置決め穴21と同様に成形機への送り込みに使用される縁部位置決め穴85が設けられている。また、各縁部位置決め穴85の間には成形用開口73に達する切れ込み86が設けられている。
【0061】
クランプ1は、各成形用開口73に1個あてで配されて、上下で鏡像状に対をなしている。クランプ1は、弾性翼片15の先端部が連結開口75を介してキャリアフィルム70に連結され、可動部9が連結開口79を介してキャリアフィルム70に連結され、弾性係脱部10が連結開口78を介してキャリアフィルム70に連結されている。つまり、4つの連結開口75、78、79による4点支持になっているので、キャリアフィルム70に担持されたクランプ1は実施例1〜4よりも安定する。
【0062】
ミシン目82で切断すれば、上の切れ込み86〜ミシン目82〜下の切れ込み86で キャリアフィルム70を分割できる。このときに、矢印83が数量の目印となる。
【0063】
ミシン目82を利用して適宜の長さに切断したものを、中央部に設けられている位置決め穴21を利用して吊り下げることができる。
【0064】
また、切れ込み86が設けられているので、クランプ1を図6(a)において上下方向に引っ張れば、簡単にクランプ1をキャリアフィルム70から取り出すことができる。すなわち、クランプ1をキャリアフィルム70から取り出す作業を行いやすい。
【0065】
さらに、図示するところから明らかなように、クランプ1の開放部分(ロック部5と開閉部6の間)をキャリアフィルム70にて閉じる状態になるから、クランプ1同士が絡まり合うのを防止できる。
[連結開口の形状変形例1]
上記の実施例1〜4では円形の連結開口23を採用しているが、図7に示すように四角形の連結開口23aとすることや、図8に示すように楕円形の連結開口23bとすることができる。言うまでもないが、円形、四角形、楕円形以外の形状(例えば三角形、五角形など)も可能である。
[連結開口の形状変形例2]
上記の実施例1〜4及び連結開口の形状変形例1の連結開口23、23a、23bは周が閉じた開口であるが、図9に例示するとおり、連結開口23からキャリアフィルム20の外周に至る切れ目29a〜29dを設けることができる。このような切れ目29a〜29dを設けておけば、クランプ1をキャリアフィルム20から分離するときに要する力を少なくできる。
【0066】
こうした切れ目29a〜29dを設けた場合、キャリアフィルム20からクランプ1を分離するときには、連結開口23の周囲が破断されずに切れ目29a〜29dを広げる形態で変形するが、その変形時に屈曲した部分や引き伸ばされた部分が白変するので、組み付けラインにて員数不足又は過剰があったときには、破断痕を数えることで納品数に不足又は過剰があったか否か(組み付けラインで紛失、組み付け忘れはなかったか)を、容易に検認できる。
[連結構造の変形例]
実施例1〜4及び連結開口の形状変形例1、2ではキャリアフィルムに連結開口を設けておき、その連結開口にクランプ1(樹脂成形品)の樹脂の一部を貫通させることで連結しているが、キャリアフィルムの一部を例えば突出させて、この部分をクランプ1(樹脂成形品)の樹脂中に埋没させることでも連結できる。そうした例を図10〜12に示す。
【0067】
図10に示す例は、キャリアフィルム50の一部をハンマーヘッド状に突出させて連結突起51となし、連結突起51を弾性翼片15の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0068】
図11に示す例では、キャリアフィルム50の一部を弾性翼片15の弧に沿った弓状に突出させて連結突起52となし、連結突起52を弾性翼片15の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0069】
図12に示す例では、キャリアフィルム50の一部を円環状に突出させて連結突起53となし、連結突起53をロック部5及び開閉部6(支持壁7)の内部に埋没させることで、クランプ1をキャリアフィルム50に連結している。
【0070】
これらの例のように、キャリアフィルムの一部をクランプ1(樹脂成形品)の樹脂中に埋没させることで両者を連結しても、クランプ1をキャリアフィルム50から分離すれば破断痕が残るので、実施例1〜4等と同様の効果が得られる。
[樹脂成形品の変形例]
上述の各例では樹脂成形品としてのクランプ1に本発明を適用した例を説明したが、他の構造の樹脂成形品であっても本発明を適用できる。
【0071】
図13に示す例は、プリント基板と筐体やプリント基板同士などの連結に使用されるスペーサ60に本発明を適用した例である。
【0072】
スペーサ60は主柱63の上下両端に取付機能部61、62を備えている。
【0073】
上の取付機能部61は、主柱63の上端に設けられた基部65と、基部65から突設された支柱部69と、支柱部69の先端から折り返すように延出された弾性逆止片71と、弾性逆止片71と基部65とを連結する連結帯73とを備えている。
【0074】
下の取付機能部62は、主柱63の下端に設けられた基部72と、基部72の両側に延出された弾性翼片73と、基部72から突設された支柱部74と、支柱部74の先端から折り返すように延出された弾性逆止片75と、弾性逆止片75と基部72とを連結する連結帯76とを備えている。
【0075】
上下の取付機能部61、62の構造は実施例1の取付機能部3とは若干異なるが本質的な機能(用途)は同様である。すなわち、スペーサ60は、例えば上の取付機能部61にてプリント基板に取り付けられ、下の取付機能部62にて筐体に取り付けられることで、2枚の板状物(プリント基板と筐体)の間隔を保持しながら両者を連結する。
【0076】
そして、図13の例では、実施例1と同様に弾性翼片73の先端部が連結開口23を介してキャリアフィルム20に連結されている。
【0077】
上に説明し、図13に示したところから明らかなように、樹脂成形品を変更しても本発明を適用でき、実施例1等と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・クランプ、
2・・・クランプ機能部、
3・・・取付機能部、
4・・・基部、
5・・・ロック部、
6・・・開閉部、
7・・・支持壁、
8・・・ヒンジ部、
9・・・可動部、
10・・・弾性係脱部、
10a・・・摘み部、
11・・・段差、
12・・・係止突起、
14・・・台座部、
15・・・弾性翼片、
16・・・支柱部、
17・・・弾性逆止片、
20・・・キャリアフィルム、
21・・・位置決め穴、
22・・・切抜凹部、
23・・・連結開口、
23a・・・連結開口、
23b・・・連結開口、
24・・・コーナー部、
25・・・区画、
26・・・ミシン目、
27・・・舌部、
29a・・・切れ目、
30・・・キャリアフィルム、
31・・・連結開口、
32・・・キャリアフィルム、
33・・・成形用開口、
34・・・凹部、
35・・・舌部、
36・・・連結開口、
37・・・連結開口、
40・・・キャリアフィルム、
41・・・区画、
42・・・凹部、
43・・・連結開口、
50・・・キャリアフィルム、
51・・・連結突起、
52・・・連結突起、
53・・・連結突起、
60・・・スペーサ、
61・・・取付機能部、
62・・・取付機能部、
63・・・主柱、
65・・・基部、
69・・・支柱部、
71・・・弾性逆止片、
72・・・基部、
73・・・弾性翼片、
73・・・連結帯、
74・・・支柱部、
75・・・弾性逆止片、
76・・・連結帯。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければ前記キャリアフィルムから分離できない連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていて、
使用時には前記キャリアフィルムから分離される
ことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項2】
前記キャリアフィルムに設けられた開口を前記樹脂成形品の一部が貫通した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
【請求項3】
前記キャリアフィルムには、前記開口から前記キャリアフィルムの外周に至る切れ目が設けられていることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形品。
【請求項4】
前記キャリアフィルムの一部が前記樹脂成形品に設けられた孔に進入した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
【請求項5】
板状の部材に取り付けるための取付手段が設けられていて、使用時には前記取付手段を用いて前記板状の部材に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の樹脂成形品。
【請求項1】
出荷時には、キャリアフィルムを不可逆的に変形させなければ前記キャリアフィルムから分離できない連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されていて、
使用時には前記キャリアフィルムから分離される
ことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項2】
前記キャリアフィルムに設けられた開口を前記樹脂成形品の一部が貫通した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
【請求項3】
前記キャリアフィルムには、前記開口から前記キャリアフィルムの外周に至る切れ目が設けられていることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形品。
【請求項4】
前記キャリアフィルムの一部が前記樹脂成形品に設けられた孔に進入した前記連結構造にて前記キャリアフィルムと連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
【請求項5】
板状の部材に取り付けるための取付手段が設けられていて、使用時には前記取付手段を用いて前記板状の部材に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の樹脂成形品。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【公開番号】特開2010−158862(P2010−158862A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3563(P2009−3563)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】
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