説明

樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および回路基板

【課題】 本発明の目的は、上記回路基板の樹脂層を形成した場合に、誘電特性および密着性に優れる樹脂組成物を提供すること。また、誘電特性および密着性に優れる樹脂層を提供すること。また、誘電特性および密着性に優れる樹脂層付きキャリア材料を提供すること。また、誘電特性、実装信頼性および層間接続信頼性に優れた回路基板を提供すること。
【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含む。また、本発明の樹脂層は、上記に記載の樹脂組成物で構成されている。また、本発明の樹脂層付きキャリア材料は、上記に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されている。また、本発明の回路基板は、上記に記載の樹脂層を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、高密度実装化進むと共に、電気信号の高速伝送化が要求されている。しかしながら、電子部品の高密度化が進むにつれて、電気信号の遅延などの電気的性能が確保できない状況にまで高速化が進展してきているため、電気信号の劣化が、高速伝送化のための課題となっている。電気信号の劣化は、導体からの電気信号の損失および誘電体からの電気信号の損失の和となる。例えば多層配線板においては、特に層間絶縁材料に起因する誘電体からの電気信号の損失は、電気信号の周波数の増大に伴い、顕著に増加し、GHz帯の周波数においては、電気信号が劣化する主要因となっている。そのため、多層配線板などの電子デバイスの層間絶縁材料として、一般に使用されているエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等では、誘電率、誘電正接の電気特性に不十分であり、電気信号の高速伝送化に対応することが困難となる場合がある。
【0003】
これに対して、環状オレフィン系樹脂であるポリノルボルネンは、300℃前後のガラス転移温度を有する高耐熱性樹脂であり、かつGHz帯の周波数領域において、誘電率が2.2〜2.8、誘電正接が0.001〜0.006であり、優れた誘電特性を示す(例えば、非特許文献1参照)。そのため、高周波数対応の多層配線板用の絶縁樹脂として期待されている。
【0004】
しかしながら、これらポリノルボルネンは、ガラス転移温度が300℃前後の熱可塑性樹脂であることから、ビルドアップ法による多層配線板の製造において、ポリノルボルネンのみからなる絶縁層を回路基板にラミネートすることは困難である。
また、各種被着体への密着性が低いため、実装信頼性や接続信頼性等も課題となっている。そのため環状オレフィン系樹脂の接着性を向上させるため、プライマー処理を施し被着体の表面処理する方法がある。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
【非特許文献1】NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003-3010(1999)
【特許文献2】特開2003-73631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記回路基板の樹脂層を形成した場合に、誘電特性および密着性に優れる樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性および密着性に優れる樹脂層を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性および密着性に優れる樹脂層付きキャリア材料を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性、実装信頼性および層間接続信頼性に優れた回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記[1]〜[16]に記載の本発明により達成される。
[1] 回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、
環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
[2] 前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである[1]項に記載の樹脂組成物。
[3] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[4] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-1)および(1-2)で表されるものの中から選ばれる1種以上である[1][2]または[3]項に記載の樹脂組成物。
【0008】
【化1】

【0009】
[5] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体である[1][2]または[3]項に記載の樹脂組成物。
[6] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する芳香族化合物である[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[7] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-3)で表されるものである[1][2]または[6]項に記載の樹脂組成物。
【0010】
【化2】

【0011】
[8] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーであることを特徴とする[1]ないし[7]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記ビニルエーテル基を有する化合物の沸点が、180℃以上である[1]ないし[8]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記ビニルエーテル基を有する化合物の含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部である[1]ないし[9]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 前記環状オレフィン系樹脂は、エポキシ基を有するものを含むものである[1]ないし[10]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである[1]ないし[11]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記ノルボルネン系樹脂は、下記式(3)で表される繰り返し単位を有するものである[12]項に記載の樹脂組成物。
【0012】
【化3】

【0013】
[14] [1]ないし[13]項のいずれかに記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする樹脂層。
[15] [14]項に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする樹脂層付きキャリア材料。
[16] [15]項に記載の樹脂層を有することを特徴とする回路基板。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回路基板の樹脂層を形成した場合に、誘電特性および密着性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、誘電特性および密着性に優れる樹脂層を提供することができる。
また、本発明によれば、誘電特性、密着性および加工性に優れる樹脂層付きキャリア材料を提供することができる。
また、本発明によれば、誘電特性、実装信頼性および層間接続信頼性に優れた回路基板を提供することができる。
また、前記環状オレフィン系樹脂としてノルボルネン系樹脂の付加(共)重合体を用いた場合、特に耐熱性および電気特性に優れる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物がビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である場合、環状オレフィン系樹脂との相性性および耐熱性を特に向上することができる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物が、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体である場合、特に電気特性に優れる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物が、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーである場合、特に加工性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および、回路基板について説明する。
本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする。
また、本発明の樹脂層は、上記に記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の樹脂層付きキャリア材料は、上記に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の回路基板は、上記に記載の樹脂層を有することを特徴とする。
【0016】
以下、樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成するものである。電気信号の高速伝送化が要求される回路基板に、電気特性が優れる樹脂層を提供するためである。
前記樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂を含む。これにより樹脂層を形成した場合に、電気特性および耐熱性が優れる。
【0017】
前記樹脂組成物は、側鎖に重合可能な官能基を有する環状オレフィン系樹脂を含む。
前記環状オレフィン系樹脂を構成する環状オレフィンモノマーとしては、例えばシクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。これらのモノマーに官能基が結合した置換体も用いることができる。
【0018】
このような環状オレフィンモノマーの重合体には、例えば環状オレフィンモノマーの(共)重合体、環状オレフィンモノマ-とα-オレフィン類等の共重合可能な他のモノマ-との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの公知の重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。これら環状オレフィン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とが挙げられる。このうち、ノルボルネン型モノマーを重合(特に、付加(共)重合)することによって得られたポリマーが好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0019】
環状オレフィン系樹脂の付加重合体としては、例えば(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα-オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
【0020】
このような環状オレフィン系樹脂の付加重合体は、金属触媒による配位重合またはラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーが得られる(NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003-3010(1999))。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテー
ト)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル等の公知の金属触媒が挙げられる。
【0021】
また、ラジカル重合技術については、Encyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons,13,708(1998)に述べられている。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t-ブチル過酸化水素等である。
【0022】
環状オレフィン系樹脂の開環重合体としては、例えば(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα-オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
【0023】
このような環状オレフィン系樹脂の開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマ-を開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素-炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
【0024】
前記付加重合および開環重合に用いる重合溶媒としては、炭化水素や芳香族溶媒が挙げられる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、やシクロヘキサンなどであるがこれに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるがこれに限定されない。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドも使用できる。これら溶剤を単独や混合しても重合溶媒として使用できる。
【0025】
本発明の環状オレフィン系樹脂の分子量は、開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。上記の配位重合が用いられる場合、米国特許No.6,136,499に開示されるように、分子量を連鎖移動触媒の使用により制御することができる。この発明においては、エチレン、プロピレン、1-ヘキサン、1-デセン、4-メチル-1-ペンテン、などα-オレフィンが分子量制御するのに適当である。
【0026】
このような環状オレフィン系樹脂の中でもノルボルネン系樹脂が好ましく、特にノルボルネン系樹脂の付加(共)重合体が好ましい。これにより、電気特性と耐熱性とを両立することができる。
前記ノルボルネン系樹脂の付加(共)重合体としては、下記式(3)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。これにより、特に耐熱性を向上することができる。
【0027】
【化3】

【0028】
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。環状脂肪族基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブチニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。前記アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基等が挙げられる。前記アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチ
ル基、アントラセニル基等が挙げられる。前記アラルキル基の具体例としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
【0029】
このようなノルボルネン系付加重合体の中でも特に下記式(4)で表されるノルボルネン系樹脂の付加共重合体が好ましい。これにより、電気特性と密着性を両立することがで
きる。
【0030】
【化4】

【0031】
【化5】

【0032】
このようなノルボルネン系重合体を構成するモノマーとしては、特に限定されないが、下記式(6)または(7)に記載のモノマーが好ましい。これにより、特に耐熱性と電気特性に優れる。
【0033】
【化6】

【0034】
【化7】

【0035】
【化8】

【0036】
前記樹脂組成物は、ビニルエーテル基を有する化合物を含むことを特徴とする。これにより、樹脂層と基板との密着性を向上することができる。
前記環状オレフィン系樹脂と、前記ビニルエーテル基を有する化合物とを併用すると樹脂層の密着性が向上するのは、以下の理由と考えられる。(1)前記ビニルエーテル基を有する化合物は、低分子量モノマーなので、接着界面に一部染み出し硬化するためプライマー処理と同じ効果を発現する。(2)前記ビニルエーテル基を有する化合物のエーテル部位の極性により金属などの被着体との密着に優れる。
【0037】
前記ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス(4-エテニロキシブチル)エステル、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリス(4-エテニロキシブチル)エステル、1,4-ベンゼンジカルボン酸ビス(4ーエテニロキシシクロヘキサン)メチルエステル等のビニルエーテル基を有する芳香族化合物、ヘキサンジカルボン酸ビス(4-エテニロキシブチル)エステル、ブタンジオールジビニルエーテル等のビニルエーテル基を有する脂肪族化合物、1,4-シクロヘキサンビスエテニロキシメチル、テトラヒドロジジクロペンタジエンビニルエーテル、テトラヒドロジシクロペンタジエンメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンジビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジビルエーテル、1,3−ジメチル−5,7−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。脂環式炭化水素構造として、例えば、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環またはイソボルナン環などが含まれる。
これらの中でも、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素が好ましい。これにより、密着性に加え、耐熱性を向上することもできる。
【0038】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、具体的には下記式(1-1)、(1-2)および(1-3)で表されるものが好ましい。これにより、特に耐熱性を向上することができる。
【0039】
【化1】

【0040】
【化2】

【0041】
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体であるものが好ましい。これにより、特に電気特性を向上することができる。
【0042】
また、前記ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体として、例えば、2−メチル−2−ビニルオキシアダマンタン、2−エチル−2−ビニルオキシアダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、3−ビニルオキシ−1−アダマンタノール、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、3,5−ビス(ビニルオキシ)−1−アダマンタノール、5−ビニルオキシ−1,3−アダマンタンジオール、1,3,5,7−テトラキス(ビニルオキシ)アダマンタン、3,5,7−トリス(ビニルオキシ)−1−アダマンタノール、5,7−ビス(ビニルオキシ)−1,3−アダマンタンジオール、7−ビニルオキシ−1,3,5−アダマンタントリオール、1,3−ジメチル−5−ビニルオキシアダマンタン、1,3−ジメチル−5,7−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、3,5−ジメチル−7−ビニルオキシ−1−アダマンタノール、1−カルボキシ−3−ビニルオキシアダマンタン、1−アミノ−3−ビニルオキシアダマンタン、1−ニトロ−3−ビニルオキシアダマンタン、1−スルホ−3−ビニルオキシアダマンタン、4−オキソ−1−ビニルオキシアダマンタン、1−ビニルオキシ−3−(1−メチル−1−ビニルオキシエチル)アダマンタン、1−(ビニルオキシメチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−ビニルオキシエチル)アダマンタン、1,3−ビス(1−メチル−1−ビニルオキシエチル)アダマンタン、1−(1−(ノルボルナン−2−イル)−1−ビニルオキシエチル)アダマンタン等が挙げられる。これらは単独または複数種を併用して用いることができる。これらの中でも、2つ以上のビニルエーテル基を有するものが好ましく、これにより、特に耐熱性および電気特性を向上することができる。
【0043】
前記ビニルエーテル基を有する化合物の沸点は、特に限定されないが、180℃以上が好ましく、特に200〜500℃が好ましい。沸点が前記範囲内であると、特に耐熱性を向上することができる。
【0044】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーを用いると、ラミネート性および密着性に優れる。前記ビニルエーテルオリゴマーのビニル価は、特に限定されないが、200〜2500g/eqが好ましい。この範囲内であると特にラミネート性等の加工性に優れる。
【0045】
前記ビニルエーテル基を有する化合物の含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部が好ましく、特に5〜40重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると密着性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると電気特性を低下させる場合がある。
【0046】
前記樹脂組成物は、特に限定されないが、無機充填材を含むことが好ましい。これにより、樹脂層の熱膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカおよびガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカおよび溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムおよび亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウムおよびホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素および窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましい。これにより、特に樹脂層の誘電率を低くすることができる。前記シリカとしては、ゾル−ゲル法により合成されたシリカフィラー、気相法により合成されたシリカフィラー、溶融シリカフィラー、結晶シリカフィラーなどがある。特に、気相法により合成されたシリカフィラー、ゾル-ゲル法により合成されたシリカフィラーが好ましい。
【0047】
前記無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、800nm以下が好ましく、特に600nm以下が好ましく、より100nm以下が好ましく、最も1〜50nmが好ましい。平均粒子径が前記上限値を超えると数10μm程度厚さの樹脂層を平滑に製膜するのが困難となる場合があり、前記下限値未満であると線膨張係数を低下する効果が低下する場合がある。
前記無機充填材の平均粒子径は、例えば動的光散乱式粒度分布測定装置で測定することができる。
【0048】
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、5〜200重量部が好ましく、特に10〜150重量部が好ましく、最も15〜60重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると熱膨張係数を低下する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると誘電率の増加やフィルム特性が低下する場合がある。
【0049】
前記無機充填材は、特に限定されないが、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、フィラーの分散性を向上することができる。
前記シランカップリング剤としては、例えば1分子中にアルコキシシリル基と、アルキル基、エポキシ基、ビニル基、フェニル基等の有機官能基を有するシラン化合物が挙げられる。具体的には、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシランなどのフェニル基を有するシラン、ブテニルトリエトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメタクリル基を有するシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独でも混合して用いても良い。
【0050】
前記シランカップリング剤の添加量は、特に限定されないが、前記無機充填材100重量部に対し0.01〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5.0重量%が好ましい。
【0051】
前記樹脂組成物では、特に限定されないが、前記環状オレフィン系樹脂と前記ビニルエーテル基を有する化合物とを反応させるために光および/または熱重合開始剤(含む光酸発生剤)を含むことが好ましい。これにより、光の照射および/または加熱によりノルボルネン系樹脂中の二重結合部位やエポキシ基等の官能基を容易に反応させ架橋させると共に、その後の硬化により回路基板への密着性を向上させることができる。
【0052】
前記光および/または熱重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、チオキサンソン、2-クロルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキ
ルアントラキノン類等を挙げることができる。
また、アゾビスイソブチロニトリル、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボナート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0053】
更に光および/または熱重合開始剤として光酸発生剤を用いると、エポキシ基の架橋を行うとともに、その後の硬化により基板との密着性が向上する。好ましい光酸発生剤としてはオニウム塩、ハロゲン化合物、硫酸塩やその混合物である。例えばオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、リン酸塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩などである。前記のオニウム塩とカウンターアニオンを作ることができる化合物である限り、カウンターアニオンの制限はない。カウンターアニオンの例としては、ホウ酸、リン酸、アンチモニック酸、硫酸塩、カルボン酸とその塩化
物であるがこれに限定されない。オニウム塩の光酸発生剤としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロサルフェート、4-チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4-チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオロフォスフォネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアーセネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルフォスフェート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロスルフォネート、トリス(4-メトキシフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオアンチモネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオフォスフェート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルヨードニウムトリフルオロスルフォネート、3,3-ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、3,3-ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4',4"-トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-(2-メチルプロピル)フェニル(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトなどが挙げられる。これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
【0054】
これらの重合開始剤の中でも下記に記載の酸発生剤が最も好ましい。
4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4',4"-トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-(2-メチルプロピル)フェニル(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトとそれらの混合物である。
【0055】
前記樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂、ビニルエーテル基を有する化合物および無機充填材等を含有しているが、本発明の目的に反しない範囲でトリアジン化合物、トリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アジド化合物等の中から選ばれる1種以上のレーザー加工性付与剤、重合開始剤、相溶化剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、有機フィラー、酸化防止剤等の他の添加剤を含有することができる。これら添加剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。前記添加剤の含有量は、特に限定されないが、環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、0.01〜200重量部が好ましく、特
に0.1〜100重量部が好ましく、最も0.5〜50重量部が好ましい。
【0056】
次に、樹脂層および樹脂層付きキャリア材料について説明する。
図1は、上述の樹脂組成物で構成されている樹脂層3が、キャリア材料2の片面に形成されている樹脂層付きキャリア材料1を示す断面図である。
【0057】
樹脂層3は、上述した樹脂組成物で構成されている。これにより、低誘電率等の電気特性に優れ、かつラミネート加工性にも優れた樹脂層3を得ることができる。
【0058】
樹脂層3の厚さは、特に限定されないが、0.1〜60μmが好ましく、特に1〜40μmが好ましい。樹脂層3の厚さが前記下限値未満であると絶縁信頼性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると回路基板を薄膜化するのが困難になる場合がある。
【0059】
樹脂層3を製造する方法としては、例えば無機充填材を溶媒中で分散させた無機充填材溶液と、環状オレフィン系樹脂とを、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式および自転公転式分散方式等の各種混合機を用いて混合して得られる樹脂ワニスをキャリア材料に塗布する方法により得ることができる。前記塗布する方法としては、例えばロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーターを用いる方法、スプレーにより噴霧する方法、デッィピングにより浸漬する方法、印刷機、真空印刷機およびディルペン
サーを用いる方法等が挙げられる。これらの中でもダイコーターを用いる方法が好ましい。これにより、所定の厚さを有する樹脂層3を安定して生産できる。また、樹脂層3をキャリア材料等に塗布した後、ドライフィルムの状態で得ることもできる。
【0060】
前記溶媒としては、前記環状オレフィン系樹脂を溶解することが可能であればよく、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エチルアセテートやエステル系、ラクトン系、アミド系溶媒等が挙げられ、中でも、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒およびエーテル系溶媒が好ましい。前記炭化水素溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカリンやシクロヘキサン等が挙げられ、前記芳香族溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレン等が挙げられ、前記ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等が挙げられ、前記エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等が挙げられる。これら溶剤を単独や混合しても溶媒として使用できる。これらの内、特に好ましくは、メシチレン、デカリン、シクロヘキサンである。
【0061】
キャリア材料2としては、例えば銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金等で構成される金属箔、ポリエチレン、フッ素系樹脂、(芳香族)ポリイミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等で構成される樹脂フィルム等が挙げられる。これら中でもポリエステル樹脂で構成される樹脂フィルムおよび銅箔が最も好ましい。これにより、樹脂層3からキャリア材料2を適度な強度で剥離することが容易に、または導体回路として使用することができる。
【0062】
キャリア材料2の厚さは、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、特に20〜100μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に回路上での樹脂層3の平坦性に優れる。
【0063】
樹脂層付きキャリア材料1を製造する方法としては、例えば上述の樹脂組成物を溶剤に溶解したものをキャリア材料2に1〜100μm程度の厚さで塗布し、その塗布層を例えば80〜200℃で20秒〜30分間乾燥する方法が挙げられる。このようにして、樹脂層3がキャリア材料2上に積層された樹脂層付キャリア材料1を得ることができる。この際、残留溶媒量が全体の0.5重量%以下とすることが好ましい。前記樹脂組成物の加熱硬化温度は、特に限定されないが、150〜300℃が好ましく、特に170〜250℃が好ましい。
【0064】
次に、回路基板について説明する。
図2は、本発明の回路基板の一例を示す断面図である。
図2に示すように、回路基板10は、コア基板5と、コア基板5の両面に設けられた樹脂層3とで構成されている。
コア基板5には、ドリル機で開口された開口部51が形成されている。また、コア基板5の両表面には導体回路52が形成されている。
開口部51の内部はメッキ処理されており、コア基板5の両表面の導体回路52は導通されている。
【0065】
導体回路52を覆うようにコア基板5の両面に、樹脂層3が設けられている。樹脂層3には、レーザー加工により形成された開口部31が形成されている。
また、樹脂層3の両表面には、導体回路32が形成されている。
開口部31の内部はメッキ処理されており、導体回路52と、導体回路32とは導通されている。
【0066】
このような回路基板10を製造する方法としては、例えばコア基板(例えばFR-4の両面銅箔)5をドリル機で開孔して開口部51を設けた後、無電解めっきにより、開口部51内部にメッキ処理を行い、コア基板5の両面の導通を図る。そして、前記銅箔をエッチングすることにより導体回路52を形成する。
【0067】
導体回路52の材質としては、この製造方法に適するものであれば、どのようなものでも良いが、導体回路の形成においてエッチングや剥離等の方法により除去可能であることが好ましく、前記エッチングにおいては、これに使用される薬液等に耐性を有するものが好ましい。そのような導体回路52の材質としては、例えば、銅、銅合金、42合金およびニッケル等が挙げられる。特に、銅箔、銅板および銅合金板は、電解めっき品や圧延品を選択できるだけでなく、様々な厚みのものを容易に入手できるため、導体回路52として使用するのに最も好ましい。
【0068】
次に、導体回路52に、樹脂層3を形成する。樹脂層3を形成する方法としては、上述の樹脂層付きキャリア材料1をプレスする方法、樹脂層付きキャリア材料1を真空プレス、常圧ラミネーター、真空ラミネータ-およびベクレル式積層装置等を用いて積層して樹脂層3を形成する方法が挙げられる。
更に、樹脂組成物を含む溶剤をスピンコーティング、印刷、およびバーコーティングにより直接塗布した後、溶剤を乾燥させて樹脂層3を形成する方法も挙げられる。
また、キャリア材料2として金属層を用いた場合、該金属層を導体回路として加工することができる。
【0069】
キャリア材料2を剥離した後、形成した樹脂層3を加熱・硬化する。前記加熱・硬化する温度は、特に限定されないが、150〜300℃が好ましく、特に160〜250℃が好ましい。
また、一層目の樹脂層3を加熱、半硬化させた樹脂層3上に、さらに一層または複数の樹脂層3を形成し、半硬化の樹脂層3を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより、樹脂層3間および樹脂層3と導体回路52との間の密着性を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、特に限定されないが、100〜250℃が好ましく、特に150〜200℃がより好ましい。
また、樹脂層3を形成後に、樹脂層3の表面にプラズマ処理を施すことで樹脂層3間および樹脂層3と導体回路52との間の密着力を向上させることができる。プラズマ処理のガスとしては、例えば酸素、アルゴン、フッ素、フッ化炭素、窒素等を一種もしくは複数種混合して用いることができる。前記プラズマ処理は、複数回実施しても良い。
【0070】
次に、樹脂層3に、レーザーを照射して、開口部31を形成する。前記レーザーとしては、例えばエキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザー等が使用できる。前記レーザーによる開口部31の形成は、樹脂層3の材質が感光性・非感光性に関係なく、微細な開口部31を容易に形成することができる。したがって、樹脂層3に微細加工が必要とされる場合に、特に好ましい。そして、無電解めっきにより、開口部31にメッキ処理を行う。
次に、導体回路32を形成する。導体回路32の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法等で形成することができる。これらの方法により、回路基板を得ることができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
1.樹脂ワニスの調製
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂A)として、5-デシル-2-ノルボルネン/5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン(70/30)モノマーの付加(共)重合体(Mw=75,000)を用いた。なお、ノルボルネン系樹脂Aは、下記の方法で合成した。
(ノルボルネン系樹脂Aの合成)
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5-デシル-2-ノルボルネン16.4g(0.07mol)、5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン5.41g(0.03mol)、重合溶剤としてエチルアセテート130g、シクロヘキサン115g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6-トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)0.69g(1.4×10-3mol)をトルエン5gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸47ml、30%過酸化水素水87ml、純水300mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入しノルボルネン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き、ノルボルネン系樹脂Aを得た。
ノルボルネン系樹脂Aを10g(100重量部)と、ビニルエーテル基を有する化合物としてトリシクロデカンビニルエーテル(沸点270℃)を2g(20重量部)と、架橋開始剤として(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレートを0.2g(2重量部)と、レーザー加工性付与剤として2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールを0.1g(1重量部)を、メシチレン100gに溶解させて樹脂ワニスを得た。
【0072】
2.樹脂層付きキャリア材料の製造
上述の樹脂ワニスをキャリアフィルムとしてポリエステルフィルム(ダイヤホイル社製、MRX-50、厚さ50μm)上にロールコーターで、厚さが25μmになるように塗布した。その後、80℃で10分、140℃で10分乾燥を行い、樹脂層付きキャリア材料を得た。
【0073】
3.回路基板の作製
3.1 内層回路および樹脂層の形成
総厚さが0.3mmで銅箔厚さが12μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC-4781)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層導体回路を両面に形成した。
次に内層導体回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO-G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行い、前記で得られた樹脂層付きキャリア材料を、真空ラミネーターを使用して配線を埋め込み、200℃で60分間のベーキング処理を行い、樹脂層を形成した。
【0074】
3.2 レーザー加工および外層回路の形成
次に、UV-YAGレーザー装置(三菱電機(株)製ML605LDX)を用いてφ40μmの開口部(ブラインド・ヴィアホール)を形成し、デスミア処理(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザーシリーズ)を施した後、無電解銅めっき(上村工業(株)製スルカップPRX)を15分間行い、厚さ0.5μmの給電層を形成した。次に、この給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成(株)製AQ-2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク((株)トウワプロセス製)を使用して、位置合わせ、露光装置(ウシオ電機(株)製UX-1100SM-AJN01)により露光した。炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
【0075】
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬(株)81-HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約20μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱瓦斯化学(株)製R-100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
【0076】
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD-485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。最後に、回路表面にドライフィルムタイプのソルダーレジスト(住友ベークライト(株)製CFP-1121)を真空ラミネーターにて回路埋め込みを行いながら形成し、最終的に回路基板を得た。
【0077】
(実施例2)
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス(4-エテニロキシブチル)エステル(沸点310℃)を用いた。
【0078】
(実施例3)
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、ブタンジオールジビニルエーテル(沸点170℃)を用いた。
【0079】
(実施例4)
レーザー加工性付与剤として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
レーザー加工性付与剤として、2,6-ビス(4´-アジドベンザル)-4-メチル-シクロヘキサノンに変更した以外は、実施例1と同様にした。
【0080】
(実施例5)
更に無機充填材としてシリカ(平均粒径20〜30nm、シーアイ化成社製)を全固形分の30重量%になるように混合分散した以外は、実施例1と同様にした。
【0081】
(実施例6)
ビニルエーテル基を有する化合物の配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物を0.5g(5重量部)添加した。
【0082】
(実施例7)
ビニルエーテル基を有する化合物の配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物を4.0g(40重量部)添加した。
【0083】
(実施例8)
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂B)として、2-ノルボルネン/5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン(90/10)モノマーの付加共重合体(Mw=190,000)を用いた。なお、ノルボルネン系樹脂Bは、下記の方法で合成した。
(ノルボルネン系樹脂Bの合成)
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、2-ノルボルネン12.71g(0.135mol)、5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン2.7g(0.015mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6-トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.04g(2.14×10-3mol)をトルエン5gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸47ml、30%過酸化水素水87ml、純水300mlの混合液に前記重合溶液を投入し、
2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入しノルボルネン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き、ノルボルネン系樹脂Bを得た。
【0084】
(実施例9)
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂C)として、テトラシクロドデセンと8-メチルテトラシクロドデセンとを特開平4-363312号公報に記載の方法により重合して開環重合体を得た。続いてt-ブチルヒドロパーオキシドを用いて一部エポキシ化した後、水素化した重合体(Mw=52,000、水素化率95%)を用いた。
【0085】
(実施例10)
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、下記式(9)で表されるものを用いた。
【0086】
【化9】

【0087】
(実施例11)
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、ビニルエーテルオリゴマー(Morflex社製、VE−1312、ビニル価:370g/eq)を用いた。
【0088】
(比較例1)
ビニルエーテル基を有する化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にした。
【0089】
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物について、次の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。結果を表1に示す。
1.電気特性(誘電率、誘電正接)
周波数10GHzにおける誘電特性を測定した。測定機器は、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用いた。
具体的には、樹脂層付きキャリア材料よりキャリア材料を除去して得た樹脂層を、窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理してサンプルとした。
【0090】
2.吸水率
重量0.5gのサンプルを恒温・恒湿槽中で温度85℃、湿度85%で168時間吸水処理を行い、吸水処理前重量と吸水処理後の重量変化率を吸水率とした。
回路基板の樹脂層を180℃で2時間熱処理を行ったものより、剥離してサンプルとした。
【0091】
3.加工性
回路基板を作成する際のレーザー加工性をSEM観察にて評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:ビア底にクラック、樹脂の溶融等がなく、良好なビアを形成できる。
○:ビア底にクラックはないが、樹脂の溶融が見られ、樹脂表面を汚染している。
△:ビアを形成することができるが、ビア底にクラックあり
×:ビアを形成することができない。
【0092】
4.耐熱性
耐熱性を示差熱量分析(TG-DTA)を用いて、5%重量減少する温度で評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:5%重量減少する温度が、350℃以上
○:5%重量減少する温度が、300℃〜350℃未満
△:5%重量減少する温度が、260℃〜300℃未満
×:5%重量減少する温度が、260℃未満
【0093】
5.密着性(ピール測定)
上記で得た樹脂層付きキャリア材料を最高到達温度170℃、圧力1.96×10-2MPa(20Kgf/cm2)の条件で真空プレスにより銅箔(3ECVLP三井金属鉱山社製、75μmの粗化処理品、平均2μm)上へラミネートした後、キャリア材料を剥離して樹脂層を得た。この樹脂層を窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、硬化させた。そして、樹脂層と銅箔との間の90°ピール強度測定を行った。
各符号は、以下の通りである。
◎:ピール強度が、0.6kN/m以上
○:ピール強度が、0.4〜0.6kN/m未満
△:ピール強度が、0.3〜0.4kN/m未満
×:ピール強度が、0.3kN/m未満
【0094】
6.接続信頼性
接続信頼性は、得られた回路基板を温度30℃、湿度70%の雰囲気下で1965時間放置後260℃リフローを3回行い、温度サイクル試験(-40℃、125℃各30分、さらしなし)を行い、100サイクル毎に導通テストして、不良発生サイクルで評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:800サイクル以上でも不良発生せず。
○:500〜800サイクル未満で不良発生した。
△:100〜500サイクル未満で不良発生した。
×:100サイクル未満で不良発生した。
【0095】
7.絶縁信頼性
絶縁信頼性は、得られた回路基板を温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放
置後の導体間の絶縁抵抗値をデジタル絶縁抵抗値で評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が、1010Ω以上
○:絶縁抵抗値が、108〜109Ω未満
△:絶縁抵抗値が、107〜108Ω未満
×:絶縁抵抗値が、107未満
【0096】
【表1】

【0097】
表1から明らかなように、実施例1〜11は、誘電率および誘電正接が低く、かつ密着性にも優れていた。
また、実施例1、5、6および8は、吸水率も低かった。
また、実施例1、2、4〜6および8〜11は、耐熱性にも優れていた。
また、実施例10は、接続信頼性および絶縁信頼性にも優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の樹脂組成物を用いて得られる樹脂層は、回路基板、プリント配線板、多層配線板、半導体装置、液晶表示装置などの用途に好適である。本発明の樹脂組成物は、GHz帯で優れた誘電特性を有し、また、耐熱性に優れるため、実装信頼性および層間の接続信頼性を有し、さらに、優れたレーザー加工性を有するからである。
本発明の樹脂組成物を回路基板の層間絶縁膜として使用する際、回路基板上へ塗布もしくはキャリアフィルム上に塗布された樹脂層付キャリアフィルムをプレスするなどの方法が考えられるが、層間絶縁層における厚みの均一性が求められるため、キャリアフィルムに樹脂層を形成し、該樹脂層付キャリアフィルムをプレスにより埋め込むほうが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の樹脂層付きキャリア材料の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の回路基板の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 樹脂層付きキャリア材料
2 キャリア材料
3 樹脂層
31 開口部
32 導体回路
5 コア基板
51 開口部
52 導体回路
10 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、
環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-1)および(1-2)で表されるものの中から選ばれる1種以上である請求項1、2または3に記載の樹脂組成物。
【化1】

【請求項5】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体である請求項1、2または3に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する芳香族化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-3)で表されるものである請求項1、2または6に記載の樹脂組成物。
【化2】

【請求項8】
前記ビニルエーテル基を有する化合物は、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ビニルエーテル基を有する化合物の沸点が、180℃以上である請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ビニルエーテル基を有する化合物の含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部である請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記環状オレフィン系樹脂は、エポキシ基を有するものを含むものである請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである請求項1ないし11のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項13】
前記ノルボルネン系樹脂は、下記式(3)で表される繰り返し単位を有するものである請求項12に記載の樹脂組成物。
【化3】

【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする樹脂層。
【請求項15】
請求項14に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする樹脂層付きキャリア材料。
【請求項16】
請求項15に記載の樹脂層を有することを特徴とする回路基板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−124648(P2006−124648A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231737(P2005−231737)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度新エネルギー・産業技術総合開発機構基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】