説明

樹脂組成物及び金属積層板

【課題】金属積層板の接着面の接着強度に優れ、さらに低温接着性、半田耐熱性を備えた樹脂組成物、および該樹脂を用いた金属樹脂積層板を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)
【化1】


で表される化合物を含む酸二無水物成分とジアミン成分より得られるポリイミド樹脂組成物、またはその前駆体に、下記一般式(2)
【化2】


(式中、mは0〜6の整数を示す)で表されるビスマレイミド化合物を配合してなることを特徴とする樹脂組成物、及び該樹脂組成物を少なくとも一層有する金属積層板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属積層板の樹脂層などに使用される新規樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる樹脂層を少なくとも一層以上有する金属積層板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドは耐熱性、耐薬品性、機械的強度、電気特性等に優れていることから耐熱性の求められる航空宇宙分野のみならず、電子分野などで用いられる耐熱性接着剤としても多く適用されている。近年、ポリイミド系耐熱性接着剤には、加工上、耐熱性に加えて、低温接着性という特性が要求されるようになってきた。
【0003】
十分な耐熱性と低温接着性を有するものとして、特許文献1で開示されたようなポリアミド酸及び又はポリイミドに特定のビスマレイミド化合物とで構成される樹脂が開発されている。該公報に開示されている樹脂組成物は、確かに低温接着性を有し、耐熱性が良好であるが、更なるピール強度の強化および安定が望まれている。
【特許文献1】特開2004−209962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、樹脂金属積層板の接着面の接着強度に優れ、さらに低温接着性、半田耐熱性を備えた樹脂組成物、および該樹脂を用いた金属樹脂積層板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは検討の結果、特定の酸二無水物とジアミン成分を用いて製造されるポリイミド及び又はポリイミド前駆体に、特定骨格を有するビスマレイミド化合物を配合して得られる樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
で表される化合物を含む酸二無水物成分とジアミン成分より得られるポリイミド樹脂組成物、またはその前駆体に、下記一般式(2)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、mは0〜6の整数を示す)で表されるビスマレイミド化合物を配合してなることを特徴とする樹脂組成物であり、好ましくは一般式(2)で表されるビスマレイミド化合物を樹脂組成物中に1〜80重量%添加する樹脂組成物、並びに金属層と樹脂層からなる積層板において、該樹脂組成物を少なくとも1層以上有することを特徴とする金属積層板を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の樹脂組成物は一般式(1)に示される特定の酸二無水物を原料とする事により、金属積層板に用いた場合、金属表面素地にてキレート形成し接着面における接着強度が優れ、さらに一般式(2)に示されるビスマレイミド化合物を配合することにより低温接着性、半田耐熱性を備えることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の樹脂組成物は、下記一般式(1)
【0013】
【化3】

【0014】
で表される化合物を含む酸二無水物成分とジアミン成分より得られるポリイミド樹脂組成物、またはその前駆体に、下記一般式(2)
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、mは0〜6の整数を示す)で表されるビスマレイミド化合物を配合してなることを特徴とする樹脂組成物、及び該樹脂組成物を少なくとも1層以上有することを特徴とする、金属層と樹脂層からなる金属積層板に関するものである。
【0017】
一般式(1)で表される酸二無水物は、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物と呼ばれる化合物であり、上記構造式で表されるものであれば特に限定されず、置換位置はいずれのものでも使用可能である。
【0018】
一般式(1)で表される酸二無水物の酸二無水物全体における比率は、特に制限は無いが、好ましくは10%〜100%、更に好ましくは25%以上、より好ましくは50%以上、より更に好ましくは70%以上である。酸二無水物全体における、一般式(1)で表される酸二無水物以外の酸二無水物としては特に制限は無く、例としてピロメリット酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’ ,4,4’’’−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’’ ,4,4’’’’−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、
【0019】
2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’ ,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’ ,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、
【0020】
3,3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、9,9−ビス〔4−(2,3−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物等が挙げられる。これらは一般式(1)で表される酸二無水物と共に、複数種用いる事が可能である。
【0021】
上記、酸二無水物からなるポリアミド酸もしくはポリイミド樹脂の原料となるジアミンについては特に制限はなく、例として、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3ーアミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0022】
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、
【0023】
1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物においてmは0〜6の整数を表し、より好ましくは0〜4であり、更に好ましくは1〜2である。芳香族環同士のエーテル結合の位置は特に限定されず、いずれも使用可能であるが、好ましくはメタ位で結合されているものである。好ましい具体例としては、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0025】
これらのビスマレイミド化合物は、それぞれ対応するジアミン化合物と無水マレイン酸を例えば特開平4−99764号公報記載の方法等で縮合、脱水反応させて製造することができる。
【0026】
尚、本発明の金属積層板を製造する場合は、ビスマレイミド化合物のポリイミドへの配合割合は、特に制限はないが、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の総重量に対して、好ましくは1〜80重量%であり、より好ましくは、1〜50重量%である。ビスマレイミド化合物の配合量が1重量%未満では、本発明の目的とする半田耐熱性の向上にあまり効果が見られない場合があり、また、80重量%を越えると金属箔の接着強度が低下する傾向にある。
【0027】
ビスマレイミド化合物の該ポリアミド酸への配合方法としては、例として(イ)該樹脂前駆体溶液にビスマレイミド化合物を添加する方法、(ロ)該樹脂前駆体溶液重合の際、例えば、ジアミン化合物またはテトラカルボン酸二無水物装入時に、あるいは、重合の途中に添加する方法、(ハ)該樹脂前駆体の粉体とビスマレイミド化合物とを固体同士で混合する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、該樹脂前駆体を予め脱水イミド化し溶液とした後、ビスマレイミド化合物を配合しても良い。
【0028】
本発明の樹脂組成物を金属積層板に用いる場合、金属積層板を形成するいずれかの樹脂層に本発明の樹脂組成物からなるものを使用する。金属積層板用樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で該樹脂組成物に加え、例えばポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニルスルフィド、変性ポリフェニレンオキシド基、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂等を適当量配合することも可能である。本発明の金属積層板は、前述した樹脂組成物からなる樹脂層と金属層とを必須成分とするが、該樹脂層は、金属と接する接着層に用いることがより好ましい。しかしながら、接着剤層と金属層との間に、さらに/または接着剤層の金属層とは接しない側に、中間層として、他の樹脂組成物からなる接着剤層さらに/または非接着剤層さらに/または金属層が、各1層以上存在しても良い。すなわち、上記樹脂を含む樹脂層、金属層がどのような組合せにしろ複数層存在しても良い。また、複数層上記化合物を配合してなる樹脂層を有していても良い。さらに金属層も複数層存在しても良い。
【0029】
樹脂層を形成する方法として、フィルム状に加工して積層する、ワニス状で塗布乾燥して積層する等の方法があるが、これらに限られるものではない。樹脂フィルムの例として、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムも使用できる。例えば、ユーピレックス(登録商標)S、ユーピレックス(登録商標)SGA、ユーピレックス(登録商標)SN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトン(登録商標)H、カプトン(登録商標)V、カプトン(登録商標)EN(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカル(登録商標)AH、アピカル(登録商標)NPI、アピカル(登録商標)NPP、アピカル(登録商標)HP(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。各樹脂層の表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を施しもよい。各樹脂層の厚みは、目的により特に制限はないが、0.1〜300μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜100μm、さらに好ましくは0.3〜50μmの範囲である。
【0030】
金属層の種類としては、公知の金属および合金が全て適用可能である。さらに金属層を形成する方法として、金属箔をラミネートする、もしくはスパッタリングする、またはめっきする等の方法があるが、これらの方法に限られるものではない。例として、圧延銅箔、電解銅箔、銅合金箔、ステンレス箔が、コスト面、熱伝導性、剛性等の観点から好適である。また、金属層の厚みには制限はないが、1〜150μmが好ましく利用できる。より好ましくは2〜25μmである。
【0031】
本発明の金属積層板を作製するには、例えば非熱可塑性ポリイミドフィルムに、本発明の樹脂組成物からなるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含むワニスを塗布し、乾燥・キュアして樹脂層を形成し、さらに該樹脂層の表面に、金属箔の該当面を熱圧着することにより製造する方法を挙げることができる。該樹脂組成物の非熱可塑性ポリイミドフィルムへの塗布後の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜20μmの範囲、さらに好ましくは0.3〜5μmの範囲、より更に好ましくは0.4〜3μmの範囲である。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を、実施例によりさら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の金属積層板は以下の方法により測定した。
【0033】
90°剥離接着強度:IPC−TM−650method、2,4,9に従い測定した。
半田耐熱試験:IPC―TM―650 No.2.4.13に準拠して行ない、半田温度は340℃で試験を実施し、膨れが発生するか確認した。さらに、試料は85℃、相対湿度85%、50時間状態調整したものを使用した。
【0034】
また、実施例に用いた溶剤、ジアミン、酸二無水物、ビスマレイミドの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
APBR:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
DSDA:ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
APB−BMI:1,3−ビス(3−マレイドフェノキシ)ベンゼン
【0035】
実施例1
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc80.00gを加え、これにAPBR12.00gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミン成分に対して、酸無水物が0.975のモル比率となるように、DSDA14.34gを加え60℃にて撹拌しポリアミック酸の含有率が20重量%であるポリアミック酸溶液を得た。得られるワニスのポリアミック酸溶液の固形分におけるAPB−BMIの重量比率が20%となるようにAPB−BMIを加え溶解するまで室温にて撹拌ビスマレイミド化合物含有ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を乾燥後の厚さが3μmになるように市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン(登録商標)80EN)の両面に、ロールコーターにより塗布し、エアーフロート方式の乾燥炉にて50℃からで240℃まで昇温速度7℃/分で加熱乾燥を行い、両面が熱可塑性樹脂層である絶縁フィルムを得た。その後、市販の電解銅箔(古河サーキットフォイル社製F1-WS 12μm)に、ロールラミネーターにより240℃で圧力1.5MPaの条件で、金属箔と絶縁フィルムを張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブを用い温度280℃にて4時間窒素雰囲気下でアニールを行い幅500mm、長さ1000mの樹脂金属積層板を得た。得られた樹脂金属積層板の90°剥離接着強度は測定カ所50点にて平均1.3kN/m、最低値1.1kN/mであった。さらに半田耐熱温度は340℃にて膨れが発生しなかった。
【0036】
比較例1、2、3
ジアミン、酸無水物の種類、ポリアミック酸の固形分に対するAPB−BMI含有率を、表1に示す様に変えた事以外は実施例1と同様に、比較例1、2、3を行い、結果を表1に示した。
【0037】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0038】
特定の酸二無水物、および特定のビスマレイミド化合物を原料とする樹脂にて、低温接着性、金属との接着強度、半田耐熱性が優れ、フレキシブル配線基板などに広く適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

で表される化合物を含む酸二無水物成分とジアミン成分より得られるポリイミド樹脂組成物、またはその前駆体に、下記一般式(2)
【化2】

(式中、mは0〜6の整数を示す)で表されるビスマレイミド化合物を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
一般式(2)で表されるビスマレイミド化合物を樹脂組成物中に1〜80重量%添加するものである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
金属層と樹脂層からなる金属積層板において、請求項1又は2記載の樹脂組成物から得られる樹脂層を少なくとも1層有することを特徴とする金属積層板。

【公開番号】特開2006−257285(P2006−257285A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77412(P2005−77412)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】