説明

橋面排水処理システム

【課題】 詰まった場合であっても詰まり箇所を容易に視認することができるとともに、簡単に清掃することができる新規な橋面排水処理システムを提供することである。
【解決手段】 地覆部の外面に橋軸方向に延びるように配置され、上面が開放した排水路(12)を備え、排水路が、所定長さ毎に地覆部に配置された排水管(18)を介して、橋面と連通していることを特徴とする橋面排水処理システム(10)が提供される。好ましくは、排水管の橋面側の端部に格子部材又はメッシュ(20)が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の橋面部の排水を処理するための橋面排水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁の橋面部の排水は、図5に示されるように、橋面部の所定箇所にファンネル状の排水口を設置し、排水口と連通する貫通穴を橋床板に設け、この貫通穴の下端から地面まで延びた管路を介して行われていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のような構成の排水システムでは、時間の経過とともに管路内にゴミなどが溜まって詰まるため、排水を円滑に行うことができないという課題があった。また、外部からは管路の詰まった箇所を視認することができないため、一旦管路が詰まると、管路全体を交換しなければならないという課題もあった。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、詰まった場合であっても詰まり箇所を容易に視認することができるとともに、簡単に清掃することができる新規な橋面排水処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の橋面排水処理システムは、地覆部の外面に橋軸方向に延びるように配置され、上面が開放した排水路を備え、前記排水路が、所定長さ毎に前記地覆部に配置された排水管を介して、橋面と連通していることを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項2に記載の橋面排水処理システムは、前記請求項1のシステムにおいて、前記排水管の橋面側の端部に、格子部材又はメッシュが取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排水路の上方が開放しているので、排水路の状態を容易に点検することができるとともに、排水路の清掃も簡単に実施することができる。本発明のシステムは、構造が簡単で、かつ、製造コストが廉価であるので、低コストで施工することができるとともに、故障のおそれが殆どないので、維持管理コストも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る橋面排水処理システムについて詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る橋面排水処理システムを模式的に示した断面図である。図1において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る橋面排水処理システムは、橋梁の地覆部の外面に橋軸方向に延びるように配置された排水路12を備えている。
【0009】
排水路12は、図4(a)に示されるように、底壁12aおよび対向した側壁12b、12cによって形成され、上方が開放した箱型形状に形作られている。排水路12は、軽量で丈夫なFRP(繊維強化プラスチック)等の材料で形成されている。排水路12は、図4(a)に示されるように、所定間隔毎に地覆部の外面にボルト13で取り付けられたJ形横断面の支持具14によって支持されている。支持具14は、不等辺不等厚山形鋼で形成された支持補助具15によって地覆部の外面に堅固に支持されている。なお、排水路12と支持具14は、止水ゴム(図示せず)を介して押さえ金具14aで一体となるように固定されている。
【0010】
排水路12は、所定長さ(たとえば、10m)毎に地覆部に配置された排水管18を介して、橋面と連通している。排水管18は、地覆部を貫通するように配置されたパイプによって形成されており、排水管18の一端18aが地覆部の内面に位置し、排水管18の他端18bが地覆部の外面に位置している。
【0011】
好ましくは、排水管18の一端18aには、ゴミ等が排水管18に入るのを阻止するため、格子部材やメッシュ20が取り付けられている(図4(b)参照)。
【0012】
以上のように構成された橋面排水処理システム10においては、橋面の排水は、排水管18を介して排水路12内に流れ込み、排水路12から下水道設備(図示せず)に流入して処理されるようになっている。排水路12にゴミなどが詰まった際には、適当な器具を用いて上方から排水路12内を掻くことにより、容易に清掃することができる。排水路12の点検も目視で容易に行うことができる。
【0013】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0014】
たとえば、前記実施の形態では、排水路12が矩形の横断面形状を有するものとして示されているが、排水路の内部を容易に視認でき、かつ、外部からの清掃が容易であるように、上方が開放した形状であれば、図示された以外の形状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る橋面排水処理システムを模式的に示した断面図である。
【図2】図1の橋面排水処理システムの平面図である。
【図3】図1の橋面排水処理システムの側面図である。
【図4】図4(a)は図1の部分4aの拡大図、図4(b)は図1の部分4bに沿って見た図である。
【図5】従来の橋面排水処理システムを模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0016】
10 橋面排水処理システム
12 排水路
13 ボルト
14 支持具
15 支持補助具
18 排水管
20 格子部材又はメッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋面排水処理システムであって、
地覆部の外面に橋軸方向に延びるように配置され、上面が開放した排水路を備え、
前記排水路が、所定長さ毎に前記地覆部に配置された排水管を介して、橋面と連通していることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記排水管の橋面側の端部に、格子部材又はメッシュが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−155812(P2009−155812A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331879(P2007−331879)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(598077554)ダイチ工営株式会社 (10)
【Fターム(参考)】