説明

機器取付具

【課題】締付ねじの操作によって取付バンドを締め付けてシリンダチューブに機器を取り付ける作業を容易に行うこと。
【解決手段】取付バンド21には、その一部を折り返して形成される締め部26が設けられるとともに、締め部26の各折り返し片24,25に形成された挿通孔24a,25aには締付ねじ27が挿通され、締付ねじ27には四角ナット28が螺着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダチューブの外周面に機器を取り付けるための機器取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エアシリンダ等の流体圧シリンダの外面には、シリンダチューブ内に設けられたピストンの位置を検出する位置検出センサが取り付けられている。そして、この位置検出センサを流体圧シリンダに取り付けるために用いられるセンサ取付具として、例えば特許文献1に開示のものがある。
【0003】
図10に示すように、特許文献1の取付装置90(機器取付具)の鋼帯92は、シリンダ91(シリンダチューブ)の外周に沿って薄い帯状に形成されるとともに、鋼帯92の両端部には角穴92aが穿設されている。また、取付装置90の連結金具94は矩形板状に形成されるとともに、連結金具94の中央部にねじ穴94aが形成されている。また、連結金具94の両端部には、鋼帯92の各角穴92aに係合されるフック部94bが形成されている。さらに、取付装置90の押え金具95は、下面が開放する箱形に形成されるとともに、押え金具95の天板中央にはねじ挿通穴95bが穿設されている。なお、ピストン位置検出スイッチ93(機器)の外周には補強部材97が装着される。
【0004】
上記構成の取付装置90を用いてピストン位置検出スイッチ93をシリンダ91に取り付ける場合、まず、予めシリンダ91の外径に応じて略U字状に折り曲げた鋼帯92をシリンダ91の外周に嵌合するとともに、鋼帯92の角穴92aを連結金具94のフック部94bに係合させる。次に、連結金具94を覆うようにして押え金具95を配置するとともに、ねじ挿通穴95bに締付ねじ96を挿通し、連結金具94のねじ穴94aに締付ねじ96を螺合させる。すると、鋼帯92、連結金具94及び押え金具95が相互に連結された状態になる。
【0005】
そして、ピストン位置検出スイッチ93を、シリンダ91の外周面と押え金具95の開口端縁95aとの間に差し込むようにしてシリンダ91の外周面の所定位置に配置するとともに、押え金具95を補強部材97上に配置し、締付ねじ96を締付方向に回転操作する。これにより、連結金具94が押え金具95の天板に向けて移動するとともに鋼帯92が締め込まれると同時に押え金具95が補強部材97の上面に押し付けられ、ピストン位置検出スイッチ93がシリンダ91の周面に押圧される結果、ピストン位置検出スイッチ93がシリンダ91に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−149250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の取付装置90では、ピストン位置検出スイッチ93をシリンダ91の周面に取り付けるには、鋼帯92に組み付けた連結金具94に対し、連結金具94とは別体の押え金具95を被せた後、さらに、押え金具95とは別体の締付ねじ96をねじ穴94aに螺合して、鋼帯92でシリンダ91を締め付ける必要がある。このため、締付ねじ96の操作によって、鋼帯92でシリンダ91を締め付けてピストン位置検出スイッチ93をシリンダ91の周面に取り付ける作業が煩雑なものとなっている。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題に着目してなされたものであり、その目的は、締付ねじの操作によって取付バンドを締め付けてシリンダチューブに機器を取り付ける作業を容易に行うことができる機器取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダチューブの外周面に機器を取り付けるための機器取付具であって、前記シリンダチューブの外周面に沿って塑性変形可能な取付バンドを備え、前記取付バンドの両端側には、該取付バンドの両端を架け止める固定金具が取り付けられる取付部が設けられるとともに、前記取付バンドには、その一部分を折り返して形成されてなる締め部が設けられ、前記締め部の各折り返し片に形成された挿通孔には締付ねじが挿通されるとともに、前記挿通孔を貫通した前記締付ねじにナットが螺着されていることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ナットは四角板状をなす四角ナットであるとともに、前記四角ナットの側縁が前記締め部の基端側近くの前記取付バンドの側面、又は前記取付バンドが取り付けられた前記シリンダチューブの外周面に当接していることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記締め部は2回折り返して形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記機器に前記固定金具が一体化されていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記取付部は複数設けられていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記機器は、前記シリンダチューブ内に収容されたピストンの位置を検出する位置検出センサであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、締付ねじの操作によって取付バンドを締め付けてシリンダチューブに機器を取り付ける作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は実施形態のセンサ取付具を用いてシリンダチューブに位置検出センサが取り付けられた状態を示す斜視図、(b)はセンサ取付具を用いてシリンダチューブに位置検出センサが取り付けられた状態を示す縦断面図。
【図2】取付バンドの平面図。
【図3】固定金具の平面図。
【図4】固定金具の一方の係止突起が取付バンドの一方の取付孔に係止された状態を示す斜視図。
【図5】シリンダチューブの外周面に取付バンドを配置した状態を示す斜視図。
【図6】別の実施形態のセンサ取付具を用いてシリンダチューブに位置検出センサが取り付けられた状態を示す縦断面図。
【図7】(a)〜(c)は別の実施形態のセンサ取付具を用いてシリンダチューブに位置検出センサが取り付けられた状態を示す縦断面図。
【図8】別の実施形態における取付バンドの平面図。
【図9】(a)は別の実施形態における固定金具の平面図、(b)はセンサ取付具を用いてシリンダチューブに位置検出センサが取り付けられた状態を示す部分断面図。
【図10】従来例の機器取付具としての取付装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をシリンダチューブ内に収容されたピストンの位置を検出する機器としての位置検出センサをシリンダチューブの外周面に取り付けるためのセンサ取付具に具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
【0016】
図1(a)に示すように、エアシリンダ10において、円筒状のシリンダチューブ11の両端には、ヘッドカバー11a及びロッドカバー11bが固定されている。図1(b)に示すように、シリンダチューブ11内にはロッド15の外周面に嵌着されたピストン16がシリンダチューブ11内を往復動可能に収容されている。図1(a)及び(b)に示すように、シリンダチューブ11の外周面には、シリンダチューブ11内でのピストン16の位置を検出する位置検出センサ12がセンサ取付具13によって取り付けられている。
【0017】
センサ取付具13の取付バンド21は、金属板(ばね用ステンレス鋼帯)によって帯状に形成されるとともに、シリンダチューブ11の外周面に沿うように略U字状に形成されている。取付バンド21の両端側には、取付部としての取付孔22が取付バンド21の厚み方向に貫通して形成されている。図2に示すように、各取付孔22は、取付バンド21の幅方向へ細長に延びる挿通孔22aと、この挿通孔22aよりも幅狭の係止孔22bとからなる。
【0018】
取付バンド21において、一方の取付孔22寄りには、曲げ補助部23が取付バンド21の幅方向の両縁に三ケ所形成されている。各曲げ補助部23は、それぞれ取付バンド21の両縁をV字状に切り欠いて形成されている。また、取付バンド21には、図1(a)に示すように、3つの曲げ補助部23から取付バンド21を折り返して形成された締め部26が形成されている。この締め部26は、二つの第1及び第2折り返し片24,25が横V字状に折り曲げられて形成されている。また、図1(b)に示すように、各折り返し片24,25には挿通孔24a,25aが形成されるとともに、各挿通孔24a,25aは互いに重合している。
【0019】
締め部26の両挿通孔24a,25aには締付ねじ27が挿通されるとともに、締付ねじ27には四角板状をなすナットとしての四角ナット28が螺着されている。四角ナット28は締め部26の下方に位置するとともに、その側縁としての一側縁28aが締め部26の基端26a側近くの取付バンド21の側面21aに当接している。これら締付ねじ27及び四角ナット28は、位置検出センサ12をシリンダチューブ11の外周面に取り付ける前から、締付ねじ27が各挿通孔24a,25aに挿通されるとともに四角ナット28が螺着された状態で、締め部26に対して予め仮組みされている。
【0020】
次に、取付孔22に取り付けられる固定金具31について説明する。
図3に示すように、固定金具31は略長方形状の金属板からなるとともに、固定金具31の長手方向に沿って延びる本体部32の両端には、固定金具31の短手方向に沿う方向へ突出する係止突起33がそれぞれ設けられている。係止突起33における固定金具31の短手方向に沿う長さL1は、挿通孔22aの幅方向の長さよりも短いとともに、係止孔22bの幅方向の長さよりも長くなっている。また、本体部32における固定金具31の短手方向に沿う長さL2は、係止孔22bの幅方向の長さよりも短くなっている。本体部32の中央部には固定金具31の厚み方向に貫通する平面視円孔状の貫通孔34が形成されている。貫通孔34の内周面には雌ねじが形成されている。
【0021】
図4に示すように、上記構成の固定金具31は、位置検出センサ12の一端部に設けられた保持部12a内に配置される。そして、固定金具31が保持部12a内に配置された状態で、位置検出センサ12に取り付けられる取付ねじ14が貫通孔34の雌ねじに螺合されることで、固定金具31が保持部12aに保持されて位置検出センサ12に予め一体化される。固定金具31が保持部12aに保持された状態では、各係止突起33及び本体部32の一部分が、位置検出センサ12の両側面から突出した状態になっている。
【0022】
次に、上記構成のセンサ取付具13を用いてシリンダチューブ11の外周面に位置検出センサ12を取り付ける方法について説明する。
図4に示すように、まず、一方の係止突起33を一方の挿通孔22aに挿通するとともに、本体部32における位置検出センサ12の一側面から突出した部位を一方の係止孔22bの内側に位置させる。すると、一方の係止突起33が、一方の係止孔22bよりも外方の取付バンド21の外面に係止される。
【0023】
次に、図5に示すように、取付バンド21をシリンダチューブ11の外周面に沿うように配置する。そして、他方の係止突起33を他方の挿通孔22aに挿通するとともに、本体部32における位置検出センサ12の他側面から突出した部位を他方の係止孔22bの内側に位置させる。すると、図1(a)及び(b)に示すように、他方の係止突起33が、他方の係止孔22bよりも外方の取付バンド21の外面に係止され、固定金具31が取付バンド21の両端に架け渡される。このとき、締め部26の両挿通孔24a,25aの開口向きは位置検出センサ12の上側に向いている。
【0024】
さらに、締め部26に対して予め仮組みされた締付ねじ27を、位置検出センサ12の上側からドライバーにより四角ナット28に対して螺進する。このとき、四角ナット28の一側縁28aが、締め部26の基端26a側近くの取付バンド21の側面21aに当接しているため、締付ねじ27を締付方向に回転操作しても、四角ナット28が締付ねじ27と共に回転してしまうことが規制されている。そして、締付ねじ27が四角ナット28に対して螺進されると、締付ねじ27の頭部と四角ナット28との間に締め部26が挟持されて、第1折り返し片24が第2折り返し片25に向けて変位する。これにより、第1折り返し片24と第2折り返し片25との間の距離が、第1折り返し片24が第2折り返し片25に向けて変位する前に比べて短くなり、その結果として、締め部26が撓むように弾性変形する。この締め部26の弾性変形により、固定金具31が取付バンド21を介してシリンダチューブ11側に引き寄せられるとともに、シリンダチューブ11が取付バンド21により締め付けられる。これにより、位置検出センサ12及びシリンダチューブ11が固定金具31と取付バンド21との間に挟持されるとともに、位置検出センサ12がシリンダチューブ11の外周面に取り付けられる。
【0025】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)取付バンド21には、その一部を折り返して形成される締め部26が設けられるとともに、締め部26の各折り返し片24,25に形成された挿通孔24a,25aには締付ねじ27が挿通され、締付ねじ27には四角ナット28が螺着されている。よって、位置検出センサ12をシリンダチューブ11の外周面に取り付ける際には、締め部26に予め仮組みされた締付ねじ27を四角ナット28に螺進するだけで取付バンド21をシリンダチューブ11に締め付けることができ、位置検出センサ12を取り付ける作業を容易なものとすることができる。
【0026】
(2)四角ナット28の一側縁28aが締め部26の基端26a側近くの取付バンド21の側面21aに当接している。よって、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる際に、四角ナット28が締付ねじ27と共に回転してしまうことを規制することができる。したがって、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる際に、例えばスパナを用いて四角ナット28を固定しながら、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる必要がなく、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる作業を容易なものとすることができる。
【0027】
(3)固定金具31は位置検出センサ12に予め一体化されている。よって、位置検出センサ12をシリンダチューブ11の外周面に取り付ける際に、固定金具31を位置検出センサ12に一体化させる作業を行う必要がなく、シリンダチューブ11に位置検出センサ12を取り付ける作業を容易なものとすることができる。
【0028】
(4)シリンダチューブ11の外周面から位置検出センサ12を取り外す際には、固定金具31と取付バンド21とによる位置検出センサ12及びシリンダチューブ11の挟持が解除されるまで、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺退させ、このときに四角ナット28に対しての締付ねじ27の螺退を止める。これによれば、シリンダチューブ11の外周面から位置検出センサ12を取り外す際に、締付ねじ27及び四角ナット28が締め部26から外れることがないため、締付ねじ27及び四角ナット28が締め部26から脱落してしまうことを防止することができる。
【0029】
(5)固定金具31が取付バンド21の両端に架け渡されたとき、締め部26の両挿通孔24a,25aの開口向きは位置検出センサ12の上側に向いている。そして、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退する際には、位置検出センサ12の上側からドライバーにより締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる。よって、ドライバーにより締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進退させる作業を行う際に、位置検出センサ12の側面(位置検出センサ12の横方向)からドライバーにより締付ねじ27を回転操作する必要がなく、常に上側からの作業が可能となり狭いスペースでの作業を容易にすることができる。
【0030】
(6)締付ねじ27による四角ナット28への締付具合を適宜調整することで、締め部26の締まり具合を変更し、取付バンド21のシリンダチューブ11への締め付け具合を調整することができる。よって、様々なシリンダチューブ11の外径に合わせて締め部26の締まり具合を調整することができるため、シリンダチューブ11の外径に対応した取付バンド21を複数用意しておく必要がなく、コストを削減することができる。
【0031】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6に示す実施形態のように、取付バンド21の一部分をU字状をなすように折り曲げて締め部36が形成されていてもよい。この締め部36は、第1折り返し片24及び第2折り返し片25が、締付ねじ27の軸部が延びる軸線方向に対して直交する方向へ延びるとともに、第1折り返し片24と第2折り返し片25とを繋ぐ部位が取付バンド21の外側に向けて膨出するように弧状に湾曲して形成されている。このとき、各挿通孔24a,25aは互いに重合している。これによれば、締め部が横V字状に折り曲げられて形成される場合に比べると、第1折り返し片24の上面と締付ねじ27の頭部裏面との接触面積、及び第2折り返し片25の下面と四角ナット28の上面との接触面積が増えるため、締付ねじ27の頭部と四角ナット28との間で締め部36を挟持し易くすることができる。
【0032】
○ 図7(a)〜(c)に示す実施形態のように、取付バンド21の一部分を2回折り返してW字状をなすように締め部46が形成されていてもよい。締め部46は、締付ねじ27の軸部が延びる軸線方向に対して直交する方向へ延びる第1折り返し片24及び第2折り返し片25を有するとともに、第1折り返し片24と第2折り返し片25とを繋ぐ部位が取付バンド21の外側に向けて膨出するように弧状に湾曲して形成されている。また、締め部46は、締付ねじ27の軸部が延びる軸線方向に対して直交する方向へ延びる第3折り返し片44及び第4折り返し片45を有するとともに、第3折り返し片44及び第4折り返し片45とを繋ぐ部位が取付バンド21の外側に向けて膨出するように弧状に湾曲して形成されている。さらに、第2折り返し片25と第3折り返し片44とは取付バンド21の一部分によって互いに連続している。第3折り返し片44及び第4折り返し片45には挿通孔44a,45aが形成されるとともに、各挿通孔24a,25a,44a,45aは互いに重合している。
【0033】
図7(a)に示す実施形態では、第2折り返し片25と第3折り返し片44との間に四角ナット28が設けられている。そして、締付ねじ27が、各挿通孔24a,25a,44a,45aに挿通されるとともに四角ナット28が螺着された状態で、締め部46に対して予め仮組みされている。締付ねじ27が四角ナット28に対して螺進されると、第1折り返し片24が第2折り返し片25に向けて変位する。
【0034】
図7(b)に示す実施形態では、第3折り返し片44と第4折り返し片45との間に四角ナット28が設けられている。そして、締付ねじ27が、各挿通孔24a,25a,44a,45aに挿通されるとともに四角ナット28が螺着された状態で、締め部46に対して予め仮組みされている。締付ねじ27が四角ナット28に対して螺進されると、第1折り返し片24及び第2折り返し片25が第3折り返し片44に向けて変位する。
【0035】
図7(c)に示す実施形態では、第4折り返し片45の下方に四角ナット28が設けられている。そして、締付ねじ27が、各挿通孔24a,25a,44a,45aに挿通されるとともに四角ナット28が螺着された状態で、締め部46に対して予め仮組みされている。締付ねじ27が四角ナット28に対して螺進されると、第1折り返し片24、第2折り返し片25及び第3折り返し片44が第4折り返し片45に向けて変位する。
【0036】
図7(a)〜(c)示す上記各実施形態のように、四角ナット28の位置を変えることで、締付ねじ27を四角ナット28に対して螺進したときに変位する折り返し片の数が変わるため、締め部46の締まり具合を変更することができる。よって、様々なシリンダチューブ11の外径に合わせて四角ナット28の位置を適宜変更することで、シリンダチューブ11の外径に合わせた締め付け作業を行うことができる。
【0037】
○ 図8に示す実施形態のように、取付バンド21の両端部に取付孔22が3つ形成されていてもよい。そして、シリンダチューブ11の外径に応じて、固定金具31の係止突起33に係止させる取付孔22を適宜選択する。これによれば、シリンダチューブ11の外径に対応するように取付孔22が形成された取付バンド21を複数用意しておく必要がないため、コストを削減することができる。なお、取付バンド21の両端部に形成される取付孔22の数は、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0038】
○ 図9(a)に示す実施形態のように、固定金具31の本体部32の長手方向に沿う側面に、本体部32の長手方向と直交する方向へ延びる一対の当接部35を設けてもよい。各当接部35の間には、位置検出センサ12が配置可能であるとともに、各当接部35の間の距離は、位置検出センサ12の幅よりも僅かに長くなっている。これによれば、図9(b)に示すように、各当接部35により位置検出センサ12の周囲一部分を囲むことができるため、位置検出センサ12がシリンダチューブ11の周方向に沿う方向へ移動してしまうことを規制することができる。
【0039】
○ 実施形態において、固定金具31は保持部12aに保持された状態で位置検出センサ12に予め一体化されていなくてもよい。
○ 実施形態において、ナットとして、六角ナットや楕円板状をなすナットを適用してもよく、ナットの形状は特に限定されるものではない。
【0040】
○ 実施形態において、四角ナット28の一側縁が取付バンド21の側面に当接しておらず、四角ナット28の一側縁と取付バンド21の側面との間が離間していてもよい。
○ 実施形態において、曲げ補助部23を削除してもよい。
【0041】
○ 実施形態において、固定金具31と位置検出センサ12とを一体化させるために取付ねじ14を用いたが、これに限らず、例えば取付用ピンを用いて固定金具31と位置検出センサ12とを一体化させてもよい。また、固定金具31と位置検出センサ12とを接着させることで互いを一体化させてもよいし、固定金具31と位置検出センサ12とを一体成形してもよい。
【0042】
○ 本発明を、例えば油圧シリンダのシリンダチューブ11に位置検出センサ12を取り付けるために用いられるものに適用してもよい。
○ 本発明を、位置検出センサ12以外の機器をシリンダチューブ11の外周面に取り付けるために用いられる機器取付具に適用してもよい。
【0043】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記取付部は前記取付バンドの厚み方向に貫通して形成される取付孔であるとともに、前記取付孔は前記固定金具に設けられる係止突起に取り付けられることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の機器取付具。
【符号の説明】
【0044】
11…シリンダチューブ、12…機器としての位置検出センサ、13…機器取付具としてのセンサ取付具、16…ピストン、21…取付バンド、22…取付部としての取付孔、24…折り返し片としての第1折り返し片、24a,25a,44a,45a…挿通孔、25…折り返し片としての第2折り返し片、26,36,46…締め部、27…締付ねじ、28…ナットとしての四角ナット、31…固定金具、33…係止突起、44…折り返し片としての第3折り返し片、45…折り返し片としての第4折り返し片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダチューブの外周面に機器を取り付けるための機器取付具であって、
前記シリンダチューブの外周面に沿って塑性変形可能な取付バンドを備え、
前記取付バンドの両端側には、該取付バンドの両端を架け止める固定金具が取り付けられる取付部が設けられるとともに、前記取付バンドには、その一部分を折り返して形成されてなる締め部が設けられ、
前記締め部の各折り返し片に形成された挿通孔には締付ねじが挿通されるとともに、前記挿通孔を貫通した前記締付ねじにナットが螺着されていることを特徴とする機器取付具。
【請求項2】
前記ナットは四角板状をなす四角ナットであるとともに、前記四角ナットの側縁が前記締め部の基端側近くの前記取付バンドの側面、又は前記取付バンドが取り付けられた前記シリンダチューブの外周面に当接していることを特徴とする請求項1に記載の機器取付具。
【請求項3】
前記締め部は2回折り返して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器取付具。
【請求項4】
前記機器に前記固定金具が一体化されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の機器取付具。
【請求項5】
前記取付部は複数設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の機器取付具。
【請求項6】
前記機器は、前記シリンダチューブ内に収容されたピストンの位置を検出する位置検出センサであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の機器取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−122591(P2012−122591A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275943(P2010−275943)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】