説明

機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法およびプログラム

【課題】ネットワークに接続された機器の消費電力を管理する、機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】機器管理装置120は、ネットワーク110を介して接続された機器の消費電力を参照可能とする機器情報を取得する機器情報取得部126と、機器情報取得部126が取得した機器情報を使用して機器の消費電力およびCO排出量を計算する環境負荷計算部132と、機器の動作状態を監視する機器監視部128と、印刷要求から、デフォルト出力先を抽出する印刷要求取得部130と、機器情報に対して機器監視部128が取得した動作状態を状態情報として追加し、印刷要求取得部130が抽出したデフォルト出力先よりも環境負荷の小さな機器を選択し、環境負荷の小さな機器に対応する出力データを作成して送付させる出力先管理部134とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された機器管理に関し、より詳細には、ネットワークに接続された機器の消費電力を管理する、機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電力は、地球資源を消費する形態で生産(発電)されており、消費電力の増大は、地球環境に対して重大な負荷を与えるものと考えられている。このため、電気製品全般に関し、電力消費を低減することが好ましい。近年では、電力消費を削減するため、企業、メーカ側の自主的な努力ばかりではなく各国で省エネに関連する規制や基準が定められている。
【0003】
例えば、日本では省エネ法、米国ではエネルギースターが設けられていて、これらの規制も改定されその基準が厳しくなってきている。ユーザ側も環境に対する意識の向上や電気料金の削減という観点から、機器の消費電力やエネルギー効率に関する情報を重視して、購入機器を決定する場合も増えている。上述した環境負荷低減を支援する目的で、例えば、特開2003−131763号公報(特許文献1)では、OA機器、例えば画像形成装置の各動作モードでの消費電力データと、OA機器仕様に関するデータと、各動作モードで使用された時間データとに基づいて、消費電力を算出し、管理者やユーザに通知する技術が記載されている。
【0004】
また、特開2002−278378号公報(特許文献2)および特開2003−232819号公報(特許文献3)では、節電状態を表示することができる画像形成装置や、動作状態の時間および動作状態別の使用電力から、使用した消費電力量を算出して、算出結果を表示できる画像形成装置も提案されている。さらに、特開2004−85985号公報(特許文献4)では、画像形成装置の使用電流を計測する積算電力計により、消費電力を取得する画像形成装置も提案されている。
【0005】
ところで、一般的なオフィスには、複数の異なるメーカの機器や新しい機器や古い機器が混在してネットワーク接続されているので、専用の機器のみを含むネットワークを構築して、専用に電力消費管理を行うことはユーザにとってみれば却って非効率であり、またコスト的な点からみても、既存の機器の処分などを考慮すると実現性にも乏しいということができる。この点に鑑み、特開2006−322761号公報(特許文献5)では、特定の装置手段を設けることなくネットワークで接続された複数の仕様の異なる機器について、消費電力およびCO排出量を算出し、効率的に消費電力低減ができる技術を提案している。
【0006】
特許文献5に記載された技術は、ネットワークを介して接続された機器から当該機器の動作モードに関する情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段によって取得した機器の動作モードに関する情報に基づいて当該機器の動作期間における消費電力を算出する算出手段と、算出手段によって算出された消費電力を補正するための情報を取得する補正情報取得手段と、算出手段によって算出された消費電力を、補正情報取得手段によって取得された補正情報に基づいて補正する補正手段とを備えている。
【0007】
また、特開2007−318401号公報(特許文献6)では、ネットワークを介して接続された画像形成装置の電力を管理するシステムが開示されている。特許文献6に記載されたシステムは、画像形成装置の動作モード時間を監視し、各動作モード時間を記録し、省エネモードへの移行時間を考慮して同等の省エネモード移行時間を有する画像形成装置の中から一番消費電力の少ない機器を選定し、選定した機器の使用などを外部クライアントに送信する。特許文献6に記載されたシステムにおいてもネットワークにおける消費電力を調節することは可能である。
【0008】
特許文献5に記載された技術は、動作モードに関する情報を使用して機器の消費電力を計算するが、消費電力が計算できたとしても、ユーザが必ずしも特定の出力操作において、消費電力を考慮して出力先を設定するわけではないし、設定忘れや設定ミスなども発生し、環境負荷を低減する点で必ずしも効率的なものということはできない。特許文献6に記載された技術は、クライアントに対してネットワークに接続された画像形成装置のうち、同等の省エネモードへの移行時間を有するものからしか消費電力の小さい画像形成装置を選択することができないこと、また、クライアントに対して消費電力の小さい画像形成装置を使用する、コストなどを通知するだけに止まり、積極的に低消費電力の画像形成装置からクライアントの印刷出力を誘導するものではないことという問題点があった。
【0009】
また、画像形成装置の消費電力が小さいとは言いながら、クライアントが印刷しようとした場合に動作モードにある消費電力の大きな画像形成装置の方が、省エネモードに退避している省消費電力の画像形成装置を動作モードに復帰させて印刷させるよりも現時点で印刷しようとしているジョブの消費電力が小さい場合もあり、クライアントによる実際の印刷要求の発生タイミングと、当該発生タイミングにおける画像形成装置の動作状態とを対応付けて印刷ジョブの送付先を制御するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の技術では、消費電力、およびCO排出量を算出し、可視化することを可能とするものである。しかしながら、従来技術は、ネットワークに接続された機器の消費電力およびこれに対応するCO排出量の削減を、機器の各利用者のレベルで認識させ、エネルギー消費削減を促すことまでは考慮されていなかった。
【0011】
また、今日においては、エネルギースターのTEC試験方法が認知されてきており、TEC試験により省エネルギーの基準を満たした機器のみがエネルギースターのロゴを製品に表示することも認識が深まって来ており、環境に対する意識の高いユーザは、エネルギースターのロゴの有無をOA機器の購入の一つの判断基準として採用する傾向にもある。
【0012】
一方、エネルギースターの認定を受けた機器であっても、上述したTEC試験方法のモードでシミュレーションされた動作パターンからまったく外れた動作が頻繁に行われると、エネルギースターによる消費電力低下は望めないこととなってしまい、また実際に印刷を行う各ユーザは、印刷を行う場合、機器の消費電力量、CO排出量削減をまず最初に意識することは少なく、業務の都合に応じて機器を選択して機器を起動させてしまうことも多い。
【0013】
本発明は、低CO排出量が望まれる近年の状況下において、機器の起動をより消費電力量、CO排出量の少ない機器を選択して起動することにより、オフィス全体、とりわけ印刷環境の消費電力およびCO排出量を効果的に削減させることのできる機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法およびプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明では、ネットワークに接続された機器の電力消費を管理する機器管理装置を提供する。機器管理装置は、ネットワークを介して前記ネットワークに接続された機器の消費電力を参照可能とする機器情報を取得する機器情報取得手段を含み、機器情報取得手段が取得した機器情報を使用して前記機器の消費電力およびCO排出量を計算する環境負荷計算手段を含む。さらに、機器管理装置は、機器の動作状態を監視する機器監視手段と、印刷データおよびデフォルト出力先を含む印刷要求を受領し、デフォルト出力先を抽出する印刷要求取得手段とを含み、機器情報取得手段が取得した機器情報に対して機器監視手段が取得した動作状態を状態情報として追加する。
【0015】
機器管理装置は、印刷要求取得手段が抽出したデフォルト出力先よりも環境負荷の小さな前記機器を状態情報を参照しながら順次検索して選択し、デフォルト出力先または選択された環境負荷の小さな前記機器に対応する出力データを作成して前記ネットワークを介して送付させる出力管理手段を含んでいる。また、本発明では、消費電力およびCO排出量は、TEC値およびipmの値を使用して計算される。
【0016】
そして、機器監視手段は、管理対象の機器が外部からの要求に応じて動作を開始させる状態である省エネモードにあるか、または機器の動作終了後、次の印刷要求などに対応するために、スタンバイしている状態または印刷を実行している状態である動作モードにあるかを動作状態として監視する。そして、機器の動作状態を状態情報として設定する。本発明では状態情報は、動作モードおよび省エネモードの2状態で遷移し、動作モードに対応する状態情報は、機器が省エネモードへ遷移することを通知する休止通知または構成遷移タイマの満了により状態遷移を生じさせる。
【0017】
さらに、出力管理手段は、デフォルト出力先または選択された前記環境負荷の小さな機器を選択する指令を受領し、指令に対応する出力データを作成させるプリンタドライバを呼び出すことで、印刷出力の出力先を制御している。一方、本発明の出力管理手段は、環境負荷の小さな機器の選択に失敗した場合、指令の受領を待機することなくデフォルト出力先に対応した出力データを作成させることで、ユーザに対して環境負荷の小さな機器の検索処理の負荷のみで、効率的な出力処理を可能とさせている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の機器管理システム100の概略的な機能ブロック図。
【図2】本実施形態で使用する機器情報200の実施形態を示した図。
【図3】本実施形態の記録装置150が管理するデータベースの機器情報を使用して作成される機器情報リスト300のデータ構造を示した図。
【図4】本実施形態の機器管理装置120が実行する処理のフローチャート。
【図5】本実施形態で低消費電力の機器を選択する処理のフローチャート。
【図6】本実施形態で、図5の処理のステップS509で要求発行元のPCに表示されるGUI600の実施形態を示した図。
【図7】第2の実施形態の機器管理装置720を含む機器管理システム700の実施形態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の機器管理システム100の概略的な機能ブロック図である。図1に示す機器管理システム100は、ネットワーク110と、ネットワークに接続された機器管理装置120と、ネットワーク110に接続され、複数の情報処理装置(図示せず)からの印刷要求を受付け、画像形成装置、ファクシミリ装置、またはコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、データ転送機能などを含む複合機(以下、MFPとして参照する。)などの機器とを含んで構成されている。
【0020】
機器管理装置120は、ネットワーク110を介して情報処理装置からの印刷要求を受領して、画像形成装置の動作状態に対応して印刷要求を受領した時点で最適な省電力画像形成を可能とする画像形成装置を選択し、選択した画像形成装置に対し、ネットワークを介して出力データを送付する。機器管理装置120は、ネットワークインタフェース122と、機器情報取得部126と、機器監視部128とを含んで構成されている。ネットワークインタフェース122は、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含んで構成され、ネットワーク110に適合する物理層レベルおよびデータリンク層レベルでのデータ転送を可能とする。
【0021】
なお、ネットワーク110は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を含んで構成することができる。また、LANを構成する物理媒体は、イーサネット(登録商標)であっても、IEEE802.x規格の無線LAN、IrDA、またはBluetooth(登録商標)を含むワイヤレス媒体であってもよく、これらが適宜混在していてもよい。また、本実施形態ではネットワーク110は、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットを含んで構成することもでき、機器管理装置120は、インターネットを介して例えば管理センターなどに設置される管理サーバとすることもできる。この実施形態では、機器管理装置120は、機器およびパーソナルコンピュータなどを含んで構成されるLANの構成機器に対して問合わせを行い、より詳細には、後述する機器情報などを取得し、遠隔的な管理を実行する。
【0022】
機器情報取得部126は、ネットワーク110に接続された機器の情報を、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコル、またはWANやインターネットなどを介して管理を行う場合には、TCP/IPプロトコルなどを使用して取得する。また、機器情報取得部126は、機器管理装置120が起動された場合、リブートされた場合、またはネットワーク110に対して新たな機器が参加した場合に、機器に対して問合わせを発行し、機器がMIBなどに公開する機器情報を取得する。本実施形態では、機器情報としては、機器の機種名など、機器の機種を特定し、当該機器の消費電力を示す例えばTEC値などを取得可能とする情報であれば特に限定されない。また、機器が公開情報としてTEC値を公開している場合には、当該TEC値をそのままMIBから取得することもできる。
【0023】
機器監視部128は、管理対象とする機器が、省エネモードとなっているか、または動作モード中であるかを監視する。本実施形態で、省エネモードとは、管理対象の機器がCPUなどへの通電を停止し、外部からの要求に応じて動作を開始させるモードを意味する。また、動作モードとは、動作終了後、次の印刷要求などに対応するために、スタンバイしている状態または印刷を実行しているモードを意味する。省エネモードから動作モードへの遷移には、ヒータの通電加熱、ポリゴンミラーの回転速度アップなどの設定期間が必要となり、動作モードにある場合に比較してはるかに大きな消費電力を要する。
【0024】
機器監視部128は、ネットワーク110に接続された機器について監視を行う場合、省エネモードにある機器を監視したことにより監視対象の機器を動作モードに遷移させないように監視を実行する。具体的には、機器が省エネモードから動作モードに遷移した時および動作モードから省エネモードに遷移する直前に、機器から機器監視部128に対して通知を発行する。当該通知の発行は、例えばSNMPプロトコルのtrapコマンドなどを使用して実行することができる。より具体的には例えば、動作モードから省エネモードへの遷移する場合には、省エネモードへの遷移を管理するタイマの満了の直前にtrapコマンドで、省エネモードへの遷移を通知することができる。また、省エネモードから動作モードへの遷移の場合には、動作モードの遷移開始の直後に動作モードに遷移したことを示すtrapコマンドを発行することができる。
【0025】
また、他の実施形態で、監視方法として、ネットワークを構成する機器のうち、TCP/IPポートを使用するアプリケーションをサポートする機器のみを管理する用途では、機器側から機器管理装置120に対して明示的に省エネモード退避通知および動作モード復帰通知をtrapコマンドの代わりに送付する構成を採用することもできる。
【0026】
機器管理装置120は、印刷要求取得部130を含んでいて、印刷要求取得部130は、ネットワーク110を介してネットワークに接続されたパーソナルコンピュータまたはワークステーションなどの情報処理装置(以下、PCとして参照する。)から印刷要求を受領する。そして、印刷要求取得部130は、印刷要求から指定される出力先の機器を識別する。また、印刷要求取得部130は、印刷要求の出力先が決定するまで、印刷データを適切なバッファメモリに管理する。
【0027】
さらに、機器管理装置120は、環境負荷計算部132と、出力先管理部134とを含んでいる。環境負荷計算部132は、機器情報取得部126が取得した情報を使用して、管理対象とする機器の消費電力量およびCO排出量を計算する。本実施形態で、消費電力量を計算するためには、TEC値を使用することができる。なお、TEC値は、機器がMIBとして公開することもできるし、後述する記憶装置150で管理されるデータベースのデータとして登録しておくこともできる。なお、本実施形態では、TEC値から消費電力量を計算する場合、1minあたりの入出力枚数や1minあたりに処理できる面の数を表すipmなどの、イメージスキャナやプリンタなどの性能指標を用いて、消費電力量=ipm×ipmTEC値などとして設定することができるが、消費電力量の計算は、消費電力を予測することができる限り、実際のプリント履歴から計算した平均値などを使用することもできる。また、CO排出量は、計算した消費電力量に対して一定の定数Cを乗算して計算することができ、Cの値は、定数Cの乗算によりアンダーフローやオーバーフローが発生して比較が困難にならない範囲で適宜設定することができる。
【0028】
出力先管理部134は、印刷要求取得部130がネットワーク110を介して受領した印刷要求を、印刷要求取得部130から取得して判断し、印刷要求で指定される機器を判断する。さらに出力先管理部134は、受領した要求先の機器の消費電力情報を、記憶装置150のデータベースから取得し、現在省エネモードに遷移していない機器の機器識別値、消費電力値、CO排出量などを参照して、現在省エネモードではない機器のうち、消費電力が最小の機器を選択する。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、出力先管理部134は、出力先管理部134の比較結果、印刷要求に設定された出力先と省電力の出力先が異なる場合、出力先を変更することができる旨の通知を印刷要求元に発行し、印刷要求の発行元で、出力先の変更の可否を指令するグラフィカルユーザインタフェース(以下、GUIとして参照する。)を表示させることができる。通知に際しては、ネットワーク110の論理接続部または物理接続図とともに出力先機器の位置や名称を出力させることができる。
【0030】
また、出力先管理部134は、印刷要求の発行元のPCに対して通知を発行し、出力先変更を承諾するか否かを指令するラジオボタンなどを含むGUIをPCのデスクトップ画面上に表示させることができる。なお、当該GUIを表示させる場合、選択された県境負荷の小さな機器を優先的に選択するように設定し、ラジオボタンなどの指示機能部を生成させることができる。出力先管理部134は、機器の動作モード状態を登録する機器情報リストを生成・管理し、環境負荷を考慮した高効率の出力先選択を可能とさせている。
【0031】
出力先管理部134は、選択された機器の識別値を参照し、印刷要求の発行元の承認結果に応じて当該機器のための出力データを作成するためのドライバ管理部124を起動し、ドライバ管理部124に対してバッファメモリ内の印刷データを処理させてRAWデータなどを作成させる。その後ドライバ管理部124は、ネットワークインタフェース122およびネットワーク110を介して出力データを出力先の機器へと送付し、印刷出力を実行する。
【0032】
機器管理装置120は、UI制御部140を含んでいて、ディスプレイ装置、キーボード、マウスなどのユーザインタフェース装置からのユーザイベントを受領し、イベントをハンドリングして、各機能部の制御を可能としている。
【0033】
記憶装置150は、本実施形態では、ハードディスク装置、USBメモリなどの持続性記憶装置として構成され、データベースを管理し、ネットワーク110に接続された機器の機器識別値、複写速度、最大原稿サイズ、TEC値、両面コピーの有無などの性能情報を管理する。
【0034】
なお、機器管理装置120のハードウェア構成については、本実施形態の要旨ではないので詳細な説明は省略するが、機器管理装置120は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ・コンピュータなどの情報処理装置として実装でき、情報処理装置は、PENTIUM(登録商標)または互換プロセッサ、XEON(登録商標)、CELERON(登録商標)などのプロセッサを搭載し、WINDOWS(登録商標)シリーズ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、MAC OS(登録商標)などのOSの管理下で、処理を行っている。機器管理装置120は、記憶装置150に格納された本実施形態の機器管理方法を実行するためのプログラムを読み込んでプロセッサの要求に応じてプログラムをRAMに送付し、プロセッサによるプログラムの実行を介して上述した各機能手段として機器管理装置120を機能させている。プログラムの実行空間を与えるRAMに本実施形態のプログラムを展開してプロセッサによりプログラムを実行させることで、本実施形態の機器管理装置として情報処理装置を機能させている。
【0035】
また、機器は、インクジェットプリンタ、ページプリンタ、MFPなどの画像形成装置として実装することができ、プロセッサ、RAMなどを実装し、TCP/IP、UDPなどのプロトコルで印刷データの転送、SNMP(Simple Network Management Protocol)などを使用した状態通知などを可能としている。
【0036】
図2は、本実施形態で使用する機器情報200の実施形態である。機器情報200は、テーブルの形式で示されており、機器情報200は、機器が管理する場合には、機器のMIBなどに記述して、機器管理装置120などに公開することができる。また、他の実施形態では、機器管理装置120のデータベースに登録しておくことができる。機器情報200をデータベースに登録する場合、機器管理装置120の管理者は、ネットワーク110に新たに接続される機器の機器情報を、マニュアルでまたは適切なURIからダウンロードするなどして追加しておくことができる。
【0037】
より詳細に図2を説明すると、機器情報200は、機器のメーカ名を登録するフィールド210と、機器名を登録するフィールド220と、複写速度を登録するフィールド230とを含んで構成されており、それぞれメーカ毎および機種毎に、機器名、最大原稿サイズなどが登録されている。また、各機器には、さらに最大原稿サイズを登録するフィールド240、TEC消費電力量を登録するフィールド250、両面コピーユニットの有無などを登録するフィールド260などに、各値が登録されている。
【0038】
本実施形態の機器管理装置120は、図2の機器情報を使用して、消費電力すなわち、CO排出量を最小限とする機器を、そのオプション設定を考慮しつつ機器の選択判断を実行する。なお、TEC消費電力量(KWh)は、例えば、URI:http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g80508b13j.pdfで指定されるファイルにより、その試験方法などが設定されている値である。
【0039】
図3は、本実施形態の記録装置150が管理するデータベースの機器情報を使用して作成される機器情報リスト300のデータ構造を示す。機器情報リスト300は、出力先管理部134が記憶装置150に格納されたデータベースからRAMなどの記憶領域に作成され、機器管理装置120の処理中に、データベースにアクセスすることなく参照されるランタイムデータとして生成される。なお、アクセス速度などの点では不利とはなるが、データベースの独立したデータファイルとして機器情報リスト300を構成することもできる。
【0040】
機器情報リスト300は、フィールド310〜フィールド340までに概ね図2に示した機器情報200を含んで構成される。さらに図3に示した機器情報リスト300は、フィールド350が追加されており、フィールド350には、機器の状態情報が登録される。フィールド350に登録される状態情報は、状態値=Aが、機器の動作状態が動作モードにあることを示し、状態値=Sが省エネモードにあることを示す。
【0041】
本実施形態では、上述した機器情報リスト300の管理は、出力先管理部134が実行しており、出力先管理部134は、機器管理装置120の起動時、リブート時、または機器の新規参加に対応して機器情報リスト300を生成または修正する。機器情報リスト300は、ネットワーク110に対する機器の接続時には、フィールド350の状態値全部を動作モードに対応する状態値=Aに設定する。状態値Aおよび状態値B間の状態遷移を、状態遷移360で示す。最初、状態値=Aの状態情報は、機器からの休止通知が来るまで、または出力先管理部134が設定する強制遷移タイマが満了するまで、状態値=Aが保存される。機器からの休止通知を受領した場合および強制遷移タイマが満了すると、当該機器の状態値は、状態値=Aから状態値=Sに遷移する。
【0042】
このため、機器管理装置120が起動した後、または機器がネットワーク110に接続した後、明示的な休止通知を受領せずとも、状態情報は、機器の休止状態を示す状態値=Sに設定される。なお、強制遷移タイマは、ネットワークを構成する業務グループの平均的な印刷ボリュームや、機器ごとの平均印刷時間などを使用して業務グループや機器単位で最適化設定することで、低CO排出量の機器を精度良く選択して出力先として選択でき、また選択処理の効率化を行うことができる。
【0043】
その後、省エネモードにある機器が動作モードに遷移した場合、機器は、機器管理装置120に対して動作通知を発行する。動作通知を受領した機器管理装置120は、当該装置の状態情報の値を状態値=Aに設定し、機器選択の候補装置としてその状態をアップデートする。図3に示した機器情報リスト300では、機器「XXX3530」がフィールド352に示されるように状態値=Sとされていて、休止状態にあることを示している。また、機器「XXXIP4000」のフィールド354は、状態値=Aが登録され、動作状態が動作モードにあることが示されている。
【0044】
出力先管理部134は、状態値=Sには、強制遷移タイマを適用せず、機器からの動作通知を明示的に受領するまで状態値=Sを維持する。状態値=Sが登録されている場合には、機器管理装置120の出力先管理部134は、印刷出力先の選択処理から状態値=Sの機器を除外して、出力機の選択を行う。上述した処理は、休止通知および動作通知を、SNMPプロトコルのみで送付する機器やTCP/IPプロトコルを使用する機器が混在しているプリント環境において、UDPパケットロスが発生した場合でも機器の状態が、本来は休止状態にあるにもかかわらず、動作状態として保持されてしまい、省エネモードからの復帰を伴う出力を行なってしまうことがないようにするためである。
【0045】
また、さらに他の実施形態では、環境負荷の小さな機器の選択処理をより効率化させる目的で、機器情報リスト300をL2キャッシュなどに構成し、キャッシュ項目として登録される特定機器の状態値が、状態値=Sとなった場合に当該機器のキャッシュライン、例えばフィールド352に対応するキャッシュラインを削除する構成を採用することもできる。そして、機器が動作モードに遷移した場合、キャッシュライン単位で状態情報を登録することで、機器の状態情報のアップデートを行うことができる。当該実施形態の場合、キャッシュには、動作状態となっている機器のみがエントリされることになり、キャッシュヒットの発生により機器の選択が可能で、高効率の機器選択が可能となる。
【0046】
この結果、説明する実施形態では、機器管理装置120による低CO排出量の機器の検索プロセスが追加されても、ユーザへのレスポンスの遅延を最小限に止めることができ、また、省エネモードからの起動を伴う出力先の選択を確実に防止することができる。なお、図3に示した自機情報リスト300をRAMなどのランタイムデータとして構成するとともに、動作モードにある機器のみをキャッシュする構成を併用することで、キャッシュミスヒット→ランタイムデータの検索による低CO排出量装置の選択のシーケンスを、印刷要求シーケンスに対し大きなオーバーヘッドを伴うことなく、追加することができる。
【0047】
図4は、本実施形態の機器管理装置120が実行する処理のフローチャートである。なお、図4の処理は、機器管理装置120がネットワーク110に接続した場合、本実施形態のプログラムがインストールされた後リブートされた場合、またはネットワーク110に新規な機器が接続され、UPnPプロトコルなどが開始された場合に実行される処理である。図4の処理は、ステップS400で、機器管理装置120の起動、リブート、または新たな機器がネットワーク110で検出されたことに応答して開始される。ステップS401で、ネットワーク110に対して問合わせ、例えば、SNMPプロトコルのget-requestやsnmpwalk、snmpgetなどを発行し、ステップS402で、そのレスポンスとして各機器が公開する情報を取得する。このとき取得することができる情報は、少なくともメーカー名、機器名などを含み、ネットワーク110に接続されている機器が対応している場合には、図2に示す機器情報全部を取得することができる。
【0048】
ステップS403では、取得した情報を参照し、機器のTEC値を取得する。TEC値の取得は、機器から取得した情報がメーカ名および機器名の場合、記憶装置150が管理するデータベースに登録した機種情報を、メーカ名、機器名などを検索キーとして使用し、対応するTEC値を取得する。また、機器のレスポンス内にTEC値が含まれる実施形態の場合には、当該レスポンスに記入されたTEC値をそのまま使用することができる。
【0049】
ステップS404では、各機器の消費電力、CO排出量を取得する。消費電力およびCO排出量の計算については、上述した計算式を使用することができる。ステップS405では、各機器の消費電力、CO排出量を機器識別値ごとに対応付けて機器情報リスト300に登録する。その後、ステップS406では、ネットワーク上の機器の動作状態を初期設定する。なお、この段階では、機器情報リスト300の状態情報は、すべての機器について状態値=Aが一旦設定され、その後、強制遷移タイマの満了に伴い、状態値=Sに遷移する。
【0050】
図5は、本実施形態で低消費電力の機器を選択する処理のフローチャートである。図4の処理で、図3に示した機器情報リスト300の設定が完了すると、機器管理装置120は、サービスまたはデーモンとして実行される図5の処理を呼び出してサービスを開始する。以後、図5の処理は、図4の処理と並列的に実行され、図4の処理の機器情報リストのアップデートの結果を使用しながら、図5の処理が実行される。図5の処理は、図4の処理が終了した後、ステップ500から開始し、ステップS501では、ネットワーク110を介してPCからの印刷要求を待機する。ステップS501で、印刷要求を受領しない場合(no)、処理をステップS501に戻し、印刷要求を受領した場合(yes)、ステップS502に処理を分岐させ、印刷要求に含まれるデフォルト設定の出力先を識別する。
【0051】
ステップS503では、機器情報200などを参照し、デフォルト設定の機器は、熱源を使用しないインクジェットプリンタ、感熱昇華型プリンタなどの低消費電力機器であるか否かを判断し、低消費電力機器であると判断された場合(yes)、処理をステップS508に分岐させ、デフォルト設定の機器を出力先に設定する。一方、ステップS503でデフォルト設定の機器が低消費電力機器ではないと判断された場合(no)、ステップS504でデフォルト設定以外に要求に適合する最小CO排出量の機器がネットワーク110に存在するか否かを判断する。
【0052】
ステップS504の判断で、ネットワーク110にデフォルト設定以外に要求に適合する最小CO排出量の機器が存在しない場合(no)、デフォルト設定の機器がユーザの要求を満たす最小のCO排出量の機器なので処理をステップS508に分岐させ、デフォルト設定の機器を出力先に設定する。なお、ユーザの要求には、用紙サイズの他、両面コピー機能の有無、ステープル処理、ソーティング機能の有無などのオプション機能を含み、これらのオプション機能の有無については、図2の機能情報200として機器管理装置120が取得し、ステップS504の判断において印刷要求の内容と比較することで行うことができる。
【0053】
一方、ステップS504の判断でデフォルト設定以外に要求に適合する最小CO排出量の機器が存在すると判断された場合(yes)、当該機器を機器セットとして登録する。そしてステップS505で機器情報リスト300にエントリされている検査中の機器の状態を検査し、最小のCO排出量の機器は状態値=S、すなわち省エネモード状態であるか否かを判断する。ステップS505で、最小のCO排出量の機器が省エネモード状態であると判断された場合(yes)、ステップS506で、次にCO排出量が少ない機器があるかを判断し、次にCO排出量の少ない機器がある場合(yes)、ステップS507で休止中である機器を検査対象から除外し、次にCO排出量の少ない機器を含む機器セットを選択する。なお、ステップS507の処理は、機器情報リスト300をL2キャッシュに構成し、状態値=Sとなった時点でキャッシュラインをリフレッシュする構成を採用する実施形態では、スキップすることができる。
【0054】
その後、図5の処理は、処理をステップS505に戻し、再度、当該次にCO排出量の少ない機器の状態を検査する。ステップS505、ステップS506、およびステップS507の処理を反復し、ステップS506で、処理対象の機器が終了した場合(no)、ステップS508に処理を分岐させ、印刷要求に設定されたデフォルト設定の機器を出力先に設定し、処理をステップS512に分岐させる。
【0055】
ステップS512では、設定した機器のプリンタドライバを呼び出し、出力データを作成させ、設定した出力先にネットワーク110を介して送付し、出力を実行させ、処理をステップS501に戻し、以後の印刷要求を待機する。
【0056】
一方、ステップS505で、検査中の機器セットのうちで最小のCO排出量の機器が省エネモードではない状態値=Aを有していると判断した場合(no)、処理をステップS509に分岐させ、要求発行元に対して低CO排出量の機器が存在することを通知する。当該通知を受領したPCは、その時点で開かれているプリンタドライバのGUI上に、プラグインプログラムなどで提供されている出力先変更承認GUIを表示させる。
【0057】
ステップS510では、PCからの出力先変更に関しての了承がなされたか否かを判断し、了承されなかった場合(no)、処理をステップS508に戻し、印刷要求が設定するデフォルト設定の機器を出力先として選択し、出力させる。一方、ステップS510で、要求発行元が出力先の変更を了承した場合(yes)、ステップS511で、機器セットに登録されている機器のうち動作状態にある機器を出力先として選択し、設定する。ステップS512では、設定した機器のプリンタドライバを呼び出し、出力データを作成し、出力先の機器に宛ててネットワーク110を介して出力データを送付して出力させる。その後図5の処理は、処理を再度ステップS501に戻し、以後の印刷要求の受領を待機させる。
【0058】
図6は、本実施形態で、図5の処理のステップS509で要求発行元のPCに表示されるGUI600の実施形態を示す。図6に示したGUI600には、PCのユーザが使用しているアプリケーションの印刷ウィザードから、印刷を実行させた場合に表示されるプリンタドライバが表示するGUI600を示す。本実施形態では、機器管理装置120は、図5に示した処理によって低CO対応の推奨機が見出されると、プリント処理中であることを示すGUI610をPCのデスクトップ画面上に表示する。
【0059】
GUI610には、PCがデフォルトで設定している機器の名称やプリントモードがフレーク620内に表示されている。また、機器管理装置120は、PCからの印刷要求を受領して図5の処理を実行し、低CO排出量の推奨機を見出すと、当該機器の機器名および機器情報200として設定することができる設置位置などをPCに通知する。PCは、プリンタドライバのプラグインプログラムを起動し、機器名および設置場所などをポップアップウィンドウ630として表示させている。
【0060】
ポップアップウィンドウ630には、低カーボン推奨機が近くにあること、および設置場所や機種名などが表示されていて、PCのユーザがデフォルト設定以外の機器から出力しても、出力物にアクセスできるようにされている。また、さらに他の実施形態では、フレーム640内に、推奨機器が設置されているレイアウト図などを表示させ、よりアクセスを容易にすることもできる。
【0061】
図7は、第2の実施形態の機器管理装置720を含む機器管理システム700の実施形態を示す。図7に示した機器管理システム700は、ネットワーク710と、ネットワーク710に接続されたプリンタといった機器760とを含んでいる。機器管理装置720は、プリンタサーバなどの中継装置を使用することなく、ネットワーク710に接続された機器760に対して直接出力を指令する、いわゆるP2P(peer to peer)型のプリンタネットワークとして実装されている。機器管理装置720は、機器760に対してピアノードまたはネットワーク710がワイヤレスLANを含む場合、アドホックノードとして機能する。
【0062】
すなわち、図7に示した機器管理装置720は、ネットワーク710に対して印刷要求を送付するPCとして実装され、機器情報取得部724、環境負荷計算部730、機器監視部726は、PCの機能モジュールとして構成されている。なお、さらに他の実施形態では、図7に示した出力先制御部732をプリンタドライバ728のプラグインモジュールとして実装してもよい。図7に示した機器管理装置720は、図7に示した機能モジュール以外にも、各種のアプリケーションを実装するが、図7には、本実施形態に関連する機能モジュールのみを示す。
【0063】
図7に示し機器管理装置720は、ネットワークインタフェース722を介してLANなどのネットワーク710と相互通信を行っており、機器情報取得部724、機器監視部726、環境負荷計算部730、および出力先制御部732は、図1、図4、図5に示した各機能部および処理を使用して機器情報を取得し、機器の状態を監視し、低CO排出の機器を選択する。また、図7に示した機器管理装置720は、ユーザが直接ディスプレイ装置770などのユーザインタフェース装置から特定のアプリケーションを起動し、処理を実行し、実行結果を出力させるため、ディスプレイ装置770に表示されたGUIから印刷を指令する。
【0064】
アプリケーションは、印刷の指令を受領すると、UI制御部740がイベントを解釈して出力先制御部732を起動する。出力先制御部732は、アプリケーションから指令されたプリンタドライバと、推奨されるべき機器のプリンタドライバの識別値とを比較し、不一致の場合、図6に示したGUIをディスプレイ装置770のデスクトップに表示し、ユーザの承認を待機する。この間、印刷するべき印刷データは、適切なバッファメモリにバッファリングされている。なお、出力先管理部732は、機器毎にインストールされるプリンタドライバ728それぞれのモジュールとすることができるが、どのプリンタドライバ728でも共通して利用できるように、プラグインモジュールとして実装することもできる。
【0065】
ユーザからの承認または非承認のイベントを受領すると、出力先制御部732は、デフォルト設定の機器のプリンタドライバ728または推奨するべき機器のプリンタドライバ728のインスタンスを生成してRAWデータまたはEMF(Enhanced Meta-File)として出力データを生成させ、ポートモニタなどを通して、機器760に出力データを送付し、印刷を実行させる。
【0066】
以上の説明したように、本発明によれば、ネットワークに接続された機器の中から低CO排出量の機器を選択し、ユーザの負担を最小限として推奨機器による印刷を誘導することができるので、ユーザによる最小の操作で消費電力および低CO排出量の削減を行うことができる。
【0067】
また、本発明によれば、UDPパケットのコリジョンなどによってパケットロスが発生し、リアルタイムの機器情報が取得できない場合にでも、強制遷移処理によって、機器の動作状態が省エネモードに設定されるので、実際には省エネモードにある機器であって、その状態が反映されていない場合であっても省エネモードからの復帰を伴う出力動作を回避することができ、より高効率に低CO排出量の機器を選択して出力を指令することが可能となる。また、パケットのコリジョンは、IEEE802.xIEEE802.x規格の無線LAN、IrDA、またはBluetooth(登録商標)を含むワイヤレスLANなどにおいても発生しがちである。このため、本発明の機器管理装置、機器管理システム、機器管理方法、プログラムは、イーサネット(登録商標)やIEEE802.xIEEE802.x規格の無線LAN、IrDA、またはBluetooth(登録商標)を含むワイヤレスLANなどが混在するネットワークにおいても好ましく適用することができる。
【0068】
本実施形態の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Script(登録商標)、Perl、Ruby、Pythonなどのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本発明のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0069】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
100…機器管理システム、110…ネットワーク、120…機器管理装置、122…ネットワークインタフェース、124…ドライバ管理部、126…機器情報取得部、128…機器監視部、130…印刷要求取得部、132…環境負荷計算部、134…出力先制御部、140…UI制御部、150…記憶装置、200…機器情報、300…機器情報リスト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2003−131763号公報
【特許文献2】特開2002−278378号公報
【特許文献3】特開2003−232819号公報
【特許文献4】特開2004−85985号公報
【特許文献5】特開2006−322761号公報
【特許文献6】特開2007−318401号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された機器の電力消費を管理する機器管理装置であって、前記機器管理装置は、
前記ネットワークを介して前記ネットワークに接続された機器の消費電力を参照可能とする機器情報を取得する機器情報取得手段と、
前記機器情報取得手段が取得した前記機器情報を使用して前記機器の消費電力およびCO排出量を計算する環境負荷計算手段と、
前記機器の動作状態を監視する機器監視手段と、
印刷データおよびデフォルト出力先を含む印刷要求を受領し、前記デフォルト出力先を抽出する印刷要求取得手段と、
前記機器情報取得手段が取得した前記機器情報に対して前記機器監視手段が取得した動作状態を状態情報として追加し、前記印刷要求取得手段が抽出した前記デフォルト出力先よりも環境負荷の小さな前記機器を選択し、前記デフォルト出力先または選択された前記環境負荷の小さな前記機器に対応する出力データを作成して前記ネットワークを介して送付させる出力先管理手段と
を含む機器管理装置。
【請求項2】
前記消費電力およびCO排出量は、TEC値およびipmの値を使用して計算される、請求項1に記載の機器管理装置。
【請求項3】
前記機器監視手段は、前記機器が、管理対象の前記機器が外部からの要求に応じて動作を開始させる状態である省エネモードにあるか、または前記機器の動作終了後、次の印刷要求などに対応するために、スタンバイしている状態または印刷を実行している状態である動作モードにあるかを動作状態として監視して、前記動作状態を前記状態情報として設定し、前記状態情報は、前記動作モードおよび前記省エネモードの2状態で遷移し、前記動作モードに対応する状態情報は、前記機器が省エネモードへ遷移することを通知する休止通知または構成遷移タイマの満了により状態を遷移させる、請求項1または2に記載の機器管理装置。
【請求項4】
前記出力先管理手段は、前記デフォルト出力先または選択された前記環境負荷の小さな機器を選択する指令を受領し、前記指令に対応する出力データを作成させるプリンタドライバを呼び出す、請求項1に記載の機器管理装置。
【請求項5】
前記出力先管理手段は、前記環境負荷の小さな機器の選択に失敗した場合、前記指令の受領を待機することなく前記デフォルト出力先に対応した出力データを作成させる、請求項4に記載の機器管理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項の記載の機器管理装置と、ネットワークに接続された複数の機器とを含む機器管理システム。
【請求項7】
前記機器管理システムは、前記機器管理装置が前記機器に対する印刷要求を管理するサーバ・コンピュータである、請求項6に記載の機器管理システム。
【請求項8】
前記機器管理システムは、前記機器管理装置が前記機器に対してP2P接続されたピアノードまたはアドホックノードを形成する、請求項6に記載の機器管理システム。
【請求項9】
ネットワークに接続された機器の電力消費を管理する機器管理装置が実行する機器管理方法であって、前記機器管理方法は、
前記ネットワークを介して前記ネットワークに接続された機器の消費電力を参照可能とする機器情報を取得するステップと、
取得した前記機器情報を使用して前記機器の消費電力およびCO排出量を計算するステップと、
前記機器の動作状態を監視するステップと、
印刷データおよびデフォルト出力先を含む印刷要求を受領して、前記デフォルト出力先を抽出し、取得した前記機器情報に対して前記監視により取得した動作状態を状態情報として追加するステップと、
前記機器情報を参照し、抽出した前記デフォルト出力先よりも環境負荷の小さな前記機器を選択するステップと、
前記デフォルト出力先または選択された前記環境負荷の小さな前記機器に対応する出力データを作成して前記ネットワークを介して送付させるステップと
を実行する機器管理方法
【請求項10】
前記消費電力およびCO排出量を計算するステップは、TEC値およびipmの値を使用して前記消費電力およびCO排出量を計算するステップを含む、請求項9に記載の機器管理方法。
【請求項11】
前記監視するステップは、前記機器が管理対象の前記機器が外部からの要求に応じて動作を開始させる状態である省エネモードにあるか、または前記機器の動作終了後、次の印刷要求などに対応するために、スタンバイしている状態または印刷を実行している状態である動作モードにあるかを動作状態として監視して前記動作状態を前記動作モードおよび前記省エネモードの2状態で遷移する状態情報として設定するステップと、
前記動作モードに対応する状態情報を、前記機器が省エネモードへ遷移することを通知する休止通知または構成遷移タイマの満了に応答して前記省エネモードへと遷移させるステップと
を含む、請求項9または10に記載の機器管理方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器管理装置としてコンピュータを機能させる、コンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−218418(P2010−218418A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66615(P2009−66615)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】