説明

機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するためのシステム

【課題】設備全体を顕著に効率化するためのシステムを創出する。
【解決手段】ガスタービン設備は、空気を圧縮するための圧縮機部分と、燃料を圧縮機部分の圧縮された空気と共に燃焼させて高エネルギーを有する高温ガスにする燃焼室と、高温ガスを膨張させると共に続いて圧縮機および/または発電機のための機械的エネルギーを獲得するタービン部分と、から成り、一連のユニットは、作動流体を有する閉回路であると共に当該作動流体の熱エネルギーを高める熱交換器と、作動流体を膨張させると共に続いて圧縮機および/または発電機のための機械的エネルギーを獲得する膨張機と、膨張した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、作動流体を給送するポンプと、から成り、システムは、ガスタービン設備と、一連のユニットとの結合が、圧縮機の圧縮機空気を介して熱が供給される熱交換器を用いて行われ、結合は作動流体が還流する閉回路の作動を開始させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービン設備において、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成する際の効率を高めるためのシステムに関する。当該効率の向上は、一方でガスタービン設備内に蓄積する熱を、作業を行う付加的な流体回路を結合することにより最適に使用することによって、また一方でソーラーエネルギーを当該ガスタービン設備に取り込むことによって、行われる。
【背景技術】
【0002】
従来のガスタービン設備の基本原理は以下の通りである。すなわち、外気は空気圧縮機において圧縮された後、燃焼室において燃料が供給される状態で燃焼されて、高エネルギーを有する高温ガスになり、続いて当該ガスタービン設備のタービン部分において、作業を行いながら膨張させられる。このとき得られるエネルギーの一部は空気圧縮機の駆動のために消費され、残りは電気的な有効エネルギーに変換され得る。電気的な有効エネルギーへの変換は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するためにガスタービン設備のタービン部分に接続されている発電機を介して行われる。このとき当該タービン部分には、燃焼室で生成された高温で、かつ、高圧下にある高温ガスが供給され、その後、依然として高温である当該高温ガスは、多くの実際的な応用、例えばパイプラインの圧縮機ステーションにおいて、ガスタービン設備の煙突を介して、無駄に周囲に放出される。
【0003】
増大するエネルギー需要というおよびCO排出を大幅に減少させるという目標に鑑み、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するための設備の効率を高めることが必要である。
【0004】
従来技術において長年にわたり、全体効率を増大させるために、ガスタービンと蒸気タービンとから成る併用型設備が知られている。当該併用型設備ではガスタービンの有利な特性が蒸気タービンの有利な特性と結合される。同様に数年来、ガスタービン設備においても、蒸気タービン設備においても、ソーラーエネルギーを取り入れたものが知られている。この場合、設備の構成に応じて、作動媒体と当該作動媒体にともなって生じる個々の設備構成部分の応力とについて、非常に異なるパラメータを考慮する必要があり、それによって、ソーラーエネルギーの太陽熱取り込みを行うことはそのつど、手間がかかり、したがってコストの嵩むコンセプトにつながりかねない。
【0005】
工業的に大きな規模で建設された従来の太陽熱発電施設は、いわゆるパラボリック・トラフ技術に基づいている。当該技術においてソーラーエネルギーは、サーマルオイル回路を介して、蒸気を力に変換する従来のプロセスに取り込まれるが、処理温度の上限が比較的低いために、比較的小さな処理効率しか実現されえない。
【0006】
ソーラータワーにおいてヘリオスタットを介してソーラーエネルギーを集束させることによって、処理温度の上限を著しく(およそ950℃)上昇させることができる。これによって、ガスと蒸気の併用型タービンでは、曲面鏡による技術を用いる場合よりも高い処理効率が実現され得る。しかしながらタワー式の場合、投資すべきコストが非常に大きく、加えて、多大な水不足と強い日射を有する地域に所在地があるので、他のシステムの開発は必然的であると思われる。
【0007】
上記の併用型設備において、より高い効率は、ガスタービン設備の高い排ガス温度を介してのみ実現され得る。高い排ガス温度は、熱力学上の理由から、ガスタービン設備のタービン部分への入口温度が高いことと、それに応じて当該ガスタービン設備の圧縮機部分において生成される、圧縮された燃焼空気の圧縮比が最適化されていることと、を必要とする。その結果として必然的に、ガスタービン設備のタービン部分における翼列の熱応力は高くなり、それに応じて大量の冷却空気が必要とされ、当該大量の冷却空気は通常、空気圧縮機の後で取り出されるために、全体の効率を相当減少させる結果となる。
【0008】
ガスタービン設備の入口温度が、当該ガスタービン設備の電気的な出力の大きさに対して決定的な影響を持つ一方で、当該ガスタービン設備の圧縮機部分の出口における圧力(もしくは当該ガスタービン設備の圧縮比)は効率を決定する。
【0009】
上記の点に鑑みて本発明は、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するために、より高い作業効率を実現するための、設備全体を顕著に効率化するためのシステムを創出し、同時に、上記の不利点を緩和することを課題とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の課題は、請求項1のおいて書き部によれば、ガスタービン設備と結合された閉じた作動流体回路を介して付加的な機械的出力を生じさせることにより、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するためのシステムによって解決され、請求項1に記載の特徴部分によってさらなる形成が行われる。従属請求項は有利なさらなる構成に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るシステム全体は、低い排ガス温度と、それによってまたタービン部分への低い入口温度と、圧縮機部分によって生成されるとともに高温に調節された、燃焼室のための燃焼空気(ガスタービン設備の圧縮機部分の出口における高い圧力)と、を有するガスタービン設備に基づく。それによって、特にタービン部分の翼列における高い熱応力は著しく減少され、それに応じて、圧縮機部分から取り出されるべき冷却空気量は少なくなり、それによってガスタービン設備の効率は改善される。このように低い排ガス温度で運転されるガスタービン設備は、低沸点で作業を行う作動流体回路を組み込むのに特に好適である一方、選択的にソーラーエネルギーを付加的に取り入れるのにも適している。これによって、ガスタービン設備の最適な運転を行うための、付加的な化石エネルギーに対する需要は、極めて小さく保たれ得る。理想的な場合、付加的な化石エネルギーを全く用いないことも可能である。
【0012】
従って本発明に係るシステム全体は、まずガスタービン設備に結合された作動流体回路から成り、それによって、効率をさらに増大させるための、付加的な機械的出力が実現され得る。
【0013】
閉じた作動流体回路は、作動流体を加熱するための廃熱利用式熱交換器と、作動流体ポンプと、膨張機のためのバイパス弁装置と、作動流体を膨張させるとともに機械的なエネルギーを得るための膨張機と、膨張した作動流体を凝縮するための凝縮器と、から成る。
【0014】
閉じた作動流体回路と、ガスタービンの圧縮機部分との結合は、熱交換器を介して行われるので、圧縮機空気熱は作動流体の温度および圧力の上昇を生じさせるとともに、システムを作動させる。
【0015】
圧縮機空気熱の温度が比較的小さい場合でも、閉じた作動流体回路の結合が行われ得ることは、本発明の主な特徴である。これは、組み込まれた閉回路の作動流体の沸点が低いことによって可能となる。これによってガスタービン設備において、入口温度が高いことによる上記の不利点が回避され、それによって、ガスタービン設備のタービン部分に設けられた翼列に対して必要とされる冷却空気量は、著しく低減される。通常であればガスタービン設備の圧縮機部分の出口に設けられる、冷却空気量のための取り出し箇所は、本発明に係る配置を転換させた場合、作動流体回路の結合の後に(以下においてさらに説明される熱交換器の後に)設けることもできる。それによって、冷却空気量は、その場合にすでに低下が進んでいる圧縮機空気の温度によって、さらに減少させられ得る。
【0016】
自明のガスタービン設備において、圧縮機空気熱は、ガスタービン燃焼室に、加熱され、かつ、圧力を高めた空気を供給するために用いられるので、閉じた作動流体回路と結合された熱交換器において当該空気が冷却された後に、ガスタービンの廃熱が供給される熱交換器によって、再び加熱が行われる。
【0017】
ガスタービン廃熱の温度が、設計上の理由から、上記の熱交換器の後方において高すぎる場合、付加的な閉じた低圧(ND)回路を結合させることによって、煙突に排出される排ガスの温度を下げることができる。このような低圧回路を、上記の作動流体回路である高圧(HD)回路と組み合わせることができる。
【0018】
これによって、ガスタービンのコンプレッサ部分の廃熱側によって作動開始される高圧回路であって、当該高圧回路の作動流体はまず高圧膨張機に供給され、下流において低圧膨張機に供給される高圧回路が成立する一方で、ガスタービンのタービン部分の廃熱によって作動開始される低圧作動流体回路が成立し、当該低圧作動流体回路の作動流体は、低圧膨張機のみに供給される。
【0019】
ガスタービン設備と作動流体回路との結合のほかに、本発明に係る装置は、本発明のさらなる特徴によれば、付加的に太陽熱ヒータと結合されており、当該作動流体回路と太陽熱ヒータとは互いに組み合わされて、効率が最適化されたシステム全体のさらなる展開を提示している。
【0020】
太陽熱ヒータと結合されたガスタービン設備は、ガスを圧縮するための圧縮機部分と、圧縮機空気のエントロピーを機械的な出力に変換するためのタービン部分と、を有している。ガスタービン設備の圧縮機部分とタービン部分との間に、太陽熱ヒータが設けられており、当該太陽熱ヒータは通常、圧縮機空気を加熱するために、一つまたは複数の太陽熱加熱部を含んでいる。
【0021】
不利な条件のもとで、特に曇天下や夜間において、ガスは太陽熱ヒータによって、限られた程度でしか加熱され得ない。このようなエネルギー損失を回避するために、制御装置が設けられており、太陽熱ヒータは選択的に、全体的あるいは部分的に迂回され得る。これによってガスは、太陽熱ヒータを貫流せずに、圧縮機部分から化石燃料が供給される燃焼室を介して、タービン部分に導かれる(ハイブリッド形成)。
【0022】
図面に基づいて、本発明の実施の形態を以下に説明する。図面に示すのは以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するための本発明に係るシステムの第一の実施の形態を概略的に示す図である。
【図2】機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するための本発明に係るシステムの第二の実施の形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第一の実施の形態による、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するためのシステムを、添付の図1を参照しながら以下に説明する。
【0025】
図1に示す本発明の実施の形態において、発電機(13)を介して電気的なエネルギーを生成するための機械的なエネルギーを獲得するために、ガスタービン設備(10,11,12,15,16,17,20,21,22)と結合された、作動流体回路(30,31,32,33,34,36)の、本発明に係る基本的な構成が示されている。
【0026】
ガスタービン設備は基本的に、圧縮機部分(10)と、燃焼器部分(11)と、タービン部分(12)と、を含んでおり、選択的に制御装置(20,22)を介して、当該ガスタービン設備の効率を最適化するための太陽熱ヒータ(21)が組み込まれ得る。
【0027】
作動流体回路は、作動媒体(36)としての例えばNH(アンモニア)と、膨張機(30)と、当該膨張機(30)を迂回するためのバイパス装置(34)と、凝縮器(31)と、作動流体回路と熱交換器(33)のためのポンプ(32)と、を含んでいる。
【0028】
作動流体回路による電気的なエネルギーの生成は、圧縮機空気の廃熱を熱交換器(33)を介して利用することによって行われる。これによって作動流体(36)は、温度上昇させられて、膨張機(30)に到達する。それによって、当該膨張機において行われる膨張は、発電機(13)を介して電流を生成するための機械的なエネルギーを作り出す。凝縮器(31)とポンプ(32)とを介して、作動流体回路は再び熱交換器(33)に向かって作動される。低く温度調節された作動流体(36)と比較的高く温度調節された圧縮機空気(16)との温度差が十分であれば、作動流体の第一の蒸発が行われ、それによって作動流体回路の始動プロセスが開始される。
【0029】
圧縮機空気(16)は、燃焼室(11)に燃焼空気を供給するために用いられ、熱交換器(33)によって冷却された後、ガスタービン廃熱(15)が供給される熱交換器(14)によって再び加熱され、そこで直接的に燃焼室(11)に供給されて燃焼される、またはあるいは付加的にさらに、システム全体と太陽熱ヒータ(21)との結合が行われ得る。システム全体と太陽熱ヒータとの結合は、外的な基本条件(日中、夜間、晴天、曇天)に応じて制御装置(20,22)を介して制御され得る。予熱され、かつ、高圧下にある圧縮機空気(16)を用いて燃焼室(11)内で行われる、燃料、例えば天然ガス(EG)の燃焼によって、等しい温度またはより高い温度を有する高温ガス(15)は、ガスタービン設備のタービン部分(12)に導かれて膨張させられる。それによって、発電機(13)を介して電流を生成するための機械的なエネルギーが作り出される。冷却空気量をさらに減少させるために、冷却空気(KL)は、圧縮機部分(10)の後で直接的に取り出されること(KL1)に替えて、熱交換器(33)の後でも取り出され得る(KL2)。
【0030】
本発明の第二の実施の形態による、電気的エネルギーを生成するためのシステムを、添付の図2を参照しながら以下に説明する。
【0031】
図2に示す本発明の第二の実施の形態では、第一の実施の形態の場合と異なり、発電機(13b)を介して電気的なエネルギーを生成するための機械的なエネルギーを獲得するために、ガスタービン設備(10,11,12,15,16,17,20,21,22)と結合された、作動流体回路(30a,30b,31,32a,32b,33a,33b,34a,34b,35,36a,36b)の、本発明に係るさらなる構成が示されている。しかしながら本実施の形態では、二つの作動流体回路がガスタービン設備と結合されている。
【0032】
ガスタービン設備と作動流体回路は、基本的な構成部分の点で第一の実施の形態と同等である。そのため、以下において主に、二つの作動流体回路をガスタービン設備に組み込むことのみを説明する。
【0033】
作動流体回路による電気的なエネルギーの生成は、本実施例では、熱交換器(33a)を介して圧縮機空気(16)の廃熱を利用する一方、熱交換器(33b)を介してガスタービン廃熱(15)を利用することによって行われる。それによって高圧作動流体回路と低圧作動流体回路とが区別される。高圧作動流体回路において作動流体(36a)は、高圧熱交換器(33a)を介して温度上昇させられて、高圧膨張機(30a)に到達する。それによって、当該高圧膨張機において行われる膨張は、発電機(13b)を介して電流を生成するための機械的なエネルギーを作り出す。膨張した作動流体はその後、低圧膨張機に入る前に、以下に説明される低圧作動流体回路に供給される。
【0034】
低圧作動流体回路において作動流体(36b)は、低圧熱交換器(33b)を介して温度上昇させられ、高圧作動流体回路からの膨張した作動流体(36a)とともに、低圧膨張機(30b)に到達する。それによって、当該低圧膨張機において行われる膨張は、発電機(13b)を介して電流を生成するための機械的なエネルギーを作り出す。
作動流体(36a,36b)は、凝縮器(31)を介して作動流体タンク(35)に到達し、当該作動流体タンクから、二つの作動流体回路は高圧ポンプ(32a)と低圧ポンプ(32b)を介して、再び個々の熱交換器(33a,33b)に向かってガイドされる。低く温度調節された作動流体(36a,36b)と、比較的高く温度調節された圧縮機空気(16)およびガスタービン廃熱(15)との温度差が十分であれば、高圧作動流体もしくは低圧作動流体は、作動開始され得る。
【0035】
圧縮機空気(16)は燃焼室(11)に燃焼空気を供給するために用いられ、高圧熱交換器(33a)によって冷却された後、ガスタービン廃熱(15)が供給される熱交換器(14)を介して再び加熱される。このときガスタービン設備の冷却された排ガス量(15)は依然として、低圧熱交換器(33b)を介して上記の低圧作動流体回路の結合を保持するのに十分な温度を有している。
【0036】
再び加熱された圧縮機空気(16)はここで、直接的に燃焼室(11)に供給されて燃焼される、またはあるいは付加的にさらに、システム全体と太陽熱ヒータ(21)との結合が行われ得る。システム全体と太陽熱ヒータとの結合は、外的な基本条件(日中、夜間、晴天、曇天)に応じて、制御装置(20,22)を介して制御され得る。予熱され、かつ、高圧下にある圧縮機空気を用いて、燃焼室(11)内で行われる燃料の燃焼によって、等しい温度を有する高温ガスは、ガスタービン設備のタービン(12)に導かれて膨張させられる。それによって、発電機(13a,13b)を介して電流を生成するための機械的なエネルギーが作り出される。
【0037】
上記の二つの実施例において説明されているシステムの利用は当然ながら、生成された機械的エネルギーを発電機のために利用することに限定されるものではない。むしろ、作業を行う機械を含ませることも可能である。例えば二軸式ガスタービン設備において、ガスタービン設備の圧縮機部分のための機械的な駆動出力は、部分的または全体的に、付加的に生成される膨張機の機械的なエネルギーによって使用されてもよい。従属請求項においては、圧縮機をプロセス全体に組み込むための変化形態が記載されているが、当該変化形態はさらなる実施例によって明示的に説明され、かつ、示されてはいない。しかしながら当該変化形態は既存の実施例によって容易に導き出されるものである。
【符号の説明】
【0038】
10 ガスタービンの圧縮機
11 ガスタービンの燃焼器
12 ガスタービンのタービン
13 発電機
13a ガスタービンのための発電機
13b 膨張機のための発電機
14 (圧縮機空気のための)熱交換器
15 ガスタービン廃熱(ガスタービン後の高温ガス)
15a ガスタービン廃熱(ガスタービン前の高温ガス)
16 圧縮機空気
17 (ガスタービン設備を発電機に接続する)クラッチ
17a (高圧作動流体回路を発電機に接続する)クラッチ
17b (低圧作動流体回路を発電機に接続する)クラッチ
20 制御装置
21 太陽熱ヒータ
22 制御装置
30 膨張機
30a 高圧膨張機
30b 低圧膨張機
31 凝縮器
32 (作動流体回路のための)ポンプ
32a (高圧作動流体回路のための)ポンプ
32b (低圧作動流体回路のための)ポンプ
33 (作動流体回路のための)熱交換器
33a (高圧作動流体回路のための)熱交換器
33b (低圧作動流体回路のための)熱交換器
34 膨張機のためのバイパス装置
34a 高圧膨張機のためのバイパス装置
34b 低圧膨張機のためのバイパス装置
35 作動流体タンク
36 作動流体
36a (高圧回路のための)作動流体
36b (低圧回路のための)作動流体
113 圧縮機
113a ガスタービンのための圧縮機
113b 膨張機のための圧縮機
EG 天然ガス(燃料)
KL1 圧縮機(10)の後の冷却空気取り出し箇所
KL2 熱交換器(33,33a)の後の冷却空気取り出し箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン設備と結合されたさらなる一連のユニットと、機械的エネルギーを消費する少なくとも一つの圧縮機(113,113a,113b)および/または電気的エネルギーを生成する少なくとも一つの発電機(13,13a,13b)と、から成る、機械的エネルギーおよび/または電気的エネルギーを生成するためのシステムであって、
前記ガスタービン設備は、空気を圧縮するための圧縮機部分(10)と、燃料(EG)を前記圧縮機部分(10)の圧縮された空気(16)とともに燃焼させて高エネルギーを有する高温ガス(15a)にするための燃焼室(11)と、前記高温ガス(15a)を膨張させるとともに、続いて前記圧縮機(113,113a,113b)および/または発電機(13,13a,13b)のための機械的エネルギーを獲得するためのタービン部分(12)と、から成り、
前記さらなる一連のユニットは、作動流体(36)を有する閉回路であるとともに、当該作動流体(36)の熱エネルギーを高めるための少なくとも一つの熱交換器(33)と、前記作動流体(36)を膨張させるとともに、続いて前記圧縮機(113,113a,113b)および/または発電機(13,13a,13b)のための機械的エネルギーを獲得するための少なくとも一つの膨張機(30)と、膨張した作動媒体(36)を凝縮させるための少なくとも一つの凝縮器(31)と、前記作動流体(36)を給送するための少なくとも一つのポンプ(32)と、から成る、
システムにおいて、
前記ガスタービン設備と、前記さらなる一連のユニットとの結合は、前記圧縮機部分(10)の前記圧縮機空気(16)を介して熱が供給される前記熱交換器(33)を用いて行われ、当該結合は前記作動流体(36)が還流する前記閉回路の作動を開始させることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ガスタービン設備は、前記熱交換器(33)の後に、当該熱交換器(33)によって冷却された前記圧縮機部分(10)の圧縮された空気を加熱するための、ガスタービン廃熱(15)が供給される少なくとも一つのさらなる熱交換器(14)を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガスタービン設備は、前記熱交換器(14)によって再び加熱された前記圧縮機部分(10)の空気を用いて燃料(EG)を燃焼させることにより、温度が上昇した高温ガス(15a)を生成するための燃焼室部分(11)と、当該高温ガス(15a)を膨張させることによって機械的エネルギーを生成するためのタービン部分(12)と、を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガスタービン設備は、前記燃焼室部分(11)の前に、前記圧縮機空気の温度を上昇させるための太陽熱ヒータ(21)を含んでいることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ガスタービン設備は、前記太陽熱ヒータ(21)を孤立的に、または部分的に結合または結合解除するための制御装置(20,22)を含んでいることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記さらなる一連のユニットは、少なくとも二つの熱交換器(33a,33b)と、二つの膨張機(30a,30b)と、機械的エネルギーを消費する少なくとも一つの圧縮機(113a,113b)および/または電気的エネルギーを生成する少なくとも一つの発電機(13a,13b)と、少なくとも一つの凝縮器(31)と、少なくとも一つの作動流体タンク(35)と、少なくとも二つのポンプ(32a,32b)と、から成ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
ガスタービン空気をすでに冷却した前記熱交換器(14)に対して、前記ガスタービン廃熱(15)をさらに冷却し、同時に、前記さらなる一連のユニットの前記閉回路の作動を開始させるために、前記作動流体(36b)を加熱するためのさらなる熱交換器(33b)が後置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記さらなる一連のユニットは高圧回路から成り、高圧熱交換器(33a)は前記作動流体(36a)の熱エネルギーの増大を生じさせ、その後、高圧膨張機(30a)は前記作動流体(36a)の膨張を介して、前記圧縮機(113b)の駆動および/または前記発電機(13b)のための電気的エネルギーの生成のための機械的エネルギーを生じさせることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記さらなる一連のユニットは低圧回路から成り、低圧熱交換器(33b)は前記作動流体(36b)の熱エネルギーの増大を生じさせ、その後、低圧膨張機(30b)は前記作動流体(36b)の膨張を介して、前記圧縮機(113b)の駆動および/または前記発電機(13b)による電気的エネルギーの生成のための機械的エネルギーを生じさせることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記低圧膨張機(30b)には、前記低圧回路からの前記作動流体(36b)に加えて、前記高圧膨張機(30a)において膨張した前記高圧回路の前記作動流体(36a)が供給されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記タービン部分(12)によって生成される機械的エネルギーは、少なくとも一つの発電機(13,13a)のための電気的エネルギーを生成するために用いられることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記膨張機(30,30a,30b)によって生成される機械的エネルギーは、少なくとも一つの発電機(13,13a,13b)のための電気的エネルギーを生成するために用いられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記発電機(13a)がクラッチ(17)を介して、前記ガスタービン設備の前記圧縮機部分(10)および前記タービン部分(12)と連結されている一方、前記膨張機(30a,30b)はクラッチ(17a,17b)を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記低圧膨張機(30b)も前記高圧膨張機(30a)も、前記クラッチ(17a,17b)を介して連結されている発電機(13b)のための電気的エネルギーを生成するための機械的エネルギーを供給することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
冷却空気量をさらに減少させるために、取り出し箇所(KL2)が前記熱交換器(33,33a)の後に設けられることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記膨張機(30)の故障の際、当該膨張機は前記クラッチ(17a)によって前記発電機(13)から分離され得、前記ガスタービン設備はバイパス装置(34)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記高圧膨張機(30a)の故障の際、当該高圧膨張機は前記クラッチ(17a)によって前記発電機(13b)から分離され得、前記システムはバイパス装置(34a)によって、前記低圧膨張機(30b)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記低圧膨張機(30b)の故障の際、当該低圧圧膨張機は前記クラッチ(17b)によって前記発電機(13b)から分離され得、前記システムはバイパス装置(34b)によって、前記高圧膨張機(30a)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記タービン部分(12)によって生成される前記機械的エネルギーは、少なくとも一つの圧縮機(113,113a)を駆動するために用いられることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記膨張機(30,30a,30b)によって生成される前記機械的エネルギーは、少なくとも一つの圧縮機(113,113a,113b)を駆動するために用いられることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも一つの圧縮機(113a)がクラッチ(17)を介して、前記ガスタービン設備の前記コンプレッサ部分(10)および前記タービン部分(12)と連結されている一方、前記膨張機(30a,30b)は前記クラッチ(17a,17b)を介して互いに連結されていることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記低圧膨張機(30b)も前記高圧膨張機(30a)も、前記クラッチ(17a,17b)を介して連結されている少なくとも一つの圧縮機(113b)のための機械的エネルギーを供給することを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記膨張機(30)の故障の際、当該膨張機は前記クラッチ(17a)によって前記少なくとも一つの圧縮機(113)から分離され得、前記ガスタービン設備は前記バイパス装置(34)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記高圧膨張機(30a)の故障の際、当該高圧膨張機は前記クラッチ(17a)によって前記少なくとも一つの圧縮機(113b)から分離され得、前記システムは前記バイパス装置(34a)によって、前記低圧膨張機(30b)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記低圧膨張機(30b)の故障の際、当該低圧膨張機は前記クラッチ(17b)によって前記少なくとも一つの圧縮機(113b)から分離され得、前記システムは前記バイパス装置(34b)によって、前記高圧膨張機(30a)を介してさらに運転され得ることを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−92835(P2012−92835A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231759(P2011−231759)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(510153962)マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー (65)
【Fターム(参考)】