説明

機械要素用振動監視器

機械ハウジングにある機械要素の固体伝導騒音記録用測定装置(1)であって、測定装置(1)が潤滑穴開口(16)を介して機械ハウジング(15)に取付けられ、かつ次の要素、貫通穴(3)を持つ取付けピン(2)、印刷配線板を受入れるハウジング(5,5a)、信号評価用電子部品を持つ少なくとも1つの印刷配線板(9)、少なくとも1つの振動センサ(7a)から成り、振動センサ(7a)を持つ振動センサハウジング(7)が、取付けピン(6)を潤滑穴開口(16)へねじ込む間、取付けピン(2)に対して回転可能に設けられ、取付けピン(2)のねじ込みの最終状態で振動センサハウジング(7)が、機械ハウジング(15)とねじれないように摩擦結合され、振動センサ(7a)が金属スリープ(6)に当接し、それにより固体伝導騒音が、機械ハウジング(15)から金属スリープ(6)を介して振動センサ(7a)へ直接伝達される

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、機械振動(固体伝導騒音)及び/又は温度を永続的に検出し、機械装置における変化又は障害を早期に表示するため、機械ハウジングに固定的に設置されている測定装置に関する。
【発明の背景】
【0002】
機械の状態特に機械にあるころがり軸受の状態を常に監視するため、測定装置(振動監視器)が機械に固定的に設けられる。そのためこれらの振動監視器はころがり軸受ハウジングの潤滑穴へねじ込まれて、ころがり軸受のすぐ近くで機械振動を検出する。振動監視器の分解なしにころがり軸受の再潤滑を可能にするため、振動監視器は中空の取付けピンを持っている。
【0003】
米国特許第6,236,328号明細書には、例えばこのような測定装置が記載されている。そこに示されている振動監視器の問題は、印刷配線板が取付けピンと直接結合され、振動センサが印刷配線板上に設けられていることである。印刷配線板を取付けピンに直接設けることにより、機械装置の振動が全部取付けピン従って印刷配線板に伝達される。印刷配線板を取付けピンに直接取付けることにより、電子部品が永続的な振動により大きく負荷される(部品の起こり得る早期故障)。取付けピンへの印刷配線板の直接取り付けは、一方では機械振動を減衰し、他方では印刷配線板が固有振動特性を持っているので、印刷配線板上の振動センサは、減衰されるか又はゆがめられた振動のみを記録することができる。振動のこの減衰されるか又はゆがめられた振動の記録により、測定信号の解釈が極めて困難であり、機械の振動特性の変化は大ざっぱにしか検出できない。
【0004】
従って振動センサが機械振動を減衰されずに記録でき、電子部品を持つ印刷配線板が機械振動に対して大幅に保護される、測定装置を提案するという課題がある。
【発明の説明】
【0005】
本発明によれば、この課題は請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
本発明の核心は、取付けピンの外側に設けられている金属スリーブを介して、振動センサが機械ハウジングと直接結合されることである。印刷配線板は、取付けピンの周りに設けられるハウジング内に、減衰素子を介して支持されている。ハウジングは金属スリーブと結合されている。
【0007】
機械ハウジングの潤滑穴開口へ取付けピンをねじ込む間、ハウジング及び振動センサハウジングは取付けピンの周りに自由に回転する。ハウジングはこうしてねじ込みの際整列されるので、場合によってはケーブル接続部又は光学表示器は特定の方向に向く。こうして機械操作者又は保守者は、これらの表示素子を読取ることができる。(最終状態で)取付けピンを締める際、金属スリーブが振動センサハウジングへ押付けられ、こうして振動センサを金属スリーブと接触させる。それにより機械ハウジングと金属スリーブと振動センサとの間で固体伝導騒音のための直接結合が行われる。同時に測定装置のハウジングは最終状態で摩擦結合でねじれないように固定される。
【0008】
本発明が図により説明される。
【図の詳細な説明】
【0009】
図1には振動監視器又は測定装置1が示されている。取付けピン2は、そのねじ部分4を、機械ハウジング15の潤滑穴開口16へねじ込まれる。そのためスパナ係合部4aを持つ取付けピン2がねじ込まれる。取付けピンをねじ込む間に、ハウジング5,5a及び振動センサハウジング7は取付けピン2の周りに回転可能である。取付けピン2のねじ込みの最終状態で、振動センサハウジング7が取付けピン2の突起8に当接するまで、金属スリーブが振動センサハウジング7へ押付けられる。金属スリーブ6は、更に相対回転しないように測定装置1の下部ハウジング部分5と直接結合される。取付けピンの締付け後、ハウジングの下部5が、機械ハウジング15に、摩擦で相対回転しないように固定されている。上部ハウジング部分5aは下部ハウジング部分5にねじ止めされ、従って固定される。ハウジングにある減衰素子は符号13で示され、一方では両方のハウジング部分5,5aの間にあり、他方では上部ハウジング部分5aと取付けピン2との間にある。別の可能性は、減衰素子13a(Oリング)を印刷配線板9とハウジング5との間に設けることである。電子部品を持つ印刷配線板9は、下部ハウジング部分5内に設けられ、この例では取付けピン2に対して回転対称に構成されている。印刷配線板は下部ハウジング部分5により保持され、取付けピン2に直接結合されていない。印刷配線板9上には電池11が設けられて、接続ケーブルなしに測定装置の作動を可能にする。更に下部ハウジング部分5に切欠きが設けられ、この切欠きを通してケーブルによる給電も可能である。更にこの例では温度センサ10も設けられて、印刷配線板の外側で取付けピンへ押付けられる。印刷配線板9上の電池11は、上部ハウジング部分5aのねじ外しにより交換することができる。機械装置の作動状態は、印刷配線板9上に設けられている発光ダイオード14を介して、使用者又は監視人に表示される。これらの2つの発光ダイオード14をあらゆる側から認めることができるようにするため、上部ハウジング部分5aは透明プラスチックから製造されている。締付ける間ハウジング5,5aは取付けピン2に対して回転可能なので、ケーブル又は発光ダイオード14がよくわかるように、これらが位置するように、ハウジングを整列させることができる。測定装置を分解する必要なしに、取付けピン2の貫通穴2を通して、潤滑グリスが外部からころがり軸受ハウジングへ達することができる。
【0010】
この例では、測定装置1のハウジング5,5a、振動センサハウジング7、印刷配線板9及び金属スリーブ6は、取付けピン2の周りに回転対称に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明による実施例の断面を示す。
【符号の説明】
【0012】
1 振動監視器又は測定装置
2 取付けピン
3 取付けピンにある貫通穴
4 機械ハウジングに取付けるための取付けピンにあるねじ部分
4a 取付けピンを締付けるためのスパナ係合部
5 測定装置のハウジングの下部
5a 測定装置のハウジングの上部
6 下部ハウジング部分5に結合される金属スリーブ
7 振動センサハウジング
7a 振動センサ
8 取付けピン2にある突起
9 電子部品を持つ印刷配線板
10 温度センサ
11 電池
12 ハウジング5にあるケーブル貫通用切欠き
13 減衰素子
13a 減衰素子
14 発光ダイオード
15 機械ハウジング
16 潤滑穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械ハウジングにある機械要素の固体伝導騒音記録用測定装置(1)であって、測定装置(1)が潤滑穴開口(16)を介して機械ハウジング(15)に取付けられ、かつ次の要素、
貫通穴(3)を持つ取付けピン(2)、
印刷配線板を受入れるハウジング(5,5a)、
信号評価用電子部品を持つ少なくとも1つの印刷配線板(9)、
少なくとも1つの振動センサ(7a)
から成っているものにおいて、振動センサ(7a)を持つ振動センサハウジング(7)が、取付けピン(6)を潤滑穴開口(16)へねじ込む間、取付けピン(2)に対して回転可能に設けられ、取付けピン(2)のねじ込みの最終状態で振動センサハウジング(7)が、機械ハウジング(15)とねじれないように摩擦結合され、振動センサ(7a)が金属スリープ(6)に当接し、それにより固体伝導騒音が、機械ハウジング(15)から金属スリープ(6)を介して振動センサ(7a)へ直接伝達されることを特徴とする、測定装置。
【請求項2】
機械ハウジングの温度が温度センサ(10)を介して検出されることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
金属スリープ(6)が下部ハウジング部分(5)とねじれないように結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
取付けピン(2)を潤滑穴開口(16)へねじ込む間、ハウジング(5,5a)が取付けピン(2)に対して回転可能に設けられ、取付けピン(2)のねじ込みの最終状態でハウジング(5,5a)が、金属スリープ(6)を介して機械ハウジング(15)とねじれないように摩擦結合されていることを特徴とする、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
印刷配線板(9)と取付けピン(2)との間に減衰素子(13,13a)(例えばOリング)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項6】
機械の状態が、印刷配線板(9)上に設けられる少なくとも1つの発光ダイオード(14)を介して表示されることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。

【図1】
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【公表番号】特表2006−505771(P2006−505771A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549079(P2004−549079)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003650
【国際公開番号】WO2004/042340
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(504410561)フアーク・クーゲルフイツシエル・アクチエンゲゼルシヤフト (14)
【氏名又は名称原語表記】FAG Kugelfischer AG
【Fターム(参考)】