説明

機能デバイスの製造方法

【課題】インクジェットプリンティング法に採用でき、機能材料として、非極性あるいは極性の弱い材料を使用でき、吐出時の目詰まりを防ぎ、安定な吐出を達成し、吐出中の内容物の析出、成膜時の相分離を防ぐ組成物、これを用いて形成された、均一、均質な機能膜及びその作製法並びに有機EL素子等の表示装置及びその製造方法である。
【解決手段】本発明の組成物は、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が3以上のベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒と、機能材料とからなる構成としたものである。本発明の機能膜は、上記組成物を用いて形成したものである。本発明の表示装置は、二つの電極間に、上記組成物を用いて形成した発光材料層を具備するものである。上記表示装置は、有機EL素子等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出装置を用いる機能性材料のパターン膜形成に用いられ、安定して吐出できる組成物(吐出組成物)、及び該組成物を用いて均一な膜(機能膜)を形成する膜の製造方法、並びに前記組成物を用いて形成された発光材料層を具備する機能素子、特に発光ディスプレイ用途に有用な有機EL素子等の機能素子(表示素子)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機能材料のパターン化はフォトリソグラフィー法により行われていた。この方法はコスト的に高い、工程が複雑という欠点があるため、最近、簡便で低コスト化が可能となる吐出装置による機能材料のパターンニングが検討されている。特にインクジェットプリンティング装置を用いた方法が検討されている。
【0003】
例えば、インクジェットプリンティング装置を用いた微細パターニングの例として液晶表示体用のカラーフィルター製造の例があげられる。これは赤、緑、青の三色のインクを打ち出すノズルを有するプリンティング装置により、赤、緑、青の染料又は顔料インク等を適宜打ち分け、カラーフィルターとするものである。この製造方法に用いられるインクは、通常水溶性の極性インクである。このような水溶性のインクは、乾燥によるノズルのつまりを防ぐためにグリセリン等の溶媒を添加している例が多い。
【0004】
また、例えば、有機蛍光材料等の発光材料をインク化し、インクジェット法により当該インク(組成物)を基材上に吐出により供給し、発光材料のパターニングを行う方法を採用して、陽極及び陰極間に該発光材料の層が挟持された構造のカラー表示装置、特に発光材料として有機発光材料を用いた有機EL(エレクトロルミネセンス)表示装置の開発が行われている。
【0005】
このカラー表示装置(有機EL表示装置)の作製は、例えば以下の通りである。
【0006】
まず、蛍光材料を適当な溶媒に溶解しインク化する。このインク(組成物)を有機EL表示装置の陽極としての透明電極付き基材上の該透明電極を覆うように吐出する。ここで、電極は一面に形成されたもの、あるいは短冊状、モザイク状のパターン形状等を有するもので、電源に接続され駆動され得る構造である。続いて、インクに対する溶剤を乾燥除去して発光材料層を形成した後、この発光材料層上に、仕事関数の小さな金属、例えば銀、リチウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を適宜、蒸着やスパッタ等の方法に堆積させ、陰極を形成する。こうして、陽極及び陰極間に該発光材料の層が挟持された構造の表示装置が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のこのようなインクジェットプリンティング法によるパターンの形成法は、無製版、省資源、省力化等の非常に優れた特徴がある反面、組成物(吐出組成物)に用いる材料に制限を受ける欠点があった。
【0008】
インクジェット法では、吐出組成物の溶媒成分として、例えば、エタノール、水等の溶媒を使用するが、非極性、あるいは極性の弱い機能材料、あるいは高分子の機能材料(発光材料等)にはこれら溶媒に溶解しないものがある。さらに水や、アルコール類と反応したり、アルコール類により分解する機能材料は使用できない等の欠点がある。
【0009】
また、機能材料を溶かす溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の、非極性の材料を良く溶かす溶媒を使用した場合、沸点が低い(蒸気圧が高い)ため、乾燥し易く、ノズルの目詰まりを起こし易い欠点がある。また、吐出時あるいは吐出後、膜の形成において、溶媒の揮発により吐出組成物から気化熱を奪い、吐出組成物の温度を下げ機能材料の析出を促進することがある。その上、機能材料が多成分系の場合、相分離を起こし、不均一となり機能膜の本来の役目を果たさなくなる欠点があった。
【0010】
更に、このような簡単には使用できない、溶解度の小さな材料を無理して用い、吐出組成物の濃度を濃くした場合、析出、目詰まり等をおこす。目詰まりを阻止しようとして、濃度を薄くした場合、機能材料の特性を出すためには多数回吐出する必要があり、工程数を増やす必要がある等の欠点があった。
【0011】
本発明の目的は、従来の機能材料のパターン化の方法であるフォトリソグラフィー法に代わるインクジェットプリンティング法に採用でき、機能材料として、非極性、あるいは極性の弱い材料や、水と反応し易い反応性の材料を使用できる組成物を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、吐出時の目詰まりを防ぎ、安定な吐出を達成し、吐出中の内容物の析出、さらに吐出後の膜の形成において相分離を防ぐ組成物を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、均一な膜(機能膜)の製造方法、有機EL素子等の機能素子(表示素子)及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が3以上のベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒と、機能材料とからなることを特徴とする組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0014】
また、本発明は、前記組成物を用いて形成されたことを特徴とする膜の製造方法を提供するものである。また、本発明は、第一及び第二の電極間に、前記組成物を用いて形成された発光材料層を具備する機能素子及びその製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1図は、本発明の組成物を用いた機能性薄膜及び機能素子としての有機EL素子の製造工程を模式的に示す斜視図である。
【図2】第2図は、本発明の組成物を用いた機能素子としての有機EL素子の製造工程の一部(基板形成工程〜正孔注入/輸送層形成工程)を模式的に示す概略断面図である。
【図3】第3図は、本発明の組成物を用いた機能素子としての有機EL素子の製造工程の一部(発光層形成工程〜封止工程)を模式的に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の組成物、膜の製造方法、並びに機能素子及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0017】
本発明の組成物は、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が3以上のベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒と、機能材料とからなることを特徴とする。
【0018】
尚、ここでいう「該置換基の炭素の総数が3以上」とは、ベンゼン誘導体に置換している置換基全ての炭素の総数(和)が3以上であることをいう。従って、例えば、一つの置換基の炭素数が1又は2であるメチル基やエチル基を有するものでも、他の置換基と合わせることで炭素数が3以上となるものであれば、本発明に係る前記ベンゼン誘導体に包含される。
【0019】
本発明の組成物に用いられる前記ベンゼン誘導体は、前述の通り1以上の置換基を有するものである。この一置換基としては、全置換基の炭素の総数が3以上となるようなものであれば、特に制限はなく、例えば、直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられ、更にこれらの炭化水素基中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含有するものであってもよい。また、各置換基同士は、互いに結合して、シクロアルカン環等の環構造を形成してもよい。
【0020】
また、前記ベンゼン誘導体は、その炭素の総数が、前記の通り3以上であるが、非極性、あるいは極性の弱い機能材料の溶解性をより向上できる点で、好ましくは3〜12であり、更に好ましくは3〜6である。
【0021】
前記ベンゼン誘導体は、これを少なくとも含む溶媒として本発明の組成物に用いられる。そのような溶媒としては、前記に例示したベンゼン誘導体の1種からなる単一溶媒又は該ベンゼン誘導体の二種以上からなる混合溶媒でもよく、また、前記ベンゼン誘導体と、前記ベンゼン誘導体以外の溶媒との混合物でもよい。
【0022】
ここで、前記ベンゼン誘導体以外の溶媒としては、キシレン、トルエン等の、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が2以下(3未満)のベンゼン誘導体や、無置換のベンゼン化合物の他、炭素原子を含まない置換基で置換されたベンゼン誘導体等が挙げられる。
【0023】
本発明の組成物に用いられる機能材料としては、特に制限されるものではなく、非極性、あるいは極性の弱い材料や、水と反応し易い反応性の材料であっても使用することができる。このような機能材料としては、本発明の組成物の用途に応じた材料が用いられ、例えば、有機EL材料等の発光材料、シリカガラスの前駆体、カラーフィルター用材料、有機金属化合物等の導電性材料、誘電体あるいは半導体材料等が挙げられ、特に、有機EL材料、シリカガラスの前駆体、カラーフィルター用材料が好適である。
【0024】
本発明の組成物は、種々の用途に用いられるものであるが、特に、インクジェット法に好適に使用される。
【0025】
本発明の上記ベンゼン誘導体を必須とする組成物を使用すれば、特に、可溶となる材料の選択性が広くなり、少なくとも吐出中での乾燥が防止され、安定な吐出が可能となり、均一、均質で、微細な膜(機能膜)が得られる。この優れた膜を作製するには、前述した本発明の組成物を基材上に吐出供給打ち分けた後、該基材を熱処理(加熱)すること等により行われる。具体的には、吐出装置により基板上に、本発明の組成物を吐出打ち分けた後、基板を吐出時温度より高温に処理する方法等が挙げられる。一般的には吐出温度は室温であり、吐出後基板を加熱する。このような処理をすることにより、吐出後溶媒の揮発による温度の低下により析出した内容物が再溶解され、相分離がなく、均一、均質な膜を得ることが出来る。
【0026】
加熱処理の温度は、室温付近であまり効果がみられず、40℃以上で効果が現れる。200℃を超えると加熱した途端溶剤が蒸発し効果がなくなる。以上より加熱処理温度としては40℃〜200℃が好適である。更に好ましくは50〜200℃で加熱することにより、より均一、均質な機能膜を得ることができる。かかる加熱処理温度の設定により下記の効果が得られる。特に、インクジェット法により組成物(インク)を吐出する場合、一般に、溶媒が気化し、インク滴の温度が下がり、内容物の析出が考えられる。インクの内容物が2種以上の成分よりなる場合、均一混合系から不均一混合系に変化する場合がある。この場合、発光材料内で相分離が起こり、均一系で得られる色度、発光効率などが得られなくなる。そこで、上記温度範囲で加熱により熱処理することにより、吐出された組成物の内容物が再溶解され、より均一化するといった効果がある。
【0027】
また、膜の製造に際しては、熱処理(加熱)だけでなく、必要に応じて減圧、加圧若しくはこれらと加熱との組合せにより行うこともできる。
【0028】
例えば、減圧と加熱との組合わせとして、加熱処理後に、そのまま直ちに減圧にし、溶媒を除去することが好ましい。減圧にする際の圧力は、より均一、均質な機能膜を得ることが出来る点で、好ましくは20×10-3mmHg(Torr)以下である。この様にすることにより組成物の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことが出来る。即ち、一度再溶解した内容物が濃縮される際に一気に溶媒を除き、不均一化する前に内容物を均一に固定することにより、内容物の不均一化(相分離)は防げ、形成される発光材料の層で、所望の当初の目的とする発光強度、色度が得られる。
【0029】
また、加熱処理開始から減圧を開始する時点までの時間については、吐出量や材料の特性に応じて設定する。
【0030】
本発明の組成物をインクジェット法に適用して上記の膜(機能膜)を作製する際に使用される吐出装置としては、インクジェットプリンティング装置、ディスペンサー等が挙げられ、好ましくはインクジェットプリンティング装置である。
【0031】
また、本発明の組成物を使用すれば、特に発光ディスプレイ用途に有用な有機EL素子等の優れた機能素子が得られる。具体的には、第一及び第二の電極間に、前述した本発明の組成物を用いて形成した発光材料層を具備する表示装置(好ましくは、前記第一の電極と前記発光材料層との間に、更に、正孔注入/輸送層を設けてなるもの)が得られる。
【0032】
ここで、正孔注入/輸送層とは、正孔等のホールを内部に注入する機能を有するとともに、正孔等のホールを内部において輸送する機能をも有する層をいう。このような正孔注入/輸送層を設けることにより、特に有機EL素子の発光効率、寿命等の素子特性が向上するため好ましい。
【0033】
尚、機能素子としては、有機発光材料を用いた薄い、軽い、低消費電力、高視野角というマルチカラーの表示素子、例えば、上記有機EL素子のほか、複数の画素を有し、各画素に薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が設けられたディスプレイ等が挙げられる。
【0034】
この優れた機能素子としての表示装置を製造するには、第一の電極を有する基材上に、前述した本発明の組成物を選択的に供給し、好ましくは加熱、又は減圧、加圧若しくはこれらと加熱との組合せによる処理を施して発光材料層パターンを形成し、続いて該発光材料層パターン上に第二の電極を形成すること(好ましくは、第一の電極を有する前記基材上に、極性溶媒を含む溶液を用いてインクジェット法により正孔注入/輸送層を形成した後、該正孔注入/輸送層上に、特に好ましくは非極性溶媒を用いた溶液を用いて前記発光材料層パターンを形成すること)等により行われる。このようにして、優れた有機EL素子等を得ることができる。
【0035】
上記機能素子における本発明の組成物を用いた機能膜としての発光材料層は、前記の膜(機能膜)の製造方法に準じて形成することが好ましい。
【0036】
また、正孔注入/輸送層の形成する場合に用いられる、極性溶媒を含む溶液(組成物)としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体や、ポリスチレンスルホン酸等の成分を、α−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類等の極性溶媒に配合したもの等が挙げられる。このような極性溶媒を用いることにより、ノズル詰まりなく安定吐出ができ、成膜性に優れるため好ましい。
【0037】
以下、本発明の組成物を、その好ましい実施形態に基づいて詳述する。
【0038】
〔第1実施形態〕
本発明の組成物の第1実施形態は、吐出装置を用いる機能材料のパターン膜形成に用いられる組成物であって、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素数の総数が3以上のベンゼン誘導体を少なくとも含む溶媒と機能材料よりなる組成物である。
【0039】
本実施形態によれば、非極性又は極性の弱い機能材料を良好に溶解でき、機能材料の選択性を広げるとともに、特に蒸気圧が相対的に低い溶媒を使用する場合には、遅乾性の観点から、溶媒吐出時の目詰まりを防ぎ、安定した吐出を可能とし、特に後の加熱、又は加圧や加熱直後の減圧等の処理を加熱と組合せることにより、吐出後成膜時における内容物の析出、相分離の防止を達成することができるという効果を奏する。
【0040】
第1実施形態に適合する、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素数の和が3以上のベンゼン誘導体を少なくとも含む溶媒としては、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ブチルベンゼン、テトラリン、テトラメチルベンゼン等の単一溶媒、あるいはこれらの溶媒の混合溶媒が考えられる。あるいはこれら単一溶媒、または混合溶媒に適宜、キシレン、トルエン、ベンゼン等を加えても良い。ここに例示したような単一溶媒、あるいは混合溶媒を用いることにより非極性、あるいは極性の弱い機能材料を溶解した組成物が可能となる。つまり、材料の選択性が広まる。また、このような単一溶媒、あるいは混合溶媒を用いることにより、目詰まりを防ぐことが出来る。
【0041】
第1実施形態の組成物に用いられるベンゼン誘導体の沸点は、200℃以上であることが好ましい。このような溶媒には、ドデシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、ジペンチルベンゼン、ペンチルベンゼン等がある。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮発を一層防ぐことができ、尚好適である。
【0042】
第1実施形態の組成物に用いられるベンゼン誘導体としては、ドデシルベンゼンであることが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異性体の混合物でも良い。
【0043】
この溶媒は、沸点300℃以上、粘度6mPa・s以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももちろん良いが、他の溶媒に加えることにより、組成物の乾燥を防げ、好適である。また上記溶媒のうちドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶媒を加えることによる粘度調整もできるため非常に好適である。
【0044】
第1実施形態に適合する機能材料としては、有機EL材料を考えることができる。特に、極性が無いか、極性の弱い材料よりなる有機EL材料であることが好ましい。例えば(ポリ)パラフェニレンビニレン系、ポリフェニレン系、ポリフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系の誘導体よりなるEL材料、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料等も考えることができる。例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等も使用可能である。また、有機EL表示体の周辺材料である電子輸送性、ホール輸送性材料に対しても使用可能である。
【0045】
また、第1実施形態に適合する機能材料としては、前記有機EL材料の他に、半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質であるポリシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料等も考えられる。
【0046】
更に、第1実施形態の組成物を形成する機能材料としては、カラーフィルター用材料であることも好ましい。該カラーフィルター用材料としては、例えば、スミカレッドB(商品名、住友化学製染料)、カヤロンフアストイエローGL(商品名、日本化薬製染料)、ダイアセリンフアストブリリアンブルーB(商品名、三菱化成製染料)等の昇華染料を各種選択できる。
【0047】
更にまた、機能材料として有機金属化合物を用いても良い。あるいは前記溶媒に溶解するものであれば、どのような機能材料でも組成物としては使用可能である。
【0048】
第1実施形態の組成物を使用することにより、吐出装置を用いる機能材料のパターン膜等の機能膜を作製することができる。かかる機能膜の作製法は、前記の膜の製造方法に従って行うことができる。即ち、第1実施形態の組成物を基材上に吐出供給打ち分けた後、該基材を好ましくは40℃〜200℃で加熱処理することにより機能膜を得ることができる。特に、第1実施形態においては、この加熱処理温度を50〜200℃とすることにより、より均一、均質な機能膜を得ることが出来るため更に好ましい。また、第1実施形態においては、高温処理の時に、加圧しながら加熱することが好ましい。この様にすることにより、加熱時の溶媒の揮発を遅らすことが出来、内容物の再溶解が更に完璧になる。その結果、より均一、均質な機能膜を得ることが出来る。加圧する際の圧力は、更に均一、均質な機能膜を得ることが出来る点で、好ましくは1520〜76000mmHg(2〜100気圧)である。
【0049】
また、第1実施形態の組成物の加熱処理においては、組成物が完全に乾燥する前に、前述のように減圧等により溶媒を除去することが好ましい。
【0050】
第1実施形態の組成物を適用できる吐出装置としては、インクジェットプリンティング装置、ディスペンサーなどを用いることが出来るが、インクジェットプリング装置がその微細さ、正確さにより好ましく、該インクジェットプリンティング装置を用いることにより微細な機能膜が簡便、かつ低コストで製造できる。
【0051】
第1実施形態の組成物を使用することにより、前述した機能素子として有用な有機EL素子等の表示装置(好ましくは前記第一の電極と前記発光材料層との間に、正孔注入/輸送層を設けてなる表示装置)を好適に得ることができる。
【0052】
〔第2実施形態〕
本発明の組成物の第2実施形態は、ドデシルベンゼンを少なくとも含む溶媒と、下記化合物1乃至5の少なくとも1種のフルオレン系高分子誘導体とを含有する組成物である。即ち、第2実施形態は、本発明の組成物において、第2実施形態に適合する、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素数の和が3以上のベンゼン誘導体を少なくとも含む溶媒として、ドデシルベンゼンを少なくとも含む溶媒を用い、第2実施形態に適合する機能材料として、化合物1乃至5の少なくとも1種のフルオレン系高分子誘導体を用いたものである。
【0053】
本実施形態は、前述した第1実施形態のより好ましい形態であり、ドデシルベンゼンといった蒸気圧の低い溶媒を使用しており、遅乾性の観点から、溶媒吐出時の目詰まりを防ぎ、安定した吐出を可能とし、特に好ましくは後述する加熱及び加圧又は加熱直後の減圧により相分離なく均一な膜を得ることができるという効果を奏する。
【0054】
本実施形態は上記のように第1実施形態のより好ましい形態であるため、本形態の項で特に詳述しない点に関しては、前記第1実施形態について詳述したことが適宜適用される。
【化1】

【0055】
第2実施形態について詳述する。当該実施形態の組成物は、その溶媒としてドデシルベンゼンを使用することにより、当該組成物をインクジェット法によりパターン形成する際のインク組成物として用いる場合、当該ドデシルベンゼンの遅乾性効果が発現されるため、インクジェットヘッドからの吐出時の過度の乾燥が防止され、特にインクジェットヘッドにおける目詰まりを防ぐことができる。また、吐出後も被吐出材上に吐出物が液状で残存し、加熱等の後処理が可能になる。更に、上記特定の構造のフルオレン系高分子誘導体(化合物1〜5)は、発光材料として配合され、発光強度が強く、また極性が弱いためドデシルベンゼンに対して溶解性が良好であり、この発光材料と溶媒との組み合わせによれば、特に有機EL表示装置の構成部材として良好にパターニング可能である。
【0056】
第2実施形態の組成物においては、溶媒として、ドデシルベンゼンに、発光材料を溶解し得る種々の第二溶媒を混合して用いることができる。好ましくは、沸点140℃以上の溶媒を混合して用いる。かかる沸点140℃以上の第二溶媒としては、シメン、テトラリン、クメン、デカリン、ジュレン、シクロヘキシルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ジブチルベンゼン等を用いることができる。特に、ベンゼン環に炭素数3以上の置換基を有する化合物を有する溶媒を用いることが好ましい。また、テトラリン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、デカリン、ジブチルベンゼン等の沸点180℃以上の溶媒を用いることが好ましい。これらの溶媒を加えることによりインクとしての組成物の濃度、乾き速度等調節することができる。また、ドデシルベンゼンの高粘性を下げる効果もある。更に、上記180℃以上の沸点を有する溶媒としてテトラリンを用いた組成物は、その濃度を濃くできる利点がある。その他、溶媒として、トルエン、キシレン、クロロホルム、四塩化炭素等を用いることができる。
【0057】
第2実施形態に適合する機能材料としての発光材料としては、上記特定のフルオレン系高分子誘導体に加えて、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、非極性または極性の弱い材料等が好適であるが、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料等も使用できる。例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等も使用可能である。また、有機EL表示装置を構成するホール輸送材料や電子輸送材料等も適使用することが可能である。
【0058】
また、前記発光材料として、下記構造を有する化合物(6)を加えてもよい。
【化2】

【0059】
第2実施形態の組成物を使用することにより、前記の第1実施形態と同様に、前述した機能素子として有用な有機EL素子等の表示装置(好ましくは前記第一の電極と前記発光材料層との間に、正孔注入/輸送層を設けてなる表示装置)を好適に得ることができる。
【0060】
第2実施形態の組成物を使用して前記発光材料層を作製するに際しては、例えば、前述のように、該組成物を吐出装置により基板上に吐出打ち分けた後、基板を吐出時温度より高温(好ましくは40℃〜200℃)に加熱処理する。加熱処理工程は、高温で行うほどよいが、低沸点溶媒を用いた場合、吐出直後に乾燥が終了してしまいこの工程の利点が充分に得られない恐れがある。本実施形態によれば、高沸点溶媒であるドデシルベンゼンを用いているため、熱処理することにより、吐出された組成物の内容物が再溶解され、より均一化するという前述の効果が絶大となる。
【0061】
上記の組成物の加熱処理は、前記の第1実施形態の場合と同様の温度で行うことが好ましい。また、上記の組成物の加熱処理は、前記の第1実施形態と同様に、加圧下で行うことが好ましく、更に、上記の組成物の熱処理において、組成物が完全に乾燥する前に減圧等により溶媒を除去することが好ましい。
【0062】
〔第3実施形態〕
本発明の組成物の第3実施形態は、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が3以上であり且つ蒸気圧(室温、以下同じ)が0.10〜10mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒と、機能材料とからなる組成物である。即ち、第3実施形態は、本発明の組成物において、第3実施形態に適合する、1以上の置換基を有し、該置換基の炭素数の和が3以上のベンゼン誘導体を少なくとも含む溶媒として、蒸気圧が0.10〜10mmHgのベンゼン誘導体を少なくとも含む溶媒を用いたものである。
【0063】
本実施形態によれば、非極性又は極性の弱い機能材料を良好に溶解できるとともに、溶媒吐出時の目詰まりを防ぎ、安定した吐出を可能とし、かつ、吐出中の内容物の析出、吐出後成膜時における相分離の防止を達成することができるという効果を奏する。特に、上記範囲の蒸気圧の溶媒を使用すれば、ある程度乾きにくく、材料が相分離を起こさない程度に早く乾燥するといったバランスのある特性が得られ、室温での自然乾燥で相分離なく成膜がなされる。
【0064】
第3実施形態の組成物に用いられる前記の蒸気圧が0.10〜10mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒としては、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン等が挙げられ、これらのうち、特に、1,2,3,4−テトラメチルベンゼンが好ましい。
【0065】
また、前記ベンゼン誘導体としては、蒸気圧0.10〜0.50mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種と、蒸気圧0.50〜10mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種との混合物であることも好ましい。
【0066】
ここで、前記の蒸気圧0.10〜0.50mmHgのベンゼン誘導体としては、テトラメチルベンゼン又はシクロヘキシルベンゼンであることが好ましい。
【0067】
また、前記の蒸気圧0.50〜10mmHgのベンゼン誘導体としては、ジエチルベンゼン及び/又はメシチレンであることが好ましい。
【0068】
第3実施形態の組成物に適合する機能材料としては、特に制限されるものではなく、例えば、前記の有機EL材料、シリコンガラスの前駆物質等を本実施形態に適用することができるが、特に、フルオレン系高分子誘導体の少なくとも1種、とりわけ、前述した第2実施形態の組成物に用いられる前記化合物1〜5が好適である。従って、本実施形態に用いられる機能材料としては、前述した第2実施形態において説明した機能材料としての発光材料が適宜適用される。
【0069】
また、第3実施形態の組成物は、成膜後、加熱、又は加熱と減圧との組合せにより残留溶媒を除去することにより、特定の優れた素子を得ることができる。このとき、加熱温度は、40℃〜200℃、特に50〜100℃が好ましい。また、減圧時の圧力は、20×10-3mmHg以下が好ましい。また、吐出後(基板全面に吐出後)、液滴が残っていても、加熱、又は加熱と減圧との組合せの下で成膜してもよい。
【0070】
第3実施形態の組成物を使用することにより、前記の第1及び第2実施形態と同様に、前述した機能素子として有用な有機EL素子等の表示装置(好ましくは前記第一の電極と前記発光材料層との間に、正孔注入/輸送層を設けてなる表示装置)を好適に得ることができる。
【0071】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
【0072】
〔第1実施形態の実施例〕
(実施例1−1)
ITO(インジウムチンオキサイド)透明電極付きガラス基板の電極がある面側に、ポリビニルカルバゾールのテトラヒドロフラン溶液を塗布し、スピンコート法により0.1マイクロメータのポリビニルカルバゾール膜を形成した。該膜上に、インクジェットプリンティング装置を用い、ポリヘキシルオキシフェニレンビニレンのキシレン/テトラリンの0.1重量パーセント混合溶液(キシレン/テトラリン=1/4、体積比)を所定の形状に吐出した。更にこの上にアルミニウムを蒸着した。
【0073】
ITOとアルミニウムよりリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として10ボルトの電圧を印加したところ、所定の形状で橙色に発光した。従来のキシレンのみを溶媒としたインキを吐出する場合、乾燥が速く、目詰まりをおこし、すぐに使えなくなってしまったのに対し、本方法によれば目詰まりをおこすことはなくなった。
【0074】
(実施例1−2)
シメンとテトラリンの混合溶液(シメン/テトラリン=1/1)にポリシラザンの20重量パーセントキシレン溶液(東燃製)を混合溶媒に対して20体積パーセントになるように調合した。このようにして得られたポリシラザン溶液をインクジェットプリンティング装置により、プラスチック製液晶パネル面に全面濡れるように吐出し、乾燥した。反対側も同じ処理をし、両面ポリシラザン膜とした。このパネルを85℃、90パーセントの恒温恒室槽にいれ20分間放置し、シリカガラス膜とした。このパネルを取り出し乾燥したのち、2枚の偏光板が直交するように両側から張り合わせた。
【0075】
この方法によりポリシラザンの使用量がスピンコート法に比べ激減し、ほぼロスなしでシリカガラス膜が形成できた。また、液晶パネルのガス透過率が改善され液晶パネルの寿命も改善された。
【0076】
(実施例1−3)
シメンとテトラリンの混合溶液(シメン/テトラリン=1/1)にポリシラザンの20重量パーセントキシレン溶液(東燃製)を混合溶媒に対して20体積パーセントになるように調合した。このようにして得られたポリシラザン溶液をインクジェットプリンティング装置により、半導体素子形成及びアルミ配線を施したシリコン基板上に吐出し、全面塗布した。塗布後、150℃で、20分乾燥し、しかる後、水蒸気雰囲気中350℃で2時間焼成した。
【0077】
その結果、スピンコート法による場合と、略同じ特性のシリカガラスによる平坦化膜が得られた。しかし使用量は2桁程少なくなった。
【0078】
(実施例1−4)
更に本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1に示すように、モザイク状に区切られたITO(インジウムチンオキサイド)透明電極、および透明電極を囲む土手付きガラス基板の電極上に、赤、緑、青に発色する有機EL材料を溶解した下記に示す吐出組成物を各色モザイク状に配列する様インクジェットプリンティング装置により打ち分けた。固形物の溶媒に対する割合はいずれも0.4%(重量/体積)である。図1において、1はノズル、2はガラス基板、3はITO透明電極、4は土手(仕切り)、5は組成物(インク滴)をそれぞれ示す。
<吐出組成物>
溶媒 ドデシルベンゼン/テトラリン(1/1、体積比)
赤 ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2、重量比)
緑 ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青 ポリフルオレン
【0079】
吐出により得られた基板を100℃で加熱し、溶媒を除去してからこの基板上に適当な金属マスクをしアルミニウムを2000オングストローム蒸着した。
【0080】
ITOとアルミニウムよりリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として15ボルトの電圧を印加したところ、所定の形状で赤、緑、青色に発光した。従来のキシレンのみを溶媒としたインキを吐出する場合、乾燥が速く、目詰まりをおこし、すぐに使えなくなってしまったのに対し、本方法によれば目詰まりをおこすことはなくなった。また吐出後基板を加熱し内容物を再溶解したため、内容物の分離が防げ、発光スペクトル等に何ら問題はない。キシレン等の低沸点溶媒を用いた場合、吐出直後から乾燥が始まり、気化熱の除去等により内容物の析出、相分離が起こり発光スペクトルの変化が起こり、望ましくなかった。
【0081】
上記各ITO電極がTFT素子につながっておれば、現在流通している液晶ディスプレイと同様なディスプレイが有機ELにより作製できることになる。
【0082】
(実施例1−5)
実施例1−4と同様にして吐出した基板を100℃で1分乾燥した後、直ちに減圧(2mmHg)で溶媒を除去した。このようにして得られた基板を用い、実施例1−4と同様な方法によりパネルを作成し点灯したところ実施例1−4と同じような結果が得られた。
【0083】
(実施例1−6)
実施例1−4と同様にして吐出した基板をベルジャー内に設置し、チッソガスを封入し内圧を2気圧とし、100℃で乾燥、溶媒を除去した。このようにして得られた基板を用い、実施例1−4と同様な方法によりパネルを作成し点灯したところ実施例1−4と同じような結果が得られた。
【0084】
〔第2実施形態の実施例〕
(実施例2−1)
本実施例では、カラー表示装置を作製する。
本実施例におけるプロセスについても、前述した第1実施形態の実施例と同様に、図1により説明することができる。即ち、図1に示す構造では、ITO透明電極3は、ドット状パターンで形成されており、個々独立してTFT素子(不図示)に直結されて画素を形成し駆動可能である。各画素(ITO透明電極3のドット)の境界部で各画素を区画するように土手4が形成されており、ノズルから打ち出された組成物(インク組成物)5が土手4により仕切られたITO透明電極上に供給され付着する。組成物として、三色の発光材料を用いることでマルチカラーの発光ディスプレイを作製することができる。
【0085】
まず組成物(インク組成物)として下記表1に示す処方で発光材料を溶媒に対して配合して三種の組成物を調製した。発光材料としては前述した本発明で特徴的な化合物1乃至5から選択し、更に必要に応じて化合物6を用いている。
【0086】
次にインクジェット装置を用いポリイミドからなる土手4を有し、画素毎にTFTが設けられた基板(TFT基板)上に該組成物を吐出した。吐出される領域(土手4で区画された領域)の大きさは30μm×30μm、ピッチ70μmであり、組成物(インク組成物)の吐出のピッチは70μmとした。インクジェットのヘッドにおける目詰まり等を生じることなく良好に吐出がなされ、モザイク状に三種のインクが配列した基板を得ることができた。
【表1】

【0087】
この基板を窒素雰囲気中、100℃のホットプレート上で熱処理して発光層を得た。得られた発光層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更に発光層上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着し、得られた積層構造をエポキシ樹脂で封じ有機EL表示装置を得た。
【0088】
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光層に相当する色)を表示することができた。また動画の表示も可能であった。特に、Gインクを吐出した画素において、発光波長スペクトルの440nmと530nmのピーク比を測定したところ(440nm/530nm)、1.0であり、視覚的に良好に緑色が表示されていた。
【0089】
(実施例2−2)
下記表2に示す組成で発光材料を溶媒に対して配合して三種の組成物(インク組成物)を調製し、実施例2−1と同様にして、インクジェット装置を用い図1に示すようにポリイミドからなる土手4を有する基板(TFT基板)上に吐出した。吐出される領域(土手4で区画された領域)の大きさは30μm×30μm、ピッチ70μmであり、吐出のピッチは70μmとした。インクジェットのヘッドにおける目詰まり等を生じることなく良好に吐出がなされ、モザイク状に三種のインクが配列した基板を得ることができた。
【表2】

【0090】
この基板を窒素雰囲気中、100℃のホットプレート上で熱処理し発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更に発光層上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着し、得られた積層構造をエポキシ樹脂で封じ有機EL表示装置を作成した。
【0091】
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光層に相当する色)を表示するすることができた。また動画の表示も可能であった。特に、Gインクを吐出した画素において、発光波長スペクトルの440nmと530nmのピーク比を測定したところ(440nm/530nm)、1.0であり、視覚的には良好に緑色が表示されていた。
【0092】
(実施例2−3)
実施例2−1と同様にして、まず上記表1に示す組成の三種の組成物(インク組成物)を調製し、インクジェット装置を用い図1で示すようにポリイミドからなる土手4を有するTFT基板上に当該インクを吐出した。インクジェットヘッドにおいて良好に目詰まりを生じることなく、良好な吐出がなされた。
【0093】
この基板を窒素雰囲気中、100℃のホットプレート上で1分間熱処理し、すぐに減圧(水銀柱1mmHg)にし、溶媒を除去して発光層を得た。得られた発光層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更にこの上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着した。得られた積層構造をエポキシ樹脂で封じ有機EL表示装置を得た。
【0094】
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光層に相当する色)を表示することができた。また動画の表示も可能であった。特に、Gインクを吐出した画素において、発光波長スペクトルの440nmと530nmのピーク比を測定したところ(440nm/530nm)、1.8であり、より良好な緑色が表示されていた。
【0095】
(実施例2−4)
実施例1と同様にして、まず上記表1に示す組成の三種の組成物(インク組成物)を調製し、インクジェット装置を用い図1で示すようにポリイミドからなる土手4を有するTFT基板上に当該インクを吐出した。インクジェットヘッドにおいて良好に目詰まりを生じることなく、良好な吐出がなされた。
【0096】
この基板を2気圧の窒素雰囲気中、150℃のホットプレート上で1分間熱処理し、すぐに減圧(水銀柱1mmHg)にして溶媒を除去した。得られた発光層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更にこの上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着した。得られた積層構造をエポキシ樹脂で封じ有機EL表示装置を得た。
【0097】
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光材料層に相当する色)を表示することができた。また動画の表示も可能であった。特に、Gインクを吐出した画素において、発光波長スペクトルの440nmと530nmのピーク比を測定したところ(440nm/530nm)、2.0であり、より良好な緑色が表示されていた。
【0098】
(実施例2−5)
上記表2−2に示す組成において、テトラリンに替えてシクロヘキシルベンゼン100mlを配合しその他は同様に発光材料を溶媒に対して配合して3種の組成物(インク組成物)を調製し、実施例2−1と同様にして、インクジェット装置を用い図1に示すようにポリイミドからなる土手4を有するTFT基板)上に吐出した。吐出の間隔は70μmであり、モザイク状に三種のインクが配列した基板を得た。
【0099】
この基板を窒素雰囲気中、130℃のホットプレート上で熱処理した。得られた発光材料層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更に発光材料層の上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着した。
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光層に相当する色)を表示することができた。また動画の表示も可能であった。
【0100】
(実施例2−6)
実施例2−5と同様の組成で三種の組成物(インク組成物)を調製し、同実施例と同様にインクジェット装置を用い図1で示すようにポリイミドからなる土手4を有するTFT基板上に当該インクを吐出した。
【0101】
この基板を2気圧の窒素雰囲気中、180℃のホットプレート上で1分間熱処理した後直ちに減圧(1mmHg)にし溶媒を除去し発光材料層を得た。得られた発光層の膜厚は0.08〜0.1μmであった。更にこの上に弗化リチウム(100nm)、カルシウム(100nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着した。得られた積層構造の周囲をエポキシ樹脂で封じ有機EL表示装置を得た。
【0102】
各ITO透明電極(ドット)に設けられたTFT素子を10ボルトで駆動したところ、画素に所望の色(当該画素に設けられた発光材料層に相当する色)を表示することができた。また動画の表示も可能であった。
【0103】
(比較例2−1)
下記表3に示す組成で発光材料を溶媒に対して配合しの組成物(R(赤)用インク組成物)を調製し、実施例2−1と同様にして、インクジェット装置を用い図1に示すようにポリイミドからなる土手4を有する基板(TFT基板)上に吐出を試みた。しかし、インクジェットヘッドにおいて目詰まりが生じ、基板上に発光層の形成を行うことができなかった。
【表3】

【0104】
尚、本例で使用した発光材料である化合物7及び8は下記の構造を有する化合物である。
【化3】

【0105】
〔第3実施形態の実施例〕
(実施例3−1)
まず組成物として、下記表4〜9に示す処方で、機能材料(発光材料)としての高分子化合物を溶媒に配合して組成物1〜6〔各組成物につき、R(赤)、G(緑)、B(青)の三種〕を調製した。高分子化合物としては、第3実施形態に特に適合した機能材料である化合物1〜化合物5から選択して用いた。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0106】
尚、組成物1〜6に用いた溶媒の蒸気圧(室温)は次の通りである。
キシレン ;13.80
メシチレン ;1.73
1,2,3,4−テトラメチルベンゼン ;0.23
ジエチルベンゼン ;0.70
シクロヘキシルベンゼン;0.193
ドデシルベンゼン ;0.0000125
【0107】
上記組成物について、溶液安定性、吐出性及び相分離の評価を下記評価基準に従ってそれぞれ行った。それらの評価結果を表10に示す。
【0108】
溶液安定性;調製時から2日以上室温で放置したときに析出が見られるか否か(濁度変化があるか否か)により評価した。尚、G、Bの組成物については650nmにおける濁度変化、Rの組成物については700nmにおける濁度変化を見た。
○:濁度変化なし(透明溶液)
×:濁度変化あり(析出あり)
【0109】
吐出性:ピエゾ駆動のインクジェットヘッド(エプソン社製MJ−930C)からの組成物(インク)液滴の飛行を観察した。
◎:極めて良い。
○:良い(多少の飛行曲がりはあるが、パターンニングはできる)。
×:飛行曲がりやノズル詰まりが起こる。
【0110】
相分離:R、G、Bの各色パターニング後、自然乾燥した膜のPL或いはEL発光スペクトルで評価した。
○:化合物1由来の短波長スペクトルが観察されない。
×:化合物1由来の短波長スペクトルが観察される。
【表10】

【0111】
但し、組成物6については、実施例2−1〜2−6の条件と同様に、吐出後、加熱処理又は加圧下での加熱処理により、相分離は、「○」となった。
【0112】
(実施例3−2)
基板形成
以下のようにして、図2(A)に示す画素を有する基板を形成した。TFT付きの基板11上に、ITO12、SiO213及びポリイミド14をフォトリソグラフィー法によりパターン形成した。このSiO2及びポリイミドはバンク(土手)となる部分である。このとき、SiO2には28μmφの円形の開口部を設け、更にその上のポリイミドには32μmφの円形の開口部を設けることにより、これら両開口部からなる円形画素15を形成した。この画素ピッチaは、70.5μmである。SiO2及びポリイミドで仕切られた上記円形画素は、後述の有機EL材料を含有する吐出組成物をインクジェット方式によりパターンニング塗布する部分となる。
【0113】
基板のプラズマ処理
次に、円形画素が形成された上記基板に、図2(B)の矢印の方向にて、O2及びCF4の連続大気圧プラズマ処理を行った。このプラズマ処理の条件は、次の通りである。即ち、大気圧下で、パワーを300W、電極−基板間距離を1mmとした。また、O2プラズマについては、O2ガス流量を80ccm、ヘリウムガス流量を10 l/min、テーブル搬送速度を10mm/sとし、CF4プラズマについては、CF4ガス流量を100ccm、ヘリウムガス流量を10 l/min、テーブル搬送速度を5mm/sとした。
【0114】
インクジェット方式による正孔注入/輸送層の形成
表11に示す組成からなる組成物を、正孔注入/輸送層用のインク組成物として調製した。
【表11】

【0115】
図2(C)に示すように、インクジェットヘッド(エプソン社製MJ−930Cヘッド)16から、上記の正孔注入/輸送層用のインク組成物17を20plで吐出し、各画素電極上にパターニング塗布を行った。塗布後、真空(1torr)中、室温、20分という条件で溶媒を除去し、その後、大気中、200℃(ホットプレート上)、10分の熱処理により、正孔注入/輸送層18を形成した(図2(D)参照)。得られた正孔注入/輸送層18の膜厚は、40nmであった。
【0116】
インクジェット方式による発光層の形成
図3(E)及び(F)に示すように、インクジェットヘッド(エプソン社製MJ−930Cヘッド)16から、発光層用組成物19として、前記の実施例3−1で用いた表5の組成物2を20plで吐出し、B、R、Gの順で各素電極上にパターニング塗布を行うことにより、各色の発光層20を形成した(図3(G)参照)。発光層20を形成後、1Torr以下の減圧下、30分、60℃でホストベークを行った。
【0117】
電極・封止工程
発光層を形成した後、弗化リチウム(厚み:2nm)、カルシウム(厚み:20nm)、及びアルミニウム(厚み:20nm)を蒸着で形成し、電極(陰極)21とした。最後に、エポキシ樹脂22で上記電極を封じ、カラー有機ELパネル10を作製した(図3(H)参照)。
【0118】
(実施例3−3)
前記の実施例3−1で用いた表6の組成物3を用いて各色の発光層を形成した以外は、前記の実施例3−2と同様の工程によりカラー有機ELパネルを作製した。
【0119】
(実施例3−4)
前記の実施例3−1で用いた表7の組成物4を用いて各色の発光層を形成した以外は、前記の実施例3−2と同様の工程によりカラー有機ELパネルを作製した。
【0120】
(実施例3−5)
前記の実施例3−1で用いた表8の組成物5を用いて各色の発光層を形成した以外は、前記の実施例3−2と同様の工程によりカラー有機ELパネルを作製した。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上のように、本発明の組成物は、従来の機能材料のパターン化の方法であるフォトリソグラフィー法に代わるインクジェットプリンティング法に採用でき、機能材料として、非極性、あるいは極性の弱い材料や、水との反応性のある材料を使用でき、吐出時の目詰まりを防ぎ、安定な吐出を達成し、吐出中の内容物の析出、吐出後成膜時の相分離を防ぐことができるものである。
【0122】
また、本発明の機能膜は、前記組成物を用いて形成された、均一、均質で、微細なものである。また、本発明の表示装置は、前記組成物を用いて形成された発光材料層を設けてなる、特に発光ディスプレイ用途に有用な優れた有機EL素子等の表示装置である。
【0123】
また、本発明の表示装置の製造方法によれば、異なる機能を有する膜の配列を簡単に得ることが出来る。また必要部分に必要な量の材料を使うため、スピンコート法等による方法よりも材料を少なく出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の置換基を有し、該置換基の炭素の総数が3以上のベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む溶媒と、機能材料とからなることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記ベンゼン誘導体の沸点が、200℃以上である請求の範囲第1項記載の組成物。
【請求項3】
前記ベンゼン誘導体が、ドデシルベンゼンである請求の範囲第2項記載の組成物。
【請求項4】
前記ベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む前記溶媒が、沸点140℃以上の他の溶媒を含有する請求の範囲第1〜3項の何れかに記載の組成物。
【請求項5】
前記ベンゼン誘導体が、ドデシルベンゼンであり、且つ前記の沸点140℃以上の他の溶媒が、シメン、テトラリン、クメン、デカリン、ジュレン、シクロヘキシルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン及びジブチルベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種である請求の範囲第4項記載の組成物。
【請求項6】
前記ベンゼン誘導体の少なくとも1種を含む前記溶媒が、沸点180℃以上の他の溶媒を含有する請求の範囲第1〜3項の何れかに記載の組成物。
【請求項7】
前記ベンゼン誘導体の蒸気圧(室温)が、0.10〜10mmHgである請求の範囲第1項記載の組成物。
【請求項8】
前記ベンゼン誘導体が、1,2,3,4−テトラメチルベンゼンである請求の範囲第7項記載の組成物。
【請求項9】
前記ベンゼン誘導体が、蒸気圧0.10〜0.50mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種と、蒸気圧0.50〜10mmHgのベンゼン誘導体の少なくとも1種との混合物である請求の範囲第7記載の組成物。
【請求項10】
前記の蒸気圧0.10〜0.50mmHgのベンゼン誘導体が、テトラメチルベンゼンである請求の範囲第9項記載の組成物。
【請求項11】
前記の蒸気圧0.10〜0.50mmHgのベンゼン誘導体が、シクロヘキシルベンゼンである請求の範囲第9項記載の組成物。
【請求項12】
前記の蒸気圧0.50〜10mmHgのベンゼン誘導体が、ジエチルベンゼン及び/又はメシチレンである請求の範囲第9〜11項の何れかに記載の組成物。
【請求項13】
前記機能材料が、有機EL材料である請求の範囲第1〜12項の何れかに記載の組成物。
【請求項14】
前記有機EL材料が、フルオレン系高分子誘導体の少なくとも1種である請求の範囲第13項の何れかに記載の組成物。
【請求項15】
前記フルオレン系高分子誘導体が、下記化合物1乃至5の化合物である請求の範囲第14項記載の組成物。
【化1】

【請求項16】
前記機能材料が、シリカガラスの前駆体である請求の範囲第1〜12項の何れかに記載の組成物。
【請求項17】
前記機能材料が、カラーフィルター用材料である請求の範囲第1〜12項の何れかに記載の組成物。
【請求項18】
インクジェット法に使用される、請求の範囲第1〜17項の何れかに記載の組成物。
【請求項19】
請求の範囲第1〜18項の何れかに記載の組成物を基材上に供給打ち分けた後、該基材を熱処理することを特徴とする膜の製造方法。
【請求項20】
前記組成物を吐出装置により基板上に吐出打ち分けた後、基板を吐出時温度より高温に処理する請求の範囲第19項記載の膜の製造方法。
【請求項21】
高温処理の時、加圧しながら加熱する請求の範囲第20項記載の膜の製造方法。
【請求項22】
高温処理後そのまま直ちに減圧にし、溶媒を除去する請求の範囲第20又は21項記載の膜の製造方法。
【請求項23】
前記吐出装置が、インクジェットプリンティング装置である請求の範囲第20〜22項の何れかに記載の膜の製造方法。
【請求項24】
請求の範囲第1〜18項の何れかに記載の組成物を用いて形成されたことを特徴とする機能素子。
【請求項25】
前記機能素子が、表示素子である請求の範囲第24項記載の機能素子。
【請求項26】
前記表示素子は、第一及び第二の電極間に発光材料層を具備し、該発光材料層が、前記組成物を用いて形成されてなる請求の範囲第25項記載の機能素子。
【請求項27】
前記第一の電極と前記発光材料層との間に、正孔注入/輸送層を設けてなる請求の範囲第26項記載の機能素子。
【請求項28】
前記表示素子が、有機EL素子である請求の範囲第25〜27項の何れかに記載の機能素子。
【請求項29】
請求の範囲第26項記載の機能素子の製造方法であって、第一の電極を有する基材上に、前記組成物を選択的に供給し発光材料層パターンを形成し、続いて該発光材料層パターン上に第二の電極を形成することを特徴とする機能素子の製造方法。
【請求項30】
前記組成物を選択的に供給並びに熱処理し発光材料層パターンを形成する請求の範囲第29項記載の機能素子の製造方法。
【請求項31】
前記熱処理を40〜200℃の温度範囲で行う請求の範囲第30項記載の機能素子の製造方法。
【請求項32】
前記熱処理を加圧下で行う請求の範囲第30又は31項記載の機能素子の製造方法。
【請求項33】
前記熱処理において、組成物が完全に乾燥する前に減圧する請求の範囲第30〜32項の何れかに記載の機能素子の製造方法。
【請求項34】
第一の電極を有する前記基材上に、極性溶媒を含む溶液を用いてインクジェット法により正孔注入/輸送層を形成した後、該正孔注入/輸送層上に、前記発光材料層パターンを形成し、有機EL素子を得る請求の範囲第29〜33項の何れかに記載の機能素子の製造方法。
【請求項35】
前記機能素子として、有機EL素子を得る請求の範囲第29〜33項の何れかに記載の機能素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−42794(P2011−42794A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213030(P2010−213030)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【分割の表示】特願2010−28943(P2010−28943)の分割
【原出願日】平成12年3月29日(2000.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(599086607)ケンブリッジ、ディスプレイ、テクノロジー、リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE DISPLAY TECHNOLOGY LTD
【Fターム(参考)】