説明

機能化され、安全なグレージング

本発明は、第一の硬質基板(S1);第二の硬質基板(S2);1つ以上の薄膜を含み、そして該基板(S1及びS2)の間に置かれている複層を含む、1つ以上の活性なシステム(3);及び万一割れた場合に、該グレージングアセンブリの破片を保持する機能を有する1つ以上のポリマーフィルム(f1)(該フィルムは、該基板(S1)と該基板(S2)との間に置かれている):を引き続いて含むグレージングアセンブリであって、該活性なシステム(3)が、該基板(S1)の内部表面(2)上にあることを特徴とする該グレージングアセンブリに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次の2つの特性を有するグレージングに関する。
第一に、万一破損した場合には、破片(特に、ガラス破片)を保持することができるという意味で、安全なグレージングと称されるグレージングである。これは、特に、ヨーロッパ規格ECE R43又はアメリカ規格ANSI Z26.1に従うグレージングアセンブリに関する。上記グレージングアセンブリは、用語「ボールドロップ」及び「ファントムドロップ」のこれら規格に記載される2種の試験に無事合格することが好ましい。上記グレージングの最も一般的な構造は、その間に熱可塑性ポリマーのシートが置かれている、2枚の本質的に透明な(概して、ガラス)硬質基板から成る標準的な積層グレージング構造であり、このシートによって、万一破損した場合に、ガラス破片が保持される。
【背景技術】
【0002】
公知のように、熱可塑性シートを軟らかくし、そして接着性にさせるように、あるいはグレージングの種々の要素の間に残った空気を取り除くように、ラミネーションは、一般的に圧力を伴って、加熱すべき3つの組立要素が必要である。
【0003】
該グレージングはまた、中間層シートがエラストマー型の片面又は両面の接着剤ポリマーに基づいている積層グレージングであることができ、そこでは上述の加熱ラミネーション操作が不要になる。
【0004】
該グレージングは、プラスチックフィルム、特にポリビニルブチラール型の熱可塑性シートと、ポリエチレンテレフタレート(PET)型の保護ポリマーシート(ガラス型の硬質基板に接着させる)との重ね併せを含むものによって破片保持作用が得られる、安全なグレージングをも含む。上記プラスチックフィルムは、例えば、「Spalled Shield」の商品名の下、DuPont de Nemoursから販売されるか、又は3M若しくはSouthwallから他の商標名の下で販売されている。随意選択的に、このポリマーシートは電磁線に透過的でありうる。同じものが、3Mによって販売される製品に適用され、これは、少なくとも2枚の熱可塑性シート(f’1及びf’2)の複合体からなるアセンブリであり、これらの各シートの厚さ及び性質は、所望の用途によって異なる可能性がある。
第二に、本発明に従うグレージングは、有機、無機又は有機−無機ハイブリッドの性質に属しうる1種以上の薄膜及び/又は1種以上の不連続なエレメントによって、グレージングの上に付与する1種以上の機能性を有するという意味で「機能化」されている(これらのフィルム又はエレメントは、一般的に、本発明に従うグレージングの硬質基板の一つに接して置かれている)。それらは、用語「一又は複数の活性なシステム」によって、本明細書の下記に表わされる。本発明に従うグレージングは、活性なシステムを少なくとも一つ有しうる。
【0005】
本発明に有用な第一の型の活性なシステムは、一般的に、電気化学システムであり、そして詳細には、可変のエネルギー特性及び/又は光学特性を有するグレージング型の電気的に制御可能なシステムである。
【0006】
特に、電気的に制御可能なシステムによって、熱/太陽放射線の浸透、又は視界の程度を下げることを任意に加減できるグレージングを得ることが可能となる。例えば、米国特許第5239406号明細書に記載されるように、これは、ビオロゲンベースのグレージングであり、制御すべき光の透過又は吸収させる。
【0007】
エレクトロルミネセンスのシステムは、電気エネルギーを直接光に転換し、その一例が、仏国特許第2770222号明細書に記載されている。
本発明はまた、エレクトロクロミックシステムを用い、透過又は反射を操作する装置に適用されている。
エレクトロクロミックのシステムの例が、米国特許第5239406号明細書及び欧州特許第612826号明細書に記載されている。
【0008】
エレクトロクロミックシステムは、非常に広範囲に研究されている。一般的に知られているように、それらには、電解質によって分離され、そして2本の電極によって側面を守られている2層のエレクトロクロミック材料が含まれている。各エレクトロクロミック層は、電力供給の効果の下で、電荷を可逆的に注入することができ、そのような注入/放出の結果としてのそれらの酸化状態の変化によって、光学及び熱特性(例えば、酸化タングステンの場合、青色から無色外観へと変化する)の変化が生じる。
【0009】
エレクトロクロミックシステムを3つのカテゴリーに分類するのが一般的である。
−電解質が、ポリマー又はゲル状であるカテゴリー。例えば、欧州特許第253713号明細書又は欧州特許第670346号明細書に記載されるようなプロトン伝導性ポリマー、又は欧州特許第382623号明細書と、欧州特許第518754号明細書と、欧州特許明細書第532408号明細書に記載されるようなリチウムイオン伝導性ポリマー、一般的に無機の性質である他のシステムの層。
−全ての層が、基本的に無機であるカテゴリー。このカテゴリーは「総固体状態」と称されることも多い。そのような例は、欧州特許第867752号明細書、欧州特許第831360号明細書、仏国特許出願第2791147号明細書、及び仏国特許出願第2781084号明細書に見出されうる。
−全ての層が、ポリマーに基づくカテゴリー。このカテゴリーは、用語「総ポリマー」システムによって、言及されることが多い。
【0010】
「ライトバルブ」と呼ばれるシステムも存在する。それらは、微液滴が配列したポリマーベースのフィルムであり、これらの微液滴は、電場の作用の下、好ましい配列を選択できる粒子を含んでいる。この例は、国際公開第93/09460号パンフレットに記載されている。
【0011】
上記システムと同様の操作様式を有する液晶システムも存在する。それらは、2つの伝導層の間に置かれ、液晶(特に、正の誘電異方性を有するネマチック液晶)の液滴が分散されているポリマーフィルムを用いる。該フィルムが電圧下にある場合、該液晶が好ましい軸に沿って配列し、視界を確保させる。電圧がかからないと、該フィルムは光を散乱する。これらの例は、欧州特許第88126号明細書、欧州特許第268877号明細書、欧州特許第238164号明細書、欧州特許第357234号明細書、欧州特許第409442号明細書、及び欧州特許第964288号明細書に記載されている。国際公開第92/19695号パンフレットに記載されるポリマーのような、コレステリック液晶ポリマー、光透過TLを変化させる液晶システムが言及されている。
【0012】
本発明が提供する第二の型の活性なシステムは、熱又は光の作用の下、電力の供給なしで変化する特性の層又は複層に関し、サーモクロミック層、特に酸化バナジウム、サーモトロピック層及びフォトクロミック層に基づく層への言及がなされている(例は、仏国特許第2809388号明細書に与えられる)。
場合によっては、光エネルギーを電気エネルギーに変換させる光起電性システムも含まれる。
【0013】
本発明の文脈において、そして本文を通して、用語「層」は、最も広い意味に解されなければならない。該層は、等しく、無機材料及び有機種の材料、特にポリマーフィルム又はさらにゲルフィルム状でありうるポリマーからできている。特に、これはサーモトロピックゲルのケースであり、例えば、それらは、欧州特許第639450号明細書、米国特許第5615040号明細書、国際公開第94/20294号パンフレット、及び欧州特許第878296号明細書に記載されている。
【0014】
本発明が適用される別の型の活性なシステムは、太陽光線制御特性又は低放射率特性を有する層又は複層、特に、誘電体層に挟まれた1種以上の金属層、又は金属酸化物層に基づくものに関する。これらの複層は、硬質基板のひとつ上に堆積されてもよく、又はPET(ポリエチレンテレフタレート)型の軟質基板の上に堆積されてもよく、PVB(ポリビニルブチラール)型の熱可塑性ポリマーの2枚のシートの間に置かれ、2枚のガラス型硬質基板とひとつにする。これらの例を、欧州特許第638528号明細書、欧州特許第718250号明細書、欧州特許第724955号明細書、欧州特許第758583号明細書、及び欧州特許第847965号明細書に見出すことができる。
【0015】
最後に、音響抑制機能(音響減衰)、又は光学上の機能(装飾用、吸収用)を有するコーティングに言及することができる。
【0016】
上記2つの特性を有するグレージングアセンブリを発明することは単純ではない、というのは、グレージング中で破片保持機能を有するポリマーシートと、活性なシステムとの組み合わせによって、さらなる制約が生じるからである。例えば、活性なシステム(エレクトロクロミックシステム等)が、該ガラスと該挿入されたポリマーフィルムとの間の一般的な積層グレージングアセンブリに挟まれた場合、該ガラスへのポリマーフィルムの接着性が弱くなる傾向がある。従って、万一該グレージングが破壊された場合には、そのように要求される基準として、リスクが増し、該ガラスの破片の大部分は、ポリマーフィルムによって保持されることはできない。
【0017】
これを避けるため、該活性なシステムが標準的な積層グレージングアセンブリの外部表面のひとつの上に置かれ(標準的な付番方式を用いた表面1又は表面4上、その規則は次のように規定される;外部と接する基板を第一の基板S1と称し、そして内部と接する基板を第二の基板S2と称する;積層基板において、表面1=外部方向に面する第一の基板の表面、表面2=内部方向に向けられた第一の基板の表面、表面3=外部方向に向けられ、そして表面2と向かい合う第二の基板の表面、表面4=内部方向に向けられた第二の基板の表面)、従って、周囲の気圧との任意の接触からそれを保護し、そして化学的又は機械的劣化からそれを保護するための手段が提供されなければならない。従って、これは、さらなる保護基板の使用を要求する(すなわち、3枚のガラスシステム)。しかし、多くの用途では、予定通りの厚さを有するグレージングが要求され、そして常に(過度に)厚いグレージングを提供することはできない。これは、特に自動車のサンルーフのケースであり、そこで車体メーカーは、一般的に積層又は強化ガラスを設置し、該ガラスの全体の厚さは、約5mmを越えるべきではない。これは、ルーフウィンドの場合でもあり、ここで、窓枠は、事前に規定された厚さ、かつ達成すべき熱遮断性能によって与えられる厚さを有する窓のみを適合させる。
【0018】
この保護の問題を未然に防ぐため、活性なシステムが2枚の基板間に挿入されるのが一般的である。2枚の基板の間に組み込むことで、組込む者が最小化又は排除することを探している他の問題を発生させてしまう。
【0019】
一般に、該活性なシステムは、ラミネーション操作の前、そして曲げ加工及び/又は強化操作(当然ながら、該基板が、曲げ加工及び/又は強化操作を受けなければならない場合)の後に、該基板アセンブリの表面3の上に組込まれる。
【0020】
しかし、積層基板、個々に曲げ操作を受けている基板の表面3上の活性なシステムの組み込みによって、本発明が改善することを目指している他の欠点が発生することになる。
【0021】
これは、該アセンブリの表面3上の活性なシステムの組み込みが、実は、曲げ加工を生じさせる部材と接している第二の基板の表面の上で実施されることに起因する。曲げ加工操作に必要な部材と、問題となっている基板の表面との間が接触する結果、表面欠陥が問題となっている基板の表面上に必ず発生することになる。
これらの表面欠陥は、該活性なシステムと該基板の表面3との間の界面のところで、層間はく離問題を生じさせることがあり、場合によっては、該層間はく離は、完全なグレージングアセンブリの不可逆性の劣化を生じさせることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、単純化した構造体の活性なシステムを含むグレージングアセンブリを提案することによって、これらの欠点を軽減することを目指している。
【課題を解決するための手段】
【0023】
従って、本発明の主部は、下記;
第一の硬質基板;
第二の硬質基板;
1層以上を含み、第一の基板と第二の基板との間に置かれている1つ以上の活性なシステム;及び、
万一割れた場合にグレージングアセンブリの破片を保持する機能を有する1つ以上のポリマーフィルムであって、該第一の基板と該第二の基板との間におかれているフィルム、
を順に含むグレージングアセンブリであって、
該グレージングアセンブリは、該第一の基板の内部表面上にあることを特徴とする。
【0024】
該第一の基板の表面2上に活性なポイントを位置づけた結果、安全なグレージングアセンブリを製造することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施形態において、1種以上の次のアレンジメントも随意選択的に用いることができることが好ましい。
−該活性なシステムが、エレクトロクロミックシステム、ライトバルブ、ビオロゲンベースのシステム、液晶システム又はエレクトロルミネセンスの可変の光学及び/又はエネルギー特性を有する電気的に制御可能なシステムである。
−第一の基板及び第二の基板が、ガラスから作られている。
−それが、万一破損した場合に2枚の基板の間のグレージングアセンブリの破片保持機能と共に、熱可塑性ポリマー(f1)のシートを少なくとも1つ含む。
−2枚の基板とそれらの間に置くことができる全ての材料との全体の厚さ(e1+2)が、8mm以下、特に5.5mm以下、好ましくは2mm〜5mmである。
−2枚の基板とそれらの間に置くことができる全ての材料との全体の厚さ(e1+2)が、30mm以下、好ましくは6mm〜25mmである。
−2枚の基板が、実質的に同一の形状と実質的に同一の寸法とを有する。
−2枚の基板が、異なる寸法と実質的に同一の形状とを有する。
−アクティブシステムが、スクリーン印刷型の不透明な周縁コーティング(特に第一の基板の内側表面の周縁部及び/又は第二の基板の内側表面の周縁部の周囲)を備えている。
−アクティブシステムが、該基板の向かい合う表面と接している第一の周縁シールを少なくとも1つ備えている。
−アクティブシステムが、該基板の端部と接している第二の周縁シールを少なくとも1つ備えている。
−第一及び/又は第二の周縁シールを取り付け、又は押出しで得るか若しくはカプセル化で得る。
−第二の周縁シール、又は該シールが1つより多い場合にはそれらの少なくとも1つが、該第一の基板の外側表面とフラッシュ(affleurant)している。
−第一及び/又は第二の周縁シール、又は該シールが2つより多い場合にはそれらの少なくとも1つが、2枚の基板の間の凹部によって規定される開口の周縁溝を少なくとも部分的に満たしている。
−第一及び/又は第二の周縁シールが、活性なシステムの結合要素によって貫通され、そして/又は機械的な強化要素を少なくとも部分的に含む。
【0026】
詳細には、本発明の目的はまた、該グレージングアセンブリは、少なくとも2枚のガラス基板S1、S2がラミネーションによって結合されている積層グレージングアセンブリの実施形態であり、それは表面2(基板S1の)上に置かれていることが好ましい活性なシステムを備えている。従って、主に安全機能(万一、破損した場合には、破片を保持する)を提供するのは、基板S1及びS2の間の熱可塑性シートである。
【0027】
本発明の主題は、上述のグレージングアセンブリの任意の用途、特に建築物中のルーフウィンド又はカーテンウォール、そして自動車産業におけるサンルーフ(開いても開かなくても良い)、サイドウィンド、リアウィンド、又はウィンドスクリーンの一部としての用途にある。
【0028】
本発明の主題はまた、そのようにして準備される自動車であり、好ましくは、車体とフラッシュしている本発明に従う一又は複数のグレージングアセンブリを有する自動車である。
【0029】
添付図面において、図面の理解を容易にするため、あるエレメントは、実際よりも大きく又は小さく表わされている。
図2及び図3によって具体的に説明されている例は、自動車のサンルーフ1に関するものである。そこには、外部から客室内部の方向に、シリカ−ソーダ−ライム無色ガラス(薄い色をつけてもよい)から作られており、厚さが、それぞれ、2.1mm及び2.1mm等である2つのガラスS1及びS2が、順に含まれる。
【0030】
該ガラスS1及びS2は、同じサイズに属し、そして全体的に長方形の形状に属する。それらの寸法は、900×500mm2である。該ガラスS1はまた、公知のスクリーン印刷技法によって堆積された、エナメル7で周縁部付近を部分的にカバーされている。
図2及び図3中に示されるガラスS1には、総固体状態のエレクトロクロミック型の薄膜複層が含まれている。
【0031】
該ガラスS1は、厚さ0.8mmのポリウレタン(PU)から作られた熱可塑性シートf1を経由して、ガラスS2に積層されている(該シートは、エチレン/ビニルアセテート(EVA)又はポリビニルブチラール(PVB)のシートで置換することができる)。
【0032】
総固体状態のエレクトロクロミックの薄膜複層は、2つの電流コレクター2及び4の間に置かれている活性な複層3を含んでいる。該コレクター2は、表面2と接することが意図されている。導電ワイヤー5(図1中に認識できる)又は同等の装置の第一のアレイによって、コレクター4に電流がもたらされ、そして導電ワイヤー6(図1中に認識できる)又は同等の装置の第二のアレイによって、下にあるコレクター2に電流がもたらされる。
【0033】
コレクター2及びコレクター4並びに活性な複層3は、実質的に同一のサイズ及び形状、又は実質的に異なるサイズ及び形状のいずれかであることができ、従ってコレクター2及び4の経路は、構造に従って適合されるであろう。さらに、該基板(特に、S1)の寸法は、基本的に、2、4及び3の寸法よりも顕著に大きくてもよい。
【0034】
コレクター2及びコレクター4は、ITOから作られるTCO(透明導電性酸化物)型又は金属型に属するか、F:SnO2又はAl:ZnOか、又はTCO/金属/TCO型の複層でありうる。構造にもよるが、電流導線5及び6が、活性な複層3と直接接している場合には、それらを省略することができる。
【0035】
コレクター2を製造する好ましい方式は、表面2上に400nmのF:SnO2第二層に載せられている50nmのSiOC第一層を堆積することにある(該2つの層は、引き続き、切断前にフロートガラス上にCVDで堆積されることが好ましい)。
【0036】
コレクター2を製造する第二の方式は、表面2上に、厚さ約100〜600nmのITO第二層に載せられている厚さ約20nmの随意選択的にドープされたSiO2ベースの第一層(該ドープは、特にアルミニウム又はホウ素である)から成る二重層を堆積させることにある(該2つの層を、酸素の存在下、磁気強化反応性スパッタリングによって、引き続き減圧堆積させることが好ましく、随意選択的に加熱下で実施する)。
【0037】
コレクター2を製造する別の方式は、表面2上に厚さ約100〜600nmのITOから作られた単層を堆積することにある(酸素の存在下、磁気強化反応性スパッタリングによって、層を減圧堆積させることが好ましく、随意選択的に加熱下で実施する)。
【0038】
コレクター4は、厚さ100〜500nmのITO層であり、また該活性な複層の上に磁気強化反応性スパッタリングによって堆積されている。
【0039】
図1では、電流導線5は、金属シムに関連する金属ワイヤーである。この金属ワイヤーは、例えば、直径10〜100μm(好ましくは、20〜50μm)を有するタングステン(又は銅若しくはモリブデン)から作られ(随意選択的に炭素でコーティングされ、そして部分的に酸化される)、該該ワイヤーは、直線形又は波形であり、そしてワイヤー発熱(chauffants a fils)フロントガラスの分野において公知の技法によって、PUのシート上に堆積される。それらは、欧州特許第785700号明細書、欧州特許第553025号明細書、欧州特許第506521号明細書、及び欧州特許第496669号明細書等に記載されている。
【0040】
これらの公知の技法のひとつは、加熱されたプレスロールを用いることにあり、該ワイヤーをポリマーシートの表面上にプレスする。このプレスロールに、ワイヤーガイド装置を用い、送りリールからワイヤーを供給する。該金属シムは、概して50μmの全体の厚さ及び3〜8mmの幅を有する、随意選択的にスズ合金でカバーされた銅ストリップの公知の様式にある。
【0041】
別の実施形態における電流導線は、スクリーン印刷技法によって得られ、これらは、表面2のエナメル化領域の上に直接堆積される。このスクリーン印刷されたコーティング(特に銀に基づく)はまた、ITO層上に堆積されうる。導電性ペーストはまた、電流を供給するためにはたらくことができ、そしてこの場合には、表面2上に存在するエナメル層又はITO層と接する。
【0042】
図2及び図3中に示される活性な複層3は、下記の通り;
−場合によっては他の金属と合金にされた、厚さ40〜100nmの酸化イリジウムの水和物で作られた陽極のエレクトロクロミック材料の層(該層は、厚さ40〜300nmのニッケル酸化物の水和物の層で置換することができる。);
−厚さ100nmの酸化タングステンの層;
−厚さ100nmの酸化タンタルの水和物又は酸化シリカの水和物又は酸化ジルコニウムの水和物の層;及び、
−厚さ370nmの酸化タングステンの水和物に基づく陰極のエレクトロクロミックの材料の層:
に作られる。
【0043】
さらに、図1、図2及び図3に示されるグレージングアセンブリは、表面2及び表面3と接する第一の周縁シール(図示せず)を組込んでおり、この第一のシールは、外部の化学系攻撃に対するバリアを形成するために好適である。
【0044】
第二の周縁シールはS1の端部と接しており、表面4及びS2の端部は、バリアを形成するように、乗り物にアセンブリを取付ける手段と、外部と内部との間のシーリング手段とを提供し、美的な機能と強化要素を組込む手段とを提供する。
【0045】
図4、図5及び図6に示される本発明の別の実施形態は、ITO層2が、表面2の表面全体をカバーするという点で、図1、図2及び図3に示される実施形態と異なる(図4で認識可能)。
【0046】
本システムの種々のエレメント相互間のショートを避けるため、該アセンブリの一定の領域上で表面アブレーション操作を実施する必要があり、該アブレーションは、レーザーマージニング(margeage)技法等で実施される。
【0047】
特に、図4、図5及び図6は、参照数字8により、中心領域から電気的に絶縁されたITO周縁領域を形成するような、まさにITO層2のレーザーアブレーションを示している。
さらに、図4及び図5は、参照数字9により、各コレクターにショートなく電力を供給するように、活性な複層3のITO層2と、コレクター4とのレーザーアブレーションを示している。
【0048】
最後に、図4及び図6は、参照数字10により、2つの電流コレクター相互間の電気的な絶縁を提供するように、活性な複層3及びコレクター4のレーザーアブレーションを示している。
該グレージングアセンブリ1は、活性なシステムを、電源を経由して制御すべき電気コネクタを組込んでいる。これらの電気コネクタは、発熱ウィンド向けに用いられる型である。
変法に従って、該「総固体状態」の活性な複層3を、他のポリマー型のエレクトロクロミックシステムの群で置換することができる。
【0049】
従って、例えば、厚さ10〜10000nm、好ましくは50〜500nmのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から作られる(別形として、このポリマーの誘導体の1つでもありうる)、エレクトロクロミック材料(又は活性な層と称される)の層から形成される第一の部分は、電極(陽極又は陰極)又はさらに一般的には電流導線を形成する上部又は下部の伝導層でコーティングされた基板の上で、公知の液体堆積技法(スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、又はキャスティング)又は電着によって堆積される。活性な層を作成するポリマーはどんなものでも、該ポリマーは、特にUVに対して、特に安定であり、そしてリチウムイオン(Li+)又はH+イオンの注入/放出によって作動する。
【0050】
電解質として作用し、そして50nm〜2000μm(好ましくは、50〜1000μm)の厚さを有する層から形成される第二の部分は、第一の部分上で、第一の部分と第三の部分との間に、公知の液体堆積技法(スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、又はキャスティング)、又は注入成形で堆積される。この第二の部分は、酸化ポリアルキレン、特に酸化ポリエレンに基づいている。変法として、該第二の部分は、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、又は酸化タンタルの水和物等に基づく無機型電解質であってもよい。
【0051】
次いで、活性なエレクトロクロミック材料層の上に堆積され、それ自体がガラス又は同様の基板によって支持されている第二の電解質部分は、第三の部分でコーティングされ、該第三の部分の組成は、第一の部分と同様である、すなわち、この第三の部分は、電流導線(導電性ワイヤー、導電性層を加えた導電性ワイヤー、又はまさに導電性層)でコーティングされた基板で作られており、この電流導線それ自体は、活性な層でカバーされている。
【0052】
さらに別の実施形態では、得られるエレクトロクロミックの活性な複層は、自活の(auto−support)ポリマーフィルムに基づいている。
この自活のフィルムは、次のように;
エレクトロクロミック材料及び電解質の2つの層を両方組込み、そして固有の機械的性質(強度、剛性)を示すポリマーフィルムである:
と規定される。
【0053】
この自活のフィルムの第一の変法では、該フィルムは、3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDT)又はその誘導体と、酸化ポリアルキレンとの相互貫入網目と称されるさらに複雑な系に基づいている。
【0054】
相互貫入網目(又はIPN)の定義のひとつは、次の通り;
お互いに架橋された少なくとも2種のポリマーのマトリックス:
である。
これは、該相互貫入網目を作るポリマーの特性を併用するポリマーアロイである。それらは、該架橋ポリマーのからみ合いにより範囲を定められる領域の大きさが、一般的に数十nmオーダーである材料である。
【0055】
該自活のフィルムの第二の変法では、該フィルムは、3,4−エチレンジオキシチオフェン分子が、酸化ポリアルキレン網目(電解質)中で重合される、半相互貫入網目(semi−PIN)と称される、簡単な系に基づいている。酸化ポリアルキレン網目は、例えば、可変比率及び可変長において、単官能性酸化ポリエチレン(PEO)と、2官能性酸化ポリエチレンとから得られる。用語「半相互貫入網目」は、1種以上のポリマー網目と、1種以上の第二のポリマーとから成る任意のマトリックスであって、該第一の網目とからみ合うが、第二の網目を形成しないマトリックスを指している。
【0056】
この自活のフィルムの変法は何でも、そして構造の状態にもよるが、その構成と同様である、3種の明確な層(電極を形成する電気伝導層を除く)を含む系(すなわち、電解質層によって分離された、2つのエレクトロクロミック層)から、(組成の勾配を示す単層よりもさらに)界面が相対的に広がる系を含む第一の実施形態中で得られる系までの範囲にわたる複数のフィルム構造を得ることができる。やはり、1種以上の該活性な層の電気伝導性は、ワイヤーのアロイで該伝導層を十分に置き換えることができる。
従って、IPN及びsemi−IPNが製造され、その組成例は、下記の通りである。
【0057】
【表1】

【0058】
PEO/PC比は、初期モノマーのパーセンテージとして表現される。PEDTのパーセンテージは、PEOモノマーのパーセンテージに関連して表現される。PEO/PC網目の組成は、初期モノマー混合物の組成に従っている。対照的に、最終網目中のPEDTのパーセンテージは、EDTモノマーの重合時間次第である。そのようにして、IPN又はsemi−IPNの厚さは、50〜2000μm、そして好ましくは、250〜500μmで得られる。
該活性なシステムの別の実施形態では、複層3は、エレクトロルミネセンス型の活性なシステムを含んでいる。
【0059】
薄層の有機エレクトロルミネッセンス材料が、AlQ3錯体(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPVBi(4,4’−(ジフェニルビニレンビフェニル))、DMQA(ジメチルキナクリドン)又はDCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)等の、蒸着された(evaporee)分子(OLED)から作られることを、第一のファミリーは特徴とする。この場合では、追加の層は、電気的なキャリア(正孔及び電子)の輸送を有利にする、該薄膜の各表面に結合される。該追加の層は、HTL(正孔輸送層)とETL(電子輸送層)とである。さらに、正孔のHTL層への注入を改良するため、後者を、銅又は亜鉛フタロシアニン等から成るHIL(正孔注入層)と結合させる。
【0060】
第二のファミリーでは、薄層の有機エレクトロルミネセンス材料は、PPV(ポリ(para−フェニレンビニレン))、PPP(ポリ(para−フェニレン))、DO−PPP(ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン))、MEH−PPV(ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)])、CN−PPV(ポリ[2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)])、又はPDAF(ポリ(ジアルキルフルオレン))等のポリマー(pLED)から成る。該ポリマー層はまた、PEDT/PSS(ポリ(3,4−エチレン−ジオキシチオフェン/ポリ(4−スチレンスルホネート))等から成る正孔注入(HIL)を有利にする層と結合されている。
【0061】
第三のファミリーでは、無機エレクトロルミネセンス材料は、Mn:ZnS又はCe:SrS等のスルフィドの薄膜又はMn:Zn2SiO4、Mn:Zn2GeO4又はMn:Zn2Ga24の酸化物の薄膜からなる。この場合では、エレクトロルミネセンス層は、Si34、BaTiO3又はAl23/TiO2等の誘電体から製造される絶縁層に結合されている。
【0062】
第四のファミリーでは、無機エレクトロルミネセンス材料は、Mn:ZnS又はCu:ZnS等の厚いホスホル層から成り、この層は、BaTiO3等の誘電体材料から作られる絶縁層と結合されている。これらの層は、スクリーン印刷によって作成されるのが一般的である。
【0063】
エレクトロルミネセンスシステムの型はどれでも(有機又は無機、薄い又は厚い層)、特にエレクトロルミネセンス層を含む複層が、2本の電極(有機系の場合、陰極及び陽極)に結合されている。
【0064】
これらの電極は、エレクトロクロミック型の活性なシステム用に既に想定されている電極と同様である。
同様に、1種以上のガラスが、全体に薄い色をおび、特にブルー又はグリーン、グレー、ブロンズ又はブラウンの薄い色をおびることができる。
【0065】
本発明で用いられる基板は、ポリマー(PMMA、PC等)に基づくことができる。該基板は、大きく変化した幾何学的形状、正方形又は長方形だけでなく、多角形又は少なくとも部分的に湾曲形のプロファイルであることができ、円形又は波形の輪郭(円形、楕円形の「波形」等)によって規定されることができることにも留意すべきである。
【0066】
グレージングアセンブリを形成する基板の1つは不透明である、不透明にされる、又はミラーであってもよい。
該グレージングアセンブリは、図形及び/若しくは英数字のデータ表示パネル、建築物用の窓、リアビューミラー、航空機のフロントガラス若しくは機室の窓、若しくはルーフウィンド、建築物の室内又は屋外のグレージング、曲線状でありうる小売店のショーケース若しくはカウンター、塗装型の物体を保護するグレージング、防眩コンピュータスクリーン、又はガラス家具を構成することができる。
【0067】
さらに、該2枚のガラスの少なくとも1枚を、別の機能性を有するコーティングでカバーできる(場合によっては、該別の機能性は、太陽光線防護複層、付着防止複層等である)。太陽光線防護複層として、これは、スパッタリングによって堆積され、そして1層以上の銀層を含む薄膜複層であることができる。
従って、次の型;
−S1/太陽光線防護層/活性なシステム/熱可塑性プラスチック/S2;
−S1/活性なシステム/熱可塑性プラスチック/S2。
−S1/熱可塑性プラスチック/活性なシステム/熱可塑性プラスチック/S2:
の組み合わせを有しうる。
【0068】
該熱可塑性プラスチックは、PVB、PU及びEVAから選択することができる。
該太陽光線防護コーティングを、ガラスのひとつの上ではなく、PET(ポリエチレンテレフタレート)型の軟質ポリマーのシート上に堆積させることも可能である。
太陽光線防護コーティングの例として、欧州特許第826641号明細書、欧州特許第844219号明細書、欧州特許第847965号明細書、国際公開第99/45415号パンフレット及び欧州特許第1010677号明細書を挙げることができる。
【0069】
しかし、本発明の範囲から外れることなく、本発明の使用又は適用に従って、一定の適合に留意できる。
従って、建築物の用途において、電流導線5は金属ワイヤーを含まないが、この場合には、コレクター4と直接接しておかれうる他の電気伝導性ストリップ又は金属薄片(clinquant)のみから成ることができる。
【0070】
さらに、2つの基板S1及びS2のラミネーションが必要とされる構造では、次いで、ある又は他の基板が固有の機能性(上述のような、太陽光線制御、又は低放射率)の全てを提供するために用いられ、これらは、表面1又は表面4の上に堆積された複層によって提供されるか、又は表面1の上に堆積された材料によって提供される付着防止機能(親水性、疎水性、自己洗浄性コーティング)によって提供される。
【0071】
ラミネーション技法が用いられる1つの特定の用途は、航空機用を目的とする活性なグレージングから成る。
基板S1を強化した後、該活性なシステムを該基板の表面2の上に堆積させる。ITOベースの発熱層を、基板S2の表面3の上に堆積させる。活性なシステムに組込んでいる該積層グレージングアセンブリは、仏国特許第2766651号明細書等に記載されている、他の航空機型の積層グレージングアセンブリとともに用いられうる(活性なシステムなしで)。該活性なシステムに組込まれた積層グレージングアセンブリは、約−50℃の温度においてその機能性を保持し、そして加圧/減圧サイクルに耐える。
【0072】
該ラミネーション技法が出会う別の用途は、サイドウィンド、又はフロントガラス、又はリアウィンド、又はルーフ向けの強化グレージングの分野から成る。次いで、本発明の教えに従う上記構造体を、強化されたグレージング構造に組込む(国際公開第01/000403号パンフレット及び仏国特許第2764841号明細書)。
【0073】
同様に、二重のグレージング構造において、次の構造:基板(S1)/活性なシステム/ポリマーf1/基板(S2)の活性なシステムを含むグレージングが、二重のグレージングアセンブリに(特に建築分野の用途に関して)取り付けられうる。
【0074】
次いで、活性なシステムを含むグレージングアセンブリを、気体充填キャビティー(該基体は、乾燥空気、アルゴン、又はアルゴン/空気混合物である)に結合させ、そして第二のガラス又は第二の積層ガラスアセンブリに結合させる。該2つのガラスアセンブリは、脱水剤を含む金属スペーサー(概して、アルミニウムベース)によって引き離されるか、又はシーリングマスチック及び密封剤を併用した、脱水剤を含む有機スペーサーによって引き離されている。該気体充填キャビティーは、概して、厚さ6mm〜20mmである。該ガラスは、4mm〜25mmの厚さを有する。該ガラスは、各用途に特有の安全規格を満たすように強化されうる。それらは、無色であるか、全体に薄い色をおびるか、又は、特に美的な目的のために、それらの表面の一部を不透明にするコーティングでカバーされてもよい。該ラミネーションは、ガラスの間に置かれた、厚さ0.38mm又は0.76mmの、1種以上の透明、着色、又はオパール色のPVBシートを用いる公知の加熱加圧アセンブリ技法によって実施される。該第二のガラス又は該第二の積層ガラスアセンブリは、太陽光線防護機能、低放射率機能、音響減衰又は装飾機能等の追加の機能を提供しうる。
【0075】
太陽光線防護機能及び低放射率機能は、概して銀ベースの薄膜複層によって提供されるのが一般的であり、該複層は、二重のグレージングユニットの気体キャビティーと接しているガラス表面上に堆積される。該太陽光線防護機能はまた、PET型のポリマーシート上に堆積されたTCO/金属/TCO型の複層によるか、又は複層のポリマーシートの複層によって提供されることができ、次いで、これらは、第二の積層ガラスアセンブリ内へのラミネーションによって組込まれる。
【0076】
該音響減衰機能は、積層ガラス(上記積層製品は、SGG Stadip Silenceの名称の下、販売されている)の音響抑制特性を改良するために特定の処理をうけているPVBによって提供される。
【0077】
従って、次の二重ガラス構造;
−基板S1/活性なシステム/f1/S2//気体キャビティー//太陽光線防護又は低放射率機能を有する複層/ガラス;
−基板S1/活性なシステム/f1/基板S2/気体キャビティー//ガラス/PVB/太陽光線防護機能を有する複層/PVB/ガラス;
−基板S1/活性なシステム/f1/基板S2//気体キャビティー//太陽光線防護層又は低放射率機能を有する層/ガラス/PVB/ガラス;及び、
−基板S1/活性なシステム/f1/基板S2//気体キャビティー//ガラス/PVB/ガラス:
を有することが可能である。
【0078】
反射防止機能は、気体(外気、内気、又は二重グレージングの気体キャビティー)と接しているガラス基板の表面全ての上、又は所望の外観にもよるが、ある表面上のみに適用させることができる。
【0079】
上述のように、本発明は、多くの優位性を提供し、単純化した構造の安全なグレージングアセンブリを得ることができる。本発明の主題を形成するグレージングアセンブリは、基本的に、活性な複層を間にはさむ2枚の基板を含んでいる。あらかじめ、安全規格に応じるため、3枚の基板からなるグレージングアセンブリ(いわゆる3ガラスアセンブリ)の使用が必要である。さらに、活性な複層3の表面2の上の堆積によって、活性な複層用の太陽光線防護層の堆積を施すことが可能になり、該TCO層は、赤外線に対して、十分に反射する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本発明を、次の図によって具体的に説明される非限定的な例の補助を用いて、ここで詳細に記載する。
【図1】図1は、本発明の主題を形成し、表面2の正面図である。
【図2】図2は、図1のAA上の断面図である。
【図3】図3は、図1のBB上の断面図である。
【図4】図4は、別の実施形態の場合において、本発明の主題を形成し、そしてレーザーアブレーションラインを表す表面2の正面図である。
【図5】図5は、図4のDD上の断面図である。
【図6】図6は、図4のEE上の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の;
第一の硬質基板(S1);
第二の硬質基板(S2);
少なくとも1つの薄膜を含み、そして該基板(S1及びS2)の間に置かれている複層を含む、少なくとも1つの活性なシステム(3);及び
万一割れた場合に、該グレージングアセンブリの破片を保持する機能を有する、少なくとも1つのポリマーフィルム(f1)であって、該基板(S1)と該基板(S2)との間に置かれている該フィルム;
を順に含むグレージングアセンブリであって、
該活性なシステム(3)が、該基板(S1)の内部表面(2)上にあることを特徴とする該グレージングアセンブリ。
【請求項2】
該活性なシステムが、エレクトロクロミックシステム、ライトバルブ、ビオロゲンベースシステム、液晶システム又はエレクトロルミネセンスシステム型の可変の光学及び/又はエネルギー特性を有する電気的に制御可能なシステムであることを特徴とする、請求項1に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項3】
該活性なシステムが、低放射率又は太陽光線防護型の熱機能、音響減衰のコーティング型の音響抑制機能、装飾用又は吸収用のサーモクロミック又はサーモトロピック型の光学機能を有する薄膜又は薄膜複層であることを特徴とする、請求項1に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項4】
該基板(S1)と基板(S2)とが、ガラスから作られていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項5】
該基板(S1)及び基板(S2)と、それらの間に置かれることができる全ての材料との全体の厚さ(e1+2)が、8mm以下、特に5.5mm以下、好ましくは2mm〜5mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項6】
該基板(S1)及び基板(S2)と、それらの間に置かれることができる全ての材料との全体の厚さ(e1+2)が、30mm以下、好ましくは6mm〜25mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項7】
該基板(S1)及び基板(S2)が、実質的に同一の形状及び実質的に同一の寸法を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項8】
該基板(S1)及び基板(S2)が、異なる寸法及び実質的に同一の形状を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項9】
スクリーン印刷型の不透明な周縁コーティングを、特に該基板(S1)上の表面(2)の周縁部付近及び/又は該基板(2)上の表面(3)又は表面(4)の周縁部付近で、特にエナメル化領域又は導電性領域に備えていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項10】
該基板(S1)上に配置される該表面(2)の該周縁部上及び/又は該基板(S2)上に配置される該表面(3)の該周縁部上に位置するマージニングラインを少なくとも一つ備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項11】
該2つの基板の向かい合う面と接する、少なくとも第一の周縁シールを備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項12】
該基板の端部と接する、少なくとも第二の周縁シールを備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項13】
該第一及び/又は第二の周縁シールが、取り付けられるか、又は押出しによって得られるか若しくはカプセル化によって得られることを特徴とする、請求項11及び12のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項14】
該第二の周縁シール、又は該シールが1つよりも多い場合には該シールの少なくとも1つが、該第一の基板の外部表面とフラッシュしていることを特徴とする、請求項12及び13のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項15】
該第一及び/又は第二の周縁シール、又はそれらが2つのシールより多い場合にはそれらの少なくとも1つが、2枚の基板の間の凹部によって規定される開口の周縁溝を少なくとも部分的に満たすことを特徴とする、請求項10〜14のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項16】
該第一及び/又は第二の周縁シールが、該活性なシステムの結合要素によって貫通され、そして/又は機械的な強化エレメントを少なくとも部分的に含むことを特徴とする、請求項10〜15のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項17】
自動車産業用のウィンド、特にサンルーフ、又は建築物用の窓、特にルーフウィンド若しくは天窓であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項18】
ECE R43規格及びANSI Z26.1.規格の安全性試験に合格することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項19】
図形及び/若しくは英数字のデータ表示パネル、建築物用の窓、リアビューミラー、航空機のフロントガラス若しくは機室の窓、又はルーフウィンドであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項20】
建築物用の室内又は屋外の窓;
湾曲形の、小売店のショーケース若しくはカウンター陳列ケース;
塗装型の物体を保護するグレージング;
強化グレージング
防眩コンピュータスクリーン;
ガラス家具:
であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項21】
少なくとも一つの透明な、平坦又は湾曲形の、無色又は全体に薄い色をおびた、多角形の形状又は少なくとも部分的に湾曲形である基板を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項22】
不透明である、不透明にされた、又はミラーの基板を含むことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリ。
【請求項23】
場合によってはサンルーフであり、そして好ましくは、車体とフラッシュしている、請求項1〜22のいずれか一項に記載のグレージングアセンブリを備えていることを特徴とする自動車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−516147(P2007−516147A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519964(P2006−519964)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001862
【国際公開番号】WO2005/007398
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】