説明

機能的糖ペプチドの合理的設計および合成

本発明は、少なくとも1つのアミノ酸残基にグルタミンを有する、生物学的活性を有する形態のペプチドのグルタミンが糖鎖で修飾されている、糖ペプチドを提供する。さらに本発明は、以下の工程:A)少なくとも1つのアミノ酸残基にグルタミンを含む、目的とするペプチドを提供する工程;およびB)該グルタミンに糖鎖を導入する工程、を包含する機能的糖ペプチドを調製する方法を提供する。これによって、生物学的活性を有意に増強または調節することが可能となる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアミノ酸残基にグルタミンを有する、生物学的活性を有する形態のペプチドのグルタミンが、糖鎖で修飾されている、糖ペプチド。
【請求項2】
前記グルタミンは、野生型形態におけるグルタミン以外のアミノ酸残基が置換されたものである、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項3】
前記糖鎖は、スペーサーを介してグルタミンに結合される、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項4】
前記スペーサーは、−CH−R−であって、該Rは、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アリール、置換されたアリール、炭素環基、置換された炭素環基、複素環基および置換された複素環基からなる群より選択される基から水素原子が1つ脱離して生ずる基である、請求項3に記載の糖ペプチド。
【請求項5】
前記スペーサーは、C1−C10ポリメチレンを含む、請求項3に記載の糖ペプチド。
【請求項6】
前記グルタミンは、前記C末端または前記N末端から5アミノ酸以内に存在する、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項7】
前記糖鎖は、Lac、LacNAc、Siaα2,3−Lac、Siaα2,3−LacNAc、Siaα2,6−Lac、Siaα2,6−LacNAc、FuCα1,2−Lac、Siaα2,8−Siaα2,3−Lac、Siaα2,8−Siaα2,3−LacNAc、Siaα2,8−Siaα2,6−Lac、Siaα2,8−Siaα2,6−LacNAc、Siaα2,8−Siaα2,3−(Fucα1,2−)Lac、およびSiaα2,8−Siaα2,6−(Fucα1,2−)Lac(式中、Lacはラクトース、LacNAcは2−アセチルアミノラクトース、Siaはシアル酸、Fucはフコースを表す)からなる群より選択される、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項8】
前記糖ペプチドは、インスリン、エリスロポエチン、イムネース、G−CSF、グルカゴン、ソマトスタチン、コレシストキニン、アドレナリン、副腎皮質刺激ホルモン、βエンドルフィンおよびネオエンドルフィンからなる群より選択される、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項9】
前記糖ペプチドは、インスリンである、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項10】
前記糖ペプチドは、インスリンであり、前記グルタミンは、該インスリンのB鎖のC末端から11残基以内および/またはN末端から9アミノ酸以内に存在する、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項11】
前記糖ペプチドはインスリンであり、前記アミノ酸残基は該インスリンのB鎖のN末端を含み、該B鎖のN末端はシアリルラクトースで置換される、請求項1に記載の糖ペプチド。
【請求項12】
以下の工程:
A)少なくとも1つのアミノ酸残基にグルタミンを含む、目的とするペプチドを提供する工程;および
B)該グルタミンに糖鎖を導入する工程、
を包含する、機能的糖ペプチドを調製する方法。
【請求項13】
前記目的とするペプチドは、野生型形態のペプチドにおいて、少なくとも1つのグルタミン以外のアミノ酸残基をグルタミンに置換することにより提供される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、
C)アミノ基を含む糖鎖を調製する工程を包含する、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記工程C)は、アミノ基と水酸基とスペーサーとを含む化合物を糖鎖に結合させることによって達成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記グルタミンへの糖鎖の導入は、0.1mM以下のタンパク質濃度、GSHの非存在下、5mM以上のカルシウム濃度、および還元剤の除去処置後からなる群より選択される少なくとも1つの条件を含む条件下での、トランスグルタミナーゼによる糖鎖付加反応によって行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記糖ペプチドは、インスリン、エリスロポエチン、イムネース、G−CSF、グルカゴン、ソマトスタチン、コレシストキニン、アドレナリン、副腎皮質刺激ホルモン、βエンドルフィンおよびネオエンドルフィンからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記糖ペプチドは、インスリンである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記糖ペプチドは、インスリンであり、前記グルタミンは、該インスリンのB鎖のC末端から11残基以内および/またはN末端から9アミノ酸以内に存在する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記糖ペプチドはインスリンであり、前記アミノ酸残基は該インスリンのB鎖のN末端を含み、該B鎖のN末端はシアリルラクトースで置換される、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
糖鎖を伸長する工程をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
請求項12に記載の方法によって調製された、糖ペプチド。

【国際公開番号】WO2004/101619
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506279(P2005−506279)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006927
【国際出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】