説明

機能設定装置、リモコン装置及びデジタルカメラ

【課題】 使用者毎の機能設定を煩雑な操作を行うことなく自動的に行うことができる機能設定装置、該機能設定装置を備えたリモコン装置、及び該機能設定装置を備えたデジタルカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】 無線タグが発信する使用者個人を特定するためのIDを無線受信部20で受信して、EEPROM26に記憶されたテーブルから当該IDに対応する機能設定情報を信号処理部28が読み出して、モード切換部24を制御することによって、読み出した機能設定情報に基づく機能設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能設定装置、リモコン装置、及びデジタルカメラにかかり、特に、複数の機能設定が可能な装置に対して機能設定を行う機能設定装置、該機能設定装置を備えたリモコン装置、及び機能設定装置を備えたデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビ、ビデオ、空気調和装置などの家電装置では、様々な機能や動作モードを有しており、これらの機能設定を家電装置に設けられた操作部を操作することで機能設定を行うようになっている。また、リモコン装置を操作することでも様々な機能設定が可能とされている。
【0003】
例えば、リモコン装置を操作することで機能設定や動作モード設定を行うものとして、特許文献1、2に記載の技術などが提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、メニュー画面に現時点の設定状態、切換状態を表示し、この画面上で項目マークと選択マークをリモコンによって操作することで機能設定を行うことが提案されており、これによって分かりやすい操作、誤操作の少ない操作性を実現することができる。
【0005】
また、特許文献2に記載の技術では、空気調和器のリモコン装置に運転モード自動選択回路を設け、利用者が運転/停止釦を押すと、温度センサや湿度センサからの検出信号に基づいて、運転モードを自動的に切換え、切換えた運転モードを表示部に表示することが提案されている。これによって、リモコン装置で自動運転を開始することができ、かつ自動運転中の運転モードを利用者が常時認識することができる。
【0006】
一方、上述のような動作モードや機能設定の切り換えを自動的に行うデジタルカメラが、特許文献3の技術に提案されている。
【0007】
特許文献3に記載の技術では、ICカードに所有者固有の機能設定情報を記憶しておき、当該ICカードを無線通信機能を備えた電子機器である携帯電話に装着する。そして、デジタルカメラが携帯電話と無線通信を行い、ICカードに記憶されている所有者固有の機能設定情報に基づいてデジタルカメラの撮影を制御する制御モードを切換えることが提案されている。
【特許文献1】特開平5−298790号公報
【特許文献2】特開平6−257820号公報
【特許文献3】特開2003−316892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のリモコン装置では、使用者毎に異なる設定で操作対象装置を使用する場合には、毎回設定を行わなければならない、という問題がある。
【0009】
また、特許文献3に記載の技術では、使用者を特定する情報及び機能を設定するための情報が記憶されたICカードの情報を電子機器を用いて送信しており、デジタルカメラの設定を行うために電子機器を操作してデジタルカメラに情報を送信しなければならず、情報を送信するための動作が煩雑となる、という問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、使用者毎の機能設定を煩雑な操作を行うことなく自動的に行うことができる機能設定装置、該機能設定装置を備えたリモコン装置、及び該機能設定装置を備えたデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に記載の機能設定装置は、使用者個人を特定するための特定情報毎に対応して、複数の機能設定のうち設定する機能を表す機能設定情報を予め定めたテーブルを記憶する記憶手段と、前記特定情報を発信する無線タグから前記特定情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した前記特定情報に対応する機能設定情報を前記記憶手段に記憶された前記テーブルから読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された前記機能設定情報に基づいた機能設定を行う設定手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、記憶手段には、使用者個人を特定する特定情報毎に対応して複数の機能設定のうち設定する機能を表す機能設定情報が予め定められたテーブルが記憶されている。すなわち、特定情報に対応する機能設定情報をテーブルから得ることができる。
【0013】
受信手段では、使用者個人を特定する特定情報を発信する無線タグから特定情報を受信する。例えば、無線タグとしては、メモリや送信アンテナ等を備えたICカードやIDカード等の公知の無線タグが適用することができ、受信手段は、無線タグから発信される信号を受信することで特定情報を受信することができる。
【0014】
読出手段では、受信手段が受信した特定情報に対応する機能設定情報が記憶手段に記憶されたテーブルから読出される。これによって、特定情報に対応する使用者個人の機能設定情報を得ることができる。
【0015】
そして、設定手段では、読出手段によって読出された機能設定情報に基づいた機能設定が行われる。
【0016】
従って、使用者個人が無線タグを持っていれば、無線タグから発信される特定情報を受信手段が受信し、当該特定情報に対応する機能設定情報をテーブルから読み出して、機能設定が自動的に行われるので、使用者毎の機能設定を煩雑な操作を行うことなく自動的に行うことができる。
【0017】
記憶手段は、請求項2に記載の発明のように、予め定めた使用者毎の優先順位を更に記憶して、受信手段が複数の無線タグから複数の特定情報を受信した時に、読出手段が、記憶手段に記憶された使用者毎の優先順位に応じて機能設定情報を読み出すようにしてもよい。このように、記憶手段に優先順位を更に記憶しておくことで、複数の無線タグから複数の特定情報を受信しても、優先順位に応じた機能設定が可能となる。
【0018】
或いは、受信手段が複数の無線タグから複数の特定情報を受信したときには、請求項3に記載の発明のように、読出手段によって読み出す機能設定情報に対応する特定情報を選択するための選択手段を更に備えるようにしてもよい。この場合には、選択手段による選択で所望の使用者の機能設定を自動的に行うことが可能となる。
【0019】
請求項4に記載のリモコン装置は、操作対象装置を遠隔操作するリモコン装置であって、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の機能設定装置を備えることを特徴としている。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の機能設定装置をリモコン装置に備えたものであり、これによってリモコン装置における各種機能設定を使用者毎に自動的に機能設定を行うことができる。例えば、リモコン装置に表示部を有する場合の表示部の文字サイズ等の機能設定を自動的に設定することができる。
【0021】
なお、この時、請求項5に記載の発明のように、読出手段によって読出された機能設定情報が操作対象装置の機能設定である場合には、受信手段によって受信した特定情報を操作対象装置に送信する送信手段を更に備え、操作対象装置側で特定情報に対応する機能設定を行うようにしてもよい。この場合には、操作対象装置側に記憶手段に記憶されるテーブルと同様のテーブルを有することで、リモコン装置と同様に、自動的に使用者毎の機能設定を行うことが可能となる。
【0022】
請求項6に記載のデジタルカメラは、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の機能設定装置を備えることを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の機能設定装置をリモコン装置に備えたものであり、これによってデジタルカメラにおいても各種機能設定を使用者毎に自動的に機能設定を行うことができる。例えば、デジタルカメラの表示部に表示する文字サイズ、AEや測光方式、画像処理設定(一例として、ホワイトバランス、シャープネス設定、色設定等)、ストロボ設定等を使用者毎に自動的に設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、無線タグが発信する使用者個人を特定する特定情報を受信し、特定情報毎に対応して予め設定した機能設定情報を読み出すためのテーブルから、受信した特定情報に対応する機能設定情報を読出して機能設定を行うので、使用者毎の機能設定を煩雑な操作を行うことなく自動的に行うことができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係わる機能設定装置について説明する。なお、第1実施形態は、本発明の機能設定装置をテレビのリモコン装置に適用したものである。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置10及び操作対象のテレビ12を示す図である。
【0027】
第1実施形態に係わるリモコン装置10は、無線タグ14から使用者個人を特定するための特定情報(以下、IDという)を無線によって受信し、IDに対応して予め設定された機能設定を読み出して、リモコン装置10またはテレビ12の機能設定を自動的に行うものである。
【0028】
無線タグ14は、メモリや送信アンテナ等を備えたICカードやIDカード等の公知の無線タグが適用され、無線タグ14には、使用者を特定するためのIDが記憶されており、リモコン装置10に近づいた時に、リモコン装置10が無線タグ14に記憶されたIDを受信可能なようになっている。なお、IDとしては、予め使用者毎に割り当てた番号やその他の文字を表す情報や記号を表す情報などを適用することができるが、本実施の形態では、予め使用者毎に割り当てた番号を適用する。
【0029】
図2(A)は、本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置10の構成を示すブロック図である。
【0030】
リモコン装置10は、図2(A)に示すように、キー操作部16、無線送信部18、無線受信部20、表示部22、モード切換部24、及びEEPROM26が信号処理部28に接続されている。
【0031】
キー操作部16は、本実施形態では、テレビのリモコン装置10を例としているので、テレビのチャンネルを選択するチャンネル選択キーや音量調節キー等の操作キーを備えており、キー操作部16を使用者が操作することによって、操作信号が信号処理部28に入力され、信号処理部28から無線送信部20を介してテレビ12に操作内容を表す情報が送信されることによって、テレビ12の機能を操作することが可能とされている。
【0032】
無線送信部18は、キー操作部16が操作された内容に対応する情報をテレビ12に対して送信する他に、無線タグ14から受信したIDを送信するようになっている。
【0033】
表示部22は、液晶パネル等で構成され、リモコン装置10の操作内容、設定内容等の各種表示が可能とされている。
【0034】
無線受信部20は、無線タグ14から発信されるIDを受信し、信号処理部28へ出力するようになっている。
【0035】
モード切換部24は、リモコン装置10に設けられた各種モードや機能設定を制御するようになっており、キー操作部16の操作によって指示されたモードや機能の設定を信号処理部28を介して行う。
【0036】
EEPROM26には、無線タグ14のIDに対応する機能設定情報のテーブル(図2(B)参照)30が記憶されている。図2(B)に示すように、テーブル30は、ID毎に予め設定された機能設定情報が記憶されており、IDを指定することで機能設定情報を読み出すことが可能とされている。また、ID毎に優先順位が設定可能とされており、信号処理部28によって優先順位に応じて機能設定情報が読み出される。
【0037】
機能設定情報としては、例えば、表示部22に表示する文字サイズやリモコン装置10の操作対象の機能設定などがある。リモコン装置10の操作対象装置(テレビ12)の機能設定としては、例えば、デフォルトの音量設定値、コントラスト値、メニュー画面の文字サイズ等の各種機能設定がある。
【0038】
信号処理部28は、無線受信部20がIDを受信したときに、EEPROM26に記憶されたテーブル30を読み出して、該IDに対応する機能設定情報を読み出して、読み出した機能設定情報に基づいてモード切換部24を制御することで機能設定を行う。
【0039】
図3(A)は、リモコン装置10の操作対象装置となるテレビ12の構成の一部を示すブロック図である。
【0040】
テレビ12は、図3(A)に示すように、画面表示部32、無線受信部34、モード切換部36、及びEEPROM38が信号処理部40に接続されている。
【0041】
画面表示部32は、図示しないアンテナ等によって受信したテレビ放送を表示したり、テレビ12の各種機能(例えば、上述したデフォルトの音量設定値、コントラスト値、メニュー画面の文字サイズ等)を表示する。
【0042】
無線受信部34は、リモコン装置10から送信されるリモコン装置10の操作内容を表す情報を受信し、信号処理部40に出力するようになっており、信号処理部40は、リモコン装置10の操作内容に応じた処理を行う。また、無線受信部34では、リモコン装置10が受信した無線タグからのIDをリモコン装置10から受信するようになっている。
【0043】
モード切換部36は、テレビ12に設けられた各種モードや機能設定を制御するようになっており、リモコン装置10等から操作された内容に応じてモードや機能の設定を信号処理部40を介して行う。
【0044】
EEPROM38には、無線タグ14のIDに対応する機能設定情報のテーブル(図3(B)参照)42が記憶されている。図3(B)に示すように、テーブル42は、ID毎に予め設定された機能設定情報が記憶されており、IDを指定することで機能設定情報を読み出すことが可能とされている。また、ID毎に優先優位が設定可能とされており、信号処理部40によって優先順位に応じて機能設定情報が読み出される。
【0045】
信号処理部40は、リモコン装置10が無線タグ14から受信したIDがリモコン装置10から送信されて無線受信部34が受信したときに、EEPROM38に記憶されたテーブル42を読み出して、当該IDに対応する機能設定情報を読み出して、読み出した機能設定情報に基づいてモード切換部36を制御することで機能設定を行う。
【0046】
続いて、上述のように構成されたリモコン装置10で行われる処理の一例について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップ100では、無線タグを検出したか否か信号処理部28によって判定される。該判定は、無線タグ14から発信される信号を無線受信部20を介して信号処理部28が受信したか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、無線タグ14と無線受信部20との通信可能距離内に無線タグ14が存在しないので、そのまま当該処理を終了して、一般的なリモコン装置10で行われる処理に移行する。
【0048】
ステップ100の判定が肯定された場合、すなわち、リモコン装置10の近傍に無線タグ14が存在する場合には、ステップ102へ移行して、無線タグ14から発信されるIDを無線受信部20を介して信号処理部28が受信する。
【0049】
続いて、ステップ104では、無線タグ14を複数検出したか否か信号処理部28によって判定される。すなわち、リモコン装置10の近傍に無線タグ14を持っている人が複数いるか否か判定され、該判定が否定された場合には、ステップ106へ移行する。
【0050】
ステップ106では、無線タグ14から受信したIDに対応する機能設定情報がEEPROM26に記憶されたテーブル30から信号処理部28によって読み出され、ステップ118へ移行する。
【0051】
一方、ステップ104の判定が肯定、すなわち、リモコン装置10の近傍に複数の無線タグ14が存在する場合には、ステップ108へ移行して、ID優先順位設定が有るか否か信号処理部28によって判定される。該判定は、信号処理部28がEEPROM26に記憶されたテーブル30を読み出して、テーブル30内にID毎に優先順位が設定されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ110へ移行し、否定された場合には、ステップ112へ移行する。
【0052】
ステップ110では、テーブル30に記憶された優先順位に応じてIDに対応する機能設定情報がEEPROM26に記憶されたテーブル30から信号処理部28によって読み出されてステップ118へ移行するる。すなわち、信号処理部28は、複数の無線タグ14から受信したIDのうち最も優先順位の高いIDに対応する機能設定情報をEEPROM26から読み出す。
【0053】
また、ステップ112では、信号処理部28によってID選択画面が表示部22に表示されてステップ114へ移行する。ID選択画面は、受信した複数のIDの中からリモコン装置10を操作する人のIDを選択させるための画面であり、キー操作部16の操作によって複数のIDの中から対応するIDを選択することが可能となる。
【0054】
ステップ114では、ID選択がなされたか否か信号処理部28によって判定される。該判定は、ID選択画面が表示されている状態からキー操作部16を操作することで、リモコン装置10を操作する人のIDの選択がなされたか否かを信号処理部28が判定することによってなされ、該判定が肯定されるまで待機してステップ116へ移行する。
【0055】
ステップ116では、使用者がキー操作部16を操作することによって選択されたIDに対応する機能設定情報がEEPROM26から信号処理部28によって読み出されてステップ118へ移行する。
【0056】
そして、ステップ118では、操作対象のテレビ12側の機能設定が有るか否か判定される。該判定は、ステップ106、ステップ110、またはステップ116で読み出された機能設定情報の中にテレビ12側の機能設定が有るか否かを信号処理部28が判定することによってなされ、該判定が肯定された場合にはステップ120へ移行して、リモコン装置10の操作権を有するIDが信号処理装置28によって無線送信部18を介してテレビ12に送信されて一連の処理を終了する。
【0057】
また、ステップ118の判定が否定された場合には、ステップ122へ移行して、読み出した機能設定情報に基づいて機能設定が行われる。すなわち、信号処理部28がモード切換部24を制御することで読み出した機能設定となるようにリモコン装置10の機能が設定されて一連の処理を終了する。例えば、表示部22で表示する文字サイズを所定サイズにすることを表す機能設定情報であった場合には、表示部22に表示される文字サイズが自動的に変更されて表示される。
【0058】
このように、本実施形態に係わるリモコン装置10では、無線タグ14から発信されるIDを受信して、予めIDに対応して記憶された機能設定情報をテーブル30から読み出して、自動的にIDに対応した機能設定を行うので、使用者が変わる毎に設定を行う必要がなくなり、煩雑な作業を省略することができる。
【0059】
また、使用者は無線タグ14を持つだけで、自動的に所望の機能設定とすることができるので、利便的にすることができる。
【0060】
さらに、IDに対応した機能設定情報は、リモコン装置10のキー操作部16を操作して設定することが可能であるので、機能設定情報の変更も容易に行うことができる。
【0061】
次に、テレビ12側で行われる処理について説明する。図5は、テレビ12側で行われる処理の一部を示すフローチャートである。
【0062】
ステップ150では、リモコン装置10から指示を受信したか否か信号処理部40によって判定される。該判定は、無線受信部34を介してリモコン装置10の無線送信部18から信号を受信したか否かを信号処理部40が判定することによってなされ、該判定が否定された場合には当該処理を終了して、テレビ12としての他の処理が行われる。
【0063】
ステップ150の判定が肯定された場合には、リモコン装置10から受信した信号がIDであるか否か信号処理部40によって判定される。すなわち、上述のステップ120でリモコン装置10からIDが送信された否かを判定し、該判定が否定された場合には、ステップ154へ移行して、リモコン装置10からの指示に対応する処理(例えば、チャンネル切り換えや音量調整等の処理)を実施して当該処理を終了して、テレビ12としての他の処理が行われる。
【0064】
一方、ステップ152の判定が肯定、すなわち、リモコン装置10からIDを受信した場合には、ステップ156へ移行する。
【0065】
ステップ156では、リモコン装置10から受信したIDに対応する機能設定情報がEEPROM38に記憶されたテーブル42から信号処理部40によって読み出されて、ステップ158へ移行する。
【0066】
ステップ158では、読み出した機能設定情報に基づいて機能設定が信号処理部40によって行われて、当該処理を終了して、テレビ12としての他の処理が行われる。すなわち、信号処理部40がモード切換部36を制御することで読み出した機能設定となるようにテレビ12の機能が設定される。例えば、所定の音量値にすることを表す機能設定情報であった場合には、テレビ12の音量値が自動的に所定の音量値に変更される。
【0067】
このように、テレビ12側では、リモコン装置10が無線タグ14から受信したIDをリモコン装置10から受信した場合に、EEPROM38に記憶されたテーブル42からIDに対応するテレビ12の設定情報を読み出して自動的に設定を行うので、リモコン装置10と同様に、使用者が変わる毎に設定を行う必要がなくなり、煩雑な作業を省略することができる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係わる機能設定装置について説明する。なお、第2実施形態は、本発明の機能設定装置をデジタルカメラに適用したものである。
【0068】
図6は、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラ50の構成を示すブロック図である。
【0069】
本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラ50は、被写体像を結像させるためのレンズを含んで構成された光学ユニット52と、撮像素子として光学ユニット52の光軸後方に配設されたCCD54、CCD54から出力される画像信号い対して所定のアナログ信号処理を施すアナログ信号処理部56と、アナログ信号処理部56により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(以下、A/Dという)58、CCD54を駆動するためのCCD駆動部60と、光学ユニット52の撮影倍率、焦点位置、及び絞り値の各々を調整するためのモータ62A〜62Cと、該モータ62A〜62Cを駆動するためのモータ駆動部64と、被写体輝度が低い場合に発光される発光部66と、発光部66による発光量を調節する調光用の受光部68と、撮影画像や各種情報を表示するために設けたLCD等からなる表示部70と、撮影者によって操作される操作部72と、主として撮影によって得られたデジタル画像データを一時的に記憶するメインメモリ74と、デジタルカメラ50の全体的な動作を司る主制御部76と、を備えて構成されている。
【0070】
光学ユニット52は、入射された被写体像を表す光をCCD54の受光面に結像するものであり、撮影レンズ78A及びフォーカスレンズ78Bを含むレンズ群78と、絞り80とを含んで構成されている。なお、レンズ群78は、単一の焦点距離(固定焦点)のレンズでもよいし、ズームレンズや望遠/広角の二焦点切換式レンズのように焦点距離可変のものでもよい。
【0071】
また、光学ユニット52は、モータ62Aの駆動によって、撮影レンズ78Aを光軸方向に移動して撮影倍率を調整することが可能とされている。また、モータ62Bの駆動によって、フォーカスレンズ78Bを光軸方向に移動して合焦位置を移動させると共に、モータ62Cの駆動によって、絞り80の絞り値を調整することができるようになっている。モータ62A〜62Cは、モータ駆動部64に接続されており、モータ駆動部64によって各モータが駆動される。
【0072】
CCD54は、CCD駆動部60及びアナログ信号処理部56と接続されている。CCD54は、受光面に入射された光を入射光量に応じた量の信号電荷に変換し、CCD駆動部60から供給される駆動パルスと同期して、蓄積された信号電荷に応じた電圧信号をアナログ画像信号としてアナログ信号処理部56へと出力する。
【0073】
アナログ信号処理部56は、CCD54から出力されたアナログ画像信号を相関二重サンプリング(CDS)処理すると共に、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色信号に色分離処理し、各色信号の信号レベルの調整(例えば、プリホワイトバランス処理)を行う。このアナログ信号処理部56は、A/D58と接続されており、A/D58は主制御部76と接続されている。
【0074】
アナログ信号処理部56による処理後のアナログ画像信号は、A/D58により、RGBの各色のデジタル画像信号に変換された後に、主制御部76に入力されるようになっている。
【0075】
主制御部76は、合焦状態を評価するための合焦評価値を算出する合焦評価算出部82と、最適な露出及びホワイトバランスを算出するAE・AWB算出部84と、入力されたデジタル信号に対して所定のデジタル信号処理を施してデジタル画像データを生成するデジタル信号処理部88と、所定の圧縮方式でデジタル画像データを圧縮すると共に、圧縮されたデジタル画像データを伸張する圧縮伸張処理部86と、メインメモリ74にデータを読み書きするメモリ制御部90と、図示しないスロットに着脱可能に装填される可搬性の記録メディアMにデータを読み書きするメディア制御部92と、表示部70の表示動作を制御する表示制御部94と、主制御部76全体の制御を司るCPU96と、がバス98により相互に接続されている。
【0076】
また、CPU96は、操作部72と接続されており、撮影者による操作部72の操作状態を常時把握できる。なお、操作部72には、画像の撮影記録の指示を与えるレリーズボタン、撮影モードや再生モードといったカメラのモード選択を行うモード切換、ズーム操作やその他各種指示・情報を入力するための各種ボタンやスイッチ等が含まれる。これらのボタンやスイッチを用いて、タッチパネルや表示部70の画面上において設定メニューや選択項目を表示してカーソルで所望の項目に選択することkが可能である。また、操作部72は、カメラ本体に配設されてもよいし、リモコン装置としてカメラ本体と分離した構成としてもよい。
【0077】
ところで、本実施形態に係わるデジタルカメラ50は、第1実施形態に係わるリモコン装置10のように、デジタルカメラ50の利用者毎に各種機能を自動的に設定可能なように構成されている。
【0078】
すなわち、本実施形態に係わるデジタルカメラ50は、第1実施形態で説明した無線タグ14が発信するIDを受信するための無線受信部170を備えており、無線受信部170が受信したIDがCPU96に入力されるようになっている。
【0079】
また、機能設定部172がCPU96に接続されており、デジタルカメラ50に設けられた各種モードや機能設定を制御するようになっている。
【0080】
さらに、メインメモリ74には、無線タグ14のID毎に対応する機能設定情報のテーブル(図7参照)が記憶されている。図7に示すように、テーブル174は、第1実施形態と同様に、ID毎に予め設定された機能設定情報が記憶されており、IDを指定することで機能設定情報を読み出すことが可能とされている。また、ID毎に優先順位が設定可能とされており、CPU96がメモリ制御部90を制御することによって、優先順位に応じた機能設定情報がCPU96に読み出される。
【0081】
機能設定情報としては、例えば、表示部70に表示する文字サイズ、AEや測光方式、画像処理設定(一例として、ホワイトバランス、シャープネス設定、色設定等)、ストロボ設定等がある。
【0082】
そして、無線受信部170が無線タグ14からIDを受信したときに、CPU96がメインメモリ74に記憶されたテーブル174を読み出して、該IDに対応する機能設定情報を読み出して、読み出した機能設定情報に基づいて機能設定部172を制御することで機能設定を行う。
【0083】
続いて、上述のように構成されたデジタルカメラ50で行われる処理の一例について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラ50で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0084】
ステップ200では、第1実施形態で説明した無線タグ14を検出したか否かCPU96によって判定される。該判定は、無線タグ14から発信される信号を無線受信部170を介してCPU96が受信したか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、無線タグ14と無線受信部170との通信可能距離内に無線タグ14が存在しないので、そのまま当該処理を終了して、他のデジタルカメラ50で行われる処理へ移行する。
【0085】
ステップ200の判定が肯定された場合、すなわち、デジタルカメラ50の近傍に無線タグ14が存在する場合には、ステップ202へ移行して、無線タグ14から発信されるIDを無線受信部170を介してCPU96が受信する。
【0086】
続いて、ステップ204では、無線タグ14を複数検出したか否かCPU96によって判定される。すなわち、デジタルカメラ50の近傍に無線タグ14を持っている人が複数いるか否か判定され、該判定が否定された場合には、ステップ206へ移行する。
【0087】
ステップ206では、CPU96がメモリ制御部90を制御することによって、メインメモリ74に記憶されたテーブル174から無線タグ14から受信したIDに対応する機能設定情報が読み出され、ステップ218へ移行する。
【0088】
一方、ステップ204の判定が肯定、すなわち、デジタルカメラ50の近傍に複数の無線タグ14が存在する場合には、ステップ208へ移行して、ID優先順位設定が有るか否かCPU96によって判定される。該判定は、CPU96がメモリ制御部90を制御することによってメインメモリ74に記憶されたテーブル174を読み出して、テーブル174内にID毎に優先順位が設定されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ210へ移行し、否定された場合には、ステップ212へ移行する。
【0089】
ステップ210では、テーブル174に記憶された優先順位に応じてIDに対応する機能設定情報が、メインメモリ74に記憶されたテーブル174からCPU96に読み出されてステップ218へ移行する。すなわち、CPU96は、複数の無線タグ14から受信したIDのうち最も優先順位の高いIDに対応する機能設定情報をメインメモリ74に記憶されたテーブル174から読み出す。
【0090】
また、ステップ212では、CPU96が表示制御部94を制御することによって表示部70にID選択画面が表示されてステップ214へ移行する。ID選択画面は、受信した複数のIDの中からデジタルカメラ50を操作する人のIDを選択させるための画面であり、操作部72の操作によって複数のIDの中から対応するIDを選択することが可能となる。
【0091】
ステップ214では、ID選択がなされたか否かCPU96によって判定される。擬判定は、ID選択画面が表示されている状態から操作部72を操作することで、デジタルカメラ50を操作する人のIDが選択されたか否かをCPU96が判定することによってなされ、該判定が肯定されるまで待機してステップ216へ移行する。
【0092】
ステップ216では、CPU96がメモリ制御部90を制御することによって、メインメモリ74に記憶されたテーブル174から、使用者が操作部72を操作することによって選択されたIDに対応する機能設定情報が読み出されてステップ218へ移行する。
【0093】
そして、ステップ218では、読み出した機能設定情報に基づいて機能設定が行われる。すなわち、CPU96が機能設定部172を制御することで読み出した機能設定となるようにデジタルカメラ50の機能が設定されて一連の処理を終了する。例えば、AEや測光方式、ホワイトバランス、シャープネス設定、色設定等の画像処理などが自動的に変更される。
【0094】
このように、本実施形態に係わるデジタルカメラ50でも、無線タグ14から発信されるIDを受信して、予めIDに対応して記憶された機能設定情報をテーブル174から読み出して、自動的にIDに対応した機能設定を行うので、使用者が変わる毎に設定を行う必要がなくなり、煩雑な作業を省略することができる。
【0095】
また、使用者は無線タグ14を持つだけで、自動的に所望の機能設定とすることができるので、利便的にすることができる。
【0096】
さらに、IDに対応した機能設定情報は、デジタルカメラ50の操作部72等を操作して設定することが可能であるので、機能設定情報の変更も容易に行うことができる。
【0097】
なお、上記の第1実施形態では、テレビ12のリモコン装置10を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、空気調和装置やオーディオ等の他の家電装置のリモコン装置に本発明を適用するようにしてもよい。
【0098】
また、上記の第2実施形態では、デジタルカメラ50に本発明を適用した例を説明したが、これに限るものではなく、携帯電話やパーソナルコンピュータ等のその他の電子機器に本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置及び操作対象のテレビを示す概略図である。
【図2】(A)は本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置の構成を示すブロック図であり、(B)はリモコン装置のEEPROMに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【図3】(A)はリモコン装置の操作対象装置となるテレビの構成の一部を示すブロック図であり、(B)はテレビのEEPROMに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるリモコン装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】テレビ側で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図7】デジタルカメラのメインメモリに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
10 リモコン装置
12 テレビ
14 無線タグ
16 キー操作部
18 無線送信部
20、34、170 無線受信部
22、70 表示部
24、36 モード切換部
26、38 EEPROM
28、40 信号処理部
30、42、174 テーブル
50 デジタルカメラ
72 操作部
74 メインメモリ
90 メモリ制御部
96 CPU
94 表示制御部
172 機能設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者個人を特定するための特定情報毎に対応して、複数の機能設定のうち設定する機能を表す機能設定情報を予め定めたテーブルを記憶する記憶手段と、
前記特定情報を発信する無線タグから前記特定情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した前記特定情報に対応する機能設定情報を前記記憶手段に記憶された前記テーブルから読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された前記機能設定情報に基づいた機能設定を行う設定手段と、
を備えた機能設定装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、予め定めた使用者毎の優先順位を更に記憶し、前記読出手段は、前記受信手段が複数の前記無線タグから複数の前記特定情報を受信した時に、前記記憶手段に記憶された前記優先順位に応じて前記機能設定情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項3】
前記受信手段が複数の前記無線タグから複数の前記特定情報を受信した時に、前記読出手段によって読み出す機能設定情報に対応する前記特定情報を選択するための選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の機能設定装置。
【請求項4】
操作対象装置を遠隔操作するリモコン装置であって、
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の機能設定装置を備えることを特徴とするリモコン装置。
【請求項5】
前記読出手段によって読出された機能設定情報が操作対象装置の機能設定である場合に、前記受信手段によって受信した前記特定情報を操作対象装置に送信する送信手段を更に備え、操作対象装置側で前記特定情報に対応する機能設定を行うことを特徴とする請求項4に記載のリモコン装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の機能設定装置を備えたデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−60453(P2006−60453A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239224(P2004−239224)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】