説明

欠陥の少ないコーティングのためのプロセス及び装置

欠陥の少ないポリマーコーティングを生成するためのプロセス及び装置が記述される。プロセスは、重合性材料及び溶剤の溶液を基材上にコーティングする工程と、重合性材料の一部分を重合する工程と、重合性材料の一部分の重合の後に溶剤の主部分を除去する工程と、を含む。任意の残りの重合性材料の更なる重合は、溶剤の除去後に生じ得る。装置は、巻き解きロールから巻き取りロールへ基材を搬送するためのウェブラインと、重合性材料及び溶剤の溶液を基材上にコーティングするための、巻き解きロールに近接するコーティングセクションと、重合性材料の一部分を重合するための、コーティングセクションからウェブ下流にある重合セクションと、重合性材料の一部分の重合後に溶剤を除去するための、重合セクションからウェブ下流にある溶剤除去セクションと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
薄いポリマーコーティングは、最適な性能のために一様なコーティングが極めて重要な薄膜光学コーティングでの用途など、多くの用途を有する。多くの場合、薄い高分子膜の精密コーティングには、コーティングダイの使用が関わり、コーティングダイの使用、望まれるコーティングより厚く適用される希釈された低粘性のコーティングを用いると、最適な性能を示す。そのため、多くの場合、精密コーティングは希釈された低固形分の溶液として適用され、後にその希釈溶剤が除去されて、薄いコーティングがもたらされる。コーティングの一様性における欠陥は、この溶剤除去工程中に生じ得る。
【0002】
コーティングの一様性はいくつかのプロセスによって劣化する場合があり、概して、局所的及び全体的な膜の厚さ及び一様性のばらつきが含まれる。溶剤系の重合性溶液から作られる光学コーティングのような薄いポリマーコーティングに観察される比較的よくある欠陥の1つはむら(mottle)である。その他、薄いポリマーコーティングによくある欠陥としては、脱漏れ(dewet)及び筋(streak)が挙げられ、溶液に粒子が存在する場合は粒子凝集が挙げられる。
【0003】
現在の薄膜溶液コーティングは、典型的には、ウェブをコーティングする工程、開いたウェブの広がりを通してそれを乾燥炉に搬入する工程、対流式乾燥機又はギャップ乾燥機で溶剤を乾燥する工程、及び例えば高強度の紫外線(UV)ランプの下のコーティングの重合工程を含む。そのようなシステムでは、コーティングは薄い低粘性のコーティングとしてかなりの時間置かれてから重合により固化される。これは、むらあるいは他の欠陥を形成し得るコーティングに及ぼす悪影響の可能性を増す。多くの場合、むらを制御するための努力では、一般的に、汚染物制御及び配合が重視される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの欠陥を低減又は排除するための技法は、被膜製造業の生産性及び頑強性を有意に増すことになるので望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様で、本開示はポリマーコーティングを生産するためのプロセスを提供する。このプロセスは、重合性材料を溶剤中に含む第1の溶液を基材上にコーティングする工程を含む。このプロセスは、重合性材料の第1の部分を重合して、部分重合された材料を第2の溶液中に含む均質な組成物を形成する工程であって、第2の溶液中にて重合性材料が部分的に欠如している、工程を更に含む。このプロセスは、均質な組成物から溶剤の主部分を除去する工程を更に含む。
【0006】
別の態様で、本開示はポリマーコーティングを生産するための装置を提供する。この装置は、巻き解きロールから巻きつけロールへと基材をウェブ下流に搬送するためのウェブラインを含む。この装置は、巻き解きロールに近接して配置された、重合性材料を溶剤中に含む第1の溶液を基材にコーティングする能力を有するコーティングセクションを更に含む。この装置は、コーティングセクションからウェブ下流に配置された重合セクションを更に含み、この重合セクションは、重合性材料の第1の部分を重合して、部分重合された材料を第2の溶液中に含む均質な組成物を形成する工程であって、第2の溶液中にて重合性材料が部分的に欠如している、工程を更に含む。この装置は、重合セクションからウェブ下流に配置された、均質な組成物から溶剤の主部分を除去できる、溶剤除去セクションを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書を通して、添付の図面を参照し、ここで、同じ参照番号は同じ要素を示す。
【図1】ポリマーコーティングを形成するためのプロセスの略図。
【図2】ポリマーコーティングを形成するためのプロセスの略図。
【図3A】ポリマーコーティングを形成するためのプロセスの略図。
【図3B】図3Aの重合セクションの略図。
【図3C】図3Bの重合セクションの略図。
【図4A】基材上のビードコーティングの写真。
【図4B】基材上のビードコーティングの写真。
【図4C】基材上のビードコーティングの写真。
【図5A】基材上のコーティングの陰影写真。
【図5B】基材上のコーティングの陰影写真。
【0008】
図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字でラベル付けされた別の図中の構成要素を制約するものではないことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
コーティング欠陥の低減を伴う放射線硬化性コーティングの急速ウェブベース処理を可能にするプロセス及び装置について説明する。コーティングの一様性は、コーティングの欠陥の原因となり得る外乱による影響を受ける場合がある。これらの外乱としては、例えば、空気流、微粒子及び化学汚染物質、装置の振動、熱流などの影響が含まれる。本発明のプロセスは、ポリマーを部分重合してから溶剤の主部分を溶液から除去することを含む。溶液の部分重合が進むにつれ、組成物の粘性は増し、コーティングされた溶液はコーティングに影響を及ぼし得る外乱に対する抵抗力を増す。従来の技法を使用して溶液の部分重合後に溶剤の主部分を除去し、残りのコーティングの重合を溶剤の除去後に生じさせることができる。
【0010】
また、特定の一実施形態で、プロセスは、コーティングステーションと部分重合装置との間の制御環境領域を含むこともできる。この制御環境は、例えばコーティングを取り巻く環境の温度、溶剤の蒸発、コーティングを取り巻くガス/蒸気組成物などを制御することによって、コーティングされた膜の安定性にも影響し得る。特定の一実施形態で、制御環境は、コーティングステーションと部分重合装置との間でコーティング上に配置されるポリマーフィルムを含むことができる。
【0011】
部分重合装置は、例えばコーティングステーションと溶剤除去セクションとの間など、コーティングが適用された後の任意の場所に配置することができる。部分重合中の環境の制御もまた望ましく、他の場所に記述されたように達成することができる。部分重合されたコーティングは溶剤の除去によって後に乾燥されるが、材料を更に硬化するために例えば従来の紫外線(UV)システムを用いて更に重合してもよい。
【0012】
比較的高温で動作する傾向がある従来の高強度のUV源を用いると、コーティング後すぐに行うUV硬化は問題を呈する可能性がある。比較的高い温度は、制御環境で薄いコーティングを乾燥することがあり、むら(mottling)のようなコーティング欠陥をもたらす可能性がある。特定の一実施形態で、UV LEDは、コーティング直後の制御環境領域での硬化のための利点を提供し得る。UV LEDは、付加的な熱エネルギーを与えずに重合を開始することができるので、溶剤の蒸発による乾燥を最低限にすることができる。
【0013】
特定の一実施形態で、このプロセスを使用して、例えばむら、脱漏れ(dewet)、粒子凝集などを含むよくあるコーティング欠陥を低減又は排除することができる。別の態様で、このプロセスを使用して、例えば滑り、濡れアウト防止、欠陥の外観などに影響を与えるために最終コーティングの表面粗さを制御することができる。このプロセスは、ウェブ上の化学線硬化性コーティングに特に好適であり得る。本開示の目的上、欠陥としてむら欠陥を記述するが、この技法を他のコーティング欠陥を解決するために同様の方法で適用してもよい。
【0014】
コーティングは、低分子量のモノマー、オリゴマー、及びプレポリマーの、ニート(すなわち100%固形)又は溶剤系溶液のいずれかから投じることができる。多くの場合、薄膜コーティングは低固形分(すなわち高溶剤含有量)を有し得る低粘性のコーティング液を使用することによってより容易に達成され得る。流体コーティングヘッドのすぐ後の制御環境領域を使用して、部分重合のための準備として例えば所望により副部分の溶剤を除去することによって、コーティングを調整することができる。コーティングの直後に重合を開始するために、制御環境は、UV LED又は他のUV源(レーザー、ランプ等)を更に含むことができる。急速に重合を誘導することによって、コーティング溶液の粘性は増し、コーティングにむらを起こすコーティング溶液の傾向及び/又はむら生成過程のようにマクロスケールでコーティング溶液が流れる傾向が下がる。特定の一実施形態で、粘性の増加は、コーティング溶液内のあらゆる微粒子の動きを抑制し、最終的な硬化したコーティングの微粒子の凝集又は過度の広がりを低減することも可能である。
【0015】
脱濡れすることは、表面(例えば高分子ウェブ)上のコーティング液の流体膜が、本質的にコーティング液のない領域と、コーティング液で覆われたその他の領域と、に分かれることを意味する。脱濡れの初期段階は、多くの場合、流体膜内のコーティングされていない表面の小さい円形領域の形状を取る。より激しいケースでは、コーティング液はほぼコーティングされていない表面上の小さい液滴となる場合がある。
【0016】
理論による拘束は望まないが、概して、脱濡れ及びむらのどちらも、微粒子状汚染物質、表面の不規則性、及び化学不純物を含む数多くの機構によって始まり得る。脱濡れは、概して、不連続又は不均一な液体膜の形成を促すコーティングと基材材料の分子間力の結果であり得る。脱濡れの原因となる力は、多くの場合、コーティング内又は基材上の汚染微粒子によってもたらされるが、コーティング材料自体に内在する場合もあり、例えば表面張力及び基材表面の親和力などが挙げられる。むらの可能性はコーティングの厚さが増し粘性が減るにつれて増し、薄い(例えば約0.1ミクロン〜約10ミクロン)光学コーティングの性能及び生産性を低下させる重要な欠陥である。
【0017】
多くの光学膜は、移動中の基材(すなわちウェブ)上に光硬化性の溶液を連続的にコーティングすることによって形成されたコーティングを含有する。多くの場合、十分に薄いコーティングは低固形分を有する溶剤液のコーティングによってのみ得ることが可能である。低固形分を有する溶液は、最初にコーティングされる液層をより厚くし、したがってコーティング工程中の制御をより容易にすることを可能にする。これらのより厚いコーティングは最初にコーティングされた厚さで安定した液体膜であることが多いが、むら欠陥を生じやすい場合がある。溶剤がコーティングから蒸発するにつれて、コーティングは薄くなり、環境汚染物のためか又は材料自体の性質のためにむら及び脱濡れの力に対して不安定になる場合がある。これらのコーティングは概して低分子量の材料、そしてそれ故に低粘性の材料(例えば約500g/モル以下の分子量を有するモノマー)を含むので、化学線による重合の前にむらの流れが生じる場合がある。
【0018】
コーティングのすぐ後に重合プロセスを開始することは、重合性材料の分子量を、それに対応するコーティングの粘性を、劇的に増す原因となる。この粘性の増加は溶剤の蒸発につれてより安定したコーティングをもたらし、コーティングのむら及び他の外乱を低減又は排除する。特定の実施形態で、これらの薄いコーティングの多くは秒単位で乾燥するので、コーティングヘッドのすぐ後の領域は重合装置のための有利な場所であり得る。
【0019】
特定の実施形態で、部分重合装置は最近開発された紫外線発光ダイオード(UV LED)システムを使用する。UV LEDシステムの利点は、コーティングステーションの近くに容易に配置することが可能な、コンパクトなサイズのユニットを含む。UV LEDシステムのもう1つの利点は、赤外線をほとんど放射しないためにコーティングの熱を低くし、溶剤の蒸発を減少することができることである。これらの特徴は重合装置の安全な動作を補助し、コーティング溶剤が存在する環境においてUV硬化性組成物の曝露を実用的にすることができる。UV LEDシステムは、365nm、385nm、395nm、405nmなどのようないくつかの望ましいピーク波長で動作するように構成することができる。例えばUVレーザー、UVランプ、殺菌UV電球、可視光ランプ、閃光灯などのようなその他の放射線源及び他の例えば電子ビーム(EB)源などのような高エネルギー粒子装置を使用してもよい。特定の一実施形態で、UV LEDシステムは他の放射線源に勝る利点を提供することができる。
【0020】
重合は急速に生じることができ、部分重合装置はコーティングステーションと従来の溶剤除去システムとの間に配置することができる。硬化が起きる時点でコーティングされた膜の内部に存在する溶剤がなお一部分存在する限りは、部分重合装置を従来の乾燥装置内又は一連の従来の乾燥装置の間に配置してもよい。そうでなく、いくつかの実施形態では、例えばコーティングの後に蒸発しやすい低分子量モノマーが配合に存在するとき、部分重合は100%固形分の配合で生じてもよい。蒸発しやすいこれらの低分子量モノマーは、反応性溶剤とも記述され得る。
【0021】
例えばウェブ速度、コーティング厚さ、UV LEDピーク波長、強度、線量、温度、及び重合開始時のコーティングの組成物物物を含むいくつかのプロセスパラメータは、結果的に得られるポリマーコーティングに影響を与え得る。得られる高分子コーティングに影響を与え得る他のプロセスパラメータとしては、重合中のコーティングの組成物、及び例えば気相組成物、ガス流場、ガス流量を含む環境制御が含まれる。気相の組成物には、溶剤の組成物及び濃度、並びに特に重合領域の近くの酸素濃度が含まれる。コーティングの適用から重合プロセスまでのコーティング膜の環境の制御は望ましくは、調整されたガスの供給及び除去の両方を伴う温度制御された囲いによって達成することができる。場合によっては、硬化(重合)及び乾燥を同時に行ってもよい。乾燥技法もまた薄膜の形態に影響を及ぼし得る。
【0022】
部分重合された材料は、粘性を増すために、及びしたがって部分重合の結果としての均質な組成物の安定性を改善するために、十分な分子量の増加を有さなくてはならない。部分重合された材料は、主部分の溶剤の除去によって均質な組成物が「崩壊する」こと、すなわち、溶剤の除去後に均質な組成物が十分な構造を保持せず、溶剤の除去によって実質的な孔又は空隙を形成することを可能にする、十分低い硬化の程度もまた有さなくてはならない。特定の一実施形態で、均質な組成物はポリマーゲルを含む。本明細書の目的のために、ポリマーゲルは流体(この場合は溶剤)によってその体積全体を通して拡張されたポリマー網であるが、溶剤の除去後に自己支持性を有するものではない。概して、本開示による均質な組成物の重合は、あくまで粘性が増すまでの範囲の、自己支持性の不溶性のポリマー網がコーティング内に形成され得る前の、部分重合でなくてはならない。
【0023】
いくつかの実施形態では、不溶性の高分子マトリックスが形成されるまで行われる部分重合は可能であり、自己支持性の構造がもたらされ得る。孔及び空隙を有するコーティングを形成するために有用な同様のプロセスの記述は、例えば、本特許出願の同時係属特許出願である代理人整理番号第65046US002号(「PROCESS AND APPARATUS FOR A NANOVOIDED ARTICLE」と題する)に記載されている。いくつかの代表的なナノ空隙物品及びナノ空隙物品用途は、例えば、いずれも本特許出願の同時係属特許出願である代理人整理番号第65062US002号(「OPTICAL FILM;65357US002,entitled BACKLIGHT AND DISPLAY SYSTEM INCORPORATING SAME」と題する)、同第65356US002号(「OPTICAL FILM FOR PREVENTING OPTICAL COUPLING」と題する)、同第65354US002号(「OPTICAL CONSTRUCTION AND DISPLAY SYSTEM INCORPORATING SAME」と題する)、及び同第65355US002号(「RETROREFLECTING OPTICAL CONSTRUCTION」と題する)に見出される。ナノ空隙物品の用途は、ポリマーマトリックスの機械特性に依存し得る。特定の一実施形態で、ポリマーマトリックス弾性率及び強度は、溶剤の除去につれて空隙空間を維持するために十分である。
【0024】
いくつかの実施形態で、ポリマーコーティングを生成するためのプロセスは、1)コーティング装置に溶液を供給する工程と、2)多くのコーティング技法のうちの1つによってコーティング溶液を基材に適用する工程と、3)コーティングされた基材を部分重合装置に搬送する工程(薄膜コーティングを所望の組成物としてもたらすために環境を制御することができる)と、4)コーティング溶液中の溶剤の副部分を所望により除去する工程と、5)溶剤がコーティング内に存在する間に少なくとも部分的に重合する工程(重合は周囲条件で行っても制御環境で行ってもよい)と、6)重合環境を制御するために、調整したガスを上流、下流、又は部分重合装置内部に所望により供給する工程と、7)重合されたコーティングを乾燥設備(乾燥は、この搬送工程中に生じる自然乾燥を防止する設備が置かれていない限り、この搬送工程中に生じる自然乾燥でもよい)に搬送する工程と、8)重合されたコーティングを乾燥する工程と、9)乾燥後のこの重合されたコーティングを、例えば加熱硬化、UV硬化、又はEB硬化によって重合する工程と、を概して含む。
【0025】
図1は、本開示の一態様による、基材115上に形成されたポリマーコーティング190用のプロセス100の略図を示す。溶剤120中の重合性材料130を含む第1の溶液110が提供される。第1の溶液120は基材115上をコーティングする。第1の溶液110中の重合性材料130の第1の部分を少なくとも部分重合して、基材115上に、均質な組成物140が第2の溶液160中にて部分重合された材料150を含む均質な組成物140を形成する。溶剤120の主部分を第2の溶液160から除去して、均質なコーティング170が第3の溶液180中に部分重合された材料150を含む均質なコーティング170を基材115上に形成する。重合性材料135の第2の部分を重合して、基材115上に均質な膜185を含むポリマーコーティング190を形成する。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「均質」は、構造又は組成物がマクロスケールで(すなわち溶液、コーティング又は膜の幅、長さ、深さに渡って)全体に一様であることを意味する。均質な溶液、コーティング又は膜の一部分は、その均質な溶液、コーティング又は膜の別の一部分と変わらない。例えば、均質な溶液は溶液中に離散した粒子、ポリマー鎖、モノマー、及び溶剤を含むことができるが、溶液の一部分を溶液の別の一部分と区別することはできない。また、例えば、均質なコーティングはコーティング中に離散した粒子、ポリマー鎖、モノマー、及び溶剤を含むことができるが、コーティングの一部分をコーティングの別の部分と区別することはできない。更に、コーティングの一部分のコーティングの厚さをコーティングの別の部分と区別することはできない。また、例えば、均質な膜は膜中に離散した粒子、モノマー鎖を含むことができるが、コーティングの一部分をコーティングの別の一部分と区別することはできない。更に、コーティングの一部分の厚さをコーティングの別の一部分と区別することはできない。
【0027】
重合性材料130は、様々な従来のカチオン性又はフリーラジカル重合法によって重合することができる任意の重合性材料であって、その技法は、例えば溶剤重合、エマルション重合、懸濁重合、バルク重合、及び放射線重合などを含む、化学線、熱線、又は放射線開始の重合法であってもよく、その重合法は、例えば可視光及び紫外線光、電子ビーム線などを含む化学線を使用するプロセスであってもよい。
【0028】
化学線硬化可能な材料としては、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、エポキシなどのモノマー、オリゴマー、及びポリマーが挙げられる。本開示の実践に好適なエネルギー硬化可能な基の代表的な例としては、エポキシ基、(メト)アクリレート基、オレフィン性炭素−炭素二重結合基、アリルオキシ基、アルファ−メチルスチレン基、(メト)アクリルアミド基、シアン酸エステル基、ビニルエーテル基、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。フリーラジカル的に重合可能な基が好ましい。いくつかの実施形態で、代表的な材料はアクリレート及びメタクリレートモノマーを含み、具体的には、当該技術分野で既知の、重合の際に架橋網を形成することができる多官能性モノマーを含む。重合性材料はモノマー、オリゴマー及びポリマーの任意の混合物を含むことができるが、これらの材料は少なくとも1つの溶剤中に少なくとも部分的に可溶性でなくてはならない。いくつかの実施形態で、材料は溶剤モノマー混合物中に可溶性でなくてはならない。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「モノマー」は、1つ以上のエネルギー重合性基を有する比較的低分子量の材料(すなわち、約500g/モル未満の分子量を有する)を意味する。「オリゴマー」は、約500g/モルから最高約10,000g/モルの分子量を有する、比較的中程度の分子量の材料を意味する。「ポリマー」は、少なくとも約10,000g/モル、好ましくは10,000g/モル〜100,000g/モルの分子量を有する、比較的高分子量の材料を意味する。本明細書の全体を通して使用される用語「分子量」は、特に明記しない限り数平均分子量を意味する。
【0030】
代表的なモノマー重合性材料の例は、スチレン、α−メチルスチレン、置換スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、(メト)アクリルアミド、N−置換(メト)アクリルアミド、オクチル(メト)アクリレート、イソ−オクチル(メト)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレート(メト)アクリレート、イソノニル(メト)アクリレート、ジエチレングリコール(メト)アクリレート、イソボルニル(メト)アクリレート、2−2−エトキシエトキシ)エチル(メト)アクリレート、2−エチルヘキシル(メト)アクリレート、ラウリル(メト)アクリレート、ブタンエジオールモノ(メト)アクリレート、β−カルボキシエチル(メト)アクリレート、イソブチル(メト)アクリレート、脂環式エポキシド、α−エポキシド、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、(メト)アクリロニトリル、無水マレイン酸、イタコン酸、イソデシル(メト)アクリレート、ドデシル(メト)アクリレート、n−ブチル(メト)アクリレート、メチル(メト)アクリレート、ヘキシル(メト)アクリレート、(メト)アクリル酸、N−ビニルカプロラクタム、ステアリル(メト)アクリレート、ヒドロキシ官能ポリカプロラクトンエステル(メト)アクリレート、ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、ヒドロキシメチル(メト)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メト)アクリレート、ヒドロキシブチル(メト)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メト)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メト)アクリレート、及びそれらの混合物、を含む。
【0031】
また、本明細書でオリゴマー及びポリマーは「比較的高分子量の構成要素又は種」と総称される場合もある。粘性制御、硬化の際の収縮の抑制、耐久性、可撓性、孔質及び非孔質の基材への粘着、屋外耐候性などを含む多くの利益を提供するために、好適な比較的高分子量の構成要素を本開示の組成物に組み込むことができる。本開示の流体組成物に組み込まれるオリゴマー及び/又はポリマーの量は、得られる組成物に意図される用途、反応性希釈剤の性質、オリゴマー及び/又はポリマーの性質及び重量平均分子量などのような因子に依存して広い範囲で変化し得る。オリゴマー及び/又はポリマーそれ自体は直鎖状、分岐状、及び/又は環式であり得る。分岐状オリゴマー及び/又はポリマーは同等の分子量の直鎖状の粘性より低い粘性を有する傾向がある。
【0032】
代表的な重合性オリゴマー及び/又はポリマーの例としては、脂肪族ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、エポキシポリマー、ポリスチレン(スチレンのコポリマーを含む)、置換スチレン、ポリマー含有シリコーン、フッ素化ポリマー、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。用途によっては、ポリウレタン及びアクリル含有オリゴマー及び/又はポリマーは改善された耐久性及び耐候性を有することができる。そのような材料は、放射線硬化性の(メト)アクリレート官能性モノマーから形成された反応性希釈剤に容易に溶解し得る傾向もまた有する。
【0033】
オリゴマー及び/又はポリマーの芳香族構成要素は概して太陽光に対して乏しい耐候性及び/又は乏しい抵抗力を有する傾向があるので、芳香族構成要素は5重量%未満、好ましくは1重量%未満に制限してもよく、本発明のオリゴマー及び/又はポリマー並びに反応性希釈剤から実質的に排除されてもよい。したがって、屋外用途で使用されるオリゴマー及び/又はポリマーを形成するには、直鎖状、分岐状、及び/又は環式の脂肪族及び/又は複素環式成分が好ましい。
【0034】
本開示に使用するのに好適な放射線硬化性オリゴマー及び/又はポリマーとしては、(メト)アクリル化ウレタン(すなわちウレタン(メト)アクリレート)、(メト)アクリル化エポキシ(すなわちエポキシ(メト)アクリレート)、(メト)アクリル化ポリエステル(すなわちポリエステル(メト)アクリレート)、(メト)アクリル化(メト)アクリル、(メト)アクリル化シリコーン、(メト)アクリル化ポリエーテル(すなわちポリエーテル(メト)アクリレート)、ビニル(メト)アクリレート、及び(メト)アクリル化オイルが含まれる。
【0035】
溶剤120は、所望の重合性材料130との溶液を形成する任意の溶剤でよい。溶剤は極性溶剤でも無極性溶剤でもよく、高沸点溶剤でも低沸点溶剤でもよく、いくつかの溶剤の混合物が好ましい場合がある。溶剤又は溶剤混合物は、部分重合された材料150が均質な組成物140において溶剤(又は溶剤混合物中の少なくとも1つの溶剤)中で可溶性を維持するように選択することができる。いくつかの実施形態で、溶剤混合物は重合性材料130のための溶剤及び非溶剤の混合物であってもよい。特定の一実施形態で、コーティング後に、但し重合が開始する前に、溶剤120の副部分を溶液から除去することができる。別の実施形態では、溶液120の副部分を重合工程中に除去してもよい。「副部分」とは、均質な組成物140の部分重合まで第1の溶液110が安定して維持されるために十分に少ない量を意味する。副部分は、第1の溶液110内の溶剤120の約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、又は約2%未満であってよい。
【0036】
重合中、第1の溶液110は分離し、重合して部分重合された材料150を形成する第2の溶液160とポリマーの豊富な溶液とを含む均質な組成物140を形成する。第2の溶液160には重合性材料130はないが、重合性材料135の第2の部分は第2の溶液160中に残っている。均質な組成物140は、概して、第1の溶液110より高い粘性を有し、他の場所で記述したようなコーティング環境における外乱に曝されることがより少ない。部分重合された材料150は、図1に示すように均質な組成物140全体に延在し得るポリマー鎖を形成する。ポリマー鎖は領域155で物理的に互いと交差及び/又は接触することができるが、均質な組成物140内の鎖の間の化学結合(例えば架橋)は概して形成しない。
【0037】
一実施形態で、溶剤120は、例えば、部分重合された材料150又は基材115のいずれかの分解温度を超えない温度での乾燥によって、均質な組成物140から容易に除去され得る。特定の一実施形態で、乾燥中の温度は基材115が変形しやすい温度、例えば基材115のゆがみ温度又は基材115のガラス転移温度未満に維持される。代表的な溶剤としては、直線状、分岐状、及び環式の炭化水素、アルコール、ケトン、及びエーテルが挙げられ、例えば、DOWANOL(商標)PMプロピレングリコールメチルエーテルのようなプロピレングリコールエーテル;イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、エチルアセテート、2−ブタノン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、水、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、芳香族炭化水素;イソホロン;ブチロラクトン;N−メチルピロリドン;テトラヒドロフラン;乳酸塩、酢酸塩、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMアセテート)、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(DEアセテート)、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(EBアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルアセテート(DPMアセテート)、イソ−アルキルアセテート、イソヘプチルアセテート、イソオクチルアセテート、イソトリデシルアセテート、又は他のイソ−アルキルエステルのようなエステル、及びそれらの組み合わせなどが含まれる。
【0038】
第1の溶液110は他の成分もまた含んでもよく、例えば、反応開始剤、硬化剤、硬化促進剤、触媒、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、染料、界面活性剤、難燃剤、結合剤、顔料、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含む衝撃調整剤、フロー制御剤、発泡剤、充填剤、ガラス及びポリマー微小球及び微小粒子、導電性粒子、熱伝導性粒子、繊維、静電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤などのような他の粒子が含まれる。
【0039】
光開始剤のような開始剤を有効量で使用して、第1の溶液110に存在するモノマーの重合を促進してもよい。光開始剤の量は、例えば開始剤のタイプ、開始剤の分子量、得られる部分重合性材料150に意図される用途、及び例えばプロセスの温度及び使用する化学線の波長を含む重合性プロセスによって変化し得る。有用な光開始剤としては、例えば、Ciba Specialty ChemicalsからIRGACURE(商標)及びDAROCURE(商標)の商品名で市販されている、例えばIRGACURE(商標)184及びIRGACURE(商標)819が含まれる。
【0040】
いくつかの実施形態で、例えばプロセスの異なるセクションでの重合を制御するために、開始剤及び開始剤タイプの混合物を使用してもよい。一実施形態で、任意のプロセス後の重合は、熱によって生成されたフリーラジカル開始剤を必要とする、熱によって開始される重合であってもよい。プロセス後の光開始剤は、溶液中のポリマーマトリックスの重合に使用された光開始剤と同じものでも異なるものでもよい。
【0041】
部分重合された材料150を架橋して、より剛性のポリマーコーティング185を提供することができる。特定の実施形態で、部分重合された材料150は、溶剤120の除去と同時に少なくとも部分的に崩壊するために十分な移動度を保持し、変形に抵抗する堅い3次元ポリマー網を形成しない。架橋は、ガンマ線又は電子線照射のような高エネルギー放射線の使用によって、架橋剤を用いて又は用いずに達成され得る。いくつかの実施形態で、架橋剤又は架橋剤の組合せは、重合性モノマーの混合物に添加され得る。架橋は、他の場所で記述した任意の化学線源を用いて、ポリマー網の重合中に生じることができる。
【0042】
有用な放射線硬化性架橋剤としては、米国特許第4,379,201号(Heilmannら)に開示されているような多官能アクリレート及びメタクリレートが挙げられ、1,6−ヘキサンジオールジ(メト)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メト)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メト)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ/テトラ(メト)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メト)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メト)アクリレート、グリセロールトリ(メト)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メト)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メト)アクリレート、1,12−ドデカノールジ(メト)アクリレート、米国特許第4,737,559号(Kellenら)に開示されているような共重合性芳香族ケトンコモノマーなど、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0043】
第1の溶液110は、連鎖移動剤もまた含むことができる。連鎖移動剤は、好ましくは、重合の前にモノマー混合物中に溶解可能である。好適な連鎖移動剤としては、トリエチルシラン及びメルカプタンが挙げられる。いくつかの実施形態で、連鎖移動は溶剤に生じてもよいが、これは好ましい機構ではない場合がある。
【0044】
重合工程は、好ましくは、低酸素濃度を有する雰囲気中で放射線源を使用することを含む。酸素はフリーラジカル重合を急冷することで知られており、硬化の程度が下がる結果となる。重合及び/又は架橋を達成させるために使用される放射線源は、化学線(例えば、スペクトルの紫外線又は可視光領域に波長を有する放射線)、加速粒子(例えば、電子ビーム放射)、熱(例えば、熱又は赤外線放射)などであり得る。いくつかの実施形態では、エネルギーは、架橋及び/又は重合の開始及び速度の制御に優れている化学線又は加速粒子である。加えて、比較的低い温度で硬化を行なうために、化学線及び加速粒子を用いることができる。これは、熱硬化法を用いるときにエネルギー硬化性の基の重合及び/又は架橋を開始するために必要であり得る、比較的高温に対して敏感であり得る劣化成分又は蒸発成分を回避する。好適な硬化エネルギー源としては、UV LED、可視LED、レーザー、電子ビーム、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、タングステン電球、閃光灯、太陽光、低強度の紫外線光(ブラックライト)などが挙げられる。
【0045】
均質なコーティング170を生産するために溶剤120の主部分は溶剤除去工程で除去される。溶剤120の主部分とは、溶剤の90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、又は50重量%以上を意味する。溶剤120は、エアフロテーション/対流を含み得る高温炉での乾燥、赤外線又は他の輻射光源を用いた乾燥工程、真空乾燥工程、ギャップ乾燥工程、又は乾燥工程の組み合わせによって除去することができる。乾燥法の選択は、とりわけ、所望のプロセス速度、溶剤除去の程度、及び期待されるコーティングモホロジーなどによって決定され得る。特定の一実施形態で、ギャップ乾燥工程が最低限の空間内での急速な乾燥工程を提供することができるので、ギャップ乾燥工程は溶剤除去に利点をもたらすことができる。
【0046】
溶剤120の主部分を除去後、均質なコーティング170は重合性材料130の第1の部分からの部分重合された材料150と、第3の溶液180とを含む。第3の溶液180は重合性材料135の第2の部分と、所望により残留溶剤120とを含む。次いで、重合性材料135の第2の部分を重合することによって、均質なコーティング170を更に重合して、基材115上にポリマーコーティング190を形成する。この重合は、他の場所に記述した任意の化学線源を用いて達成することができる。
【0047】
図2は、本開示の別の態様により、基材215上に微粒子充填されたポリマーコーティング295を形成するためのプロセス200の略図を示す。溶剤220中の重合性材料230と粒子240とを含む第1の溶液210を、基材215上にコーティングする。第1の溶液210を少なくとも部分的に重合して、第2の溶液270中にて部分重合された材料260と結合された粒子240を含む均質な組成物250を形成する。溶剤220の主部分を第2の溶液270から除去して、均質なコーティング280が第3の溶液290中に部分重合された材料260を含む均質なコーティング280を基材115上に形成する。重合性材料235の第2の部分を重合して、基材115上に均質な膜297を含む、ポリマーコーティング295を形成する。
【0048】
第2の溶液270には重合性材料230はないが、重合性材料235の第2の部分は第2の溶液270中に残っている。均質な組成物250は、概して、第1の溶液210より高い粘性を有し、コーティング環境における外乱に曝されることがより少ない。部分重合された材料260は、図2に示すように、均質な組成物250全体に延在し得るポリマー鎖を形成する。ポリマー鎖は領域265で物理的に互いに交差及び/又は接触することができるが、均質な組成物250内のポリマー鎖間に化学結合(例えば架橋)は概して形成しない。
【0049】
第2の溶液270は、図2に示すように、部分重合された材料260と結合されていない粒子の部分245もまた含む(すなわち、第2の溶液270から粒子240が激減することはあり得るが、なおいくらかは存在し得る)。本明細書で使用されるとき、部分重合された材料260と「結合した」粒子240は、部分重合された材料に完全に埋め込まれた粒子と、部分重合された材料に部分的に埋め込まれた粒子と、部分重合された材料の表面に付着した粒子と、それらの組み合わせとを含むことを意味する。
【0050】
粒子240は任意の所望の材料から作製することができ、任意の粒径を有することができるが、概して、コーティングされた第1の溶液210の厚さより小さい。特定の実施形態で、粒子240はアクリレートビーズ又はスチレンビーズのような、コーティングされた第1の溶液210全体に一様に分散される高分子ビーズであってもよい。他の場所で記述したように、重合性材料の部分重合は、硬化中のコーティング内のビーズの移動又は凝集を防ぐことができる。特定の実施形態で、粒子240はナノ粒子であってもよく、部分重合された材料260と化学的に結合する表面修飾された反応性ナノ粒子が含まれる。特定の実施形態で、粒子240は、部分重合された材料260と物理的に結合する表面修飾された非反応性のナノ粒子であってもよい。
【0051】
重合性材料230及び溶剤220は、それぞれ、図1で説明した重合性材料130及び溶剤120と同じであってもよい。一実施形態で、粒子240は無機粒子、有機(例えば高分子)粒子、又は有機粒子と無機粒子との組み合わせであってよい。特定の一実施形態で、粒子240は多孔質粒子、中空粒子、固体粒子、又はそれらの組み合わせであってよい。好適な無機粒子の例としては、ジルコニア、チタニア、セリア、アルミナ、酸化鉄、ヴァナディア(vanadia)、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミナ/シリカ、及びそれらの組み合わせを含む、シリカ及び金属酸化物粒子が挙げられる。粒子は、第1の溶液のコーティングの厚さ未満の平均粒子直径を有することができ、概して約1000ミクロン未満である。特定の一実施形態で、粒子は、1000nm未満、約100nm未満、約50nm未満、又は約3nm〜約50nmの平均粒子直径を有するナノ粒子であってもよい。いくつかの実施形態で、ナノ粒子は、約3nm〜約50nm未満、約3nm〜約35nm未満、又は約5nm〜約25nmの平均粒子直径を有してもよい。ナノ粒子が凝集される場合、凝集粒子の最大断面寸法はこれらの任意の範囲内であってもよいが、約100nmより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、Cabot Co.(マサチューセッツ州Boston)から入手可能なCAB−O−SPERSE(登録商標)PG 002ヒュームドシリカ、CAB−O−SPERSE(登録商標)2017Aヒュームドシリカ、及びCAB−O−SPERSE(登録商標)PG 003ヒュームドアルミナのような、主なサイズが約50nm未満のシリカ及びアルミナのような「ヒュームド」ナノ粒子もまた含まれる。
【0052】
いくつかの実施形態で、粒子240は疎水基、親水基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される表面基を含む。他の実施形態で、粒子は、シラン、有機酸、有機塩基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤に由来する表面基を含む。他の実施形態で、粒子は、アルキルシラン、アリルシラン、アルコキシシラン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤に由来するオルガノシリル表面基を含む。
【0053】
「表面修飾された粒子」という用語は、粒子の表面に付着された表面基を含む粒子を指す。表面基は粒子の特性を変更する。「粒子直径」及び「粒径」という用語は、粒子の最大断面寸法を意味する。粒子が凝集体の形態で存在する場合、用語「粒子直径」及び「粒子サイズ」は、凝集体の最大断面寸法を指す。いくつかの実施形態で、粒子は、ヒュームドシリカ粒子のような、大きいアスペクト比のナノ粒子の粒塊であってもよい。
【0054】
表面修飾された粒子は粒子の可溶性を変更することができる表面基を有する。表面基は、概して、重合性の第1の溶液210と適合性のある粒子をもたらすように選択される。一実施形態で、表面基は、第1の溶液210の少なくとも一成分と付随するか又は反応して、部分重合された材料260の化学的に結合された部分となるように選択され得る。
【0055】
粒子の表面を改質するには、例えば粒子に表面改質剤(例えば、粉末又はコロイド分散液の形態で)を加えて、表面改質剤を粒子と反応させるなど、多くの方法がある。その他の有用な表面修飾プロセスは、米国特許第2,801,185号(Iler)及び同第4,522,958号(Das et al.)に記載されており、本明細書に組み込まれる。
【0056】
有用な表面修飾されたシリカナノ粒子としては、例えば、GE SiliconesのSilquest(登録商標)シラン(例えばSilquest(登録商標)A−1230)、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルメトキシシラン、4−(トリエトキシリル)−ブチロニトリル、(2−シアノエチル)トリエトキシシラン、N−−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TMS)、N−−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TMS)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヒキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペンオキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、及びそれらの組み合わせを含むシラン表面修飾剤で表面修飾されたシリカナノ粒子が含まれる。シリカナノ粒子は多数の表面改質剤で処理することが可能であり、例えば、アルコール、例えばアルキルトリクロロシラン、トリアルコキシアリールシラン、トリアルコキシ(アルキル)シラン、及びこれらの組み合わせを包含するオルガノシラン、並びにオルガノチタネート及びそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
ナノ粒子はコロイド状分散液の形態で提供されてもよい。有用な市販の非修飾シリカ出発原料の例としては、Nalco Chemical Co.(イリノイ州Naperville)のNALCO 1040、1050、1060、2326、2327及び2329という製品表記のコロイド状シリカ、Nissan Chemical America Co.(テキサス州Houston)のIPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST、IPA−ST−UP、MA−ST−M及びMA−STゾルという製品名のオルガノシリカ、並びに同じくNissan Chemical America Co.(テキサス州Houston)のSnowTex(登録商標)ST−40、ST−50、ST−20L、ST−C、ST−N、ST−O、ST−OL、ST−ZL、ST−UP及びST−OUPとして入手可能なナノサイズのコロイド状シリカが含まれる。重合性材料対ナノ粒子の重量比は約30:70、40:60、50:50、55:45、60:40、70:30、80:20、又は90:10以上の範囲であってよい。ナノ粒子の好ましい範囲の重量%は、約10重量%〜約50重量%の範囲であり、使用されるナノ粒子の質量に依存し得る。
【0058】
図3Aは、本開示の一態様による、基材302上に均質なコーティング356を形成するためのプロセス300の略図を示す。図3Aに示したプロセス300は、均質なコーティング356を形成するための連続プロセスであるが、代わりにこのプロセスを段階的方法で実行してもよく、すなわち下記のようにコーティング工程、重合工程、及び溶剤除去工程を別個の作業において個々の基材片について実行してもよいものと理解されたい。
【0059】
図3Aに示したプロセス300は、コーティングセクション310、任意のコーティング調整セクション315、重合セクション320、第1の溶剤除去セクション340、及び第2の溶剤除去セクション350を通して基材302を通過させて、基材302上に均質なコーティング356を形成する。次いで、基材302上の均質なコーティング356は第2の重合セクション360を通過して、基材302上にポリマーコーティング366を形成し、出力ロール370として巻き取られる。いくつかの実施形態で、プロセス300は、例えばアイドラロール、引張ロール、ステアリング機構、表面処理機(コロナ又はフレーム処理機)、ラミネーションロールなど、ウェブベースの材料の生産に一般的な追加的なプロセス設備を含んでもよい。いくつかの実施形態で、プロセス300は、異なるウェブ経路、コーティング技法、重合装置、重合装置の位置づけ、乾燥炉、調整セクションなどを利用してもよく、記載したそれらのセクションのいくつかは任意選択されてもよい。
【0060】
基材302はウェブラインでのロールツーロール・ウェブプロセスに好適な任意の既知の基材であってよく、例えば、高分子基材、金属化高分子基材、金属ホイル、及びそれらの組み合わせなどが含まれる。特定の一実施形態で、基材302は光学品質の高分子基材であり、液晶表示のような光学ディスプレイでの使用に好適なものである。
【0061】
基材302は、入力ロール301から巻き解かれ、アイドラロール303の上を通過し、コーティングセクション310でコーティングロール304と接触する。第1の溶液305はコーティングダイ307を貫通して、第1の溶液305の第1のコーティング306を基材302上に形成する。第1の溶液305は、溶剤、重合性材料、任意の粒子、光開始剤、及び他の場所で記載されている他の任意の第1の溶液成分を含むことができる。コーティングセクション310のコーティングダイ307とコーティング調整セクション315のコーティング調整領域309との間に位置づけられたシュラウド308は、第1の溶液305を取り巻く第1の制御環境311を提供することができる。いくつかの実施形態で、シュラウド308及びコーティング調整セクション315は、例えば第1の溶液305の組成物中に実質的な変化が生じ得る前に重合が生じるときなどに、任意選択されてもよい。次いで、第1の溶液305の第1のコーティング306を有する基材302は、他の場所で記述したように、第1の溶液305が重合される重合セクション320に入る。
【0062】
コーティングダイ307は既知の任意のコーティングダイ、及び多層コーティングを含むコーティング技法を含むことができ、薄膜コーティングのいかなる特定のダイ設計にも技法にも限定されない。コーティング技法の例としては、当業者に既知のナイフコーティング、グラビアコーティング、スライドコーティング、スロットコーティング、スロット供給式ナイフコーティング、カーテンコーティングなどが挙げられる。ポリマーコーティングのいくつかの適用としては、精密な厚さ及び無欠陥のコーティングが必要とされる用途が含まれ、図3Aに示したように精密コーティングロール304に対して位置づけられた正確なスロットコーティングダイ307の使用が必要である場合がある。第1のコーティング306は任意の厚さで適用され得るが、薄いコーティングが好ましく、例えば、1000ミクロン未満の厚さ、約500ミクロン未満の厚さ、約100ミクロン未満の厚さ、又は約50ミクロン未満の厚さは、代表的な性状を有するポリマーコーティングを提供することができる。
【0063】
第1のコーティング306は他の場所に記述したように少なくとも1つの溶剤と重合性材料とを含むため、シュラウド308は、コーティングからの溶剤の一切の不要な損失を低減し、周囲の空気流からコーティングを保護し、かつまた重合を抑制し得る酸素からコーティングを保護するために位置づけられる。シュラウド308は、例えば、第1のコーティング306に近接して位置づけられる形成されたアルミニウムシートであってよく、コーティングダイ307及びコーティングロール304の周囲にシールを提供することによって第1の制御環境311を維持することができる。いくつかの実施形態で、シュラウド308は、周囲の室内条件からコーティングを保護する役割もまた果たすことができる。第1の制御環境311は、酸素含有量を制御するために窒素のような不活性ガスを含んでもよく、溶剤損失を低減するために溶剤蒸気を含んでもよく、又は不活性ガスと溶剤蒸気との組み合わせを含んでもよい。酸素濃度は重合の速度及び程度の両方に影響し得るため、一実施形態では、第1の制御環境311での酸素濃度は1000百万分率(ppm)未満、500ppm未満、300ppm未満、150ppm未満、100ppm未満、又は50ppm未満にさえ低減される。概して、達成し得る最低の酸素濃度が好ましい。
【0064】
コーティング調整セクション315のコーティング調整領域309は、重合セクション320に入る前に第1のコーティング306を修正する追加的な能力を提供するシュラウド308の延長である。第1の制御環境311はなおコーティング調整領域309内に維持され得る。他の実施形態で、追加的加熱、冷却、又は注入ガス及び排気ガスを提供して、第1のコーティング306の組成物を調整又は維持することができる。例えば、注入ガスに溶剤蒸気を導入して、重合前の第1のコーティング306からの溶剤の蒸発を低減することができる。
【0065】
例えば米国特許第5,694,701号に記述されているギャップ乾燥機のような加熱装置を使用して、第1のコーティング306の温度を上昇又は下降させること、追加的溶剤を取り除いて第1のコーティング306の組成物を調整すること、又はそれら両方が可能である。また、ギャップ乾燥機を使用して、重合セクションの前に溶剤の一部分を除去し、例えば、コーティングの最適な組成物(例えば固形分%)が重合の最適な組成物と異なるときに、所望の薄膜モホロジー及び組成物を可能にすることができる。多くの場合、コーティング調整領域309は、例えば、重合の前に全ての表面のしわ又は筋を平滑にするために、第1のコーティング306が安定するための追加的な時間を提供する役割を果たすことができる。
【0066】
図3Bは、本開示の一態様による、図3Aに示したプロセス300の重合セクション320の略図である。図3Bは、基材302の経路下流から見た重合セクション320の断面図である。重合セクション320は、基材302上の第1のコーティング306を部分的に取り囲む第2の制御環境327の境界を提供するハウジング321及び水晶板322を含む。放射線源323は、水晶板322を通過し、基材302上の第1のコーティングを重合する化学線324を生成する。単一の放射線源323ではない、図3Bに示す放射線源配列325は、均質性及び重合速度の改善を重合プロセスにもたらすことができる。放射線源配列325は放射線源323の個別制御を提供することができ、例えば、所望によりウェブ横断方向又はウェブ下流方向のプロファイルを生成することができる。熱抽出機326は、放射線源配列325のそれぞれの放射線源323によって生成される熱を取り去ることによって温度を制御するように位置づけることができる。
【0067】
ハウジング321は基材302、第1のコーティング306、及び均質な溶液コーティング336(図3Cに図示)を取り囲むように設計された単純な囲いであってよく、あるいはハウジング321は、例えば第2の制御環境327の温度を調整することができる温度制御板(図示せず)のような追加的な要素を含んでもよい。ハウジング321は基材302及び第1のコーティング306を囲んで第2の制御環境327をもたらすために十分な内部寸法「h3」及び「h2」を有する。ガス流場は、不活性化能力、コーティング組成物、コーティング均質性などに影響を及ぼす。図3Bに示すように、ハウジング321は第2の制御環境327を放射線源配列325の放射線源323から分離する、頂上の水晶板322を含む。放射線源配列325は基材302から距離「h1」に位置づけられて、均質な化学線324を第1のコーティング306に提供する。一実施形態で、「h1」は1インチ(2.54cm)であり「h3」は0.25インチ(0.64cm)である。いくつかの実施形態で(図示せず)、水晶板322及び放射線源323が基材302の下に配置され、化学線324が基材302を通ってから第1のコーティング306を重合するように、重合セクション320を反転してもよい。他の実施形態では(同じく図示せず)、重合セクション320は、第1のコーティング306を重合するために基材の上及び下に配置される2つの水晶板322及び2つの放射線源323を含んでもよい。
【0068】
放射線源323は、他の場所に記述したように任意の化学線源であってよい。いくつかの実施形態で、放射線源323は紫外線を生成できる紫外線LEDである。異なる波長で発光する放射線源の組み合わせを使用して、重合反応の速度及び程度を制御することができる。UV−LED又は他の放射線源は動作中に熱を生成することができ、熱抽出機326は、生成された熱を取り去ることによって温度を制御するために、空気又は水のいずれかによって冷却されるアルミニウムで製作することができる。
【0069】
図3Cは、本開示の一態様による、図3Aに示したプロセス300の重合セクション320の略図である。図3Cは、基材302の縁に沿って見た重合セクション320の断面図である。重合セクション320は第2の制御環境327の境界を提供するハウジング321及び水晶板322を含む。第2の制御環境327は基材302上の第1のコーティング306及び均質な溶液コーティング336を部分的に取り囲む。均質な溶液コーティング336は、他の場所に記述したように部分重合された材料を含む。
【0070】
ここで、第2の制御環境327について説明する。ハウジング321は、基材302及び基材302上のコーティング306とそれぞれの開口との間に任意の所望のギャップを提供するように調製可能な入口開口328及び出口開口329を含む。第2の制御環境327は、ハウジング321の温度制御と、第1の流入ガス331、第2の流入ガス333、第1の排出ガス335及び第2の排出ガス334の温度、組成物、圧力、及び流量の適切な制御と、によって維持することができる。入口開口328及び出口開口329のサイズの適切な調整は、それぞれ対応する第1の排出ガス335及び第2の排出ガス334の圧力及び流量の制御を助けることができる。
【0071】
第1の排出ガス335は第2の制御環境327から入口開口328を通って、図3Aに示すようにコーティング調整セクション315の第1の制御環境311に流れ込むことができる。いくつかの実施形態では、第2の制御環境327及び第1の制御環境311内の圧力は、それら2つの環境間の圧力駆動の流れを防ぐために調整され、第1の排出ガス335は、ハウジング321内の別の場所(図示せず)から第2の制御環境327を出ることができる。第2の排出ガス334は、第2の制御環境327から出口開口329を通って、図3Aに示した第1の溶剤除去セクション340に流れ込むことができるか、あるいは第2の排出ガス334はハウジング321内の別の場所(図示せず)から第2の制御環境327を出ることができる。
【0072】
第1の流入ガス多岐管330は、入口開口328に近接してハウジング321に隣接して位置づけられ、望ましい均質性で第1の流入ガス331を第1のコーティング306の幅に渡って分布する。第2の流入ガス多岐管332は、出口開口329に近接してハウジング321に隣接して位置づけられ、望ましい均質性で第2の流入ガス333を均質な溶液コーティング336の幅に渡って分布する。第1及び第2の流入ガス331、333は所望によりウェブの上に、ウェブの下に、又はウェブの上及び下の任意の組み合わせで分布され得る。第1及び第2の流入ガス331、333は同じでも異なっていてもよく、既知のように、重合反応を抑制する可能性がある酸素濃度を低減し得る窒素のような不活性ガスを含んでもよい。第1及び第2の流入ガス331、333は、他の場所に記述したように、重合前及び重合中の第1のコーティング306からの溶剤損失を低減するのを助けることができる溶剤蒸気もまた含むことができる。第1及び第2の流入ガス331、333の相対流量、流速、コーティング上の流れの衝突又は配向、及びそれぞれの温度は、独立に制御することができ、重合前の第1のコーティング306の欠陥を低減するように調整することができる。欠陥は、当該技術分野で既知のように、コーティングへの外乱によって引き起こされ得る。場合によっては、第1及び第2の流入ガス331、333のうち1つだけを流してもよい。
【0073】
ここで図3Aを再び参照し、プロセスの残りの部分を説明する。重合セクション320を出た後、基材302上の均質な溶液コーティング336は第1の溶剤除去セクション340に入る。第1の溶剤除去セクション340は、溶剤を蒸発するために均質な溶液コーティング336を加熱することによって溶剤を除去する従来の乾燥炉であってよい。好ましい溶剤除去セクション340は、米国特許第5,694,701号及び同第7,032,324号に記述されているようなギャップ乾燥機である。ギャップ乾燥機は、より優れた乾燥環境の制御を提供することができ、いくつかの用途で望ましい場合がある。次いで、第2の溶剤除去セクション350を使用して、溶剤の主部分を確実に除去することができる。
【0074】
次いで、基材302上の均質なコーティング356は、第2の溶剤除去セクション350を出て、第2の重合セクション360を通過し、基材302上にポリマーコーティング366を形成する。特定の一実施形態で、例えばプロセスの前の工程で均質なコーティング356が十分に硬化されてポリマーコーティング366が形成された場合などは、第2の重合セクション360は任意の選択であってもよい。第2の重合セクション360は、均質なコーティング356を完全に硬化するために前述の化学線源のどれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、硬化の程度を増す工程は、溶剤の除去後に残りの重合性材料(すなわち図1に示した残りの重合性材料135)を重合する工程を含むことができる。基材302の均質なコーティング356は第2の重合セクション360を出て、出力ロール370として巻き取られる。いくつかの実施形態では、出力ロール370は、コーティングに積層されて同時に出力ロール370に巻き取られる、他の所望の膜(図示せず)を有してもよい。他の実施形態では、追加層(図示せず)を、均質なコーティング356上又は基材302上のいずれかにおいてコーティング、硬化、及び乾燥することができる。
【実施例】
【0075】
材料及びそれらの出所の以下の一覧は、実施例全体を通して参照される。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例1:コーティング溶液漏れ及び微粒子の分布
微粒子ビードを含有するコーティング溶液を調製し、ポリマー基材上にコーティングして、均質なビード分布で薄膜をコーティングするプロセスの能力を実証した。コーティングは、異なるUV LEDで部分重合しながら、厚さ0.005インチ(0.0127cm)のポリエチレンテレフタレート(PET)基材に適用した。
【0078】
固形分40重量%のコーティング溶液は、12.6gのSR355、82.5gのMEK、1.76gのMX−300ビード、6.31gのPhotomer 6210、43.0gのSR238、3.15gのEsacure One、及び0.33gのFC−4432を容器内で混合し、溶液を均質に混合するために攪拌して調製した。この混合物に、追加的にIrgacure 819の固形分8重量%を攪拌しながら加えて、固形分40重量%のコーティング溶液を調製した。
【0079】
概ねのプロセスは、図3A〜Cに記述した略図にしたがった。コーティング溶液は4cc/分の速度で4インチ(10.2cm)幅のスロットタイプコーティングダイに供給した。基材は25フィート/分(762cm/分)で移動した。4インチ(10.2cm)幅のコーティングダイはクラムシェル式囲い(すなわちシュラウド)の内部にあり、100立方フィート/時(47.2リットル/分)の流量で窒素をクラムシェルに供給した。クラムシェルは、2つの水晶窓を有する小ギャップのウェブ収納装置と直接連結した。クラムシェルへの窒素の流れの提供によって、小ギャップの部分重合セクションの不活性化レベルは酸素90ppmになった。
【0080】
部分重合セクションは、Clearstone Technologies Inc.(ミネソタ州Minneapolis)から入手可能な直径1.75インチ(4.4cm)の円内に位置づけられた18個のLEDを有するClearstone Tech UV LEDユニットを含むものであった。UV LEDユニットは水晶の窓の真上に直接位置づけ、オンにしたとき50%又は100%の電力で動作する。UV LEDユニットの波長は365nmであった。365nmのUV LEDは100%の電力では約0.11W/cmのUV−A及び0W/cmの可視放射線をを生成し、50%の電力では0.066W/cmのUV−Aと0W/cmの可視放射線を生成した。LEDは、同じくClearstoneから入手可能なCF 1000 UV−Vis LED Sourceを電力源とした。3つの試料(UV LEDをオフにしたもの、UV LEDを50%の電力で動作したもの、及びUV LEDを100%の電力で動作したもの)を調製した。
【0081】
UV LED部分重合の後、コーティングされたウェブを室内環境で10フィート(3m)の距離移動し、次いで、華氏170度(摂氏77度)に設定したプレート温度を用いた乾燥工程が、小ギャップの長さ5フィート(1.5m)の、2つのゾーンを通過した。次いで、H電球を有するFusion Systems Model I300P(メリーランド州Gaithersburg)を用いてコーティングを重合した。UVチャンバは酸素約50ppmまで窒素で不活性化した。図4Aは、UV LEDをオフで調製した試料の写真を示し、図4BはUV LEDを50%の電力で調製した試料の写真を示し、図4CはUV LEDを100%の電力で調整した試料の写真を示す。図4A、4B、及び4Cの比較は、薄膜コーティングでのビード移染及び凝集を低減するUV LED部分重合の能力を示す。
【0082】
実施例2 欠陥の低減及びプロセス速度の増加
溶剤を除去する前にコーティングを部分重合することによって可能となるプロセス速度の増加を実証するために、紫外線硬化性コーティング溶液を調製した。この実施例では、ウェブ速度の増加につれてコーティングに「むら」欠陥が生成された。コーティングの部分重合は、むらが観察される前のより高いコーティング速度を可能にした。
【0083】
33.03gのSR238、33.03gのSR295、1.62gのIrgacure 184、1.62gのIrgacure 819、及び126.73gのMEKを第1の容器内で混合し、その混合物を攪拌して、アクリレート予混合物を調製した。次いで、第2の容器内で60gのATO、10gのSolplus(登録商標)D−510、及び30gの1−メトキシ−2−プロパノールを混合して、均質な分散液を形成し、アンチモン含有酸化スズ(ATO)微粒子分散液を調製した。次いで、48.3gのアクリレート予混合物、46.5gのATO分散液、及び5.25gの1−メトキシ−2−プロパノールを混合することによって、高固形分のコーティング溶液を第3の容器内で調製した。最終的なUV硬化性コーティング溶液は、100gの高固形分コーティング溶液を追加のMEK 17g、追加のIrgacure 184 0.5g(固形分1重量%)、追加のIrgacure 819 1.5g(固形分3重量%)とともに混合することによって調製し、固形分42重量%のUV硬化性コーティング溶液を得た。
【0084】
図3A〜3Cに示したプロセスで、コーティング溶液を厚さ0.002インチ(0.051mm)のポリマー基材ウェブ(米国特許第6,797,396号に記述されているようにPETとcoPMMAの224の交互層を含む、1/4波の多層IR反射膜である、CM875)に適用した。
【0085】
第1のコーティング溶液を5インチ(12.7cm)幅のスロットタイプコーティングダイに供給し、20〜100フィート/分(6.1〜30.5m/分)の範囲で変化する速度で移動するウェブ基材上に供給した。一定の濡れコーティングの厚さを維持するために、コーティング溶液の適用速度はウェブ速度の増加につれて増加した。コーティング後、ウェブはウェブ収納装置(すなわち図3Aのシュラウド308)を通過してから長さ5フィート(152cm)のギャップ乾燥機セクション(図3Aのコーティング調整領域309に相当する)に進入した。ギャップ乾燥機は0.25インチ(0.64cm)のギャップで運転し、上位プレートを華氏68度(摂氏20度)に設定し、下位プレートを華氏121度(摂氏50度)に設定した。これらの条件は、コーティングダイと重合セクションとの間でコーティング溶液から溶剤の一部分(すなわち副部分)を除去するために設定した。UV LED部分重合装置はギャップ乾燥機のウェブ下流に直接連結した。
【0086】
次いで、コーティングされたウェブを重合セクションに送った。異なるウェブ速度の範囲にかけて、試料を2通り生成した。第1の試料セット(A、B、C)は、UV LED部分重合装置のスイッチをオフにしてプロセスした。第2の試料セット(D、E、F)は、スイッチをオンにして13amp(全電力)の設定でプロセスした。ウェブ速度、コーティング材料の流量、UV LED部分重合装置の状態、及び定量的結果を下表1に示す。
【0087】
UV LED部分重合装置には、それぞれの列に22個のLEDを有する16列のLEDから成る395nmのUV LED水冷式配列を使用した。それぞれの列の22個のLEDはウェブの幅に渡って等間隔に置かれ、16列は8インチ×8インチ(20.3cm×20.3cm)の面積内にウェブ下流方向に沿って等間隔に置かれた。この配列内の352個のLEDは395nmのUV LED(Cree Inc.(ノースカロライナ州Durham)から入手可能)であった。LAMBDA GENH750Wを電源としてLED配列に通電した。UV LED装置をオンに入れる場合の試料(D、E、F)では、電源出力は13amp、約45ボルトで稼動した。2つの下流ガス導入装置(例えば図3Cの多岐管332)から、窒素を約560立方フィート/時(260リットル/分)で制御環境に供給した。その結果、部分重合セクションの制御環境において約35ppmの酸素濃度が得られた。
【0088】
部分重合装置を出た後、ウェブは、約3フィート(0.9m)移動してから、3つのゾーン全てを華氏150度(摂氏66度)に設定した30フィート(9.1m)の従来式のエアフローテーション乾燥機に進入した。乾燥後、乾燥したコーティングを巻き取る前にFusion UV System,Inc.のVPS/I600(メリーランド州Gaithersburg)を用いて重合した。FusionシステムはH電球で構成されており、硬化ゾーンの酸素濃度50ppm未満で100%の電力で運転した。
【0089】
【表2】

【0090】
実施例3 ナノ粒子コーティングでのむらの低減
溶剤を除去する前にコーティングを部分重合することによって可能となるむらの低減を実証するために、ナノ粒子を含有する紫外線硬化性コーティング溶液を調製した。この実施例では、コーティングにむらが生成され、低電力でのコーティングの部分重合によってそのむらがなくなった。
【0091】
コーティングした製剤を、以下の方法でSR444に分散した20nmのSiOナノ粒子で表面処理し、調製した。Nalco 2327(164.1gのSiOを含有する401.5gの分散液)を1クォート瓶に充填した。トリメトキシ(2,4,4トリメチルペンチル)シラン(11.9g),3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル(11.77g)、及び1−メトキシ−2−プロパノール(450g)を共に混合し、攪拌しながらシリカゾルに充填した。瓶を密封し、摂氏80度で16時間加熱した。修飾されたシリカゾル(100g)及びSR444(30g)を250丸底フラスコに充填した。水及び溶剤は回転蒸発によって除去した。次いで、IPA(10g)をフラスコに添加した。得られた材料の組成物は、50gの樹脂(40重量%の修飾されたシリカ/60重量%のSR444)と、6gの1−メトキシ−2−プロパノールと、10gのIPAであった。
【0092】
IPA:Dowanol PMの2:1混合物及び固形分0.5重量%のIrgacure 819を添加することによってこの組成物を更に希釈して、固形分30重量%を有するコーティング溶液を形成した。図3A〜3Cに示したプロセスで、このコーティング溶液を厚さ0.002インチ(0.051mm)のプライムしたポリエステル(Melinex 617、DuPont Teijin Films)に適用した。
【0093】
第1のコーティング溶液を8インチ(20.3cm)幅のスロットタイプのコーティングダイに供給し、75フィート/分(22.9m/分)の速度で移動するウェブ上に供給した。コーティング溶液の適用速度を調整して、約19ミクロンの厚さの濡れコーティングを提供した。コーティング後、ウェブはウェブ収納装置(すなわち図3Aのシュラウド308)を通過してから長さ5フィート(152cm)のギャップ乾燥機セクション(図3Aのコーティング調整領域309に相当する)に進入した。ギャップ乾燥機は0.25インチ(0.64cm)のギャップで運転し、上位及び下位のプレートを両方華氏70度(摂氏21度)に設定し、コーティングダイと重合セクションとの間の乾燥を最低限にするように条件を設定した。UV LED重合装置はギャップ乾燥機のウェブ下流に直接連結した。
【0094】
次いで、コーティングされたウェブを、それぞれの列に22個のLEDを有する16列のLEDから成る395nmのUV LED水冷式配列を用いる重合セクションに通過させた。それぞれの列の22個のLEDはウェブの幅に渡って等間隔に置かれ、16列は8インチ×8インチ(20.3cm×20.3cm)の面積内にウェブ下流方向に沿って等間隔に置かれた。この配列内の352個のLEDは395nmのUV LED(Cree Inc.(ノースカロライナ州Durham)から入手可能)であった。LAMBDA GENH750Wを電源としてLED配列に通電した。電源出力は0amp〜13ampの範囲で変化させることができ、約45ボルトで運転した。2つの下流ガス導入装置(例えば図3Cの多岐管332)から窒素を約300立方フィート/時(142リットル/分)で制御環境に供給した。その結果、重合セクションの制御環境において約140ppmの酸素濃度が得られた。装置を出た後、ウェブは約3フィート(0.9m)移動してから、3つのゾーン全てが華氏150度(摂氏66度)に設定された30フィート(9.1m)の従来式のエアフローテーション乾燥機に進入した。乾燥後、Fusion UV Systems,Inc.のVPS/I600(メリーランド州Gaithersburg)を用いて、重合及び乾燥されたコーティングを巻き取る前に後重合した。FusionシステムはH電球で構成されており、硬化ゾーンの酸素濃度50ppm未満で100%の電力で運転した。
【0095】
1つのコーティングはUV LEDの電力をオフにして作製し、もう1つのコーティングはUV LEDの電力を0.5ampに設定して作製し(UV「A」線量は約0.005J/cm)、2つのコーティングを作製した。光ファイバーケーブルからの光でホワイトボード上に、コーティングされた膜の陰影像を斜めに投影することによって、コーティングされた膜のそれぞれの陰影写真を撮影した。コーティングされた膜はホワイトボードに対して平行に、ホワイトボードから約10インチ(25.4cm)離した。コーティングされた膜を通して約54度の角度で光を投影し、幅8インチ(20.3cm)のコーティングされた膜から、ホワイトボード上に幅約14インチ(35.6cm)の陰影像を生成した。UV LED電力がオフでの試料の陰影写真を図5Aに示し、UV LED電力がオンでの試料の陰影写真を図5Bに示す。コーティングのむら欠陥は図5Aには視認されるが、図5Bには視認されない。
【0096】
指示がない限り、本明細書及び請求項で使用される特性となる大きさ、量、及び物理特性を示す全ての数字は、「約」と言う用語によって修飾されることを理解されたい。それ故に、別の指示がない限りは、本明細書及び添付の請求項に説明される数字のパラメータは近似値であり、本明細書に開示された教示を使用して当業者が獲得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0097】
本願で引用した全ての参照文献及び刊行物は、本開示と完全には矛盾することのない程度まで、その全てが引用によって本開示に明白に組み込まれる。本明細書において特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、多様な代替及び/又は同等の実施が、本開示の範囲から逸脱することなく、図示され説明された特定の実施形態と置き換えられ得ることは、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書で説明された特定の実施形態のいかなる翻案又は変形をも包含すべく意図されている。したがって、本開示が「特許請求の範囲」及びその同等物によってのみ限定されることを、意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーコーティング用のプロセスであって、
重合性材料を溶剤中に含む第1の溶液を基材上にコーティングする工程と、
前記重合性材料の第1の部分を重合して、部分重合された材料を第2の溶液中に含む均質な組成物を形成する工程であって、前記第2の溶液中にて前記重合性材料が部分的に欠如している、工程と、
前記均質な組成物から前記溶剤の主部分を除去する工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記溶剤の前記主部分を除去した後に、前記重合性材料の第2の部分を重合することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記基材上に前記溶液をコーティングした後に、前記溶液から前記溶剤の副部分を除去することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記均質な組成物がポリマーゲルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記溶剤が有機溶剤又は有機溶剤混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記重合性材料の前記第1の部分の重合中、前記第1の溶液の固形分重量百分率が約30%未満であるか又は約40%より高い、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記重合性材料の前記第1の部分の重合中、前記第1の溶液の固形分重量百分率が約10%未満であるか又は約60%より高い、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記重合性材料の前記第1の部分の重合中、前記第1の溶液の固形分重量百分率が約5%未満であるか又は約90%より高い、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記溶剤の前記主部分を除去する工程が、加熱炉での乾燥工程、赤外線又は他の輻射光源を用いた乾燥工程、真空乾燥工程、ギャップ乾燥工程、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記溶剤の前記副部分を除去する工程が、加熱炉での乾燥工程、赤外線又は他の輻射光源での乾燥工程、真空乾燥工程、ギャップ乾燥工程、又はそれらの組み合わせを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の溶液が粒子を更に含み、前記粒子の少なくともいくつかは前記重合性材料の前記第1の部分の重合中に、前記部分重合された材料と結合される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記粒子が表面修飾されたナノ粒子を含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記表面修飾されたナノ粒子が反応性ナノ粒子、非反応性ナノ粒子、又はそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記反応性ナノ粒子の実質的な部分が、前記部分重合された材料と化学結合を形成する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記非反応性ナノ粒子の実質的な部分が、前記部分重合された材料と物理的結合を形成する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
重合する工程が、カチオン重合、フリーラジカル重合、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
重合する工程が、化学線を用いて重合する工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記化学線が、紫外線(UV)、可視放射線、赤外線、電子ビーム線、又はそれらの組み合わせを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記第1の溶液が、光開始剤を更に含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
前記化学線が紫外線(UV)を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記UV線が、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)によって生成される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記少なくとも1つのLEDが365、385、395、又は405ナノメートルのピーク波長を含む、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記均質な組成物が、実質的な乱れのない均質な厚さを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項24】
実質的な乱れが、むら、相分離、筋、波、脱濡れ、若しくは凝集、又はそれらの組み合わせを含む、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記基材が移動し、前記コーティングする工程、重合する工程、及び除去する工程が連続して順に行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項26】
装置であって、
巻き解きロールから巻き取りロールへと基材をウェブ下流に搬送するためのウェブラインと、
前記巻き解きロールに近接して配置され、重合性材料を溶剤中に含む第1の溶液を前記基材上にコーティングできる、コーティングセクションと、
前記コーティングセクションからウェブ下流に配置された重合セクションであり、前記重合性材料の第1の部分を重合し、部分重合された材料を第2の溶液中に含む均質な組成物を形成することができ、前記第2の溶液中にて前記重合性材料が部分的に欠如している、重合セクションと、
前記重合セクションからウェブ下流に配置された溶剤除去セクションであって、前記均質な組成物から前記溶剤の主部分を除去できる、溶剤除去セクションと、を備える、装置。
【請求項27】
前記コーティングセクションと前記重合セクションとの間に配置されたコーティング調整セクションを更に備え、前記コーティング調整セクションが前記基材を取り囲む第1の制御環境を提供できる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記重合セクションが、前記基材を取り囲む第2の制御環境を提供できる、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記溶剤除去セクションからウェブ下流に配置された第2の重合セクションであって、前記溶剤の前記主部分を除去した後に前記重合性材料の第2の部分を重合できる、第2の重合セクションを更に備える、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
重合する工程が、化学線を用いて重合する工程を含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項31】
前記化学線が、紫外線(UV)、可視放射線、赤外線、電子ビーム線、又はそれらの組み合わせを含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記第1の溶液が、光開始剤を更に含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項33】
前記化学線が紫外線(UV)を含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項34】
前記UV線が、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)によって生成される、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記少なくとも1つのLEDが365、385、395、又は405ナノメートルのピーク波長を含む、請求項34に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−523959(P2012−523959A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506038(P2012−506038)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/027433
【国際公開番号】WO2010/120422
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】