説明

欠陥検出装置及び欠陥検出方法

【課題】欠陥の検出の精度の低下が少なく欠陥の検出に要する時間が短くなる欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】被検査画像Aが複数の被検査領域a1〜a12に分割されるとともに、参照画像Bが複数の参照領域b1〜b12に分割され、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対(i=1,2,・・・,12)の各々について被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせが行われた後に被検査領域aiと参照領域biとが比較され欠陥が検出される。第1の群に属する対については、グローバルアライメント及びファインアライメントの両方が実行される。しかし、第1の群に属さず第2の群に属する残余の対については、グローバルアライメントが実行されずファインアライメントのみが実行される。また、グローバルアライメントが実行されない第2の群に属する対には、直前に行われたグローバルアライメントの結果が援用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出装置及び欠陥検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する場合、第1の画像と第2の画像との位置あわせが実行される。位置あわせにあたって、相対的に低い精度で位置あわせを行った後に相対的に高い精度で位置あわせを行う場合もある。
【0003】
特許文献1は、そのような2段階の位置あわせに言及している。特許文献1の「背景技術」の欄は、「低解像度での位置あわせを行った後に高解像度にて位置あわせを行う」ことに言及している。また、特許文献1の「発明を実施するための最良の形態」の欄は、「位置補正部52」で位置あわせを行った後に「欠陥検出部53」で位置あわせ及び欠陥の検出を行うことに言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−292016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、第1の画像を複数の第1の領域に分割し第2の画像を複数の第2の領域に分割し第1の領域と第2の領域とを比較する場合、上述のような2段階の位置あわせを第1の領域と第2の領域との対の全部について行うと、欠陥の検出の処理に要する時間が長くなる。
【0006】
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、欠陥の検出の精度を低下させることなく欠陥の検出に要する時間が短くなる欠陥検出装置及び欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出装置であって、第1の画像を複数の第1の領域に分割する第1の画像分割部と、第2の画像を複数の第2の領域に分割する第2の画像分割部と、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属する対について相対的に低い精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する第1の位置あわせ部と、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属さず第2の群に属する残余の対に前記第1の位置あわせ部による第1の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する第1の援用部と、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について前記第1の位置あわせ部により位置あわせが実行された状態又は前記第1の援用部により位置あわせの結果が援用された状態を基準として相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する第2の位置あわせ部と、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について第1の領域と第2の領域との比較結果から欠陥を検出する欠陥検出部と、を備える。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の欠陥検出装置において、前記第2の位置あわせ部は、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対の全部について相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の欠陥検出装置において、前記第2の位置あわせ部は、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第3の群に属する対について相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行し、前記欠陥検出装置は、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第3の群に属さず第4の群に属する残余の対に前記第2の位置あわせ部による第3の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する第2の援用部、をさらに備える。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの欠陥検出装置において、比較される第1の領域と第2の領域との複数の対の各々が相対的に低い精度の位置あわせに適するか否かを順次に判定する適否判定部と、前記適否判定部により相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定された対を第2の群に属すると判定し、相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定された対のひとつ後に相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対を第1の群に属すると判定する群判定部と、をさらに備える。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の欠陥検出装置において、前記群判定部は、前記適否判定部により相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対のひとつ後に相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対を第2の群に属すると判定する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジ検出部によりエッジが検出されない場合に対が相対的に精度が低い位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジ検出部により検出されたエッジの平均的な接線方向を導出する平均接線方向導出部と、前記平均接線方向導出部により導出された接線方向に対する判定対象領域の自己相関性を評価する自己相関性評価部と、前記自己相関性導出部により導出された自己相関性が基準よりも高い場合に対が相対的に精度が低い位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0014】
請求項8の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジ検出部により検出されたエッジを構成する画素により構成される直線を検出する直線検出部と、前記直線検出部により検出された直線の方向を導出する方向導出部と、前記方向導出部により導出された方向の一様性が基準よりも高い場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0015】
請求項9の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジ検出部により検出されたエッジの接線方向のヒストグラムを導出するヒストグラム導出部と、前記ヒストグラム導出部により導出されたヒストグラムに存在するピークの数が1個のみである場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0016】
請求項10の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるコーナーを検出するコーナー検出部と、前記コーナー検出部によりコーナーが検出されない場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0017】
請求項11の発明は、請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、前記適否判定部は、第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域の移動先をゆすらせ範囲内でゆすらせたときの自己相関性の分布を導出する分布導出部と、前記分布導出部により導出された分布が基準を満たす方向性を有する場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、を備える。
【0018】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの欠陥検出装置において、前記第1の位置あわせ部は、位置あわせのための演算を行う演算処理回路と、位置あわせのための演算を複数回に分割して前記演算処理回路に行わせる演算分割部と、を備える。
【0019】
請求項13の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの欠陥検出装置において、前記第2の位置あわせ部は、位置あわせのための演算を行う演算処理回路と、位置あわせのための演算を複数回に分割して前記演算処理回路に行わせる演算分割部と、を備える。
【0020】
請求項14の発明は、第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出方法であって、(a) 第1の画像を複数の第1の領域に分割する工程と、(b) 第2の画像を複数の第2の領域に分割する工程と、(c) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属する対について相対的に低い精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する工程と、(d) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属さず第2の群に属する残余の対に前記工程(c)による第1の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する工程と、(e) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について前記工程(c)により位置あわせが実行された状態又は前記工程(d)により位置あわせの結果が援用された状態を基準として相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する工程と、(f) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について第1の領域と第2の領域との比較結果から欠陥を検出する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第2の群に属する対について相対的に低い精度の位置あわせが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短くなる。また、第1の群に属する対についての相対的に低い精度の位置あわせの結果が第2の群に属する対に援用されるので、欠陥の検出の精度の低下が少ない。
【0022】
請求項3の発明によれば、第4の群に属する対について相対的に高いか又は同じ精度の位置あわせが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短くなる。また、第3の群に属する対についての相対的に低い精度の位置あわせの結果が第4の群に属する対に援用されるので、欠陥の検出の精度の低下が少ない。
【0023】
請求項4の発明によれば、相対的に低い精度の位置あわせに適さない対について相対的に低い精度の位置あわせが実行されず、相対的に低い精度の位置あわせが必要な対について相対的に低い精度の位置あわせが実行されるので、欠陥の検出の精度が向上する。
【0024】
請求項5の発明によれば、相対的に低い精度の位置あわせが必ずしも必要でない対について相対的に低い精度の位置あわせが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短縮される。
【0025】
請求項6ないし請求項11の発明によれば、相対的に低い精度の位置あわせに適するか否かが適切に判定されるので、相対的に低い精度の位置あわせが適切に実行される。
【0026】
請求項12ないし請求項13の発明によれば、位置あわせのための演算を行う演算処理回路の規模が縮小されるので、欠陥検出装置が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態の位置あわせを説明する図である。
【図2】被検査画像が分割された状態を示す図である。
【図3】参照画像が分割された状態を示す図である。
【図4】第1実施形態の欠陥検出装置のブロック図である。
【図5】第1実施形態の位置あわせ部のブロック図である。
【図6】第2実施形態の位置あわせを説明する図である。
【図7】第2実施形態の位置あわせ部のブロック図である。
【図8】第3実施形態のグローバルアライメント要否判定装置のブロック図である。
【図9】第3実施形態の群判定部の判定を説明する図である。
【図10】グローバルアライメントに適する判定対象領域の例を示す図である。
【図11】グローバルアライメントに適する判定対象領域の自己相関性を説明する図である。
【図12】グローバルアライメントに適さない判定対象領域の例を示す図である。
【図13】グローバルアライメントに適さない判定対象領域の自己相関性を説明する図である。
【図14】第4実施形態のグローバルアライメント要否判定装置のブロック図である。
【図15】Prewittの微分オペレータを示す図である。
【図16】第5実施形態のグローバルアライメント適否判定装置のブロック図である。
【図17】判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に検出される直線を示す図である。
【図18】判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合に検出される直線を示す図である。
【図19】第6実施形態のグローバルアライメント適否判定装置のブロック図である。
【図20】判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に導出されるヒストグラムを示す図である。
【図21】判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合に導出されるヒストグラムを示す図である。
【図22】第7実施形態のグローバルアライメント適否判定装置のブロック図である。
【図23】判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に検出されるコーナーを示す図である。
【図24】第8実施形態のグローバルアライメント適否判定装置のブロック図である。
【図25】判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に自己相関性の指標値の分布を示す図である。
【図26】判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合に分布導出部により導出される自己相関性の指標値の分布を示す図である。
【図27】グローバルアライメントを説明する図である。
【図28】ファインアライメントを説明する図である。
【図29】第9実施形態の位置あわせ装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<1 第1実施形態>
第1実施形態は、被検査パターンを撮像した被検査画像Aと参照パターンを撮像した参照画像Bとを比較して被検査パターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出装置102に関する。
【0029】
(第1実施形態の位置あわせの概略)
図1は、第1実施形態の被検査領域a1〜a12と参照領域b1〜b12との位置あわせを説明する図である。図2及び図3は、それぞれ、被検査画像Aが複数の被検査領域a1〜a12に分割された状態及び参照画像Bが複数の参照領域b1〜b12に分割された状態を示す。
【0030】
第1実施形態では、図2に示すように、被検査画像Aが複数の被検査領域a1〜a12に分割され、図3に示すように、参照画像Bが複数の参照領域b1〜b12に分割され、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対(i=1,2,・・・,12)の各々について被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせが行われた後に被検査領域aiと参照領域biとが比較され欠陥が検出される。
【0031】
第1実施形態の位置あわせにあたっては、図1に示すように、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対の「一部」についてピクセル単位で被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせを行うグローバルアライメントが実行される。また、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対の「全部」についてサブピクセル単位又はサブピクセルよりも粗い単位で被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせを行うファインアライメントが実行される。つまり、第1の群に属する対については、グローバルアライメント及びファインアライメントの両方が実行される。しかし、第1の群に属さず第2の群に属する残余の対については、グローバルアライメントが実行されずファインアライメントのみが実行される。また、グローバルアライメントが実行されない第2の群に属する対には、直前に行われたグローバルアライメントの結果が援用される。
【0032】
この結果、第1の群に属する対については、グローバルアライメントが実行され、グローバルアライメントが行われた状態を基準としてファインアライメントがさらに実行される。一方、第2の群に属する対については、直前に行われたグローバルアライメントの結果が援用され、直前に行われたグローバルアライメントの結果が援用された状態を基準としてファインアライメントが実行される。これにより、第2の群に属する対についてグローバルアライメントが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短くなる。また、第1の群に属する対についてのグローバルアライメントの結果が第2の群に属する対に援用されるので、欠陥の検出の精度の低下が少ない。
【0033】
なお、被検査画像A及び参照画像Bの分割数は必要に応じて増減される。また、第1の群及び第2の群に属する対は必要に応じて変更される。
【0034】
(欠陥検出装置102の概略)
図4は、第1実施形態の欠陥検出装置102のブロック図である。図4の各ブロックは、専用のハードウエアを含んでもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0035】
図4に示すように、欠陥検出装置102は、パターンを撮像する撮像部104と、被検査画像Aを複数の被検査領域a1〜a12に分割する被検査画像分割部106と、参照画像Bを複数の参照領域b1〜b12に分割する参照画像分割部108と、被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせを行う位置あわせ部110と、被検査領域aiと参照領域biとの比較結果から欠陥を検出する欠陥検出部112と、を備える。
【0036】
(撮像部104)
撮像部104は、被検査パターンを撮像して被検査画像Aを生成するとともに、参照パターンを撮像して参照画像Bを生成する。被検査画像Aは被検査画像分割部106に与えられ、参照画像Bは参照画像分割部108に与えられる。
【0037】
(被検査画像分割部106及び参照画像分割部108)
被検査画像分割部106及び参照画像分割部108は、それぞれ、被検査画像A及び参照画像Bを水平方向及び垂直方向に規則的に分割する。水平方向及び垂直方向の分割数は被検査画像A及び参照画像Bで同じである。これにより、被検査領域aiと対応する参照領域biとの対について被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせが実行され、被検査領域aiと参照領域biとが比較される。ただし、被検査領域aiと参照領域biとの位置あわせが実行され、被検査領域aiと参照領域biとが比較されるならば、被検査画像A及び参照画像Bは、どのように分割されてもよい。例えば、被検査画像A及び参照画像Bは、水平方向のみに分割されてもよいし、垂直方向のみに分割されてもよい。比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対の各々は、位置あわせ部110に順次与えられる。
【0038】
(位置あわせ部110)
図5は、第1実施形態の位置あわせ部110のブロック図である。図5の各ブロックも、専用のハードウエアを含んでいてもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0039】
図5に示すように、位置あわせ部110は、比較される被検査領域aiと参照領域biとの対をグローバルアライメントが実行される第1の群とグローバルアライメントが実行されない第2の群とに分類する対分類部114と、グローバルアライメントを実行するグローバルアライメント実行部116と、ファインアライメントを実行するファインアライメント実行部118と、一の対についてのグローバルアライメントの実行結果を他の対に援用するグローバルアライメント実行結果援用部120と、を備える。
【0040】
対分類部114により第1の群に分類された対は、グローバルアライメント実行部116に与えられ、当該対についてグローバルアライメントが実行される。また、当該対は、グローバルアライメントが実行された後にファインアライメント実行部118に与えられ、当該対についてグローバルアライメントが実行された状態を基準としてファインアライメントが実行される。グローバルアライメント実行部116のグローバルアライメントで導出されたピクセル単位の位置ずれ量は、グローバルアライメント実行結果援用部120に与えられる。
【0041】
一方、対分類部114により第2の群に分類された対は、グローバルアライメント実行結果援用部120に与えられ、グローバルアライメント実行部116から与えられた直前のグローバルアライメントで導出されたピクセル単位の位置ずれ量が当該対についてのピクセル単位の位置ずれ量として援用される。したがって、第2の群に属する対については、グローバルアライメントが実行されることなく、ピクセル単位の位置ずれ量が決まる。また、当該対は、ピクセル単位の位置ずれ量が援用された後にファインアライメント実行部118に与えられ、当該対について援用されたピクセル単位の位置ずれ量だけ被検査領域aiと参照領域biとが相対的に移動された状態を基準としてファインアライメントが実行される。
【0042】
一の対についての位置あわせの処理の終了後は、位置あわせが実行されていない対が残っている限り、位置あわせがまだ実行されていない他の対について位置あわせが実行される。一の対についての位置あわせの処理を終了する前に他の対について位置あわせの処理を開始するパイプライン処理を行うことも望ましい。
【0043】
(欠陥検出部112)
欠陥検出部112は、ファインアライメントが行われた被検査領域aiと参照領域biとの対について被検査領域aiと参照領域biとを比較し欠陥を検出する。欠陥は、どのように検出されてもよいが、被検査領域aiと参照領域biの対応する2つの画素値の差分や比率を求めることにより行うことが典型的である。
【0044】
(2段階の位置あわせ)
上述の説明では、ピクセル単位で位置あわせを行うグローバルアライメントの後にサブピクセル単位で位置あわせを行うファインアライメントが実行される場合に言及したが、より一般的には、相対的に低い精度の位置あわせの後に相対的に高いか又は同じ精度の位置あわせが実行される2段階の位置あわせが実行される場合に本発明は適用される。
【0045】
(パターン)
欠陥の検出の対象となるパターンは、どのようなパターンであってもよいが、フラットディスプレイパネル、プリント基板、リードフレーム、フォトマスク等のパターンが典型的である。
【0046】
<2 第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の位置あわせ部110に代えて採用される位置あわせ部210に関する。
【0047】
(第2実施形態の位置あわせの概略)
図6は、第2実施形態の被検査領域a1〜a12と参照領域b1〜b12との位置あわせを説明する図である。
【0048】
第2実施形態の位置あわせにあたっては、図6に示すように、第1実施形態の位置あわせと同じく、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対の「一部」についてグローバルアライメントが実行されるが、第1実施形態の位置あわせと異なり、比較される被検査領域aiと参照領域biとの複数の対の「全部」ではなく「一部」についてファインアライメントが実行される。
【0049】
つまり、図6に示すように、第1の群に属する対については、グローバルアライメントが実行される。しかし、第1の群に属さず第2の群に属する残余の対については、グローバルアライメントが行われない。また、グローバルアライメントが行われない第2の群に属する対については、直前に行われたグローバルアライメントの結果が援用される。
【0050】
さらに、図6に示すように、第3の群に属する対については、ファインアライメントが実行される。しかし、第3の群に属さず第4の群に属する残余の対については、ファインアライメントが実行されない。また、ファインアライメントが実行されない第4の群に属する対については、直前に行われたファインアライメントの結果が援用される。この結果、第1の群に属する対については、グローバルアライメントが行われ、グローバルアライメントが実行された状態を基準として、ファインアライメントがさらに実行されるか(第3の群に属する対)、又は、直前に実行されたファインアライメントの結果が援用される(第4の群に属する対)。一方、第2の群に属する対については、直前に実行されたグローバルアライメントの結果が援用され、直前に実行されたグローバルアライメントの結果が援用された状態を基準として、ファインアライメントが実行されるか(第3の群に属する対)、又は、直前に実行されたファインアライメントの結果が援用される(第4の群に属する対)。このような位置あわせによれば、第2の群に属する対についてグローバルアライメントが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短くなる。また、第1の群に属する対についてのグローバルアライメントの結果が第2の群に属する対に援用されるので、欠陥の検出の精度の低下が少ない。加えて、第4の群に属する対についてファインアライメントが実行されないので、欠陥の検出に要する時間が短くなる。また、第3の群に属する対についてのファインアライメントの結果が第4の群に属する対に援用されるので、欠陥の検出の精度の低下が少ない。このようなファインアライメントの省略は、サブピクセル単位の位置ずれ量に大きな変動がないことが期待される場合に実行される。
【0051】
なお、第1の群ないし第4の群に属する対は必要に応じて変更される。
【0052】
(位置あわせ部210)
図7は、第2実施形態の位置あわせ210のブロック図である。図7の各ブロックも、専用のハードウエアを含んでいてもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0053】
図7に示すように、位置あわせ部210は、第1実施形態の位置あわせ部110と同じく、対分類部214と、グローバルアライメント実行部216と、グローバルアライメント実行結果援用部220と、ファインアライメント実行部218とを備えるが、第1実施形態の位置あわせ部110と異なり、一の対についてのファインアライメントの実行結果を他の対に援用するファインアライメント実行結果援用部222も備える。
【0054】
対分類部214により第1の群に分類された対は、グローバルアライメント実行部216に与えられ、当該対についてグローバルアライメントが実行される。グローバルアライメント実行部216のグローバルアライメントで導出されたピクセル単位の位置ずれ量は、グローバルアライメント実行結果援用部220に与えられる。
【0055】
一方、対分類部214により第2の群に分類された対は、グローバルアライメント実行結果援用部220に与えられ、グローバルアライメント実行部216から与えられた直前のグローバルアライメントで導出されたピクセル単位の位置ずれ量が当該対についてのピクセル単位の位置ずれ量として援用される。
【0056】
グローバルアライメントが実行された後又はピクセル単位の位置ずれ量が援用された後に、第3の群に属する対は、ファインアライメント実行部218に与えられ、当該対についてグローバルアライメントが実行された状態又は直前に実行されたグローバルアライメントの結果が援用された状態を基準としてファインアライメントが実行される。ファインアライメント実行部218のファインアライメントで導出されたサブピクセル単位の位置ずれ量は、ファインアライメント実行結果援用部222に与えられる。
【0057】
一方、グローバルアライメントが実行された後又はピクセル単位の位置ずれ量が援用された後に、第4の群に属する対は、ファインアライメント実行結果援用部222に与えられ、ファインアライメント実行部218から与えられた直前のファインアライメントで導出されたサブピクセル単位の位置ずれ量が当該対についてのサブピクセル単位の位置ずれ量として援用される。したがって、第4の群に属する対については、ファインアライメントが実行されることなく、サブピクセル単位の位置ずれ量が決まる。
【0058】
一の対についての位置あわせの処理の終了後は、位置あわせが実行されていない対が残っている限り、位置あわせがまだ実行されていない他の対について位置あわせが実行される。一の対についての位置あわせの処理を終了する前に他の対について位置あわせの処理を開始するパイプライン処理を行うことも望ましい。
【0059】
<3 第3実施形態>
第1実施形態の位置あわせ又は第2実施形態の位置あわせを行う場合、グローバルアライメントが実行される第1の群に属する被検査領域aiと参照領域biとの対は、手動で決定されるか、被検査画像A又は参照画像Bをプリスキャンして自動で決定される。しかし、グローバルアライメントに適さない対についてグローバルアライメントが実行されたり、グローバルアライメントが必要な対についてグローバルアライメントが実行されなかったりすると、位置あわせが適切に行われず、欠陥の検出の精度が低下する。
【0060】
第3実施形態は、この問題を解決するために提供される、グローバルアライメントの要否を判定するグローバルアライメント要否判定装置324に関する。第3実施形態のグローバルアライメント要否判定装置324は、第1実施形態の対分類部114又は第2実施形態の対分類部214に実装される。
【0061】
図8は、第3実施形態のグローバルアライメント要否判定装置324のブロック図である。図8の各ブロックも、専用のハードウエアを含んでいてもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0062】
図8に示すように、グローバルアライメント要否判定装置324は、比較される被検査領域aiと参照領域biとの対の各々がグローバルアライメントに適するか否かを順次に判定する適否判定部326と、比較される被検査領域aiと参照領域biとの対が属する群を判定する群判定部328と、を備える。
【0063】
図9は、群判定部328の判定を説明する遷移図である。図9のノードN102,N104に記載されている「適」及び「不適」は、適否判定部326の判定である。矢印AR102,AR104,AR106,AR108に添えて記載されている「グローバルアライメント+ファインアライメント」及び「ファインアライメント」は、当該矢印AR102,AR104,AR106,AR108が出るノードN102,N104に記載されている適否判定部326の判定が群判定部328の判定の対象となっている対のひとつ前の対に対してなされ、当該矢印AR102,AR104,AR106,AR108が入るノードN102,N104に記載されている適否判定部326の判定が群判定部328の判定の対象となっている対に対してなされたときに実行される位置あわせの内容である。
【0064】
図9に示すように、適否判定部326によりグローバルアライメントに適さないと判定された対は、第2の群に属すると判定され、当該対については、グローバルアライメントが行われずファインアライメントのみが実行される(矢印AR102,AR106)。また、適否判定部326によりグローバルアライメントに適さないと判定された対のひとつ後にグローバルアライメントに適すると判定された対は、第1の群に属すると判定され、当該対については、グローバルアライメントが実行された後にファインアライメントが実行される(矢印AR104)。これにより、グローバルアライメントに適さない対についてグローバルアライメントが実行されず、グローバルアライメントが必要な対についてグローバルアライメントが実行されるので、欠陥の検出の精度が向上する。
【0065】
さらに、適否判定部326によりグローバルアライメントに適すると判定された対のひとつ後にグローバルアライメントに適すると判定された対は、第1の群及び第2の群のいずれに属すると判定されてもよいが、第2の群に属すると判定されることが望ましく、当該対については、グローバルアライメントが行われずファインアライメントのみが実行されることが望ましい(矢印AR108)。これにより、グローバルアライメントが必ずしも必要でない対についてグローバルアライメントが行われないので、欠陥の検出に要する時間が短縮される。
【0066】
なお、上述したように、適否判定部326によりグローバルアライメントに適さないと判定された対は、第2の群に属すると判定されるのが原則であるが、グローバルアライメントが一度も実行されておらず援用するグローバルアライメントの実行結果が存在しない場合は、ファインアライメントを実行することができない。そのため、そのような場合は、当該対の処理を後回しにし、後の対についてグローバルアライメントが実行されてからファインアライメントを実行する例外の処理が実行される。
【0067】
<4 第4実施形態>
第3実施形態の適否判定部326では、比較される被検査領域aiと参照領域biとの対の各々がグローバルアライメントに適するか否かは、被検査画像A又は参照画像Bを参照して自動で判定される。ただし、その判定が適切に行われないと、グローバルアライメントが適切に実行されない。
【0068】
第4実施形態は、この問題を解決するために提供される、比較される被検査領域aiと参照領域biとの対の各々がグローバルアライメントに適するか否かを判定するグローバルアライメント適否判定装置430に関する。グローバルアライメント適否判定装置430は、第3実施形態の適否判定部326に実装される。
【0069】
図10(a)〜(g)は、グローバルアライメントに適する判定対象領域の例を示す図である。図11は、グローバルアライメントに適する判定対象領域の自己相関性を説明する図である。
【0070】
図10(a)〜図10(c)のようにエッジが閉じた閉図形のパターンが含まれる場合、図10(d)〜図10(f)のようにエッジがコーナーを有するパターンが含まれる場合、図10(g)のようにエッジが曲線となっているパターンが含まれる場合等は、判定対象領域はグローバルアライメントに適する。これは、図11に示すように、判定対象領域JRを移動する前の画像(以下では、「移動前画像」という)BIと判定対象領域JRを移動した後の画像(以下では「移動後画像」という)AIとが、判定対象領域JRの移動方向MDによらず、類似しないからである。すなわち、判定対象領域JRの自己相関性が任意の方向に対して低いからである。
【0071】
図12(a)〜(h)は、グローバルアライメントに適さない判定対象領域の例を示す図である。図13は、グローバルアライメントに適さない判定対象領域の自己相関性を説明する図である。
【0072】
図12(a)のようにパターンが含まれない場合、図12(b)〜(c)のようにエッジの大部分が垂直方向に延在するパターンのみからなる場合、図13(d)〜(f)に示すようにエッジの大部分が水平方向に延在するパターンのみからなる場合、図12(g)〜(h)のようにエッジの大部分が特定の斜め方向に延在するパターンのみからなる場合等は、判定対象領域はグローバルアライメントに適さない。これは、図13に示すように、移動前画像BIと移動後画像AIとが、判定対象領域JRの移動方向MDによっては、類似するからである。すなわち、判定対象領域JRの自己相関性が特定の方向に対して高いからである。
【0073】
図14は、第4実施形態のグローバルアライメント適否判定装置430のブロック図である。図14の各ブロックも、専用のハードウエアを含んでいてもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0074】
図14に示すように、グローバルアライメント適否判定装置430は、判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部432と、エッジの平均的な接線方向を導出する平均接線方向導出部434と、特定の方向に対する判定対象領域の自己相関性を評価する自己相関性評価部436と、対がグローバルアライメントに適するか否かを判定する判定部438と、を備える。「判定対象領域」は、被検査領域ai及び参照領域biの片方又は両方である。
【0075】
エッジ検出部432は、判定対象領域を構成する複数の画素PX(x,y)の各々における水平方向(x方向)の濃度値I(x,y)の微分値dx及び垂直方向(y方向)の濃度値I(x,y)の微分値dyを導出する。微分値は、どのように導出してもよいが、例えば、図15(a)〜(b)に示すPrewittの微分オペレータを微分値の導出の対象となる画素を中心とする水平方向3画素、垂直方向3画素の正方形の領域に適用することにより導出する。なお、Prewittの微分オペレータの適用には、ノイズの平滑化の効果が高いという利点があるが、このことは、Sobel、Roberts等の微分オペレータの適用による導出や単純な微分演算による導出を妨げない。
【0076】
また、エッジ検出部432は、微分値dxを水平成分、微分値dyを垂直成分とする法線ベクトルd=(dx,dy)の大きさ|d|を式(1)にしたがって導出し、大きさ|d|が閾値を超える画素をエッジを構成する画素として検出する。
【0077】
【数1】

【0078】
このエッジの検出は、法線ベクトルの大きさ|d|は、フラット部において小さくなり、エッジ部において大きくなることを利用している。
【0079】
平均接線方向導出部434は、エッジ検出部432により検出されたエッジの平均的な接線方向θを導出する。平均的な接線方向θは、どのように導出してもよいが、ここでは、「生データベクトル合算法」により導出する。「生データベクトル合算方法」では、ベクトルの角度を導出してから導出した角度を合算するのではなく、ベクトルを合算してから合算したベクトルの角度を導出する。
【0080】
「生データベクトル合算法」による平均的な接線方向θの導出にあたっては、まず、エッジを構成する複数の画素の各々におけるエッジの法線ベクトルd1,d2,・・・,diを式(2)にしたがって合算する。
【0081】
【数2】

【0082】
式(2)にしたがった法線ベクトルの合算は、1番目からj−1番目までの法線ベクトルd1,d2,・・・,dj-1を合算したベクトルmdj-1にj番目の法線ベクトルdj又はj番目の法線ベクトルdjを180°反転したベクトル−djを加えることを繰り返すことにより実行される。ただし、md1=d1である。
【0083】
法線ベクトル+djを加えるのは、ベクトルmdj-1と法線ベクトルdjとのなす角がπ/2又はπ/2より大きくベクトルmdj-1と法線ベクトルdjとの内積mdj-1・djが0又は正の場合である。ベクトル−djを加えるのは、ベクトルmdj-1と法線ベクトルdjとのなす角がπ/2ラジアンより大きくベクトルmdj-1と法線ベクトルdjとの内積mdj-1・djが負の場合である。このような合算によれば、微妙な濃度値の違いによるベクトルの反転により法線ベクトルd1,d2,・・・,diの合算結果が0ベクトルに近くなることが回避される。このような合算は、導出したい平均的な接線方向は、ベクトルの方向そのものではなく、ベクトルの傾きであることにより許容される。また、このような合算によれば、強いエッジの寄与が大きくなり弱いエッジの寄与が小さくなるので、誤って検出されたエッジの影響が小さくなる。
【0084】
また、平均接線方向導出部434は、法線ベクトルd1,d2,・・・,di を合算することにより導出された合算ベクトルmdiの水平成分mdix及び垂直成分mdiyから式(3)にしたがって平均的な接線方向θを導出する。接線方向θは、合算ベクトルmdiに垂直なベクトルと水平方向とのなす角であり、−π/2からπ/2までの値をとる。
【0085】
【数3】

【0086】
自己相関性評価部436は、平均接線方向導出部434により導出された平均的な接線方向θに対する判定対象領域の自己相関性を評価する。自己相関性は、どのように評価してもよいが、例えば、移動前画像と移動後画像との重なり部分における濃度値の差により評価する。
【0087】
自己相関性の評価にあたっては、移動前画像を構成する画素PX(x,y)における濃度値I(x,y)と移動後画像を構成する画素PX’(x,y)を中心とするゆすらせ範囲内にある複数の画素PX’(x+i,y+j)の濃度値I’(x+i,y+j)の各々との二乗差sdij(x,y)が式(4)にしたがって導出され、複数の二乗差sdij(x,y)のうちの最小二乗差SD(x,y)が式(5)にしたがって導出される。このように濃度値I(x,y)との差がとられる濃度値I’(x+i,y+j)の位置をゆすらせることにより、計算精度や量子化誤差により後述する二乗差総和SSDが大きくなることが抑制される。
【0088】
【数4】

【0089】
【数5】

【0090】
式(4)及び式(5)のx及びyは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の画素の座標である。式(4)及び式(5)のi及びjは、それぞれ、水平方向及び垂直方向のゆすらせ量であり、−1,0,+1のいずれかの値をとる。
【0091】
さらに、重なり部分に含まれる全ての画素についての最小二乗差SD(x,y)の二乗差総和SSDが式(6)にしたがって導出される。
【0092】
【数6】

【0093】
判定対象領域を接線方向θに距離kだけ移動するベクトルsは、式(7)にしたがって導出される。
【0094】
【数7】

【0095】
ベクトルsの大きさkは、判定対象領域を移動する量が数ピクセル以上となるように大きくすることが望ましい。これにより、移動前画像と移動後画像とが近くなりすぎ、自己相関性が小さいにもかかわらず二乗差総和SSDが小さくなることが抑制される。また、複数の大きさk1,k2を用いて二乗差総和SSDを導出し、最も大きい二乗差総和SSDを採用することも望ましい。これにより、濃度値I(x,y)に周期性がある場合に判定対象領域を移動する量が周期に一致することにより自己相関性が小さいにもかかわらず二乗差総和SSDが小さくなることが抑制される。複数の大きさk1,k2の比k1:k2は、互いに素な整数m,nの比m:nと等しいことが望ましい(k1,k2=m:n)。これにより、複数の大きさk1,k2の両方について判定対象領域を移動する量が周期に一致することが回避される。
【0096】
判定部438は、エッジ検出部432によりエッジが検出されない場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。これにより、図12(a)に示すような場合にグローバルアライメントが行われない。また、判定部438は、二条差総和SSDが閾値を下回り自己相関性が基準よりも高い場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。これにより、図12(b)〜(g)に示すような場合にグローバルアライメントが行われない。また、判定部438は、これら以外の場合に対がグローバルアライメントに適すると判定する。
【0097】
このようなグローバルアライメント適否判定処理によれば、グローバルアライメントに適するか否かが適切に判定されるので、グローバルアライメントが適切に実行される。
【0098】
<5 第5実施形態>
第5実施形態は、第4実施形態のグローバルアライメント適否判定装置430に代えて採用されるグローバルアライメント適否判定装置530に関する。
【0099】
図16は、第5実施形態のグローバルアライメント適否判定装置530のブロック図である。
【0100】
図16に示すように、グローバルアライメント適否判定装置530は、判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部532と、画素により構成される直線を検出する直線検出部540と、直線の方向を導出する方向導出部542と、対がグローバルアライメントに適するか否かを判定する判定部538と、を備える。
【0101】
エッジ検出部532は、第4実施形態のエッジ検出部432と同じく、エッジを検出する。
【0102】
直線検出部540は、エッジ検出部532により検出されたエッジを構成する画素により構成される直線を一般的なハフ変換等により検出する。
【0103】
方向導出部542は、直線検出部540により検出された直線の方向を導出する。
【0104】
図17(a)〜(b)は、判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に直線検出部540により検出される直線Lを示す図である。また、図18(a)〜(b)は、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合に直線検出部540により検出される直線Lを示す図である。判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合は、図17に示すように、検出される直線Lの方向は非一様であり、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合は、図18に示すように、検出される直線Lの方向は一様である。
【0105】
判定部538は、第4実施形態の判定部438と同じく、エッジ検出部532によりエッジが検出されない場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。さらに、判定部538は、第4実施形態の判定部438とは異なり、上述の直線の一様性の変化を利用して、方向導出部542により導出された方向の一様性が基準よりも高い場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。また、判定部538は、これら以外の場合に対がグローバルアライメントに適すると判定する。
【0106】
このようなグローバルアライメント適否判定装置530によっても、グローバルアライメントに適するか否かが適切に判定されるので、グローバルアライメントが適切に実行される。
【0107】
<6 第6実施形態>
第6実施形態は、第4実施形態のグローバルアライメント適否判定装置430に代えて採用されるグローバルアライメント適否判定装置630に関する。
【0108】
図19は、第6実施形態のグローバルアライメント適否判定装置630のブロック図である。
【0109】
図19に示すように、グローバルアライメント適否判定装置630は、判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部632と、エッジの接線方向のヒストグラムを導出するヒストグラム導出部644と、対がグローバルアライメントに適するか否かを判定する判定部638と、を備える。
【0110】
エッジ検出部632は、第4実施形態のエッジ検出部432と同じく、エッジを検出する。
【0111】
ヒストグラム導出部644は、エッジ検出部632により検出されたエッジの接線方向のヒストグラムを導出する。
【0112】
図20は、判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合にヒストグラム導出部644により導出されるヒストグラムを示す図である。また、図21は、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合にヒストグラム導出部644により導出されるヒストグラムを示す図である。判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合は、図20に示すように、ヒストグラムに2個以上のピークが存在し、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合は、ヒストグラムに1個のピークのみが存在する。
【0113】
判定部638は、第4実施形態の判定部438と同じく、エッジ検出部632によりエッジが検出されない場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。さらに、判定部638は、第4実施形態の判定部438とは異なり、上述のヒストグラムに存在するピークの数の変化を利用して、ヒストグラム導出部644により導出されたヒストグラムに存在するピークの数が1個のみである場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。また、判定部638は、これら以外の場合に対がグローバルアライメントに適すると判定する。
【0114】
このようなグローバルアライメント適否判定装置630によっても、グローバルアライメントに適するか否かが適切に判定されるので、グローバルアライメントが適切に実行される。
【0115】
<7 第7実施形態>
第7実施形態は、第4実施形態のグローバルアライメント適否判定装置430に代えて採用されるグローバルアライメント適否判定装置730に関する。
【0116】
図22は、第7実施形態のグローバルアライメント適否判定装置730のブロック図である。
【0117】
図22に示すように、グローバルアライメント適否判定装置730は、判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部732と、判定対象領域に含まれるコーナーを検出するコーナー検出部746と、対がグローバルアライメントに適するか否かを判定する判定部738と、を備える。
【0118】
エッジ検出部732は、第4実施形態のエッジ検出部432と同じく、エッジを検出する。
【0119】
コーナー検出部746は、判定対象領域に含まれるコーナーを一般的なHarrisオペレータ、SUSANオペレータ等により検出する。
【0120】
図23(a)〜(b)は、判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合にコーナー検出部732により検出されるコーナーCを示す図である。判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合は、図23に示すように、1個以上のコーナーが検出されるが、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合は、コーナーCは検出されない。
【0121】
判定部738は、第4実施形態の判定部438と同じく、エッジ検出部732によりエッジが検出されない場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。さらに、判定部738は、第4実施形態の判定部438とは異なり、上述のコーナーの検出の有無を利用して、コーナー検出部746によりコーナーが検出されない場合に対がグローバルアライメントに適さないと判定する。また、判定部738は、これら以外の場合に対がグローバルアライメントに適すると判定する。
【0122】
このようなグローバルアライメント適否判定装置730によっても、グローバルアライメントに適するか否かが適切に判定されるので、グローバルアライメントが適切に実行される。
【0123】
<8 第8実施形態>
第8実施形態は、第4実施形態のグローバルアライメント適否判定装置430に代えて採用されるグローバルアライメント適否判定装置830に関する。
【0124】
図24は、第8実施形態のグローバルアライメント適否判定装置830のブロック図である。
【0125】
図24に示すように、グローバルアライメント適否判定装置830は、判定対象領域の移動先をゆすらせ範囲内でゆすらせたときの自己相関性の分布を導出する分布導出部848と、対がグローバルアライメントに適するか否かを判定する判定部838と、を備える。
【0126】
第8実施形態が第4実施形態と異なるのは、エッジの接線方向から自己相関性が高い方向を求めるのではなく、分布導出部848が、判定対象領域の移動先をゆすらせ範囲内でゆすらせて、移動量ごとに差分値SSDのような自己相関性の指標値を導出し、判定部838が、その分布が特定の方向性を持つか否かにより特定の方向に対する自己相関性があるかどうかを判定することにある。
【0127】
図25は、判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合に分布導出部848により導出される自己相関性の指標値の分布を示す図である。図26は、判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合に分布導出部848により導出される自己相関性の指標値の分布を示す図である。図25及び図26においては、暗部ほど自己相関性が高く、明部ほど自己相関性が低くなっている。判定対象領域がグローバルアライメントに適する場合は、図25に示すように、自己相関性の指標値の分布には異方性がない。判定対象領域がグローバルアライメントに適さない場合は、図26に示すように、自己相関性の指標値の分布には異方性がある。
【0128】
判定部838は、上述の自己相関性の分布の異方性の有無を利用して、分布導出部により導出された自己相関性の指標値の分布が基準を満たす方向性を有する場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する。方向性を有するか否かは、自己相関性の指標値の分布に対して、第5実施形態と同様に、エッジを構成する画素により構成される直線の方向が一様であるか否かを調べるか、第6実施形態と同様に、エッジの接線方向のヒストグラムに存在するピークが1個のみであるか否かを調べるか、第7実施形態と同様に、コーナーが検出されないか否かを調べることにより、特定される。
【0129】
このようなグローバルアライメント適否判定装置830によっても、グローバルアライメントに適するか否かが適切に判定されるので、グローバルアライメントが適切に実行される。
【0130】
<9 第9実施形態>
第1実施形態の位置あわせ又は第2実施形態の位置あわせを行うにあたって被検査領域aiと参照領域biとの相関をハードウエアの演算処理回路により導出する場合、グローバルアライメントを行う範囲を拡大したり、ファインアライメントを行う精度を向上したりすると、演算処理回路の規模が大きくなる。
【0131】
例えば、被検査領域aiと参照領域biとの位置関係を示す図27に示すように、グローバルアライメントを水平方向及び垂直方向に±P画素広がる範囲内で行うと、(2P+1)2個の加算器が必要になる。
【0132】
また、被検査領域aiと参照領域biとの位置関係を示す図28に示すように、ファインアライメントを1/P画素単位で行うと、1画素をP画素に増やす補間処理が行われ、(2P+1)2個の加算器が必要になる。
【0133】
第9実施形態は、この問題を解決するために提供される、位置あわせ装置950に関する。位置あわせ装置950は、第1実施形態のグローバルアライメント実行部116及びファインアライメント実行部118並びに第2実施形態のグローバルアライメント実行部216及びファインアライメント実行部218の全部又は一部に実装される。なお、グローバルアライメント実行部116及びファインアライメント実行部118でハードウエアの演算処理回路を共用してもよいし、グローバルアライメント実行部216及びファインアライメント実行部218でハードウエアの演算処理回路を共用してもよい。
【0134】
図29は、第9実施形態の位置あわせ装置950のブロック図である。図29の演算処理回路952は、全部又は一部がハードウエアであるが、演算処理分割部954は、専用のハードウエアを含んでいてもよいし、その機能の全部又は一部がコンピュータにプログラムを実行させることにより実現されてもよい。
【0135】
図29に示すように、位置あわせ装置950は、位置あわせのための演算処理を行う演算処理回路952と位置あわせのための演算を複数回に分割して前記演算処理回路に行わせる演算分割部954とを備える。
【0136】
これにより、位置あわせのための演算処理を行う演算処理回路の規模を縮小するので、欠陥検出装置102が簡略化される。
【0137】
<10 その他>
この発明は詳細に説明されたが、上述の説明は、全ての局面において例示であり、この発明はその説明内容に限定されない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得る。
【符号の説明】
【0138】
102 欠陥検出装置
106 被検査画像分割部
108 参照画像分割部
110,210 位置あわせ部
112 欠陥検出部
114,214 対分類部
116,216 グローバルアライメント実行部
118,218 ファインアライメント実行部
120,220 グローバルアライメント実行結果援用部
222 ファインアライメント実行結果援用部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
第1の画像を複数の第1の領域に分割する第1の画像分割部と、
第2の画像を複数の第2の領域に分割する第2の画像分割部と、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属する対について相対的に低い精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する第1の位置あわせ部と、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属さず第2の群に属する残余の対に前記第1の位置あわせ部による第1の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する第1の援用部と、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について前記第1の位置あわせ部により位置あわせが実行された状態又は前記第1の援用部により位置あわせの結果が援用された状態を基準として相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する第2の位置あわせ部と、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について第1の領域と第2の領域との比較結果から欠陥を検出する欠陥検出部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項2】
請求項1の欠陥検出装置において、
前記第2の位置あわせ部は、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対の全部について相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する、
欠陥検出装置。
【請求項3】
請求項1の欠陥検出装置において、
前記第2の位置あわせ部は、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第3の群に属する対について相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行し、
前記欠陥検出装置は、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第3の群に属さず第4の群に属する残余の対に前記第2の位置あわせ部による第3の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する第2の援用部、
をさらに備える欠陥検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかの欠陥検出装置において、
比較される第1の領域と第2の領域との複数の対の各々が相対的に低い精度の位置あわせに適するか否かを順次に判定する適否判定部と、
前記適否判定部により相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定された対を第2の群に属すると判定し、相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定された対のひとつ後に相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対を第1の群に属すると判定する群判定部と、
をさらに備える欠陥検出装置。
【請求項5】
請求項4の欠陥検出装置において、
前記群判定部は、
前記適否判定部により相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対のひとつ後に相対的に低い精度の位置あわせに適すると判定された対を第2の群に属すると判定する、
欠陥検出装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部によりエッジが検出されない場合に対が相対的に精度が低い位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項7】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部により検出されたエッジの平均的な接線方向を導出する平均接線方向導出部と、
前記平均接線方向導出部により導出された接線方向に対する判定対象領域の自己相関性を評価する自己相関性評価部と、
前記自己相関性導出部により導出された自己相関性が基準よりも高い場合に対が相対的に精度が低い位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項8】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部により検出されたエッジを構成する画素により構成される直線を検出する直線検出部と、
前記直線検出部により検出された直線の方向を導出する方向導出部と、
前記方向導出部により導出された方向の一様性が基準よりも高い場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項9】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部により検出されたエッジの接線方向のヒストグラムを導出するヒストグラム導出部と、
前記ヒストグラム導出部により導出されたヒストグラムに存在するピークの数が1個のみである場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項10】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域に含まれるコーナーを検出するコーナー検出部と、
前記コーナー検出部によりコーナーが検出されない場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項11】
請求項4又は請求項5の欠陥検出装置において、
前記適否判定部は、
第1の領域又は第2の領域の片方又は両方である判定対象領域の移動先をゆすらせ範囲内でゆすらせたときの自己相関性の分布を導出する分布導出部と、
前記分布導出部により導出された分布が基準を満たす方向性を有する場合に対が相対的に低い精度の位置あわせに適さないと判定する判定部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかの欠陥検出装置において、
前記第1の位置あわせ部は、
位置あわせのための演算を行う演算処理回路と、
位置あわせのための演算を複数回に分割して前記演算処理回路に行わせる演算分割部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項11のいずれかの欠陥検出装置において、
前記第2の位置あわせ部は、
位置あわせのための演算を行う演算処理回路と、
位置あわせのための演算を複数回に分割して前記演算処理回路に行わせる演算分割部と、
を備える欠陥検出装置。
【請求項14】
第1のパターンを撮像した第1の画像と第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して第1のパターンに含まれる欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
(a) 第1の画像を複数の第1の領域に分割する工程と、
(b) 第2の画像を複数の第2の領域に分割する工程と、
(c) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属する対について相対的に低い精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する工程と、
(d) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対のうちの第1の群に属さず第2の群に属する残余の対に前記工程(c)による第1の群に属する対についての位置あわせの結果を援用する工程と、
(e) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について前記工程(c)により位置あわせが実行された状態又は前記工程(d)により位置あわせの結果が援用された状態を基準として相対的に高いか又は同じ精度で第1の領域と第2の領域との位置あわせを実行する工程と、
(f) 比較される第1の領域と第2の領域との複数の対について第1の領域と第2の領域との比較結果から欠陥を検出する工程と、
を備える欠陥検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−249565(P2010−249565A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96889(P2009−96889)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】