説明

欠陥検査方法

【課題】基板の設計データ、または同一設計で製造の複数基板の画像を得ることで、検出された欠陥データから擬似欠陥データを除去して、本来の欠陥のみを効率よく検査する。
【解決手段】欠陥データPnの座標を取得する(ステップS301)。擬似欠陥データQmの座標を取得する(ステップS302)。欠陥データPnと擬似欠陥データQmの間の距離Dを取得する(ステップS303)。距離Dが擬似欠陥判定距離しきい値d以下のとき、欠陥Pnは擬似欠陥と判定(ステップS304)。擬似欠陥であると判定された欠陥データPnを欠陥データPnから除外する(ステップS305)。擬似欠陥であると判定された欠陥データを除外する処理を、欠陥データの全て、および擬似欠陥データの全てについて総当りで実施し、擬似欠陥データの除外を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネルなどの基板の欠陥検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面にパターンが形成された基板の検査を行う際、これらの基板上に形成されたパターンに欠落やショートがあると不良品となるため、製造工程中でパターンの厳重な検査が必要であり、光学的な検査が最も多く利用されている。光学的な検査では、光学的な情報を信号情報に変換する入力系、パターンを拡大するレンズ系および照明系とからなり、照明系は落射(反射)照明と透過照明があり、経験的に光透過性のパネルには透過照明が、光透過性でないパネルには落射照明が用いられることが多い。
【0003】
光学的な検査として一般的に用いられている、透過照明を用いたパターン検査機の構成を図8に示す。検査機81上に設置された基板82を、照明手段83を用いて照明し、画像入力手段84によって基板82の透過画像もしくは反射画像を得る。得られた画像を画像処理手段85によって画像処理し、配線パターンの欠陥を抽出する。これら欠陥を抽出する画像処理アルゴリズムには主に2種類あり、1つは Die to Die 比較法、Die 比較方式などと呼ばれるもので、もう1つは隣接比較法と呼ばれるものである。
【0004】
前述の隣接比較法をさらに発展させ、画素の部分だけでなく端子へ接続するために配線の間隔が徐々に変化して斜めに配置された引き出し配線部の検査に対応させるために、次のような方法が採られている。図9に引き出し配線部での隣接比較法について示す。引き出し線91を隣り合う引き出し線92および引き出し線93と配置されるピッチが同一となる方向にのみ比較することで、隣接比較法を実現している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−29876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引き出し配線部の検査を行う場合、Die to Die 比較法が用いられる。しかしながら、Die to Die 比較法では1つの基板内に複数の同一のパターンが存在する場合にしか検査することができない。隣接比較法では、検査対象箇所と比較対象箇所が隣接しており相対位置ずれは発生せずに高精度に検査を行うことができるが、検査アルゴリズムの性質上、特定の箇所に擬似欠陥を生じる課題がある。以下に引き出し配線部の擬似欠陥の発生について説明する。
【0007】
引き出し配線部の検査に、前述した特許文献1に示すような隣接比較法を適用した場合を図10に示す。このような検査対象を検査する場合において、引き出し線の存在しない領域101のような箇所において欠陥の誤検出、擬似欠陥が発生する。
【0008】
引き出し配線部の隣接比較法による検査は、左右方向に同一ピッチで離れた画素を比較するという画像処理アルゴリズムを施す。そのため、領域101のようにパターンが存在しない箇所において、比較する先の画素が引き出し線102や引き出し線103といった引き出し線のパターンが存在する部分となり、領域101の箇所には本来あるべき引き出し線のパターンが存在しないと判断されるために、欠陥として検出されることで発生する。
【0009】
この欠陥の誤検出の課題に対して、これまで、誤検出の発生する箇所が常に同じ既知の場所であることから、この部分を非検査領域104(以下、マスクと呼ぶ)として欠陥を検出させない処理を行うことで対応していた。このマスクの設定を領域101のような箇所が存在する全ての場所に正しく設定する必要がある。1つの基板内に数百箇所もの擬似欠陥が発生する場合もあり、これら全ての箇所にマスクの設定を行う作業は大変煩雑である。
【0010】
本発明は、擬似欠陥を自動で除去することで、本来検出すべき欠陥のみを抽出し、効率よく検査を行う欠陥検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0012】
本発明の第1形態は、基板の設計情報から作成された画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った場合に欠陥として検出される箇所を擬似欠陥として予め求めておき、実際の基板を撮像して得られた画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った後に前記擬似欠陥を除去し、除去されずに残った欠陥のみを真の欠陥であるとする。
【0013】
本構成によって、設計データから生成された画像を事前に検査することで、擬似欠陥データを得ることができ、検査機から得られる欠陥データから擬似欠陥データを除外することにより、本来検出すべき欠陥データのみを抽出できることから、その後、擬似欠陥を人手によって除外する作業を省略でき、効率よく基板を検査することができる。
【0014】
また、本発明の第2形態は、同一の設計で製造された2枚以上の複数の基板を撮像して得られた画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った場合に一定範囲の距離内に2枚以上複数共通して発生した欠陥を擬似欠陥候補であると判断し、前記一定範囲の距離内における前記擬似欠陥候補の個数が所定値以上の場合に前記擬似欠陥候補を擬似欠陥として除去し、除去されずに残った欠陥のみを真の欠陥であるとする。
【0015】
本構成によって、複数枚の基板の検査結果から擬似欠陥データを得ることができ、検査機から得られる欠陥データから擬似欠陥データを除外することにより、本来検出すべき欠陥データのみを抽出できることから、その後、擬似欠陥を人手によって除外する作業を省略でき、効率よく基板を検査することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本来検出すべき欠陥データのみを抽出できることから、その後、擬似欠陥を人手によって除外する作業を省略でき、効率よく基板を検査することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基板の検査システムを示す構成図
【図2】本実施の形態1における検査対象物の設計データから擬似欠陥を登録するフローチャート
【図3】本実施の形態1における欠陥データから擬似欠陥データを判定するフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2に係る基板の検査システムを示す構成図
【図5】本実施の形態2における複数のパネルの検査結果から擬似欠陥を除外するフローチャート
【図6】本実施の形態2における複数のパネルの検査結果から擬似欠陥を除外する模式図
【図7】本実施の形態2における擬似欠陥データを判定するフローチャート
【図8】従来の透過照明を用いたパターン検査機の構成図
【図9】引き出し配線部での隣接比較法の説明図
【図10】引き出し配線部での擬似欠陥が発生する説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において、同じ構造には同じ符号を付して適宜説明を省略している。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る基板の検査システムを示す構成図である。検査対象の設計データを保管しているデータ蓄積手段21と、設計データを画像データに変換する画像変換手段22と、画像変換手段22によって得られた画像データからパターン欠陥を抽出する画像処理を行う画像処理手段15と、基板12を設置して移動させるステージ16と、基板12を照明する照明手段13と、照明された基板12を撮像するための撮像手段14と、得られた欠陥データから擬似欠陥データを除外する擬似欠陥除去手段17を備える。
【0020】
データ蓄積手段21は、より多くのデータを蓄積できるように、数100GB以上の容量を持つ通常のPC(パーソナルコンピュータ)のハードディスクドライブがよい。
【0021】
設計データを画像データに変換するために画像変換手段22を用いるが、これには設計データを製作するCADソフトの画像出力機能を用いることが可能である。CADソフトには設計データから画像データに変換する機能を有しており、これにより、一般的な画像ファイル形式、例えば、ビットマップ画像やTIFF画像などに変換することができる。
【0022】
画像変換手段22によって得られた画像データから、画像処理手段15がパターン欠陥を抽出する。画像処理手段15での画像処理は、様々な画像処理手法が提案されているが、ここでは特許文献1に示すような画像処理を実施するものとする。この画像処理は、PCを使ったソフト処理や、画像データのみを高速に処理するハードウェアを用いたハード処理などが挙げられるが、基板の製造工程における検査装置には生産性向上のために高速性が求められるため、一般的には専用のハード処理装置が使用される。
【0023】
画像処理手段15によって検査した後に得られる欠陥データには、本来、欠陥は含まれていないはずである。なぜなら検査対象となる基板の設計データを使って処理されており、欠陥は含まれていないためである。したがって、ここで抽出された欠陥は、画像処理手段15の画像処理アルゴリズム上、避けられずに、本来の設計データには存在しないが検出されてしまったと判断することができる。
【0024】
これらの処理の流れを図2に示す。設計データから画像データを生成し(ステップS201)、これを画像処理して欠陥データを得る(ステップS202)。得られた欠陥データを擬似欠陥データとして登録する(ステップS203)。このようにして、予め擬似欠陥の情報を保持しておく。
【0025】
その後、図1に示すように、検査のためステージ16に基板12を載せた状態で移動させて照明手段13により照明し、撮像手段14によって撮像し、得られた画像から画像処理手段15によって画像処理し、欠陥を抽出する。
【0026】
照明手段13としては、光透過性の基板には透過照明を、光反射性の基板には落射照明を利用する。例えば、プラズマディスプレイパネルの前面板は光透過性であるため、透過照明を用いた方が、配線パターンとガラス部のコントラストが明瞭に得られる。また、プラズマディスプレイパネルの背面板や、有機ELディスプレイパネルなどは光を透過しないもしくは透過が困難であるため、落射照明を用いて、表面の反射画像を得る。
【0027】
照明手段13の光源には、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどが用いられ、光源から出た光はファイバーライトガイドなどを通して基板12に照射される。生産性の向上を目的とすると、高速に検査を行う必要があるが、通常、高速に撮像を行うとカメラ(撮像手段)の蓄積光量が不足する。そのため、照明に十分な光量を得るためには、ハロゲンランプよりも、高輝度なメタルハライドランプがよく用いられる。
【0028】
このようにして照明された基板12を、撮像手段14を用いて撮像する。撮像手段14にはレンズ・カメラ・AD変換装置などが含まれる。この撮像手段14によって基板12の画像データを得る。レンズやカメラは基板12の設計ルールや、検出すべき欠陥の最小サイズ・最大サイズなどからレンズの焦点距離や倍率およびカメラの1画素あたりの素子サイズや画素数などを選定する。
【0029】
例えばプラズマディスプレイパネルの場合、10μm程度の大きさの欠陥を検出する必要があるため、画素分解能はその半分となる5μmが望ましい。これにより、カメラの画素サイズが7μmの場合で1画素5μmの分解能で撮像するためには、レンズの倍率は7/5となるレンズを選定する。
【0030】
また、カメラの画素数は一度に撮像することのできる視野を設定することで選定される。例えば一度に10mmの視野を得ようとした場合、10mm/5μm=2000であるから、2000×2000画素のカメラを選定すればよい。
【0031】
このようにして得られた画像データから画像処理手段15が欠陥を検出する。この際、前述した設計データから得た画像を処理する画像処理手段と同一の画像処理手段を用いる。
【0032】
画像処理手段15によって欠陥が検出されるが、この検出された欠陥データには、画像処理アルゴリズム上避けられずに誤検出した擬似欠陥データも含まれている。そこで、画像処理手段15によって検出された欠陥データから、この擬似欠陥データを除外する。この検出された欠陥をPnとし、Pnの座標データを(x,y)とする。また、設計データを元に画像に変換して検査して得られた擬似欠陥データをQmとし、Qmの座標データを(X,Y)とする。また、PnとQmの2次元平面状の距離をD、擬似欠陥判定距離しきい値をdとする。
【0033】
図3は、検出された欠陥データから、この擬似欠陥データを除外する方法を示すフローチャートである。まず、欠陥データPnの座標を取得する(ステップS301)。擬似欠陥データQmの座標を取得する(ステップS302)。欠陥データPnと擬似欠陥データQmの間の距離Dを取得する(ステップS303)。次に距離Dが擬似欠陥判定距離しきい値d以下であった場合、この欠陥Pnは擬似欠陥であると判定する(ステップS304)。ここで、検査対象となる基板の設置の位置ずれや、製造時の誤差によるパターンの伸縮などに柔軟に対応させるため、擬似欠陥判定距離しきい値dは、約1mm程度が望ましい。なお、製造時の誤差の影響が少ない場合は、0.1〜0.5mm程度に設定するとよい。擬似欠陥判定距離しきい値dは、基板の設計ルールや、画素分解能、位置決め精度などに応じて調整できるようにして予め教示しておく。擬似欠陥であると判定された欠陥データPnを欠陥データPnから除外する(ステップS305)。前記、欠陥を除外する処理を、欠陥データの全て、および擬似欠陥データの全てについて総当りで実施し、擬似欠陥データの除外を行う。
【0034】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2に係る基板の検査システムの構成を示す説明図である。図4に示すように、基板42をステージ46に載せた状態で移動させて照明手段43で照明し、撮像手段44によって撮像し、得られた画像を画像処理手段45によって画像処理し、欠陥データを抽出する。
【0035】
照明手段43、撮像手段44、画像処理手段45については、前述した図1に示す実施の形態1の照明手段13、撮像手段14、画像処理手段15と同等の構成が望ましい。
【0036】
画像処理手段45は、同一の設計データで製造された複数の基板42を同様に検査して欠陥データを得る。1枚目の検査で得られた欠陥データ群をP1、2枚目の検査で得られた欠陥データ群をP2、M枚目の検査で得られた欠陥データ群をPMとする。M枚目の検査データPMの各欠陥の座標データを、(x,yとする。ここで、nは欠陥個数を表す。
【0037】
図5に複数の基板を検査して得られた欠陥データから擬似欠陥データを除外するフローチャートを示す。P1の欠陥座標(x,yを取得する。(ステップS501)。次に、P2の欠陥座標(x,yを取得する(ステップS502)。同様に、M枚目の欠陥座標(x,yを取得する(ステップS503)。これらM枚の検査結果の座標を重ね合わせる(ステップS504)。重ね合わせた結果、ある座標(x,y)を元に全ての検査結果の欠陥との間の距離Dを求める(ステップS505)。距離Dが擬似欠陥判定距離しきい値d以下となる重複回数Vを求める(ステップS506)。重複回数しきい値Wを定め、重複回数Vが重複回数しきい値W以上であるかを判定する(ステップS507)。重複回数Vが重複回数しきい値W以上であれば、この座標(x,y)を擬似欠陥座標として登録する(ステップS508)。
【0038】
これらの処理を実際の検査結果の座標を模して図6に示す。図6において、1枚目の基板における検査結果601の欠陥座標と、2枚目の基板における検査結果602の欠陥座標と、3枚目の基板における検査結果603の欠陥座標とをそれぞれ示す。また、前述の3枚を重ね合わせた基板における検査結果604で、欠陥座標を重ね合わせたものを示す。
【0039】
ここで、欠陥座標605は3枚の検査でいずれも欠陥座標が同一もしくはある座標からの距離Dが擬似欠陥判定距離しきい値d以下であったとすると、重複回数Vは3となる。重複回数しきい値Wを3とすると、この欠陥座標605は擬似欠陥と判定される。同様に欠陥座標606については、重複回数Vは2となり重複回数しきい値Wが3の場合は、この欠陥座標606は擬似欠陥とは判定されない。同様に欠陥座標607については、重複回数Vは1となり重複回数しきい値Wが3の場合は、この欠陥座標607は擬似欠陥とは判定されない。
【0040】
しかしながら、擬似欠陥として登録された欠陥データのうち、実際には擬似欠陥ではなく、検出すべき欠陥である場合がある。例えば、基板の配線パターンは通常、ガラスマスクを露光してパターンが描画されるが、このガラスマスクに異物などが付着していた場合、その異物が基板の同一箇所に毎回描画されることになる。この異物による欠陥は毎回同じ箇所に形成されるために、前述の処理によれば、これも擬似欠陥として登録されてしまうことになる。しかし、このガラスマスクに付着した異物による欠陥は、検出すべき欠陥であるため、以下のようにして、擬似欠陥データから除外する。
【0041】
図7は擬似欠陥データから検出すべき欠陥データを除く処理を示すフローチャートである。欠陥データを、擬似欠陥か本来検出すべき欠陥なのかを、欠陥の画像特徴量を使って区別する。欠陥の画像特徴量として一般的に利用される、X方向の位置X、Y方向の位置Y、濃度I、面積S、周囲長L、コントラストC、長軸半径LR、短軸半径SR、主軸角度MDを定義する。利用できる特徴量は実際にはこれらに限らない。これらの画像特徴量を利用して、擬似欠陥の特徴をそれぞれの画像特徴量について範囲で定義しておく。
【0042】
図7に示すステップS701にて擬似欠陥データを入力し、ステップS702にてX座標の位置が定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S702のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS703にてY座標の位置が定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S703のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS704にて濃度Iが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S704のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS705にて面積Sが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S705のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS706にて周囲長Lが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S706のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS707にてコントラストCが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S707のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS708にて長軸半径LRが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S708のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS709にて短軸半径SRが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S709のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
同様に、ステップS710にて主軸角度MDが定義された範囲内にあるかどうかを判定し、定義外であれば(S710のno)、擬似欠陥ではないとしてステップS712にて除外する。
【0043】
以上のステップを通って、残った欠陥データのみを擬似欠陥データとする(ステップS711)。これにより、マスクに付着したごみなどによる検出すべき欠陥は擬似欠陥から除外され、正しく欠陥として検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る基板の欠陥検査方法は、光透過性基板や、光反射性のパターンの検査が必要な分野に用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
12,42,82 基板
13,43,83 照明手段
14,44 撮像手段
16,46 ステージ
15,45,85 画像処理手段
17 擬似欠陥除去手段
21 データ蓄積手段
22 画像変換手段
81 検査機
84 画像入力手段
91,92,93,102,103 引き出し線
101 領域
104 非検査領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の設計情報から作成された画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った場合に欠陥として検出される箇所を擬似欠陥として予め求めておき、
実際の基板を撮像して得られた画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った後に前記擬似欠陥を除去し、除去されずに残った欠陥のみを真の欠陥であるとすること
を特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
同一の設計で製造された2枚以上の複数の基板を撮像して得られた画像データに対し欠陥検査の画像処理を行った場合に一定範囲の距離内に2枚以上複数共通して発生した欠陥を擬似欠陥候補であると判断し、
前記一定範囲の距離内における前記擬似欠陥候補の個数が所定値以上の場合に前記擬似欠陥候補を擬似欠陥として除去し、除去されずに残った欠陥のみを真の欠陥であるとすること
を特徴とする欠陥検査方法。
【請求項3】
前記擬似欠陥を除去する際に、前記擬似欠陥候補のX座標またはY座標が所定の範囲内にある場合に擬似欠陥であると判断すること
を特徴とする請求項2記載の欠陥検査方法。
【請求項4】
前記擬似欠陥を除去する際に、前記擬似欠陥候補の濃度またはコントラストが所定の範囲内にある場合に擬似欠陥であると判断すること
を特徴とする請求項2記載の欠陥検査方法。
【請求項5】
前記擬似欠陥を除去する際に、前記擬似欠陥候補の面積または周囲長が所定の範囲内にある場合に擬似欠陥であると判断すること
を特徴とする請求項2記載の欠陥検査方法。
【請求項6】
前記擬似欠陥を除去する際に、前記擬似欠陥候補の長軸半径または短軸半径が所定の範囲内にある場合に擬似欠陥であると判断すること
を特徴とする請求項2記載の欠陥検査方法。
【請求項7】
前記擬似欠陥を除去する際に、前記擬似欠陥候補の主軸角度が所定の範囲内にある場合に擬似欠陥であると判断すること
を特徴とする請求項2記載の欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−2280(P2011−2280A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144045(P2009−144045)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】