説明

歩数による制御システムおよび制御方法

【課題】ユーザの在・不在を簡単に判断しパソコンなどを制御できる制御システムを提供する。
【解決手段】歩数をカウントして微弱電波で定期的に送信する携帯ユニット10からの微弱電波を受信してカウント値の増加からユーザの在・不在を判断する制御ユニット20を有する制御システム1を提供する。このシステムでは、受信したカウント値φ1が以前に受信したカウント値φ2から増加していれば、ユーザが歩いてきたことが判るので、在・不在を精度良く判断することが可能であり、パソコンに不在の間の歩数や戻ってきたユーザに対する挨拶を表示するなどの処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ、その他の電化製品などの内、常に携帯されるものを除いた非携帯または半携帯型の装置の制御に適した制御システムおよび制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(パソコン)では、所定の時間、入力がないと表示画面がスクリーンセーバーの画面に切り替わり、キータッチするなどの入力を再開すると作業用の画面に切り替わる。また、自動ドアなどでは、ユーザを感知すると自動的に開閉する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パソコンの前に座ったときにスクリーンセーバーの画面が作業用の画面に自動的に切り替わったり、打ち合わせから戻ったときに「お疲れ様でした」といった表示が自動的に現れたり、不在間に受信した電子メールを自動的に表示するなど、パソコンに面したときに何らかの操作をしなくても自動的に開始されると便利な処理がある。パソコンに限らず、テレビやその他の電化製品においても同様である。
【0004】
ユーザの存在を自動的に識別する方法は、自動ドアなどで公知の赤外線センサーなどを用いたものがある。しかしながら、センサーで探知可能な領域は限られているので、姿勢を変えたり、椅子を動かした程度でも、不在から戻ったときと同様の処理が開始される可能性がある。もちろん、センサーの探知範囲を広げたり、方向性の少ない電波を用いてユーザを判断し、探知不可能となった時間などの幾つかの条件を組み合わせて不具合をなくすような制御システムを構築することは可能であろう。しかしながら、そのような制御システムは、センサーの設置スペースが必要となり、条件判断が難しい。このため複雑な制御システムになるのでコストが高くなるなどの多くの問題がある。
【0005】
また、ユーザの不在中にパソコンがオフされたり、在室中にパソコンをオンオフされたときは、パソコン側ではオフの間にユーザがパソコンの近傍にいたのか否かの判断は不可能である。したがって、パソコンがどのような状態で置かれていても、ユーザがパソコンの前に座ったときに適切な挨拶を表示するような機能は簡単には実現できない。
【0006】
そこで、本発明においては、ユーザの在・不在を簡単なシステムで的確に判断することができる制御システムおよび制御方法を提供することを目的としている。そして、ユーザが不在から戻ったときは適切な処理を自動的に行うことができる制御システムおよび制御方法を低コストで提供可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、携帯ユニットから受信した歩数のカウントにより、受信前のユーザの状態を判断し、その状態により処理を変更可能な制御ユニットを有する、歩数による制御システムである。
【0008】
制御ユニットは、所定の場所に据え置き可能な非携帯または半携帯型の装置を制御可能であることが望ましい。また、さらに、非携帯または半携帯型の装置は、表示機能を備えており、制御ユニットは、挨拶の表示、新着情報の表示、および/または、歩数の関連情報の表示を行う機能を含むことが望ましい。
【0009】
本発明の他の態様の1つは、上記の制御システムと、表示機能とを有し、制御ユニットは、表示機能に、挨拶の表示、新着情報の表示、および/または、歩数の関連情報の表示を行う機能を含む、非携帯または半携帯型の装置である。
【0010】
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、携帯ユニットから受信した歩数のカウントにより、受信前のユーザの状態を判断し、その状態により処理を変更する制御工程を有する、歩数による制御方法である。
【0011】
本発明の制御システムおよび制御方法においては、たとえば、歩数をカウントする携帯ユニットをユーザに装着し、携帯ユニットから受信されたカウント値が以前に受信されたカウント値に対し増加していると、所定の動作を行う。したがって、ユーザが制御ユニットの場所に戻ったときに、ユーザが不在中か否かの判断が容易に行え、簡単な構成でユーザが戻ってきたことを確実に判断できる信頼性の高い制御システムあるいは制御方法を提供できる。
【0012】
このため、本発明の制御ユニットを用いて、パソコンなどの装置に「お疲れ様でした」あるいは時間情報と組み合わせて「おはようございます」などの挨拶を表示させたり、不在中の新着情報を表示させるなど、ユーザが不在から戻ったときに行うことが望ましい様々な処理を自動的に行わせることができる。歩数に関連した情報として、一日の推奨歩数に達しているか、さらには、残り時間内にどの程度歩くべきか、一日あるいは一週間単位などで歩数を表示することなどによりユーザの健康管理に役立たせることも可能である。
【0013】
この制御ユニットあるいは制御方法の制御対象となる装置は、ユーザが常時携帯していることが少なく、所定の場所に据え置き可能な非携帯または半携帯型の装置が有効である。例えば、デスクトップ型、ノート型のパソコン、テレビなどがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1に本発明にかかる歩数による制御システムの概略構成を示してある。本例の制御システム1は、ユーザが常時身につけられる程度のサイズに纏められた携帯ユニット10と、デスクトップパソコンなどの非携帯型あるいは半携帯型の装置で実現される制御ユニット20とを備えている。携帯ユニット10は、加速度センサーなどの歩数を測定可能なセンサー11と、計測された歩数をカウントアップする歩数カウンター12と、歩数カウンター12の値を微弱電波で発信する送信部13と、送信用のアンテナ14と、送信部13の動作を定期的に行わせるための時間カウンター15とを備えている。また、携帯ユニット10は、これらの動作部を駆動するための電池(バッテリー)16を内蔵している。
【0015】
携帯ユニット10の歩数カウンター12はセンサー11からの信号によって常にカウントアップされるようになっており、その歩数カウンター12の値が適当なコードに変換されて送信部13から送信される。送信部13は、数ビット程度のユニークな識別データφdを記憶しており、歩数カウンター12のデータφ1と共に識別データが合わせて送信される。送信部13の送信出力は1mWから10mW程度の微弱電波が発信されるように設定されており、携帯ユニット10から発信される電波の到達範囲が限定できるようになっている。送信部13の送信出力を適当な手段、例えば、ディップスイッチやパソコンから動かすソフトスイッチなどにより変更できるようにすることも可能である。
【0016】
時間カウンター15は、送信部13を定期的に動作させるためのカウンターであり、不図示の適当なクロック源から供給されるクロック信号をカウントして秒あるいは分単位で設定された適当な間隔を判別できるようになっている。例えば、時間カウンター15が10分に設定されていると、送信部13は10分おきに歩数カウンター12のカウント値φ1を識別データφdと共に微弱電波で発信する。
【0017】
制御ユニット20は、携帯ユニット10の微弱電波を受信可能なアンテナ21および受信部22と、受信した識別データφdおよび歩数カウンターの値φ1をデコードし、予め設定された識別データと照合する判別部23を備えている。判別部23では、さらに、受信した歩数カウンターのカウント値φ1を以前に受信してメモリ24に記憶されたカウント値φ2と比較する機能も備えている。判別部23において受信した識別データφdが照合され、カウント値φ1が記憶されたカウント値φ2よりも増加しているときはトリガ信号φtがアプリケーション部25に出力され、アプリケーション部25が動作を開始する。
【0018】
アプリケーション部25によって行うことができる処理はさまざまであり、ユーザの設定で自由に変更できるようになっている。例えば、トリガ信号φtが入ると、省電力モード、あるいは、スクリーンセーバーが作動しているLCD26の表示を通常状態に戻すことができる。また、「お帰りなさい」、「ご苦労様でした」、さらに時刻データから朝であることが判れば「おはようございます」といった挨拶をLCD26に表示したり、オーディオ27から音声出力することができる。さらに、不在中に受信したメールを表示する機能など、様々な機能を持たせることができる。
【0019】
さらに、このアプリケーション部25では、受信したカウント値(第1のカウント値)φ1からメモリ24に記憶されたカウント値(第2のカウント値)φ2を引いた値は、携帯ユニット10を装着したユーザの歩いた歩数になるので、その歩数をLCD26に表示し、万歩計(登録商標)としての機能を持たせることも可能である。加えて、歩数に関連した情報、例えば、一日の推奨歩数と比較した情報、毎日の歩数の変化などの統計的な情報などを表示することも可能である。
【0020】
このような制御ユニット20は、図2に示すようにパソコン30あるいは他の電化製品の制御装置に簡単な受信ユニット29を接続するだけで実現できる。CPU31、ROM32、RAM33がバス34で接続された現状で標準的なパソコン30の場合は、同様にバス34に接続されたRS232CあるいはUSBなどの外部インタフェース35に受信部22とアンテナ21とを備えた受信ユニット29を接続するだけで良い。そして、バス34にハードディスクインタフェース36を介して接続されたハードディスクユニット37あるいはROM32などの記憶媒体に、判別部23およびアプリケーション部25としての処理機能を備えたソフトウェアをインストールしておくことにより、制御ユニット20としての機能を実現できる。そして、適当なタイミングでロードされたソフトウェアに基づき、CPU31により、インタフェース38および39を介してバス34に接続されたLCD26あるいはオーディオ27を制御し、上述したような動作を行わせることができる。
【0021】
図3に示したフローチャートに基づき、さらに携帯ユニット10および制御ユニット20の処理について説明する。携帯ユニット10は電池16が装着されると稼動し、センサー11で測定された歩数に対応する信号を歩数カウンター12でカウントアップする処理を継続して行う。そして、時間カウンター15で所定の時間が経過したと判断すると(ステップ51)、識別データφdとカウント値φ1を微弱電波に乗せて発信する(ステップ52)。
【0022】
一方、制御ユニット20においては、ステップ61で携帯ユニット10からの微弱電波を受信すると、ステップ62で受信したデータをデコードし、ステップ63で識別データφdを照合する。識別データφdが一致したときは、制御ユニット20の処理対象となっているユーザが保持している携帯ユニット10からの情報である。このため、さらにステップ64で受信したカウント値(第1のカウント値)φ1をメモリに記憶している以前に受信したカウント値(第2のカウント値)φ2と比較する。識別データφdが一致しないときは、他のユーザが携帯している携帯ユニットからの電波を受信したので、ステップ63以降の処理は行わず、受信体制に戻る。
【0023】
ステップ64においては、受信したカウント値φ1が以前のカウント値φ2よりも増加しているか否かを判断する。受信したカウント値φ1が以前に受信したカウント値φ2よりも増加していれば、その間にユーザが歩いたことを示しており、ユーザが不在であったことが分かる。したがって、ステップ65でメモリのカウント値φ2を受信したカウント値φ1で更新すると共に、ステップ66でアプリケーション部25における処理を開始する。
【0024】
一方、ステップ64で、受信したカウント値φ1が以前のカウント値φ2に対し増加していなければ、その間、ユーザは歩いておらず、同じ場所、すなわち、制御ユニット20に微弱電波が届く範囲内に止まっていたことを示している。したがって、アプリケーション部25は作動しない。本例の制御システム1では、受信したカウント値により上記のような判断ができるので、制御ユニット20が稼動していなくても受信したときのカウント値でユーザの在・不在が判断できる。
【0025】
ステップ64における判断では、受信したカウント値φ1が以前のカウント値φ2よりも所定の値以上に増加していることを判断することが望ましい。携帯ユニット10では、歩数を計測するために加速度センサー11などを用いることになるが、姿勢を動かしたり、携帯ユニット10を着脱したときにセンサーが反応してカウントアップされることがある。また、机から立って数歩動いて本をとったり、書類を整理するなど、電波の届く範囲で動き回ることがあり、このときにもカウントアップされる。したがって、このようなときに不在から戻ったときと同様の処理が制御ユニットで始まり、パソコンで挨拶が表示されるようでは本例の制御システム1が異常であるかの印象を与えかねない。このため、受信したカウント値φ1と記憶しているカウント値φ2との差が10あるいは数10程度あるときにアプリケーション部25の処理がスタートするように設定することが望ましい。
【0026】
また、受信したカウント値φ1と記憶しているカウント値φ2との差が所定の値に達しないときでも、記憶しているカウント値φ2を受信したカウント値φ1で更新する処理(ステップ67)を行うことにより、カウントミスが積み重なってアプリケーション部25が誤作動してしまうのを防止できる。また、歩数計として機能したときに表示される歩数も、制御ユニット20の近傍で動いた影響を除いたものを表示することができ、実際に歩いた歩数に近い値を得ることができる。
【0027】
このように、本例の制御システム1においては、携帯ユニット10で歩数をカウントし、その値を微弱な電波で制御ユニット20に送信するようにしているので、制御ユニット20では携帯ユニット10を保持したユーザが近づいたときにだけカウント値を受信することができる。したがって、受信したカウント値φ1と以前に受信したカウント値φ2を比較することにより、ユーザが制御ユニット20に対し離れた位置から戻ってきたところであるか否かを簡単に判断することができる。本例の制御システム1では、そのために携帯ユニット10をユーザが携帯しておく必要があるが、携帯ユニット10の構成は上述したように極めて簡単なものであり、どこにでも入れたり付けたりできる程度のサイズにまとめ、低コストで提供することができる。また、本例の携帯ユニット10は、計時装置や表示装置も不要であり、カウンタと送信機能だけを動かせば良いので消費電力も小さい。したがって、ボタン電池のような小型のバッテリーで長時間にわたり稼動させることができる。もちろん、携帯ユニット10に計時機能を搭載して時計として動作させても良く、また、表示機能を搭載して携帯ユニット自身で歩数を表示できるようにすることも可能である。
【0028】
携帯ユニット10からの情報を受信する制御ユニット20も、微弱電波を受信する受信ユニットをパソコンに接続する程度で実現することができる。したがって、本例の歩数を用いた制御システム1は、非常に低コストでコンパクトに実現することが可能である。したがって、パソコンの付加機能として装着し、ユーザインタフェースの役割を持たせたり、健康管理の役割を持たせるなど、様々な目的で利用することができる。
【0029】
制御ユニット20はパソコンに限らないことはもちろんである。非携帯あるいは半携帯の装置、例えば、テレビなどの電化製品の制御にも用いることができる。テレビ、オーディオ、照明などのオンオフを本例の制御システム1を用いて、微弱電波が受信できなくなると不在と判断して自動的にテレビをオフし、微弱電波が受信でき、歩数が増加していると戻ってきたと判断してテレビをオンすることができる。このような制御を行えば、テレビの近傍に居るときにテレビがオンオフを繰り返してしまうようなトラブルなしにオンオフの自動制御が極めて簡単に行える。さらに、歩数のみではなく、時刻あるいはその他の条件を判断して適当な挨拶を自動的に表示あるいは音声出力することも可能である。その他のユーザが常時携帯していることが少なく、所定の場所に据え置き可能な非携帯または半携帯型の装置について上記のシステムを適用できる。
【0030】
以上に説明したように、本発明の歩数による制御システムは、歩数をカウントすると共に、カウント値を微弱電波で送信することによりユーザの在・不在を簡単なシステムで極めて精度良く判断することができる。したがって、ユーザの在・不在に伴うデスクトップパソコンの自動制御や、その他の電化製品の自動制御を低コストで簡単に導入することができるので、様々な処理に利用することが可能である。
【0031】
以上に説明した制御システムおよび制御方法においては、歩数をカウントする携帯ユニットをユーザに装着し、微弱な電波で歩数のカウント値を受信すると共にそのカウント値の増加によってユーザの状態を判断するようにしている。すなわち、この制御システムは歩数による制御システムであって、歩数をカウントし、そのカウント値を微弱電波で定期的に送信可能な携帯ユニットと、この携帯ユニットからの微弱電波を受信できたときに、受信された第1のカウント値が以前に受信された第2のカウント値に対し増加していると、所定の動作を行う制御ユニットとを有することを特徴としている。また、この制御方法は、歩数による制御方法であって、歩数をカウントし、そのカウント値を微弱電波で定期的に送信可能な携帯ユニットからの微弱電波を受信できたときに、受信された第1のカウント値が以前に受信された第2のカウント値に対し増加していると、所定の動作を行う制御工程を有することを特徴としている。
【0032】
これらの制御システムおよび制御方法においては、ユーザが携帯ユニットを携帯し、制御ユニットの設置された場所から歩き去ると携帯ユニットのカウント値が増加する。したがって、ユーザが制御ユニットの場所に戻ったときに受信した第1のカウント値を、以前に受信して制御ユニットに記憶された第2のカウント値と比較することにより、第1のカウント値を受信したときにユーザが制御ユニットの設置された場所から離れたところに行き、そして、戻ってきたことが簡単に判断できる。さらに、ユーザの不在中あるいは居るときに制御ユニットがオフになってもカウント値をハードディスクなどの不揮発性のメモリに保持しておくことにより、ユーザの在・不在を判断できる。また、到達距離の短い微弱電波、例えば、10mW程度以下の強度の電波であれば携帯ユニットが制御ユニットの近傍にないとカウント値を受信できないので、ユーザが制御ユニットの近傍にいるか否かの判断が容易に行える。さらに、電波は方向性なく送受信可能であるので、ユーザの姿勢、座った位置、携帯ユニットと制御ユニットの間の障害物などに影響されることなくカウント値を制御ユニットに与えることが可能である。したがって、簡単な構成でユーザが戻ってきたことを確実に判断できる信頼性の高い制御システムあるいは制御方法を提供できる。
【0033】
このため、上記の制御ユニットを用いて、パソコンなどの装置に「お疲れ様でした」あるいは時間情報と組み合わせて「おはようございます」などの挨拶を表示させたり、不在中の新着情報を表示させるなど、ユーザが不在から戻ったときに行うことが望ましい様々な処理を自動的に行わせることができる。また、第1および第2のカウント値の差はユーザが不在中に歩いた歩数であるので、歩数計としての表示を行ったり、さらには、その歩数に関連した情報として表示される挨拶を歩数に応じて変えることも可能である。さらには、歩数に関連した情報として、一日の推奨歩数に達しているか、さらには、残り時間内にどの程度歩くべきか、一日あるいは一週間単位などで歩数を表示することなどによりユーザの健康管理に役立たせることも可能である。
【0034】
また、携帯ユニットは歩数をカウントし、それを微弱電波で定期的に送信する機能を備えていれば良いので非常に小型および低コストで実現できる。特に、微弱電波を用いてカウント値を定期的に送信することにより携帯ユニットの消費電力は非常に小さくなり、小型の電池で長時間にわたり継続して稼動させることができる。したがって、携帯ユニットはポケットに挿入可能な形態、あるいはIDカードに組み込んだり時計や他の電子機器に装着した形態、さらには、バッチあるいはネクタイピンのような装飾具に近い形態など、様々な形態で実現できる。
【0035】
オフィス内など、複数のユーザが狭い空間に居る機会がある環境では、携帯ユニットにカウント値と共に識別情報を送信する機能を持たせ、制御ユニットあるいは制御工程においては、受信した識別情報が設定済みの識別情報に合致したときに第1のカウント値を第2のカウント値と比較するようにすることによりユーザの判別ができる。
【0036】
また、ちょっとした用事でユーザが数歩だけ動いたとき、あるいはユーザが姿勢を変えてカウント値が代わったときに挨拶などの所定の動作が開始されないように、第1および第2のカウント値の差が所定の値より大きいときにだけ所定の動作を行うようにしておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の歩数による制御システムの概要を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御ユニットをパソコンで実現した例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す制御システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 制御システム
10 携帯ユニット
11 センサー
12 歩数カウンター
13 送信部
14 アンテナ
15 時間カウンター
16 バッテリー
20 制御ユニット
21 アンテナ
22 受信部
23 判別部
24 メモリ
25 アプリケーション部
26 LCD
27 オーディオ
29 受信ユニット
30 パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯ユニットから受信した歩数のカウントにより、受信前のユーザの状態を判断し、その状態により処理を変更可能な制御ユニットを有する、歩数による制御システム。
【請求項2】
請求項1において、前記制御ユニットは、所定の場所に据え置き可能な非携帯または半携帯型の装置を制御可能である、歩数による制御システム。
【請求項3】
請求項2において、前記非携帯または半携帯型の装置は、表示機能を備えており、前記制御ユニットは、挨拶の表示、新着情報の表示、および/または、前記歩数の関連情報の表示を行う、歩数による制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の制御システムと、表示機能とを有し、
前記制御ユニットは、前記表示機能に、挨拶の表示、新着情報の表示、および/または、前記歩数の関連情報の表示を行う機能を含む、非携帯または半携帯型の装置。
【請求項5】
携帯ユニットから受信した歩数のカウントにより、受信前のユーザの状態を判断し、その状態により処理を変更する制御工程を有する、歩数による制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−54177(P2009−54177A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264199(P2008−264199)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【分割の表示】特願平10−301531の分割
【原出願日】平成10年10月23日(1998.10.23)
【出願人】(594142311)株式会社ティアンドデイ (14)
【Fターム(参考)】