残留ガス排出機構付きエアゾール容器
【課題】残留ガスの排出が容易で、ガス抜き作業の中途でも作動を解除できる機能を有する残留ガス抜き機構付きエアゾール容器を提供する。
【解決手段】上方へ付勢された状態のバルブステム4が起立する容器本体1と、前記容器本体1の上端部に嵌着されたカバー体10と、前記バルブステム4に嵌着されて上下動可能に配備された押しボタン30と、を有してなり、前記カバー体10の周壁11にスリット16を設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部17を形成し、且つ前記押しボタン30の外側に、該押しボタン30が継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部17と係合可能な上向き突起37を形成し、掛止板部17に前記押しボタン30の上向き突起37を係合させて継続噴射を可能とし、前記押しボタン30を更に押圧して下降させることで係合を解除させて、継続噴射の中止を可能とした。
【解決手段】上方へ付勢された状態のバルブステム4が起立する容器本体1と、前記容器本体1の上端部に嵌着されたカバー体10と、前記バルブステム4に嵌着されて上下動可能に配備された押しボタン30と、を有してなり、前記カバー体10の周壁11にスリット16を設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部17を形成し、且つ前記押しボタン30の外側に、該押しボタン30が継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部17と係合可能な上向き突起37を形成し、掛止板部17に前記押しボタン30の上向き突起37を係合させて継続噴射を可能とし、前記押しボタン30を更に押圧して下降させることで係合を解除させて、継続噴射の中止を可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を液化ガスで噴出させるエアゾール容器に関し、詳しくは、使用済みのエアゾール容器に残留するガスを容易に排出することのできる排出機構付きエアゾール容器に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みエアゾール容器には、使用によって放出しきれなかった液化ガスが残留しており、使用済みエアゾール容器がそのまま廃棄されると、廃棄された環境よっては破裂したり、火中に投じられると爆発するおそれがあった。従って、消費者が廃棄する際に残留ガスを完全に放出しておくことが望まれている。
【0003】
消費者が押しボタンを押し続けて残留ガスを完全に放出する手段は、作業時間と労力がかかり過ぎるうえに、ガス抜きが不完全に終わり易いことから、消費者が確実にガス抜きをするには、金槌やポンチ等の器具を使って使用済みエアゾール容器に孔を開ける必要がある。
【0004】
しかしながら、この残留ガス抜き手段は、作業性が悪いうえに、放出ガスとともに容器内に付着している残留内容物の噴出により、周辺や衣服を汚染してしまう虞があり、作業が面倒であるのでガス抜きを行わないで廃棄されてしまうことが多い。
【0005】
このような問題に対応して、消費者が使用済みエアゾール容器の押しボタンを簡単に継続噴射状態にできれば、消費者の手で確実に残留ガスを抜くことができるので、使用済みエアゾール容器を廃棄する際に、消費者が簡単に継続噴射状態に操作できる残留ガス抜き機構を備えたものが多数提案されている。
【0006】
例えば、特開2002−68339号公報や、特開2002−255266号公報には、押しボタンとカバー体の部分に相互に係合する係合手段を形設し、押しボタンの押し下げ時に、押しボタンとカバー体をそれぞれの係合手段によって係合させることにより継続噴射を可能とした残留ガス抜き機構を備えたエアゾール容器が開示されている。
【0007】
これらの物は、消費者が、廃棄する前に押しボタンを押し下げて、押しボタンとカバー体を係合しておけば、押しボタンを押し続けなくても残留ガスが放出されるので、煩わしいガス抜き作業をすることなく使用済みエアゾール容器のガスを完全に抜き去ることが出来るものである。
【特許文献1】特開2002−68339号公報
【特許文献2】特開2002−255266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
押しボタンに設けた係合手段とカバー体に設けた係合手段とを係合させて、ガスの放出を継続させることにより残留ガス抜きをする従来公知のガス抜き機構は、押し下げた押しボタンとカバー体とが係合すると、簡単には係合状態が解除できない構成となっており、廃棄後も噴射状態が確実に継続する。
【0009】
しかしながら、係合手段を作動させるガス抜き機構によって残留ガスを完全に排出するには、それなりの放出時間を要するので、消費者がガス抜き作業中に用事が発生してガス抜き作業を中断しなければならない事態も想定されるが、従来公知の残留ガス抜き機構は、この点についての配慮が全くなされておらず、作業者は排出が終了する迄見守るか、継続噴射中のものを完了を待たずして廃棄しなければならなかった。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、残留ガスの排出が容易にできるとともに、ガス抜き作業の中途でも、速やかにガス抜き作動を解除できる機能を有する残留ガス抜き機構付きエアゾール容器にすることを課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の問題を解決する為に、エアゾール缶の上端をエアゾールバルブで密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステムが起立する容器本体と、前記容器本体の上端部に嵌着されたカバー体と、前記バルブステムに嵌着されて前記カバー体の内側に上下動可能に配備された押しボタンと、を有してなり、前記カバー体の周壁にスリットを設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部を形成し、且つ前記押しボタンの外側に、該押しボタンが継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部と係合可能な上向き突起を形成し、内方に弾性変形させた前記カバー体の掛止板部に前記押しボタンの上向き突起を係合させることにより継続噴射を可能とするとともに、前記押しボタンを更に押圧して下降させることにより、前記掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、継続噴射の中止を可能とした。
【0012】
スリットが、カバー体の周壁の周方向へ延びて設けられている構成とすることが好ましい。
【0013】
また、掛止板部が、カバー体の周壁上端に開放された縦方向の二条のスリットで形成され、前記掛止板部の上端内側には押しボタンの上向き突起と係合する下向き突起が形成されている構成としてもよい。
【0014】
また、前記縦方向の二条のスリットで形成された掛止板部が、カバー体の周壁の中心を挟んで対向して形成されている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器によれば、カバー体の周壁にスリットを設けることにより形成した掛止板部を、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能としたので、従来周知の残留ガス排出機構と同様に、廃棄に際して、残留ガスの継続噴射を可能とするとともに、押しボタンを更に押圧して下降させることにより、掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、残ガス処理の継続噴射を速やかに中止できるようにしたので、作業者がガス抜き作業中に用事が発生してガス抜き作業を中断しなければならない場合でも、ガス抜き作業を速やかに安全に中断して対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1乃至図10は、本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器の第一の実施の形態を示しており、図2乃至図3に示すように、この実施の形態の残留ガス排出機構付きエアゾール容器は、エアゾール缶2の上端をエアゾールバルブ3で密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステム4が起立する容器本体1と、容器本体1の上端部に嵌着されたカバー体10と、バルブステム4に嵌着されて前記カバー体10の内側に上下動可能に配備された押しボタン30と、を有し構成されている。
【0018】
容器本体1は、噴射用の液化ガスと流動性の内容物が充填されたエアゾール缶2の口部にエアゾールバルブ3をクリンプして密閉して成り、エアゾール缶2の肩部には、カバー体10の周壁11下端に設けた内向きの環状突起12とアンダーカット係合する係合用の周溝5が凹設されている。
【0019】
カバー体10は、円形の頂壁13の端縁から周壁11が垂下形成された略キャップ状を呈し、カバー体の周壁11の上部には押しボタン30の噴口31が覗く窓穴14が形成されている。また、窓穴14と直径沿いに対向する周壁11には、周壁11から頂壁13にかけて窓穴14よりも大きく切り欠いた指挿入用の切欠部15が形成されている。
【0020】
切欠部15の下方には、切欠部15と所定間隔をおいて平行するカバー体10の周壁11の周方向へ延びるスリット16が設けられている。このスリット16の上部の周壁部は、押圧すれば内方に弾性変形可能にして、押圧を解除すれば弾性復帰可能な掛止板部17となっている。
【0021】
この係止板部17は、押しボタン30の押し下げ時に、掛止板部17を内方に弾性変形させて、押しボタン30の係合手段と係合させることにより、押しボタン30を押し下げ状態に維持して継続噴射を可能とする残留ガス抜き機構を構成している。そして、掛止板部17の係合状態から更に押しボタン30を下降させることにより、押しボタン30と掛止板部17との係合が外れると、掛止板部17は弾性的に自己復帰して押しボタン30をフリーにする。
【0022】
また、カバー体10の頂壁13には、破断可能な複数の連結片18を介して引き離し可能に保護板19が一体形成されている。この保護板19は、窓穴14側に前側縁19aを有し切欠部15側に円弧の後側縁19bを自由端とした末広がりの舌片状の板部に垂壁19cが垂下形成されたものであり、その平面形状は、保護板19下面に位置する押しボタン30の平面形状の大部分とほぼ相似形を呈している。
【0023】
保護板19は、使用以前に、不用意に押しボタン30が押されてしまったり、不正使用の防止を目的に設けたものであり、使用するときは、切欠部15に指を入れ保護板19を上方に引き上げて連結片18を破断して引き離す。図4は、押しボタン30を装着したカバー体10を示しており、図5乃至図6は、押しボタン30を装着したカバー体10の保護板19を引き離して取り去った状態を示している。
【0024】
また、カバー体10における保護板19の下方は、保護板19の側縁に沿って頂壁13から垂下する前板20と、窓穴14側を前方として末広がりに対面する二枚の側板21、21と、による押しボタン30が作動可能に収納された押しボタン30のガイド部となっている。
【0025】
ガイド部を構成する各側板21、21の下端前方には、押しボタン30の前方に設けた一対の回転軸32が回動自在に嵌合する一対の軸受孔22が形成され、各側板21、21の後方には、押しボタン30の後方に設けた一対のガイド突起33を上下方向に案内する一対のガイド溝23が切り欠かれている。また、前板20の下端が押しボタン30の上面前方に当接していて、押しボタン30の上方への動きを抑制している。
【0026】
押しボタン30は、カバー体10のガイド部の側板21にその両側面34を接して配置されている。押しボタン30は、その噴口31側を前方として平面形状が末広がりに形成されており、その上面後方には指掛け凹所35が形成され、指掛け凹所35の後端下方には、後方に延びる端縁円弧の円弧板36が設けられ、円弧板36の後端縁中央には上向き突起37が突設されており、この上向き突起37が残留ガス抜き機構を構成する押しボタン30側の係合手段となっている。
【0027】
押しボタン30には、バルブステム4に嵌合し内容物が通過する縦通路38と、縦通路38に直交して連通し先端に噴口31を有する横通路39が穿設されている。横通路39の噴口31はカバー体10の窓穴14を覗く位置にある。押しボタン30の噴口31の下方には、カバー体10の内周壁に弾性的に接する板バネ40が垂設されている。
【0028】
また、押しボタン30は、その前方に垂設した脚板41の回転軸32がガイド部側板21の軸受孔22に回動自在に嵌合し、その後方に垂設した脚板42のガイド突起33がガイド部側板21のガイド溝23に昇降可能に嵌合して作動可能に取り付けられている。
【0029】
上記の部材から成るエアゾール容器を組み立てるには、予め押しボタン30をカバー体10の下方からガイド部に挿入して組み付けておく。そして、このカバー体10を容器本体1に被せて治具を使って押圧すれば、カバー体10の周壁11下端に設けた内向きの環状突起12とエアゾール缶2の肩部の周溝5がアンダーカット係合すると共に、押しボタン30の縦通路38にバルブステム4が嵌合して簡単に組み立てることができる。
【0030】
図7は、押しボタン30の指掛け凹所35を押圧して作動させた噴射状態を示しており、廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するには、図8に示すように、押しボタン30を押圧したまま、掛止板部17を押圧して内方に弾性変形させ、押しボタン30の上向き突起37を掛止板部17に係合させればよい。
【0031】
ガス抜き作業を中断しなければならないときは、掛止板部17に係合状態の押しボタン30を押して更に下降させれば、掛止板部17が自身の弾性反転力で弾性復帰して押しボタン30との係合状態が解除される。したがって、押しボタン30はフリーとなり、その押圧を中止すれば、押しボタン30は、バルブステム4の上昇力と板バネ40の弾性復帰力により静止位置に寸時に復帰する。このように、押しボタン30を指を使って押し離すという、指による瞬時のアクションで残留ガスの排出処理作業を中断することができる。
【0032】
図9乃至図10は、第二の実施の形態を示しており、この容器の基本的形態は先の実施の形態と同様であるので、共通する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
この容器にあっては、カバー体10aの周方向に延びるスリット16aによって形成さた掛止板部17aは、周壁11の内側、即ち、内周壁面24に沿って形成されている。この掛止板部17aは、第一の実施の形態における掛止板部17と同様に、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されており、作動方法や作用効果も同様である。
【0034】
この実施の形態によれば、合成樹脂製のカバー体10aを成形する射出成形用の金型を、複雑な割型構造にすることなくスリット16aの形成が可能である。したがって、制作費が安価な構造の経済的な金型を用いて、周壁周方向に延びる掛止板部17aが形成されたカバー体10aを生産することができる。
【0035】
図11乃至図12は、第三の実施の形態を示しており、この実施の形態におけるカバー体10bは、容器本体1bのクリンプリム6に嵌着する台部25の上面に、上端に内向きのフランジ27を有する周壁11が立設され、この周壁11には、周壁上端に開放された縦方向の二条のスリット16b、16bで形成された掛止板部17b、17bが周壁11の中心を挟んで対向して形成され、各掛止板部17b、17bは、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されている。また、各掛止板部17b、17bの上端内側には、押しボタン30bの上向き突起37と係合可能な下向き突起26がフランジ27の下面に縦断面鉤形状に形成されている。
【0036】
円筒形の押しボタン30bには、外周縁に上向き突起37が周設されたフランジ43が形成されており、押しボタン30bは、カバー体10b内において上下動可能に容器本体1bのバルブステム4に装着されている。
【0037】
廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するときは、図12に示すように、押しボタン30bを押圧したまま、一対の掛止板部17b、17bを指で押して内方に弾性変形させ、押しボタン30bの上向き突起37に掛止板部17b、17bの下向き突起26を係合させればよい。
【0038】
ガス抜き作業を中断するときは、係合状態の押しボタン30bを押して更に下降させれば、掛止板部17b、17bが自身の弾性反転力で弾性復帰して押しボタン30bとの掛止板部17b、17bとの係合状態が解除される。
【0039】
尚、この実施の形態では、一対の掛止板部17b、17bを設けたが、掛止板部17bは一カ所でも有効に作用するので一カ所でもよい。
【0040】
図13乃至図14は、第四の実施の形態を示しており、この実施の形態におけるカバー体10cは、容器本体1cのクリンプリム6に嵌着する台部25の上面に上端に内向きのフランジ27を有する周壁11が立設され、この周壁11には、周壁上端に開放された縦方向の二条のスリット16c、16cで形成された掛止板部17cが形成され、掛止板部17cは、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されている。また、掛止板部17cの上端内側には、押しボタン30cの上向き突起37と係合可能な下向き突起26がフランジ27の下面に縦断面鉤形状に形成されている。
【0041】
本実施の形態における押しボタン30cは、発泡製品やクリーム状製品に適用されるものである。円形の基盤44の中央下面にバルブステム4に嵌合する縦通路管45が垂設され、基盤44の上面の中央寄りに縦通路管45に連通するノズル46が立設され、このノズル46の基部に沿った基盤上に押圧台47が形成され、この押圧台47が形成された基盤44の外縁に沿って上向き突起37が形成されている。そして、カバー体10cの開口部に位置するこの押しボタン30cは、その上向き突起37をカバー体の掛止板部17cの側に位置させて、掛止板部17cと直径に沿い対向するカバー体の周壁11のフランジ27と連結ヒンジ48を介して一体に連結成形されている。
【0042】
廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するときは、押しボタン30cの押圧台47を押圧したまま、掛止板部17cを指で押して内方に弾性変形させ、押しボタン30cの上向き突起37に掛止板部17cの下向き突起26を係合させればよい。
【0043】
ガス抜き作業を中断するときは、既述した実施の形態と同様に、係合状態の押しボタン30cの押圧台47を押して更に下降させれば、掛止板部17cが自身の弾性反転力で弾性復帰して、押しボタン30cとの掛止板部17cとの係合状態が解除され、フリーとなった押しボタン30cによる噴射を直ちに停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器における第一の実施の形態を示す平面図。
【図2】図1の容器の縦断面図。
【図3】図1の容器の分解斜視図。
【図4】図1の容器におけるカバー体に押しボタンを装着した状態を示す斜視図。
【図5】図4に示すカバー体の保護板を取り去った状態を示す斜視図。
【図6】図5を噴口の側から見た斜視図。
【図7】図1の容器における噴射作動状態を示す従断面図。
【図8】図7に示す容器における残留ガス排出機構の作動状態を示す縦断面図。
【図9】本発明の第二の実施の形態を示す縦断面図。
【図10】図9の容器における押しボタンを装着したカバー体の保護板を取り去った状態を示す斜視図。
【図11】本発明の第三の実施の形態を示す分解斜視図。
【図12】図11の容器の主要部を破断して示す説明図。
【図13】本発明の第四の実施の形態を示す分解斜視図。
【図14】図3の容器の縦断面図。
【符号の説明】
【0045】
1、1a、1b、1c 容器本体,2 エアゾール缶,3 エアゾールバルブ,4 バルブステム,10、10a、10b、10c カバー体,16、16a、16b、16c スリット,17、17a、17b、17c 掛止板部,26 下向き突起,30、30a、30b、30c 押しボタン,37 上向き突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を液化ガスで噴出させるエアゾール容器に関し、詳しくは、使用済みのエアゾール容器に残留するガスを容易に排出することのできる排出機構付きエアゾール容器に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みエアゾール容器には、使用によって放出しきれなかった液化ガスが残留しており、使用済みエアゾール容器がそのまま廃棄されると、廃棄された環境よっては破裂したり、火中に投じられると爆発するおそれがあった。従って、消費者が廃棄する際に残留ガスを完全に放出しておくことが望まれている。
【0003】
消費者が押しボタンを押し続けて残留ガスを完全に放出する手段は、作業時間と労力がかかり過ぎるうえに、ガス抜きが不完全に終わり易いことから、消費者が確実にガス抜きをするには、金槌やポンチ等の器具を使って使用済みエアゾール容器に孔を開ける必要がある。
【0004】
しかしながら、この残留ガス抜き手段は、作業性が悪いうえに、放出ガスとともに容器内に付着している残留内容物の噴出により、周辺や衣服を汚染してしまう虞があり、作業が面倒であるのでガス抜きを行わないで廃棄されてしまうことが多い。
【0005】
このような問題に対応して、消費者が使用済みエアゾール容器の押しボタンを簡単に継続噴射状態にできれば、消費者の手で確実に残留ガスを抜くことができるので、使用済みエアゾール容器を廃棄する際に、消費者が簡単に継続噴射状態に操作できる残留ガス抜き機構を備えたものが多数提案されている。
【0006】
例えば、特開2002−68339号公報や、特開2002−255266号公報には、押しボタンとカバー体の部分に相互に係合する係合手段を形設し、押しボタンの押し下げ時に、押しボタンとカバー体をそれぞれの係合手段によって係合させることにより継続噴射を可能とした残留ガス抜き機構を備えたエアゾール容器が開示されている。
【0007】
これらの物は、消費者が、廃棄する前に押しボタンを押し下げて、押しボタンとカバー体を係合しておけば、押しボタンを押し続けなくても残留ガスが放出されるので、煩わしいガス抜き作業をすることなく使用済みエアゾール容器のガスを完全に抜き去ることが出来るものである。
【特許文献1】特開2002−68339号公報
【特許文献2】特開2002−255266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
押しボタンに設けた係合手段とカバー体に設けた係合手段とを係合させて、ガスの放出を継続させることにより残留ガス抜きをする従来公知のガス抜き機構は、押し下げた押しボタンとカバー体とが係合すると、簡単には係合状態が解除できない構成となっており、廃棄後も噴射状態が確実に継続する。
【0009】
しかしながら、係合手段を作動させるガス抜き機構によって残留ガスを完全に排出するには、それなりの放出時間を要するので、消費者がガス抜き作業中に用事が発生してガス抜き作業を中断しなければならない事態も想定されるが、従来公知の残留ガス抜き機構は、この点についての配慮が全くなされておらず、作業者は排出が終了する迄見守るか、継続噴射中のものを完了を待たずして廃棄しなければならなかった。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、残留ガスの排出が容易にできるとともに、ガス抜き作業の中途でも、速やかにガス抜き作動を解除できる機能を有する残留ガス抜き機構付きエアゾール容器にすることを課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の問題を解決する為に、エアゾール缶の上端をエアゾールバルブで密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステムが起立する容器本体と、前記容器本体の上端部に嵌着されたカバー体と、前記バルブステムに嵌着されて前記カバー体の内側に上下動可能に配備された押しボタンと、を有してなり、前記カバー体の周壁にスリットを設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部を形成し、且つ前記押しボタンの外側に、該押しボタンが継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部と係合可能な上向き突起を形成し、内方に弾性変形させた前記カバー体の掛止板部に前記押しボタンの上向き突起を係合させることにより継続噴射を可能とするとともに、前記押しボタンを更に押圧して下降させることにより、前記掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、継続噴射の中止を可能とした。
【0012】
スリットが、カバー体の周壁の周方向へ延びて設けられている構成とすることが好ましい。
【0013】
また、掛止板部が、カバー体の周壁上端に開放された縦方向の二条のスリットで形成され、前記掛止板部の上端内側には押しボタンの上向き突起と係合する下向き突起が形成されている構成としてもよい。
【0014】
また、前記縦方向の二条のスリットで形成された掛止板部が、カバー体の周壁の中心を挟んで対向して形成されている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器によれば、カバー体の周壁にスリットを設けることにより形成した掛止板部を、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能としたので、従来周知の残留ガス排出機構と同様に、廃棄に際して、残留ガスの継続噴射を可能とするとともに、押しボタンを更に押圧して下降させることにより、掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、残ガス処理の継続噴射を速やかに中止できるようにしたので、作業者がガス抜き作業中に用事が発生してガス抜き作業を中断しなければならない場合でも、ガス抜き作業を速やかに安全に中断して対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1乃至図10は、本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器の第一の実施の形態を示しており、図2乃至図3に示すように、この実施の形態の残留ガス排出機構付きエアゾール容器は、エアゾール缶2の上端をエアゾールバルブ3で密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステム4が起立する容器本体1と、容器本体1の上端部に嵌着されたカバー体10と、バルブステム4に嵌着されて前記カバー体10の内側に上下動可能に配備された押しボタン30と、を有し構成されている。
【0018】
容器本体1は、噴射用の液化ガスと流動性の内容物が充填されたエアゾール缶2の口部にエアゾールバルブ3をクリンプして密閉して成り、エアゾール缶2の肩部には、カバー体10の周壁11下端に設けた内向きの環状突起12とアンダーカット係合する係合用の周溝5が凹設されている。
【0019】
カバー体10は、円形の頂壁13の端縁から周壁11が垂下形成された略キャップ状を呈し、カバー体の周壁11の上部には押しボタン30の噴口31が覗く窓穴14が形成されている。また、窓穴14と直径沿いに対向する周壁11には、周壁11から頂壁13にかけて窓穴14よりも大きく切り欠いた指挿入用の切欠部15が形成されている。
【0020】
切欠部15の下方には、切欠部15と所定間隔をおいて平行するカバー体10の周壁11の周方向へ延びるスリット16が設けられている。このスリット16の上部の周壁部は、押圧すれば内方に弾性変形可能にして、押圧を解除すれば弾性復帰可能な掛止板部17となっている。
【0021】
この係止板部17は、押しボタン30の押し下げ時に、掛止板部17を内方に弾性変形させて、押しボタン30の係合手段と係合させることにより、押しボタン30を押し下げ状態に維持して継続噴射を可能とする残留ガス抜き機構を構成している。そして、掛止板部17の係合状態から更に押しボタン30を下降させることにより、押しボタン30と掛止板部17との係合が外れると、掛止板部17は弾性的に自己復帰して押しボタン30をフリーにする。
【0022】
また、カバー体10の頂壁13には、破断可能な複数の連結片18を介して引き離し可能に保護板19が一体形成されている。この保護板19は、窓穴14側に前側縁19aを有し切欠部15側に円弧の後側縁19bを自由端とした末広がりの舌片状の板部に垂壁19cが垂下形成されたものであり、その平面形状は、保護板19下面に位置する押しボタン30の平面形状の大部分とほぼ相似形を呈している。
【0023】
保護板19は、使用以前に、不用意に押しボタン30が押されてしまったり、不正使用の防止を目的に設けたものであり、使用するときは、切欠部15に指を入れ保護板19を上方に引き上げて連結片18を破断して引き離す。図4は、押しボタン30を装着したカバー体10を示しており、図5乃至図6は、押しボタン30を装着したカバー体10の保護板19を引き離して取り去った状態を示している。
【0024】
また、カバー体10における保護板19の下方は、保護板19の側縁に沿って頂壁13から垂下する前板20と、窓穴14側を前方として末広がりに対面する二枚の側板21、21と、による押しボタン30が作動可能に収納された押しボタン30のガイド部となっている。
【0025】
ガイド部を構成する各側板21、21の下端前方には、押しボタン30の前方に設けた一対の回転軸32が回動自在に嵌合する一対の軸受孔22が形成され、各側板21、21の後方には、押しボタン30の後方に設けた一対のガイド突起33を上下方向に案内する一対のガイド溝23が切り欠かれている。また、前板20の下端が押しボタン30の上面前方に当接していて、押しボタン30の上方への動きを抑制している。
【0026】
押しボタン30は、カバー体10のガイド部の側板21にその両側面34を接して配置されている。押しボタン30は、その噴口31側を前方として平面形状が末広がりに形成されており、その上面後方には指掛け凹所35が形成され、指掛け凹所35の後端下方には、後方に延びる端縁円弧の円弧板36が設けられ、円弧板36の後端縁中央には上向き突起37が突設されており、この上向き突起37が残留ガス抜き機構を構成する押しボタン30側の係合手段となっている。
【0027】
押しボタン30には、バルブステム4に嵌合し内容物が通過する縦通路38と、縦通路38に直交して連通し先端に噴口31を有する横通路39が穿設されている。横通路39の噴口31はカバー体10の窓穴14を覗く位置にある。押しボタン30の噴口31の下方には、カバー体10の内周壁に弾性的に接する板バネ40が垂設されている。
【0028】
また、押しボタン30は、その前方に垂設した脚板41の回転軸32がガイド部側板21の軸受孔22に回動自在に嵌合し、その後方に垂設した脚板42のガイド突起33がガイド部側板21のガイド溝23に昇降可能に嵌合して作動可能に取り付けられている。
【0029】
上記の部材から成るエアゾール容器を組み立てるには、予め押しボタン30をカバー体10の下方からガイド部に挿入して組み付けておく。そして、このカバー体10を容器本体1に被せて治具を使って押圧すれば、カバー体10の周壁11下端に設けた内向きの環状突起12とエアゾール缶2の肩部の周溝5がアンダーカット係合すると共に、押しボタン30の縦通路38にバルブステム4が嵌合して簡単に組み立てることができる。
【0030】
図7は、押しボタン30の指掛け凹所35を押圧して作動させた噴射状態を示しており、廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するには、図8に示すように、押しボタン30を押圧したまま、掛止板部17を押圧して内方に弾性変形させ、押しボタン30の上向き突起37を掛止板部17に係合させればよい。
【0031】
ガス抜き作業を中断しなければならないときは、掛止板部17に係合状態の押しボタン30を押して更に下降させれば、掛止板部17が自身の弾性反転力で弾性復帰して押しボタン30との係合状態が解除される。したがって、押しボタン30はフリーとなり、その押圧を中止すれば、押しボタン30は、バルブステム4の上昇力と板バネ40の弾性復帰力により静止位置に寸時に復帰する。このように、押しボタン30を指を使って押し離すという、指による瞬時のアクションで残留ガスの排出処理作業を中断することができる。
【0032】
図9乃至図10は、第二の実施の形態を示しており、この容器の基本的形態は先の実施の形態と同様であるので、共通する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
この容器にあっては、カバー体10aの周方向に延びるスリット16aによって形成さた掛止板部17aは、周壁11の内側、即ち、内周壁面24に沿って形成されている。この掛止板部17aは、第一の実施の形態における掛止板部17と同様に、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されており、作動方法や作用効果も同様である。
【0034】
この実施の形態によれば、合成樹脂製のカバー体10aを成形する射出成形用の金型を、複雑な割型構造にすることなくスリット16aの形成が可能である。したがって、制作費が安価な構造の経済的な金型を用いて、周壁周方向に延びる掛止板部17aが形成されたカバー体10aを生産することができる。
【0035】
図11乃至図12は、第三の実施の形態を示しており、この実施の形態におけるカバー体10bは、容器本体1bのクリンプリム6に嵌着する台部25の上面に、上端に内向きのフランジ27を有する周壁11が立設され、この周壁11には、周壁上端に開放された縦方向の二条のスリット16b、16bで形成された掛止板部17b、17bが周壁11の中心を挟んで対向して形成され、各掛止板部17b、17bは、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されている。また、各掛止板部17b、17bの上端内側には、押しボタン30bの上向き突起37と係合可能な下向き突起26がフランジ27の下面に縦断面鉤形状に形成されている。
【0036】
円筒形の押しボタン30bには、外周縁に上向き突起37が周設されたフランジ43が形成されており、押しボタン30bは、カバー体10b内において上下動可能に容器本体1bのバルブステム4に装着されている。
【0037】
廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するときは、図12に示すように、押しボタン30bを押圧したまま、一対の掛止板部17b、17bを指で押して内方に弾性変形させ、押しボタン30bの上向き突起37に掛止板部17b、17bの下向き突起26を係合させればよい。
【0038】
ガス抜き作業を中断するときは、係合状態の押しボタン30bを押して更に下降させれば、掛止板部17b、17bが自身の弾性反転力で弾性復帰して押しボタン30bとの掛止板部17b、17bとの係合状態が解除される。
【0039】
尚、この実施の形態では、一対の掛止板部17b、17bを設けたが、掛止板部17bは一カ所でも有効に作用するので一カ所でもよい。
【0040】
図13乃至図14は、第四の実施の形態を示しており、この実施の形態におけるカバー体10cは、容器本体1cのクリンプリム6に嵌着する台部25の上面に上端に内向きのフランジ27を有する周壁11が立設され、この周壁11には、周壁上端に開放された縦方向の二条のスリット16c、16cで形成された掛止板部17cが形成され、掛止板部17cは、内方に弾性変形可能にして且つ弾性復帰可能に設定されている。また、掛止板部17cの上端内側には、押しボタン30cの上向き突起37と係合可能な下向き突起26がフランジ27の下面に縦断面鉤形状に形成されている。
【0041】
本実施の形態における押しボタン30cは、発泡製品やクリーム状製品に適用されるものである。円形の基盤44の中央下面にバルブステム4に嵌合する縦通路管45が垂設され、基盤44の上面の中央寄りに縦通路管45に連通するノズル46が立設され、このノズル46の基部に沿った基盤上に押圧台47が形成され、この押圧台47が形成された基盤44の外縁に沿って上向き突起37が形成されている。そして、カバー体10cの開口部に位置するこの押しボタン30cは、その上向き突起37をカバー体の掛止板部17cの側に位置させて、掛止板部17cと直径に沿い対向するカバー体の周壁11のフランジ27と連結ヒンジ48を介して一体に連結成形されている。
【0042】
廃棄の為に残留ガスを継続噴射状態に維持するときは、押しボタン30cの押圧台47を押圧したまま、掛止板部17cを指で押して内方に弾性変形させ、押しボタン30cの上向き突起37に掛止板部17cの下向き突起26を係合させればよい。
【0043】
ガス抜き作業を中断するときは、既述した実施の形態と同様に、係合状態の押しボタン30cの押圧台47を押して更に下降させれば、掛止板部17cが自身の弾性反転力で弾性復帰して、押しボタン30cとの掛止板部17cとの係合状態が解除され、フリーとなった押しボタン30cによる噴射を直ちに停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の残留ガス排出機構付きエアゾール容器における第一の実施の形態を示す平面図。
【図2】図1の容器の縦断面図。
【図3】図1の容器の分解斜視図。
【図4】図1の容器におけるカバー体に押しボタンを装着した状態を示す斜視図。
【図5】図4に示すカバー体の保護板を取り去った状態を示す斜視図。
【図6】図5を噴口の側から見た斜視図。
【図7】図1の容器における噴射作動状態を示す従断面図。
【図8】図7に示す容器における残留ガス排出機構の作動状態を示す縦断面図。
【図9】本発明の第二の実施の形態を示す縦断面図。
【図10】図9の容器における押しボタンを装着したカバー体の保護板を取り去った状態を示す斜視図。
【図11】本発明の第三の実施の形態を示す分解斜視図。
【図12】図11の容器の主要部を破断して示す説明図。
【図13】本発明の第四の実施の形態を示す分解斜視図。
【図14】図3の容器の縦断面図。
【符号の説明】
【0045】
1、1a、1b、1c 容器本体,2 エアゾール缶,3 エアゾールバルブ,4 バルブステム,10、10a、10b、10c カバー体,16、16a、16b、16c スリット,17、17a、17b、17c 掛止板部,26 下向き突起,30、30a、30b、30c 押しボタン,37 上向き突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール缶の上端をエアゾールバルブで密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステムが起立する容器本体と、前記容器本体の上端部に嵌着されたカバー体と、前記バルブステムに嵌着されて前記カバー体の内側に上下動可能に配備された押しボタンと、を有してなり、前記カバー体の周壁にスリットを設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部を形成し、且つ前記押しボタンの外側に、該押しボタンが継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部と係合可能な上向き突起を形成し、内方に弾性変形させた前記カバー体の掛止板部に前記押しボタンの上向き突起を係合させることにより継続噴射を可能とするとともに、前記押しボタンを更に押圧して下降させることにより、前記掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、継続噴射の中止を可能としたことを特徴とする残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項2】
スリットが、カバー体の周壁の周方向へ延びて設けられていることを特徴とする請求項1記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項3】
掛止板部が、カバー体の周壁上端に開放された縦方向の二条のスリットで形成され、前記掛止板部の上端内側には押しボタンの上向き突起と係合する下向き突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項4】
掛止板部が、カバー体の周壁の中心を挟んで対向して形成されていることを特徴とする請求項3記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項1】
エアゾール缶の上端をエアゾールバルブで密閉し中央に上下動可能に上方へ付勢された状態のバルブステムが起立する容器本体と、前記容器本体の上端部に嵌着されたカバー体と、前記バルブステムに嵌着されて前記カバー体の内側に上下動可能に配備された押しボタンと、を有してなり、前記カバー体の周壁にスリットを設けることにより、内方に弾性変形可能にして弾性復帰可能な掛止板部を形成し、且つ前記押しボタンの外側に、該押しボタンが継続噴射可能な押し下げ位置において内方に弾性変形させた前記掛止板部と係合可能な上向き突起を形成し、内方に弾性変形させた前記カバー体の掛止板部に前記押しボタンの上向き突起を係合させることにより継続噴射を可能とするとともに、前記押しボタンを更に押圧して下降させることにより、前記掛止板部と押しボタンとの係合が解除されて、継続噴射の中止を可能としたことを特徴とする残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項2】
スリットが、カバー体の周壁の周方向へ延びて設けられていることを特徴とする請求項1記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項3】
掛止板部が、カバー体の周壁上端に開放された縦方向の二条のスリットで形成され、前記掛止板部の上端内側には押しボタンの上向き突起と係合する下向き突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【請求項4】
掛止板部が、カバー体の周壁の中心を挟んで対向して形成されていることを特徴とする請求項3記載の残留ガス排出機構付きエアゾール容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−320648(P2007−320648A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156106(P2006−156106)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000156341)釜屋化学工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000156341)釜屋化学工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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