説明

殺菌で安定した9−((1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イルオキシ)メチル)−2−アミノ−1H−プリン−6−(9H)−ワンの使える状態にある注射剤、注射剤をパッキングする密閉システム、9−((1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イルオキシ)メチル)−2−アミノ−1H−プリン−6−(9H)−ワンの結晶からアルカリ性残留物を除去する方法、および密閉システムの薬剤、および使用と方法

【課題】本発明は、主にウイルス感染している免疫抑制患者の医療および治療分野に関する。
【解決手段】本発明は、5%のグルコース水溶液または0.9%の塩化ナトリウム水溶液に9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを含む殺菌し安定した使える状態にある注射剤から成る。本発明は、3層構造の材料で製造される弾力性の有るバッグに、注射剤をパッキングする密閉システムから成る。本発明は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンのアルカリ性残留物を除去する方法から成り、注射剤の直接の調合に適することを記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌で安定した使える状態にある注射剤を提供する。この溶液は、5%のグルコース水溶液または0.9%の塩化ナトリウム水溶液に、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(9-((1,3-dihydroxypropan-2-yloxy)methyl)-2-amino-lH-purin-6-(9H)-one)を含む。本発明は、溶液をパッキングする密閉システムを記載する。この密閉システムは、3層構造で製造される弾力性のあるバッグである。本発明は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンに存在するアルカリ性の残留物を除去する工程を記載する。アルカリ性の残留物を含まない結晶を得て、直接に溶液を調合することが可能となる。
【背景技術】
【0002】
ガンシクロビル(9-((1,3-ジヒドロキシ-2-プロポキシ)メチル) グアニン(Gancyclovir (9-((1,3-Dihydroxy-2-propoxy)methyl) guanine)、DHPG、2-アミン-1,9-((2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)エトキシ)メチル)-6-H-プリン-6-ワン(2-Amine-1,9-((2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)ethoxy)methyl)-6-H-purin-6-one)、又は9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(9-((1,3-dihydroxypropan-2-yloxy)methyl)-2-amino-1H-purin-6-(9H)-one))は、アシクロビルから抽出した合成薬で、多くのヘルペスウイルスに活性で、サイトメガロウイルスに対して100倍の活性を示す。これらは米国特許4,355,032号に開示されている。それは、免疫抑制患者の網膜炎を治療する静脈注射用の溶液として1989年に調合薬として承認された。毒性のため、AIDS感染したような重大な免疫抑制患者およびサイトメガロウイルス伝染に関わる重大な疾病を示す免疫移植個体の治療のみに使用される。
【0003】
単純ヘルペスウイルス感染した細胞においては、作用のメカニズムは、アシクロビルと同様である。サイトメガロウイルスは、ウイルス特異チミジンキナーゼを有さないが、初期のガンシクロビルのリン酸化反応は、ウィルス遺伝子でコードされるホスホトランスフェラーゼによって行われる。
【0004】
作用のメカニズムは、アシクロビルと非常に似ているが、当初サイトメガロウイルスに感染した免疫抑制患者の治療に使用されていた。アシクロビルは、ヌクレオシドで、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染1型、2型および水痘帯状ヘルペスの治療に使用される抗ウイルス物質の中で最良の治療指数を備えている。ウイルスDNAポリメラーゼの抑制およびウイルスDNAに直接に組込む方法がある。幅広い作用を有し、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、帯状ヘルペスウィルス、ヘルペスウィルス1型および2型を含む。その効能、耐性および眼内浸透は、ウサギのヘルペス性角膜炎の実験研究によって実証された。
【0005】
【化1】

【0006】
そのナトリウム塩である9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(9-((1,3-dihydroxypropan-2-yloxy)methyl)-2-amino-1H-purin-6-(9H)-one))は、凍結乾燥した粉末で商品化されている。凍結乾燥した生産物は、水酸化ナトリウムに、活性な薬剤成分(遊離酸型)を溶かして、それを無菌ろ過、注入と後の凍結乾燥にかける。許容の技術仕様書内の凍結乾燥を得る。
【0007】
凍結乾燥粉の製造者は、輸液に相溶性の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンのナトリウム塩の調合物を冷蔵庫で貯蔵することを推奨する。しかし凍結させないとしている。注射用に9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを無菌の水でもどし、PVCバッグ内で0.9%の塩化ナトリウム溶液で希釈する場合、冷蔵庫の5℃の貯蔵で物理的および化学的に14日間安定している。しかし、防腐用抗菌剤を含まないため24時間以内の使用を推奨している。(参照Lawrence A. Trissel -Handbook on Injectable Drugs 11th edition, p. 613〜616)。
【0008】
これに反して、本願で開示する新しい製剤は、室温(20〜30℃)の貯蔵で少なくとも24ヶ月間、無菌で安定している。
【0009】
ブラジルの出願(PI 9803096 from LABOGEN S/A QUIMICA FINA E BIOTECNOLOGIA)によれば、凍結乾燥9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンのナトリウム塩は、生産物ならびに工程も改良できる。従来技術として引用しているこの出願は、薬剤の活性成分をナトリウムとカリウムのアルカリ塩として開示している。これは、アンプルに入れた直接投与に適した濃度の水溶液内の薬剤活性成分で、化学的および微生物学的性質を保証するように殺菌している。その生産物を、ガラス製アンプルへ移し、オートクレーブで滅菌し、最終クライアントのために、有用な一定の条件で保存する。
【0010】
≪密閉システム≫
点滴製剤での密閉システムとは、環境および投与する溶液間で接触が無いことを意味する。空気または投与装置の接続中の接触による微生物汚染を避ける。
【0011】
点滴製剤をプラスチックのフラスコにパックしても良い。このフラスコは、開放システムで汚染防御をしていない。この場合、生産物を患者に投与している時に、真空が発生し点滴の速度が低下する。他の薬物を、フラスコに接続したデバイスを引き抜いて加えても良い。結果として汚染のリスクがより高くなる。
【0012】
これまで9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンをグルコースまたは塩化ナトリウム溶液と共に密閉システムにパックするのは、ふさわしくなかった。これは、0.9%の塩化ナトリウム溶液および5%のグルコース溶液に希釈しているガンシクロビルナトリウム塩の不安定な性質のためである。これは、アルカリのpH(約11)が、これらの溶液と適合しないためである。塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液およびグルコースは、pH6が最大の許容である。
【0013】
この原理から、本発明は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを、遊離酸型で、グルコースまたは塩化ナトリウム溶液の密閉システムでのパッキングを提案する。これにより従来技術の不便さ(含、アンプルでのパッキング)を解消する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
グルコース溶液の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの生産物において、殺菌処理および加速安定試験中に黄色の着色の展開が着目できる。加速試験は、生産物を高温にさらして劣化を調べる。本発明は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(ガンシクロビル)の結晶の種類を変更することにより安定した生産物を得ることを可能にする。
【0015】
本発明により、密閉システムで予備希釈した調合物が、薬剤投与ミスを減らし、看護職員の操作ステップを減らし、汚染リスクも同様に減らすことが出来る。
【0016】
本発明により、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンのグルコースまたは塩化ナトリウム溶液を弾力性のあるプラスチックバッグ(密閉システム)にパッキング出来る。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、薬剤活性成分である9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを基本的な型(遊離酸型または非生理食塩水)で調合する工程を記載する。精製と結晶化の工程で遊離型のアルカリ性の残留物を無くす。
【0018】
本発明の生産物は、安定しており、殺菌したプラスチックバッグの密閉システムでの貯蔵に適し、殺菌して、グルコースまたは塩化ナトリウム溶液との密閉システムでの貯蔵に適するpH(溶液のpHと同一)を示し、そして使える状態にあることを特徴としている。
【0019】
最終溶液の安定性は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶の種類の変更で可能となる。これは、結晶に存在するアルカリ性の残留物の除去の工程で達成される。
【0020】
活性薬剤成分の結晶状態の変更を工程で行なう。工程は、形、サイズ、粒径、透明性などである。これにより従来技術に記載の生産物と異なる活性薬剤となる。
【0021】
密閉システムで貯蔵できる薬剤生産物の調合に加えて、本発明の別の目的は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶からアルカリ性の残留物を除去する工程である。
【0022】
グルコース溶液での遊離型アルカリ性残留物を含有しない活性薬剤成分は、新しい薬剤の生産に不可欠である。グルコースが、アルカリと反応すると、フルフラール又はメチルフルフラールを生成し、これらが9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンと反応して更に好ましくない物質を生成する。
【0023】
精製および結晶化過程で、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンは、数ppB(PPB)のアルカリ性残留物を含有する結晶を生成する。このアルカリ性残留物が、グルコース劣化の原因で、グルコース内の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの劣化を引き起こす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
アルカリ性残留物を含まない活性薬剤成分の結晶を調合する最初のプロセスは、0.9−1.1L、好ましくは1L、の脱塩水に、80〜110g、好ましくは、100gの9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(遊離酸型)の懸濁液を準備する。次に無機物ベース(水酸化カリウム 水酸化リチウム、水酸化ナトリウム−苛性ソーダ−)を、13.5〜16.5g、好ましくは15g、を加えて、pHを10.5〜12.5とする。全ての固形物が溶解して溶液を形成する。苛性ソーダを使用する場合、好ましい添加量は、約15gそして好ましいpHは、11.5である。溶液を75〜90℃、好ましくは85℃、に加熱して、酸(発煙塩酸、沸化水素酸、酢酸、クエン酸)を、5.4〜6.6g、好ましくは6g加えて、pHを4.5〜5.5、好ましくは4.5にする。溶液を5〜7℃、好ましくは5℃に冷却し、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを結晶化(遊離酸型)させる。上記温度に25〜40分、好ましくは30分保持し、固形物をフィルタに通し、有機溶媒で洗う。有機溶媒は、イソプロパノール、アセトン、エタノール、メタノールで、好ましくは、イソプロパノールである。フィルタにかけた後、固形の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを、イソプロパノールで懸濁させ、強力に3〜4時間、好ましくは4時間還流させる。生じた懸濁液を、室温20〜30℃、好ましくは25℃に冷却し、速やかにフィルタにかける。9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワン(遊離酸型)の固形物を、真空中で3〜5時間、好ましくは4時間、60〜80℃、好ましくは70℃で乾燥させ、90.4〜100.4g、好ましくは95.4gの乾燥生産物を得る。
【0025】
より詳細には、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを、凝縮装置に連結したガラス反応器の脱塩水に、室温で懸濁、攪拌させて完全に均質にする。
【0026】
脱塩水の比率を9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンに対して、好ましくは10とする。8〜20でも同様の効果が得られる。
【0027】
攪拌中に、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンに対して1.1モルを添加する。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの1モルに対して0.9〜2.0モルにしてもよい。
【0028】
他の無機化合物ベースとして、水酸化カリウムと水酸化リチウムがあるが、好ましくは水酸化ナトリウムである。攪拌中、溶液温度を上げて75〜90℃、好ましくは85℃として発煙塩酸を加える。フッ化水素酸、酢酸、クエン酸などの酸も使用できるが、塩酸が好ましい。5.4〜6.6g、好ましくは6gの塩酸で、溶液のpHを4.5〜5.5、好ましくは4.5とする。
【0029】
溶液のpHを調整後、溶液を5〜7℃、好ましくは5℃に下げて9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを結晶化させる。この温度で25〜40分、好ましくは30分間攪拌を続ける。次に懸濁液をフィルタに通して、固形物を、温度5〜7℃で水で洗浄する。固形物と水の最初の体積比率は、1/10である。次に固形物を、温度5〜7℃のイソプロパノールで洗浄する。固形物とイソプロパノールの最初の体積比率は、1/10である。イソプロパノールの代わりにアセトン、エタノール、メタノール等の有機溶媒を使用しても良い。好ましくは、イソプロパノールである。9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの固形物を還流凝縮器を備えたガラス内張反応装置に移す。次に、イソプロパノールを9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの固形質量に対して4〜6質量部、好ましくは4質量部を加える。攪拌しながら、この懸濁液を還流まで加熱する。イソプロパノールの代わりに、アセトン、エタノール、メタノールなどを使用しても良い。好ましくは、イソプロパノールである。装置で還流を3〜4時間続けて、その懸濁液を20〜30℃に冷却し、フィルタに通す。生じた9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの固形物を、真空中で、60〜80℃、3〜4時間乾燥させる。この処理の最終収率は、89〜98%となる。
【0030】
本発明の目的は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの注射剤で、5%のグルコース溶液または0.9%の塩化ナトリウム溶液で調合ができる。注射剤溶液は、24ヶ月以上安定で、pHが、3.0〜7.5、好ましくは3.2〜7.0の範囲で、高温技術、例えばオートクレーブの高温技術で殺菌ができる。この条件でも、注射剤溶液は、劣化しないためである。
【0031】
9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの注射剤を、グルコース溶液で調合する場合、理想的なpHは、3.0〜7.0、好ましくは3.2〜6.5である。注射剤を、0.9%の塩化ナトリウムで調合する場合、理想的なpHは、4.0〜7.5、好ましくは4.5〜7.0である。
【0032】
本発明は、注射剤を密閉システム(3層構造の材料で形成した弾力性の有るプラスチックバッグ)にパッキングできる点にある。
【0033】
注射剤をパッキングする弾力性の有るバッグは、3つの異なる層からなる膜で形成されている。各々は、個別の保護機能を備えている。フィルムの製造は、共押出し法で、各層共に押出して1層に形成する。外側の層は、ポリエステルで形成する。耐熱性があり、適切な透明性、擦り傷および機械的な圧迫に抵抗性を備えている。中間層は、ポリエチレンで形成され、優れた弾力性を備え、周囲の湿気および蒸気に対してバリアの作用をする。内層は、プロピレン共重合で形成され、不透水性で優れた弾力性を備えている。主たる特徴は、化学的に不活性で、注入される内部の生産物と反応しない。PVCと比べて、3層構造のパッキングは優れている。PVCは、プラスチックおよび添加剤となるが、長期の保存で貯蔵する生産物と反応する。
【0034】
5%のグルコースまたは0.9%の塩化ナトリウム溶液に希釈した注射剤の調合剤は、治療目的の投与に使用できる。
【0035】
これまでは、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの注射剤は、バイアル内の凍結乾燥粉である。治療の投与直前に準備する必要がある。安定性の問題で、pHが上昇し5%のグルコースまたは0.9%の塩化ナトリウム溶液の希釈剤と不適合になる。
【0036】
本発明は、この従来技術の問題を、酸性のpHでの製剤で解決する。これは、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの結晶を処理するプロセスで直接に得られる。酸性pHでの結晶化でアルカリ性の残留物を除去する。
【0037】
本工程の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの結晶は、塩化ナトリウムまたはグルコース溶液に、劣化無く加えることができる理想的な条件である。
【0038】
初期のテストでは、凍結乾燥生産物の調合に9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの分子を試みていた。結果として、黄色い酸化した溶液となった。これは高pHのため、グルコース溶液を安定化しなかった。
【0039】
LABOGENで実施したガンシクロビルナトリウムの結晶化分子の変更で、pH5.5の透明で酸化しない溶液が得られた。このpHで分子を安定させて、操作中の危険を下げることができた。以前のもどした溶液は、強いアルカリ性(pH=11)で、ヒリヒリするため、皮膚、粘膜および目に接触ができない。メガネおよびグローブを用いて、この物質の操作を行なってきた。
【0040】
米国病院薬剤学会(American Society of Hospital Pharmacy-ASHP)の協定では、ガンシクロビルは、層流の部屋での取扱いおよび調合を義務付けている。これは、生産物の微生物による汚染を防ぎ、人および環境への薬剤の潜在的なリスクを防ぐためである。 この操作を実行する適切な装置は、クラス2で垂直層流式の室(BSC=bio-security chamber)で
ある。
【0041】
本発明の溶液は、患者の投与のために予め希釈しているので病院の看護職員による操作ステップが最小となり、汚染のリスクおよび操作者の安全が守られる。密閉システムにした本発明の生産物は、薬剤の調合に層流の装置を必要としない。
【0042】
密閉システムの溶液9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンのpHを著しく変更している。操作を容易にし、操作者への安全を高め、汚染リスクを下げ、操作に伴う装置、特別な領域、特別な被雇用者に係わるコストを下げる。生産物の投与が準備できれば、操作者の毒性リスク(発癌性および突然変異)が除去される。
【0043】
pHの変更で、従来の製剤(ROCHE社のバイアルの凍結乾燥粉)に存在するリスク、膿瘍または静脈炎を誘発しない。
【0044】
密閉システムの新しい形態では、プロセスの1つの工程が容易になることが分かる。開始する物質の流径分布を考慮すると、凍結乾燥粉の生産に必要な粉砕工程が不要となる。これは、プロセスを9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの溶液で操作しているからである。強い攪拌の反応器は、効率的な溶解を促進する。これは粒子測定装置で確認できる。
【0045】
実施した実験室試験は、高速液体クロマトグラフによる活性薬剤成分アッセイ(ガンシクロビル)、測光および偏光分析法による希釈剤(塩化ナトリウムおよびグルコース)分析、pH電位差滴定測定、粒子計数、加速安定試験、分光測光(ヒドロキシメチルフルフラール)および微生物分析による劣化した生産物の検査、ウサギの生体内発熱物質(パイロジェン)テストである。
【0046】
9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワン(遊離酸型)の生成中(精製/結晶化)に、数ppbのアルカリ性残留物を含有する結晶が生成される。このアルカリ性残留物が、グルコースを劣化させ、グルコース溶液中の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの劣化を引き起こす。酸性pHでこの残留物を除去する方法を新しい結晶化の方法で見出した。グルコースおよび塩化ナトリウム溶液中の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの安定性を顕著に改善する。
【0047】
前述のアルカリ性残留物を除去するプロセスで、活性薬剤成分の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを、遊離したアルカリ性残留物無しで、基本的な型(遊離酸型)で、調合する。新しい生産物を調合する基本的な課題は、0.9%の塩化ナトリウムまたはグルコース溶液として投与できることにある。
【0048】
遊離アルカリ性残留物が、グルコースの劣化を引き起こすことを見出した。グルコースは、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンの生成での開始物質である。フルフラールおよびメチルフルフラールが生成され、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンと反応し、さらに物質を生成する。これに関しては、研究中である。
【0049】
長期安定性の検討中、グルコース劣化の生成物であるヒドロキシエチルフルフラールが、グルコース溶液のガンシクロビルで見出された。検査は、初期、12ヶ月後、24ヶ月後に実施した。ヒドロキシエチルフルフラールは、グルコースの劣化から由来する。所定のpH限界以上に置かれた時、および所定の時間および温度を越える殺菌をした時である。
【0050】
この新しい薬剤で、他の薬剤の組合せも容易にできる。最初の薬剤は、強アルカリpHのためこれは実行できない。通常使用の調剤での、塩酸ドキソルビシン(Doxorubicin HCl)、リン酸エトポシド(Etoposide phosphate)、フルコナゾール(Fluconazole)、メトトレキサート(Sodium Methotrexate)、サルグラモスチム(Sargramostim)およびチオテパ(Thiotepa)である。
【0051】
凍結乾燥の生産物をもどした治療投薬量は、14〜21日間、12時間毎に静脈内注射を、5mg/kgで投与する。本発明の密閉システムでの貯蔵の生産物に関して、治療方法の必要な調整を正確にするには、臨床試験の結果を必要とする。
【0052】
次の実施例は例示で、本発明の種々の可能性を限定するものではない。
【実施例1】
【0053】
基本式9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを、遊離酸型で、遊離アルカリ性残留物を含有しないで調合する方法。
【0054】
脱塩水1L中の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワン100gの懸濁液に、pH11.5の苛性ソーダを15g添加して、全て溶解する。そして溶液温度を85℃に上げて、約6gの発煙塩酸を加えてpHを4.5にする。溶液を5℃に冷やして9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワン(遊離酸型)を結晶化させる。5℃で30分攪拌後、固形物を濾過し、イソプロパノールで洗浄する。9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワン(遊離酸型)をイソプロパノール中で懸濁させて4時間の強力な還流を行なう。懸濁液を室温(25℃)にして冷却し素早く濾過する。9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワン(遊離酸型)の固形物を真空オーブンで4時間、70℃で乾燥し、95.4gの乾燥化合物を生成する。
【実施例2】
【0055】
基本式9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを遊離酸型で、遊離アルカリ性残留物を含有しないで調合する方法。
【0056】
還流凝縮器を備えたガラス反応器に、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを脱塩水に懸濁させる。脱塩水は、9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンに対して比率を10とする。室温で強力に攪拌し完全に均質にする。そして攪拌しながら、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加える。9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンと同等の1.1モルの水酸化ナトリウムを加えて、懸濁液を完全に溶解させる。そして溶液の温度を85℃に上げて発煙塩酸を加えて溶液のpHを4.5にする。加える発煙塩酸は、約5.4〜6.6gとなる。pH調整後、攪拌しながら5℃に冷却し9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを結晶化させる。懸濁液を5℃に維持しながら30分間攪拌してから濾過する。固形物を5〜7℃に維持して水で洗浄して、初期の水量の10分の1になるまで続ける。そして固形物を5〜7℃に維持してイソプロパノールで洗浄して、工程初期の水量の10分の1になるまで行なう。生じた固形の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを、還流凝縮器を備えたガラス内張り反応装置に移す。イソプロパノールを、攪拌しながら、固形質量1に対して4の比で加える。この懸濁液を還流温度に上げ、還流を3〜4時間継続する。そして懸濁液を20〜30℃に冷却し、濾過する。生成した固形の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6(9H)-ワンを、真空オーブンで60〜80℃で3〜4時間乾燥する。最終歩留まりは、89〜98%である。
【0057】
≪安定性テスト1≫
生産物:5%グルコース溶液のガンシクロビル(1mg/mL)
バッチ番号:パイロット1
製造日:2000年2月
バッチサイズ:100ユニット
パッキング:3層構造プラスチックバッグ(250mL)
結果:
長期安定性テスト(30℃±2℃):
【0058】
【表1】

【0059】
加速テスト:
5%グルコースのガンシクロビル注射剤をパッキングして、オーブンに40℃で180日間および50℃で90日間保持した。40℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後、180日後に分析を行ない、50℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後に分析を行なった。
【0060】
【表2】

【0061】
≪安定性テスト2≫
生産物:5%グルコース溶液のガンシクロビル(1mg/mL)
バッチ番号:パイロット2
製造日:2000年2月
バッチサイズ:100ユニット
パッキング:3層構造プラスチックバッグ(250mL)
結果:
長期安定性テスト(30℃±2℃):
【0062】
【表3】

【0063】
加速テスト:
5%グルコースのガンシクロビル注射剤をパッキングして、オーブンに40℃で180日間および50℃で90日間保った。40℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後、180日後に分析を行ない、50℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後に分析を行なった。
【0064】
【表4】

【0065】
≪安定性テスト3≫
生産物:5%グルコース溶液のガンシクロビル(1mg/mL)
バッチ番号:パイロット3
製造日:2000年2月
バッチサイズ:100ユニット
パッキング:3層構造プラスチックバッグ(250mL)
結果:
長期安定性テスト(30℃±2℃):
【0066】
【表5】

【0067】
加速テスト:
5%グルコースのガンシクロビル注射剤をパッキングして、オーブンに40℃で180日間および50℃で90日間保った。40℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後、180日後に分析を行ない、50℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後に分析を行なった。
【0068】
【表6】

【0069】
≪安定性テスト4≫
生産物:0.9%塩化ナトリウム溶液のガンシクロビル(1mg/mL)
バッチ番号:パイロット
製造日:2002年8月
バッチサイズ:100ユニット
パッキング:3層構造プラスチックバッグ(250mL)
結果:
長期安定性テスト(30℃±2℃):
【0070】
【表7】

【0071】
加速テスト:
0.9%塩化ナトリウムのガンシクロビル注射剤をパッキングして、オーブンに40℃で180日間および50℃で90日間保った。40℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後、180日後に分析を行ない、50℃に保ったバッグは、30日後、60日後、90日後に分析を行なった。
【0072】
【表8】

【0073】
解説として文献「抗菌剤の注射投与のガイドライン」(Guideline for Parenteral Administration of Antimicrobials F. Hoffmann-La Roche Ltd, Basel-Switzerland)に記載されている。従来技術に記載されているガンシクロビルの投与には次の提言を必要とする。従来技術に優る本発明の作用の意義が明らかになる。
【0074】
推奨:注射のために、10mLの滅菌水で各バイアルをもどす、許容量の輸液で希釈する、そして約1時間かけて静脈内注射で投与する。
【0075】
静脈内ボーラス:否。毒性が増加する。
【0076】
間欠かん流:諾。輸液にもどした内容物を希釈し、1時間のコースで供給する。
【0077】
連続点滴:細菌汚染のリスクがあり推奨しない。
【0078】
筋肉内:諾。しかし高いpHの注射剤(pH11)のため、注射の時に炎症を引き起こす。皮下投与も可能であるが、同様の局所炎症を伴う。
【0079】
相溶性の溶液:0.9%の塩化ナトリウム水溶液、5%のグルコース水溶液、リンゲル液、乳酸化リンゲル溶液。
【0080】
安定性:バイアル内でもどして室温で12時間。
【0081】
希釈する場合、細菌汚染のリスクがあり早急に使用すること。速やかに使用しない場合、冷蔵庫に最大24時間保存ができるが、凍結を避けること。
【0082】
観測:静菌性の水で希釈しないこと。注入には殺菌した再蒸留水のみを使用すること。
【0083】
バイアルにもどした時に、粒子状の物質または変色を避けるために検査すること。
【0084】
Technical Opinionn 005/95 from Conselho Federal de Farmacia-Brazilに、新規開発の分子による生産物および副生産物の関する技術的な分析の検証(the Validation of Technical Analysis Appropriate to Products and By-products Resulting from obtaining the New Developed Molecule)が記載されている。
【0085】
主題:静脈注射のガンシクロビルおよびアムホテリシンBの調合および投与。
【0086】
分析:Conselho Federal de Farmaciaが発送した下記情報の要請を考慮すること。
【0087】
ガンシクロビルは、抗ウイルス物質で、発ガン性および変異原性のある危険な薬剤で、取扱う時、調合する時、投与する時は、注意が必要である。
【0088】
もどした溶液は、強アルカリ性(pH11)で刺激性があるので、皮膚、粘膜および目の接触を避けること。取扱う時は、メガネおよび手袋を着用すること。
【0089】
米国病院薬剤学会(American Society of Hospital Pharmacy-ASHP)の規約では、ガンシクロビルは層流型の室内での取扱いおよび調合を規定している。これは、微生物による生産物の汚染および薬剤の潜在的リスクを個体および環境から防ぐためである。この操作を行なう適切な装置は、クラス2の垂直層流バイオセキュリティーチャンバである。
【0090】
最初にアムホテリシンB(殺菌剤)を注射用に10mLの殺菌水でもどす。静菌剤は使用しない。5mg/mLの濃度にしてコロイド懸濁液を生成する。静脈内注射の場合、コロイド懸濁液を、5%のグルコース溶液で500mLに希釈して0.1mg/mLの濃度にする。
【0091】
電解質(例えば、0.9%のNaCl)または静菌剤を含む溶液を、アムホテリシンBをもどしたり希釈する時に使用してはならない。薬剤が沈殿する恐れがある。
【0092】
静脈内注射の投与のアムホテリシンBは、厳密な無菌技術で調合する必要がある。これは、殺菌した手袋、注射針、注射器を使用し、バイアルの上部をアルコールに浸した綿で清浄にすることを意味する。
【0093】
アムホテリシンBは、光に敏感であるが、調合して8時間以内に投与する場合、輸液バッグにカバーは不要である。
【0094】
新しい薬剤を免疫抑制患者の治療に毎日着手し、この薬剤を調合および投与する医療従事者が、薬剤のリスクに関する知識に欠如している場合、常にアップグレードしたプログラムで彼等を維持する必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを遊離酸型で含み、
b)5%のグルコース水溶液または0.9%の塩化ナトリウム水溶液に使える状態に予備希釈して調合し、
c)pHを3.0〜7.5の範囲にし、
d)殺菌して、
e)少なくとも24ヶ月安定している、
ことを特徴とする使える状態にある注射剤。
【請求項2】
前記5%のグルコース水溶液に予備希釈して調合する、ことを特徴とする請求項1記載の注射剤。
【請求項3】
pHの範囲が3.0〜7.0である、ことを特徴とする請求項2記載の注射剤。
【請求項4】
pHの範囲が3.2〜6.5である、ことを特徴とする請求項3記載の注射剤。
【請求項5】
前記0.9%の塩化ナトリウム水溶液に予備希釈して調合する、ことを特徴とする請求項1記載の注射剤。
【請求項6】
pHの範囲が4.0〜7.5である、ことを特徴とする請求項5記載の注射剤。
【請求項7】
pHの範囲が4.5〜7.0である、ことを特徴とする請求項6記載の注射剤。
【請求項8】
透明、耐熱性・機械抵抗および不透水性を備えた3層構造の材料で製造される弾力性のあるバッグが、請求項1記載の使える状態にある注射剤をパッキングする、ことを特徴とする不活性な密閉システム。
【請求項9】
3つの異なる層の構成から成る3層構造の材料で、最外層がポリエステル、中間層がポリエチレン、そして内層がプロピレン共重合体である、ことを特徴とする請求項8記載の密閉システム。
【請求項10】
前記ポリエステル層が、耐熱性、機械抵抗または耐摩耗性を備え、前記ポリエチレン層が、弾力性があり、周囲の湿気および蒸気に対してバリアの作用をし、前記プロピレン共重合層が、パックされる物質との接触には化学的に不活性で、不透水性で高い弾力性を備えている、ことを特徴とする請求項9記載の密閉システム。
【請求項11】
a)9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを脱塩水で懸濁させる、
b)無機物ベースを添加してpHを10.5〜12.5に上げる、
c)pHを上げた溶液の温度を75〜90℃に上げる、
d)無機酸または有機酸を添加してpHを4.5〜5.5に調整する、
e)調整した溶液を5〜7℃の温度に下げて、生成する9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶を、25〜40分間、攪拌を続ける、
f)攪拌した溶液を濾過し、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロパノールからなる群から選択する有機溶媒で洗浄する、
g)洗浄した結晶を、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールからなる群から選択する有機溶媒で、3〜4時間、強力な還流を行なう、
h)生成した懸濁液を、20〜30℃の温度に下げて、結晶を濾過し、真空中で60〜80℃の温度で乾燥する、
工程からなる、ことを特徴とする9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンからアルカリ性残留物を除去する方法。
【請求項12】
前記無機物ベースが、水酸化カリウム、水酸化リチウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記無機物ベースが、水酸化ナトリウムである、ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項11記載のf)とg)で使用される有機溶媒が、イソプロパノールである、ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
活性成分として9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを遊離酸型で含み、
注射可能な0.9%の塩化ナトリウム水溶液または5%のグルコース水溶液でもどし、
pHを3.0〜7.5とし、
特別なバッグにパッキングしている、
該バッグは、3層構造の材料で製造され、弾力性を備えている、
ことを特徴とする、治療投与に殺菌し安定した使える状態にある薬剤。
【請求項16】
前記注射剤が、0.9%の塩化ナトリウム溶液で、pHが4.0〜7.5で、室温保存で少なくとも24ヶ月安定している、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤。
【請求項17】
前記pHが4.5〜7.0の範囲である、ことを特徴とする請求項16記載の薬剤。
【請求項18】
前記注射剤が、5%のグルコース溶液で、pHが3.0〜7.0、室温保存で少なくとも24ヶ月安定している、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤。
【請求項19】
前記pHが3.2〜6.5の範囲である、ことを特徴とする請求項18記載の薬剤。
【請求項20】
前記遊離酸型の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの活性薬剤結晶が、アルカリ性残留物を含まない、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤。
【請求項21】
前記9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの活性薬剤結晶が、請求項11記載の方法で生成される、ことを特徴とする請求項20記載の薬剤。
【請求項22】
弾力性の有るバッグの製造に使用するパッキング用3層構造の材料が、3つの異なる層の構成からなり、最外層がポリエステル、中間層がポリエチレン、そして内層がプロピレン共重合体である、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤。
【請求項23】
前記密閉システムを構成する3層構造の材料で製造される弾力性の有るバッグが、注射剤との接触に不活性で、透明、耐熱性、機械抵抗または耐摩耗性を備え、不透水性である、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤。
【請求項24】
前記9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンを含む5%のグルコース水溶液または0.9%の塩化ナトリウム水溶液をパッキングする、ことを特徴とする請求項8記載の密閉システムの使用。
【請求項25】
前記9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶が、請求項11記載のアルカリ性残留物を除去する方法で処理される、ことを特徴とする請求項24記載の密閉システムの使用。
【請求項26】
ウイルス感染した免疫抑制患者の治療に使用する、ことを特徴とする請求項1記載の注射剤の使用。
【請求項27】
AIDS感染したヒトおよび免疫移植の治療に使用する、ことを特徴とする請求項26記載の注射剤の使用。
【請求項28】
エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、帯状ヘルペスウィルス、ヘルペスウィルス1型および2型を含む幅広い範囲のウイルス感染に対する対抗に使用する、ことを特徴とする請求項26記載の注射剤の使用。
【請求項29】
ウイルス感染した免疫抑制患者の治療に使用する、ことを特徴とする請求項8記載の密閉システムの使用。
【請求項30】
AIDS感染したヒトおよび免疫移植の治療に使用する、ことを特徴とする請求項29記載の密閉システムの使用。
【請求項31】
エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、帯状ヘルペスウィルス、ヘルペスウィルス1型および2型を含む幅広い範囲のウイルス感染に対する対抗に使用する、ことを特徴とする請求項29記載の密閉システムの使用。
【請求項32】
予備希釈する5%のグルコース溶液および0.9%の塩化ナトリウム溶液の調合で、ウイルス感染した免疫抑制患者の治療に使用する、ことを特徴とする請求項11記載のアルカリ性残留物を含まない9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶の使用。
【請求項33】
AIDS感染したヒトおよび免疫移植の治療に使用する、ことを特徴とする請求項32記載の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶の使用。
【請求項34】
エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、帯状ヘルペスウィルス、ヘルペスウィルス1型および2型を含む幅広い範囲のウイルス感染に対する対抗に使用する、ことを特徴とする請求項32記載の9-((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオキシ)メチル)-2-アミノ-1H-プリン-6-(9H)-ワンの結晶の使用。
【請求項35】
ウイルス感染した免疫抑制患者の治療に使用する、ことを特徴とする請求項15記載の薬剤の使用。
【請求項36】
AIDS感染したヒトおよび免疫移植の治療に使用する、ことを特徴とする請求項35記載の薬剤の使用。
【請求項37】
エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、帯状ヘルペスウィルス、ヘルペスウィルス1型および2型を含む幅広い範囲のウイルス感染に対する対抗に使用する、ことを特徴とする請求項35記載の薬剤の使用。
【請求項38】
請求項1記載の注射剤で調合する薬剤の投与で、ウイルス感染した患者を治療する方法。
【請求項39】
請求項15記載の調合する薬剤の使用で、ウイルス感染した患者を治療する方法。

【公表番号】特表2008−502586(P2008−502586A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540108(P2006−540108)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【国際出願番号】PCT/BR2004/000235
【国際公開番号】WO2005/051286
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506179985)ハレックス イスター インダストリア ファーマシューティカ リミターダ (1)
【出願人】(506180132)ラボーゲン ソシエダッド アノニム キミカ フィナ エ バイオテクノロジア (1)
【Fターム(参考)】