説明

殺虫性アリールピロリン化合物

本発明は、式(I)を有する新規なアリールピロリン類およびそれらの殺虫剤としての使用、ならびにアリールピロリン類NCF3A3A4A1A2ONR1LY3Y2Y1R2R3(I)(L、A1からA4、Y1からY3、R1からR3は本特許出願の明細書で定義の通りである)の製造方法に関するものである。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアリールピロリン類およびそれらの殺虫剤としての使用、ならびにそのアリールピロリン類の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
JP2008−133273Aとして公開された日本国特許出願2007−283820、およびWO2009/072621には、殺虫特性を有するある種のピロリン化合物が記載されている。殺虫特性を有するアリールイソオキサゾリン型化合物に関するものであるWO2009/080250には、構造要素または置換基として四環系基、特にはアミド基の窒素原子に連結された硫黄含有四員環を有するある種のアリールイソオキサゾリン化合物が記載されている。アリールイソオキサゾリン型化合物に関するものであるWO2010/020522では、アリールイソオキサゾリン環が置換されている。WO2010/020522は、表1において、4種類の具体的なピロリン型化合物、すなわち化合物A46、A47、A48およびA49も開示している。これらの化合物は、本発明から除外されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−133273
【特許文献2】WO2009/072621
【特許文献3】WO2009/080250
【特許文献4】WO2010/020522
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現代の植物処理に関する生態学的および経済的要求は、特に施用量、残留物生成、選択性、毒性および好ましい製造方法に関して絶えず高まっていることから、そして例えば抵抗性の問題が生じ得ることから、少なくともある一定の分野において、公知の薬剤に勝る利点を示すことができる新たな植物処理剤を開発すべく努力が続けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発明者らは、殺虫剤としてより高い効果を示し、広い適用範囲を有する新規な化合物を作るべき鋭意研究を行った。その結果本発明者らは、高い活性、広い適用範囲および安全性を示し、さらには有機リン系薬剤もしくはカーバメート系薬剤に耐性を持つ有害生物に対して有効である新規なアリールピロリンを見出した。
【0006】
そこで本発明は、式(I)のアリールピロリン化合物またはそれの塩もしくはN−オキシドに関するものである。
【0007】
【化1】

式中、
、A、AおよびAは独立に、基C−H、C−Rまたは窒素を表し;
Lは、単結合、−CHC(O)NH−、C−Cアルキレン、C−Cハロアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cハロアルケニレン、C−CアルキニレンまたはC−Cハロアルキニレン、好ましくは単結合、−CHC(O)NH−、C−Cアルキレン、C−Cハロアルキレン、より好ましくは単結合、−CHC(O)NH−またはC−Cアルキレン、最も好ましくは単結合、−CHC(O)NH−またはメチレンを表し;
は水素、C−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニル、好ましくは水素、メチル、エチル、メチルカルボニルまたはメトキシカルボニル、より好ましくは水素、メチルまたはエチル、最も好ましくは水素またはメチルを表し;
は、水素またはC−Cアルキル、好ましくは水素またはメチル、最も好ましくは水素を表し;
は、アリールもしくは1から4個のXによって置換されているアリールまたは複素環もしくは1から3個のXによって置換されている複素環を表し;好ましくはRはフェニルもしくは1から4個のXによって置換されているフェニル、ピリジルもしくは1から3個のXによって置換されているピリジルを表し、好ましくは3,5−ジクロロフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジクロロ−ピリジン−4−イルまたは2,6−ビス−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イルを表し;
、YおよびYは互いに独立に、CR、C=O、C=N−OR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す(すなわち、基S、SO、SO))、S=N−RまたはS(O)=N−Rを表し;Y、YおよびYは同時にCRではなく;
は独立にハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アリールもしくは1から3個のRによって置換されていても良いアリールまたはヘテロアリールもしくは1から3個のRによって置換されていても良いヘテロアリールを表すか、2個のRが隣り合っている場合、その2個のRがそれらが結合している炭素原子とともに5員環を形成していても良く、前記5員環は、次の基−OCH=N−、−SCH=N−、−OCR=N−または−SCR=N−のうちの一つを含む、好ましくはRはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し、より好ましくはRはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し、最も好ましくはRはブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはメトキシカルボニルを表し;
Xは独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;好ましくはXはブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはメトキシカルボニルを表し、より好ましくはブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、最も好ましくはトリフルオロメチル、ブロモ、クロロまたはフルオロを表し;
およびRは互いに独立に、水素、ハロゲン、C−CアルキルまたはC−Cハロアルキルを表し;好ましくは水素またはメチルを表し、最も好ましくは水素を表し;
は水素、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルコキシカルボニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルスルホニル、アリール−C−CアルキルまたはアリールC−Cアルキル(前記アリール部分は1から3個のRによって置換されている)またはヘテロアリール−C−Cアルキルもしくはヘテロアリール−C−Cアルキル(前記ヘテロアリール部分は、1から3個のRによって置換されている)を表し;Rは好ましくは、水素、メチル、エチル、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピルメチル、メチルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、メトキシカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、ベンジルまたはフェニル部分が1から3個のRによって置換されているベンジルを表し、Rはより好ましくは水素、メチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたはベンジルを表し;
はハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;好ましくはRはブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはメトキシカルボニルを表し、より好ましくはクロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、最も好ましくはブロモ、クロロまたはフルオロを表し;
は水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し、好ましくは水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはメトキシカルボニルを表し、より好ましくは水素、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシを表し、最も好ましくは水素、ブロモ、クロロまたはフルオロを表す。
【0008】
本発明は、WO2010/020522の表1に開示の化合物A46、A47、A48およびA49、すなわち
化合物Excl−1(=A46):Rが3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSOであり、RがHである式(I)の化合物;
化合物Excl−2(=A47):Rが3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSであり、RがCHである式(I)の化合物;
化合物Excl−3(=A48):Rが3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSOであり、RがHである式(I)の化合物;
化合物Excl−4(=A49):Rが3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSであり、RがHである式(I)の化合物
を含まない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
別段の定義がない場合、単独でまたは「アミノアルキル」または「ハロアルキル」などの他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語には、メチル、エチル、n−またはイソ−プロピル;n−、イソ−、2級−または3級−ブチル;n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシルまたはn−ドデシルなどの8個以下の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐のアルキルなどがあり、好ましくは1から6個の炭素原子を有するアルキルを表す。
【0010】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルケニル」という用語は好ましくは、2から8個または2から5個の炭素原子を有するアルケニルを表す。例としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−、2−もしくは3−ブテニルまたは1−ペンテニルなどがある。より好ましくはそれは、2から4個の炭素原子を有するアルケニルを表す。
【0011】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキニル」という用語は好ましくは、2から6個または2から5個の炭素原子を有するアルキニルを表す。例としては、エチニル、プロパルギル、1−プロピニル、ブト−3−インイルまたはペント−4−インイルなどがある。より好ましくはそれは、2から4個の炭素原子を有するアルキニルを表す。
【0012】
別段の定義がない場合、単独でまたは「ハロアルキル」などの他の用語と組み合わせて使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0013】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロアルキル」という用語は、同一であっても異なっていても良いハロゲン原子で部分的または完全に置換されているアルキル基を表す。「ハロアルキル」の例には特には、CF、CHF、CHF、CHCHF、CCl、CHCl、CHCl、CFCF、CHCF、CHCHCl、CHCHF、CHClCH、CHFCH、CHCHFCl、CHCl、CFCFHおよびCHCFのような化学基などがある。
【0014】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロアルケニル」という用語は、同一であっても異なっていても良いハロゲン原子で部分的または完全に置換されているアルケニル基を表す。「ハロアルケニル」の例には特には、2,2−ジフルオロビニル、3,3,3−トリフルオロ−プロプ−2−エン−1−イルまたは4,4,4−トリフルオロ−ブト−2−エン−1−イルのような化学基などがある。
【0015】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ハロアルキニル」という用語は、同一であっても異なっていても良いハロゲン原子で部分的または完全に置換されているアルキニル基を表す。「ハロアルキニル」の例には特には、3,3,3−トリフルオロ−プロプ−1−エン−1−イルまたは4,4,4−トリフルオロ−ブト−2−エン−1−イルのような化学基などがある。
【0016】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語は、単環式、二環式または三環式であることができる環系を表す。そのような環の例には、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニルまたはフェナントレニルなどがある。好ましいアリール基はフェニルである。
【0017】
別段の定義がない場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含み、2以上の縮合環のいずれかからなる芳香環を表す。好ましくは、単環は3個以下のヘテロ原子を含み、二環系は4個以下のヘテロ原子を含み、それらヘテロ原子は好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択される。単環式基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルなどがある。二環式基の例には、キノリニル、シンノリニル、キノキザリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニルおよびベンゾチアジアゾリルなどがある。単環式ヘテロアリール基が好ましく、ピリジルが最も好ましい。
【0018】
別段の定義がない場合、「複素環」という用語は、ヘテロアリールおよびさらにはそれらの不飽和もしくは部分不飽和類縁体を含むよう定義される。
【0019】
[実施形態A]において、本発明は、AがC−HまたはC−Rであり、AがC−HまたはC−Rであり、AがC−HまたはC−Rであり、AがC−HまたはC−Rであり、他の全ての基が本明細書で定義の通りである式(I)の化合物に関するものである。
【0020】
[実施形態B]において、本発明は、AがC−Rであり、AがC−Hであり、AがC−Hであり、AがC−Hであり、他の全ての基が本明細書で定義の通りである式(I)の化合物に関するものである。
【0021】
[実施形態C]において、本発明は、AがC−Hであり、AがC−Hであり、AがC−Hであり、AがC−Rであり、他の全ての基が本明細書で定義の通りである式(I)の化合物に関するものである。
【0022】
[実施形態D]において、本発明は、Rがアリールまたは1から4個のXによって置換されているアリールを表し、好ましくはRがフェニルまたは1から4個のX、より好ましくは3個のXによって置換されているフェニルを表す[実施形態AからC]のうちのいずれか一つで定義の化合物に関するものである。
【0023】
[実施形態E]において、本発明は、Rが3,5−ビス−(トリフルオロメチル)−フェニル、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニルまたは3,4、5−トリクロロ−フェニルおよび3−クロロ−5−トリフルオロ−メチル−フェニル、3,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルから選択される[実施形態AからC]のうちのいずれか一つで定義の化合物に関するものである。
【0024】
[実施形態F]において、本発明は、Rが複素環または1から3個のXによって置換されている複素環を表し、好ましくはRがピリジルまたは1から3個のXによって置換されているピリジルを表し、好ましくは2,6−ジクロロ−ピリジン−4−イルまたは2,6−ビス−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イルを表す[実施形態AからC]のうちのいずれか一つで定義の化合物に関するものである。
【0025】
[実施形態G]において、本発明は、Y、YおよびYが互いに独立に次の化学基CR、C=O、C=N−OR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す)、S=N−RまたはS(O)=N−Rを表し、好ましくはCR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す)、S=N−RまたはS(O)=N−Rを表し、Y、YおよびYが同時にCRではない[実施形態AからF]のうちのいずれか一つで定義の化合物に関するものである。
【0026】
[実施形態H]において、本発明は、YがS(O)=N−RまたはS(O)(nは0、1または2を表す)であり、YおよびYが互いに独立にCRである[実施形態AからF]のうちのいずれか一つで定義の化合物に関するものである。
【0027】
[実施形態I]において、本発明は下記式(I−a)を有する化合物またはそれの塩もしくはN−オキシドに関するものであり、式中、R、R、R、YおよびYは本明細書で定義の通りであり;X、X、Xは互いに独立にXを表し、nは0、1または2を表す。
【0028】
【化2】

[実施形態J]において、本発明は、Rがハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキルから選択され、好ましくはCl、Br、I、メチルおよびCFから選択され;X、X、Xが独立にCl、CF、BrまたはHを表し;Y、Yが独立にCRを表し、R、Rが互いに独立にHまたはC1−4アルキル、好ましくはHまたはメチルを表す[実施形態I]で定義の化合物に関するものである。
【0029】
[実施形態K]において、本発明は、下記式(I−b)を有する化合物またはそれの塩もしくはN−オキシドに関するものであり、式中R、R、R、YおよびYは本明細書で定義の通りであり;X、Xは本明細書で定義のXを表し、nは0、1または2を表す。
【0030】
【化3】

[実施形態L]において、本発明は、Rがハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキルから選択され、好ましくはCl、Br、I、メチルまたはCFを表し;X、Xが互いに独立にCl、CFまたはHを表し;Y、Yが互いに独立にCRを表し、RおよびRが本明細書で定義の通りであり、好ましくは[実施形態J]で定義の通りである[実施形態K]で定義の化合物に関するものである。
【0031】
[実施形態M]において、本発明は、下記式(I−c):
【0032】
【化4】

を有する化合物またはそれの塩もしくはN−オキシドに関するものであり、式中、基AからA、RからRおよびYからYは本明細書で定義の通りであり、好ましくはA、A、AおよびAが互いに独立にC−H、C−Rまたは窒素を表し;
Lが単結合、−CHC(O)NH−、C−Cアルキレン、C−Cハロアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cハロアルケニレン、C−CアルキニレンまたはC−Cハロアルキニレンを表し;
が水素、C−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
が水素またはC−Cアルキルを表し;
がアリールまたはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシもしくはC−Cアルコキシカルボニルから独立に選択される1から3個の置換基Xによって置換されたアリール、または複素環またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルから独立に選択される1から3個の置換基Xによって置換された複素環を表し;
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
、YおよびYが互いに独立に、CR、C=O、C=N−OR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す)、S=N−RまたはS(O)=N−Rを表し;
およびRが互いに独立に、水素、ハロゲン、C−CアルキルまたはC−Cハロアルキルを表し;
が、水素、シアノ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルコキシカルボニル、C−Cアルキル−スルホニル、C−Cハロアルキルスルホニル、アリール−C−Cアルキル−またはアリール−C−Cアルキル(前記アリール部分は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシもしくはC−Cアルコキシカルボニルから独立に選択される1から3個の置換基Rによって置換されている)、ヘテロアリール−C−Cアルキルまたはヘテロアリール−C−Cアルキル(前記ヘテロアリール部分は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルから独立に選択される1から3個の置換基Rによって置換されている)を表す式(I−c)の化合物である。
【0033】
前記で定義の化合物Excl−1、Excl−2、Excl−3およびExcl−4が本発明による実施形態、特には[実施形態AからM]でも除外されることは明らかである。
【0034】
本発明はさらに、本発明による化合物の製造に用いることができる式(II)を有する中間体化合物に関するものでもある。
【0035】
【化5】

式中、
、A、AおよびAは本明細書で定義の通りであり;
10は、水素またはC−Cアルキル、好ましくは水素またはメチルを表し;
Tは、CN、メチル、C−Cアルコキシカルボニルまたは下記式を有する化学基G:
【0036】
【化6】

を表し、
L、R、R、R、Y、YおよびYは本明細書で定義の通りである。
【0037】
式(II)の化合物は、WO2009/097992に記載の方法に従って製造することができる。
【0038】
本発明はさらに、THFなどの希釈剤中フッ化テトラブチルアンモニウムなどのフッ素試薬の存在下に前記で定義の式(II)の化合物を下記式(V)の化合物と反応させる段階を有する本発明による化合物の製造方法に関するものでもある。
【0039】
【化7】

式中、Rは本明細書で定義の通りである。
【0040】
本発明による化合物は強力な殺虫作用を示すことから、殺虫剤として用いることができる。さらに、本発明による化合物は、栽培植物に対して薬剤の有害副作用を与えることなく、有害昆虫に対して強い防除効果を示す。従って本発明の化合物は、例えば有害吸汁昆虫、咀嚼性昆虫、ならびに他の植物寄生害虫、貯蔵昆虫、衛生害虫などの広範囲の有害生物種の防除に用いることができ、それらの駆除および根絶を目指して施用することができる。有害病害動物には、例えば下記のものがある。
【0041】
昆虫に関しては、鞘翅目害虫、例えば、カッロソブルクス・キネンシス(Callosobruchus Chinensis)、シトピルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、トリボリウム・カスタネウム(Tribolium Castaneum)、エピラクナ・ウィギンティオクトマクラタ(Epilachna vigintioctomaculata)、アグリオテス・フスキコッリス(Agriotes fuscicollis)、アノマラ・ルフォクプレア(Anomala rufocuprea)、レプティノタルサ・デケムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ディアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、モノカムス・アルテルナトゥス(Monochamus alternatus)、リッソロプトルス・オリュゾピルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リュクトゥス・ブルネウス(Lyctus bruneus)、アウラコポラ・フェモラリス(Aulacophora femoralis);鱗翅目害虫、例えば、リュマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)、スポドプテラ・リトゥラ(Spodoptera litura)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、キロ・スップレッサリス(Chilo suppressalis)、ピュラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、エペスティア・カウテッラ(Ephestia Cautella)、アドクソピュエス・オラナ(Adoxophyes orana)、カルポカプサ・ポモネッラ(Carpocapsa pomonella)、アグロティス・フコサ(Agrotis fucosa)、ガッレリア・メッロネッラ(Galleria mellonella)、プルテッラ・マクリペンニス(Plutella maculipennis)、ヘリオティス・ウィレスケンス(Heliothis virescens)、ピュッロクニスティス・キトレッラ(Phyllocnistis citrella);半翅目害虫、例えば、ネポテッティクス・キンクティケプス(Nephotettix cincticeps)、ニラパルワタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、プセウドコックス・コムストッキ(Pseudococcus Comstocki)、ウナスピス・ユアノネンシス(Unaspis yanonensis)、ミュズス・ペルシカス(Myzus persicas)、アピス・ポミ(Aphis pomi)、アピス・ゴッシュピイ(Aphis gossypii)、ロパロシプム・プセウドブラッシカス(Rhopalosiphum pseudobrassicas)、ステパニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ナザラ属種(Nazara spp.)、トリアレウロデス・ワポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、プシュッラ属種(Psylla spp.);
アザミウマ目害虫、例えば、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、フランクリネッラ・オッキデンタル(Franklinella occidental);直翅目害虫、例えば、ブラテッラ・ゲルマニカ(Blatella germanica)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、グリュッロタルパ・アフリカナ(Gryllotalpa africana)、ロクスタ・ミグラトリア・ミグラトリオデス(Locusta migratoria migratoriodes);等翅目害虫、例えば、レティクリテルメス・スペラトゥス(Reticulitermes speratus)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);双翅目害虫、例えば、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、アエデス・アエギュプティ(Aedes aegypti)、フュレミア・プラトゥラ(Hylemia platura)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、アノフェレス・シネンシス(Anopheles sinensis)、クレクス・トリタエニオリュンクス(Culex tritaeniorhynchus)、リリオミュザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii)。
【0042】
ダニ類については、例えば、テトラニュクス・キンナバリヌス(Tetranychus Cinnabarinus)、テトラニュクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)、パノニュクス・キトリ(Panonychus Citri)、アクロプス・ペレカッシ(Aculops pelekassi)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)。
【0043】
線虫類については、例えば、メロイドギュネ・インコグニタ(Meloidogyne Incognita)、ブルサペレンクス・リグニコルス・マミヤ・エト・キヨハラ(Bursaphelenchus lignicolus Mamiya et Kiyohara)、アペレンコイデス・ベッセユイ(Aphelenchoides besseyi)、ヘテロデラ・グリュキネス(Heterodera Glycines)、プラテュレンクス属種(Pratylenchus spp.)。
【0044】
さらに、本発明による化合物は、良好な植物耐性および温血動物に対する良好な毒性を示し、環境によって良好に耐容されることから、植物および植物器官の保護に好適である。
【0045】
本発明の化合物を施用すると収穫高の増加、収穫物の品質向上をもたらすことができる。さらに、本発明の化合物は、農業、園芸、獣医学分野、森林、庭園およびレジャー施設、貯蔵品および材料の保護、衛生分野において遭遇する動物の害虫、特に虫類、クモ類、蠕虫、線虫および軟体動物の駆除に使用することができる。本化合物は、好ましくは植物保護薬剤として使用することができる。本化合物は、正常な感受性および抵抗性の種に対して、また、すべてまたは一部の発生段階に対して、活性である。これらの有害生物にはとりわけ下記のものなどがある。
【0046】
シラミ(プティラプテラ(Phthiraptera))目からは、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナトゥス属種(Linognathus spp.)、ペディクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0047】
蛛形綱からは、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アケリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリュンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオピルス属種(Boophilus spp.)、ブレウィパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリュオビア・プラエティオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニュッスス・ガッリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニュクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルアス・ピュリ(Epitrimeruas pyri)、エウテトラニュクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオピュエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒュロンマ属種(Hylomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラクロデクトゥス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニュクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニュクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニュクス属種(Panonychus spp.)、ピュッロコプツルタ・オレイウォラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリュパゴタルソネムス・ラトゥス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピケパルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリュプス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステネオタルソネムス属種(Stenotarsoonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニュクス属種(Tetranychus spp.)、ワサテス・リュコペルシキ(Vasates lycopersici)。
【0048】
双殻綱からは、例えば、ドレイッセナ属種(Dreissena spp.)。
【0049】
唇脚綱からは、例えば、ゲオピルス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0050】
鞘翅目から、例えば、アカントスケリデス・オプテクトゥス(Acanthoscelides obtectus)、アドレトゥス属種(Adoretus spp.)、アゲラスティカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アムピマッロン・ソルスティティアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタトゥム(Anobium punctatum)、アノプロポラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アッタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキディウス・オプテクトゥス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、ケウトリュンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンディクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリュトラ・ゼアランディカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリュプトリュンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ディアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスティヌス・キュバエ(Faustinus cubae)、ギッビウム・プシュッロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニュクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒュラモルパ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒュロトルペス・バイユルス(Hylotrupes bajulus)、ヒュペラ・ポスティカ(Hypera postica)、ヒュポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプティノタルサ・デケムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソロプトルス・オリュゾピルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクスス属種(Lixus spp.)、リクトゥス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクトゥス・クサントグラプス(Naupactus xanthographus)、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリュクテス・リノケロス(Oryctes rhinoceros)、オリュザエピルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オティオリュンクス・スルカトゥス(Otiorrhynchus sulcatus)、オクシュケトニア・ユクンダ(Oxycetonia jucunda)、パエドン・コクレアリエ(Phaedon cochleariae)、ピュッロパガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピッリア・ヤポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリュペス属種(Premnotrypes spp.)、プシュッリオデス・クリュソケパラ(Psylliodes chrysocephala)、プティヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ウェントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトピルス属種(Sitophilus spp.)、スペノフォルス(Sphenophorus spp.)、ステメクス(Stemechus spp.)、シュンピュレテス(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、テュキウス属種(Tychius spp.)、クシュロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)。
【0051】
トビムシ目から、例えば、オニュキウルス・アルマトゥス(Onychiurus armatus)。
【0052】
革翅目から、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0053】
倍脚目からは、例えば、ブラニウルス・グットゥラトゥス(Blaniulus guttulatus)。
【0054】
双翅目から、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルトゥラヌス(Bibio hortulanus)、カッリポラ・エリュトロケパラ(Calliphora erythrocephala)、ケラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリュソミュイヤ属種(Chrysomyia spp.)類、コクリオミュイヤ属種(Cochliomyia spp.)、コルデュロビア・アントロポパガ(Cordylobia anthropophaga)、キュレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダカス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソピラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロピルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒュレミュイア属種(Hylemyia spp.)、ヒュッポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒュポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミュザ属種(Liriomyza spp.)、ルキリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オスキネッラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミュイア・ヒュオスキュアミ(Pegomyia hyoscyami)、ポルビア属種(Phorbia spp.)、ストモクシュス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、ティプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ヴォールファールティア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0055】
腹足綱からは、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムパラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロケラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リュムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スッキネア属種(Succinea spp.)。
【0056】
蠕虫綱からは、例えば、アンキュロストマ・ドゥオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンキュロストマ・ケユラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アキュロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンキュロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マラユイ(Brugia malayi)、ブルギア・ティモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルティア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ディクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ディクテュオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ディピュッロボトリウム・ラトゥム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メディネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルティロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ウェルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファキオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒュメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒュオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトディルス属種(Nematodirus spp.)、オエソパゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストロキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコケルカ・ウォルウルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、スキストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギュロイデス・フェッレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギュロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニュロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネッラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネッラ・ナティワ(Trichinella nativa)、トリキネッラ・ブリトウィ(Trichinella britovi)、トリキネッラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネッラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ヴケレリア・バンクロフティ(Wuchereria bancrofti)。
【0057】
さらに、アイメリア(Eimeria)などの原生動物を駆除することも可能である。
【0058】
ヘテロプテラ(Heteroptera)目からは、例えば、アナサ・トリスティス(Anasa tristis)、アンテスティオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリッスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピュロンマ・リウィダ(Campylomma livida)、カウェレリウス属種(Cavelerius spp.)、キメクス属種(Cimex spp.)、クレオンティアデス・ディルトゥス(Creontiades dilutus)、ダシュヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカトゥス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘヴェッティ(Diconocoris hewetti)、デュデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウスキストゥス属種(Euschistus spp.)、エウリュガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルティス属種(Heliopeltis spp.)、ホルキアス・ノビレッルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロッスス・ピュッロプス(Leptoglossus phyllopus)、リュグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカワトゥス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサッルス・セリアトゥス(Psallus seriatus)、プセウドアシュスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲッラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコティノポラ属種(Scotinophora spp.)、ステパニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ティブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0059】
同翅目からは、例えば、アシュルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノスケナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラピス・カルドゥイ(Anuraphis cardui)、アオニディエッラ属種(Aonidiella spp.)、アパノスティグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アピス属種(Aphis spp.)、アルボリディア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピディエッラ属種(Aspidiella spp.)、アスピディオトゥス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルトゥム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキュカウドゥス・ヘリクリュシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキュコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレウィコリュネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae)、カッリギュポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオケパラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、ケラトワクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、ケルコピダエ(Cercopidae)、ケロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシポン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマピス・ユグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリュソムパルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、キカドゥリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミュティルス・ハッリ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリュプトミュズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアポリナ属種(Diaphorina spp.)、ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジュサピス属種(Dysaphis spp.)、ジュスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリュトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウケリス・ビロバトゥツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コッフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロディスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒュアロプテルス・アルンディニス(Hyalopterus arundinis)、イケリュア属種(Icerya spp.)、イディオケルス属種(Idiocerus spp.)、イディオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルパクス・ストリアテッルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサペス属種(Lepidosaphes spp.)、リパピス・エリュシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシプム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルワ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナピス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエッラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロピウム・ディロドゥム(Metopolophium dirhodum)、モネッリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネッリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミッズス属種(Myzus spp.)、ナソノウィア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネポテッティクス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルワタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミュリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムピグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)、ペナコックス属種(Phenacoccus spp.)、プロエオミュズス・パッセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ポロドン・フムリ(Phorodon humuli)、ピュッロクセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピディストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルウィナリア・ピュリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシュッラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピュリッラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピディオトゥス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコクス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシプム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイッセティア属種(Saissetia spp.)、スカポイデス・ティタヌス(Scaphoides titanus)、スキザピス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピドゥス・アルティクラトゥス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテッラ・フルキフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スティクトケパラ・フェスティナ(Stictocephala festina)、テナラパラ・マラユエンシス(Tenalaphara malayensis)、ティノカッリス・カリュアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トクソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・ワポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、テュプロキュバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ウィテウス・ウィティフォリイ(Viteus vitifolii)。
【0060】
膜翅目からは、例えば、ディプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・パラオニス(Monomorium pharaonis)、ウェスパ属種(Vespa spp.)。
【0061】
等脚目からは、例えば、アルマディッリディウム・ウルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセッルス(Oniscus asellus)、ポルケッリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0062】
等翅目からは、例えば、レティクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0063】
鱗翅目からは、例えば、アクロニクタ・マイヨル(Acronicta major)、アエディア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロティス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラケア(Alabama argillacea)、アンティカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラッシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリクス・トゥルベリエッラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエキア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レティクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネッラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリュシア・アンビグエッラ(Clysia ambiguella)、クナパロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エペスティア・クエニエッラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクティス・クリュソッロエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウクソア属種(Euxoa spp.)、フェルティア属種(Feltia spp.)、ガッレリア・メッロネッラ(Galleria mellonella)、ヘリコウェルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノンピラ・プセウドスプレテッラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒュポノメウタ・パデッラ(Hyponomeuta padella)、ラピュグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレッティス・ブランカルデッラ(Lithocolletis blancardella)、リトパネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロクサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リュマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、モキス・レパンダ(Mocis repanda)、ミュティムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリュザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクティノポラ・ゴッシュピエッラ(Pectinophora gossypiella)、ピュッロクニスティス・キトレッラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテッラ・クシロステッラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレティア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピュラウスタ・ニビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、ティネア・ペッリオネッラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビセッリエッラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0064】
直翅目からは、例えば、アケタ・ドメスティクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテッラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリュッロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコパエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、スキストケルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0065】
ノミ目からは、例えば、ケラトピュッルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0066】
結合目からは、例えば、スクティゲレッラ・インマクラタ(Scutigerella immaculata)。
【0067】
総翅目からは、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エンネオトリプス・フラウェンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエッラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルキノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピポロトリプス・クルエンタトゥス(Rhipiphorothrips cruentatus)、スキルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)。
【0068】
シミ目からは、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0069】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アペレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノライムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサペレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ディテュレンクス・ディプキシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリコテュレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギュネ属種(Meloidogyne spp.)、プラテュレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドポルス・シミリス(Radopholus similis)、ロテュレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、テュレンコリュンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、テュレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、テュレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、クシピネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0070】
すべての植物および植物部分を本発明に従って処理することができる。植物とは、望ましい野草、望ましくない野草、または(天然作物を含めた)作物などのすべての植物および植物群をここでは意味すると理解されるべきである。作物は、トランスジェニック植物および植物育種家の権利によって保護され得るまたは保護され得ない植物品種を含めて、従来の植物品種改良と最適化法によって、または生物工学的方法および遺伝子工学的方法によってまたはこれらの方法の組合せによって、取得し可能な植物とすることができる。植物の部分とは、芽、葉、花、根などの地上および地下にある植物のすべての部分および器官を意味すると理解され、その例としては、葉、針葉、柄、茎、花、子実体、果実、種子、根、塊茎、根茎を挙げることもできる。植物の部分としては、収穫された材料、栄養繁殖材料および生殖材料、例えば、切り枝、塊茎、根茎、側枝および種子も挙げられる。
【0071】
これらの活性化合物を用いる植物および植物の部分の本発明による処理は、直接実施され、または、通常の処理法によって(例えば、浸漬、噴霧、蒸発、霧で覆い、散布、塗布、注入によって、また、繁殖材料の場合、特に種子の場合、更に単層または多層被覆によって)、環境、生育地もしくは貯蔵場所に化合物を作用させることにより実施される。
【0072】
既に上述したように、すべての植物およびその部分を本発明に従って処理することができる。好ましい一実施形態において、野草種および植物栽培品種、または従来の生物学的育種方法(異種交配または原形質体融合など)によって得られた種ならびにこれらの部分を処理する。更に好ましい実施形態において、適切であれば従来法と組み合わせて(遺伝子改変生物)、遺伝子工学的方法によって得られる、トランスジェニック植物および植物栽培品種ならびにその部分を処理する。「部分」、「植物の部分」および「植物部分」という用語は上で説明した。
【0073】
特に好ましくは、各々市販されているまたは使用されている植物栽培品種の植物が本発明に従って処理されうる。植物栽培品種とは、従来の品種改良、変異誘発または組換えDNA技術によって得られた、新しい諸特性(「形質」)を有する植物を意味すると理解される。植物栽培品種は、生物型または遺伝子型の栽培品種であり得る。
【0074】
植物種または植物栽培品種、その場所および栽培条件(土壌、天候、生育期、飼料)に応じて、本発明による処理は、超加法的な(「相乗」)効果ももたらしうる。したがって、例えば、実際に予想された効果を上回って、施用量の削減、および/または活性スペクトルの拡大、および/または本発明に従って使用することができる物質および組成物の活性の増大、植物のより良好な成長、高温または低温に対する耐性の増大、渇水、水分または土壌塩分に対する耐性の増大、開花能の向上、収穫の容易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫産物の品質の向上および/または栄養価の増加、収穫産物の貯蔵安定性および/または加工性の向上が可能である。
【0075】
本発明に従って処理される、(遺伝子工学によって得られる)好ましいトランスジェニック植物または植物栽培品種としては、特定の有利で有用な形質を付与する遺伝物質が遺伝子改変によって与えられたすべての植物が挙げられる。かかる形質の例は、植物のより良好な成長、高温または低温に対する耐性の増大、渇水、水分または土壌塩分に対する耐性の増大、開花能の向上、収穫の容易化、成熟の加速、収穫高の増大、収穫産物の品質の向上および/または栄養価の増加、収穫産物の貯蔵安定性および/または加工性の向上である。かかる形質の更に特に強調される例は、昆虫類、ダニ、植物病原性真菌、細菌および/またはウイルスなどの動物の害虫や有害微生物に対する植物の防御力の向上であり、除草活性を有するある種の化合物に対する植物の耐性の増大でもある。トランスジェニック植物の例としては、穀物(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、サトウダイコン、トマト、エンドウマメおよび他の種々の野菜、ワタ、タバコ、アブラナ、(リンゴ、セイヨウナシ、柑橘類果実、ブドウがなる)果実植物などの重要な作物を挙げることができ、特に、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコおよびアブラナである。特に重視される形質は、植物中で形成される毒素、特に、バチルス・トゥリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質によって(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3BbおよびCryIF、ならびにこれらの組合せによって)植物中で形成される毒素による、虫類、クモ形類、線虫およびナメクジ類およびカタツムリに対する植物の防御力の増大である(以下、「Bt植物」と称する。)。特に重視される形質はまた、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン、エリシターおよび耐性遺伝子、ならびに対応して発現されたタンパク質および毒素による、真菌、細菌およびウイルスに対する植物の防御力の増大である。更に特に重視される形質は、除草活性を有するある種の化合物、例えば、イミダゾリノン、スルホニル尿素、グリホサートまたはホスフィノトリシンに対する植物の耐性の増大である(例えば、「PAT」遺伝子)。目的とする所望の形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物において相互に組み合わせて存在することもできる。挙げることができる「Bt植物」の例としては、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)およびNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、ワタの変種、ダイズの変種およびジャガイモの変種が挙げられる。挙げることができる除草剤耐性植物の例としては、Roundup Ready(登録商標)(グリホサートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、アブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノンに対する耐性)およびSTS(登録商標)(スルホニル尿素に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、ワタの変種およびダイズの変種が挙げられる。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性を付与するために従来方式で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の名称で販売されている変種が挙げられる。言うまでもなく、これらの記述は、これらの遺伝形質もしくは開発中の遺伝形質を有し、将来開発および/または上市される植物栽培品種についても当てはまる。
【0076】
列挙した植物は、本発明による化合物を適切な濃度で用いて特に有利な様式で本発明に従って処理することができる。
【0077】
更に、獣医学の分野において、本発明の新規化合物は、効果的に様々な有害な寄生動物(内部寄生虫および外部寄生虫)、例えば昆虫類、蠕虫に対して使用することができる。そのような動物の寄生害虫の例には下記に述べられるような動物の害虫を含む。前記虫類の例は、ガステロピルス属種(Gasterophilus spp.)、ストモクシュス属種(Stomoxys spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、クテノケパリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、キムクス・レクトゥリウス(Cimx lecturius)、クテノケパリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、ルキリア・クプリナ(Lucilia cuprina)などを含む。マダニ(acari)の例はオルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ボオピルス属種(Boophilus spp.)などを含む。
【0078】
畜産の分野において、すなわち獣医学の分野において、本発明の活性化合物は動物寄生虫、詳細には外部寄生虫または内部寄生虫に対して活性である。内部寄生虫という用語は、詳細には条虫などの蠕虫、線虫または吸虫、およびコクシジウムなどの原生動物を含む。外部寄生虫は、通常、好ましくは節足動物、詳細には虫類であり、例えばハエ類(刺咬性(stinging)および舐性(licking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ、ケジラミ(hair lice)、ハジラミ(bird lice)およびノミ類、またはマダニ類(hard ticks)もしくはヒメダニ類(soft ticks)などのダニ(tick)、疥癬ダニ、ツツガムシ類(harvest mites)、トリサシダニ(bird mites)などのダニ(mite)などのダニ類(acarid)である。
【0079】
これらの寄生生物は次のものを含む:
シラミ(Anoplurida)目からは、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナトゥス属種(Linognathus spp.)、ペディクルス属種(Pediculus spp.)、プティルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.);具体的な例は次の通りである:リノグナトゥス・セトスス(Linognathus setosus)、リノグナトゥス・ウィトゥリ(Linognathus vituli)、リノグナトゥス・オウィッルス(Linognathus ovillus)、リノグナトゥス・オウィフォルミス(Linognathus oviformis)、リノグナトゥス・ペダリス(Linognathus pedalis)、リノグナトゥス・ステノプシス(Linognathus stenopsis)、ハエマトピヌス・アシニ・マクロケパルス(Haematopinus asini macrocephalus)、ハエマトピヌス・エウリュステルヌス(Haematopinus eurysternus)、ハエマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、ペディクルス・フマヌス・カピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ピュッロエラ・ワスタトリキス(Phylloera vastatrix)、プティルス・プビス(Phthirus pubis)、ソレノポテス・カピッラトゥス(Solenopotes capillatus)。
【0080】
マロファガ(Mallophagida)目およびアンブリュケリナ(Amblycerina)亜目とイスクノケリナ(Ischnocerina)亜目から、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボウィコラ属種(Bovicola spp.)、ヴェルネキエッラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.);具体的な例は次の通りである:ボウィコラ・ボウィス(Bovicola bovis)、ボウィコラ・オウィス(Bovicola ovis)、ボウィコラ・リンバタ(Bovicola limbata)、ダマリナ・ボウィス(Damalina bovis)、トリコデクテス・カニス(Trichodectes canis)、フェリコラ・スブロストラトゥス(Felicola subrostratus)、ボウィコラ・カプラ(Bovicola caprae)、レピケントロン・オウィス(Lepikentron ovis)、ヴェルネッキエッラ・エクイ(Werneckiella equi);
双翅目およびネマトケリナ(Nematocerina)亜目とブラキュケリナ(Brachycerina)亜目から、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレクス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、プレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミュイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリュソプス属種(Chrysops spp.)、オダグミア属種(Odagmia spp.)、ヴィルヘルミア属種(Wilhelmia spp.)、ヒュボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アテュロトゥス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フピリポミュイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒュドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモクシュス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレッリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、カッリポラ属種(Calliphora spp.)、ルキリア属種(Lucilia spp.)、クリュソミュイア属種(Chrysomyia spp.)、ヴォールファールティア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコパガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒュポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロピルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒュポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロパグス属種(Melophagus spp.);リノエストルス属種(Rhinoestrus spp.)、ティプラ属種(Tipula spp.);具体的な例は次の通りである:アエデス・アエギュプティ(Aedes aegypti)、アエデス・アッルボピクトゥス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリュンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、カッリポラ・エリュトロケファラ(Calliphora erythrocephala)、クリュソゾナ・プルウィアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファスキアトゥス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、サルコパガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ストモクシュス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、ティプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ルキリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルキリア・セリカタ(Lucilia sericata)、シムリウム・レプタンス(Simulium reptans)、フレボトムス・パパタシ(Phlebotomus papatasi)、フレボトムス・ロンギパルピス(Phlebotomus longipalpis)、オダグミア・オラアタ(Odagmia oraata)、ヴィルヘルミア・エキナ(Wilhelmia equina)、ボオプトラ・エリュトロケパラ(Boophthora erythrocephala)、タバヌス・ブロミウス(Tabanus bromius)、タバヌス・スポドプテルス(Tabanus spodopterus、)、タバヌス・アトラトゥス(Tabanus atratus)、タバヌス・スデティクス(Tabanus sudeticus、)、ヒュボミトラ・キウレア(Hybomitra ciurea)、クリュソプス・カエクティエンス(Chrysops caecutiens)、クリュソプス・レリクトゥス(Chrysops relictus)、ハエマトポタ・プルウィアリス(Haematopota pluvialis)、ハエマトポタ・イタリカ(Haematopota italica)、ムスカ・アウトゥムナリス(Musca autumnalis)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ハエマトビア・イッリタンス・イッリタンス(Haematobia irritans irritans)、ハエマトビア・イッリタンス・エクシグア(Haematobia irritans exigua)、ハエマトビア・スティムランス(Haematobia stimulans)、ヒュドロタエア・イッリタンス(Hydrotaea irritans)、ヒュドロタエア・アルビプンクタ(Hydrotaea albipuncta)、クリュソミュア・クロロピュガ(Chrysomya chloropyga)、クリュソミュア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、オエストルス・オウィス(Oestrus ovis)、ヒュポデルマ・ボウィス(Hypoderma bovis)、ヒュポデルマ・リネアトゥム(Hypoderma lineatum)、プルジェワルスキアナ・シレヌス(Przhevalskiana silenus)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、メロパグス・オウィヌス(Melophagus ovinus)、リポプテナ・カプレオリ(Lipoptena capreoli)、リポプテナ・ケルウィ(Lipoptena cervi)、ヒッポボスカ・ワリエガタ(Hippobosca variegata)、ヒッポボスカ・エクイナ(Hippobosca equina)、ガステロピルス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis)、ガステロピルス・ハエモッロイダリス(Gasterophilus haemorroidalis)、ガステロピルス・イネルミス(Gasterophilus inermis)、ガステロピルス・ナサリス(Gasterophilus nasalis)、ガステロピルス・ニグリコルニス(Gasterophilus nigricornis)、ガステロピルス・ペコルム(Gasterophilus pecorum)、ブラウラ・コエカ(Braula coeca);
シフォナプテラ(Siphonapterida)目から、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノケパリデス属種(Ctenocephalides spp.)、トゥンガ属種(Tunga spp.)、クセノプシュッラ属種(Xenopsylla spp.)、ケラトピュッルス属種(Ceratophyllus spp.);具体的な例は次の通りである:クテノケパリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノケパリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレクス・イッリタンス(Pulex irritans)、トゥンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、クセノプシュッラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
ヘテロプテラ(Heteropterida)目から、例えば、キメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギュルス属種(Panstrongylus spp.)。
【0081】
ブラッタリダ目(Blattarida)から、例えばブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)およびスペッラ(Supella spp.)(例えばスペッラ・ロンギパルパ(Suppella longipalpa));
ダニ(コナダニ)亜綱、ならびにメタスティグマタ(Metastigmata)目およびメソスティグマタ(Mesostigmata)目から、例えば、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イキソデス属種(Ixodes spp.)、アムブリュオンマ属種(Amblyomma spp.)、ボオピルス属種(Boophilus spp.)、デルマケントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモピュサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒュアロンマ属種(Hyalomma spp.)、デルマニュッスス属種(Dermanyssus spp.)、リピケパルス属種(Rhipicephalus spp.)(多宿主性マダニの元の属)オルニトニュッスス属種(Ornithonyssus spp.)、プネウモニュッスス属種(Pneumonyssus spp.)、ライッリエティア属種(Raillietia spp.)、プネウモニュッスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、ワッロア属種(Varroa spp.)、アカラピス属種(Acarapis spp.);具体的な例は次の通りである:アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、リピケパルス・(ボオピルス)・ミクロプルス(Rhipicephalus (Boophilus) microplus)、リピケパルス・(ボオピルス)・デコロラトゥス(Rhipicephalus (Boophilus) decoloratus)、リピケパルス・(ボオピルス)・アンヌラトゥス(Rhipicephalus (Boophilus) annulatus、)、リピケパルス・(ボオピルス)・カルケラトゥス(Rhipicephalus (Boophilus) calceratus)、ヒュアロンマ・アナトリクム(Hyalomma anatolicum)、ヒュアロンマ・アエギュプティクム(Hyalomma aegypticum)、ヒュアロンマ・マルギナトゥム(Hyalomma marginatum)、ヒュアロンマ・トランシエンス(Hyalomma transiens)、リピケパルス・エウェルトシ(Rhipicephalus evertsi)、イクソデス・リキヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ヘクサゴヌス(Ixodes hexagonus)、イクソデス・カニスガ(Ixodes canisuga)、イクソデス・ピロスス(Ixodes pilosus、)、イクソデス・ルビクンドゥス(Ixodes rubicundus)、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロキュクルス(Ixodes holocyclus)、ハエマピュサリス・コンキンナ(Haemaphysalis concinna)、ハエマピュサリス・プンクタタ(Haemaphysalis punctata)、ハエマピュサリス・キンナバリナ(Haemaphysalis cinnabarina)、ハエマピュサリス・オトピィラ(Haemaphysalis otophila)、ハエマピュサリス・レアキ(Haemaphysalis leachi)、ハエマピュサリス・ロンギコルニ(Haemaphysalis longicorni)、デルマケントル・マルギナトゥス(Dermacentor marginatus)、デルマケントル・レティクラトゥス(Dermacentor reticulatus)、デルマケントル・ピクトゥス(Dermacentor pictus)、デルマケントル・アルビピクトゥス(Dermacentor albipictus)、デルマケントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマケントル・ワリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒュアロンマ・マウリタニクム(Hyalomma mauritanicum)、リピケパルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピケパルス・ブルサ(Rhipicephalus bursa)、リピケパルス・アッペンディクラトゥス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピケパルス・カペンシス(Rhipicephalus capensis)、リピケパルス・トゥラニクス(Rhipicephalus turanicus)、リピケパルス・ザンベジエンシス(Rhipicephalus zambeziensis)、アンブリュオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリュオンマ・ワリエガトゥム(Amblyomma variegatum)、アンブリュオンマ・マクラトゥム(Amblyomma maculatum)、アンブリュオンマ・ヘブラエウム(Amblyomma hebraeum)、アンブリュオンマ・カイエンネンセ(Amblyomma cajennense)、デルマニュッスス・ガッリナ(Dermanyssus gallinae)、オルニトニュッスス・ブルサ(Ornithonyssus bursa)、オルニトニュッスス・シュルウィアルム(Ornithonyssus sylviarum)、ワッロア・ヤコプソニ(Varroa jacobsoni);
アクティネディダ[Actinedida、プロスティグマタ(Prostigmata)]目およびアカリディダ[Acaridida、アスティグマタ(Astigmata)]目から、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケユレティエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケユレティア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミュオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロポルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、テュロパグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリュプス属種(Caloglyphus spp.)、ヒュポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、キュトディテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.);具体的な例は次の通りである:ケユレティエッラ・ユスグリ(Cheyletiella yasguri)、ケユレティエラ・ブラケイ(Cheyletiella blakei)、デモデクス・カニス(Demodex canis)、デモデクス・ボウィス(Demodex bovis)、デモデクス・オウィス(Demodex ovis)、デモデクス・カプラエ(Demodex caprae)、デモデクス・エクイ(Demodex equi)、デモデクス・カバッリ(Demodex caballi)、デモデクス・スイス(Demodex suis)、ネオトロンビクラ・アウトゥムナリス(Neotrombicula autumnalis)、ネオトロンビクラ・デサレリ(Neotrombicula desaleli)、ネオシェーンガスティア・クセロテルモビア(Neoschongastia xerothermobia)、トロンビクラ・アカムシ(Trombicula akamushi)、オトデクテス・キュノティス(Otodectes cynotis)、ノトエドレス・カティ(Notoedres cati)、サルコプティス・カニス(Sarcoptis canis)、サルコプテス・ボウィス(Sarcoptes bovis)、サルコプテス・オウィス(Sarcoptes ovis)、サルコプテス・ルピカプラエ(Sarcoptes rupicaprae(=S.caprae))、サルコプテス・エクイ(Sarcoptes equi)、サルコプテス・スイス(Sarcoptes suis)、プソロプテス・オウィス(Psoroptes ovis)、プソロプテス・クニクリ(Psoroptes cuniculi)、プソロプテス・エクイ(Psoroptes equi)、コリオプテス・ボウィス(Chorioptes bovis)、プソエルガテス・オウィス(Psoergates ovis)、プネウモニュッソイディク・マンゲ(Pneumonyssoidic mange)、プネウモニュッソイデス・カニヌム(Pneumonyssoides caninum)、アカラピス・ヴォオディ(Acarapis woodi)である。
【0082】
また、本発明による活性化合物は、動物を攻撃する節足動物、蠕虫および原生動物を駆除するのに適切である。動物には、例えば、牛、ヒツジ、ヤギ、馬、ブタ、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、養殖魚類、ミツバチなどの農業用家畜を含む。更に、動物は家庭動物(またコンパニオンアニマルと呼ばれる。)、例えば、イヌ、猫、かごに飼う小鳥、観賞魚、ならびに、例えば、ハムスター、モルモット、ラットおよびマウスなどの実験動物として知られているものを含む。
【0083】
これらの節足動物、蠕虫および/または原生動物を駆除することによって、死亡を減少させ、宿主動物の性能(肉、ミルク、ウール、皮革、卵、蜜などの場合には)および健康を向上させるように意図され、その結果、より経済的でより簡単な動物飼育が、本発明による活性化合物の使用によって可能になる。
【0084】
例えば、宿主(該当する場合)からの寄生虫による血液の取り込みを阻止または中断することが望ましい。また、寄生虫の駆除は、伝染因子の伝達を阻止するのを助けることができる。
【0085】
畜産の分野に関して本明細書において使用される用語「駆除」は、活性化合物は、そのような寄生虫に感染した動物の各々の寄生虫の発生率を、無害のレベルに減少させるのに効果的であることを意味する。より具体的には、本明細書において使用される「駆除」は、その生長を阻止して(またはその増殖を阻止すること)、活性化合物が各々の寄生虫を殺すのに効果的であることを意味する。
【0086】
一般に、動物の処理のために使用される場合、本発明による活性化合物は直接適用することができる。好ましくは、本化合物は、当業界で知られている薬学的に許容できる賦形剤および/または助剤を含む医薬品組成物として適用される。
【0087】
畜産の分野および動物飼育において、本発明の活性化合物は、公知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(drink)、ドレンチ剤、粒剤、ペースト剤、ボーラス剤、経餌法および坐剤などの形態で経腸投与することにより、ならびに、例えば、注射(筋肉注射、皮下注射、静脈注射、腹腔注射など)およびインプラントなどにより非経口投与することにより、ならびに、鼻内投与することにより、ならびに、例えば、薬浴または浸漬、噴霧、ポアオンおよびスポットオン、洗浄および散粉の形態で経皮的に使用することにより、ならびに、活性化合物を含有する成形物品、例えば、首輪、耳札、尾札、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて使用する。活性化合物は、シャンプーとして、または、エアゾール剤加圧されない噴霧、例えば、ポンプ噴霧およびアトマイザー噴霧において使用可能な適切な製剤として製剤化することができる。
【0088】
家畜、家禽、家庭動物などのために使用される場合、本発明による活性化合物は、1から80重量%の量で活性化合物を含む製剤(例えば粉剤、水和剤[「WP」]、乳剤液、乳液剤「[EC]」、流動剤、均一溶液および懸濁液剤「[SC]」)として、直接にまたは希釈(例えば100から10000倍の希釈)の後に、またはその他、薬浴として適用することができる。
【0089】
畜産の分野において使用される場合、本発明による活性化合物は、適切な相乗剤または例えば、ダニ駆除剤、殺虫剤、駆虫薬、抗原生動物薬などの他の活性化合物と組み合わせて使用することができる。
【0090】
本発明ではこれらすべてを包含する害虫類に対する殺虫作用を有する物質を殺虫剤と呼ぶ。
【0091】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用する場合、通常の製剤形態にすることができる。製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、粒状水和剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、錠剤、粒剤、エアゾール、活性化合物浸潤−天然および合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば、燃焼装置としては、くん蒸および煙霧カートリッジ、かん、コイルなど)、ULV[コールドミスト(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)]等を挙げることができる。
【0092】
これらの製剤はそれ自体既知の方法で製造することができ、例えば、活性化合物を、展開剤、すなわち、液体の希釈剤または担体;液化ガス希釈剤または担体;固体の希釈剤または担体と、そして必要に応じて界面活性剤、すなわち、乳化剤および/または分散剤および/または泡沫形成剤等と共に混合することによって製造することができる。
【0093】
展開剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒をまた補助溶媒として使用することができる。
【0094】
液体希釈剤または担体としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族またはクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素類[例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば鉱油留分等)]、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコールおよびそれらのエーテル、エステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水などを挙げることができる。
【0095】
液化ガス希釈剤または担体は、常温常圧ではガスであるもの、例えば、ブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。
【0096】
固体希釈剤としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイトまたは珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)などを挙げることができる。
【0097】
粒剤のための固体担体としては、例えば、粉砕および分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機または有機物粉の合成粒、有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、トウモロコシの穂軸、タバコの茎等)の細粒体などを挙げることができる。
【0098】
乳化剤および/または泡沫剤としては、例えば、非イオンおよび陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル)、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等]、アルブミン加水分解生成物などを挙げることができる。
【0099】
分散剤としては、例えば、リグニンサルファイト廃液、メチルセルロースなどがある。
【0100】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、その固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然または合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート等)などを挙げることができる。
【0101】
着色剤を使用することもでき、その着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーなど)、アリザリン染料、アゾ染料または金属フタロシアニン染料のような有機染料、そして更に、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛の塩のような微量要素を挙げることができる。
【0102】
製剤は概して、前記活性成分を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%の範囲内の量で含有することができる。
【0103】
本発明による化合物は、それらの商業上有用な製剤形態でおよびそれらの製剤から調製された使用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺カビ剤、生長調整剤、除草剤などとの混合剤として存在することもできる。
【0104】
本発明による化合物の商業上有用な使用形態における含有量は広い範囲内で変えることができる。
【0105】
本発明による化合物の実際の使用上の濃度は、例えば、0.0000001から100重量%、好ましくは0.00001から1重量%の範囲内とすることができる。
【0106】
本発明による化合物は使用形態に適合した通常の方法で使用することができる。
【0107】
本発明の活性化合物は、衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用するに際して、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性を有しており、しかも木材および土壌における優れた残効性を示す。
【実施例】
【0108】
次に、実施例により本発明の例示を行うが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0109】
【表1】



【0110】
【表2】

【0111】
【表3】


【0112】
【表4】

本発明による化合物は、公知の材料を用い、公知の方法によって、例えば下記の反応図式のうちの一つに従って製造することができる。
【0113】
反応図式1
【0114】
【化8】

式中、L、R、R、R、Y、Y、Y、A、AおよびAは本明細書で定義の通りであり、R10′はC−Cアルキル、好ましくはメチルを表す。
【0115】
式(IV−1)の化合物から式(VI)の化合物への環化は、WO2009/097992に記載されている。化合物(VI)のさらなる反応による式(1−a)の化合物の生成は、公知の方法を用いて行うことができる。
【0116】
反応図式2
【0117】
【化9】

式(XIII)の化合物は、WO09/097992における合成方法に従って合成することができ、公知の方法を用いて加水分解することで式(XIV)の化合物を得ることができる。式(1−a)の化合物は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドなどの縮合試薬を用いる式(XIV)の化合物の式(XV)の化合物とのアミド化反応によって合成することができる。
【0118】
有用なローソン試薬は、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィドである。
【0119】
反応図式3
【0120】
【化10】

式(XVI)の化合物は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドなどの縮合試薬を用いる合成することができ、公知の方法を用いて加水分解することで、式(XVII)の化合物を得ることができる。式(XVIII)の化合物は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドなどの縮合試薬を用いる式(XVII)の化合物の式(XV)の化合物のアミド化反応によって合成することができる。
【0121】
式(IX)の化合物は、反応図式4または反応図式5に示した方法に従って合成することができる。
【0122】
反応図式4
【0123】
【化11】

反応図式5
【0124】
【化12】

この図式において、NBSはN−ブロモコハク酸イミドを表し、AIBNはアゾビスイソブチロニトリルを表し、EDCは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを表し、DMAPは4−(ジメチルアミノ)ピリジンを表し、MsClはメタンスルホニルクロライドを表す。
【0125】
4−シアノ−3−メチル安息香酸は、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14(17) 4585−4589 (2004)に記載の合成方法に従って製造した。
【0126】
合成例
N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物1−7)の合成
【0127】
【化13】

チエタン−3−アミン臭化水素酸塩(40mg、0.23mmol)の1,2−ジクロロメタン中溶液に0℃でトリエチルアミン(60mg、0.59mmol)を加えた。その後、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(54mg、0.23mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(32mg、0.23mmol)および4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)安息香酸(100mg、0.19mmol)を溶液に0℃で加えた。次に、反応混合物を室温で終夜撹拌し、t−ブチルメチルエーテルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロ−メチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド75mgを得た。
【0128】
1H−NMR(CDCl)δ:3.36−3.50(5H、m)、3.81(1H、dd)、4.47(1H、d)、4.93(1H、dd)、5.34−5.48(1H、m)、6.34(1H、brd)、7.41(2H、s)、7.61(1H、d)、8.05(1H、dd)、8.18(1H、s)。
【0129】
2−メチル−N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−10)の合成
【0130】
【化14】


チエタン−3−アミン臭化水素酸塩のN,N−ジメチルホルムアミド中溶液に、トリエチルアミンを0℃で加えた。次に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(122mg、0.53mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(72mg、0.53mmol)および2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]安息香酸(200mg、0.44mmol)を溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、t−BuOMeで希釈し、2M HClで洗浄し、その後にHO、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、残留物をクロマトグラフィーで精製した(220mg、95%)。
【0131】
1H−NMR(CDCl)δ:2.49(3H、s)、3.36−3.53(6H、m)、3.79(IH、dd)、4.44(IH、d)、4.89(IH、dd)、5.36−5.50(1H、m)、6.23(1H、brd)、7.44−7.41(3H、m)、7.67−7.72(2H、m).
上記の方法と同様にして、下記の化合物を製造した。
【0132】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−N−(チエタン−3−イル−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物1−16)
【0133】
【化15】

1H−NMR(CDCl)δ:3.36−3.57(5H、m)、3.93(1H、dd)、4.55(1H、d)、5.06(1H、dd)、5.48−5.34(1H、m)、6.36(1H、d)、7.62(1H、d)、7.83(2H、s)、7.93(1H、s)、8.08(1H、d)、8.20(1H、s)。
【0134】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(チエタン−3−イル)ベンズアミド(化合物−19)
【0135】
【化16】

1H−NMR(CDCl)δ:2.44(3H、s)、3.41(4H、d)、3.53(1H、d)、3.92(1H、dd)、4.50(1H、d)、5.00(1H、dd)、5.30−5.44(1H、m)、6.86(1H、brt)、7.39(1H、d)、7.65−7.70(2H、m)、7.84(2H、s)、7.92(1H、s)。
【0136】
2−ブロモ−N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−4)
【0137】
【化17】

1H−NMR(CDCl)δ:3.40−3.52(5H、m)、3.76(1H、dd)、4.45(1H、d)、4.91(1H、dd)、5.37−5.50(1H、m)、6.58(1H、brd)、7.39(2H、s)、7.61(1H、d、J=8.1Hz)、7.81(1H、dd)、8.08(1H、d)。
【0138】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−ブロモ−N−チエタン−3−イル)ベンズアミド(化合物1−104)
【0139】
【化18】

1H−NMR(CDCl)δ:3.41−3.52(5H、m)、3.88(1H、dd)、4.53(1H、d)、5.04(1H、dd)、5.37−5.51(1H、m)、6.52(1H、brd)、7.63(1H、d)、7.86−7.81(3H、m)、7.92(1H、s)、8.12(1H、s)。
【0140】
N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル−2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−12)および2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−11)の合成
【0141】
【化19】

2−メチル−N−(チエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−ベンズアミド(300mg、0.57mmol)をCHClに溶かし、0℃で撹拌した。その溶液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および3−クロロ過安息香酸(229mg、0.86mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を溶媒留去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(210mg、66%)および2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(83mg、27%)を得た。
【0142】
N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−12):1H−NMR(CDCl)δ:2.48(3H、s)、3.44(1H、d)、3.79(1H、dd)、4.02−4.08(2H、m)、4.43(1H、d)、4.56−4.64(2H、m)、4.81−4.92(2H、m)、6.76(1H、brd)、7.41−7.46(3H、m)、7.66−7.72(2H、m)。
【0143】
2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンズアミド(化合物1−11):1H−NMR(CDCl)δ:2.48(3H、s)、3.26−3.34(2H、m)、3.44(1H、d)、3.79(1H、dd)、4.14−4.20(2H、m)、4.41(1H、d)、4.61−4.73(1H、m)、4.86(1H、dd)、6.86(1H、brd)、7.45−7.40(3H、m)、7.71−7.66(2H、m)。
【0144】
上記の方法と同様にして、下記の化合物を製造した。
【0145】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−N−(1,1−ジオキシドチエタン−3−イル)−2−メチルベンズアミド(化合物1−21)
【0146】
【化20】

1H−NMR(CDCl)δ:2.49(3H、s)、3.51(1H、d)、3.91(1H、dd)、4.02−4.08(2H、m)、4.48−4.64(3H、m)、4.82−4.92(1H、m)、5.01(1H、dd)、6.76(1H、d)、7.45(1H、d)、7.74−7.69(2H、m)、7.83(2H、s)、7.92(1H、s)。
【0147】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−メチル−N−(1−オキシドチエタン−3−イル)ベンズアミド(化合物1−20)
【0148】
【化21】

1H−NMR(CDCl)δ:2.48(3H、s)、3.28−3.36(2H、m)、3.51(1H、d)、3.91(1H、d)、4.13−4.20(2H、m)、4.48(1H、d)、4.62−4.76(1H、m)、4.98(1H、d)、7.01(1H、brs)、7.45(1H、d)、7.69−7.92(5H、m)。
【0149】
N−(1−ジオキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物1−9)
【0150】
【化22】

1H−NMR(CDCl)δ:3.48(1H、d)、3.81(1H、dd)、4.01−4.07(2H、m)、4.45−4.63(3H、m)、4.83−4.97(2H、m)、6.94(1H、brd)、7.41(2H、s)、7.59(1H、d)、8.05(1H、dd、J=7.9、0.9Hz)、8.17(1H、s)。
【0151】
N−(1−オキシドチエタン−3−イル)−4−[3−(3、4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物1−8)
【0152】
【化23】

1H−NMR(CDCl)δ:3.27−3.34(2H、m)、3.47(1H、d)、3.81(1H、d)、4.11−4.18(2H、m)、4.46(1H、d)、4.58−4.74(1H、m)、4.92(1H、d)、7.23(1H、brd)、7.41(2H、s)、7.56(1H、d)、8.03(1H、d)、8.15(1H、s)。
【0153】
N−{4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾイル}グリシン酸メチルの合成
【0154】
【化24】

グリシン酸メチル塩酸塩(0.36g、2.89mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド中溶液に、トリエチルアミン(0.59g、5.78mmol)を0℃で加えた。次に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.40g、1.73mmol)、4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)安息香酸(0.73g、1.44mmol)を溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をt−BuOMeで希釈し、HOで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(0.13g、16%)。
【0155】
1H−NMR(CDCl)δ:3.49(1H、d)、3.78−3.84(4H、m)、4.24(2H、d)、4.47(1H、d)、4.93(1H、dd)、6.66−6.72(1H、m)、7.41(2H、s)、7.63(1H、d)、8.01(1H、d)、8.15(1H、s)。
【0156】
N−[4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]グリシン酸メチルを同じ方法によって合成した。
【0157】
【化25】

1H−NMR(CDCl)δ:3.55(1H、d)、3.82(3H、s)、3.93(1H、dd)、4.26(2H、d)、4.55(1H、d)、5.06(1H、dd)、6.44(1H、t)、7.69(1H、d)、7.83(2H、s)、7.93(1H、s)、8.09(1H、d)、8.22(1H、s)。
【0158】
N−[4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]グリシンの合成
【0159】
【化26】

水酸化ナトリウム(22mg、0.50mmol)をN−{4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル}グリシン酸メチル(130mg、0.22mmol)の水(1mL)およびEtOH(5mL)中溶液に加え、環境温度で終夜撹拌した。2N HClを混合物に加え、t−BuOMeで3回抽出し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、粗生成物を得た(120.0mg、94%)。
【0160】
1H−NMR(CDCl)δ:3.52(1H、d)、3.81(1H、d)、4.17(2H、d)、4.46(1H、d)、4.90(1H、d)、7.06(1H、t)、7.39(3H、s)、7.60(1H、d)、7.98(1H、d)、8.08(1H、s)。
【0161】
N−[4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]グリシンを同じ方法によって合成した。
【0162】
【化27】

1H−NMR(CDCl)δ:3.55(1H、d)、3.94(1H、d)、4.30(2H、d)、4.56(1H、d)、5.06(1H、d)、6.41(1H、brs)、7.70(1H、d)、7.83(2H、s)、7.93(1H、s)、8.09(1H、d)、8.22(1H、s)。
【0163】
N−[2−オキソ−2−(チエタン−3−イルアミノ)エチル]−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物番号3−7)の合成
【0164】
【化28】


チエタン−3−アミン臭化水素酸塩(29mg、0.13mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド中溶液に、0℃でトリエチルアミンを加えた。次に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(39mg、0.17mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(23mg、0.17mmol)、N−[4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]グリシン(80mg、0.14mmol)を溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をt−BuOMeで希釈し、2M HCl、次にHO、次に飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、残留物をクロマトグラフィーで精製した(60mg、66%)。
【0165】
1H−NMR(CDOD)δ:3.23−3.29(2H、m)、3.40−3.46(2H、m)、3.75(1H、d)、3.95−4.01(3H、m)、4.51(1H、d)、4.92(1H、d)、5.11−5.23(1H、m)、7.68(2H、s)、7.79(1H、d)、8.18(1H、dd)、8.31(1H、s)。
【0166】
4−{3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル}−N−[2−オキソ−2−(チエタン−3−イルアミノ)エチル]−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物番号3−19)を同じ方法によって合成した。
【0167】
【化29】

1H−NMR(CDCl)δ:3.07−3.24(4H、m)、3.47(1H、d)、3.84−3.78(3H、m)、4.36(1H、d)、4.85(1H、dd)、4.94−5.05(1H、m)、7.51(1H、d)、7.69(2H、s)、7.74(1H、s)、7.92(1H、d)、8.06(1H、s)。
【0168】
4−(ジブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
【0169】
【化30】

CCl中の4−メチル−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(10g、48.8mmol)およびN−ブロモコハク酸イミド(20g、112mmol)をUV灯を用いて1時間還流させた。セライト層を用いることで濾過し、溶媒留去した。残留物をt−BuOMeで希釈し、HOで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、生成物が18.0g(100%)であることが認められた。
【0170】
1H−NMR(CDCl)δ:7.03(1H、s)、8.40−8.32(3H、m)。
【0171】
4−(ジブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミドの合成
【0172】
【化31】

4−(ジブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(18.0g、49.7mmol)をCHClに懸濁させた。1−(トリメチルシリル)メタンアミン(5.1g、49.7mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(12.5g、54.7mmol)を0℃で溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をt−BuOMeで希釈し、2M HCl、HOおよびブラインで洗浄した。MgSOでの脱水および溶媒留去後に、生成物が22.0g(99%)であることが認められた。
【0173】
1H−NMR(CDCl)δ:0.13(9H、s)、2.98(2H、d)、6.17(1H、brs)、7.01(1H、s)、7.95−7.99(2H、m)、8.25(1H、d)。
【0174】
4−シアノ−3−メチル−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミドを同じ方法によって合成した。
【0175】
【化32】

1H−NMR(CDCl)δ:2.61(3H、s)、3.95(2H、s)、7.68(1H、d)、7.93(1H、dd)、7.99(1H、d)。
【0176】
4−ホルミル−3−(トリフルオロメチル−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミドの合成
【0177】
【化33】

EtOHおよびHO中の4−(ジブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミド(22.0g、49.1mmol)およびAgNO(16.7g、98.3mmol)を2時間還流させ、次にt−BuOMeで希釈し、ブラインで洗浄した。MgSOで脱水し、溶媒留去を行って、生成物を得た(15.0g、100%)。
【0178】
1H−NMR(CDCl)δ:0.15(9H、s)、3.01(2H、d)、6.49(1H、brs)、8.01(1H、d)、8.15−8.17(2H、m)、10.40(1H、d)。
【0179】
4−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミドの合成
【0180】
【化34】

EtOHおよびHO中の4−ホルミル−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミド(15.0g、49.4mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(6.9g、98.8mmol)および酢酸ナトリウム(6.1g、74.1mmol)を室温で終夜撹拌した。反応混合物をt−BuOMeで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、生成物は15.0g(95%)であることが認められた。
【0181】
1H−NMR(CDCl)δ:0.14(9H、s)、3.00(2H、d)、6.21(1H、brs)、7.87(1H、d)、8.04−8.05(2H、m)、8.49(1H、d)。
【0182】
4−シアノ−3−(トリフルオロメチル−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミドの合成
【0183】
【化35】

メタンスルホニルクロライド(5.6g、49.0mmol)を、氷冷下にて1,2−ジクロロエタン中の4−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミド(15.5g、49.4mmol)に加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、5時間還流した。HO、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(11.0g、75%)。
【0184】
1H−NMR(CDCl)δ:0.13(9H、s)、2.99(2H、d)、6.91(1H、brd)、7.88(1H、d)、8.06(1H)、8.20(1H、s)。
【0185】
4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンゼンカルボチオアミド(化合物3−2)の合成
【0186】
【化36】

トルエン中の4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンズアミド(10.0g、33.2mmol)およびローソン試薬(8.1g、19.9mmol)を85℃で1時間撹拌した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物9.1gを得た(収率86%)。
【0187】
1H−NMR(CDCl)δ:0.19(9H、s)、3.55(2H、d)、7.81−7.92(3H、m)、8.07−8.07(1H、m)。
【0188】
4−シアノ−3−メチル−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンゼンカルボチオアミド(化合物3−1)を同じ方法によって合成した。
【0189】
【化37】

1H−NMR(CDCl)δ:0.18(9H、s)、2.56(3H、s)、3.53(2H、d)、7.47−7.50(1H、m)、7.58(1H、d)、7.63(1H、d)、7.71(1H、brs)。
【0190】
4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルの合成
【0191】
【化38】

t−BuOK(0.39g、3.47mmol)をテトラヒドロフラン中の4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)−N−[(トリメチルシリル)メチル]ベンゼンカルボチオアミド(1.00g、3.16mmol)およびヨウ化メチル(0.58g、4.10mmol)に−60℃で加え、同じ温度で30分間撹拌した。次に、t−BuOMeで希釈し、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒留去後、残留物をテトラヒドロフランに溶かし、氷−アセトン浴で冷却して−5℃とした。その混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウムの1Mテトラヒドロフラン溶液(0.31mL、0.31mmol)をアルゴン雰囲気下にゆっくり滴下した。同じ温度で30分間撹拌した後、反応混合物を徐々に昇温させて室温とした。混合物を室温で20時間撹拌した。次に、2M HClを加え、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(0.82g、53%)。
【0192】
1H−NMR(CDCl)δ:3.47(1H、d)、3.81(1H、dd)、4.50(1H、d)、4.97(1H、dd)、7.40(2H、s)、7.95(1H、d)、8.13(1H、dd)、8.29(1H、s)。
【0193】
2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]ベンゾニトリルを同じ方法によって合成した。
【0194】
【化39】

1H−NMR(CDCl)δ:2.61(3H、s)、3.44(1H、d)、3.79(1H、dd)、4.46(1H、d)、4.92(1H、dd)、7.40(2H、s)、7.67−7.75(2H、m)、7.82(1H、d)。
【0195】
4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
【0196】
【化40】

4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.82g、1.68mmol)をAcOHに溶かし、濃HSO−HO混合物に懸濁させた。反応混合物を、26時間にわたり高撹拌および還流させた。次に、反応混合物を氷および水の混合物に投入した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水した。溶媒を留去して、生成物を得た(0.70g、82%)。
【0197】
1H−NMR(CDCl)δ:3.52(1H、d)、3.86(1H、dd)、4.53(1H、d)、4.98(1H、dd)、7.42(2H、s)、8.01(1H、d)、8.09(1H、dd)、8.25(1H、s)。
【0198】
2−メチル−4−[3−(3,4,5−トリクロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−イル]安息香酸を同じ方法によって合成した。
【0199】
【化41】

1H−NMR(CDCl)δ:2.71(3H、s)、3.47(1H、d)、3.83(1H、dd)、4.47(1H、d)、4.93(1H、dd)、7.41(2H、s)、7.73(1H、dd)、7.77(1H、s)、8.12(1H)。
【0200】
本発明による化合物の生理活性を、下記の生物試験例によって説明する。
【0201】
別段の断りがない限り、試験溶液は下記の方法に従って調製した。
【0202】
溶媒としてジメチルホルムアミド(3重量部);および乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(1重量部)を含有。
【0203】
試験溶液を調製するため、活性化合物1重量部を、上記の量の乳化剤を含む上記の量の溶媒と混合し、混合物を水で希釈して所望の濃度とする。
【0204】
生物試験例1:ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)幼虫に対する試験
サツマイモの葉を適切な濃度の試験溶液に浸漬し、葉を風乾した。次に、葉を直径9cmのシャーレに入れ、Spodoptera litura3齢幼虫を10匹放った。シャーレを25℃の定温室に置いた。2日後および4日後に、追加のサツマイモの葉を加えた。7日後に、死亡幼虫数をカウントし、殺虫活性を算出した。殺虫活性100%は全ての幼虫が死んだことを意味し、殺虫活性0%は幼虫が死ななかったことを意味する。本試験では、各処理について2個のシャーレの結果の平均を求めた。
【0205】
生物試験例1では、化合物番号1−4、1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、1−16、1−19、1−20、1−21、1−104、3−7および3−19が、活性化合物濃度100ppmで100%の殺虫活性を示した。
【0206】
生物試験例2:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する試験
Tetranychus urticaeのダニ成体50から100匹を直径6cmのポットに植えた2葉段階のインゲンマメの葉に接種した。1日後、適切な濃度の試験溶液を、吹き付け器を用いて十分な量でその上に噴霧した。噴霧後、植物ポットを温室内に置き、7日後に殺ダニ活性を計算した。殺ダニ活性100%は全てのダニが死んだことを意味し、殺ダニ活性0%はダニが全く死ななかったことを意味する。
【0207】
生物試験例2では、化合物番号1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、1−16、1−19、1−20、1−21および3−7が、100ppmの活性化合物濃度で殺ダニ活性100%を示した。
【0208】
生物試験例3:ウリハムシ(Aulacophora femoralis)に対する試験
キュウリの葉を適切な濃度の試験溶液に浸漬し、葉を風乾させた。次に、葉を滅菌黒色土の入ったプラスチックカップに入れ、Aulacophora femoralis2齢幼虫5匹をカップ内に放った。カップを25℃の定温室に置いた。7日後に、死亡幼虫数をカウントし、殺虫活性を算出した。殺虫活性100%は全ての幼虫が死んだことを意味し、殺虫活性0%は幼虫が死ななかったことを意味する。
【0209】
生物試験例3では、化合物番号1−4、1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、1−16、1−19、1−20、1−21、1−104、3−7および3−19が、100ppmの活性化合物濃度で100%の殺虫活性を示した。
【0210】
生物試験例4:有機リンおよびカーバメート剤抵抗性モモアカアブラムシ(Myzus persicae)に対する試験
有機リンおよびカーバメート剤抵抗性Myzus persicae50から100頭を直径6cmのポットに植えた二葉段階のナスの葉に接種した。1日後、適切な濃度の試験溶液を吹き付け器を用いて十分な量でそれに噴霧した。噴霧後、植物ポットを温室内に置き、7日後、殺虫率を計算した。
【0211】
殺虫活性100%は全てのアブラムシが死んだことを意味し、殺虫活性0%はアブラムシが全く死ななかったことを意味する。
【0212】
生物試験例4において、化合物番号1−7、1−9、1−10、1−12、1−16、1−19および1−21が100ppmの活性化合物濃度で100%の殺虫活性を示した。
【0213】
WO2009/080250を考慮した比較例
下記の略称を用いた。
【0214】
RME:菜種油メチルエステル、AS:硫酸アンモニウム、dat:処理後日数、a.i.:有効成分、r.h.:相対湿度、Conc:濃度、乳化剤として使用されるソルポール(登録商標)SDおよびソルポール(登録商標)BDB(東邦化学工業(CAS番号1330−20−7、ソルポール(登録商標)SD:上限13.000、ソルポール(登録商標)BDB:上限35.000)。
【0215】
Spodoptera litura−根浸漬試験(PRODLI)
昆虫:Spodoptera lituraL2段階;
材料:水栽培用培地瓶:試験用プラスチック(A−PET)カップ、正方形型;
植物:ブロッコリー5葉段階(高さ約12cm)、試験直前に根周囲の土を洗い落とした。
【0216】
根浸漬試験用溶媒前混合物「ソルポールSD」;ソルポールSD:ソルポールBDB:ジメチルホルムアミド=3:3:140。
【0217】
手順:試験溶液を適切な濃度で瓶中で調製する。試験植物の根を瓶中の試験溶液中に浸漬し、試験室に入れたままとする。3日後、植物の葉の1/3部分を切り取り、A−PETカップに入れる。各試験カップ中に、5匹の幼虫L2を放し、カップを蓋で覆い、25℃および相対湿度50から60%で、16L8D照明条件下で保存する。
【0218】
指定の期間後、死亡%を求め、死亡率を計算する。
【0219】
Myzus persicae−噴霧試験(MYZUPE)
昆虫:Myzus persicae−抵抗性系、混合群
材料:紙ラベル
植物:ナス苗木(Solarium melongena品種千両二号)2葉齢(播種から4から5週間後)、直径60mmのビニル製ポットに移植したもの。
【0220】
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
【0221】
10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0222】
手順:処置の1日前に、アブラムシを、アブラムシ約50匹/葉で1ポットにつき100匹で試験植物上に接種する。紙ラベルを各ポット上に乗せる。溶液を昆虫と植物の両方に直接噴霧する。乾燥後、ポットを、20℃から25℃および50から60%相対湿度の温室に置く。
【0223】
指定期間後、死亡%を求め、死亡率を下記の計画/基準に従って計算する。
【0224】
100%:接種した昆虫全てが死亡
98%:昆虫1から4匹生存/繁殖
90%>:昆虫5から20匹生存/繁殖
60%>:多くの昆虫が生存/繁殖しているが、未処理対照の場合より少なく、一部のアブラムシが死亡
0%>:未処理対照と差がない。
【0225】
Aulacophora femoralis−噴霧試験(AUACFE)
昆虫:自社培養からのAulacophora femoralis2齢幼虫;
材料:土5mLが入り、A−PET蓋の付いたPETカップ
植物:キュウリ(Cucumis sativus品種半白)、子葉段階;植物1/ポット;
溶媒前混合物:溶媒前混合物0.05mLで溶解させたソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14;10mg a.i.。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0226】
手順:溶液を植物に噴霧する。乾燥後、植物を切り取り、試験カップ中の土の上に置く。幼虫L2 5匹を各試験カップ内に放つ。試験カップを蓋で覆い、25℃および相対湿度50から60%で、16L8D照明条件下で保存する。
【0227】
指定期間後、死亡%を下記の計画/基準に従って求める。
【0228】
100%:5匹の昆虫が明らかな死亡の兆候を示す(変色、腐敗)
50%>:4から1匹の昆虫が明らかな死亡の兆候を示す。生存昆虫は対照プロットでの昆虫と比較して明らかに小さく、ないしは食害が対照プロットと比較して明瞭に少ない。
【0229】
0%>:5匹の昆虫が、対照プロットと全く同様に生存、摂食および成長している。
【0230】
Panonychus citri−噴霧試験(METTCI)
昆虫:Panonychus citri
植物:柑橘類植物、高さ約8cm
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
10mg ai.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。
【0231】
希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0232】
手順:処理1日前に、ポット植えした植物に、ダニを1ポットについて成体約50匹および若干の幼虫を接種する。試験溶液をダニと植物の両方に直接噴霧する。乾燥後にポットを25℃で保存する。
【0233】
指定期間後、死亡%を下記の計画/基準に従って等級分けすることで求める。
【0234】
100%:全てのダニが死亡
98%>:1から2匹のダニが生存/繁殖
90%>:5から10匹のダニが生存/繁殖
60%>:多くのダニが生存/繁殖しているが、未処理対照の場合より少なく、一部のダニが死亡
0%>:未処理対照と差がない。
【0235】
Nephotettix cincticeps−噴霧試験(NEPHCI)
昆虫:Nephotettix cincticeps−MR、抵抗性系統、自社培養からの3から4齢幼虫
植物:イネ苗(Oryza sativa品種玉錦)
材料:金属メッシュで蓋が施された底に穴を有するST−法容器(200mL乾燥剤ポリエチレン瓶)。蓋には、乾燥剤を入れて置くために内側に窪みがあり、それを用いてイネ種子を播く。瓶は「カバー」として上下逆にして使用し、苗のある蓋は「底部」と称する。ST底部を上に向けて並べるためのマグネットラベル付きプラスチック製スタンドボード(stand−board)(「スタンド」)。
【0236】
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。10mg ai.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0237】
手順:底部中央の窪み(本来は乾燥剤用スペース)に、ペーパータオル数枚を置く。発芽したイネ種子20から30個を紙の上に播き、水で湿らせる。底部をプラスチック製カップで覆い、インキュベータ中5日間にわたり30℃に維持する。
【0238】
イネ苗のある底部をスタンド上に置く。各スタンドに溶液を噴霧する。
【0239】
乾燥後、12匹のNephotettix cincticeps−MR3から4齢幼虫を底部に乗せ、カバーで閉じこめる。スタンド上のST容器を25℃および相対湿度50から60%で、16L8D照明条件下で試験室に置いておく。
【0240】
指定期間後に、死亡%を下記の計画/基準に従って等級分けすることで求める。生存して運動している昆虫をカウントし、次の式によって死亡%を計算する。死亡%=100×(10−生存が認められた昆虫数)。
【0241】
Bemisia tabacii−噴霧試験(BEMIAR)
昆虫:Bemisia tabacii生物型B
材料:木製ラベル
植物:トマト苗、直径40mmのビニルポット中の5葉段階
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0242】
手順:溶液を植物に噴霧する。乾燥後、処理ポットを温室に入れ、24時間の感染時間にわたりBEMIARを育てる。次に、植物を25℃および相対湿度50から60%で、16L8D照明条件下で試験室に置く。
【0243】
指定期間後に、死亡%を下記の計画/基準に従って求める。
【0244】
100%:接種した昆虫が全て死亡
98%:昆虫1から4匹が生存/繁殖
90%:昆虫5から20匹が生存/繁殖
60%:多くの昆虫が生存/繁殖しているが、未処理対照の場合より少なく、一部の昆虫が死亡
0%>:未処理対照と差がない。
【0245】
Tetranychus urticae試験(TETRUR)
昆虫:自社培養からのTetranychus urticae−S(感受性(sensible)系統)混合群
材料:紙ラベル
植物:インゲン豆苗(Phaseolus vulgaris品種Serena)、2葉段階(播種から1週間後)
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
【0246】
10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0247】
手順:処理の1日前に、試験植物の頂部を剪定する。試験植物にダニを、成体約20匹/葉で、1ポットにおいて成体約40匹および若干の幼虫を接種する。各ポットに紙ラベルを置く。溶液をダニおよび植物に噴霧する。乾燥後、ポットを温度20℃から25℃の温室に入れる。
【0248】
指定期間後に、死亡%を下記の計画/基準に従って求める。
【0249】
100%:接種したダニが全て死亡
98%:ダニ1から4匹が生存/繁殖
90%:ダニ5から20匹が生存/繁殖
60%:多くのダニが生存/繁殖しているが、未処理対照の場合より少なく、一部のダニが死亡
0%>:未処理対照と差がない。
【0250】
Plutella xylostella−噴霧試験(PLUTXY)
昆虫:自社培養からのPlutella xylostella3齢幼虫
材料:A−PETカップ、A−PET蓋
植物:ブロッコリー5葉段階
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
【0251】
10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0252】
手順:ビニルポット(直径9cm)に植えた4から5葉段階のブロッコリー苗に溶液を噴霧する。乾燥後、植物の葉の半分を切り取り、A−PETカップに入れる。Plutella xylostella L3の幼虫10匹をカップに放ち、皿を25℃に置く。4日後、別の1/2葉を切り取り、皿に加える。指定の期間後、死亡%を、評価に用いる死亡率数値に従って求める。
【0253】
幼虫1匹死亡:20%効力
幼虫5匹死亡:100%効力
Adoxophyes honmai試験(ADXPFA)
昆虫:自社培養からのAdoxophyes honmai
材料:蓋付き1A−PETカップ
飼料剤:人工飼料粉末Silkmate−Kantan−3(R) 4.5g
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
【0254】
10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0255】
手順:人工飼料粉末4.5gをPETカップ(直径10cm、深さ5cm)に入れる。粉末を平坦にならして、カップ底部に層を作る。化学薬品溶液10mLを粉末上に注ぎ、均一に広げる。処理飼料粉末を入れたカップを静置して、飼料をゼリー状とする。
【0256】
各試験カップに、3齢幼虫5匹を放った。試験カップを蓋で閉じ、25℃および相対湿度50から60%で、16L8D照明条件下で保存する。
【0257】
指定の期間後、死亡%を、下記の基準に従って求める。
【0258】
幼虫1匹が死亡:20%効力
幼虫5匹が死亡:100%効力。
【0259】
Frankliniella occidentalis−噴霧試験(FRANOC)
昆虫:自社培養からのFrankliniella occidentalis
植物:キュウリ苗、子葉段階
溶媒前混合物:ソルポール(登録商標)SD:ソルポール(登録商標)BDB:ジメチルホルムアミド=3:3:14。
【0260】
10mg a.i.を溶媒前混合物0.05mLに溶かす。希釈用の水はRMEおよびAS(それぞれ1000ppm)または0.1%の展着剤を含む。溶液を1:5の割合で希釈して限界濃度を決定する。
【0261】
手順:溶液をキュウリ苗に噴霧する。乾燥後、植物をプラスチックスタンドに入れる。1齢幼虫約50匹を植物に接種し、ケージで覆った。植物を25℃で保存する。指定の期間後、下記の基準に従って植物に対する食害を等級分けすることで、%効力を求める。
【0262】
100%>:植物が完全に保護される
98%:若干の害
90%:葉の約10%が害を受ける
60%>:明瞭な害が認められるが、未処理対照の場合と比較してかなり少ない。
【0263】
0%>:未処理対照と差がない。
【0264】
WO2009/080250またはWO2010/020522の下記化合物および本発明の下記化合物を比較し、結果を下記に示してある。
【0265】
表5
【0266】
【表5】

【0267】
【表6】

【0268】
【表7】

【0269】
【表8】

【0270】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)のアリールピロリン化合物または該化合物の塩もしくはN−オキシド。
【化1】

[式中、
、A、AおよびAは、独立に、基C−H、C−Rまたは窒素を表し;
Lは、単結合、−CHC(O)NH−、C−Cアルキレン、C−Cハロアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cハロアルケニレン、C−CアルキニレンまたはC−Cハロアルキニレンを表し;
は水素、C−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
は、水素またはC−Cアルキルを表し;
は、アリール、もしくは1から4個のXによって置換されているアリール、または複素環、もしくは1から3個のXによって置換されている複素環を表し;
、YおよびYは、互いに独立に、CR、C=O、C=N−OR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す(すなわち、基S、SO、SO))、S=N−RまたはS(O)=N−Rを表し;Y、YおよびYは同時にCRではなく;
は、独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アリールもしくは1から3個のRによって置換されていても良いアリール、またはヘテロアリールもしくは1から3個のRによって置換されていても良いヘテロアリールを表すか、2個のRが隣り合っている場合、その2個のRがそれらが結合している炭素原子とともに5員環を形成していても良く、前記5員環は、次の基−OCH=N−、−SCH=N−、−OCR=N−または−SCR=N−のうちの一つを含み;
Xは、独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
およびRは、互いに独立に、水素、ハロゲン、C−CアルキルまたはC−Cハロアルキルを表し;
は水素、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルコキシカルボニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルスルホニル、アリール−C−Cアルキル、もしくはアリールC−Cアルキル(前記アリール部分は1から3個のRによって置換されている)、またはヘテロアリール−C−Cアルキル、もしくはヘテロアリール−C−Cアルキル(前記ヘテロアリール部分は、1から3個のRによって置換されている)を表し;
はハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
は水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−CハロアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルを表し;
但し、
が3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSOであり、RがHである式(I)の化合物;
が3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSであり、RがCHである式(I)の化合物;
が3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSOであり、RがHである式(I)の化合物;
が3,5−ジクロロフェニルであり、AがC−CHであり、A、AおよびAがそれぞれC−Hを表し、RがHであり、Lが単結合であり、YおよびYがそれぞれCHを表し、YがSであり、RがHである式(I)の化合物
は除外される。]
【請求項2】
がC−Rであり、AがC−Hであり、AがC−Hであり、AがC−Hである、請求項1に記載のアリールピロリン化合物。
【請求項3】
が、1から3個の請求項1で定義の置換基Xによって置換されているフェニルまたはピリジルを表す、請求項1または2に記載のアリールピロリン化合物。
【請求項4】
、YおよびYが互いに独立に次の化学基CR、C=O、C=N−OR、N−R、S(O)(nは0、1または2を表す)、S=N−RまたはS(O)=N−Rのうちの一つを表し、Y、YおよびYが同時にCRであることはない、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のアリールピロリン化合物。
【請求項5】
がS(O)=N−RまたはS(O)(nは0、1または2を表す)であり、YおよびYが互いに独立にCRである、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のアリールピロリン化合物。
【請求項6】
下記式(II)の化合物:
【化2】

[式中、
、A、AおよびAは請求項1で定義の通りであり;
10は水素またはC−Cアルキルを表し;
TはCN、メチル、C−Cアルコキシカルボニルまたは下記式:
【化3】

(L、R、R、Y、YおよびYは請求項1で定義の通りである)を有する化学基Gを表す]を、フッ素試薬の存在下に下記化合物(V):
【化4】

(Rは請求項1で定義の通りである)と反応させる段階を有する、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載のアリールピロリン化合物の製造のための式(II)の化合物。
【化5】

[式中、
、A、AおよびAは請求項1で定義の通りであり;
10は水素またはC−Cアルキルを表し;
TはCN、メチル、C−Cアルコキシカルボニルまたは下記式:
【化6】

(L、R、R、Y、YおよびYは請求項1で定義の通りである)を有する化学基Gを表す。]
【請求項8】
望ましくない植物病害生物を防除するための、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のアリールピロリン化合物の使用。


【公表番号】特表2013−510080(P2013−510080A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535875(P2012−535875)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066741
【国際公開番号】WO2011/054871
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】