説明

毛髪の膨潤抑制組成物

【課題】染毛やパーマ処理などにより損傷を受けた毛髪に対し、湿潤状態での毛髪の膨潤を抑制し、毛髪内部からの脂質やタンパク質の溶出を防止し、毛髪損傷の進行を防止する効果を有する組成物に関する。
【解決手段】(A)平均分子量5,000〜20,000のセリシンと(B)平均分子量200〜2,000の植物性タンパク質加水分解物とを含有する毛髪の膨潤抑制組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の膨潤抑制組成物に関し、詳しくは、染毛やパーマ処理などにより損傷を受けた毛髪に対し、湿潤状態での毛髪の膨潤を抑制し、毛髪内部からの脂質やタンパク質の溶出を防止し、毛髪損傷の進行を防止する効果を有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽さ、ナチュラル感、動きのあるヘアスタイルを実現するために、繰り返しのヘアカラーやパーマなどにより、髪の傷みはかなり深刻化している。このようなヘアカラーやパーマなどで処理した毛髪は、毛髪内部のタンパク質や脂質等が溶出して髪密度が低下し、ポーラスヘアの状態となっている。ポーラスヘアは、毛髪表面及び内部が水に濡れやすい親水性となっており、洗髪時やスタイリング剤を使用したときなど、水に接触すると毛髪は容易に膨潤し、乾燥時に比較して1.5〜2倍程度までの太さとなる。この毛髪膨潤は、毛髪内部のコルテックス部分ばかりでなく、毛髪表面のキューティクルも膨張し、キューティクル間の隙間も増加して、毛髪の内部のタンパク質や脂質などの溶出を加速する。従って、洗髪、乾燥、整髪等の日常の化粧処理によってポーラスヘアは進行し、スタイリングやセットなどの化粧処理を行っても、内部に水分保持力がないため、パサツキ、ごわつき、セットが崩れ持続しないなどの問題を発生する。従来、これら毛髪の損傷を防止したり、補修する方法として、各種の油剤やコンディショニング剤を配合した毛髪化粧料が開発されてきた。しかしながら、毛髪の膨潤に着目し、その膨潤を抑制、防止するような技術は今まで開発されていなかった。
【0003】
一方、毛髪化粧料において、セリシンやタンパクを利用することは種々提案されている。例えば、水溶性シリコーンとセリシンを組み合わせることにより、ハリ・コシを与えてスタイリング性を有する毛髪化粧料(例えば、特許文献1参照。)、セリシンとフェノキシエタノール及びグリコールと固形又は半固形の油性成分とカチオン界面活性剤を組み合わせることにより、毛髪をなめらかでしっとりとした感触に仕上げ、自然なツヤとボリューム感を持続する毛髪処理剤(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、これらの方法はセリシンを毛髪表面に固着させて、その均一な乾燥物によりハリ・コシやボリューム感を実現するものであって、膨潤を抑制し、損傷を防止する目的としたものではない。
【0004】
また、植物性のタンパクを利用する例として、例えば、加水分解タンパク質とポリアミノカチオン性剤を組み合わせることにより、グルーミングに伴う損傷から毛髪を保護するヘアトリートメント組成物(例えば、特許文献3参照。)、非イオン界面活性剤とタンパク質加水分解物を組み合わせることにより、べたつきのないなめらかな仕上がりを実現するノンエアゾール型泡状毛髪化粧料(例えば、特許文献4参照。)、アニオン性高分子と大豆等のタンパク質と組み合わせることにより、べたつきがなくしっとりと落ち着いた仕上がりが得られる毛髪化粧料(例えば、特許文献5参照。)、染めた髪を保護することを目的とした四級化タンパク質加水分解物の使用(例えば、特許文献6参照。)などが開示されている。これらの発明においても、タンパク質加水分解物を利用することにより毛髪表面を改善したり、仕上がり感を改善するものであって、毛髪の膨潤を抑制して損傷を防止する目的としたものではない。
【0005】
【特許文献1】特開2000−290143号公報
【特許文献2】特開2004−238356号公報
【特許文献3】特表2001−525822号公報
【特許文献4】特開2003−119113号公報
【特許文献5】特開2005−53809号公報
【特許文献6】特表2004−513082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の事情を鑑み、本発明の目的とするところは、染毛や脱色、パーマネントウエーブなどにより損傷し、ポーラスヘアの状態毛髪に対し、簡便かつ有効に、湿潤状態での毛髪の膨潤を抑制し、毛髪内部からの脂質やタンパク質の溶出を防止し、毛髪損傷の進行を防止する効果を有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、このような状況に鑑み、鋭意研究した結果、特定の分子量のセリシンと植物性タンパク加水分解を組み合わせた組成物が、染毛やパーマ処理などにより損傷を受けた毛髪に対し、湿潤状態での毛髪の膨潤を抑制し、毛髪内部からの脂質やタンパク質の溶出を防止し、毛髪損傷の進行を防止する効果を有し、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の毛髪膨潤抑制組成物は、下記(A)および(B)成分を含有することを特徴としている。
(A)平均分子量5,000〜20,000のセリシン
(B)平均分子量200〜2,000の植物性タンパク質加水分解物
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛髪膨潤抑制組成物は、染毛やパーマ処理などにより損傷を受けた毛髪に対し、湿潤状態での毛髪の膨潤を抑制し、毛髪内部からの脂質やタンパク質の溶出を防止し、毛髪損傷の進行を防止するすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明で用いられる(A)成分のセリシンは、絹糸を構成しているタンパク質で、繊維状フィブロインを覆うように存在しているタンパク質であり、通常3,000〜500,000の分子量を有している。本発明においては、例えば、酸やアルカリまたは酵素による加水分解処理や、ゲルろ過による精製法、分子膜による精製法などを用いて精製し、平均分子量5,000〜20,000としたセリシンを必ず用いるが、更に平均分子量が10,000〜15,000のセリシンが特に好ましい。平均分子量が5,000未満の場合、毛髪に浸透してもすぐに洗い流されて毛髪内部に吸着せずに、毛髪の膨潤抑制効果が発揮されにくく、また平均分子量が20,000を超えると、組成物中での安定性不足や毛髪内部への浸透性に劣り、毛髪の膨潤抑制効果やダメージケア効果において好ましくない。セリシンの配合量は、好ましくは0.001〜10%、更に好ましくは、0.01〜5%の範囲である。この配合量の範囲であれば、毛髪にべたつきや重さ、ごわつきを与えることなく、しなやかな仕上がり感を与えることができ、また組成物の安定性においても好ましい。
【0012】
本発明で用いられる(B)成分の植物性タンパク質加水分解物は、植物由来のタンパク質を原料とするものであり、例えば、大豆、小麦、アーモンド(種子も含む)、ビール粕、トウモロコシ、米(米胚芽、米ヌカも含む)、イモ類などが挙げられる。これらの中でも、小麦、大豆、米、米胚芽、アーモンド種子を由来としたものが好ましい。植物性タンパクは、線状タンパクであり、動物性タンパク質が球状であるのと構造的に違っており、この構造上の違いが毛髪への効果機能の違いと考えられる。これらの植物由来タンパク質は
、通常数万〜数十万の分子量を有している。本発明においては、酸、アルカリまたは酵素による加水分解処理や、ゲルろ過や分子膜による精製法を用いて精製して製造される。尚、酵素分解の場合、ペプシン、パンクレアチン、パパイン、プロレザー、サモアーゼなど、一般的に用いられるプロテアーゼ活性を有する酵素を用いることができる。酸、アルカリ分解に関しては、有機、無機いずれの酸、アルカリを用いてもよく、酸加水分解の場合はpH1〜4の範囲、アルカリ加水分解の場合はpH8〜13の範囲が好ましく、分解時の温度、時間は適宜設定する。本発明においては、平均分子量200〜2,000の植物性タンパク加水分解物を必ず用いるが、更に平均分子量が300〜1,000の植物性タンパク加水分解物が特に好ましい。平均分子量が200未満の場合、毛髪内部に貯留しにくいため毛髪の膨潤抑制効果が発揮されにくく、また平均分子量が2,000を超えると、毛髪内部の微細な部分への浸透性に劣るため毛髪の膨潤抑制効果やダメージケア効果において好ましくない。これらの植物性タンパク加水分解物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、またその配合量は、好ましくは0.001〜10%、更に好ましくは、0.01〜5%の範囲である。この配合量の範囲であれば、毛髪にごわつきを与えることなく、しなやかな仕上がり感を与えることができるため好ましい。
【0013】
本発明の毛髪の膨潤抑制組成物は、上記の平均分子量5,000〜20,000のセリシン、平均分子量200〜2,000の植物性タンパク加水分解物を必須成分とし、これらを水または水に適宜な溶剤などを加えた液に含有させることによって調製されるが、これらの必須成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に一般的に配合される他の成分を目的に応じて配合することができる。
【0014】
そのような成分としては、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルーテル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウロイルメチ−β−アラニンナトリウム等のアニオン性界面活性剤;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキルN−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム等の両性界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、高重合ポリエチレングリコール等の高分子化合物;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の湿潤剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコン類;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ成分;エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニン、グリシン、L−グルタミン酸、L−システイン、Lスレオニン等のアミノ酸;その他紫外線吸収剤、防腐剤、糖類、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
【0015】
本発明の組成物は、パーマネントウェーブ剤や染毛剤、脱色剤などにより損傷した毛髪に対して使用するものを広く指し、例えば、ヘアーローション、ヘアーリキッド、ヘアークリーム、ヘアージェル、シャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、ヘアーフォーム、ヘアースプレー等、いずれの形状で提供することが望ましい。
【実施例】
【0016】
次に本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものでは
ない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0017】
1)毛髪膨潤抑制試験
毛髪として市販の黒髪健常毛(10cm×5g、ビューラックス製)を用いて、市販のパーマ剤(カネボウ社製ヘアーチャト・スタイリッシュパーム)及びブリーチ剤(カネボウ社製プロスタイル・ハードブリーチ)で常法に従い交互に各3回処理し、損傷毛髪を作成した。次いで、実施例および比較例の組成物を5g均一に塗布を行い、1時間放置した後に水洗し、一昼夜放置し乾燥させた。処理後の毛髪から30本を取り出し、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて、乾燥下で毛髪の直径を計測した。次に、計測の終わった毛髪を水中に入れて、30分間放置して再度毛髪の直径を計測した。このように乾燥環境下での毛髪直径と、水中での毛髪直径の下式で示す比から毛髪の膨潤率を算出した。尚、髪の膨潤率が低い程、毛髪膨潤抑制効果が優れていることを示す。
膨潤率(%) = (水中での毛髪直径/乾燥環境下での毛髪直径)×100
【0018】
2)タンパク質溶出抑制試験
前記毛髪膨潤抑制試験と同様な操作を行って処理した毛髪から、2gを切り出し、pH8のリン酸緩衝液50mL中に30℃にて24時間浸漬を行った後、毛髪を取り除き、メンブランフィルターにてろ過し、溶液中のタンパク質濃度をローリー法を用いて定量した。
【0019】
3)パサツキ、まとまりやすさの評価(官能評価)
前記毛髪膨潤抑制試験と同様な操作を行って処理した毛髪を乾燥環境(25℃、湿度20%)に1時間放置した後、10名の専門パネルを用いて毛髪のパサツキ、まとまりやすさの各項目について官能試験を行い、下記に示す判定基準により評価を行った。
【0020】
評価基準
◎:パネルの8名以上が該当項目について良いと評価した
○:パネルの6名以上8名未満が該当項目について良いと評価した
△:パネルの4名以上6名未満が該当項目について良いと評価した
×:パネルの6名以上が該当項目について悪いと評価した
【0021】
実施例1〜6及び比較例1〜7
表1に記載の組成物を調製し、毛髪膨潤抑制試験、タンパク質溶出抑制試験、毛髪のパサツキ、まとまりやすさについて調べ、その結果を併せて表1に示した。なお、以下の成分の配合に関する記載において特に断りのない限り、「%」は「質量%」のことを表す。
【0022】
【表1】

【0023】
表1より明らかなように、本発明の特定の分子量のセリシンと植物性タンパク質加水分解物を組み合わせた実施例1〜6は、毛髪膨潤抑制、タンパク質溶出抑制、毛髪のパサツキ、まとまりやすさのいずれの項目においても優れた性能を示していた。一方、本発明の特
定の分子量のセリシンと植物性タンパク質加水分解物のいずれかを含有しない比較例1及び4は、毛髪膨潤抑制、タンパク質溶出抑制、毛髪のパサツキ、まとまりやすさのいずれの項目においても劣っており、また本発明の範囲外である分子量の化合物を含有した比較例2、3及び5についても、毛髪膨潤抑制、タンパク質溶出抑制、毛髪のパサツキ、まとまりやすさのいずれの項目においても劣っており、また、本発明以外の成分を含有した比較例6及び7についても、毛髪膨潤抑制、タンパク質溶出抑制、毛髪のパサツキ、まとまりやすさのいずれの項目においても劣っていた。
【0024】
以下、本発明の毛髪膨潤抑制組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の毛髪化粧料についても、上記の毛髪膨潤抑制、タンパク質溶出抑制、毛髪のパサツキ、まとまりやすさの各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0025】
実施例7(シャンプー)
配合量(%)
(1)POE(2)ラルリルエーテル硫酸ナトリウム 5.0
(2)ラウリル硫酸トリエタノールアミン 5.0
(3)ラルロイルメチル−β−アラニンナトリウム 6.5
(4)N−ラウロイル−N−カルボキシメチル
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 2.0
(5)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
(6)エチレングリコールジステアレート 2.0
(7)プロピレングリコール 2.0
(8)セリシン(平均分子量:12,000) 0.5
(9)大豆タンパク加水分解物(平均分子量:500) 0.5
(10)エデト酸ニナトリウム 0.2
(11)クエン酸 0.3
(12)メチルパラベン 0.2
(13)香料 0.5
(14)精製水 全量を100とする
【0026】
(製法)(1)〜(14)を80℃にて均一に混合溶解し、室温まで冷却を行い、シャンプーを調製した。
【0027】
実施例8(ヘアコンディショナー)
配合量(%)
(1)ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2.0
(2)ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.5
(3)セトステアリルアルコール 6.5
(4)乳酸 0.6
(5)パラフィン 1.0
(6)メチルポリシロキサン(300cs) 0.5
(7)プロピレングリコール 0.5
(8)グルコシルトレハロース・水添デンプン分解物 1.0
(9)高重合メチルポリシロキサン 0.5
(10)ジメチルアミノ
(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン 1.0
(11)セリシン(平均分子量:12,000) 0.5
(12)コムギタンパク加水分解物(平均分子量:400) 0.5
(13)香料 0.5
(14)精製水 全量を100とする
【0028】
(製法)(1)〜(8)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(14)にプロペラで攪拌しながら加えて乳化する。徐々に冷却を行い、60℃にて(9)〜(13)を添加し、室温まで冷却して、ヘアコンディショナーを調製した。
【0029】
実施例9(ヘアトリートメント)
配合量(%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
(2)セトステアリルアルコール 6.0
(3)ベヘニルアルコール 3.0
(4)流動パラフィン 2.0
(5)パラフィン 2.0
(6)白色ワセリン 1.0
(7)メチルポリシロキサン(300cs) 2.0
(8)グリセリン 3.0
(9)ジプロピレングリコール 5.0
(10)高重合メチルポリシロキサンエマルジョン 5.0
(シリコンXS65−B7116、GE東芝シリコン社製)
(11)アミノ変性シリコンエマルジョン 5.0
(FZ−3789、東レダウコーニングシリコン社製)
(12)セリシン(平均分子量:12,000) 1.0
(13)コムギタンパク加水分解物(平均分子量:500) 0.5
(14)アーモンドタンパク加水分解物(平均分子量:350) 0.5
(15)防腐剤(ケーソンCG) 0.1
(16)香料 0.5
(17)精製水 全量を100とする
【0030】
(製法)(1)〜(7)を80℃にて均一に混合溶解し、60℃に加温した(8)、(9)及び(17)加えて乳化し、ホモミキサーを用いて均一に混合する。混合しながら徐々に冷却を行い、60℃にて(10)〜(14)及び(16)を添加し、40℃にて(15)を添加し、室温まで冷却して、ヘアトリートメントを調製した。
【0031】
実施例10(ヘアクリーム)
配合量(%)
(1)ステアリン酸 5.0
(2)セタノール 5.0
(3)1,3−ブチレングリコール 2.0
(4)セバシン酸ジエチル 3.0
(5)シリコーン水性エマルジョン
(XS65−B7116、GE東芝シリコン社製) 2.0
(6)セチルアルコール 8.0
(7)アルギニン誘導体(アミセーフLMA−60、味の素社製)0.2
(8)セリシン(平均分子量:12,000) 1.0
(9)コムギタンパク加水分解物(平均分子量:500) 1.0
(10)水酸化カリウム 0.4
(11)メチルパラベン 0.2
(12)香料 微 量
(13)精製水 全量を100とする
【0032】
(製法)(1)〜(7)及び(12)を80℃にて均一に混合溶解させ、(8)〜(11)及び(13)を70℃にて混合したものを加えて乳化し、モミキサーで混合分散を行いながら、室温まで冷却して、ヘアクリームを調製した。
【0033】
実施例11(ヘアローション)
配合量(%)
(1)エタノール 15.0
(2)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
(3)プロピレングリコール 3.0
(4)シリコーン水性エマルジョン
(BY22−009、東レダウコーニング社製) 6.0
(5)ベヘニルアルコール 0.1
(6)セリシン(平均分子量:10,500) 0.3
(7)コムギタンパク加水分解物(平均分子量:800) 1.0
(8)香料 0.1
(9)精製水 全量を100とする
【0034】
(製法)(1)〜(9)を均一に混合溶解させ、ヘアローションを調製した。
【0035】
実施例12(トリートメントフォーム)
配合量(%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
(2)ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.2
(3)セトステアリルアルコール 1.0
(4)乳酸 0.2
(5)ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0
(6)メチルポリシロキサン(300cs) 0.5
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(8)グリセリン 1.0
(9)1,3ブチレングリコール 0.5
(10)ジメチルアミノ
(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン 0.5
(11)セリシン(平均分子量:10,500) 0.3
(12)コムギタンパク加水分解物(平均分子量:800) 1.0
(13)大豆タンパク加水分解物(平均分子量:500) 1.0
(14)精製水 全量を100とする
【0036】
(製法)(1)〜(8)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(14)にプロペラで攪拌しながら加えて乳化する。徐々に冷却を行い、60℃にて(9)〜(13)を添加し、室温まで冷却して、原液とした。次にエアゾール耐圧容器に原液:LPGガスを95:5の比率で充填し、トリートメントフォームを調製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)および(B)成分を含有する毛髪の膨潤抑制組成物。
(A)平均分子量5,000〜20,000のセリシン
(B)平均分子量200〜2,000の植物性タンパク質加水分解物
【請求項2】
(B)成分が小麦、大豆、米、米胚芽、アーモンド種子由来の植物性タンパク質加水分解物である請求項1に記載の毛髪の膨潤抑制組成物。

【公開番号】特開2007−204376(P2007−204376A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21865(P2006−21865)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(306018365)カネボウホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】