説明

毛髪コンディショニング組成物

【課題】 使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れた毛髪コンディショニング組成物を提供する。
【解決手段】 (a)下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体と、(b)カチオン性界面活性剤と、(c)蛋白質(誘導体及び加水分解物含む)及び/又は塩基性アミノ酸誘導体とを含有することを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
Z−{O−[(AO)−(EO)]−R}2 (I)
(式中、Zはダイマージオール残基、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、付加形態はブロック状である。a,bは各々前記AO基、EO基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150、AO基とEO基の合計に対するEO基の割合は10〜99質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毛髪コンディショニング組成物、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感等の使用感触の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプ−等の毛髪用洗浄料はアニオン性界面活性剤を主成分としている。アニオン性界面活性剤は、洗髪の際に毛髪カラー垢および汚れを除くだけでなく、毛髪繊維の表面に本来的に存在する皮脂をも除いてしまう。そのため、毛髪のなめらか感やしっとり感が失われ、櫛通りが悪くなり、毛髪が美容的には満足できない状態になってしまう場合もある。そこで、このような弊害を防止する目的で、カチオン性界面活性剤を主成分として配合する、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等の毛髪コンディショニング組成物が広く用いられてきた。これは、前記カチオン性界面活性剤が、毛髪のケラチン蛋白質に吸着し、髪を柔軟にして櫛通りをよくするとともに殺菌効果を有するためである。
【0003】
また最近では、ヘアカラー、ブリーチといった化学薬品処理剤の使用頻度が増え、毛髪のダメ−ジが大きくなり、ヘアリンスやヘアコンディショナー等のコンディショニング剤を使用した後、さらに毛髪にハリ・コシを与えるヘアケア化粧料を使用することが多くなっている。
これらは、コンディショニング効果を与えるために、毛髪処理剤としてカチオン性界面活性剤、油分等を主成分としたものが一般的であった。
【0004】
カチオン性界面活性剤は、毛髪に対して柔軟性や帯電防止性を付与する効果が高く、各種毛髪化粧料に用いられてきた。カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が多く用いられてきた。しかしながら、第4級アンモニウム塩を配合した毛髪化粧料においても、毛髪に与えるなめらか感及びしっとり感等の使用性が十分に満足のいくものではなく、また第4級アンモニウム塩の配合量を増やすと、目や皮膚といった人体に対する刺激性に関する問題点が懸念される。
【0005】
第4級アンモニウム塩を用いた毛髪コンディショニング組成物の前記問題点に対処すべく、アミドアミン構造のカチオン性界面活性剤を毛髪コンディショニング組成物へ配合することが試みられている。例えばステアリルアミドアミンの乳酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等を含有する組成物(例えば、特許文献1を参照)、アミドアミン化合物とカルボン酸系化合物を含有する組成物(例えば、特許文献2を参照)、アミドアミン化合物とリン酸エステル系化合物を含有する組成物(例えば、特許文献3を参照)、アミドアミン化合物とビス(2−アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体型両性界面活性剤と高分子シリコーンを含有する組成物(例えば、特許文献4を参照)等が提案されている。
しかしながらこのような組成物においても、前記第4級アンモニウム塩の場合と比較し、人体に対する刺激性の問題は解決されるものの、毛髪へのなめらか感、しっとり感という点においては、十分に満足すべき効果が得られていない。
【0006】
一方、カチオン性界面活性剤の配合のみでは、なめらかさにおいて充分な効果が得られにくいため、シリコーン化合物などの油剤を組み合わせて使用することも多い。メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサンに代表されるシリコーン誘導体は、毛髪に艶やさらさら感を付与する効果が高く、広く使用されている。シリコーン誘導体は、その重合度の違いにより効果が異なり、滑らかさやさらさら感をより得るために高分子量シリコーンを使用する場合が多かった。しかしながら、高分子量シリコーンは粘度が高いため、リンス組成物への配合が難しく、低粘度シリコーン油で希釈して使用しても高分子量シリコーンとしての効果が十分に出ないことが多かった。このため毛髪への吸着性が高く、しっとり感やなめらかさをより効果的に付与する新たなシリコーン化合物を開発し、製品に配合する試みがなされている(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。しかしながら、前記シリコーン油を配合した毛髪コンディショニング組成物においても、毛髪に対してなめらか感は付与できるが、ぱさつき感、及びべたつき感を生じる等の課題があった。
【0007】
近年、特定のアルキレンオキシド誘導体を配合すると、使用中、使用後のしっとり感やべたつきが改善されるという例も報告されている(例えば、特許文献7を参照)。しかしながら、使用後の髪のハリ・コシ感が十分満足いくものとは言えず、さらなる改善が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】特公昭48−1880号公報
【特許文献2】特開昭62−51612号公報
【特許文献3】特開昭62−51611号公報
【特許文献4】特開平2−160714号公報
【特許文献5】特開2002−249418号公報
【特許文献6】特開2002−179535号公報
【特許文献7】特許第3794576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述の事情に鑑み行われたものであり、その課題は使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れた毛髪コンディショニング組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテルと、カチオン性界面活性剤と、蛋白質及び/又は塩基性アミノ酸誘導体とを毛髪コンディショニング組成物中に配合することによって、毛髪に対してさらさら感があり、しっとり感を付与し、なめらか感およびハリ・コシ感を向上させる、優れた使用感触が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、(a)下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体と、(b)カチオン性界面活性剤と、(c)蛋白質(誘導体及び加水分解物含む)及び/又は塩基性アミノ酸誘導体とを含有することを特徴とするものである。
Z−{O−[(AO)−(EO)]−R}2 (I)
(式中、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。aおよびbは、各々前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150であり、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【0012】
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることが好適である。
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体のZが炭素数24〜48のダイマージオール残基であることが好適である。
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.01〜10質量%配合することを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【0013】
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記(b)カチオン性界面活性剤が、下記一般式(II)で示される第4級アンモニウム塩であることが好適である。
【化1】

(式中、Rは炭素数14〜22のアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R,R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基を表す。)
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記(b)カチオン性界面活性剤が、下記一般式(III)で示されるアミドアミン化合物、又はその酸付加塩であることが好適である。
CONH(CHnN(R (III)
(式中、Rは炭素数13〜23の高級脂肪酸の残基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
【0014】
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、さらに油分を含有することが好適である。
また、前記毛髪コンディショニング組成物において、前記油分が液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油からなる群より選択される1種または2種以上であることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体と、カチオン性界面活性剤と、蛋白質及び/又は塩基性アミノ酸誘導体とを配合していることによって、毛髪に対してさらさら感があり、しっとり感を付与し、且つなめらか感、しなやか感、ハリ・コシ感を向上させるといった優れた使用感触を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
(a)アルキレンオキシド誘導体
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、下記一般式(I)で示される特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテルを含むものである。
Z−{O−[(AO)−(EO)]−R}2 (I)
式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基である。AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくはオキシブチレン基である。これらの付加形態はブロック状である。
【0017】
aおよびbは、各々前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150である。好ましくは2≦2×a≦70、5≦2×b≦120であり、より好ましくは、2≦2×a≦50、10≦2×b≦100である。2×aが0であると使用感触に劣る傾向がある。2×aが150を越えると毛髪コンディショニング組成物に配合した場合にべたつきが生じる傾向にある。また2×bが0であると水への溶解が困難になり、150を越えるとしっとり感に劣る傾向にある。
【0018】
前記式(I)中のAOとEOの合計に対するEOの割合は10〜99質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。10質量%より小さいと保湿効果感に劣る傾向にある。
また、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基の付加形態はブロック状である。ランダム状であると使用感触、特にハリ・コシ感の点で満足のいくものが得られない。付加順序はダイマージオールに対して、AO、EOの順で結合しているのが好ましい。
【0019】
Rは、炭素数1〜4の炭化水素基である。べたつきの原因となる末端の水酸基をエーテル化することで、皮膚・髪とのなじみが向上し、良好な使用感をもたらす。炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基およびこれらの混合基などが挙げられる。本発明においてはメチル基、エチル基であることが好ましい。炭素数が5より大きいと、保湿効果感が劣る傾向にある。
【0020】
式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基である。ここで、ダイマージオールとは、ダイマー酸を還元して得られるジオールである。なお、ダイマージオール残基部分は、ハリ・コシ感を付与する上で必須である。
本発明に用いられるダイマージオールの原料となるダイマー酸は、例えば、不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを重合することによって得られる二量体である。具体的にはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸又はこれらの低級アルコールのエステルをディールス・アルダー反応のような熱重合により反応させる方法又はその他の反応方法によって合成できる。生成したダイマー酸中に本発明の効果を損なわない範囲であれば未反応の脂肪酸が残っていても構わない。
【0021】
ダイマー酸としては、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを二量化したものが好ましい。この場合、Zは炭素数24〜48のダイマージオール残基となる。このような不飽和脂肪酸としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレイン酸およびこれらの炭素数1〜3の低級アルコールエステルなどが挙げられるが、好ましくは、炭素数18の不飽和脂肪酸であり、オレイン酸又はリノール酸もしくはその低級アルコールエステルが特に好ましい。また、二量化した後に、残存する不飽和二重結合を水素添加したダイマー酸を用いてもよい。
ダイマージオールは、動物油脂由来及び植物油脂由来のものが流通しており、本発明では何れも使用できるが、植物油脂由来のものがより好ましい。このようなダイマージオールとしては、コグニス・ジャパン社製Sovermol 908、ユニケマ社製PRIPOL 2033、東亞合成(株)製ぺスポールHP−1000などが例示できる。
【0022】
本発明に用いられるアルキレンオキシド誘導体としては、具体的には、例えば、POB(25)POE(34)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(25)POE(35)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(4)POE(13)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(25)POE(52)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジエチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジプロピルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(41)ジブチルダイマージオールエーテル、POB(11)POE(30)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(15)POE(45)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(50)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(21)POE(56)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(12)POE(50)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(18)POE(61)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(3)POE(40)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(6)POE(82)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(40)POE(120)ジメチルダイマージオールエーテル、POB(100)POE(40)ジメチルダイマージオールエーテル、POE(35)POP(30)ジメチルダイマージオールエーテル、POE(52)POP(30)ジメチルダイマージオールエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。また、上記POE、POP、POBの付加モル数は、それぞれ分子中の総付加モル数であり、すなわち、2×a,2×bの値として表記している。
【0023】
式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、ダイマージオールに、炭素数3〜4のアルキレンオキシド、エチレンオキシドを順に付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
【0024】
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物において、上述の特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、組成物全体に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、さらに0.1〜5質量%であるが好ましい。0.01質量%未満では配合による効果の発現が十分ではない場合があり、また10質量%を超えると使用後、べたつき感を生じる傾向にある。
【0025】
(b)カチオン性界面活性剤
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤として下記式(II)で示される第4級アンモニウム塩を含むものである。
【化2】

上記式(II)中、Rは炭素数14〜22のアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R,R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基を表す。
【0026】
第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。
【0027】
また、本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤として、前述の第4級アンモニウム塩の他に、下記式(III)で示されるアミドアミン化合物またはその酸付加塩を含むものであってもよい。
CONH(CHnN(R (III)
上記式(III)中、Rは炭素数13〜23の高級脂肪酸の残基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。
【0028】
前記アミドアミン化合物としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
【0029】
本発明の毛髪コンディショニング組成物に配合されるアミドアミン化合物の酸付加塩とは、前記したようなアミドアミン化合物を、通常の酸を用いて中和した化合物であり、アミドアミン化合物と酸との反応を行うことにより容易に製造することができる。このような、アミドアミン化合物の酸付加塩の製造に用いられる酸としては、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸等の低分子量脂肪族カルボン酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸ートルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。なお、高級脂肪酸のような水に溶けにくい酸で中和すると、生成物であるアミドアミン化合物の酸付加塩は、非水溶性の塩となってしまい、毛髪コンディショニング組成物に配合しにくいため好ましくない。
【0030】
本発明の毛髪コンディショニング組成物に配合されるカチオン性界面活性剤の配合量は、毛髪コンディショニング組成物全量中0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.6〜3質量%である。0.1質量%未満ではコンディショニング効果が発揮されない場合があり、5質量%を越えると使用後のべたつき感が生じる傾向にある。
【0031】
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物は、蛋白質(誘導体、加水分解物含む)及び/又は塩基性アミノ酸誘導体を含むものである。
(c)蛋白質(誘導体、加水分解物含む)
本発明に用いられる蛋白質(誘導体、加水分解物含む)は、植物又は動物(ヒトや魚も含む)より抽出するか、又は加水分解することにより得られるものであり、これに更にシリル基や4級化窒素等を化学修飾により付加させたものを用いてもよい。蛋白質の抽出は、例えば、水、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いて行うことができるが、これに限定されるものではない。また加水分解は、例えば加水分解酵素や金属触媒を用いて行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0032】
本発明において用いられる蛋白質(誘導体、加水分解物含む)としては、例えば、羊毛、人毛から得られるケラチン及びその加水分解物、シルクプロテイン及びそのシリル化化合物、大豆、小麦、デンプン、カラスムギからの抽出物、牛乳から得られる蛋白、コラーゲン及びその加水分解物、部分加水分解キチン、加水分解シルク等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0033】
本発明の毛髪コンディショニング組成物に配合される蛋白質(誘導体、加水分解物含む)の配合量は、蛋白質(誘導体、加水分解物含む)の純分として、0.001〜1.0質量%であることが好ましい。0.001質量%未満ではコンディショニング効果が発揮されない場合があり、1質量%を越えると感作性等、安全性の面で好ましくない。
【0034】
(c)塩基性アミノ酸誘導体
本発明に用いられる塩基性アミノ酸誘導体としては、例えば、3−ラウリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル−L−アルギニン、3−ミルスチルオキシ−2−ヒドロシキプロピル−L−アルギニン、3−ミリスチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル−リジン、3−ラウリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル−リジン、3−パルミチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル−L−アルギニン等が挙げられ、さらに市販のものとして、アミセーフLMA−60(味の素社製)が挙げられる。
【0035】
本発明の毛髪コンディショニング組成物に配合される塩基性アミノ酸誘導体の配合量は、塩基性アミノ酸誘導体純分として、0.05〜2.0質量%であることが好ましい。0.05質量%未満ではコンディショニング効果が発揮されない場合があり、2.0質量%を越えるとべたつきを生じる場合がある。
【0036】
本発明の毛髪コンディショニング組成物に配合される油分としては、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油が挙げられる。
【0037】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油ートモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油ートリグリセリン等が挙げられる。
【0038】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0039】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0040】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0041】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸ートル酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0042】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0043】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリンートリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンートリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールートリ−2−エチルヘキサン酸グリセリンートリオクタン酸グリセリンートリイソパルミチン酸グリセリンートリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテートートリミリスチン酸グリセリンートリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0044】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0045】
本発明の毛髪コンディショニング組成物には上記した必須構成成分の他に通常化粧品や医薬部外品等の毛髪コンディショニング組成物に用いられる他の成分、例えば、保湿剤、粉末成分、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することができる。以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分と、下記成分の任意の一種又は二種以上とを配合して本発明の毛髪コンディショニング組成物を調製できる。
【0046】
保湿剤としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラ−ゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、DL−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラ−ゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0047】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0048】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0049】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0050】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド−トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0051】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガムートラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラーヤガム、カラーギ−ナン、ペクチン、カンテン、クインスシ−ド(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメートモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0052】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0053】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0054】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラーヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシ−ド(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ロ−カストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビ−ガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0055】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファ−、3−ベンジリデン−D,L−カンファ−;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0056】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0057】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0058】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコールートリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えばートリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールートリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリンートリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルトリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、マルトトリオ−ス、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコ−ス、フルクト−ス、デンプン分解糖、マルト−ス、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテルトリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0059】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロ−ス、D−エリトルロ−ス、Dートレオ−ス、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノ−ス、D−キシロ−ス、L−リキソ−ス、D−アラビノ−ス、D−リボ−ス、D−リブロ−ス、D−キシルロ−ス、L−キシルロ−ス等);六炭糖(例えば、D−グルコ−ス、D−タロ−ス、D−ブシコ−ス、D−ガラクト−ス、D−フルクト−ス、L−ガラクト−ス、L−マンノ−ス、D−タガト−ス等);七炭糖(例えば、アルドヘプト−ス、ヘプロ−ス等);八炭糖(例えば、オクツロ−ス等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボ−ス、6−デオキシ−L−ガラクト−ス、6−デオキシ−L−マンノ−ス等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0060】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノ−ス、ウンベリフェロ−ス、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0061】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸−トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン等が挙げられる。
【0062】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン等が挙げられる。
【0063】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンートリエタノールアミン、モルホリンートリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0064】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0065】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばートコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0066】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0067】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バ−チ、セ−ジ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニクートガラシ、チンピートキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン−トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えばートラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0068】
本発明にかかる毛髪コンディショニング組成物とは、毛髪に使用する任意の組成物を意味するが、特には毛髪にコンディショニング効果を付与する組成物を意味し、好ましくは、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック等の毛髪コンディデョニング組成物であり、使用時、毛髪に塗布し全体によくなじませた後に湯水等によって洗い流す(すすぐ)タイプの毛髪コンディショニング組成物として使用される。
【実施例1】
【0069】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%で示す。
まず、各実施例で採用した試験法及び評価法について説明する。
最初に各評価試験において、コントロールとして用いた毛髪コンディショニング組成物(リンス)の組成を以下に示す。
コントロール毛髪コンディショニング組成物(リンス)の組成
成 分 (質量%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
(2)セトステアリルアルコール(C16/C18=7/3) 7.0
(3)ジメチルポリシロキサン(20cs) 5.0
(4)ジプロピレングリコール 6.0
(5)防腐剤 適 量
(6)色素 適 量
(7)香料 適 量
(8)精製水 残 余
【0070】
評価(1):使用後のさらさら感
専門パネラー10名によりコントロール毛髪コンディショニング組成物との比較による実使用試験を実施し、使用後(乾燥後)の毛髪のさらさら感について下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール毛髪コンディショニング組成物を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、非常にさらさら感を感じる。
+2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、さらさら感を感じる。
+1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ややさらさら感を感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、あまりさらさら感を感じない。
−2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、さらさら感を感じない。
−3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、まったくさらさら感を感じない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0071】
評価(2):使用後のしっとり感
専門パネラー10名によりコントロール毛髪コンディショニング組成物との比較による実使用試験を実施し、使用後(乾燥後)の毛髪のしっとり感について下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール毛髪コンディショニング組成物を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、非常にしっとり感を感じる。
+2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、しっとり感を感じる。
+1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ややしっとり感を感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、あまりしっとり感を感じない。
−2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、しっとり感を感じない。
−3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、全くしっとり感を感じない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0072】
評価(3):なめらか感および櫛通りのよさ
専門パネラー10名によりコントロール毛髪コンディショニング組成物との比較による実使用試験を実施し、使用中及び使用後(乾燥後)の毛髪のなめらか感および櫛通りのよさについて下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール毛髪コンディショニング組成物を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、非常になめらか感を感じ、櫛通りがよいと感じる。
+2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、なめらか感を感じ、櫛通りがよいと感じる。
+1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ややなめらか感を感じ、櫛通りがよいと感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、あまりなめらか感を感じず、櫛通りがやや悪いと感じる。
−2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、なめらか感を感じず、櫛通りが悪いと感じる。
−3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、全くなめらか感を感じず、櫛通りが非常に悪いと感じる。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0073】
評価(4):しなやか感
専門パネラー10名によりコントロール毛髪コンディショニング組成物との比較による実使用試験を実施し、使用中及び使用後(乾燥後)の毛髪のしなやか感について下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール毛髪コンディショニング組成物を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、非常にしなやか感を感じる。
+2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、しなやか感を感じる。
+1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ややしなやか感を感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、あまりしなやか感を感じない。
−2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、しなやか感を感じない。
−3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、全くしなやか感を感じない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0074】
評価(5):使用後のハリ・コシ感
専門パネラー10名によりコントロール毛髪コンディショニング組成物との比較による実使用試験を実施し、使用後(乾燥後)の毛髪のハリ・コシ感について下記採点基準による点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロール毛髪コンディショニング組成物を0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い、評価結果とした。
採点基準
+3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、非常にハリ・コシ感を感じる。
+2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ハリ・コシ感を感じる。
+1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ややハリ・コシ感を感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、あまりハリ・コシ感を感じない。
−2:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、ハリ・コシ感を感じない。
−3:コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて、全くハリ・コシ感を感じない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0075】
<アルキレンオキシド誘導体の合成>
つづいて、本発明に用いたアルキレンオキシド誘導体の合成方法を示す。なお、オキシアルキレン基及びオキシエチレン基の付加モル数については、それぞれ2×a,2×bの値として表記する。
化合物1:POB(18モル)POE(41モル)ジメチルダイマージオールエーテル
Z−{O−[(AO)−(EO)]−R}2
(Z;炭素数36のダイマージオール(リノール酸由来)残基、AO;オキシブチレン基、2×a=18、2×b=41、R=メチル基、EO/(AO+EO)=58.2質量%)
ダイマージオール270g(0.50モル、商品名:コグニス・ジャパン(株)製Sovermol 908、リノール酸由来のダイマージオール)と水酸化カリウム6.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃にて触媒を完全に溶解させた。引き続き、120℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にて、滴下装置よりブチレンオキシド650gを滴下させ、3時間撹拌した。続いて120℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にて滴下装置よりオキシエチレン905gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム100gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル60gを温度80〜130℃、0.3MPa(ゲージ圧)にて圧入し6時間反応させた。その後オートクレーブより反応物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を100℃で1時間処理することで除去した。さらに処理後生成した塩を除去するためにろ過を行い、化合物1を得た。
【0076】
以上の合成例に準じて、本発明者らは下記表1に示す化合物1〜5,及び比較化合物1〜6を製造した。
【0077】
【表1】

【0078】
<毛髪コンディショニング組成物への配合>
つづいて、本発明者らは、以上のようにして製造した化合物1〜5及び比較化合物1〜6を用い、下記表2〜4に記載の配合組成からなる各実施例及び比較例の毛髪コンディショニング組成物を常法により製造し、上記の評価(1)〜(5)について評価試験を行なった。
まず最初に、従来の毛髪コンディショニング組成物と、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した毛髪コンディショニング組成物との比較試験結果を下記表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
上記表2の結果から明らかなように、従来のカチオン性界面活性剤を有効成分とする毛髪コンディショニング組成物において、毛髪コンディショニング効果を付与するための他の有効成分を配合した比較例1〜3では、コントロール毛髪コンディショニング組成物に比べて比較的良好な使用感触が得られているものの、十分に満足のいくものとは言えず、特に、使用後の髪のハリ・コシ感では課題が残った。
また、CHO−[(EO)10/(PO)10]CHで表されるアルキレンオキシド誘導体(ランダム状)を配合した比較例4では、概ね良好な評価結果が得られたが、これとは異なる構造である、特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテルを配合した実施例1及び実施例2では、特に髪のハリ・コシ感において極めて良好な評価結果が得られた。
【0081】
以上の結果を踏まえ、本発明者らは、毛髪コンディショニング組成物に配合するアルキレンオキシド誘導体について更なる検討を行った。結果を下記表3及び表4に示す。
【0082】
【表3】

【0083】
【表4】

【0084】
表3に示されるように、特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテル(化合物1〜5)を配合した実施例3〜7では、(1)〜(5)のいずれの評価においても、従来の毛髪コンディショニング組成物と比較して優れているものであった。
これに対して、表4に示されるように、オキシエチレン基のみの化合物(比較化合物1)を用いた比較例1では、さらさら感、なめらか感および櫛通り、ハリ・コシ感の点で劣り、また、オキシブチレン基のみの化合物(比較化合物2)を用いた比較例2では、さらさら感、しっとり感が特に悪く、しなやか感、ハリ・コシ感も劣るものであった。
アルキレンオキシド誘導体の末端が水素およびである化合物(比較化合物3)を配合した比較例3では、さらさら感、なめらか感および櫛通り感が十分でなかった。アルキレンオキシド誘導体の末端が炭素数6の炭化水素基である化合物(比較化合物4)を配合した比較例4では、さらさら感、なめらか感および櫛通り感が十分ではない。
また、ランダム型のアルキレンオキシド誘導体(比較化合物5)を配合した比較例5は、ハリ・コシ感の点で十分に満足のいくものではなく、ダイマージオール部分を有さないブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド誘導体(比較化合物6)を用いた比較例6では、特にハリ・コシ感の点で劣っていた。
【0085】
以上の結果より明らかなように、特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテルを毛髪コンディショニング組成物に配合すると、使用前、使用後におけるべたつき感のなさ、しっとり感、なめらか感、しなやか感、ハリ・コシ感に優れた毛髪コンディショニング組成物とすることが可能である。
【0086】
次に本発明者らは、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の好適な配合量の検討を行った。その結果を下記表3に示す。
【0087】
【表5】

【0088】
上記表5の結果から明らかなように、特定構造のブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテルの配合量が0.01〜10質量%の範囲において、概ね優れた毛髪コンディショニング効果が認められる。なめらか感及び櫛通りのよさ、ハリ・コシ感等の使用感触の点を考慮すると、0.1〜5質量%配合することが特に好ましいと言える。
【実施例2】
【0089】
以下に本発明の毛髪コンディショニング組成物の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、下記の毛髪コンディショニング組成物は、常法に従い調製した。
【0090】
処方例1:ヘアリンス
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.6質量%
セトステアリルアルコール(C16/C18=6/4) 4.0
ジメチルポリシロキサン(5cs) 3.0
グリセロールモノステアリン酸 1.0
流動パラフィン 3.0
POB(25)POE(52)ジメチルダイマージオールエーテル 8.0
(炭素数36ダイマージオール)
グリセロールモノステアレート 1.0
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 適 量
色素 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
(評価)
このヘアリンスは、毛髪に対して使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れたものであった。
【0091】
処方例2:ヘアトリートメントクリーム
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0質量%
セトステアリルアルコール(C16/C18=6/4) 6.5
ベヘニルアルコール 2.0
ジメチルポリシロキサン(20cs) 3.0
2−オクチルドデカノール 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 0.3
(エチレンオキサイド60モル付加物)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0
(エチレンオキシド4モル付加物)
大豆レシチン 0.5
流動パラフィン 3.0
POB(32)POE(35)ジメチルダイマージオールエーテル 5.0
(炭素数36ダイマージオール)
グリセリン 10.0
ジプロピレングリコール 5.0
防腐剤 適 量
色素 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
(評価)
このヘアトリートメントクリームは、毛髪に対して使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れたものであった。
【0092】
処方例3:ヘアリンス
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド 0.6質量%
セチルアルコール 2.0
ステアリルアルコール 1.0
ジメチルポリシロキサン(5cs) 3.0
グリセロールモノステアリン酸 1.0
流動パラフィン 3.0
POB(4)POE(13)ジメチルダイマージオールエーテル 8.0
(炭素数36ダイマージオール)
グリセロールモノステアレート 1.0
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 5.0
L−グルタミン酸 0.6
防腐剤 適 量
色素 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
(評価)
このヘアリンスは、毛髪に対して使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れたものであった。
【0093】
処方例4:ヘアトリートメントクリーム
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 3.0質量%
セチルアルコール 6.5
ベヘニルアルコール 2.0
ステアリン酸 2.0
ジメチルポリシロキサン(20cs) 3.0
2−オクチルドデカノール 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 0.3
(エチレンオキサイド60モル付加物)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0
(エチレンオキシド4モル付加物)
流動パラフィン 3.0
POB(15)POE(45)ジメチルダイマージオールエーテル 5.0
(炭素数36ダイマージオール)
グリセリン 10.0
ジプロピレングリコール 5.0
L−グルタミン酸 1.0
防腐剤 適 量
色素 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
(評価)
このヘアトリートメントクリームは、毛髪に対して使用感触、特にさらさら感、しっとり感、なめらか感、しなやか感、及びハリ・コシ感に優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体と、
(b)カチオン性界面活性剤と、
(c)蛋白質(誘導体及び加水分解物含む)及び/又は塩基性アミノ酸誘導体と
を含有することを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
Z−{O−[(AO)−(EO)]−R}2 (I)
(式中、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。aおよびbは、各々前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150であり、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【請求項2】
請求項1に記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体のZが炭素数24〜48のダイマージオール残基であることを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記(a)一般式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.01〜10質量%配合することを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記(b)カチオン性界面活性剤が、下記一般式(II)で示される第4級アンモニウム塩であることを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【化1】

(式中、Rは炭素数14〜22のアルキル基又はヒドロキシル基を表し、R,R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜2のアルキル硫酸基を表す。)
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記(b)カチオン性界面活性剤が、下記一般式(III)で示されるアミドアミン化合物、又はその酸付加塩であることを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
CONH(CHnN(R (III)
(式中、Rは炭素数13〜23の高級脂肪酸の残基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の毛髪コンディショニング組成物において、さらに油分を含有することを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の毛髪コンディショニング組成物において、前記油分が液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする毛髪コンディショニング組成物。

【公開番号】特開2009−29738(P2009−29738A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194502(P2007−194502)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】