説明

毛髪処理剤

【課題】毛髪のしっとり感、毛先までのまとまり、毛髪の柔らかさ、毛髪に触れたときのすべり感を良好にする毛髪処理剤の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、カチオン界面活性剤と、脂肪酸およびコレステロールのエステルであるコレステロールエステルと、脂肪酸4分子およびペンタエリスリトール1分子のエステルであるペンタエリスリトールエステルとが配合された毛髪処理剤である。配合するペンタエリスリトールエステルの配合量は、6.0質量%以下が好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のしっとり感などを付与するトリートメント効果がある毛髪処理剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラッシング、ドライヤー乾燥などの日常的な処理により毛髪が損傷を受け、また、ヘアカラー、パーマネントウェーブなどの処理によっても毛髪が損傷を受ける。損傷した毛髪の外観や触感は、未損傷の毛髪よりも当然に劣るものとなる。このような事情もあって、コンディショニング作用を奏することが知られているカチオン界面活性剤を配合した毛髪処理剤が使用され、この処理剤の改良提案が数多くされている。例えば、特許文献1には、炭素数6〜9の飽和分岐二価アルコールとネオペンタン酸とのジエステルを含有する化粧料を毛髪のトリートメントに使用できることが開示され、その化粧料には、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチルなどの数多くの化合物から任意に選択したものを油性基剤として含ませて良いとされている。
【0003】
上記の通り、毛髪処理剤の改良が提案されてきているが、損傷した毛髪へのトリートメント効果を高めることが常に求められており、毛髪のしっとり感に優れ、毛先まで良くまとまり、毛髪が柔らかく、毛髪に触れたときのすべり感が良好なトリートメント効果がある毛髪処理剤も望まれているところである。
【0004】
【特許文献1】特開2005−206573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、毛髪のしっとり感、毛先までのまとまり、毛髪の柔らかさ、毛髪に触れたときのすべり感を良好にする毛髪処理剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、カチオン界面活性剤が配合される毛髪処理剤に適したエステルに関する検討を行なった結果、コレステロールエステルを配合すると、しっとり感、まとまり、柔らかさが良好になる知見を得た。また、更に所定のペンタエリスリトールエステルを配合すると、コレステロールエステルによるしっとり感などを損なうことなく、すべり感が良好になる知見を得た。以上の知見から、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る毛髪処理剤は、カチオン界面活性剤と、脂肪酸およびコレステロールのエステルであるコレステロールエステルと、脂肪酸4分子およびペンタエリスリトール1分子のエステルであるペンタエリスリトールエステルとが配合されたことを特徴とする。ペンタエリスリトールエステルの配合量が6.0質量%以下であると、すべり感が特に良好になる。
【0008】
本発明に係る毛髪処理剤におけるカチオン界面活性剤として、下記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩(I)が配合されていると良い。
【化1】

[一般式(I)において、R1は炭素数12〜22のアルキル基を表し、R2はメチル基または炭素数12〜22のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。]
【0009】
本発明に係る毛髪処理剤は、炭素数12〜22の一価アルコール(II)から選択されたアルコール(IIa)およびアルコール(IIa)よりも炭素数が多いアルコール(IIb)が配合されたものが良い。アルコール(IIa)よりもアルコール(IIb)の配合量が多いと、しっとり感、まとまりがより良好になる上に、これらの毛先までの均一感も良くなる。
【0010】
洗髪後の毛髪トリートメントにも、本発明に係る毛髪処理剤を好適に使用できる。
【発明の効果】
【0011】
カチオン界面活性剤とコレステロールエステルが配合された本発明に係る毛髪処理剤によれば、毛髪のしっとり感、毛先までのまとまり、毛髪の柔らかさを良好にすることができる。また、本発明に係る毛髪処理剤には、更に所定のペンタエリスリトールエステルが配合されているので、前記しっとり感などを損なうことなく、毛髪に触れたときのすべり感を良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施形態に係る毛髪処理剤に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態に係る毛髪処理剤は、水と共に、カチオン界面活性剤、コレステロールエステル、およびペンタエリスリトールエステルが配合されたものである。また、アルコールが配合されたものであっても良く、公知となっている毛髪処理剤原料が配合されたものでも良い。
【0013】
本実施形態に係る毛髪処理剤に配合されるカチオン界面活性剤は、一種または二種以上配合されていると良く、その配合量は、10質量%以下が通常であり、6.0質量%以下であると良い。当該界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩などのアミン塩;トリメチル4級アンモニウム塩、ジメチル4級アンモニウム塩、モノメチル4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩などのアルキル4級アンモニウム塩;が挙げられる。
【0014】
トリメチル4級アンモニウム塩、および/または、ジメチル4級アンモニウム塩をカチオン界面活性剤として選択する場合、下記式一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩(I)から選択された一種または二種以上を採用すると良い。
【化2】

上記一般式(I)において、R1は炭素数12〜22(好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18)のアルキル基を表し、R2はメチル基または炭素数12〜22(好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18)のアルキル基を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子(好ましくは臭素)を表す。
【0015】
下記一般式(Ia)で表される第4級アンモニウム塩(Ia)から選択された一種または二種以上を、第4級アンモニウム塩(I)として使用することが好ましい。
【化3】

一般式(Ia)において、R3は炭素数12〜22(好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18)のアルキル基を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表す。
【0016】
第4級アンモニウム塩(Ia)を構成するトリメチル4級アンモニウムとしては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ベヘニルトリメチルアンモニウムが挙げられる。毛先の柔らかさの観点からは、ステアリルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。
【0017】
第4級アンモニウム塩(Ia)の配合量は、毛髪の柔らかさをより良好にするには、1.5質量%以上が良く、2.0質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましい。一方の配合量の上限は、特に限定されないが、5.0質量%であると良い。
【0018】
下記一般式(Ib)で表される第4級アンモニウム塩(Ib)から選択された一種または二種以上を、第4級アンモニウム塩(Ia)と併用すれば、毛髪のしっとり感、まとまり、柔らかさをより良好にすることも可能である。
【化4】

一般式(Ib)において、R4は炭素数12〜22(好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18)のアルキル基を表わし、R5は炭素数12〜22(好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18)のアルキル基を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子(好ましくは臭素)を表す。
【0019】
第4級アンモニウム塩(Ib)を構成するジメチル4級アンモニウムとしては、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジミリスチルジメチルアンモニウム、ジセチルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ジベヘニルジメチルアンモニウムが挙げられる。
【0020】
第4級アンモニウム塩(Ib)の配合量は、0.75質量%未満であると良く、0.50質量%以下が好ましい。
【0021】
本実施形態に係る毛髪処理剤に配合されるコレステロールエステルは、特に限定されないが、炭素数10〜28の脂肪酸とコレステロールとのエステルを一種または二種以上選択していると良い。
【0022】
コレステロールエステルを構成するための脂肪酸は、直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸、α−ヒドロキシ脂肪酸など、特に限定されない。例えば、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。
【0023】
ラノリン脂肪酸エステルは、炭素数10〜28の脂肪酸を含むラノリン脂肪酸とコレステロールとをエステル化して得られるものであり、これを上記コレステロールエステルとして使用することが好ましい。また、軟質ラノリン脂肪酸エステルおよび硬質ラノリン脂肪酸エステルが市販されており、軟質ラノリン脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
【0024】
コレステロールエステルの配合量は、特に限定されず、3.0質量%以下であると良く、1.0質量%以下が好ましく、0.50質量%以下がより好ましい。配合量の下限は、0.10質量%であると良い。
【0025】
本実施形態に係る毛髪処理剤に配合されるペンタエリスリトールエステルは、脂肪酸4分子とペンタエリスリトール1分子とのエステルであり、例えば、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトールが挙げられる。ペンタエリスリトールエステルを一種のみ使用しても良く、二種以上を使用しても良い。
【0026】
ペンタエリスリトールエステルの配合量は、毛髪に触れたときのすべり感を良好にするためには0.50質量%以上であると良く、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましい。また、多く配合することですべり感が低下することがあるので、その配合量は、6.0質量%以下が良く、4.5質量%が好ましい。
【0027】
炭素数12〜22の一価アルコール(II)を配合することは、本実施形態に係る毛髪処理剤において好ましい。毛髪のしっとり感、まとまり、毛先までの均一感を良化させるためには、一価アルコール(II)から選択されたアルコール(IIa)と当該アルコール(IIa)よりも炭素数が多いアルコール(IIb)を併用すると良く、アルコール(IIa)よりもアルコール(IIb)の配合量を多くすることが好ましく、アルコール(IIa)1.0質量部に対してアルコール(IIb)を1.5〜2.5質量部にすることがより好ましい。
【0028】
一価アルコール(II)としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状飽和アルコール;オレイルアルコールなどの直鎖状不飽和アルコール;オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノールなどの分岐状飽和アルコールが挙げられ、これらのうちの一種のみを使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0029】
一価アルコール(II)の配合量の下限は、特に限定されないが、毛髪処理剤の粘性を高め、乳化安定性を高めるには1.0質量%が良く、2.0質量%が好ましく、3.0質量%がより好ましい。他方、上限量は、特に限定されないが、ポンプ式容器から容易に吐出できる粘性の毛髪処理剤にするためには15質量%であると良く、10質量%が好ましい。
【0030】
本発明の効果を損なうことがないかぎり、上記の通り、公知となっている毛髪処理剤原料を本実施形態に係る毛髪処理剤に配合しても良い。その原料としては、例えば、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油などの植物油;ラノリン、カルナウバロウなどのロウ;エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルジエタノールアミドなどのノニオン界面活性剤;イミダゾリンベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタインなどの両性界面活性剤;ヒアルロン酸塩、タンパク加水分解物などのコンディショニング剤;シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーン誘導体;安息香酸塩、メチルイソチアゾリノンなどの防腐剤;ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロールなどの酸化防止剤;pH調整剤;エデト酸塩などのキレート剤;香料;が挙げられる。
【0031】
本実施形態に係る毛髪処理剤のpHは、例えば、5.8〜6.8(温度25℃での測定値)である。また、粘度は、適宜設定されるべきものであり、例えば、B型粘度計を使用して25℃、ローターNo.4、12rpmで計測した60秒後の値が15000〜45000mPa・sである。
【0032】
本実施形態の毛髪処理剤は、シャンプーによる洗髪後、乾燥前の毛髪トリートメントに使用することが好適なものである。また、コンディショニングシャンプー、リンスインシャンプー、パーマネントウェーブ用剤、ストレートパーマ剤、酸化染毛剤、ヘアブリーチ、ヘアカラープレトリートメント、ヘアカラーアフタートリートメント、パーマプレトリートメント、パーマアフタートリートメント、ヘアマニキュアなどにも適用しても良い。
【実施例】
【0033】
以下に、本発明の実施例に係る毛髪処理剤などを挙げつつ、本発明をより具体的に説明する。
【0034】
(毛髪処理剤)
水に原料を配合して、下記表1〜5に示す濃度(単位:質量%)の毛髪処理剤の乳化物を調製した。なお、臭化セチルトリメチルアンモニウムの配合には東邦化学工業社製「カチナールHTB−70ET」を使用し、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムの配合には東邦化学工業社製「カチナールSTB−70」を使用し、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムの配合には日光ケミカルズ社製「NIKKOL CA3475V」を使用し、ヤシ油脂肪酸ショ糖エステルの配合には第一工業製薬社製「DKエステル S−L18A」を使用した。
【0035】
(評価方法)
シャンプーで洗髪した頭髪に上記調製した約3gの毛髪処理剤を塗布し、揉み込んだ。このとき、頭髪の左半分に塗布した毛髪処理剤と右半分に塗布した毛髪処理剤は、異なるものとした。その後、頭髪を水洗し、ドライヤーで乾燥した。乾燥後、毛髪のしっとり感・毛先までのまとまり(しっとり感・まとまり)、毛髪の柔らかさ(柔らかさ)、毛髪に触れたときのすべり感(すべり感)について、左半分と右半分の毛髪の直接対比評価を専門の評価者2〜3名が行った。
【0036】
上記毛髪処理剤の評価では、以下のシャンプーA〜Cのいずれかを使用した。
シャンプーA:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム11.0質量%、ラウロイルシルクアミノ酸ナトリウム0.4質量%、およびアシルリンゴアミノ酸ナトリウム3.0質量%と共に、アミノ変性シリコーン、コンディショニング成分、香料などを水に配合したシャンプー。
【0037】
シャンプーB:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム11.0質量%、ラウロイルシルクアミノ酸ナトリウム0.4質量%、およびアシルリンゴアミノ酸ナトリウム2.0質量%と共に、アミノ変性シリコーン、コンディショニング成分、香料などを水に配合したシャンプー。
【0038】
シャンプーC:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.6質量%、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール0.02質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム7.0質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム4.0質量%、ラウロイルシルクアミノ酸ナトリウム0.4質量%、およびアシルリンゴアミノ酸ナトリウム2.0質量%、と共に、アミノ変性シリコーン、コンディショニング成分、香料などを水に配合したシャンプー。
【0039】
シャンプーD:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.3質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム11.0質量%、およびポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム3.0質量%と共に、アミノ変性シリコーン、コンディショニング成分、香料などを水に配合したシャンプー。
【0040】
毛髪処理剤の評価結果を、配合した原料濃度(単位:質量%)と共に、下記表1〜5に示す。なお、表中の「しっとり感・まとまり」などの評価結果は、数値が高いほど良い評価結果であったことを表している。
【0041】
【表1】

【0042】
表1では、毛髪処理剤1aと1bとが対比対象であり、2aと2bとが対比対象であり、3aと3bとが対比対象である。表1において、ジペンタエリスリトールエステル(トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスチル)を配合した1bよりも、コレステロールエステル(ラノリン脂肪酸コレステリル)を配合した1aのしっとり感・まとまりが優れていたことを確認できる。コレステロールエステル(ラノリン脂肪酸コレステリル)とペンタエリスリトールエステル(テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット)を併用した本発明の毛髪処理剤2bは、2a(1aと同じ配合組成)としっとり感・まとまりに差がないだけでなく、すべり感に優れていたことを確認できる。そして、本発明に係る毛髪処理剤3aと同毛髪処理剤3bとの対比から、ペンタエリスリトールエステルの量を増加させるにつれてすべり感が低下する傾向を確認できることから、そのエステル量を6.0質量%以下にすることが、柔らかさ、すべり感の観点から好適であることが分かる。
【0043】
【表2】

【0044】
表2の毛髪処理剤4a〜4cの対比により、本発明に係る毛髪処理剤においては、第4級アンモニウム塩(Ia)の量を増加させると柔らかさの観点から好適であることを確認でき、その塩の配合量を1.5質量%以上にすることが好適であることが分かる。
【0045】
【表3】

【0046】
表3において、本発明に係る毛髪処理剤に第4級アンモニウム塩(Ib)を配合する場合には、その塩の配合量を0.75質量%未満にすることが特に好適であることを確認できる。
【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
表4、5から、しっとり感・まとまり、毛先までの均一感を良好にするには、アルコール(IIa)およびアルコール(IIb)の併用が好適であることを確認できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン界面活性剤と、脂肪酸およびコレステロールのエステルであるコレステロールエステルと、脂肪酸4分子およびペンタエリスリトール1分子のエステルであるペンタエリスリトールエステルとが配合されたことを特徴とする毛髪処理剤。
【請求項2】
前記ペンタエリスリトールエステルの配合量が、6.0質量%以下である請求項1に記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
前記カチオン界面活性剤として下記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩(I)が配合された請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
【化1】

[一般式(I)において、R1は炭素数12〜22のアルキル基を表し、R2はメチル基または炭素数12〜22のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。]
【請求項4】
炭素数12〜22の一価アルコール(II)から選択されたアルコール(IIa)およびアルコール(IIa)よりも炭素数が多いアルコール(IIb)が配合された請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
【請求項5】
アルコール(IIa)よりもアルコール(IIb)の配合量が多い請求項4に記載の毛髪処理剤。
【請求項6】
洗髪後の毛髪トリートメントに用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。

【公開番号】特開2010−138107(P2010−138107A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315891(P2008−315891)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(592255176)株式会社ミルボン (138)
【Fターム(参考)】