説明

毛髪処理用組成物

【課題】施術の際には毛髪上での延びがよく使用性に優れ、施術中の毛髪の損傷を防止して施術後の毛髪に優れた指どおり性と毛髪本来の自然な艶を付与し、しかも酸化染毛剤として用いた場合には、毛髪の均染性にも優れる毛髪処理用組成物を提供すること。
【解決手段】ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と1,2−アルカンジオールとを含有し、所望により炭化水素類及び/又はシリコーン類を含有することを特徴とする毛髪脱色剤用又は酸化染毛剤用の毛髪処理用組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理用組成物に関する。詳しくは、毛髪脱色剤や酸化染毛剤として用いる毛髪処理用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪脱色剤は脱色効果が優れていることから、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを使用時に混合するニ剤式の毛髪脱色剤が主流となっている。また、染毛剤は効果が持続的であり、元の毛髪よりも明るい色調に染毛が容易なことから、アルカリ剤と酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを使用時に混合するニ剤式の酸化染毛剤が主流となっている。
【0003】
二剤式の毛髪脱色剤は、使用時にアルカリ剤と過酸化水素とが作用して酸素を発生させ、これにより毛髪中のメラニン色素を分解して毛髪を脱色する。また、二剤式の酸化染毛剤は、発生した酸素が毛髪中のメラニン色素を酸化分解すると共に、酸化染料を毛髪内で酸化重合することにより毛髪を染毛する。
【0004】
このように、毛髪脱色剤および酸化染毛剤は共にアルカリ剤を用いるため、毛髪表面のケラチン蛋白が分解されて毛髪が損傷し、施術後の毛髪は指どおり性に劣り、艶にも劣るといった問題を有している。また、酸化染毛剤は、毛髪上で染料の酸化重合反応を行なう必要があるため、第1剤と第2剤との混合状態に拠っては毛髪が均一に染まりにくいといった問題がある。
【0005】
このような問題を解決するため、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体と蛋白質加水分解物とを含有した染毛剤(特許文献1参照)、2−(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンと特定の二種以上の蛋白質加水分解物を含有する酸化染毛剤(特許文献2参照)、海洋性コラーゲン加水分解物とシリコーン誘導体とを含有する染毛剤(特許文献3参照)などが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−338443号公報
【特許文献2】特開2002−226339号公報
【特許文献3】特開2005−343826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これら技術は、蛋白加水分解物を用いて毛髪に艶や指どおり性などを付与しようとするものであり、その付与される効果は未だ満足できるものではない。
【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされ、施術の際には毛髪上での延びがよく使用性に優れ、施術中の毛髪の損傷を防止して施術後の毛髪に優れた指どおり性と毛髪本来の自然な艶を付与し、しかも酸化染毛剤として用いた場合には、毛髪の均染性にも優れる毛髪処理用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、
〔1〕ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、1,2−アルカンジオールとを含有することを特徴とする毛髪脱色剤用又は酸化染毛剤用の毛髪処理用組成物、
〔2〕炭化水素類を含有することを特徴とする〔1〕に記載の毛髪処理用組成物、並びに
〔3〕シリコーン類を含有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の毛髪処理用組成物
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪処理用組成物は、施術の際には毛髪上での延びがよく使用性に優れ、施術中の毛髪の損傷を防止して施術後の毛髪に優れた指どおり性と、毛髪本来の艶を付与するという効果を奏する。また、本発明の毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤として使用すると、前記効果に加え、毛髪の均染性にも優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の毛髪処理用組成物には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、1,2−アルカンジオールとを含有する。
【0012】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの付加モル数は特に限定されないが、毛髪上での延び、並びに施術後の均染性が良好な観点から、付加モル数が5〜100であるものが好ましく、付加モル数が10〜50であるものがより好ましい。
【0013】
その含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されないが、毛髪上での延び、並びに施術後の均染性が良好な観点から、組成物中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは1%以上である。また、施術中の皮膚刺激を抑制する観点から、組成物中、10重量%以下が好ましく、より好ましくは8重量%以下である。これらから、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは、1〜8重量%である。
【0014】
本発明に用いられる1,2−アルカンジオールは、下記式(1)で表される構造を有する。
【0015】
R−CH(OH)−CH−OH (1)
(Rは直鎖のアルキルを表す。)
【0016】
用い得る1,2−アルカンジオールとしては、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオールの炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールなどを挙げることができ、これらの1種を単独で、或いは2種以上を適宜組合わせて用いることもできる。
【0017】
1,2−アルカンジオールの含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されないが、施術中の毛髪の損傷を防ぎ、施術後の毛髪の保湿性を向上させるという観点から、組成物中、0.01重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上である。また、製剤の保存安定性の観点から、組成物中、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。これらから、1,2−アルカンジオールの含有量は、0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜3重量%である。
【0018】
本発明の毛髪処理用組成物には、毛髪への滞留性を向上し本発明の効果をより発揮させる観点、並びに製剤の保存安定性を良好にする観点から、更に、炭化水素類を含有させることができる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等を例示することができる。なかでも、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の室温で固形の炭化水素類を用いるのが好ましく、マイクロクリスタリンワックスを用いるのが特に好ましい。尚、本発明における室温とは、1〜30℃の雰囲気下を言う。
【0019】
炭化水素類は、これらのうちの1種を単独で、或いは2種以上を適宜組合せて用いることもできる。その含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されないが、毛髪への滞留性、並びに保存安定性を向上させる観点から、組成物中、0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上である。また、毛髪上での延びを良好にする観点から、組成物中、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。これらから、炭化水素類の含有量は、好ましくは、0.05〜5重量%であり、より好ましくは、0.1〜3重量%である。
【0020】
本発明の毛髪処理用組成物には、施術後の毛髪の艶を良好にする観点から、更に、シリコーン類を含有させることができる。具体的には、例えば、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシリルアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン誘導体;ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体等のアルコール変性シリコーン;ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体等のポリオキシアルキレン変性シリコーン;メチルシクロポリシロキサン等の環状シリコーン;ポリグリセリル−3・ジシロキサン・ジメチコン等のポリグリセリン変性シリコーン;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等を例示することができ、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレン変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーン等のその他の変性シリコーン類であっても良い。これらのうち、施術後の指どおり性、並びに毛髪の艶を良好にする観点から、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを好ましく用いることができる。
【0021】
シリコーン類は、これらのうちの1種を単独で、或いは2種以上を適宜組合せて用いることもできる。その含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されないが、施術後の指どおり性、並びに毛髪の艶を良好にする観点から、組成物中、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。また、製剤の保存安定性の観点から、組成物中、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。これらから、シリコーン類の含有量は、好ましくは、0.01〜10重量%であり、より好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0022】
本発明に用いられるアルカリ剤としては、特に限定はなく、例えば、アンモニア、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用いることができる。
【0023】
アルカリ剤の含有量は特に限定されないが、染毛力の観点から、組成物中、0.01重量%以上とするのが好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また、毛髪損傷防止効果の観点から、組成物中、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。これらから、好ましい含有量は、0.01〜20重量%であり、より好ましくは、0.1〜10重量%である。
【0024】
本発明に用いられる酸化剤としては、酸化作用を発揮すれば特に限定されないが、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸アルカリ金属等が挙げられる。これらのうち、過酸化水素を用いるのが好ましく、通常、過酸化水素水として用いられる。
【0025】
酸化剤の含有量は、酸化作用を発揮し毛髪の損傷を抑制する観点から、組成物中、0.1〜5重量%とするのが好ましく、0.5〜4重量%とするのがより好ましい。
【0026】
また、本発明の毛髪処理用組成物を酸化染毛剤として用いる場合、上記に加えて更に酸化染料が含有される。本発明に用いられる酸化染料としては、酸化染料前駆体やカップラーなどの酸化染毛剤に用いられる染料であり、例えば、酸化染料前駆体としては、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、ジアミノピリジン類、及びそれらの塩酸塩、硫酸塩等の塩類等が挙げられる。具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、2,5−ジアミノアニソール、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−メチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、6−メトキシ−3−メチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、2−クロル−6−メチル−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2,6−ジクロル−p−フェニレンジアミン、2−クロル−6−ブロム−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、5−アミノサリチル酸、2−メチル−4−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2,6−ジメチル−4−アミノフェノール、3,5−ジメチル−4−アミノフェノール、2,3−ジメチル−4−アミノフェノール、2,5−ジメチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、3−クロロ−4−アミノフェノール等のアミノフェノール類;2,5−ジアミノピリジン等のジアミノピリジン類等及びそれらの塩類等を例示することができる。
【0027】
カップラーとしては、レゾルシン、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、5−アミノ−o−クレゾール、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,6−ジアミノピリジン、カテコール、ピロガロール、没食子酸、タンニン酸等及びそれらの塩類等を例示することができる。
【0028】
その他としては、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行,薬事日報社)に収載されているものも適宜、用いることもできる。また、上記した酸化染料前駆体及びカップラーは、これのうちの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、少なくとも、酸化染料前駆体を用いることが好ましい。尚、酸化染料の含有量は、染毛性及び皮膚刺激等の安全性の観点から、組成物中、0.01〜10重量%程度であれば良い。
【0029】
また、酸化染料の製剤保存中での酸化を防止する観点から、アスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸誘導体を含有させることができる。用いることのできるアスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、クエン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド等が挙げられる。これらアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体のほか、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、チオ乳酸、チオグリコール酸、L−システイン、N−アセチル−L−システインおよびこれらの塩などの酸化防止剤を使用しても良い。
【0030】
本発明の毛髪処理用組成物には、上記した成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソステアリル、ステアリン酸ステアリル等のエステル;アボガド油、オリーブ油、サフラワー油、硬化油等の動植物油;ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン等のノニオン界面活性剤;エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルアミン塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等の脂肪酸アミドアミン塩などのカチオン界面活性剤;高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩等のアニオン界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤;赤色2号、赤色102号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黒色401号等の色素;カチオン性高分子、加水分解ペプチド、pH安定剤、キレート剤、増粘剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、各種アミノ酸、植物抽出エキス、香料、水等を目的に応じて適宜含有させることができる。
【0031】
尚、本発明の毛髪処理用組成物をニ剤式の毛髪脱色剤として用いる場合、上記した成分のうち、第1剤中にアルカリ剤を含有させ、第2剤中に酸化剤を含有させ、使用時に第1剤と第2剤とを通常1:5〜5:1の割合で混合して使用すれば良い。また、ニ剤式の酸化染毛剤として用いる場合は、前記毛髪脱色剤の第1剤に更に酸化染料を含有させて用いればよい。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。尚、含有量は、特記しない限り「重量%」を表す。また、ポリオキシエチレンの付加モル数は、例えば、付加モル数20モルの場合、POE(20)硬化ヒマシ油の様に表記する。
【0033】
〔試料の調製〕
表1及び表2に記した組成に従い、酸化染毛剤第1剤をそれぞれ定法により調製した。また、酸化染毛剤第2剤として、下記処方のものを定法により調製した。得られた第1剤と第2剤とを重量比1:1で混合し、実施例および比較例の酸化染毛剤としての毛髪処理用組成物を得た。
【0034】
(第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
60%ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.2
85%リン酸 0.01
精製水 残 部
合 計 100.0
【0035】
〔試験例1;毛髪処理用組成物の評価〕
上記で得た毛髪処理用組成物の各試料を、重さ3g、長さ10cmの白色人毛毛束に均一に塗布した後、30℃の雰囲気下で20分間放置した。シャンプーを用いて薬剤を水洗後、ドライヤーで乾燥した。
【0036】
20名の専門パネラーにより、施術時(塗布時)の毛束上での延び、施術後(乾燥後)の均染性、指どおり性(平滑性)、艶の各項目について、下記評価基準に従い評価した。結果を表1および表2に記す。
【0037】
(施術時の延びの評価基準)
◎:20名中16名以上が延びがよいと回答
○:20名中11〜15名が延びがよいと回答
△:20名中6〜10名が延びがよいと回答
×:20名中5名以下が延びがよいと回答
【0038】
(均染性の評価基準)
◎:20名中16名以上が均一に染毛され白髪が目立たないと回答
○:20名中11〜15名が均一に染毛され白髪が目立たないと回答
△:20名中6〜10名が均一に染毛され白髪が目立たないと回答
×:20名中5名以下が均一に染毛され白髪が目立たないと回答
【0039】
(指どおり性の評価基準)
◎:20名中16名以上が指どおりがよいと回答
○:20名中11〜15名が指どおりがよいと回答
△:20名中6〜10名が指どおりがよいと回答
×:20名中5名以下が指どおりがよいと回答
【0040】
(艶の評価基準)
◎:20名中16名以上が毛髪の艶が自然な艶であると回答
○:20名中11〜15名が毛髪の艶が自然な艶であると回答
△:20名中6〜10名が毛髪の艶が自然な艶であると回答
×:20名中5名以下が毛髪の艶が自然な艶であると回答
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
表1〜2の結果から、本発明の毛髪処理用組成物は、施術時には毛髪上での延びがよく使用性に優れ、施術後の毛髪は、優れた指どおり性と毛髪本来の自然な艶が付与されることが分かる。また、酸化染毛剤として用いると、均染性に優れることが分かる。
【0044】
以下、本発明の毛髪処理用組成物の処方例を示す。尚、配合量は「重量%」を表す。
【0045】
〔処方例1〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 5.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.5
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
ポリオキシエチレン(50)・
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
マイクロクリスタリンワックス 1.0
セチルアルコール 4.0
オレイルアルコール 2.0
グリセリン 2.0
1,2−オクタンジオール 1.0
モノエタノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
炭酸アンモニウム 0.8
パラフェニレンジアミン 0.4
レゾルシン 0.35
塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール 0.03
メタアミノフェノール 0.05
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
精製水 残 部
合 計 100.0
【0046】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
精製水 残 部
合 計 100.0
【0047】
〔処方例2〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 5.0
ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル 2.0
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
ポリオキシエチレン(50)・
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
パラフィン 1.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
エチルジメチルアンモニウム 1.0
ステアリルアルコール 4.0
イソステアリルアルコール 2.0
1,2−オクタンジオール 1.0
モノエタノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
パラフェニレンジアミン 0.4
パラアミノフェノール 0.2
レゾルシン 0.35
メタアミノフェノール 0.05
L−システイン塩酸塩 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
L−グルタミン酸 0.1
精製水 残 部
合 計 100.0
【0048】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
精製水 残 部
合 計 100.0
【0049】
〔処方例3〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 5.0
ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル 2.5
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
ポリオキシエチレン(50)・
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
ベヘニルアルコール 4.0
軽質流動イソパラフィン 2.0
ポリグリセリン 2.0
1,2−オクタンジオール 1.0
イソプロパノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
炭酸アンモニウム 0.8
パラフェニレンジアミン 0.4
レゾルシン 0.35
メタアミノフェノール 0.05
5-(2-ヒドロキシアミノ)-2-メチルフェノール 0.2
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
パンテノール 0.1
精製水 残 部
合 計 100.0
【0050】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
精製水 残 部
合 計 100.0
【0051】
〔処方例4〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 5.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.5
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・
ジメチルシロキサン共重合体 1.0
ワセリン 1.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
トリエチルアンモニウム 1.0
セチルアルコール 4.0
オレイルアルコール 2.0
ジグリセリン 2.0
1,2−ヘキサンジオール 1.0
モノエタノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
炭酸アンモニウム 0.8
硫酸トルエン−2,5-ジアミン 0.4
レゾルシン 0.35
5−アミノオルトクレゾール 0.03
メタアミノフェノール 0.05
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
ビワ葉エキス 0.1
精製水 残 部
合 計 100.0
【0052】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
精製水 残 部
合 計 100.0
【0053】
〔処方例5〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 3.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.0
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
マイクロクリスタリンワックス 1.0
セチルアルコール 3.0
オレイルアルコール 2.0
グリセリン 2.0
1,2−ペンタンジオール 1.0
アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・
ジメチルシロキサン共重合体 1.0
モノエタノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
炭酸アンモニウム 0.8
パラフェニレンジアミン 0.4
レゾルシン 0.35
塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール 0.03
メタアミノフェノール 0.05
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
水溶性コラーゲン 0.1
精製水 残 部
合 計 100.0
【0054】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.5
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.0
ポリオキシエチレン(50)・
メチルポリシロキサン共重合体 0.5
セタノール 2.0
60%ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.2
85%リン酸 0.01
精製水 残 部
合 計 100.0
【0055】
〔処方例6〕
(酸化染毛剤第1剤)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 5.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.5
30%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
ホホバ油 0.5
ポリオキシエチレン(50)・
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
マイクロクリスタリンワックス 1.0
セチルアルコール 4.0
オレイルアルコール 2.0
グリセリン 2.0
1,2−ペンタンジオール 1.0
モノエタノールアミン 4.0
28%アンモニア水 3.0
炭酸アンモニウム 0.8
無水亜硫酸ナトリウム 0.5
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.2
精製水 残 部
合 計 100.0
【0056】
(酸化染毛剤第2剤)
35%過酸化水素水 16.5
精製水 残 部
合 計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、1,2−アルカンジオールとを含有することを特徴とする毛髪脱色剤用又は酸化染毛剤用の毛髪処理用組成物。
【請求項2】
1,2−アルカンジオールが、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールであることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項3】
炭化水素類を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項4】
炭化水素類が、室温で固形の炭化水素類であることを特徴とする請求項3に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項5】
シリコーン類を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪処理用組成物。
【請求項6】
シリコーン類が、ポリオキシアルキレン変性シリコーンであることを特徴とする請求項5に記載の毛髪処理用組成物。

【公開番号】特開2008−127307(P2008−127307A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312386(P2006−312386)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】