説明

毛髪色彩調整用粉末組成物

【課題】洗い流し時における毛髪の感触が良い毛髪色彩調整剤を調製できる毛髪色彩調整用粉末組成物の提供。
【解決手段】本発明の毛髪色彩調整用粉末組成物は、水と、又は液状等の組成物と混合されて、毛髪に塗布される毛髪色彩調整剤となり、第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤からなる(A)成分、及び2価の陰イオンを含む塩からなる(B)成分を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の染色又は脱色に用いられる毛髪色彩調整用粉末組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪を染色し又は脱色(脱染を含む)することにより、毛髪の色彩を調整すること(以下、単に「毛髪色彩調整処理」ということがある。)が行われている。この毛髪色彩調整処理は、酸化染料、酸化剤等を含む液状等の毛髪色彩調整剤(例えば、ヘアカラー、脱色剤)を毛髪に塗布し、その塗布された毛髪色彩調整剤を毛髪に作用させて、毛髪を染色し又は脱色するものである。なお、毛髪に作用させた後の毛髪色彩調整剤は、水(温水)等で毛髪から洗い流される。
【0003】
この種の毛髪色彩調整剤は、使用される直前に、例えば、酸化染料等を含む毛髪色彩調整用組成物と、酸化剤等を含む他の組成物(又は水)とが混合されて調製される。そのため、この種の毛髪色彩調整剤は、使用前は、酸化染料等を含む毛髪色彩調整用組成物として保存されている。
【0004】

従来、この種の毛髪色彩調整用組成物として、固体状(通常、粉末状)のものが知られている。従来、粉末状の毛髪色彩調整用組成物(以下、単に「毛髪色彩調整用粉末組成物」ということがある。)の他に、液状、クリーム状等の形態のものも知られているが、近年、携帯して持ち運びが便利である、使用時の配合等の作業を行い易い等の事情により、粉末状の毛髪色彩調整用組成物が特に注目されている。毛髪色彩調整用粉末組成物は、水又は液状等の他の組成物と混合されて染色剤、脱色剤等の毛髪色彩調整剤となる。
【0005】
この毛髪色彩調整用粉末組成物としては、水又は液状等の他の組成物に徐々に加えられながら混合され、溶解されるものではなく、まとめて水等に加えられて容易に溶解され、均一に混合されるものが求められている。
【0006】
ところで毛髪色彩調整剤には、一般的に、毛髪を均一に染色する(又は脱色する)等の色彩調整能力と共に、毛髪の感触を良くする(例えば、柔らかくする、指通りを良くする)能力等の種々の能力が求められる。そのため、これらの能力を発揮させるための成分が、毛髪色彩調整用粉末組成物には、その目的に応じて配合されている。
【0007】
例えば、従来、毛髪の感触を良くするため、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが、毛髪色彩調整用粉末組成物に配合されることがあった(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−253812号公報
【特許文献2】特開2002−97120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の毛髪色彩調整用粉末組成物を用いて調製された毛髪色彩調製剤は、その毛髪色彩調整剤を洗い流す際の毛髪の感触が十分でないという問題があった。具体的には、洗い流す際に、毛髪がきしむように感じられ、また指通りが悪い等と感じられることがあった。
【0010】
本発明の目的は、洗い流し時における毛髪の感触が良い毛髪色彩調整剤を調製できる毛髪色彩調整用粉末組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、下記(A)成分及び(B)成分からなるものを含有する毛髪色彩調整用粉末組成物が、それより調製された毛髪色彩調製剤の洗い流し時における毛髪の感触を良くすることを知見した。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
【0012】
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とする毛髪色彩調整用粉末組成物。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
【0013】
<2> 下記(A)成分及び(B)成分を含有し、水と、又は酸化剤を含有する液状等の酸化剤組成物と混合されて、毛髪に塗布される毛髪色彩調整剤となることを特徴とする毛髪色彩調整用粉末組成物。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
前記「酸化剤を含有する液状等の酸化剤組成物」とは、酸化剤を含有し、かつ、毛髪色彩調整用粉末組成物を分散、溶解又は混合可能な流動性を有する組成物を意味する。
【0014】
<3> 下記(A)成分及び(B)成分を含有し、アルカリ剤を含有する液状等のアルカリ剤組成物及び酸化剤を含有する液状等の酸化剤組成物と混合され、毛髪に塗布される毛髪色彩調整剤となることを特徴とする毛髪色彩調整用粉末組成物。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
前記「アルカリ剤を含有する液状等の酸化剤組成物」とは、アルカリ剤を含有し、かつ、毛髪色彩調整用粉末組成物を分散、溶解又は混合可能な流動性を有する組成物を意味する。
前記「酸化剤を含有する液状等の酸化剤組成物」とは、酸化剤を含有し、かつ、毛髪色彩調整用粉末組成物を分散、溶解又は混合可能な流動性を有する組成物を意味する。
【0015】
<4> (A)成分の含有量が、毛髪色彩調整用粉末組成物中に3〜20質量%である前記<1>〜<3>の何れか1つに記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【0016】
<5> (B)成分として、硫酸塩、過硫酸塩、炭酸塩及び過炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する前記<1>〜<4>の何れか1つに記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【0017】
<6> (A)成分と(B)成分の含有量比(質量比)((B)成分/(A)成分)が、1〜40である前記<1>〜<5>の何れか1つに記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【0018】
<7> (B)成分として、酸化染料の硫酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する前記<1>〜<6>の何れか1つに記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、洗い流し時における毛髪の感触が良い毛髪色彩調整剤を調製できる毛髪色彩調整用粉末組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態の毛髪色彩調整用粉末組成物は、下記(A)成分及び(B)成分を含有するものである。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
【0021】
毛髪色彩調整用粉末組成物とは、毛髪に塗布されて、毛髪を染色又は脱色(脱染を含む)する毛髪色彩調整剤を調製するための原料であり、水又は液状等の他の組成物と混合される粉末状の組成物のことである。
前記「毛髪色彩調整剤」としては、例えば、ヘアカラー等の染色剤(染毛剤)、脱色剤(脱染剤)等が挙げられる。
前記「水」としては、例えば、水道水、温水、精製水、蒸留水、水を主成分とする稀釈剤等が挙げられる。
また、前記「液状等の組成物」とは、毛髪色彩調整用粉末組成物を分散、溶解又は混合可能な流動性を有する組成物を意味し、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状等の組成物を意味する。
【0022】
前記毛髪色彩調整用粉末組成物としては、具体的には、酸化染料を含有する酸化染毛剤(毛髪色彩調整剤)の原料(所謂、染色剤の第1剤)、水に溶解して使用される、酸化染料を含有する粉末染毛剤組成物、3剤式の脱色剤(脱染剤)(毛髪色彩調整剤)の粉末活性化剤組成物(所謂、脱色剤の第3剤)等が挙げられる。
また、前記毛髪色彩調整用粉末組成物としては、例えば、1剤式脱色剤(例えば、前記粉末染毛剤から酸化染料を除いたもの)、2剤式脱色剤の第1剤(例えば、前記染色剤の第1剤から酸化染料を除いたもの)等が挙げられる。
【0023】
(A)成分である第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤と、(B)成分である2価の陰イオンを含む塩とを組み合わせたものにより、毛髪色彩調整処理における毛髪色彩調整剤の洗い流し時の毛髪の感触が良くなる。この(A)成分と(B)成分とを組み合わせたものによって、毛髪色彩調整剤の洗い流し時における、毛髪のきしみ、すべりの悪さ、指の引っかかり等の毛髪の感触の悪さを抑制できる。
【0024】
(A)成分である第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム等の塩化長鎖ジアルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。なお、「長鎖アルキル」とは、炭素数が12〜22であるアルキル基のことである。
【0025】
(A)成分の毛髪色彩調整用粉末組成物における含有量(質量%)は、0.5〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が0.5質量%未満であると、洗い流し時における毛髪の感触を良くすることができない。(A)成分の含有量が30質量%を超えると、溶解性が低下することがある。
なお、(A)成分の含有量が、3〜20質量%の範囲にあると、洗い流し時における毛髪の感触を良くする効果がより顕著になる。
【0026】
(B)成分である2価の陰イオンを含む塩としては、例えば、硫酸塩、過硫酸塩、炭酸塩及び過炭酸塩が挙げられる。2価の陰イオンを含む塩は、毛髪色彩調整剤の調製時に、水又は液状等の他の組成物と混合された際、2価の陰イオンの供給源となり、その2価の陰イオンが(A)成分である第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤の水又は液状等の他の組成物等に対する分散性(溶解性)を向上させるものと推測される。その作用により、(A)成分である第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤の溶解量が向上し、毛髪の感触向上に寄与していると推測される。
【0027】
前記硫酸塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物、硫酸アンモニウム、硫酸パラフェニレンジアミン等が挙げられ、前記過硫酸塩としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられ、前記炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、前記過炭酸塩としては、例えば、過炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0028】
毛髪色彩調整用粉末組成物が、水と混合して使用される粉末染毛剤組成物(所謂、1剤式粉末染毛剤)の場合、(B)成分として、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物、及び過炭酸ナトリウムの少なくとも何れか1種を含有することが好ましい。
毛髪色彩調整用粉末組成物が、3剤式の脱色剤(脱染剤)の粉末活性剤組成物である場合、(B)成分として、過硫酸塩を含有することが好ましい。
毛髪色彩調整用粉末組成物には、(B)成分として硫酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩を配合することが好ましい。
【0029】
(B)成分の毛髪色彩調整用粉末組成物における含有量(質量%)は、1〜70質量%が好ましく、4〜50質量%がより好ましい。
【0030】
(A)成分及び(B)成分の毛髪色彩調整用粉末組成物における含有量比(質量比)((B)成分/(A)成分)は、0.5〜45が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜10が更に好ましい。
【0031】
毛髪色彩調整用粉末組成物は、(A)成分及び(B)成分の他に、染色、脱色又は脱染等の毛髪色彩調整処理の種類に応じ、及び仕上がり時の毛髪の感触を良くする等の種々の目的に応じて、適宜、他の成分を含有する。
【0032】
毛髪色彩調整用粉末組成物に含有される他の成分としては、例えば、酸化染料、酸性染料、塩基性染料、アルカリ剤、酸化剤、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、賦形剤、第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤以外の界面活性剤等が挙げられる。
【0033】
前記酸化染料は、酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物である。この酸化染料は、主要中間体及びカプラーに分類される。
前記主要中間体としては、例えば、パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、パラアミノフェノール等の化合物、及びこれらの化合物の塩類が挙げられる。塩類としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
前記カプラーとしては、例えば、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、及びそれらの塩類等が挙げられる。塩類としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0034】
酸化染料は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
酸化染料の毛髪色彩調整用粉末組成物における含有量(質量%)は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がより好ましい。
なお、毛髪色彩調整用粉末組成物が脱色剤に用いられる場合、酸化染料を毛髪色彩調整用粉末組成物に配合する必要はない。
【0035】
前記アルカリ剤は、例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物と混合される液状等の他の組成物に含まれる酸化剤の作用を促進する。前記アルカリ剤としては、例えば、塩化アンモニウム、アルギニン等が挙げられる。アルカリ剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0036】
前記酸化剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム・過酸化水素付加物等が挙げられる。酸化剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0037】
前記カチオン性ポリマーは、主として、仕上がり後の毛髪の感触を向上させる。カチオン性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、カチオン化セルロース、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−6(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム)、ポリクオタニウム−7(塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体)、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−63、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65等が挙げられる。カチオン性ポリマーは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0038】
前記アニオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム等が挙げられる。アニオン性ポリマーは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0039】
前記ノニオン性ポリマーとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。ノニオン性ポリマーは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0040】
前記賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、デキストリン、デンプン、乳糖、白糖等が挙げられる。賦形剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0041】
前記界面活性剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤(前記第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤を除く)、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ステアリン酸グリセリル等が挙げられる。前記界面活性剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0042】
<毛髪色彩調整処理>
毛髪色彩調整用粉末組成物は、染色又は脱色等のそれぞれの目的に応じて、適宜、水と、又は液状等の組成物と混合される。これらの混合には、公知の容器、撹拌棒等の混合器具を使用できる。
【0043】
(2剤式酸化染毛剤)
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、所謂、酸化染毛剤の原料(酸化染毛剤の第1剤)に相当する場合、この毛髪色彩調整用粉末組成物である第1剤は、過酸化水素等の酸化剤を含有する第2剤(酸化剤組成物)と混合される。第2剤の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状等が挙げられる。
前記酸化剤組成物には、過酸化水素等の酸化剤の他、セタノール等の高級アルコール、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル等のノニオン性界面活性剤、ジグリセリン等の溶剤、メチルポリシロキサン等のシリコーン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ポリクオタニウム−6(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム)等のカチオン性ポリマー、スズ酸ナトリウム等の安定化剤、EDTA等のキレート剤等の公知の酸化染毛剤の第2剤に含まれる成分が配合されてもよい。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種が配合されてもよい。
【0044】
(1剤式粉末染毛剤)
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、所謂、粉末染毛剤組成物に相当する場合、この毛髪色彩調整用粉末組成物である粉末染毛剤組成物は、水と混合される。
【0045】
(3剤式脱色・脱染剤組成物)
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、所謂、3剤式の脱色・脱染剤の粉末活性化剤組成物(所謂、脱色・脱染剤の第3剤)に相当する場合、この毛髪色彩調整用粉末組成物である第3剤は、アルカリ剤を含有する脱色・脱染剤の第1剤(アルカリ剤組成物)、及び酸化剤を含有する脱色・脱染剤の第2剤(酸化剤組成物)と混合される。脱色・脱染剤の第1剤及び第2剤の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状等が挙げられる。
【0046】
前記アルカリ剤組成物におけるアルカリ剤、及び前記酸化剤組成物における酸化剤としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ剤としてはアンモニア、モノエタノールアミン等、酸化剤としては過酸化水素等の公知のものから適宜選択される。
また、前記アルカリ剤組成物及び前記酸化剤組成物には、それぞれ公知の脱色・脱染剤の第1剤及び第2剤に含まれる成分、例えば、セタノール等の高級アルコール、流動パラフィン等の炭化水素、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル等のノニオン性界面活性剤、ジグリセリン等の溶剤、メチルポリシロキサン等のシリコーン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ポリクオタニウム−6(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム)等のカチオン性ポリマー、スズ酸ナトリウム等の安定化剤、EDTA等のキレート剤、クエン酸等のpH調整剤等が更に配合されてもよい。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されているものから選ばれる少なくとも一種が配合されてもよい。
【0047】
毛髪色彩調整用粉末組成物と、水又は液状等の他の組成物との混合比は、目的に応じて適宜選択される。
【0048】
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、酸化染毛剤の第1剤に相当する場合、この第1剤と、酸化剤を含有する第2剤(酸化剤組成物)との混合比(質量比)は、例えば、第1剤:第2剤=3:1〜1:10である。
【0049】
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、粉末染毛剤組成物に相当する場合、この粉末染毛剤と、水との混合比(質量比)は、例えば、粉末染毛剤:水=3:1〜1:10である。
【0050】
例えば、毛髪色彩調整用粉末組成物が、脱色・脱染剤の第3剤に相当する場合、この第3剤と、脱色・脱染剤の第1剤及び第2剤との混合比(質量比)は、例えば、第3剤:第1剤=3:1〜1:20であり、第3剤:第2剤=3:1〜1:20である。
【0051】
毛髪色彩調整用粉末組成物より調製された毛髪色彩調整剤は、櫛状、ブラシ状、ノズル状等の公知の塗布具、及び手等を用いて毛髪に塗布される。
【0052】
毛髪に塗布された毛髪色彩調整剤は、毛髪と作用させるために一定時間、放置される。一定時間放置された後、不要な毛髪色彩調整剤を洗い流すために、水又は温水で毛髪が濯がれる。なお、必要に応じて、シャンプー、コンディショナー(リンス)等を用いた毛髪処理を行ってもよい。
なお、本実施形態においては、毛髪色彩調整剤を洗い流す際、毛髪の指通りがよく、毛髪の感触がよい。
【0053】
不要な毛髪色彩調整剤を洗い流し、必要に応じて上記毛髪処理を行った後、毛髪は乾燥され、毛髪色彩調整処理が仕上げられる。
【実施例】
【0054】
以下に本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容によって限定されるものではない。
【0055】
〔酸化染毛剤〕
<第1剤の調製>
(実施例1〜6)
表1に示される各成分を配合することにより、実施例1〜6の酸化染毛剤の粉末状の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)を調製した。表1の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0056】
【表1】

【0057】
(比較例1〜5)
また、表2に示される各成分を配合することにより、比較例1〜5の酸化染毛剤の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)を調製した。表2の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0058】
【表2】

【0059】
各実施例1〜6の第1剤を、表3に示される酸化染毛剤の第2剤(クリーム)に添加し、これらを混合することにより、酸化染毛剤(毛髪色彩調整剤)を調製した。第1剤と、第2剤との混合比(質量比)は、第1剤:剤2剤=1:5である。なお、表3の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0060】
また、各比較例1〜5の第1剤を、上記実施例1と同様に、表3に示される第2剤に添加し、これらを混合することにより酸化染毛剤を調製した。
【0061】
【表3】

【0062】
<溶解性の評価>
上記酸化染毛剤(毛髪色彩調整剤)の調製時において、各実施例1〜6の粉末状の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)を、第2剤(クリーム)に添加し、これらを混合した際に、第1剤が凝集(所謂、ダマ)が形成されたか否かを目視で確認し、第1剤の溶解性を評価した。評価基準は、以下のとおりである。評価結果は、表1に示した。
評価5:毛髪色彩調整用粉末組成物のダマはほぼなく、非常に良好に溶解した。
評価4:毛髪色彩調整用粉末組成物のダマが少なく、良好に溶解した。
評価3:毛髪色彩調整用粉末組成物のダマが少なめであり、ある程度良好に溶解した。
評価2:毛髪色彩調整用粉末組成物のダマが多めであり、溶解に時間がかかった。
評価1:毛髪色彩調整用粉末組成物のダマが多く、溶解に非常に時間がかかった。
【0063】
なお、各比較例1〜5の第1剤についても、上記実施例1と同様にして、溶解性の評価を行った。その結果は、表2に示した。
【0064】
<染色処理>
各実施例1〜6の第1剤から調製された酸化染毛剤を毛髪に塗布し、その後、20分間放置した。その後、毛髪に塗布された酸化染料剤を水道水で洗い流した。次いでシャンプー、及びコンディショナー(リンス)で毛髪を洗浄し、濯いだ。その後、毛髪を乾燥して毛髪色彩調整処理を完成させた。
【0065】
各比較例1〜5の第1剤から調製された酸化染毛剤を用いて、上記実施例1と同様にして、毛髪色彩調整処理(染色処理)を行った。
【0066】
<洗い流し時における毛髪の感触の評価>
上記各実施例1〜6の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理において、毛髪に塗布された酸化染毛剤を水道水で洗い流す際の毛髪の感触を評価した。評価基準は、以下のとおりである。評価結果は、表1に示した。
評価5:感触が非常に良好であった。
評価4:感触が良好であった。
評価3:感触が比較的良好であった。
評価2:感触がやや悪かった。
評価1:感触が非常に悪かった。
【0067】
各比較例1〜5の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理において、洗い流し時の毛髪の感触評価を上記実施例1と同様にして行った。評価結果は、表2に示した。
【0068】
<仕上がり時における毛髪の感触の評価>
上記各実施例1〜6の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理において、シャンプー、及びコンディショナー(リンス)による毛髪処理後、乾燥させた毛髪の感触を評価した。評価基準は、以下のとおりである。評価結果は、表1に示した。
評価5:感触が非常に良好であった。
評価4:感触が良好であった。
評価3:感触が比較的良好であった。
評価2:感触がやや悪かった。
評価1:感触が非常に悪かった。
【0069】
各比較例1〜5の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理においても、上記実施例1と同様にして、仕上がり時における毛髪の感触の評価を行った。評価結果は、表2に示した。
【0070】
<均染性>
上記各実施例1〜6の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理後の毛髪の染色具合を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果は、表1に示した。
評価5:非常に均一に染色されている。
評価4:均一に染色されている。
評価3:概ね均一に染色されている。
評価2:染めムラが生じている。
評価1:染めムラが非常に多い。
【0071】
各比較例1〜5の第1剤を用いた毛髪色彩調整処理後の毛髪の染色具合を、上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表2に示した。
【0072】
表1の結果から明らかなように、各実施例1〜6の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)は、何れも、第2剤(酸化剤組成物)に対する溶解性が良い。
また、各実施例1〜6の第1剤より調製された酸化染毛剤(毛髪色彩調整剤)を毛髪から洗い流す際、何れの場合も、毛髪の感触が良いことが確かめられた。
また、各実施例1〜6の第1剤より調製された酸化染毛剤を用いて染色処理された毛髪は、何れの場合も、その仕上がり時の感触が良く、均一に染色されることが確かめられた。
【0073】
表2の結果から明らかなように、(A)成分は含まず、(B)成分のみ含む比較例1及び比較例2の第1剤は、何れも第2剤に対する溶解性は良い。なお、比較例1の第1剤は、(A)成分の代わりに塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを含むものである。しかしながら、比較例1及び比較例2の第1剤より調製された酸化染毛剤を毛髪から洗い流す際、何れの場合も、毛髪の指通りが悪く、感触が良くないことが確かめられた。なお、比較例1及び比較例2の酸化染毛剤を使用しても、仕上がり時の毛髪の感触は良く、かつ、均一に染色された。
【0074】
表2の結果から明らかなように、(A)成分のみ含み、(B)成分は含まない比較例3〜5の第1剤は、何れも第2剤に対する溶解性が悪いことが確かめられた。また、比較例3〜5の第1剤より調製された酸化染毛剤を毛髪から洗い流す際、何れの場合も、感触が良くないことが確かめられた。なお、比較例3〜5の酸化染毛剤を使用しても、仕上がり時の毛髪の感触は良い。この仕上がり時の毛髪の好感触は、主として、カチオン性ポリマーに因るものである。なお、比較例3〜5の第1剤は、上記の通り何れも溶解性が悪いため、酸化染料(パラフェニレンジアミン)までも取り込んで凝集したため、比較例3〜5の酸化染毛剤を用いた染色処理では、毛髪に染めムラが生じることが確かめられた。
【0075】
〔他の染毛剤〕
<粉末染毛剤組成物の調製>
(実施例7)
表4に示される各成分を配合することにより、実施例7の粉末染毛剤組成物(毛髪色彩調整用粉末組成物)を調製した。表4の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0076】
【表4】

【0077】
実施例7の粉末染毛剤組成物を、水に添加し、これらを混合することにより、毛髪色彩調整剤を調製した。粉末染毛剤組成物と、水との混合比(質量比)は、粉末染毛剤組成物:水=1:5である。
【0078】
<溶解性の評価>
実施例7の毛髪色彩調整剤の調製時において、実施例7の粉末染毛剤組成物の水に対する溶解性について、上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表4に示した。
【0079】
<染色処理>
実施例7の粉末染毛剤組成物から調製された毛髪色彩調整剤を毛髪に塗布し、その後、20分間放置した。その後、毛髪に塗布された毛髪色彩調整剤を水道水で洗い流した。次いでシャンプー、及びコンディショナー(リンス)で毛髪を洗浄し、濯いだ。その後、毛髪を乾燥して毛髪色彩調整処理(染色処理)を完成させた。
【0080】
<洗い流し時における毛髪の感触の評価>
上記実施例7の粉末染毛剤組成物を用いた毛髪色彩調整処理において、毛髪に塗布された毛髪色彩調整剤を水道水で洗い流す際、及びシャンプーを洗い流す際の毛髪の感触を、上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表4に示した。
【0081】
<仕上がり時における毛髪の感触の評価>
上記実施例7の粉末染毛剤組成物を用いた毛髪色彩調整処理において、シャンプー、及びコンディショナー(リンス)をした後、乾燥させた毛髪の感触を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表4に示した。
【0082】
<均染性>
上記実施例7の粉末染毛剤組成物を用いた毛髪色彩調整処理後の毛髪の染色具合を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表4に示した。
【0083】
表4の結果から明らかなように、実施例7の粉末染毛剤組成物は、水に対する溶解性が良い。
また、実施例7の粉末染毛剤組成物より調製された毛髪色彩調整剤を毛髪から洗い流す際、毛髪の感触が良いことが確かめられた。
また、実施例7の粉末染毛剤組成物より調製された毛髪色彩調整剤を用いて染色処理された毛髪は、その仕上がり時の感触が良く、均一に染色されることが確かめられた。
【0084】
〔脱色剤〕
<第3剤の調製>
(実施例8)
表5に示される各成分を配合することにより、実施例8の脱色剤の第3剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)を調製した。表5の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0085】
【表5】

【0086】
実施例8の第3剤を、表6に示される脱色剤の第1剤(アルカリ剤組成物:クリーム)及び第2剤(酸化剤組成物:クリーム)の混合液に添加し、これらを混合することにより、脱色剤(毛髪色彩調整剤)を調製した。第1剤、第2剤及び第3剤の混合比(質量比)は、第1剤:第2剤:第3剤=1:1:0.5である。なお表6の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0087】
【表6】

【0088】
<溶解性の評価>
実施例8の脱色剤の調製時において、実施例8の第3剤の第1剤及び第2剤に対する溶解性について、上記実施例1と同様にして、評価した。評価結果は、表5に示した。
【0089】
<脱色処理>
実施例8の第3剤が添加された脱色剤を毛髪に塗布し、その後、20分間放置した。その後、毛髪に塗布された脱色剤を水道水で洗い流した。次いでシャンプー、及びコンディショナー(リンス)で毛髪を洗浄し、濯いだ。その後、毛髪を乾燥して毛髪色彩調整処理(脱色処理)を完成させた。
【0090】
<洗い流し時における毛髪の感触の評価>
上記実施例8の脱色処理において、毛髪に塗布された脱色剤を水道水で洗い流す際、及びシャンプーを洗い流す際の毛髪の感触を、上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表5に示した。
【0091】
<仕上がり時における毛髪の感触の評価>
上記実施例8の第3剤が添加された脱色剤を用いた脱色処理において、シャンプー、及びコンディショナー(リンス)をした後、乾燥させた毛髪の感触を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表5に示した。
【0092】
表5の結果から明らかなように、実施例8の脱色剤の第3剤は、脱色剤の第1剤及び第2剤の混合液に対する溶解性が良い。
また、実施例8の脱色剤の第3剤が添加された脱色剤を毛髪から洗い流す際、毛髪の感触が良いことが確かめられた。
また、実施例8の脱色剤の第3剤が添加された脱色剤を用いて脱色処理された毛髪は、その仕上がり時の感触が良いことが確かめられた。
【0093】
〔他の酸化染毛剤〕
<第1剤の調製>
(実施例9〜16)
表7に示される各成分を配合することにより、実施例9〜16の酸化染毛剤の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)を調製した。表7の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
【0094】
【表7】

【0095】
各実施例9〜16の第1剤を、表3に示される酸化染毛剤の第2剤(クリーム)に添加し、これらを混合することにより、酸化染毛剤(毛髪色彩調整剤)を調製した。第1剤と、第2剤との混合比(質量比)は、第1剤:第2剤=1:5である。
【0096】
<溶解性の評価>
各実施例9〜16の第1剤を用いた毛髪色彩調整剤の調製時において、各実施例9〜16の第1剤の第2剤に対する溶解性について、上記実施例1と同様にして、評価した。評価結果は、表7に示した。
【0097】
<染色処理>
各実施例9〜16の第1剤を用いて調製された酸化染毛剤を毛髪に塗布し、その後、20分間放置した。その後、毛髪に塗布された酸化染毛剤を水道水で洗い流した。次いでシャンプー、及びコンディショナー(リンス)で毛髪を洗浄し、濯いだ。その後、毛髪を乾燥して毛髪色彩調整処理(染色処理)を完成させた。
【0098】
<洗い流し時における毛髪の感触の評価>
各実施例9〜16の酸化染毛剤を用いた染色処理において、毛髪に塗布された酸化染毛剤を水道水で洗い流す際、及びシャンプーを洗い流す際の毛髪の感触を、上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表7に示した。
【0099】
<仕上がり時における毛髪の感触の評価>
各実施例9〜16の酸化染毛剤を用いた染色処理において、シャンプー、及びコンディショナー(リンス)をした後、乾燥させた毛髪の感触を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表7に示した。
【0100】
<均染性>
各実施例9〜16の酸化染毛剤を用いた染色処理後の毛髪の染色具合を上記実施例1と同様にして評価した。評価結果は、表7に示した。
【0101】
表7の結果から明らかなように、各実施例9〜16の第1剤(毛髪色彩調整用粉末組成物)は、何れも、第2剤(酸化剤組成物)に対する溶解性は良く、許容範囲内であった。
また、各実施例9〜16の第1剤より調製された酸化染毛剤(毛髪色彩調製剤)を毛髪から洗い流す際、何れの場合も毛髪の感触が良く、評価結果は許容範囲内であった。
また、各実施例9〜16の第1剤より調製された酸化染毛剤を用いて染色処理された毛髪は、何れの場合も、その仕上がり時の感触が良く、均一に染色され、何れの評価結果も許容範囲内であることが確かめられた。
【0102】
実施例9〜16のうち、(A)成分の含有量が、3〜20質量%である実施例10〜12、実施例16は、それ以外の実施例と比べて、洗い流し時の毛髪の感触が良いことが確かめられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とする毛髪色彩調整用粉末組成物。
(A)第4級長鎖ジアルキル型カチオン界面活性剤
(B)2価の陰イオンを含む塩
【請求項2】
(A)成分の含有量が、毛髪色彩調整用粉末組成物中に3〜20質量%である請求項1に記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【請求項3】
(B)成分として、硫酸塩、過硫酸塩、炭酸塩及び過炭酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。
【請求項4】
(A)成分と(B)成分の含有量比(質量比)((B)成分/(A)成分)が、1〜40である請求項1〜3の何れか1項に記載の毛髪色彩調整用粉末組成物。

【公開番号】特開2010−215528(P2010−215528A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61434(P2009−61434)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】