説明

気液接触装置

【課題】吸収液の循環量を減らして循環ポンプ容量を低下させ、消費電力削減を図りつつ、被処理ガスと吸収液との気液接触面積を広げて、硫黄酸化物等の吸収効率並びに脱塵効率の向上を図り得る気液接触装置を提供する。
【解決手段】煙突一体型の吸収塔7´内における過冷却用スプレーノズル14の上方に、吸収液を流下させつつ帯電させ帯電液滴として滴下させる帯電吸収液噴出手段15を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理ガスと吸収液とを接触させ、被処理ガスの処理を行う気液接触装置に関するものであって、特に、火力発電ボイラから排出される燃焼排ガス中の煤塵を除去する脱塵、並びに前記燃焼排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫等に適した気液接触装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、発電出力が千MW(メガワット)クラスの大型の石炭火力発電ボイラから排出される燃焼排ガスは、およそ330万[m3/h](≒917[m3/s])にもなり、このような大容量の燃焼排ガスを無害化するために、脱硝、脱塵、脱硫、ガス・ガスヒータ等の機器を組み合わせた総合排煙処理システムを用いて、浄化した排煙を煙突から大気に放出するようになっている。
【0003】
図6は、従来の大型石炭火力発電ボイラ設備の一例を示すシステム構成図であって、1は石炭等の燃料を燃焼させ蒸気を発生させるボイラ、2はボイラ1から排出される燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去するための脱硝装置、3は脱硝装置2で窒素酸化物が除去された燃焼排ガスとボイラ1へ供給される燃焼用空気等の空気(図示せず)とを熱交換させるためのエアヒータ、4はエアヒータ3を通過して温度降下した燃焼排ガスから更に熱を回収するためのガス・ガスヒータの熱回収器、5はエアヒータ3並びにガス・ガスヒータの熱回収器4で熱回収が行われた燃焼排ガス中に含まれる煤塵を捕集するための湿式電気集塵機、6は湿式電気集塵機5の下流側に設けられた誘引通風機、7は湿式電気集塵機5で煤塵が捕集され誘引通風機6を経て送り込まれる燃焼排ガス中に残存する煤塵並びに該燃焼排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去するための気液接触装置としての吸収塔、8は吸収塔7で煤塵並びに硫黄酸化物が除去された燃焼排ガスからミストを除去するミストセパレータ、9はミストセパレータ8でミストが除去された燃焼排ガスを熱回収器4で回収した熱によって再加熱するためのガス・ガスヒータの再加熱器、10はガス・ガスヒータの再加熱器9の下流側に設けられた脱硫通風機、11はガス・ガスヒータの再加熱器9で再加熱され脱硫通風機10で昇圧された燃焼排ガスを大気中へ放出するための煙突である。
【0004】
図6に示される従来の大型石炭火力発電ボイラ設備においては、ボイラ1で石炭等の燃料の燃焼が行われて蒸気が発生され、その際にボイラ1から排出される燃焼排ガスは、脱硝装置2で窒素酸化物が除去され、エアヒータ3において、押込通風機(図示せず)によりボイラ1へ供給される燃焼用空気等の空気と熱交換して温度降下し、ガス・ガスヒータの熱回収器4で更に熱が回収された後、湿式電気集塵機5で煤塵が捕集され、誘引通風機6を経て吸収塔7で残存する煤塵並びに硫黄酸化物が除去され、ミストセパレータ8でミストが除去され、ガス・ガスヒータの再加熱器9において前記熱回収器4で回収した熱によって再加熱され、脱硫通風機10で昇圧され煙突11から大気中へ放出されるようになっている。
【0005】
尚、前記吸収塔7で硫黄酸化物が除去され更にミストセパレータ8てミストが除去されて排出される燃焼排ガスは、通常、およそ50[℃]前後まで温度降下し飽和状態となっており、この脱硫後の燃焼排ガスをそのまま煙突11から大気中へ放出すると、白煙が発生するため、前記熱回収器4と再加熱器9とからなるガス・ガスヒータを用いて前記吸収塔7から排出される燃焼排ガスを再加熱するようになっている。
【0006】
前述の如き従来の大型石炭火力発電ボイラ設備では、高い脱硫・脱塵効率が得られる反面、大型の湿式電気集塵機5や吸収塔7に加え、ガス・ガスヒータの熱回収器4及び再加熱器9等を別々に設ける必要があり、コストアップが避けられない。
【0007】
ところで、百MWクラスの事業用や海外向けの中小型石炭火力発電ボイラ設備の場合、特にコスト面での制約が厳しく、大型石炭火力発電ボイラ設備のように、湿式電気集塵機5やガス・ガスヒータの熱回収器4及び再加熱器9等を設置すると、コストアップにつながることから、これを避けるために、例えば、図7に示される如く、前記湿式電気集塵機5(図6参照)の代わりに乾式電気集塵機5´を設け、吸収塔7(図6参照)を煙突一体型の吸収塔7´とし、ガス・ガスヒータの熱回収器4及び再加熱器9と脱硫通風機10をなくし、これにより、中小型石炭火力発電ボイラ設備を構成することが行われている。
【0008】
ここで、前記煙突一体型の吸収塔7´は、図8に示される如く、底部に吸収液の液溜部12が形成され、上部に脱塵・脱硫用スプレーノズル13と過冷却用スプレーノズル14とが上下複数段(図8の例では脱塵・脱硫用スプレーノズル13が上側に二段、過冷却用スプレーノズル14が下側に一段)配設されており、運転時には、前記煙突一体型の吸収塔7´に導入される燃焼排ガスは、過冷却用スプレーノズル14から噴霧される水によって過冷却されつつ、前記脱塵・脱硫用スプレーノズル13から噴霧される吸収液によって煤塵並びに硫黄酸化物が除去され、大気放出されるようになっている。
【0009】
前記吸収液としては、例えば、石灰石粉末を20[%wt]程度含んだスラリー状のものが使用され、前記液溜部12の吸収液は、図示していない循環ポンプの作動により汲み上げられて前記脱塵・脱硫用スプレーノズル13から噴霧され、循環されるようになっている。
【0010】
尚、水をスプレーして燃焼排ガスを過冷却することにより、燃焼排ガス中の水分を凝縮させて微細な煤塵の凝集肥大化を促進し、煤塵の捕集効果を増大させ、湿式電気集塵機をなくし、装置の低価格化を図るものとしては、例えば、特許文献1がある。
【特許文献1】特開2002−35545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述の如き従来の煙突一体型の吸収塔7´においては、脱塵・脱硫用スプレーノズル13から吸収塔7´内部の全範囲を網羅する量の吸収液を噴霧しなければならないため、吸収液の循環量が増え、循環ポンプ容量を高める必要があった。
【0012】
又、前記脱塵・脱硫用スプレーノズル13から噴霧される吸収液の液滴内における物質移動速度は遅く、表面層のごく僅かしか吸収反応に寄与しないため、スプレー量の大半が無駄になっており、循環ポンプの消費電力が嵩むという欠点を有していた。
【0013】
更に又、気液接触面積を広げるために液滴を小さくするには、高圧スプレーの場合、スプレー流速を高くする必要があるが、該スプレー流速を高くすると、スプレー圧力損失が増加し、やはり循環ポンプの消費電力の増加につながっていた。
【0014】
一方、特許文献1に記載されている装置の場合、数十[μm]以下の小さな煤塵の粒子は、重力に対し空気の抵抗力が相対的に大きくなるため、燃焼排ガスの流れに乗ってしまい、落下捕集できなくなる可能性があり、脱塵効率を高めることが困難となっていた。
【0015】
本発明は、斯かる実情に鑑み、吸収液の循環量を減らして循環ポンプ容量を低下させ、消費電力削減を図りつつ、被処理ガスと吸収液との気液接触面積を広げて、硫黄酸化物等の吸収効率並びに脱塵効率の向上を図り得る気液接触装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、被処理ガスと吸収液とを接触させ、被処理ガスの処理を行う気液接触装置であって、
吸収液を流下させつつ帯電させ帯電液滴として滴下させる帯電吸収液噴出手段を備えたことを特徴とする気液接触装置にかかるものである。
【0017】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0018】
帯電吸収液噴出手段から流下させた吸収液は、帯電され帯電液滴として滴下し、被処理ガスに含まれる煤塵の電荷との間に生ずるクーロン力によって、数十[μm]以下の煤塵の粒子も凝集肥大化され、被処理ガスの流れに乗ってしまわずに、落下捕集され、脱塵効率を高めることが可能となる。
【0019】
又、本発明においては、従来に比べ、吸収液の循環量を減らし、循環ポンプ容量を低く抑えることが可能となる。
【0020】
一方、前記吸収液の液滴径を小さくして気液接触面積を広げられるため、硫黄酸化物等の吸収反応に液滴の略全量が寄与し、従来のようにスプレー量の大半が無駄になることが避けられ、循環ポンプの消費電力が嵩む心配もなくなる。
【0021】
又、従来の高圧スプレーの場合のように、スプレー流速を高くしなくても、前記吸収液の液滴径を小さく気液接触面積を広げられるため、圧力損失に伴う循環ポンプの消費電力の増加も回避可能となる。
【0022】
前記気液接触装置においては、帯電吸収液噴出手段を、
吸収液を流下させ且つ高電圧が印加される吸収液ノズルと、
該吸収液ノズルから流下される吸収液の周囲を取り囲むよう吸収液ノズル直下に配設される接地電極と
から構成することができる。
【0023】
前記吸収液ノズルは、
水平方向へ延びるよう配設されて吸収液が導入され且つ高電圧が印加されるノズルヘッダと、
該ノズルヘッダの下面側から下方へ向け吸収液を流下させ得るよう突設され且つ前記ノズルヘッダの長手方向へ所要ピッチで複数配設される細管状ノズルと
から構成することができる。
【0024】
又、前記吸収液ノズルは、
水平方向へ延びるよう配設されて吸収液が導入され且つ高電圧が印加されるノズルヘッダと、
該ノズルヘッダの下面側から下方へ向け吸収液を流下させ得るよう穿設され且つ前記ノズルヘッダの長手方向へ所要ピッチで複数配設される細孔と、
該細孔に下方へ突出するよう嵌挿され且つ前記ノズルヘッダ内の吸収液を細孔との隙間から表面に沿って流下させるニードルと
から構成しても良い。
【0025】
前記接地電極は、吸収液ノズルから流下される吸収液が通過可能な開口が形成された金属板によって構成することができる。
【0026】
前記接地電極には放電防止用のコーティングを施すことが望ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の気液接触装置によれば、吸収液の循環量を減らして循環ポンプ容量を低下させ、消費電力削減を図りつつ、被処理ガスと吸収液との気液接触面積を広げて、硫黄酸化物等の吸収効率並びに脱塵効率の向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0029】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7及び図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、煙突一体型の吸収塔7´内における過冷却用スプレーノズル14の上方に、吸収液を流下させつつ帯電させ帯電液滴として滴下させる帯電吸収液噴出手段15を配設したものである。
【0030】
前記帯電吸収液噴出手段15は、図2に示す如く、吸収液を流下させ且つ直流又は交流の高電圧が印加される吸収液ノズル16と、該吸収液ノズル16から流下される吸収液の周囲を取り囲むよう吸収液ノズル16直下に配設される接地電極17とから構成してある。
【0031】
本図示例の場合、前記吸収液ノズル16は、吸収液が導入されるノズルヘッダ18を、水平方向へ延びるよう配設して高電圧が印加されるようにすると共に、該ノズルヘッダ18の下面側に、下方へ向け吸収液を流下させるための細管状ノズル19を、前記ノズルヘッダ18の長手方向へ所要ピッチで複数配設されるよう突設してなる構成を有している。
【0032】
尚、前記細管状ノズル19から流下させる吸収液の液滴径は、煤塵を捕集するまでの時間内で硫黄酸化物の吸収反応に寄与し、且つ被処理ガスとしての燃焼排ガスの流れに乗って飛散しない最小限のサイズ(およそφ0.1〜5[mm]程度)となるようにすれば良いが、必要となる最適な液滴径が得られるようにするために、前記細管状ノズル19は、ノズルヘッダ18に対してアタッチメント方式とし、異なるノズル径のものを適宜選定できるようにすることが有効である。
【0033】
前記接地電極17は、前記吸収液ノズル16を構成する細管状ノズル19から流下される吸収液が通過可能な開口20が形成された金属板21によって構成してある。該金属板21としては、例えば、パンチングメタル等を利用することもできる。又、前記金属板21に形成される開口20は、図2に示されるような円形に限らず、角形やスリット状にすることも可能である。更に又、前記接地電極17には、放電防止用のテフロン(登録商標)等のコーティングを施してある。
【0034】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0035】
帯電吸収液噴出手段15の吸収液ノズル16に高電圧を印加した状態でノズルヘッダ18内の吸収液を細管状ノズル19から流下させると、該細管状ノズル19先端に生ずる液柱側面には、図3に示す如く、等電位線で表されるような電界の中においてマクスウェル応力が働くため、細長く安定した吸収液の液柱が形成されるが、接地電極17通過後に応力が働かなくなったところで不安定が生じ、−(マイナス)の電荷を帯びた微細な液滴が形成される。因みに、例えば、導電率が4[μS/cm]の吸収液に、8[kV/cm]の電界をかけた場合、φ0.5[mm]程度の液滴がおよそ30[個/s]滴下し、この液滴の帯電量は約0.1[C]となる。
【0036】
ここで、図4(b)に示す如く、電気集塵機の場合、電極22からのコロナ放電で煤塵を帯電させ、接地集塵板23に引き寄せて捕集する形となるが、同極となる+(プラス)の電荷を帯びているため、煤塵同士の結合は見られず、この結果、煤塵は、
クーロン力<空気抵抗力
となる数十[μm]以下のものは捕集できない。これに対し、図4(a)に示す如く、本図示例における帯電吸収液噴出手段15の場合、−(マイナス)の電荷を帯びた微細な吸収液の液滴とは逆の+(プラス)の電荷を帯びた煤塵は、数十[μm]以下の粒子であっても前記吸収液の液滴に引き寄せられ、該吸収液の液滴を核として凝集肥大化されるため、燃焼排ガスの流れに乗ってしまわずに、落下捕集され、脱塵効率を高めることが可能となる。尚、前記吸収液の液滴を核として凝集肥大化させた煤塵を単に落下捕集するだけでなく、帯電吸収液噴出手段15の接地電極17の下方所要位置に集塵板を更に設け、該集塵板に前記凝集肥大化させた煤塵を吸着させることも可能である。
【0037】
又、本図示例の煙突一体型の吸収塔7´においては、例えば、一つの液滴が1[m]落下する間に、およそ0.1[m]の範囲の煤塵を吸着することができ、吸収液の滴下量は数[l/min]程度で済むため、従来のように吸収塔7´内部の全範囲を網羅する量の吸収液を脱塵・脱硫用スプレーノズル13(図8参照)から噴霧するのに比べ、吸収液の循環量を減らし、循環ポンプ容量を低く抑えることが可能となる。
【0038】
更に又、前記細管状ノズル19のノズル径を無理に小さくしなくても、印加する電圧を高くすることで吸収液の液滴径を小さくできるため、細管状ノズル19の詰まりの防止にも役立つこととなる。
【0039】
一方、前記吸収液の液滴径を小さくして気液接触面積を広げられるため、硫黄酸化物等の吸収反応に液滴の略全量が寄与し、従来のようにスプレー量の大半が無駄になることが避けられ、循環ポンプの消費電力が嵩む心配もなくなる。
【0040】
又、従来の高圧スプレーの場合のように、スプレー流速を高くしなくても、前記吸収液の液滴径を小さく気液接触面積を広げられるため、圧力損失に伴う循環ポンプの消費電力の増加も回避可能となる。
【0041】
こうして、吸収液の循環量を減らして循環ポンプ容量を低下させ、消費電力削減を図りつつ、被処理ガスとしての燃焼排ガスと吸収液との気液接触面積を広げて、硫黄酸化物等の吸収効率並びに脱塵効率の向上を図り得る。
【0042】
図5は本発明を実施する形態の一例における帯電吸収液噴出手段15の変形例を示すものであって、基本的な構成は図2に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図5に示す如く、帯電吸収液噴出手段15の吸収液ノズル16を、水平方向へ延びるよう配設されて吸収液が導入され且つ高電圧が印加されるノズルヘッダ18と、該ノズルヘッダ18の下面側から下方へ向け吸収液を流下させ得るよう穿設され且つ前記ノズルヘッダ18の長手方向へ所要ピッチで複数配設される細孔24と、該細孔24に下方へ突出するよう嵌挿され且つ前記ノズルヘッダ18内の吸収液を細孔24との隙間から表面に沿って流下させるニードル25とから構成した点にある。
【0043】
図5に示す如く帯電吸収液噴出手段15の吸収液ノズル16を構成しても、図2に示す例の場合と同様の作用効果が得られる。
【0044】
更に、図5に示す例の場合、万一、細孔24に詰まりが生じたときには、前記ニードル25を上下に動かすことにより、該細孔24の詰まりを解消できると共に、前記ニードル25を定期的に上下に動かすことにより、前記細孔24の詰まりを予防する上でも有効となり、安定した運転を継続することが可能となる。
【0045】
尚、本発明の気液接触装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、排煙脱硫装置としての吸収塔に限らず、吸収液に被処理ガスとしての冷媒蒸気を吸収させる吸収式冷凍機の吸収器等にも適用可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す全体概略図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における帯電吸収液噴出手段を示す構成図であって、(a)は側断面図、(b)は正断面図、(c)は斜視図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例における帯電吸収液噴出手段の滴下部拡大図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における帯電吸収液噴出手段と一般的な電気集塵機との違いを示す作動原理図であって、(a)は帯電吸収液噴出手段の作動原理図、(b)電気集塵機の作動原理図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における帯電吸収液噴出手段の変形例を示す構成図であって、(a)は側断面図、(b)は正断面図、(c)は斜視図である。
【図6】従来の大型石炭火力発電ボイラ設備の一例を示すシステム構成図である。
【図7】従来の中小型石炭火力発電ボイラ設備の一例を示すシステム構成図である。
【図8】従来の中小型石炭火力発電ボイラ設備に用いられる煙突一体型の吸収塔の一例を示す全体概略図である。
【符号の説明】
【0047】
7´ 吸収塔(気液接触装置)
14 過冷却用スプレーノズル
15 帯電吸収液噴出手段
16 吸収液ノズル
17 接地電極
18 ノズルヘッダ
19 細管状ノズル
20 開口
21 金属板
24 細孔
25 ニードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理ガスと吸収液とを接触させ、被処理ガスの処理を行う気液接触装置であって、
吸収液を流下させつつ帯電させ帯電液滴として滴下させる帯電吸収液噴出手段を備えたことを特徴とする気液接触装置。
【請求項2】
帯電吸収液噴出手段を、
吸収液を流下させ且つ高電圧が印加される吸収液ノズルと、
該吸収液ノズルから流下される吸収液の周囲を取り囲むよう吸収液ノズル直下に配設される接地電極と
から構成した請求項1記載の気液接触装置。
【請求項3】
吸収液ノズルを、
水平方向へ延びるよう配設されて吸収液が導入され且つ高電圧が印加されるノズルヘッダと、
該ノズルヘッダの下面側から下方へ向け吸収液を流下させ得るよう突設され且つ前記ノズルヘッダの長手方向へ所要ピッチで複数配設される細管状ノズルと
から構成した請求項2記載の気液接触装置。
【請求項4】
吸収液ノズルを、
水平方向へ延びるよう配設されて吸収液が導入され且つ高電圧が印加されるノズルヘッダと、
該ノズルヘッダの下面側から下方へ向け吸収液を流下させ得るよう穿設され且つ前記ノズルヘッダの長手方向へ所要ピッチで複数配設される細孔と、
該細孔に下方へ突出するよう嵌挿され且つ前記ノズルヘッダ内の吸収液を細孔との隙間から表面に沿って流下させるニードルと
から構成した請求項2記載の気液接触装置。
【請求項5】
接地電極を、吸収液ノズルから流下される吸収液が通過可能な開口が形成された金属板によって構成した請求項2〜4のうちいずれか一つに記載の気液接触装置。
【請求項6】
接地電極に放電防止用のコーティングを施した請求項5記載の気液接触装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−253032(P2007−253032A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78937(P2006−78937)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】