説明

水中パイプラインシステムで使用するためのパイプ部、水中パイプラインシステム、及びその使用方法

【課題】水、好ましくは飲料水を輸送するための水中パイプラインシステムを接続する手段を提供する。
【解決手段】パイプ部7は、エンジニアリング熱可塑性物質6から作られ、連結デバイスのベル端部1と係合するのに適切な寸法及びねじ山を有する円筒形スピゴット2とパイプの各端部において嵌合し、スピゴット及び連結デバイスは、硬化された樹脂組成物から作られる。水中パイプラインを製造するため、パイプ部及び連結デバイスは、海上組立場所において差込み継手に係合される。上記のパイプ部の準備の際に中間物として使用できる円筒形スピゴットが設けられるエンド・ピースを準備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中パイプラインシステムで使用するためのパイプ部、水中パイプラインシステム、及びその使用方法に関する。詳細には、本発明は、飲料水を長距離輸送するための水中パイプラインシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
油などの流体を輸送するための水中パイプラインが知られている。特許文献1には、油及び/又は気体などの流体を輸送するための水中パイプラインが記載されている。パイプラインは、その長さの全部又は少なくとも一部が浮遊している。パイプラインの周りの主に均一な層に間隔を置いて配置された浮揚要素及び/又は浮揚材によって浮力が与えられ、それらは重量物や錘体とも組合せられ得る。パイプラインは、ところどころに配置される支索やアンカーラインによって海底に係留される。張力がパイプラインの長手方向に加えられていること、及び、係留点間の距離を変化させることが好ましい。
【0003】
特許文献2によって、海において2点間でパイプラインの接続を行う方法が公知にされている。例を挙げれば、海に浮遊するパイプラインは、トルク・フリー接続によって海の支持体の間隔をあけた2点間で懸架され、支持体のこの2点間の深さのところで懸垂されるように作られるので、パイプラインの水位における波の影響が除去され、或いは、許容できる水準まで低減されることになる。このようにして、パイプラインに生じる応力が除去される。パイプラインは、支持体の2点を介して張力を加えられる。また、海における2点の間でのパイプラインの接続を含む輸送手段についても、記載されている。
【0004】
特許文献3は、海洋パイプラインに関する。例を挙げれば、パイプラインは、水盆の底部とその表面との間に据え付けられ、その結果、このパイプラインにゼロの浮力を与え、バラスト・ウエイト及びフロートを有する支柱によってパイプラインを安定させている。パイプラインは、別個のリンクから組み立てられ、限定された可動角度を有するスリーブによって接続される。この参照文献の発明者によれば、この文献は、パイプラインを据え付ける単純化手順に関するものである。
【0005】
特許文献4は、部材同士が接続される配管の部材から構成される、液体媒体の輸送のための浮遊配管システムに関し、パイプの部材は浮上装置に嵌合され、1つ又は複数のフロートが、可撓性要素によってパイプの本体にそれぞれ接続され、その結果、配管システムは、水面下のある深さのところを延びている。これにより、衝突によって配管システムが損傷されるおそれを解消し、波の運動による影響も回避している。
【0006】
本明細書においてパイプ部と呼ばれ、上述したパイプラインシステムのいずれにも使用され得る配管の部材は、非常に長くなりがちである。複数の島の間、そして、島と主要な陸地との間の距離を橋絡するために、それ自体すでに500メートル以上の長さのパイプ部が使用され、互いに接続される。典型的な接続手段は、スピゴット(雄型接続手段)とベルによる接続タイプで、この表現は、知られているさまざまな改変手段を含むものである。この種のパイプや、パイプ接続又はパイプ継手にかかる機械的な応力は、どちらかと言えば高く、したがって、この種のパイプは、強化材料から構成される傾向がある。このように、パイプ等は、しばしばケーブル補強材等と共に、金属及び/又は多層プラスチックから作られることがある。その一方、金属製のパイプ及びパイプ接続は、ソナー・ナビゲーションが使用される海域において問題が生じることがある。
【0007】
500メートルの長さのパイプ部に関する他の重大な問題は、それを準備することである。このサイズのパイプ同士を溶接することは容易ではない。接合されることになるパイプ部の長さが長くなると、オービタル溶接(周回式溶接)がより困難になる。そのうえ、パイプの回転は、長尺である場合には一層困難になり、また、長尺の場合には、大きな組立場所が必要である。その結果、海上で互いにパイプ部を溶接すると失敗の原因となりやすく、これにより、輸送物品の現場漏出及び/又は海水汚染を招きやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第01/40695号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/96771号パンフレット
【特許文献3】ロシア特許第2149304号明細書
【特許文献4】ベルギー特許第1013453号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、共通の材料から作られる500メートルの長さ又はこれより長いパイプの部材から作ることができる水中パイプラインを開発することに着手した。さらに、本発明者は、飲料水を輸送するために使用できる水中パイプラインを開発することにも着手しており、したがって、多くの材料の可能性を排除するものである。この問題を解決するために、水中パイプラインシステムを接続する優れた手段が見つけ出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、水中パイプラインシステムで使用するためのパイプ部、水中パイプラインシステム、及びその使用方法に関する。詳細には、本発明は、飲料水を長距離輸送するための水中パイプラインシステムに関する。
【0011】
より詳細には、本発明は、パイプ部及び連結デバイスから構成される水中パイプラインシステムに関し、パイプ部は、連結デバイスのベル端部に係合するのに適切な寸法及びねじ山を有する円筒形スピゴットとパイプの各端部において嵌合し、パイプ部は、エンジニアリング熱可塑性物質から作られ、スピゴット及び連結デバイスは、硬化された樹脂組成物から作られる。
【0012】
さらに、本発明は、水中パイプラインを準備するための方法に関し、パイプ部及び連結デバイスは、海上組立場所において差込み継手(bell and spigot joint)に係合される。
【0013】
本発明の実施形態は、上記のパイプラインシステムで使用されるパイプ部、及びこれを準備するための方法に関する。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は、上記のパイプ部の準備の際に中間物として使用できる円筒形スピゴットが設けられるエンド・ピース、ならびにこのエンド・ピースを準備するための方法に関する。
【0015】
最後に、本発明はまた、詳細には流体を輸送するための、より詳細には水、好ましくは飲料水を輸送するための上記の水中パイプラインシステムの使用にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による差込み継手の概略図である。より詳細には、(1)は、連結デバイスのベル端部の一部であり、(2)は、シール手段を備えるパイプ部(図示せず)の端部に嵌合されるスピゴット端部の一部であり、このシール手段は、ここでは、例えばO−リング(図示せず)と共に使用するための一対の溝(3)、ならびにスピゴット及びベル部材をロックするための施錠キー(5)である。スピゴット(2)は、硬化された熱硬化性樹脂組成物(6)と繊維強化エンジニアリング熱可塑性物質(6)とを含む。この図で示されるように、差込み継手には、随意の試験ニップル(4)を設けてもよい(それにより、シールを試験するために例えば10バールまで加圧することができる)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
パイプラインシステムは、下水道システム、排水システム、農業及び/又は工業用水システム、水汲み上げシステム等に使用され、そのアセンブリがよく知られている。例を挙げれば、エンジニアリング熱可塑性物質から作られるパイプ部を使用することが知られている。エンジニアリング熱可塑性物質は、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、PVC、あるいはこれらのエンジニアリング熱可塑性物質のうちのいずれか1つ又はそれ以上の化合物を含む。現在の用途では、使用される材料は、比較的に軽く(浮力を与えるために)、強固であることが重要である。特に、400メートル以上の長さのパイプ部が水中パイプラインシステムに使用される場合、使用される材料は、比較的に費用がかからず、取扱いが容易であるべきでもある。
【0018】
飲料水を輸送するためのパイプラインシステムを使用すると、追加の要求事項がもたらされる。例えば、パイプ部は、ポリオレフィンから作られることが好ましく、ポリエチレン又はエチレン共重合体から作られることがより好ましく、ポリエチレンから作られることが最も好ましい。しかし、重合体が比較的に軽くて強固である限り、そして重合体が飲料水を輸送するために適切である限り、いかなる適切な重合体も使用され得る。
【0019】
500メートルの長さのパイプ部は、通常、海岸のある一つの場所で、500メートルより短い部材同士を回転溶接することによって作られる。しかし、これは実際の限界ではなく、もっと長いパイプ部を作ることも可能である。
【0020】
一方では、もっと長い長さの部材同士を溶接することは容易ではなく、したがって、連結デバイスが必要である。しかし、これらの継手は、少なくともパイプ部と同じように強固であって、優れたシール機能をもたらす必要がある。
【0021】
差込み型の継手(bell and spigot type joint)が知られており、チューブ及びパイプを接続するために使用されることが多い。通常、連結デバイス及びスピゴットのソケットには、ねじ、及び機械的インターロックを確実にする他の手段、ならびにO−リング、ガスケット、又は水密シールを行う他の手段も設けられる。スピゴットは、連結デバイスのソケット内で雌ねじと螺合する雄ねじをスピゴット上に有する。
【0022】
そのうえ、水中パイプラインシステムは、実質的にカテナリ形を示すパイプ部を有し、それにより、連結デバイスの雌型端部は、水平に対して小さな角度で延在することになる。
【0023】
本発明のパイプラインシステムの特徴は、パイプ部のスピゴットと連結デバイスの双方が、硬化された樹脂組成物から作られることである。より詳細には、パイプ部に使用されるスピゴットが硬化された樹脂組成物からなり、したがって、パイプ部準備のために使用されるエンジニアリング熱可塑性物質とは異なる。
【0024】
差込み継手が耐え得るべき荷重は、非常に重要である(約150トン)。これらの継手に使用可能な樹脂組成物は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂、ならびに繊維強化樹脂の製造に従来使用されるような種類のポリエステル樹脂及びポリアクリレートである。スピゴット及び連結デバイスは、繊維強化複合素材から作られ、この樹脂は、マトリックスを形成する。これらは、交差フィラメント巻回システムとして作られることが好ましい。例えば、これらは、スピゴットを形成する部分の周りに樹脂含浸ロービングを巻き付けることによって作ることができる。
【0025】
上述のように、さまざまな樹脂組成物を使用することができる。好ましい樹脂組成物は、テレフタル酸ポリエステル及びイソフタル酸ポリエステル、好ましくはイソフタル酸ポリエステル及びビニルエステル樹脂などのポリエステルである。しかし、硬化された樹脂が水中パイプラインシステムに加えられる荷重に十分耐え得るだけ強固である限り、樹脂の性質は重要ではない。
【0026】
また、材料は、従来使用されるような種類のものであってもよい。したがって、材料は、ガラス繊維から成ることが好ましいが、また、異なる天然材料や合成材料の繊維から成ることでもよい。この種の他の材料には、綿、ポリエステルグリコールテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド及び炭素がある。
【0027】
本パイプラインシステムに独自のことは、織ガラスマットをエンジニアリング熱可塑性物質に埋め込むことによってまずパイプ部の端部を繊維強化し、それにより、スピゴットを形成するためにその後塗布される繊維強化複合素材にアンカーを与えることによって、スピゴットを作ることである。スピゴットは、別個のエンド・ピースに形成されることが好ましく、エンド・ピースは、12メートル以下、好ましくは5メートル以下の長さの1本のパイプであり、同じエンジニアリング熱可塑性物質から成り、その後、回転溶接によってこれをパイプ部に固定することができる。
【0028】
両方の例では、パイプ部やエンド・ピースの端部の周りに固くマットを巻き付ける場合に、エンジニアリング熱可塑性物質の外面が織ガラスマット内に浸透するのに十分な程度に柔らかくなるまでエンジニアリング熱可塑性物質の温度を上昇させることによって、織ガラスマットがエンジニアリング熱可塑性物質に埋め込まれる。その後、これらの端部の周りに樹脂組成物で含浸されるロービングを巻き付けることによって、これらの端部に樹脂組成物を塗布する。算出された肉厚が通常少なくとも20mmに到達するまで、交差フィラメント巻回(Cross-Filament Windings)が使用される。
【0029】
しかし、上記の寸法は絶対的なものではないことに留意されたい。例えば、パイプ部の内径は、50mm〜3000mmまで変化してもよい。大きなパイプは、通常、厚い肉厚を有する。また、一例として、エンジニアリング熱可塑性物質から成るパイプ部の肉厚は、やはりパイプの内径によって5mm〜50mmまで、好ましくは10mm〜45mmまで、より好ましくは35mm〜40mmまでの範囲である場合がある。次いで、樹脂組成物が、やはりパイプの内径によって5mm〜50mmまで、好ましくは10mm〜45mmまで、より好ましくは35mm〜40mmまでの肉厚に到達するまで塗布される。通常、エンジニアリング熱可塑性物質と樹脂組成物(共に繊維強化複合素材を形成している)の肉厚の比は、3:1〜1:3まで、より好ましくは2:1〜1:2まで、好ましくは約1である。
【0030】
次に、樹脂は硬化され、又は硬化され得る状態となる。従来の樹脂の場合、特定の硬化は全く必要とされない。次いで、スピゴットが形成される。これは、公知な方法によって達成することができる。この種の方法は、普通の規格公差内で実質的に円形の寸法まで硬化された複合素材を研削することと、ねじ及び施錠キーを設けることと、O−リング等のための窪みを設けることとを含む。
【0031】
前に述べたように、本発明の好ましい実施形態では、スピゴットがまずエンド・ピース上に準備され、次いで、これは、パイプ部に固定される。パイプ部にエンド・ピースを固定することは、突合せ溶接によって行われる。エンド・ピースの溶接は、海岸で行うが、また、エンド・ピースは比較的に小さいので海岸から離れて行うこともできる。
【0032】
水中パイプラインシステムは、追加の浮力を与えるための浮遊要素、ならびに、パイプラインシステムを水中に維持するようにバラスト・ウエイト及び/又は係留手段を備えることが好ましい。理想的には、パイプラインシステムは、ボート及び魚網との接触を回避するように少なくとも100メートル、好ましくは少なくとも250メートルの深さまで水中に沈められる。
【0033】
したがって、本発明は、上で議論した方法でスピゴットが設けられるエンド・ピースと、エンド・ピースが設けられており、及び/又は上で議論した方法でスピゴットが設けられているパイプ部と、連結デバイスの使用によりパイプ部を接続することによって作られる水中パイプラインシステムとにおいて具体化されている。最終的に、本発明は、流体、詳細には水、好ましくは飲料水を輸送するための水中パイプラインシステムの使用方法も提供している。理想的には、この水中パイプラインシステムは、主要な陸地から飲料水の全くない又は十分な水源を有さない島まで飲料水を輸送するために使用される。
【符号の説明】
【0034】
1 連結デバイスのベル端部
2 スピゴット
3 溝
4 ニップル
5 施錠キー
6 熱硬化性樹脂組成物、繊維強化エンジニアリング熱可塑性物質
7 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中パイプラインシステムで使用するためのスピゴットが形成されたパイプ部であって、連結デバイスのベル端部に係合するのに適切な寸法及びねじ山を有する円筒形スピゴットと各端部において嵌合するパイプ部において、
当該パイプ部はエンジニアリング熱可塑性物質から作られ、
前記スピゴットは、繊維強化されたエンジニアリング熱可塑性物質と硬化された樹脂組成物とを含んでなる複合素材から作られていることを特徴とするパイプ部。
【請求項2】
前記エンジニアリング熱可塑性物質が、ポリエチレン又はエチレン共重合体、好ましくはポリエチレンであることを特徴とする、請求項1に記載のパイプ部。
【請求項3】
エンジニアリング熱可塑性物質から作られている前記パイプ部の両端部が繊維強化され、エンジニアリング熱可塑性物質から作られている前記パイプ部の繊維強化された前記両端部に熱硬化性樹脂が塗布されており、これにより複合素材が形成され、該複合素材がスピゴットの形に成形されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパイプ部。
【請求項4】
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアクリレートから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパイプ部。
【請求項5】
当該パイプ部に溶接されるエンド・ピースであって、12メートル以下、好ましくは5メートル以下の長さの1本のパイプであるエンド・ピースが、エンジニアリング熱可塑性物質から成り、一方の端部で当該パイプ部に溶接され、他方の端部で前記スピゴットに嵌合されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパイプ部。
【請求項6】
繊維強化されたエンジニアリング熱可塑性物質から作られているパイプ(7)であって、その周りの熱硬化性樹脂(6)により、スピゴット(2)の形に成形され、且つ、連結デバイスのベル端部(1)に接続するように少なくとも2つの溝(3)と機械的施錠キーデバイス(5)とが設けられたパイプ(7)を含んでなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパイプ部。
【請求項7】
12メートル以下、好ましくは5メートル以下の長さの1本のパイプであるエンド・ピースであって、エンジニアリング熱可塑性物質から成り、一方の端部でパイプ部に溶接可能で、且つ、他方の端部で前記スピゴットに嵌合されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部の準備の際に使用するためのエンド・ピース。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部を準備する方法であって、
請求項7に記載のエンド・ピースを、水中パイプラインシステムで使用するためのパイプ部に回転溶接によって固定し、
前記水中パイプラインシステムでは前記パイプ部を、連結デバイスのベル端部と係合するのに適切な寸法及びねじ山を有する円筒形スピゴットと前記パイプ部の各端部において嵌合し、
前記パイプ部をエンジニアリング熱可塑性物質から形成し、前記スピゴットを繊維強化されたエンジニアリング熱可塑性物質と硬化された樹脂組成物とを含んでなる複合素材から形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部を製造する方法。
【請求項9】
a)エンジニアリング熱可塑性物質に熱を加え、それによってエンジニアリング熱可塑性物質の外層を柔軟にし、
b)パイプ部の端部又はエンド・ピースの端部の周りに織繊維マットを固く巻き付け、
c)前記外層が硬化し、前記織繊維マットが前記エンジニアリング熱可塑性物質に固定されるように、前記エンジニアリング熱可塑性物質の温度を冷却し、
d)ガラス繊維強化エンジニアリング熱可塑性物質から成る端部の周りに前記熱硬化性樹脂を含む樹脂含浸ロービングを巻き付け、前記樹脂を硬化させ又は前記樹脂を硬化するようにして複合素材を形成し、
e)前記複合素材をスピゴットに成形する
ことによって、前記エンジニアリング熱可塑性物質から作られる前記パイプ部に前記織繊維マットを埋め込むステップを含んでなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部又は請求項7に記載のエンド・ピースを製造する方法。
【請求項10】
連結デバイスと、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部或いは請求項8又は9に記載の方法で作られるパイプ部とから構成されていることを特徴とする、水中パイプラインシステム。
【請求項11】
少なくとも500メートルの長さのパイプ部を含んでなることを特徴とする、請求項10に記載の水中パイプラインシステム。
【請求項12】
連結デバイス及びパイプ部は、前記パイプ部が実質的にカテナリ形を有し、前記パイプ部の端部が水平に対して小さな角度で延在するように選択されていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の水中パイプラインシステム。
【請求項13】
海上組立場所において、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ部或いは請求項8又は9に記載の方法で作られるパイプ部が、連結デバイスによって互いに接続されていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一項に記載の水中パイプラインシステムを製造する方法。
【請求項14】
流体、好ましくは水、より好ましくは飲料水を輸送するための、請求項10〜13のいずれか一項に記載の水中パイプラインシステムの使用方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−78150(P2010−78150A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−207135(P2009−207135)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(509252151)
【Fターム(参考)】