説明

水切り器

【課題】手が汚れたり、損傷したりすることなく、生ゴミ中の水分を確実に絞り取る。
【解決手段】本発明に係る水切り器10は、生ゴミを収容した有孔の水切り袋11を一時的に収容する有孔の水切り容器12を備え、水切り容器12は、底板13と周壁14とを有し、上方が開口されており、周壁13の上端から下方に向かってスリット状の切欠部16が形成されており、前記生ゴミを収容した水切り袋11の上部18を上方から切欠部16に挿入し、外側に引っ張ることにより、水切り袋11内の生ゴミ中の水分が絞り取られ、水切り袋11の孔及び水切り容器12の孔15を通って水切り容器12外へ排出されるように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭の台所等において発生する生ゴミを一時的に収容するために使用される水切り器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭の台所等の流し台のコーナーには調理の際に発生した生ゴミを一時的に収容するために籠状の水切り器が置かれている。この水切り器には、多数の小さな孔が穿設されており、水切り器内に収容された生ゴミ中に含まれる水分は重力による自然落下でこの孔から流し台に排出されるようになっている。そして、水切り器に溜まった生ごみはゴミ収集袋等に入れられて、所定のゴミ収集場所に運び出され、その後、焼却処理される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−30944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の水切り器では、生ゴミ中の水分を重力による自然落下で流し台に排出させるようになっているため、生ゴミを水切り器にかなりの時間放置しておいたとしても生ゴミ中の水分を十分に切ることができない。したがって、かなりの量の水分を含んだままの生ゴミをゴミ収集袋等に入れてゴミ収集場所に持って行くことになるため、持ち運びに労力を要するといった問題や、移動中に生ゴミ中の水分が垂れ落ち、不衛生であるといった問題があった。
【0005】
また、かなりの量の水分を含んだ生ゴミを焼却処理するには多くの消費エネルギーを必要とするため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の削減が難しく、環境に悪い影響を与えるおそれがあるといった問題もあった。
【0006】
そこで、生ゴミを水切りネット等の有孔の水切り袋に収容した上で水切り器内に収容し、生ゴミが溜まった水切り袋を水きり器からゴミ収集袋等に移動させる際に、水切り袋を手で絞り、生ゴミ中の水分を流し台に排出させることも行われているが、この場合には手が生ゴミで汚れるといった問題や、生ゴミ中に含まれる鋭利なもの等によって手が損傷するおそれがあるといった問題等があった。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、手が汚れたり、損傷したりすることなく、生ゴミ中の水分を確実に絞り取ることのできる水切り器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明に係る水切り器は、生ゴミを収容した有孔の水切り袋を一時的に収容する有孔の水切り容器を備え、該水切り容器は、底板と周壁とを有し、上方が開口されており、前記周壁の上端から下方に向かってスリット状の切欠部が形成されており、前記生ゴミを収容した水切り袋の上部を上方から前記切欠部に挿入し、外側に引っ張ることにより、前記水切り袋内の生ゴミ中の水分が絞り取られ、前記水切り袋の孔及び前記水切り容器の孔を通って該水切り容器外へ排出されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
そして、前記水切り容器の側壁には前記切欠部の下端に拡幅部が形成されているのが好ましい。
【0010】
また、前記水切り容器は平面視で略三角形状を成し、前記切欠部は角部に形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手が汚れたり、損傷したりすることなく、生ゴミ中の水分を確実に絞り取ることができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る水切り器の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る水切り器を使用している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態に係る水切り器の一例を示す斜視図であり、この水切り器10は、生ゴミを収容する有孔の水切り袋11(図2参照)を一時的に収容する水切り容器12を備えており、この水切り容器12は、例えば、ステンレス製であり、平面視で略三角形状を成している。
【0015】
水切り容器12は、底板13と周壁14とを有し、上方が開口されており、底板13及び周壁14には多数の小さな孔15が穿設されている。また、水切り容器12の周壁14の角部にはその上端から下方に向かってスリット状の切欠部16が形成されており、切欠部16の下端には切欠部16より幅広の直径を有する円形状の拡幅部17が形成されている。
【0016】
図2に示すように、このような構成を備えた水切り器10を使用する場合、先ず、生ゴミを収容した水切り袋11の上部18を束ねた状態で上方から切欠部16に挿入し、そのまま降下させる。そして、水切り袋11の上部18が拡幅部17まで降下したら、上部18を外側に引っ張る。そうすると、水切り袋11内の生ゴミ中の水分は、絞り取られて水切り袋11の孔及び水切り容器12の孔15を通って水切り容器12の外部の流し台へ排出される。
【0017】
その後、このように水分が十分に絞り取られた生ゴミを収容した水切り袋11をゴミ収集袋等に入れ、所定のゴミ収集場所に運び出し、焼却処理させる。
【0018】
上記したように本発明の実施の形態に係る水切り器10によれば、生ゴミ自体や水切り袋11の生ゴミ収容部分19に直接手が触れることがないため、手を汚したり、損傷させたりすることなく、生ゴミ中の水分を確実に絞り取ることができる。したがって、生ゴミを収容したゴミ収集袋等の持ち運びが容易になると共に、その持ち運び中に生ゴミ中の水分が垂れ落ちるのを防ぐことができ、衛生的である。
【0019】
また、生ゴミ中の水分を十分に絞り取ることにより、生ゴミの焼却処理が容易となり、焼却処理時の消費エネルギーを最小限に抑制することができるため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の削減が可能となり、環境への悪影響を防止することができる。
【0020】
さらに、可動部等がなく、構造が極めてシンプルであるため、製造が容易となり、製造コストを抑制することができる。また、切欠部16が角部に形成されているため、水切り時に、生ゴミを収容した水切り袋11が水切り容器12の内部で安定性よく収まるようになるため、水切り作業を効率よく行うことができるようになる。
【0021】
なお、上記した本発明の実施の形態では、水切り容器12がステンレス製で、平面視で略三角形状を成している場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、水切り容器12はプラスチック製又は銅製等、他の材質製であってもよく、また、その形状は平面視で円形又は矩形状等、他の形状を成していてもよい。
【0022】
さらに、拡幅部17の形状についても上記した円形状に限定されるものではなく、三角形状や矩形状等、他の形状であってもよく、また、切欠部16のみを設け、必ずしも拡幅部17を設けなくてもよい。
【0023】
さらにまた、切欠部16の設置位置は、上記した角部に限定されるものではなく、水切り容器12の強度等を考慮に入れた上で各種変更が可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 水切り器
11 水切り袋
12 水切り容器
13 底板
14 周壁
15 孔
16 切欠部
17 拡幅部
18 上部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミを収容した有孔の水切り袋を一時的に収容する有孔の水切り容器を備え、該水切り容器は、底板と周壁とを有し、上方が開口されており、前記周壁の上端から下方に向かってスリット状の切欠部が形成されており、前記生ゴミを収容した水切り袋の上部を上方から前記切欠部に挿入し、外側に引っ張ることにより、前記水切り袋内の生ゴミ中の水分が絞り取られ、前記水切り袋の孔及び前記水切り容器の孔を通って該水切り容器外へ排出されるように構成されていることを特徴とする水切り器。
【請求項2】
前記水切り容器の側壁には前記切欠部の下端に拡幅部が形成されている請求項1に記載の水切り器。
【請求項3】
前記水切り容器は平面視で略三角形状を成し、前記切欠部は角部に形成されている請求項1又は2に記載の水切り器。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−6187(P2011−6187A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150405(P2009−150405)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509180795)
【出願人】(509180809)
【出願人】(509180474)
【Fターム(参考)】