説明

水力機械のランナとそのランナを有する水力機械

【課題】フランシス型水力機械のランナのキャビテーションの発生を抑制する。
【解決手段】ランナクラウン5とランナバンド6の間に挟まれた空間内に並べて配置された長翼1aおよび短翼を有するランナにおいて、短翼は、半径方向に互いに間隔をあけた内周側短翼1dと外周側短翼1cとに分割されている。さらに、外周側短翼は、両側に隣接する2つの長翼の中央位置よりも長翼の負圧面に近い位置に配置されている。他の例では、長翼の外周端部とランナバンドの外周端部とのなす角度が、短翼の外周端部とランナバンドの外周端部とのなす角度よりも小さい。さらに他の例では、短翼の外周端部とランナバンドの外周端部とのなす角度が、短翼の外周端部とランナクラウンの外周端部とのなす角度よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフランシス型水車およびポンプ水車(これらを合わせて「水力機械」と呼ぶ)のランナ(羽根車)に係り、特に長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したランナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフランシス型水力機械のランナは複数枚の同じ翼長の羽根を円周方向に等間隔で配置して形成されている。水車運転(発電運転)において、水流は、渦巻き状のケーシング、ステーベーン、ガイドベーンを順に通過後、ランナに外周側から流入し、ランナ内の流路を通って吸出し管に流出される。ところで、近年水力機械は昼間の電力変動を調整するという役割を担うようになってきている。そのためには幅広い出力に対応した運転範囲をもつことが、水力発電には求められる。
【0003】
従来のランナでは、水車低出力運転時にランナ内部の流れが遠心力の影響を受け、ランナの下端部にあるランナバンド側に偏ってしまい、水力損失が増加し部分負荷側で効率が低くなる。このことを改善するために、長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置し、低出力運転時の整流効果を高め、効率向上を図ったフランシス型水力機械が提案されている。このような短翼と長翼を交互に配置したランナについては、例えば特開2000−54944号公報や特開2000−205101号公報に開示されている。
【0004】
図9は、従来の長翼1aと短翼1bを周方向に交互に配したフランシス型水力機械のランナ2を示す。このランナ2ではランナクラウンとランナバンドとの間にあるランナベーンを長翼1aと短翼1bの2種類とし、これら長翼1aと短翼1bをランナの周方向に沿って交互に配置した構成になっている。なお、このランナ2の回転軸4は鉛直に配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、水車低出力運転になると水車入口圧力面側で流れが剥離することに起因して、入口キャビテーションが発生しやすくなる。また、高出力運転時には水車出口負圧面側で流れが剥離することが原因となり、出口キャビテーションが発生しやすくなる。一般にキャビテーションが発生すると、水力性能を低下させるだけでなく、羽根の壊食を生じ、ランナの寿命を短くしてしまう。このことは、電力調整幅を広げるための低出力側に運転範囲を拡大しようとする要求に対して大きな問題となってくる。
【0006】
特に部分負荷特性の優れている長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置した水力機械では、長翼と短翼でキャビテーション性能が異なっており、短翼が循環の強さが小さいことから、流入角度が小さくなり、長翼よりもキャビテーションを起こしやすく、低出力側で運転範囲の拡大を行うことが困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的はランナクラウンとランナバンドとの間にあるランナベーンを長翼と短翼に区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス型水力機械において、キャビテーションの発生を抑制するかまたはキャビテーションが発生しても壊食されにくい水力機械のランナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記目的を達成するものであって、請求項1の発明は、上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、前記短翼は、半径方向に互いに間隔をあけて複数に分割されていて、少なくとも内周側短翼と外周側短翼とを有すること、を特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によれば、外周側短翼と内周側短翼の間に間隔が存在することから、内周側短翼において短翼圧力面側流路から短翼負圧面側流路に圧力の高いに水流が流入することで、境界層の発達を抑制する。これにより、キャビテーションの発生を抑制できる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の水力機械のランナにおいて、前記長翼にはそれぞれ周方向に共通の向きに圧力面と負圧面があって、前記外周側短翼は、その両側に隣接する2つの前記長翼の中央位置よりも前記長翼の負圧面に近い位置に配置されていること、を特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明で得られる作用・効果が得られるほか、外周側短翼の翼負荷を大きく、長翼の翼負荷を小さくし、さらに短翼圧力面の局所的な圧力の減少を抑制することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、前記長翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度が、前記短翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度よりも小さいこと、を特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、短翼におけるランナバンド入口側に偏って入ってくる流れをランナクラウン側に寄せることができるので、ランナバンドからランナクラウンにかけての高さ方向の流れを均一化することができる。これにより、キャビテーションの発生を抑制できる。
【0014】
また、請求項4の発明は、上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、前記短翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度が、前記短翼の外周端部と前記ランナクラウンの外周端部とのなす角度よりも小さいこと、を特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、ランナバンド側ランナ入口角度が小さいことからランナバンド付近で水流の流入角度とランナ入口角度との食い違いが少なくなり、水流を良好にランナに導くことができる。したがって、低出力運転時に主にランナバンド側で生じる圧力面側での水流の剥離現象を防止することができる。これにより、キャビテーションの発生を抑制できる。
【0016】
また、請求項5の発明は、上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、前記長翼および短翼の各外周端部の上端部は同一円周上にあり、前記短翼の外周端部の下端部は前記短翼の外周端部の上端部よりも内周側に位置していること、を特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によれば、ランナ旋回速度が小さくなり水流のランナ流入角度が大きくなり、水流流入角度とランナ入口角度の差が少なくなる。したがって、圧力面側で剥離を抑制する。これにより、キャビテーションの発生を抑制できる。
【0018】
また、請求項6の発明は、上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、前記短翼の圧力面の少なくとも外周部付近に耐キャビテーション性能の優れた材質の肉盛溶接部を設けること、を特徴とする。
【0019】
請求項6の発明によれば、水車運転において入口キャビテーションが発生しても、ランナが壊食されにくく、ランナの寿命を長くすることができる。
【0020】
また、請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のランナを有する水力機械であることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、キャビテーションの発生を抑制し、またはキャビテーションが発生しても壊食されにくいランナを有するので、運転範囲の拡大に対応できる水力機械を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るフランシス型水力機械のランナによれば、キャビテーションの発生を抑制するか、またはキャビテーションが発生しても、ランナの健全性を保ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜8を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここで、従来技術または相互に共通もしくは類似の部分には同じ符号を用い、重複説明は適宜省略する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第1の実施の形態を示す。図1に示すように長翼1aと長翼1aの間に配置された各短翼は、外周側短翼1cと内周側短翼1dの独立した羽根に2分割されている。図2に外周側短翼1cと内周側短翼1dのまわりの水流の流れを示す。外周側短翼1cと内周側短翼1dの間より高圧水流が短翼圧力面4a側流路から短翼負圧面4b側流路に流入する。流入した水流によって短翼外周側からの発達してきた境界層は影響を受け、内周側短翼1dの負圧面5b側の境界層の発達を妨げることになる。
【0024】
本実施の形態によれば、短翼を独立した2つの外周側短翼1c、内周側短翼1dとすることで、分割しない場合に比べ、内周側短翼1dの負圧面側流路の境界層の発達を妨げ、高出力運転で生じる水車出口キャビテーションを抑制することができる。さらに境界層発達の抑制は、境界層の発達に伴って大きくなっていく水車運転における出口側の後流を抑えることになるので、後流発生に伴う損失を減少し、効率を向上することができる。
【0025】
[第2の実施の形態]
図3は本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第2の実施の形態を示す。短翼1bは流線方向に対して外周側短翼1cと内周側短翼1dの独立した翼に2分割されており、外周側短翼1cは長翼1a間の中間位置よりも長翼1aの負圧面3b側の周方向に配置されている。
【0026】
図4に、解析結果から得られた従来の長翼と短翼を周方向に交互に配したランナの翼面圧力分布を示す。実線50は長翼の周りの分布、点線51は短翼の周りの圧力分布を示す。(a)は負圧面側に短翼を回転させた場合、(b)は長翼の中間位置に短翼を配置した場合である。
【0027】
この結果から明らかなように、短翼を長翼負圧面側に回転させた場合(a)は、中央位置に配置した場合(b)に比べて長翼と短翼の翼負荷の差が小さくなり、しかも、ランナ入口側での局所的な圧力の低下が小さくなっている。このため、(a)の場合の短翼のランナ入口側での極小圧力Paは、(b)の場合の短翼のランナ入口側での極小圧力Pbよりも高い。このことから、短翼を長翼負圧面側に回転させることで局所的な圧力の低下を抑えることができ、キャビテーション性能が向上することがわかる。
【0028】
しかし、短翼を長翼負圧面側に回転させると、製作性、保守性が悪化する場合がある。すなわち、図3に破線で示す分割しない場合の短翼1bでは、水車運転におけるランナ入口位置を長翼1aの負圧面3b側に回転した場合に、ランナ出口付近(内周側)の長翼1aと短翼1bの間隔が小さくなってしまう。そのため、ランナ回転角度の変化幅はランナ製作時のランナ出口付近長翼と短翼の間隔の限界によって決定される。本実施の形態では短翼が2つに別れていることから、出口付近の長翼と短翼の間隔は内周側短翼の位置により決定できる。したがって、短翼回転角を変化させても、ランナ出口付近での長翼と短翼の間隔の制約を受けることはない。
【0029】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の作用、効果に加えて以下のような作用、効果が得られる。外周側短翼1cを長翼負圧面3b側に寄せることによって短翼圧力面側の流路における圧力が高くなり、短翼と長翼の翼負荷の差が小さくなる。また羽根を流線方向に2分割していることから、分割しない場合に比べ、製造時に短翼内周側で作業が困難であるという理由に起因する短翼回転角度限界よりも回転させることができるため、水車運転における短翼入口位置の配置の調節幅が大きくなる。したがって、製作性、保守性より制限を受けず、適正な短翼回転角度を選定することができ、短翼と長翼でキャビテーション特性の差が少なく、しかもキャビテーション特性が良好になる。
【0030】
[第3の実施の形態]
図5は本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第3実施の形態を示す。長翼1aの外周端(入口端)とランナクラウン5の外周端との交点7aと長翼1aの外周端とランナバンド6の外周端との交点7bを結んだ直線9aとランナバンド6の外周端とのなす角度β1と、短翼1bの外周端とランナクラウン5の外周端との交点8aと短翼1bの外周端とランナバンド6の外周端との交点8bを結んだ直線9bとランナバンド6の外周端とのなす角度β2が、β1<β2となるように形成されている。
【0031】
本実施の形態によれば、水車運転時にランナ羽根入口でランナバンド6側に偏って入ってくる水流を短翼1bにおいてランナバンド6からランナクラウン5にかけて偏流させることができ、ランナバンド6からランナクラウン5にかけての流れを均一化する。したがって、ランナバンド6の近傍における局所的な圧力低下が抑制され、キャビテーションの性能が向上する。
【0032】
[第4の実施の形態]
図6は本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第4の実施の形態を示す。短翼1bのランナクラウン5側キャンバーライン28aがランナクラウン5の外周端と交わる点における接線8aとランナクラウン5側キャンバーライン28aのなす角度をα1、短翼1bのランナバンド6側キャンバーライン28bがランナバンド6の外周端と交わる点における接線29bとランナバンド6側キャンバーライン28bがなす角度をα2とすると、α1>α2が成り立つような形状に構成されている。
【0033】
本実施の形態によれば、キャビテーションの発生しやすい短翼ランナバンド1b側でランナ入口角度を小さくすることでランナバンド6側におけるランナの入口角度と水流の流入角度の差を少なくし、水車運転入口側での水流の剥離を抑制することができる。したがって、第3の実施例による効果を加えて、水流の剥離を抑制することで、さらにキャビテーション特性を良好にすることになる。
【0034】
[第5の実施の形態]
図7は本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第5の実施の形態を示す。水車運転における入口(外周端)前縁形状において、ランナクラウン5と短翼1bの交点よりも短翼1bとランナバンド6の交点が内周側に配置されている。本実施の形態によれば、低出力運転時にキャビテーションの発生しやすい短翼ランナバンド6側の外周端を短翼ランナクラウン5側外周端および、長翼1aのランナバンド6側外周端より内径側に配置することによって、ランナへ流入する流れの周速度を減少させ、水流の入口流入角度と短翼の羽根入口角度の差を小さくすることができる。よって、水車運転入口側で流れの剥離が生じにくく、キャビテーション特性が向上する。
【0035】
[第6の実施の形態]
図8は本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第6の実施の形態を示す。この実施の形態では、キャビテーションの発生しやすい場所に耐キャビテーション性能の優れた材質の肉盛溶接部7を設ける。すなわち、短翼1bの圧力面4a側、特に外周端近くに肉盛溶接部7を設ける。ここで、耐キャビテーション性能の優れた材質としては、例えば、13Cr−6Ni−5MnまたはCo基合金が好適である。
【0036】
本実施の形態によれば、短翼1b圧力面3で水流の剥離が生じた場合でも、ランナの壊食を防止することができ、ランナの延命化を図ることができる。また、その溶接素材が壊食された場合にも実際の羽根面よりも溶接部位7は厚くなっていることから、性能を悪化させることなく運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第1実施の形態の部分的平面図。
【図2】図1のランナの模式的部分拡大平面図。
【図3】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第2実施の形態の部分的平面図。
【図4】図1のランナの周りの圧力分布を示すグラフであって、(a)は短翼を隣接する長翼の負圧面側に近づけた場合、(b)は長翼と短翼を当間隔で並べた場合を示す。
【図5】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第3実施の形態の斜視図。
【図6】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第4実施の形態の外周端付近の部分斜視図。
【図7】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第5実施の形態の右半立断面図。
【図8】本発明に係るフランシス型水力機械のランナの第6実施の形態の部分的平面図。
【図9】従来のフランシス型水力機械のランナの平断面図。
【符号の説明】
【0038】
1…ランナベーン、1a…長翼、1b…短翼、1c…外周側短翼、1d…内周側短翼、2…ランナ、3a…長翼圧力面、3b…長翼負圧面、4a…短翼圧力面、4b…短翼負圧面、5…ランナクラウン、6…ランナバンド、7…肉盛溶接部、7b…長翼の入口とランナバンドの外周端の交点、8a…短翼の外周端とランナクラウンの外周端の交点、8b…短翼の外周端とランナバンドの外周端の交点、12…分割されていない短翼の負圧面に発生する境界層、13…分割された短翼の負圧面に発生する境界層、14a…長翼入口前縁、14b…短翼入口前縁、7a…長翼の外周端とランナクラウンの外周端の交点、28a…短翼のランナクラウン側キャンバーライン、28b…短翼のランナバンド側キャンバーライン、40…ランナ回転軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、
前記短翼は、半径方向に互いに間隔をあけて複数に分割されていて、少なくとも内周側短翼と外周側短翼とを有すること、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項2】
請求項1に記載の水力機械のランナにおいて、前記長翼にはそれぞれ周方向に共通の向きに圧力面と負圧面があって、前記外周側短翼は、その両側に隣接する2つの前記長翼の中央位置よりも前記長翼の負圧面に近い位置に配置されていること、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項3】
上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、
前記長翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度が、前記短翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度よりも小さいこと、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項4】
上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、
前記短翼の外周端部と前記ランナバンドの外周端部とのなす角度が、前記短翼の外周端部と前記ランナクラウンの外周端部とのなす角度よりも小さいこと、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項5】
上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、
前記長翼および短翼の各外周端部の上端部は同一円周上にあり、前記短翼の外周端部の下端部は前記短翼の外周端部の上端部よりも内周側に位置していること、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項6】
上部壁を構成するランナクラウンと、下部壁を構成するランナバンドと、これらランナクラウンとランナバンドの間に挟まれた空間内に互いに間隔をあけて周方向に交互に並べてそれぞれ複数枚配置された長翼および短翼と、を有し、鉛直軸の周りに回転するように構成されたフランシス型水力機械のランナにおいて、
前記短翼の圧力面の少なくとも外周部付近に耐キャビテーション性能の優れた材質の肉盛溶接部を設けること、を特徴とする水力機械のランナ。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のランナを有することを特徴とする水力機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−22694(P2006−22694A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200643(P2004−200643)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】