説明

水和された動物性タンパク質を主成分とし、熱処理に安定している中間バルク食品のための冷間押出製造工程

添加剤または乳化剤及び/または食感付与剤を加えることなく、水和された動物性タンパク質からおおむね膨化された中間食品及び/または食感付与された最終製品であり、熱処理に安定した食品及び/または最終製品の製造であって、以下の連続したステップを含む。(1)最初の生パルプ(A4)を魚肉から作る;(2)冷凍状態または非冷凍状態で保持され得る安定化パルプ(B9)の製造にいたる一連の作業を実行する;(3)この安定化パルプを真空容器(110)に導入して、二重反転スクリューを備えた冷間調整2軸押出機(111)に供給し、混合添加剤(112A/B)を取り込むもしくは取り込まない充填(111A)、成分を均質化するための混合(111B)、潜在的なタンパク質再付着部位の数を増加させるための剪断(111C)、空気またはガスの取り込みによる膨化(111E2)、そして搬送(111F)の一連のステップを実行することで、おおむね膨化された、含有物(C11)を含んだもしくは含まない、熱処理に安定した、使用される原料の感覚刺激特性及び構造特性に適応可能で、また原料の感覚刺激特性及び構造特性とは異なり得る感覚刺激特性及び構造特性を備えた、食感付与された食品を得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[説明]
[発明の背景]
本発明は、食品産業、そして、特に、おおよそ膨化された最終加工製品またはムースの製造に関する。
【0002】
本発明は、水産原料を加工及び活用するための革新的な工程に関し、より具体的には、様々な食感品質及び感覚刺激特性を発揮し、熱処理に安定し、例えば魚、軟体類または甲殻類等の多種多様な水産資源を原料として2軸二重反転冷間調整熱押出機内部にてこれら製品を加工することによって作られる、新しい食品の製造技術に関する。
【0003】
魚、軟体類または甲殻類は、世界中で様々な形で昔から広く消費されており、概してそれらの栄養価は高いと考えられている。しかしながら、ここ数年にわたって、生活様式及び消費者の風潮はより西洋化してきており、この種の食品が自然の形で消費者に提供されてもあまり関心が向けられない。例えば、魚、甲殻類、そして軟体類がもつ独特の匂い、骨の存在、そして独特の匂いや骨の存在によって生じ得る不都合さが、特に若い世代にとって、シーフードの消費を好ましくないものとしてとらえられている。
【0004】
この事実にもかかわらず、シーフードは、低カロリーかつ高タンパク質含有量で知られており、再評価により安定性が促進され、さらにはシーフードの消費が増加した。
それでも、これらの製品がより簡単に消費できる形で提供されることができれば、多くの消費者にとってこれらの製品はさらに魅力的となる可能性がある。
【0005】
したがって、魚を拒む風潮を阻み、より多くの人々にシーフードの消費を促すために、これらの製品をより魅力的でより簡単に消費できる形に調理するための数々の試みがなされている。
【0006】
例えば、魚または甲殻類のパルプの軽低温化を通して魚肉に匹敵する繊維質の食感を示す食品を製造するための技術、または、すり身ペーストを型に入れて成形、加熱することにより、あるいは、化学的性質を変更するための凝集液へ押し出すことにより、カニ肉に似た製品の製造を可能にする工程が開発されている。
【0007】
上述したすり身は、日本で用いられる用語で、骨を抜いた魚肉を水で洗って抗凍結剤を混ぜる前に機械処理することにより、長期間、凍結保存を可能にしたものである。
幅広い種類の食品が、この濃縮水和筋原繊維タンパク質から開発されており、魚肉タンパク質の消費を可能にすると共に、互いに異なる風味、味わい、感覚刺激面で楽しませてくれている。
【0008】
それにもかかわらず、すり身が原料として用いられる場合、水溶性タンパク質を処理に使うことができない。なぜなら、水溶性タンパク質は、その後の食感付与の可能性を制限してしまうからである。さらに、そのような食品の製造には、大規模な分離、洗浄、精製作業を行う必要があるため、収益に多大な損失が発生し、製造の財政的実行可能性を危うくする。
【0009】
水溶性タンパク質を保持し、後で食感付与されやすく、喜んで消費してもらえる本質的な感覚刺激特性の異なる中間食品を製品に提供する機構または工程によって、魚、軟体類または甲殻類の肉等の原料を比較的簡単な方法で取り扱う新しい食品製造工程を開発するために様々な研究が行われている。
【0010】
本願発明者は、機械的に骨を抜かれた魚肉などの水産原料(以後、安定化パルプと称する)が2軸二重反転冷間調整熱押出機工程において処理される際に、満足の行く成果を得ることに成功した。これらの製品は、その後、簡単に工業的に食感付与されて、消費者が期待する食感及び感覚を刺激する外観を示す最終製品となる。
[発明の概要]
本発明は、2軸二重反転熱押出機を用いた冷間押出工程を使用した、安定化パルプの形で提供される水産原料を加工、処理、活用する方法を提案する。安定化パルプは、魚、軟体類または甲殻類の中から選択される1つ以上の水産原料、または、前述の原料の混合物及び添加剤との混合物から構成される。
【0011】
実施された工程の目的は、1つ以上の調整空気取込システムが適応する2軸二重反転押出機に動力供給する1つ以上の真空押出ロッドに関連した、低温殺菌、滅菌などの熱処理に安定し、添加剤あるいは食感成分及び/または乳化剤を加えることなく、おおよそ膨化された、食感付与された製品またはムース状の製品を水和動物性タンパク質から製造することである。
[背景及び原理]
従来技術においては、水産品から製造される従来のムースまたは模造食品は、一般的に、以下の2つの連続したステップで製造される。
・予乳化を促進させる成分または添加剤の取り込みによる高温予混合、そして
・タンパク質の熱による変性を防ぐためにタンパク質を低温混和させる第2ステップ。
【0012】
これらの従来技術の工程には、以下に示すようないくつかの不都合がある。
・これらの工程を連続的に実行するのは難しく、工業工程の要件にうまく適合しない。
・約30℃という第1ステップで必要とされる温度は、細菌フローラの増殖に好都合となり得る。
・添加剤(乳化剤)または技術的成分(植物油)が予乳化を得るために必要とされる。
・タンパク質ネットワークの3次元的再編成の結果である繊維の再構築が不可能、またはおおむね膨化されたムースの製造に対立する。
[発明の詳細な説明]
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の有利な実施は、第1のフェーズにおいて、魚または甲殻類から選択される1つ以上の水産原料を、別々にあるいはよく混合された状態で使用できることである。
本発明の1つの好ましい応用では、頭部及び内臓等の食べられない部分を予め取り除いた原料の成分を、物質密度の勾配にしたがって分別機械により分別することにより、第1のフェーズにおいて、ここでは安定化パルプと称される、使用されるひき肉が得られる。
【0014】
得られた圧搾物は、主に筋形質タンパク質、筋原繊維タンパク質、水分、脂質から構成され、水産製品の肉に自然に含まれている前オキシダント化合物と、タンパク質の固定化の新しい部位を隠すことにより、最終食感付与フェーズの間、筋原繊維タンパク質に干渉する可能性のある成分とを排除するための一連の処理を受ける。
【0015】
本発明の1つの好ましい応用において、分別機械による分別により得られた圧縮物は、安定化パルプと称されるパルプを得るために、洗浄され、脱水され、除臭され、乾燥される。
【0016】
本発明の原料である、この安定化パルプは、加工前に冷凍させても、冷凍させなくてもよく、抗凍結剤を加えても、加えなくてもよい。
このいわゆる安定化パルプは、連続した分離及び浄化フェーズにより、排他的濃縮水和筋原繊維タンパク質を得られるわけでも、親水性を欠いた乾燥粒状製品が得られるわけでもなく、むしろ次の食感再付与のためのあらゆるレオロジー的性質を保持した材料であるという点で、全体の総生産量の45%を上回る生産収率にも関わらず、一般にすり身ベースと呼ばれるものには対応しないことに注目される。
【0017】
本発明の1つの好ましい応用において、安定化パルプは、真空押出ロッド、2軸二重反転押出機、背圧弁、成形及び事前加熱用ダイス、蒸気/マイクロ波複合加熱オーブンを部分的または完全に備えた、一連のインライン装置に導入される。
【0018】
本発明の1つの好ましい応用において、安定化パルプは、2軸二重反転熱調整押出機に対する動力供給を制御する役割を果たす真空押出ロッドに導入される。
この構成では、押出機は、2つの二重反転スクリューを含み、端部に背圧弁が設けられたシースから構成される。
【0019】
本発明の好ましい実施によると、押出シースは、内部に並置された複数の要素から構成され、その内部からグリコール冷却水が循環させられて、混合、剪断、圧縮機構により生じる機械的な過熱により生じ、ここに導入される、パルプの温度上昇を制御する。
【0020】
したがって、具体的には、押出機は、処理される材料に所望される効果により、短時間に、輸送、圧縮、混和、混合、剪断、加熱、膨化、成形などのフェーズを実行する能力を有する。
【0021】
押出機の特性を決定する要因は、本質的に、各々が非常に特別な機能を有し、相互交換可能な要素からなる二重反転スクリューの外形に関連している。
本発明の1つの好ましい応用において、押出機の上流で真空押出ロッドを使用することにより、
・空気を入れずに確実に押出機に安定化パルプを供給できる。
・押出機へ供給する流量を調整でき、その結果、押出シースの出口で印加される背圧にしたがって食感付与の強度を調整できる。
【0022】
本発明の1つの好ましい応用では、押出シースの各セグメント上に圧力センサが配置されて、パルプに対して加えられる機械効果の強度を示すことが可能である。
本発明が使用された一般に認められた応用のうちの1つでは、押出機の二重反転スクリューの外形は、以下の順で、あるいは最終製品に所望される食感特性に基づいて決定される順番で、以下を含むものとする。
・充填領域
・パルプ混合領域
・剪断領域
・スレッド反転による背圧領域
・強勢除去領域
・輸送領域
充填領域は、確実に押出機へ規則正しい供給及び充填を行う直接的及び進行性のスレッドを備えたスクリュー要素から構成されるものとする。
【0023】
混合領域の目的は、安定化パルプを完全に均質化することである。この均質化のレベルは、最終製品に所望される外観に合わせて調整されるべきである。
剪断領域の目的は、安定化パルプをミクロ単位で引き裂いて、連続した規則正しい3次元ネットワークを形成することにより、タンパク質固定の新しい部位の潜在数を増加することである。
【0024】
剪断強度は、真空押出ロッドと、スクリュー要素の長さ及び特定の外形とにより供給される流入流量の値に加えて、材料の還流を生じさせるアルキメデススクリューとパッキングプラグとから構成される次の領域内でパルプに加えられる背圧により制御されるものとする。
【0025】
適切に冷却された(大部分においてT°<8℃)非構造化サブゾーンの編成により、掻爬タイプの従来技術で発生するタンパク質のミクロ単位の過熱現象が制限され、機能特性が維持されるものとする。
【0026】
スクリュー要素が<<ミキサ>>タイプである強勢除去領域の目的は、押出機内に、シースの軸先端に配置される調整弁により印加される背圧にしたがって強度が調整されるくぼみを作ることにより、前の領域と区別することである。
【0027】
スクリュー要素のピッチが細かい輸送領域の目的は、ディスクミキサの機能原理により、強勢除去領域に生じ得る流量の変動からパルプを解放することにより、出口チェーンに向けたパルプの運搬を促進することである。
【0028】
本発明の1つの好ましい応用では、充填領域は、複数の材料投入口を有し、これらの材料投入口により、パラメータ設定と、最終製品の感覚刺激面を変更する目的の異なる成分の同時追加とを行うことができる。
【0029】
上述した添加剤の混合は、安定化パルプに1つ以上の材料または物質を選択的に追加することで、湿度、硬さ、色、風味または粘着性のレベルを調整し、これにより、最終製品に所望の食感及び味わいをもたらすことを意味している。
【0030】
上述した混合添加剤の例としては、全大豆、脱脂大豆または大豆粉、大豆タンパク粉、小麦グルテン、イースト、ジャガイモ粉またはとうもろこし粉などのスターチ、小麦粉及び米粉等のなどの穀粉などの、大豆ベース製品及び/または小麦ベースの植物性タンパク質、ミルク、粉ミルク、カゼイン、卵白、果物、野菜が挙げられる。
【0031】
これらの混合添加剤は、単独あるいは他のものとの組み合わせで使用されてもよい。
上述したように、混合添加剤の使用は任意である。その組み合わせ及び混合関係は、作業者により一様に変更可能及び調整可能である。混合添加剤は、使用されると、湿気または硬さの調整剤または高含水率を示すパルプの結合剤として作用し、最終製品に要求される口触り、味わい、弾性、適当な味わい及び色をもたらす。
【0032】
さらに、シーズニング、スパイス、調味料、増粘剤、着色剤などの粉末状あるいは液体状の添加剤を、そのような混合添加剤と一緒にあるいは別に、選択的に用いてもよい。
安定化パルプ内におけるこれらの添加剤は、ミキサ内で予め混合されてもよいが、本発明の好ましい応用では、押出機への充填領域内にこれらの成分を取り込むためのパラメータの調整が可能である。
【0033】
本発明の1つの好ましい応用において、混合領域は、安定化パルプの成分を確実に大体において十分にかき混ぜる一連の平ヘッドスクリュー要素から構成されており、安定化パルプには1つ以上の成分を加えてもよい。これらの混合要素の数及び混合領域の取込長は、最終製品が大体において均質の外観を示すように、オペレータの希望に沿って決定される。
【0034】
本発明の1つの認められた応用は、2つのサブユニットからなる強勢領域を必要とする。
・移送領域
・膨化領域
移送サブユニットは、パルプを確実に搬送するピッチの細かいスクリュー要素により特徴付けられ、背圧領域の要素により先立って生じた圧力を低下させる。あるいは、移送サブユニットは、ガス及び/または空気の取り込みを可能にするわずかなくぼみによっても特徴付けられる。
【0035】
本発明の1つの好ましい応用において、空気及び/またはガスは、以下の膨化サブユニットに存在する圧力より大きな圧力を用いて、次の製品を確実に膨化するのに十分な量が導入される。導入されるガスの量は、おおむね膨化された最終製品が得られるように制御、調整される。
【0036】
以下の膨化サブユニットでは、スクリュー要素がミキサタイプで、やわらかい材料の状態に分解されたパルプ内のガス及び/または空気を確実に取り込むと共に、確実にミクロ単位の均質化及び製品の膨化を行う。これら2つの作用は、強勢領域内の圧力に大きく依存し、押出シースの軸先端に位置する背圧弁により正確に調整される。
【0037】
本発明の別の応用において、このくぼみゾーンは、固形成分の取り込みシステムを備えることにより、食感付与されておおむね膨化された安定化パルプにより構成されるタンパク質基質内に含有物を得る。作業者の希望に適合するサイズ及び食感のこれらの含有物は、流量制御押出ロッド装置により、くぼみゾーンのレベルで導入されるものとする。
【0038】
次の輸送領域での搬送スクリューの単純な作用により、これらの含有物は食感付与されたパルプを引き裂くことなく十分に混合される。
本発明の特定の応用において、これらの含有物は、食感付与されたパルプより密度の大きい粒子からなり、すり身や、作業者の興味を有し得る野菜または他の食料品のペーストから作られてもよい。これらの含有物は、本発明の操作に沿って準備されたものであれ沿わずに準備されたものであれ、様々な形状及び色を示してもよく、その一方で、タンパク質基質コーティングの特性とは対照的な、その風味や味わいを変化させる抽出物を添加してもよい。
【0039】
本発明の有利な実施においては、押出シース出口において、強勢領域内の圧力を正確に調整できるように配置された、調整可能なパラメータを備えた背圧弁が使用される。
真空押出ロッドによる押出機の増圧パラメータとの関連して、スクリューの回転速度及び強勢領域内の要素の外形において、製品の制限がこの背圧弁によって調整されて、(押出機の入口と出口との間の流量の違いが記録されるのであれば)流量間の等価性を回復させ、押出シース内部における一定で規則正しい機能性を保証するように調整することができる。
【0040】
本発明の1つの好ましい応用では、押出機の出口で得られた製品は、添加剤またはその他の成分を含んでいても含まなくてもよい食感付与された安定化パルプからなり、すぐに加熱されて加熱凝固を生じる。
【0041】
蒸気、電気、ガスまたは同様なシステムを使用する従来の過熱システムを、上述した製品を加熱する機器として使用してもよい。製品の加熱凝固及び低温殺菌が行われる限り、バッチまたは連続処理を行ってもよい。
【0042】
本発明の1つの好ましい応用では、加熱装置は、調整可能な温度で蒸気が循環する二重密閉エンクロージャに挿入されたダイスから構成される。この低温加熱装置は、過剰な加熱を行うことなくタンパク質基質の凝固の進行を促進するため、加熱チェーン内の流れは流体の状態で運び出される。
【0043】
本発明の有利な実施においては、この加熱チェーンが、タンパク質凝固と同時に、成形ダイスとして使用されてもよく、それにより作業者の希望に適合する大きさ及び形の最終製品になる。
【0044】
本発明の工程のこのフェーズで、本願発明者らは、大体において繊維状の構造を示し、おおむね膨化され、低温殺菌及び滅菌の熱処理に安定した、このタイプの特徴に特有の他の添加剤または成分を加えない、食感付与された製品を得る可能性を維持する。
【0045】
したがって、本発明に沿って、作業者の財政的あるいは商業的関心に従って、魚、軟体類、甲殻類の群から選択される1つまたは複数の水産原料、または、これらの原料と添加剤との混合物を含む安定化パルプを使用することによって、熱処理に安定した、食感付与された食品であって、感覚刺激特性が使用される原料の特性に適合、変化する食品を得ることが可能である。
【0046】
上述の革新的な局面に加えて、この方法の利益は、添加剤や成分の取り込みのための事前の熱混合のフェーズを行うことなく、全ての操作をオンラインで連続的に工業規模で、行うことができるようにすることである。
【0047】
本発明のさらなる革新的な特徴は、事前の乳化の処理を行うことなく、おおむね膨化されたパルプまたはムースを製造できることである。
[本発明の図面]
本発明の異なる基本的かつ本質的な局面を、再度1つずつ取り上げて説明するが、本発明は、まず、付属する図面に参照用として提供された、以下の例の記載に基づいてよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図A】パルプ全体の製造へと続く原料全体処理の機能図を示すパネルである。
【図B】安定化パルプの製造を促進するパルプ全体処理の機能図を示すパネルである。
【図C】本発明による、最終加工された製品、またはおおよそ膨化された、熱処理に安定したムースを製造するための、いわゆる安定化パルプの処理の機能図を示すパネルである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
ここで、(明示的に反対の記載がない限り、)動作ステップまたは動作ステップを含むフェーズの時系列的な順番を考慮しつつ、本処理を図A,B,Cを参照しながら説明する。
【0050】
本発明の目的であるこの処理は、特に魚を処理及び活用するために研究されたものではあるが、軟体類であれ甲殻類であれ、物理的または化学的処理による食感付与及び/または凝集を受けてタンパク質ゲルを形成する可能性のある十分な量の筋原繊維タンパク質を肉に含む限り、あらゆる種類の水産品に適用できる。
[概要A]
(フェーズ1):頭部及び内臓の処理
頭部及び内臓の処理は、本発明の本質的要素及び本発明から導かれるいずれかの請求項の目的を構成するものではないが、基本材料全体として使用される、新鮮なまたは解凍された、完全な魚(A1)は、効率的に頭部及び内臓の分離を実行する機械システム(101)に導入されるか、あるいは手作業で処理されて、通常食用とされる部分(A2)のみが保存される。
(フェーズ2):生パルプの製造
頭部を切り落とされ、内臓を取り出された魚(A2)を、様々な速度のウォームスクリューからなる機械分別機(102)に投入し、その後、シリンダ状の孔の開いた裏ごし器に投入し、密度勾配に応じて導入された方法で要素を段階的に分別する。
【0051】
この機械的分別の過程で、洗浄水(A3)が分別ツールに投入され(103);水のpH及び硬度を調整して、肉質に存在する酸化促進剤と、筋形質タンパク質とを可能な限り可溶化させる。筋形質タンパク質は、本発明により保護される最終製品の基質を構成する筋原繊維タンパク質との次の相互作用に関与している。
【0052】
この機械的分別(102)により、一方で生パルプ(4)が、他方で、皮膚と骨の乾燥ホモジネート(A5)が回収される。
[概要B]
(フェーズ1):生パルプの洗浄
本発明の本質的な要素または本発明のいずれかの請求項の目的を構成するものではないが、生パルプ(A4)は、洗浄タンクに導入される(104)ことに注目される。洗浄タンクでは、好ましくない化合物を可溶化させるステップに続いて、洗浄液(B1)の存在下で生パルプが混合される。
(フェーズ2):水の除去
フェーズ1の洗浄の後(104)、好ましくない可溶化化合物を含む洗浄水(B3)部分を除去する目的で、水和パルプ(B2)を遠心分離機(105)に導入する。
(フェーズ3):動的混合
次のタンパク質の再付着に有害な特定の脂質化合物を完全に可溶化するために、先に洗浄したパルプ(B4)を、pH及び硬度が同様に調整された洗浄水(B5)の存在下で動的ミキサ(106)に導入する。その結果が、脱脂水和パルプ(B6)である。
(フェーズ4):除臭
水和され、脱脂されたパルプ(B6)を除臭タンク(107)に導入し、真空抽出処理により、魚肉特有の風味に関与する揮発性芳香族化合物(B7)を除去する。
(フェーズ5):脱水
得られた、水和され、脱脂され、除臭されたパルプ(B8)を遠心分離機設置タンク(108)あるいはスクリュープレスに導入し、水分レベル85%未満の安定化されたパルプ(B9)を製造する。
(フェーズ6):冷凍
この安定化パルプ(B9)を、抗凍結剤(B10)を添加あるいは添加せずに冷凍する(109)。
[概要C]
(フェーズ1):押出機への供給
本発明により保護される手順の最初の段階は、安定化パルプ(B9)を真空容器(110)に入れることである。
【0053】
本安定化パルプ(B9)は、魚、軟体類あるいは甲殻類の群から構成されるもともと水産品のいずれかから作られた、洗浄され、膨化され、脱水された肉からなる。本安定化パルプ(B9)は、安定化パルプの製造及び食感付与の作業が引き続き実行されない場合には、まず解凍されることに注目される。
【0054】
真空容器(110)は、定量化可能な、順次押出方式を備えなければならず、2つの相互浸透アルキメデスポンプと、供給ホッパの下流に設けられる真空ステージとから構成されることになる。
【0055】
一連の押出し及び順次押出しにより移動される製品の量が、以下に記載する押出機の機能を調整するための指示に応じて定義され、これにより、瞬時の流量または容器から出る重み付けされた流量が明らかになる。
【0056】
容器(110)の出力で得られた安定化ポンプ(C1)は空気を含まないことにある。
(フェーズ2):押出機の充填
本発明の好ましい応用において、押出機(111)は、相互回転2軸タイプであり、2つの反対方向に回転する相互に噛合するスクリューを備えた外部カバーからなる。
【0057】
2軸は、様々な機能を備えた相互交換可能な要素を支持する波形軸からなる。
本発明の1つの応用では、スクリューの外形には、以下の順番で、あるいは最終製品に望まれる食感特性に基づいて作業者により決定される別の順番で、
・充填領域(111.A)
・混合領域(111.B)
・剪断領域(111.C)
・背圧領域(111.D)
・拡張領域(111.E)
・輸送領域(111.F)
が含まれる。
【0058】
本発明の1つの好ましい実施によると、押出機(111)の外殻は、内部で冷却グリコール水(C.13)を循環させるいくつかの並置要素と、温度調節システム(112)とから構成される。温度調節システム(112)は、その中に導入されるパルプの、混合、剪断、圧縮機構に起因する機械的な加熱により生じる温度上昇を制御する。本発明の1つの好ましい応用では、投入された製品の中心温度は、タンパク質の変性あるいはカバー内の製品の固化を避けるために、8℃を超えてはならない。
【0059】
特に、押出機(111)は、処理される材料に所望される効果によって、短時間で、輸送、圧縮、混合、混練、剪断、加熱、膨化、成形などの段階を処理することができるようになる。
【0060】
安定化パルプ(C1)は、容器から気密のチューブシステムを介して押出機(111)の充填エリア(111.A)へ移動されることになる。
充填エリア(111.A)は、均一かつ進行的な動力供給を行うスクリュー要素から構成され、押出機への規則正しい継続的な供給を担う。
【0061】
本発明の1つの好ましい応用において、充填エリアは、材料(112.A;112.B)投入用の複数のポートから構成され、異なる成分(C2;C3)の限定的かつ同時追加により、最終製品の感覚刺激面を変化させることができるようになる。上述した添加剤の混合は、安定化パルプへ複数の材料または物質を選択的に追加することにより、水分量、硬さ、色、風味、あるいは粘着性を調整することを意味し、その結果、所望の食感、芳香、味わいを最終製品に提供する。
【0062】
上述した混合添加剤の例としては、全粒大豆、脱脂大豆またはその粉末、大豆タンパク粉、小麦グルテン、イースト、ジャガイモ粉またはとうもろこし粉などのスターチ、小麦粉または米粉などの穀物粉などの大豆及び/または小麦由来の植物性タンパク質、ミルク、粉ミルク、カゼイン、卵アルブミン、野菜、果物から作られる製品が挙げられる。
【0063】
これらの混合添加剤(C2;C3)は、単独で、もしくは組み合わせて使用できる。
上述したように、混合添加剤の使用は選択的なものである。その組み合わせ及び混合比率もまたオペレータにより変更及び調整可能である。混合添加剤を使用すると、水分調整剤、硬さ調整剤、または高水分量のパルプ用の結合剤として働き、最終製品に適当な、所望の口当たり、芳香、弾性、味わい、色を与える。
【0064】
さらに、そのような混合添加剤の存在下または不在下で、シーズニング、スパイス、増量剤(調味料)、増粘剤、着色剤などの粉末または液体添加剤を好みで使用してもよい。
安定化パルプへのこれらの添加剤の混合は、ミキサの最初に行うことができるが、本発明の1つの好ましい応用では、押出機の充填エリア(111.A)でこれらの成分の限定的な取り込みを行うことになる。
【0065】
本発明の別の好ましい応用では、充填領域の上流に、押出機(111)のカバーに導入されるパルプの正確な量を測ることを可能にする流量計(113.a)が設けられることになる。1つの特定の応用には、真空容器(110)の順次押出しの特性を記録することにより、流量測定を行うことが含まれる。
【0066】
充填領域(111.A)から出てくる、結果として得られる製品(C4)は、空気を含まず、不均一に混合添加剤(C2;C3)を含む安定化パルプとなるであろう。
(フェーズ3):製品の混合
パルプ(C4)は、押出機(111)のスクリューによって混合エリア(111.B)に向かって搬送されることになる。ここでは、パルプの均質化、及び混合添加剤(C2/C3)とパルプの均質化が行われることになる。
【0067】
この均質化は、最終製品の所望される性質に基づいてほぼ十分になされてもよい。
本発明の好ましい応用では、混合領域は、1つ以上の成分を追加あるいは追加せずに、安定化パルプを構成する要素がほぼ十分に混合される平らな外形を有する一連のスクリュー要素からなることになる。これらの混合要素の数及びその結果生じる混合領域の長さは、最終製品が大体において均質な性質を持つように、作業者の希望に応じて決定されることになる。
【0068】
結果として生じた製品(C5)は、空気を含まず、混合成分(C2;C3)を伴うあるいは伴わないで、大体において均質化されたパルプ(C5)である。
(フェーズ4):製品の剪断
パルプ(C5)は、押出機(111)のスクリューによって剪断領域(111.C)に向かって搬送されることになる。ここでは、安定化パルプをミクロ単位に裂くことにより、継続的な規則正しい3次元ネットワークの形成を介してタンパク質の再付着用の部位の潜在数を増加させる。
【0069】
剪断強度は、真空容器(110)により提供される流入流量の値と、スクリュー要素の長さ及び特定の外形とによってさらに制御され、逆供給スクリュー及び圧縮窓を構成する次の領域(114.D)内でパルプに加えられる背圧によって、材料の逆流を引き起こすことになる。
【0070】
適当に冷却(全体でT°<8℃)された非ストラクチャ化サブゾーンを構成することにより、従来の切断技術に起きるミクロ単位の加熱現象が制限され、タンパク質の機能特性が確実に保存される。
【0071】
結果として生じた製品(C6)は、空気を含まず、大なり小なり混合成分(C2;C3)を含み、大体においてミクロ単位に裂かれたパルプである。
(フェーズ5):製品の加圧
パルプ(C6)は、押出機(111)のスクリューによって背圧領域(111.D)に向かって搬送されることになる。ここでは、圧縮を行って混合物中の圧力を増加させる。
【0072】
この背圧は、スクリューの特定の外形により作られ、逆供給あるいは間接供給が行われることになる。
このレベルでのスクリューの要素の数及び背圧領域(111.D)の長さに応じて、剪断(111.C)の効率を調整できる。
【0073】
結果として生じた製品(C6)は、空気を含まず、大なり小なり混合成分(C2;C3)を含み、大体においてミクロ単位に裂かれたパルプである。
(フェーズ6):製品の拡張
パルプ(C7)は、押出機(111)のスクリューによって拡張領域(111.E)に向かって搬送されることになる。ここでは、先の領域の個性を発揮させ、カバーの軸端に位置する制御弁(113)により印加される背圧に応じて調整される強度で、押出機内部に真空圧力を発生させることにより、パルプ(C7)を次の輸送領域(111.F)に供給することになる。
【0074】
本発明に使用される応用では、拡張領域(111.E)は、2つのサブユニットから成ることになる。
・移送領域(111.E1)
・拡張領域(111.E2)
移送サブユニット(111.E1)は、直接供給するスクリュー要素によって特徴付けられ、パルプ(C7)を確実に搬送し、背圧領域(111.D)の要素により以前に生成された圧力、あるいはガス及び/または空気(C10)の取り込みを可能にするほんのわずかな真空圧力さえも低下させる。
【0075】
本発明の好ましい応用では、空気及び/またはガスの投入は、次の拡張サブユニット(111.E2)の圧力より高い圧力で、確実に次に製品を拡張するのに十分な量で実行される。投入されたガス(C10)の量は、大体において膨化された製品を製造するように制御及び調整される。
【0076】
拡張領域(111.E2)に続くサブユニットでは、スクリュー要素は、混合タイプであり、確実にガス及び/または空気(C10)をペースト状に分解されたパルプ(C7)に取り込むと共に、製品をミクロ単位に均質化し拡張する。
【0077】
これら2つの動作は、拡張領域(111.E)内の圧力に大きく依存し、後者は、押出機カバーの軸先端に位置する背圧弁(113)によって正確に調整されることになる。
本発明の別の応用では、真空圧力の領域(111.E)は、固体化合物(C11)を取り込むためのシステムを具備することになる。この目的は、安定化され、食感付与され、おおよそ膨化されたパルプからなるタンパク質基質において含有物を製造するためである。
【0078】
作業者の希望に適合したサイズ及び食感の、これらの含有物(C11)は、流量が制御された詰め機構によって真空圧力領域(111.E2)に導入される。
次の輸送領域(111.F)の搬送スクリューの単純動作を通して、これらの含有物は、後者を剪断することなく、食感付与されたパルプに十分に混合される。
【0079】
本発明の本応用において、これらの含有物(C11)は食感付与されたパルプ(C7)より密度の高い粒子からなり、すり身、野菜、あるいは作業者の関心があるその他の食品のペーストから作られてもよい。本発明に示す操作に沿って準備されても、されなくても、本発明に示す操作に対応したこれらの含有物は、様々な形状及び色からなり、包埋タンパク質基質の特徴に反して、芳香及び味わいを変更する抽出物の添加剤を含んでいても、含んでいなくてもよい。
【0080】
結果として生じた製品(C8)は、大なり小なりの混合成分(C2;C3など)及び/または含有物を含む、おおむね膨化されたパルプである。
(フェーズ7):製品の移送
パルプ(C8)は、押出機(111)のスクリューによって輸送領域(111.F)に向かって搬送されることになる。ここでは、混合ディスクの動作の仕方により拡張領域(111.E)で発生する可能性のある流量の変動からパルプを解放することによって、パルプを出力ノズル(114)に向かって搬送することができるようになる。
【0081】
搬送領域(111.F)のスクリュー要素は直接供給用となるであろう。
結果として生じた製品(C9)は、大なり小なり混合成分(C2;C3など)及び/または含有物を含む、一定の流速で搬送される、おおむね膨化されたパルプである。
(フェーズ8):圧力の調整
押出シース(111)の軸端に逆圧弁を配置し、推進ゾーン(111.E)内部の圧力を調整する。
【0082】
真空容器(110)から押出機への供給パラメータ、スクリューの回転速度、推進ゾーン(111.E)内の構成要素の外形に従って、製品(C9)の制限された移動が逆圧弁(113)を介して調整されることになる。このため、押出機へ流入及び押出機から流出する流量の違いが記録される場合、流量間の等価性を再構築し、押出シースの内部で確実に一定かつ規則正しく作業が行われるように調整が行われてもよい。
【0083】
質量流量計(113.b)を逆圧弁(113)の下流に設置し、押出機内への流入の際に流量計(113.a)によって測定される流入流量との比較で、流出流量を測定する。
【0084】
結果として生じた製品(C12)は、混合成分(C2;C3など)及び/または他の物質が追加され、一定の出力で送られる、おおむね膨化されたパルプである。
(フェーズ9):成形及び事前加熱
逆圧弁(113)の端部に、成形及び事前加熱パスを設置し(114)、タンパク質基質の進行性凝固及び同時成形を可能にする。
【0085】
蒸気、電気、ガス、または同様のシステムを使用する従来の加熱システムを、上述した製品を加熱するための加熱機器として使用してもよい。製品の凝固及び低温殺菌が行われる限り、バッチ処理または連続処理を使用してもよい。
【0086】
本発明の好ましい実施形態において、加熱装置は、内部で調整可能な温度で蒸気が循環させられる二重エンクロージャに挿入されるねじ切りダイスから構成される。この緩やかに加熱を行う装置は、過剰に加熱することなくタンパク質基質の進行性凝固を可能にする。この結果、加熱ねじ切りダイス内部の流れを円滑にすることができる。
【0087】
本発明の有利な実施形態により、この加熱ねじ切りダイスを、タンパク質凝固と同時に、最終製品部分を製造できるねじ切りダイスと、作業者の希望に適応した型枠との双方として使用できるであろう。
【0088】
得られた製品(C14)は、おおむね膨化され、食感付与されたパルプであり、混合成分(C2、C3など)またはその他の品目がほぼ気密に追加及び/または形成される。
本発明の処理のこの段階で、ほぼ繊維状でおおむね膨化された、低温殺菌及び滅菌の熱処理下で安定し、添加剤が追加されない、あるいは、そのような特性を備えた特別な成分を伴わない、食感付与された製品を得ることが可能となるであろう。
【0089】
これらの最終製品(C14)は、真空の箱または新鮮または半新鮮な製品として鮮度保持された箱で包装されるか、またはトッピングソースを追加もしくは追加せずに缶詰にされてもよい。
【0090】
すでに強調したように、本発明は、魚の皮膚の価値を工業的に増加する分野で好ましく応用されるであろうが、物理的あるいは化学的手順による食感付与及び/または凝固後、タンパク質ゲルに影響されやすい筋原繊維タンパク質がかなりの量、皮膚に含まれている限り、軟体類あるいは甲殻類であろうと、あらゆる種類の水産品の加工にも概して応用できる。
【0091】
本発明がこの例に限定されず、添付の請求項に記載の定義を尊重する限り、多くの変形物または均等物に拡張されることは明らかである。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理に安定し、添加剤を含むまたは含まない膨化食品の冷間押出による食感付与方法であり、水産品で作られた安定化パルプで始まり、順番に実行される一連の以下の段階を含む方法であって、以下の段階は、
安定化パルプを用意する段階(B9)と、
冷間調整2軸二重反転押出機(111)に動力供給する働きをする真空容器(110)に前記安定化パルプを挿入する段階と、
前記押出機内で混合、せん断、膨化、移送の連続した操作を実行する段階と、
その後、前記製品を成形及び事前調理ねじ切りダイス(114)に挿入する段階と
であることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記安定化パルプ(B9)は、水産物のタンパク質の水和化合物であり、全原料からの生産収率が45%より大きい
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方法であって、
前記安定化パルプ(B9)を、使用前に、抗凍結剤を使用あるいは未使用で冷凍可能である
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記安定化パルプ(B9)を、真空容器(110)に挿入し、定量化可能な、順次押出しのシステムを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記真空容器(110)は、2軸二重反転押出機(111)に連続的に動力供給する
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記安定化パルプ(B9)に添加混合物(C2;C3など)を加えることが可能であり、最終製品の湿潤性、硬さ、色、味わい、粘着性を調整し、前記最終製品に所望のテクスチャ、味わい及び粘着性を得ることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記2軸二重反転押出機は、2つの相互に噛合するスクリューが反対方向に向いたシースで構成され、以下の順番または異なる順番で、以下の異なる機能を備えた複数の作業領域を含み、該作業領域は、
充填領域(111.A)と、
混合領域(111.B)と、
剪断領域(111.C)と、
逆圧領域(111.D)と、
押付領域(111.E)と、
輸送領域(111.F)と
であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記2軸二重反転押出機(111)のシースは、複数の横並びの要素から構成され、該複数の横並びの要素の中では冷却グリコール水が循環して、混合、分配、圧縮の機構から生じる機械的なミクロな加熱により影響される前記パルプの温度を制御する
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1,6,7に記載の方法であって、
前記押出機(111)の前記充填領域(111.A)は、直接的及び進行的に動作するスクリュー要素を具備し、複数の投入口領域から始まる
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1,6,7に記載の方法であって、
前記充填領域は、上流に流量計(113.a)を備えることにより、前記押出機(111)に挿入されるパルプ(C1)の量を正確に測定可能である
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記混合領域(111.B)は、平らなプロファイルのスクリュー要素からなることにより、1つ以上の混合成分の追加と共にあるいは追加せずに、前記安定化パルプ(C1)を構成する要素をほぼ完全に混合できる
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記剪断領域(111.C)は、相互に噛合するギヤタイプのスクリュー要素からなることにより、前記パルプ(C5)を大なり小なり強制的に剪断でき、その結果、3次元の規則正しいネットワークの構成によるタンパク質再付着部位を増加する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記逆圧領域(111.D)は、間接的にあるいは反対方向に移動するスクリュー要素からなることにより、プラグをコンパクトにして、剪断効果(111.C)を調整するためにシース内の圧力を増加させる
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記押付領域(111.E)は、2つのサブユニットであって、
移送サブユニット(111.E1)と、
膨化サブユニット(111.E2)と
である2つのサブユニットからなる
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記移送サブユニット(111.E1)は、直接駆動スクリュー要素から構成されることにより、パルプ(C7)を確実に移動させ、押出シース内の圧力を低減させる、すなわち、わずかなくぼみであってもガス及び/または空気(C10)の取り込みを可能にする
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記膨化サブユニット(111.E2)は、混合タイプスクリューを備えることにより、パルプ(C7)内にガス及び/または空気の取り込みを確保するとともに、製品がミクロに均質化され、ほぼ強く膨化されることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1,5,7に記載の方法であって、
前記製品移送ゾーン(111.F)は、直接作用スクリュー要素からなることにより、出口ねじ切りダイス(114)に向かうパルプ(C8)の移動が可能になることで、前記スクリュー要素を、流量の変動から解放すると共に、混合ディスクの機能の原理に基づいて推進ゾーン(111.E)において作動可能である
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1,14,15,16に記載の方法であって、
前記押出シース(111)の軸端に、調整可能な逆圧弁(113)を設置し、前記推進ゾーン(111.E)内の圧力及び、前記押出機に流入及び前記押出機から流出する流量間の差を調整可能である
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記逆圧弁(113)の調整は、質量流量計(113.a)により記録された流入流量及び質量流量計(113.b)により記録された流出流量の差の測定により行われる
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1,14,15,16に記載の方法であって、
前記低下ゾーン(111.E)は、安定化され、食感付与され、おおむね膨化されたパルプ(C7)により形成されるタンパク質基質内に含有要素を得るために、固体化合物(C11)を取り込むシステムを具備可能である
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、
成形及び事前加熱ねじ切りダイスは、逆圧弁(113)の端部に設置されることで、タンパク質基質の進行的な凝集、及びタンパク質基質の同時形成を可能にする
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記成形及び事前加熱ねじ切りダイス(114)は、オペレータの必要に応じて形成され切り分けられたねじ切りダイスからなり、調整可能な温度で蒸気が循環させられているニ重壁容器に挿入される
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法の実施のための設定であって、
上述の全ての操作が、規則正しく連続的に行われる
ことを特徴とする設定。
【請求項24】
請求項1に記載の方法の実施のための設定であって、
上述の操作は、ほぼ食感付与され、ほぼ繊維状で、ほぼ混合物の成分により増量され、ほぼ膨化され、ほぼ含有物により増量された最終製品が得られるように調整され得る
ことを特徴とする設定。
【請求項25】
請求項1に記載の方法であって、
得られた膨化された最終製品は、後で行われ得る低温殺菌または滅菌処理下で熱安定性を有している
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法であって、
乳化剤を加えることなく、製品がおおむね強制的に膨化される
ことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法であって、
使用される原材料は、安定化パルプからなり、
該安定化パルプは、化学的または物理的処理による食感付与及び/または凝集の後、タンパク質ゲルに形成可能な大量の筋原繊維タンパク質を皮膚に含む限り、魚、軟体類、甲殻類の群から選択された1つ以上の水産品から一緒にあるいは別々に作られる
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項1〜27に記載の食感付与方法であって、
最先端の技術に加え、特に国際公開公報WO03079820号に関して、ここで提案される技術は、安定化パルプに始まり、おおむね膨化されると共に熱処理に安定し、直接消費可能な完全な製品であって、最終的に加工される前の基本材料の製造を伴わない、食感付与に関する
ことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項1〜27に記載の方法であって、
従来技術とは対照的に、特にヨーロッパ特許公報EP−A2−0190873号に関して、ここで提案される技術は、押出機のシース内の温度が厳密に8℃未満であることと、この装置の最終用途がほぼ強制的に膨化させることにつながる一連の操作の完了を可能にすることとを、命令的に要求する
ことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項1〜27に記載の方法であって、
従来技術の全ての請求項に反して、提案される技術は、混合、剪断、移送、とりわけ押出機内の膨化及び拡張の一連の非線形で調整可能な工程を実行することであり、請求項9,11,12,13,14,15,16,17などに記載の新規な特定のスクリュー外形の使用を意味し、2軸二重反転冷間調整押出機の標準機能の特定の適応のみをもたらし、経験に基づいて、あるいは従来技術の処理に伝統的に使用される要素から偶然により再現できないことを意味する
ことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−542244(P2009−542244A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518911(P2009−518911)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001631
【国際公開番号】WO2008/003837
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(509008776)
【Fターム(参考)】