説明

水平対流型ファン

【課題】ファンホイールにおいて水平方向から気流を導入したり導出したりする過程で気流が邪魔されるのを有効に防止することができる。
【解決手段】ファンフレーム1、駆動モジュール2およびファンホイール3を有する。ファンフレーム1には第一封止部11と第二封止部12が含まれ、第一封止部11と第二封止部12の間には側壁部13が設けられ、側壁部13には風入口131と風出口132が設けられる。駆動モジュール2はファンフレーム1の内部に設けられ、かつ駆動モジュール2は第一封止部11に結合される。ファンホイール3には一個のハブ31と複数個の羽根32が設けられ、ハブ31は回動自在に駆動モジュール2に結合され、それぞれの羽根32はハブ31に連接される。それぞれの羽根32が第二封止部12に向くように形成される上端縁321とハブ31の間には高低差を有するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平対流型ファンに関するもので、特に水平方向から気流を導入したり導出したりすることができる水平対流型ファンに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のファンモジュールとしては、大別して軸流式ファンモジュールと遠心式ファンモジュールの二種類が含まれる。その中、軸流式ファンモジュールは軸方向においてそれぞれ相対する一個の軸方向風入口と一個の軸方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから上記軸方向風出口を経由して気流を導出することにより、放熱の効果を提供することができる。また、遠心式ファンモジュールでは軸方向において一個の軸方向風入口を有し、さらに半径方向において一個の径方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから上記径方向風出口を経由して側面方向に気流を導出することにより、同様に放熱の効果を提供することができる。
【0003】
しかし、上記従来の軸流式放熱ファンでは、気流を導引して軸方向に対して放熱を行うことができるが、気流を導引して径方向に対して放熱を行うことはできない。そのため、軸流式放熱ファンを各種の電子製品に応用させる時、熱源(例えばパソコンのCPUの上面)の上方に組み立てなければならないため、電子製品の軸方向の高さを低く抑えることができない。また、遠心式放熱ファンでは、径方向風出口から気流を導出することができるが、依然として軸方向風入口を利用して気流を導入しなければならないため、側辺の方向から気流を導入する電子製品(例えば携帯電話や携帯情報端など)には適しないという問題点があった。
【0004】
そのため、市場ではファンホイールの径方向において、径方向で気流を導入したり導出したりすることができる従来の水平対流ファンが開発され、その水平対流ファンを側辺の方向から気流を導入する電子製品に応用している。例えば、図10に掲示されている中華民国公告第553323号の「水平対流ファンの構造」において、水平対流ファン9には一個の枠座91と一個のファンホイール92が含まれる。枠座91には少なくとも一個の風入口911と少なくとも一個の風出口912が含まれ、風入口911と風出口912の間には一個の水平気流通路913が設けられる。ファンホイール92は水平気流通路913に設けられ、かつファンホイール92には一個のハブ921が含まれ、ハブ921の外周面には複数個の羽根922が形成される。これにより、ファンホイール92が回動される時、風入口911と風出口912の間に気体による圧力の差が生じられることにより、風入口911と風出口912の間には水平気流通路913に沿って対流が生じられて放熱を行なうことができるようにとしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中華民国公告第553323号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような図10に掲示される従来の水平対流ファンの構造においては、一般的に次のような問題点を有している。従来の水平対流ファン9のファンホイール92が水平気流通路913に設けられる時、それぞれの羽根922はファンホイール92の外周面に形成され、かつそれぞれの羽根922の上端縁はハブ921の上面とは平らになるように形成されるため、ファンホイール92のそれぞれの羽根922が気流を導引して水平気流通路913に沿って対流が生じられる過程において、上記気流はハブ921の邪魔を受け易くなり、さらに乱流の現象が生じるため、従来の水平対流型ファン9の全体的な放熱効果が低くなるという問題点があった。このように、上記のような従来の水平対流ファンの構造はさらなる改良を必要とするものであった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、ファンホイールにおいて水平方向から気流を導入したり導出したりする過程で気流が邪魔されるのを有効に防止することができる水平対流型ファンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による水平対流型ファンは、一個のファンフレーム、一個の駆動モジュールおよび一個のファンホイールを有する。ファンフレームには一個の第一封止部と一個の第二封止部が含まれ、第一封止部と第二封止部の間には一個の側壁部が設けられ、側壁部には一個の風入口と一個の風出口が設けられる。駆動モジュールはファンフレームの内部に設けられ、かつ駆動モジュールは第一封止部に結合される。ファンホイールには一個のハブと複数個の羽根が設けられ、ハブは回動自在に駆動モジュールに結合される。それぞれの羽根はハブに連接され、ハブとそれぞれの羽根にはそれぞれ第二封止部に向くように形成された一個の導流平面と一個の上端縁が含まれ、ハブの軸方向においてそれぞれの羽根の上端縁はハブの導流平面より高くなるように形成される。
【0009】
また、ファンホイールのそれぞれの羽根の上端縁は共同で一個の水平参考面を構成するように形成され、水平参考面とハブの導流平面の間には一個の導流空間が含まれるように構成することもできる。また、ファンホイールのそれぞれの羽根の上端縁とファンフレームの第一封止部の間には一個の第一距離が含まれ、ハブの導流平面とファンフレームの第一封止部の間には一個の第二距離が含まれ、第一距離は第二距離より大きくなるように形成されることもできる。また、ファンホイールのそれぞれの羽根の上端縁からそれぞれの羽根がハブの一端まで連接される延伸方向はハブの軸方向とは平行になるように形成されることもできる。また、ファンホイールのそれぞれの羽根の上端縁からそれぞれの羽根がハブの一端まで連接される延伸方向はハブの軸方向とは垂直になるように形成されることもできる。また、ファンホイールのそれぞれの羽根には一個の強化リングが結合されることもできる。また、ファンホイールのハブの外周縁には一個の円弧面が形成されることもできる。
【0010】
また、同様な技術思想に基づく本発明による別の水平対流型ファンは、一個のファンフレーム、一個の駆動モジュールおよび一個のファンホイールを有する。ファンフレームには一個の第一封止部と一個の第二封止部が含まれ、第一封止部と第二封止部の間には一個の側壁部が設けられ、側壁部には一個の風入口と一個の風出口が設けられる。駆動モジュールはファンフレームの内部に設けられ、かつ駆動モジュールは第一封止部に結合される。ファンホイールには一個のハブと複数個の羽根が設けられ、ハブは回動自在に駆動モジュールに結合され、それぞれの羽根はハブに連接される。ハブには第二封止部に向くように形成された一個の導流凸部が含まれ、導流凸部には第二封止部に最接近する少なくとも一個の最高点が含まれ、かつそれぞれの羽根にはそれぞれ第二封止部に向くように形成された一個の上端縁が含まれ、ハブの軸方向においてそれぞれの羽根の上端縁はハブの最高点より高くなるように形成される。
【0011】
さらに、同様な技術思想に基づく本発明による別の水平対流型ファンは、一個のファンフレーム、一個の駆動モジュールおよび一個のファンホイールを有する。ファンフレームには一個の第一封止部と一個の第二封止部が含まれ、第一封止部と第二封止部の間には一個の側壁部が設けられ、側壁部には一個の風入口と一個の風出口が設けられる。駆動モジュールはファンフレームの内部に設けられ、かつ駆動モジュールは第一封止部に結合される。ファンホイールには一個のハブと複数個の羽根が設けられ、ハブは回動自在に駆動モジュールに結合され、それぞれの羽根はハブに連接される。ハブには第二封止部に向くように形成された一個の段階部が含まれ、階段部にはハブの軸方向において異なる高さを有する複数個の上面が含まれ、かつそれぞれの羽根にはそれぞれ第二封止部に向くように形成された一個の上端縁が含まれ、ハブの軸方向においてそれぞれの羽根の上端縁は第二封止部に最接近する一個の上面より高くなるように形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水平対流型ファンによれば、ファンホイールにおいて水平方向から気流を導入したり導出したりする過程で気流が阻止されるのを有効に防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施例1の水平対流型ファンの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1の水平対流型ファンの平面説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1の水平対流型ファンの導流凸部の別の実施方式の組み立てられた状態の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2の水平対流型ファンの分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施例2の水平対流型ファンの平面説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施例2の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例3の水平対流型ファンの分解斜視図である。
【図9】図9は、本発明の実施例3の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図10】図10は、従来の水平対流型ファンの外観の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明において用いられる用語「ハブ」は、下記に示されるファンホイールにおいて羽根を除いた部位を指す。「ハブ」は上述した図10に示されるハブ921、または伝統的な軸流式或いは遠心式ファンホイールのハブとは差異を有する。その中、本発明において述べられる「ハブ」には駆動モジュールを収容するための「ハブ部」および上記「ハブ部」と羽根の間に連接される「連接部」が含まれ、「連接部」はそれぞれの実施形態の図に示される盤体またはその他の同じ機能を有する構造からなることができる。
【0016】
図1は本発明の実施例1の水平対流型ファンの分解斜視図、図2は本発明の実施例1の水平対流型ファンの平面説明図、図3は本発明の実施例1の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。図1、2、3を参照すると、本発明の実施例1の水平対流型ファンには一個のファンフレーム1、一個の駆動モジュール2および一個のファンホイール3が含まれる。ファンフレーム1は気流の半径方向への流動を提供することができる框体の構造からなることができる。駆動モジュール2はファンフレーム1の内部に結合される。ファンホイール3が回動自在に駆動モジュール2に結合されることにより、駆動モジュール2はファンホイール3が回動するように駆動することができる。
【0017】
ファンフレーム1は駆動モジュール2を収容するために、かつ気流を水平方向から導入したり導出したりすることができる中空框体の構造からなり、この中空框体の構造は各種の幾何学的形状の構造、例えば多角形、円形または楕円形などの形状からなることができ、実施例1においてファンフレーム1は直方体形状の框体からなる。
【0018】
さらに詳しく言えば、ファンフレーム1には一個の第一封止部11と一個の第二封止部12が含まれる。第一封止部11と第二封止部12の間には一個の隙間が形成され、かつ第一封止部11と第二封止部12の間には一個の側壁部13が設けられる。側壁部13には一個の風入口131と一個の風出口132が設けられることにより、一個の水平対流式ファンフレームの構造が構成され、かつ風入口131と風出口132の設置位置と数量は種々の要求に応じて変えることができる。その中、第一封止部11、第二封止部12および側壁部13は一体成形の構造からなることができる。実施例1において、第一封止部11と側壁部13は一体成形の構造からなり、かつ第二封止部12は一個の蓋板からなり、上記蓋板を装脱自在に側壁部13に結合できるようにすることにより、駆動モジュール2とファンホイール3をファンフレーム1の内部に取り付けることができる。また、実施例1において、風入口131と風出口132は駆動モジュール2の中心位置の開口方向に相対して90°の角度になるように設計される(90°より小さくなるように設計することもできる)。
【0019】
駆動モジュール2はファンホイール3が回動するように駆動することができる各種のモジュールの構造からなる。実施例1において、駆動モジュール2の基本構造の構成には例えばコイルユニット、回路板、シリコン鋼片、軸座などの部材が含まれ、かつ駆動モジュール2は交番磁界の原理を利用してファンホイール3が回動するように駆動することができる構造(ファンホイール3に予め設けられる一個の永久磁石を合わせる。)からなることは、その技術分野に属するものにとって容易に理解できることであるのでここではその説明を割愛する。
【0020】
ファンホイール3には一個のハブ31と複数個の羽根32が設けられ、ハブ31は回動自在に駆動モジュール2に結合される。本実施例1において、ハブ31は一個の中心軸311によって駆動モジュール2の一個の軸座21と互いに枢接するように形成され、それぞれの羽根32はハブ31に連接される。その中、図3に示すように、ハブ31には第二封止部12に向くように形成された一個の導流凸部312が含まれる。導流凸部312には第二封止部12に最接近する少なくとも一個の最高点Hが含まれ、かつそれぞれの羽根32にはそれぞれ第二封止部12に向くように形成された一個の上端縁321が含まれ、ハブ31の軸方向Lにおいてそれぞれの羽根32の上端縁321は、図示のように、ハブ31の最高点Hより高くなるように形成される。
【0021】
さらに詳しく言えば、図3に示すように、それぞれの羽根32の上端縁321がハブ31の最高点Hより高くなる技術的特徴によれば、それぞれの羽根32の上端縁321は協働して一個の水平参考面Pを構成し、水平参考面Pとハブ31の導流凸部312の間には一個の導流空間33(導流空間33はハブ31の邪魔をしない。)が形成されることにより、ファンホイール3は導流空間33によって気流をファンフレーム1の内部によりスムースに流通するように導引することができる。また、それぞれの羽根32の上端縁321がハブ31の最高点Hより高くなるという技術的概念によれば、それぞれの羽根32の上端縁321とファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第一距離D1が含まれ、ハブ31の最高点Hとファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第二距離D2が含まれる。第一距離D1が第二距離D2より大きくなるように形成することにより、導流空間33には気流が流通するのに充分な空間を確保することができる。
【0022】
また、図3に示すように、ハブ31の導流凸部312は一個の環状周面312aと一個の平面312bにより構成される。環状周面312aは平面312bとハブ31の導流凸部312以外の表面の間を連接するのに用いられる。最高点Hは平面312bに位置するように形成されるか、または、図4に示すように、ハブ31の導流凸部312が単一の円弧面からなり、最高点Hが円弧面の中央に位置するように形成される円弧面の構造設計によって気流は導流凸部312をさらに通過し易くなる。
【0023】
本発明の水平対流型ファンを実際に使用する時、駆動モジュール2から生じる交番磁界によってファンホイール3が回動するように駆動することができる。かくして、水平対流型ファンを各種の電子製品に取り付けることにより、ファンホイール3の羽根32は風入口131から外部の気流を導入してファンフレーム1の内部に進入させ、風出口132を経由して再び外部の空間へ導出することができるため、各種の電子製品が作動時に生じる熱エネルギーに対して予定される放熱作用を提供することができる。
【0024】
本発明の水平対流型ファンの主な技術的特徴は、風入口131と風出口132を経由して気流をファンホイール3の半径方向へ水平方向に導入したり導出したりすることができるため、水平対流型ファンを各種の電子製品に応用する時、熱エネルギーの上方位置に取り付ける必要がなく、そのため、電子製品の軸方向の高さを低く下げることができ、さらに水平対流型ファンによって風出口132の周囲に位置する熱エネルギーに対してよりよい補助的な放熱効果を提供することができる。さらに重要なことは、ファンホイール3によって気流を導引して風入口131と風出口132を経由してファンフレーム1に進出させる過程において、それぞれの羽根32の上端縁321がハブ31の導流凸部312より高く、それぞれの羽根32の上端縁321とハブ31の導流凸部312の間に導流空間33が形成されることにより、羽根32が風入口131から導引する気流はスムーズに導流空間33を経由して風出口132まで導出されるため、ハブ31によって気流の流動に対して邪魔されてしまう状態を効果的に低く抑えることができるとともに、乱流現象が生じるのを防止できることにより、さらに全体的な放熱効果を高めることができる。
【実施例2】
【0025】
図5は本発明の実施例2の水平対流型ファンの分解斜視図、図6は本発明の実施例2の水平対流型ファンの平面説明図、図7は本発明の実施例2の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。図5、6、7を参照すると、本発明の実施例2の水平対流型ファンにも実施例1と同様に一個のファンフレーム1、一個の駆動モジュール2および一個のファンホイール4が含まれる。その中、本発明の実施例2のファンフレーム1および駆動モジュール2は実施例1のファンフレーム1および駆動モジュール2とほぼ同じであるため、その同じ構造と特徴についての説明は割愛する。実施例2において、ファンフレーム1は円形の框体の構造からなり、さらに風入口131と風出口132は駆動モジュール2の中心位置の開口方向に相対して180°の角度に対向するように設計される(90°から180°の角度の間となるように設計することもできる)。
【0026】
本発明の実施例2のファンホイール4には一個のハブ41と複数個の羽根42が設けられ、ハブ41は回動自在に駆動モジュール2に結合される。実施例2において、ハブ41は一個の中心軸411によって駆動モジュール2の一個の軸座21と互いに枢接するように形成され、それぞれの羽根42はハブ41に連接される。その中、図7に示すように、ハブ41とそれぞれの羽根42にはそれぞれ第二封止部12に向くように形成された一個の導流平面412と一個の上端縁421が含まれ、ハブ41の軸方向Lにおいてそれぞれの羽根42の上端縁421は、図示のように、ハブ41の導流平面412より高くなるように形成される。
【0027】
さらに詳しく言えば、図7に示すように、それぞれの羽根42の上端縁421がハブ41の導流平面412より高くなる技術的特徴により、それぞれの羽根42の上端縁421は協働して一個の水平参考面Pを構成し、水平参考面Pとハブ41の導流平面412の間には一個の導流空間33が形成される。また、それぞれの羽根42の上端縁421がハブ41の導流平面412より高くなるという技術的概念によれば、それぞれの羽根42の上端縁421とファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第一距離D1が含まれ、ハブ41の導流平面412とファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第二距離D2が含まれる。第一距離D1は第二距離D2より大きくなるように形成されることにより、導流空間43には気流が流通するのに充分な空間を確保することができる。
【0028】
本発明の実施例2の水平対流型ファンの主な技術的特徴は、ファンホイール4によって気流を導引して風入口131と風出口132を経由してファンフレーム1に進出させる過程において、それぞれの羽根42の上端縁421がハブ41の導流平面412より高く、それにより羽根42が風入口131から導引される気流はスムースに風出口132まで導出されるため、ハブ41によって気流の流動を邪魔してしまう状態を有効に低く抑えることができるとともに、乱流の現象が生じるのをまた防止することができ、さらに全体的な放熱効果を高めることができる。さらに重要なことは、実施例1と比較すると、本発明の実施例2のハブ41に第二封止部12に向くように形成される導流平面412は、完全な平面構造(いかなる突出した部位も有しない)に設計されることにより、気流の流動に対して邪魔となる状態をさらに有効に低く抑えることができるため、より一層良好な放熱効果を達成することができる。
【実施例3】
【0029】
図8は本発明の実施例3の水平対流型ファンの分解斜視図であり、図9は本発明の実施例3の水平対流型ファンの組み立てられた状態の断面図である。図8、9を参照すると、本発明の実施例3の水平対流型ファンにも同様に一個のファンフレーム1、一個の駆動モジュール2および一個のファンホイール5が含まれる。その中、本発明の実施例3のファンフレーム1および駆動モジュール2は実施例1のファンフレーム1および駆動モジュール2と大体同じ構成であるため、その構造と特徴についての説明は割愛する。
【0030】
本発明の実施例3のファンホイール5には一個のハブ51と複数個の羽根52が設けられ、ハブ51は回動自在に駆動モジュール2に結合される。実施例3において、ハブ51は一個の中心軸511によって駆動モジュール2の一個の軸座21と互いに枢接するように形成され、それぞれの羽根52はハブ51に連接される。その中、図9に示すように、ハブ51には第二封止部12に向くように形成された一個の階段部512が含まれる。階段部512はハブ51の軸方向Lにおいて異なる高さを有する複数個の上面512aが含まれ、かつそれぞれの羽根52にはそれぞれ第二封止部12に向くように形成された一個の上端縁521が含まれる。ハブ51の軸方向Lにおいてそれぞれの羽根52の上端縁521は、図示のように、第二封止部12に最接近する一個の上面512aより高くなるように形成される。
【0031】
さらに詳しく言えば、図9に示すように、それぞれの羽根52の上端縁521はハブ51が第二封止部12に最接近する一個の上面512aより高くなるという技術的特徴によれば、それぞれの羽根52の上端縁521は協働して一個の水平参考面Pを構成し、水平参考面Pとハブ51が第二封止部12に最接近する一個の上面512aの間には一個の導流空間53が形成される。また、それぞれの羽根52の上端縁521はハブ51が第二封止部12に最接近する一個の上面512aより高くなるという技術的概念によれば、それぞれの羽根52の上端縁521とファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第一距離D1が含まれ、ハブ51が第二封止部12に最接近する一個の上面512aとファンフレーム1の第一封止部11の間には一個の第二距離D2が含まれる。第一距離D1は第二距離D2より大きくなるように形成されることにより、導流空間53に気流が流通するのに充分な空間を確保することができる。
【0032】
本発明の実施例3の水平対流型ファンの主な技術的特徴は、ファンホイール5によって気流を導引して風入口131と風出口132を経由してファンフレーム1に進出させる過程において、それぞれの羽根52の上端縁521がハブ51が第二封止部12に最接近する一個の上面512aより高く、それにより、羽根52が風入口131から導引される気流はスムーズに風出口132まで導出されるため、ハブ51によって気流の流動を邪魔してしまう状態を有効に低く抑えることができるとともに、乱流現象が生じるのを防止することができ、さらに全体的な放熱効果を高めることができる。さらに重要なことは、実施例1と比較すると、本発明の実施例3のハブ51の階段部512の構造設計により、気流が階段部512を通過する過程において、階段部512の側面が気流に対して生じる乱流現象の発生を有効に低く抑えることができる。
【0033】
本発明の水平対流型ファンは上述した技術概念に基づき、実施例1、実施例2または実施例3においては以下の複数の実施形態および構造設計が含まれることにより、さらなる完全な効果を提供することができる。
【0034】
実施例2の水平対流型ファンを例に挙げて説明すると、図5に示すように、ファンホイール4のそれぞれの羽根42に一個の強化リング44を結合することにより、それぞれの羽根42の構造の強度を有効に高めることができる。
【0035】
また実施例2の水平対流型ファンを例に挙げて説明すると、図5、7に示すように、ファンホイール4のハブ41の外周縁に一個の円弧面45を形成することにより、よりよい導引効果を提供することができる。
【0036】
さらに実施例2の水平対流型ファンを例に挙げて説明すると、図7に示すように、ファンホイール4のそれぞれの羽根42の上端縁421からそれぞれの羽根42がハブ41の一端まで連接される延伸方向Eが、好ましくは、ハブ41の軸方向Lと平行になるように形成されることにより、ファンホイール4のそれぞれの羽根42は水平方向においてさらに効果的に風入口131と風出口132を経由して気流を導入したり導出したりすることができる。
【0037】
また、実施例2の水平対流型ファンを例に挙げて説明すると、図7に示すように、ファンホイール4のそれぞれの羽根42の上端縁421からそれぞれの羽根42がハブ41の一端まで連接される延伸方向Eが、好ましくは、ハブ41の軸方向Lとは垂直になるように形成されることにより、同様にファンホイール4のそれぞれの羽根42は水平方向においてさらに効果的に風入口131と風出口132を経由して気流を導入したり導出したりすることができる。
【0038】
上述のように、ファンホイール3、4、5によって気流を導引して風入口131と風出口132を経由してファンフレーム1の内部に進出する過程において、ファンフレーム1の第一封止部11と第二封止部12によって構成される水平対流式ファンフレームの構造により、さらにファンホイール3、4、5のそれぞれの羽根32、42、52がハブ31、41、51に相対して高低差の設計を有することにより、ファンホイール3、4、5において半径方向から気流を導入したり導出したりする過程において、気流がハブ31、41、51によって邪魔されてしまうのを有効に防止することができるため、乱流の現象が生じるのを防止するとともに、さらに放熱効果を高めることができる。
【0039】
本発明は、その精神と必須の特徴から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【符号の説明】
【0040】
1 ファンフレーム
11 第一封止部
12 第二封止部
13 側壁部
131 風入口
132 風出口
2 駆動モジュール
21 軸座
3 ファンホイール
31 ハブ
311 中心軸
312 導流凸部
312a 環状周面
312b 平面
32 羽根
321 上端縁
33 導流空間
4 ファンホイール
41 ハブ
411 中心軸
412 導流平面
42 羽根
421 上端縁
43 導流空間
44 強化リング
45 円弧面
5 ファンホイール
51 ハブ
511 中心軸
512 階段部
512a 上面
52 羽根
521 上端縁
53 導流空間
9 水平対流型ファン
91 枠座
911 風入口
912 風出口
913 水平気流通路
92 ファンホイール
921 ハブ
922 羽根
D1 第一距離
D2 第二距離
E 延伸方向
H 最高点
L 軸方向
P 水平参考面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個のファンフレーム(1)、一個の駆動モジュール(2)および一個のファンホイール(4)を有する水平対流型ファンにおいて、ファンフレーム(1)には一個の第一封止部(11)と一個の第二封止部(12)が含まれ、第一封止部(11)と第二封止部(12)の間には一個の側壁部(13)が設けられ、側壁部(13)には一個の風入口(131)と一個の風出口(132)が設けられ、駆動モジュール(2)はファンフレーム(1)の内部に設けられ、かつ駆動モジュール(2)は第一封止部(11)に結合され、ファンホイール(4)には一個のハブ(41)と複数個の羽根(42)が設けられ、ハブ(41)は回動自在に駆動モジュール(2)に結合され、それぞれの羽根(42)はハブ(41)に連接され、ハブ(41)とそれぞれの羽根(42)にはそれぞれ第二封止部(12)に向くように形成された一個の導流平面(412)と一個の上端縁(421)が含まれ、ハブ(41)の軸方向(L)においてそれぞれの羽根(42)の上端縁(421)はハブ(41)の導流平面(412)より高くなるように形成されることを特徴とする水平対流型ファン。
【請求項2】
ファンホイール(4)のそれぞれの羽根(42)の上端縁(421)は協働して一個の水平参考面(P)を構成するように形成され、水平参考面(P)とハブ(41)の導流平面(412)の間には一個の導流空間(43)が含まれることを特徴とする請求項1に記載の水平対流型ファン。
【請求項3】
ファンホイール(4)のそれぞれの羽根(42)の上端縁(421)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第一距離(D1)が含まれ、ハブ(41)の導流平面(412)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第二距離(D2)が含まれ、第一距離(D1)は第二距離(D2)より大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の水平対流型ファン。
【請求項4】
ファンホイール(4)のそれぞれの羽根(42)の上端縁(421)からそれぞれの羽根(42)がハブ(41)の一端まで連接される延伸方向(E)はハブ(41)の軸方向(L)と平行になるように形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の水平対流型ファン。
【請求項5】
ファンホイール(4)のそれぞれの羽根(42)の上端縁(421)からそれぞれの羽根(42)がハブ(41)の一端まで連接される延伸方向(E)はハブ(41)の軸方向(L)と垂直になるように形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の水平対流型ファン。
【請求項6】
ファンホイール(4)のそれぞれの羽根(42)には一個の強化リング(44)が結合されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の水平対流型ファン。
【請求項7】
ファンホイール(4)のハブ(41)の外周縁には一個の円弧面(45)が形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の水平対流型ファン。
【請求項8】
一個のファンフレーム(1)、一個の駆動モジュール(2)および一個のファンホイール(3)を有する水平対流型ファンにおいて、ファンフレーム(1)には一個の第一封止部(11)と一個の第二封止部(12)が含まれ、第一封止部(11)と第二封止部(12)の間には一個の側壁部(13)が設けられ、側壁部(13)には一個の風入口(131)と一個の風出口(132)が設けられ、駆動モジュール(2)はファンフレーム(1)の内部に設けられ、かつ駆動モジュール(2)は第一封止部(11)に結合され、ファンホイール(3)には一個のハブ(31)と複数個の羽根(32)が設けられ、ハブ(31)は回動自在に駆動モジュール(2)に結合され、それぞれの羽根(32)はハブ(31)に連接され、ハブ(31)には第二封止部(12)に向くように形成された一個の導流凸部(312)が含まれ、導流凸部(312)には第二封止部(12)に最接近する少なくとも一個の最高点(H)が含まれ、かつそれぞれの羽根(32)にはそれぞれ第二封止部(12)に向くように形成された一個の上端縁(321)が含まれ、ハブ(31)の軸方向(L)においてそれぞれの羽根(32)の上端縁(321)はハブ(31)の最高点(H)より高くなるように形成されることを特徴とする水平対流型ファン。
【請求項9】
ハブ(31)の導流凸部(312)は一個の環状周面(312a)と一個の平面(312b)により構成され、環状周面(312a)は平面(312b)とハブ(31)の導流凸部(312)以外の表面の間に連接され、かつ最高点(H)は平面(312b)に位置するように形成されることを特徴とする請求項8に記載の水平対流型ファン。
【請求項10】
ハブ(31)の導流凸部(312)は単一の円弧面からなり、かつ最高点(H)は上記円弧面の中央に位置するように形成されることを特徴とする請求項8に記載の水平対流型ファン。
【請求項11】
ファンホイール(3)のそれぞれの羽根(32)の上端縁(321)は協働して一個の水平参考面(P)を構成するように形成され、水平参考面(P)とハブ(31)の導流凸部(312)の間には一個の導流空間(33)が含まれることを特徴とする請求項8に記載の水平対流型ファン。
【請求項12】
ファンホイール(3)のそれぞれの羽根(32)の上端縁(321)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第一距離(D1)が含まれ、ハブ(31)の最高点(H)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第二距離(D2)が含まれ、第一距離(D1)は第二距離(D2)より大きくなるように形成されることを特徴とする請求項8に記載の水平対流型ファン。
【請求項13】
ファンホイール(3)のそれぞれの羽根(32)の上端縁(321)からそれぞれの羽根(32)がハブ(31)の一端まで連接される延伸方向(E)はハブ(31)の軸方向(L)と平行になるように形成されることを特徴とする請求項8、9、10、11または12に記載の水平対流型ファン。
【請求項14】
ファンホイール(3)のそれぞれの羽根(32)には一個の強化リング(44)が結合されることを特徴とする請求項8、9、10、11または12に記載の水平対流型ファン。
【請求項15】
ファンホイール(3)のハブ(31)の外周縁には一個の円弧面(45)が形成されることを特徴とする請求項8、9、10、11または12に記載の水平対流型ファン。
【請求項16】
一個のファンフレーム(1)、一個の駆動モジュール(2)および一個のファンホイール(5)を有する水平対流型ファンにおいて、ファンフレーム(1)には一個の第一封止部(11)と一個の第二封止部(12)が含まれ、第一封止部(11)と第二封止部(12)の間には一個の側壁部(13)が設けられ、側壁部(13)には一個の風入口(131)と一個の風出口(132)が設けられ、駆動モジュール(2)はファンフレーム(1)の内部に設けられ、かつ駆動モジュール(2)は第一封止部(11)に結合され、ファンホイール(5)には一個のハブ(51)と複数個の羽根(52)が設けられ、ハブ(51)は回動自在に駆動モジュール(2)に結合され、それぞれの羽根(52)はハブ(51)に連接され、ハブ(51)には第二封止部(12)に向くように形成された一個の段階部(512)が含まれ、階段部(512)にはハブ(51)の軸方向(L)において異なる高さを有する複数個の上面(512a)が含まれ、かつそれぞれの羽根(52)にはそれぞれ第二封止部(12)に向くように形成された一個の上端縁(521)が含まれ、ハブ(51)の軸方向(L)においてそれぞれの羽根(52)の上端縁(521)は第二封止部(12)に最接近する一個の上面(512a)より高くなるように形成されることを特徴とする水平対流型ファン。
【請求項17】
ファンホイール(5)のそれぞれの羽根(52)の上端縁(521)は協働して一個の水平参考面(P)を構成するように形成され、水平参考面(P)とハブ(51)が第二封止部(12)に最接近する一個の上面(512a)の間には一個の導流空間(53)が含まれることを特徴とする請求項16に記載の水平対流型ファン。
【請求項18】
ファンホイール(5)のそれぞれの羽根(52)の上端縁(521)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第一距離(D1)が含まれ、ハブ(51)が第二封止部(12)に最接近する一個の上面(512a)とファンフレーム(1)の第一封止部(11)の間には一個の第二距離(D2)が含まれ、第一距離(D1)は第二距離(D2)より大きくなるように形成されることを特徴とする請求項16に記載の水平対流型ファン。
【請求項19】
ファンホイール(5)のそれぞれの羽根(52)の上端縁(521)からそれぞれの羽根(52)がハブ(51)の一端まで連接される延伸方向(E)はハブ(51)の軸方向(L)と平行になるように形成されることを特徴とする請求項16、17または18に記載の水平対流型ファン。
【請求項20】
ファンホイール(5)のそれぞれの羽根(52)には一個の強化リング(44)が結合されることを特徴とする請求項16、17または18に記載の水平対流型ファン。
【請求項21】
ファンホイール(5)のハブ(51)の外周縁には一個の円弧面(45)が形成されることを特徴とする請求項16、17または18に記載の水平対流型ファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−241712(P2012−241712A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206889(P2011−206889)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】