説明

水性毛髪洗浄剤

【課題】洗髪時とすすぎ時の滑らかな感触を有し、かつ、仕上がりの髪にツヤとまとまりを与える毛髪洗浄剤を提供すること。
【解決手段】シリコーン油滴を分散した水性毛髪洗浄剤であって、該油滴が、少なくとも(A)ポリジメチルシロキサン50〜98質量%及び(B)アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体2〜50質量%を含有することを特徴とする水性毛髪洗浄剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の種類のシリコーンブレンドからなる油滴を分散した水性毛髪洗浄剤であって、洗髪時とすすぎ時の滑らかな感触を有し、仕上がりの髪にツヤとまとまりと滑らかさを与える水性毛髪洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪洗浄剤には、毛髪にコンディショニング効果を与えることを目的として、水不溶性のシリコーンが広く用いられているが、ヘアカラーリング剤やパーマ剤などの化学処理により損傷を受けた毛髪に対しての付着性は十分とはいえず、洗髪時及びすすぎ時に髪が絡み、きしみ、乾燥後に髪がパサつくといった問題があった。
【0003】
これを解決する手段として、特許文献1には、100Pa・s以下の粘度を有する不溶性シリコーンと、少なくとも一つのアミン化シリコーン(以下、本明細書では「アミノ変性シリコーン」と称する。)を個々に配合したヘアケア用途の洗浄剤組成物が記載されている。しかしながら、不溶性シリコーンとアミノ変性シリコーンを個々に配合した場合、毛髪に対する不溶性シリコーンの付着性の向上は見られず、乾燥後のパサつきを低減することはできなかった。また、特許文献1で記載されているアミノ変性シリコーンは、ポリシロキサンの側鎖にアルキレンアミンを有するという構造を特徴とする故、疎水性が高く、結果として泡立て時及びすすぎ時の毛髪のきしみを増大させるという課題を有していた。
【0004】
一方、特許文献2には、25℃で少なくとも100,000mm2/sの粘度を有する水不溶性シリコーンとアミノ変性シリコーンとをブレンドした油滴を含む毛髪トリートメント組成物が開示されている。これらの組成物は、不溶性シリコーンの毛髪への付着性は向上するものの、特許文献1と同様のアミノ変性シリコーンを用いているため、泡立て時及びすすぎ時にきしみ感が強いといった課題があり、また乾燥後のなめらかさが十分とはいえなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平10−45544号公報
【特許文献2】特表2004−526806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、洗髪時とすすぎ時の滑らかな感触を有し、仕上がりの髪にツヤとまとまりと滑らかさを与える水性毛髪洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、ポリジメチルシロキサンと、アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体とをブレンドした油滴を使用した場合に、上記要求を満たす毛髪洗浄剤が得られることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、シリコーン油滴を分散した水性毛髪洗浄剤であって、該油滴が、少なくとも(A)ポリジメチルシロキサン50〜98質量%及び(B)アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体2〜50質量%を含有することを特徴とする水性毛髪洗浄剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛髪洗浄剤は、洗髪時とすすぎ時の滑らかな感触を有し、仕上がりの髪にツヤとまとまりと滑らかさを与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
成分(A)のポリジメチルシロキサンとしては、以下の一般式(2)のものが挙げられる。
R (CH3)2SiO−[(CH3)2SiO]m−Si(CH3) 2R (2)
〔式中、Rはメチル基もしくはヒドロキシル基を示し、mは1〜20,000の数を示す。〕
【0011】
成分(A)のポリジメチルシロキサンは、泡立て時及びすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のベタつきのなさの点から、25℃で100,000mm2/s以下の粘度を有していることが好ましく、より好ましくは50,000mm2/s以下、特に好ましくは20,000mm2/s以下である。市販品としては、KF−96A−5cs、KF−96A−10cs、KF−96A−100cs、KF−96A−1000cs、KF−96A−5000cs、KF−96H−1万cs、KF−96H−5万cs、KF−96H−10万cs、KF−96H−100万cs(信越シリコーン社)が挙げられる。これらのポリジメチルシロキサンは、一種もしくは二種以上を併用してもよい。また、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシクロヘキサシロキサン等の液状の環状シリコーンとの混合物として市販されているものを用いてもよい。
【0012】
成分(A)のポリジメチルシロキサンは、泡立て時及びすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のベタつきのなさの点から、シリコーン油滴中、50〜98質量%の範囲であり、好ましくは70〜97質量%、特に好ましくは85〜95質量%である。
【0013】
シリコーン油滴中の成分(B)は、一般式(1)で表されるアミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖のブロック鎖を有する共重合体である。
【0014】
【化1】

【0015】
〔式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。R2はR1又はEのいずれかを示す。Eは−R3−Z(ここでR3は直接結合手又は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される基を示す。Yは2価の基を示す。aは2以上の数、bは1以上の数、nは2〜10の数、cは4以上の数、dは2以上の数を示す。なお、複数個のR1、R2及びEは同一であっても異なっていてもよい。〕
【0016】
一般式(1)において、R1は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基が好ましく、更にメチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0017】
3は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン鎖が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、より好ましくはトリメチレン基又はプロピレン基である。
【0018】
Zは、一般式(3)又は(4)で表されるアミノ基含有基又はアンモニウム基含有基が好ましい。
【0019】
【化2】

【0020】
〔式中、R4は、
【化3】

【0021】
を示し、R5及びR6は水素原子又は1価の炭素数1〜3の炭化水素基を示し、それぞれのR5及びR6は同一でも異なっていてもよい。e及びfはそれぞれ0〜6の整数を示す。T-はハロゲンイオン又は有機アニオンを示す。〕
【0022】
一般式(1)中の好ましいE基は、−(CH23−NH2、−(CH23−N(CH32、−(CH23−NH−(CH22−NH2、−(CH22−NH−(CH22−N(CH32、−(CH23−N+−(CH33Cl-であり、さらに好ましくは、−(CH23−NH−(CH22−NH2である。T-の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン;メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが挙げられる。
【0023】
一般式(1)中、Yで表される2価の有機基の好ましい例は、アルキレン基又はアリーレン基であり、特に好ましい例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン基又はi−ブチレン基であり、最も好ましくはn−ブチレン基又はi−ブチレン基である。
【0024】
一般式(1)中、aは2〜1000の数、bは1〜50の数、cは4〜200の数、dは2〜100の数が好ましい。
【0025】
一般式(1)で表されるブロック共重合体中、シロキサンブロックの割合は、共重合体全体の好ましくは25〜97質量%、さらに好ましくは35〜90質量%、特に好ましくは50〜80質量%であり、該ブロック共重合体は、少なくとも1200の平均分子量を有することが好ましい。なお、本明細書中の平均分子量はすべてGPCを用いて、溶離液としてクロロホルムを、標準物質としてポリスチレンを用いた常法により測定された値である。
【0026】
ここでシロキサンブロックとは、−[Si(R12−O]−で表される、R1基を2個有するシロキサンのことをいい、シロキサンブロックの割合とは、シロキサンブロックの分子量と、ブロック共重合体(1)の分子量との比を、質量%で表したものをいう。上記範囲内であれば、ブロック共重合体(1)の毛髪への付着性が高く、かつ泡立て時及びすすぎ時に滑らかな感触を与えることができる。
【0027】
さらに好ましい例は、一般式(5)で表される重合単位を有するアミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体である。
【0028】
【化4】

【0029】
〔式中、a、b及びdは前記と同じ意味を示す。gは4以上の数を示す。hは0〜30の数を示す。〕一般式(5)において、好ましくは、aは2〜1,000の数、bは1〜50の数、gは4〜200の数、dは2〜100の数を示す。また、−O(C24O)g(C36O)h−はブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。本発明で用いられる(B)成分は、例えば、特開平9−183854号公報に記載の方法で製造することができる。また、市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)のFZ−3789、シリコーンSS−3588を挙げることができる。
【0030】
発明に用いられる(B)成分の動粘度は、10mm2/s以上の粘度を有することが好ましく、100mm2/s以上が更に好ましく、1,000mm2/s以上が特に好ましく、5,000mm2/s以上が最も好ましい。また100万mm2/s以下が好ましく、10万mm2/s以下が更に好ましい。この範囲内では、(B)成分の毛髪への残留性も高く、泡立て時及びすすぎ時に滑らかな感触を与えることから好ましい。
なお、粘度の測定は、B型粘度計で、25℃の条件下、ローターNo.2を6rpm/分で測定したものである。
【0031】
本発明に用いられる(B)成分のアミン当量は、300g/mol以上が好ましく、600g/mol以上が更に好ましい。また、10,000g/mol以下が好ましく、5,000g/mol以下が更に好ましく、2,500g/mol以下が特に好ましい。この範囲内では(B)成分の毛髪への残留性も高く、泡立て時及びすすぎ時に滑らかな感触を与えることから好ましい。
なお、アミン当量(g/mol)は、ブロック共重合体のエタノール溶液を、濃度既知の塩酸で滴定することにより求めることができる。
【0032】
これらの(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(B)成分のアミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体は、泡立て時及びすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のベタつきのなさの点から、シリコーンブレンドの油滴中、2〜50質量%の範囲であり、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
【0033】
成分(A)と成分(B)からなるシリコーンブレンドは、単なるシリコーン混合物の形態であってもよいが、好ましくは機械的に形成された水性エマルジョンの形態であることが好ましい。該水性エマルジョンを調製する際には、エマルジョンを安定化する点から少なくとも1種の乳化剤を含むことが好ましい。
【0034】
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等のノニオン活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン塩、アルコキシジメチルアミン塩、アルキルアミドジメチルアミン塩などのカチオン活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のアニオン活性剤が挙げられる。
【0035】
本発明のシリコーンブレンドの水性エマルジョンを調製する方法としては、シリコーン成分(A)、シリコーン成分(B)及び乳化剤を混合した後、攪拌しながら水をゆっくり添加し、W/OエマルジョンからO/Wエマルジョンに転相する際に高剪断ミキサーを用い速い速度で混合し、その後に残りの水を添加し再び高剪断ミキサーにより速い速度で混合するといった方法が挙げられる。
【0036】
水性エマルジョンの粒径は、使用する乳化剤の種類と量、及び高剪断ミキサーの攪拌回転数を変化させることにより任意に変化させることができる。
シリコーンエマルジョンの粒径は、シリコーンエマルジョンの安定性の点から、100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm、特に10μm以下、更に4μm以下が好ましい。また、平均粒径は、0.1μm以上であることが使用感やコンディショニング効果の点で好ましい。なお、該シリコーンエマルジョンの粒径は水性毛髪洗浄剤におけるシリコーンブレンドからなる油滴の粒径と同義であり、シリコーンブレンドからなる油滴の粒径は上記範囲が好ましい。
シリコーンエマルジョンの粒径は、レーザー光散乱を用いた粒径測定装置によって、例えばコールター社LS−130を用いて測定することができる。
【0037】
シリコーンブレンドからなる油滴は、1種又は2種以上を併用してもよい。すなわち、異なる種類のシリコーンブレンドを調製しておき、これを併用してもよい。またシリコーンブレンドからなる油滴の含有量は本発明の洗浄剤組成物中0.01〜10質量%が好ましく、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさ、及び乾燥後のベタつきのなさの点から、0.1〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が特に好ましい。
【0038】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、高い洗浄性及び良好な泡立ちを得るために、アニオン界面活性剤を含有させることができる。アニオン界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、スルホコハク酸アルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩等が挙げられ、なかでもポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、特に次の一般式(6)又は(7)で表されるものが好ましい。
R’O(CH2CH2O)nSO3M (6)
R’OSO3M (7)
〔式中、R’は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムを示し、nは重量平均で1〜5の数を示す。〕
この中でも特に、速い泡立ちと良好な泡の感触を両立する観点から、一般式(6)中のR’が炭素数12〜14のアルキル基、nが重量平均で1の数を示し、Mがアンモニウム又はナトリウムであるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0039】
アニオン界面活性剤は1種単独でも、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、泡立ち、使用時の液性、洗浄性の点から、本発明の洗浄剤組成物中の1〜30質量%が好ましく、更には5〜25質量%、特に8〜20質量%が好ましい。
【0040】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、更に洗浄性能を向上させるため、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤を含有させてもよい。
【0041】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類、アルキルグリコシド類、モノアルキルグリセリルエーテル類、モノアルケニルグリセリルエーテル類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン(C8〜C20)脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、脂肪酸アルカノールアミド類、モノアルキルグリセリルエーテル類、モノアルケニルグリセリルエーテル類が好ましい。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよく、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましい。特に、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
モノアルキルグリセリルエーテル類又はモノアルケニルグリセリルエーテル類におけるアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数4〜10、特に炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。具体的には、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基等が挙げられ、特に2−エチルヘキシル基、イソデシル基が好ましい。
【0042】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。このうち、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤がより好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
【0043】
これら非イオン性又は両性界面活性剤は、水性毛髪洗浄剤中に1種または2種以上を併用することもできるが、本発明の水性毛髪洗浄剤を水性液状洗浄剤の形態とする場合には、脂肪酸アミドプロピルベタイン、脂肪酸アルカノールアミド又はモノアルキルグリセリルエーテルを用いるのが、起泡力がより良好となるだけでなく、適度な液性が得られるので特に好ましい。
【0044】
非イオン性又は両性界面活性剤の含有量は、本発明の毛髪洗浄剤中の0.1〜15質量%が好ましく、更には0.5〜8質量%、特に1〜6質量%が、良好な増泡効果が得られるので好ましい。
【0045】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、コンディショニング効果を向上するため、水溶性カチオンポリマーを含有することができる。
水溶性カチオンポリマーの具体例としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社,カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、特にカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物が好ましい。
【0046】
また、例えば、マーコート550(NALCO社,アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウム塩の共重合体;CTFA名ポリクォータニウム−7)、ルビクァットFC370(BASF社,1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩の共重合体;CTFA名ポリクォータニウム−16)、ガフクァット755N(ISP社,1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体;CTFA名ポリクォータニウム−11)、UcareポリマーJR及び同LRシリーズ(アマーコール社,トリメチルアンモニウム置換エポキシドとヒドロキシエチルセルロースとの反応物の塩;CTFA名ポリクォータニウム−10)、ポイズC−60H、ポイズC−80M、ポイズC−150L(花王社,トリメチルアンモニウム置換エポキシドとヒドロキシエチルセルロースとの反応物の塩;CTFA名ポリクォータニウム−10)、ジャガーシリーズ(ローディア社,グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド)等の市販品を用いることができる。
【0047】
水溶性カチオンポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよく、またその含有量は本発明の洗浄剤組成物中0.01〜5質量%が好ましく、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさの点から、0.05〜2質量%がさらに好ましく、特に0.1〜1質量%が好ましい。
【0048】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、エチレングリコールモノアルキルエステル又はエチレングリコールジアルキルエステルを含むパール化剤を含むことができる。エチレングリコールモノアルキルエステルとしては、エチレングリコールモノステアリルエステル、エチレングリコールモノベヘニルエステルなどが挙げられる。また、エチレングリコールジアルキルエステルとしては、エチレングリコールジステアリルエステル、エチレングリコールジベヘニルエステルなどが挙げられる。また、エチレングリコールモノステアリルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルやエチレングリコールジステアリルエーテルなどのエチレングリコールジアルキルエーテルを用いることもできる。これらは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、洗浄剤の安定性向上及び泡立て時、すすぎ時の滑らかさ向上の点から、本発明の水性毛髪洗浄剤中に0.1〜10質量%が好ましく、更には0.5〜5質量%、特に1〜4質量%が好ましい。
【0049】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、乾燥後の仕上がり向上のため、更に、カチオン界面活性剤、及び前記油滴に用いるシリコーンブレンド以外のシリコーン等を更に配合することができる。
【0050】
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが好適に用いられる。
(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
11−N+(Me)3-
〔式中、R11は炭素数12〜22のアルキル基を示し、Meはメチル基を示し、X-はハロゲン(塩素又は臭素)イオンを示す。〕
【0051】
(ii)アルコキシトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
12−O−R13−N(Me)3-
〔式中、R12は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R13はエチレン基もしくはプロピレン基を示し、Meはメチル基を示し、X-は上記と同じである。〕
【0052】
(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
142−N+(Me)2-
〔式中、R14は炭素数12〜22のアルキル基又はベンジル基を示し、Meはメチル基を示し、X-は上記と同じである。〕
【0053】
(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
15−N(Me)2
〔式中、R15は炭素数12〜22のアルキル基を示し、Meはメチル基を示す。〕
【0054】
(v)アルコキシジメチルアミン及びその塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
16−O−R17−N(Me)2
〔式中、R16は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R17はエチレン基もしくはプロピレン基を示し、Meはメチル基を示す〕
【0055】
(vi) アルキルアミドジメチルアミン及びその塩
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
18−C(=O)NH−R19−N(Me)2
〔式中、R18は炭素数11〜21のアルキル基を示し、R19はエチレン基もしくはプロピレン基を示し、Meはメチル基を示す。〕
【0056】
上記(i)〜(vi)以外のカチオン界面活性剤としては、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(アルカノイルアミノプロピル ジメチル エチルアンモニウムのエチル硫酸塩、アルカノイル基はラノリン由来)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C14〜C20)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C18〜C22)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソステアリン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソノナン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム及びアルキルトリメチルアンモニウムサッカリンなどが挙げられる。
【0057】
カチオン界面活性剤は、2種以上を併用してもよく、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさの点から、その含有量は、本発明の水性毛髪洗浄剤中の0.01〜10質量%が好ましく、更には0.05〜6質量%、特に0.3〜3質量%、とりわけ0.5〜2質量%が好ましい。
【0058】
シリコーンブレンド以外のシリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
(a)ポリジメチルシロキサン
R (CH3)2SiO−[(CH3)2SiO]m-Si(CH3) 2
〔式中、Rはメチル基もしくはヒドロキシル基を示し、mは1〜20,000の数を示す。〕
(b)アミノ変性シリコーン
成分(B)以外のアミノ変性シリコーンが使用できるが、特に平均分子量が約3,000〜100,000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国,Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。市販品としては、SM 8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、DC 929(ダウ・コーニング社)、KT 1989(GE東芝シリコーン社)、8500 Conditioning Agent(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)等が挙げられる。
【0059】
(c)その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0060】
これらシリコーン類は、2種以上を併用してもよく、洗髪時からすすぎ時までの滑らかさの点から、その含有量は、本発明の水性毛髪洗浄剤中の0.01〜10質量%が好ましく、更には0.05〜6質量%、特に0.3〜3質量%、とりわけ0.5〜2質量%が好ましい。
【0061】
また、他のコンディショニング剤として、油剤を含有することができる。油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン等のアルコール類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、高級アルコール類が好ましく、特にミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。これら油剤は、1種又は2種以上を併用することもでき、その含有量は、本発明の水性毛髪洗浄剤中0.2〜2質量%が好ましく、更には0.3〜1.8質量%、特に0.5〜1.5質量%が好ましい。
【0062】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、粘度調整剤を含有させてもよく、粘度調整剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、エタノール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、粘土鉱物、塩類(塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム等)などが挙げられ、中でもベンジルアルコール、エタノール、ポリプロピレングリコール、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムが好ましい。粘度調整剤は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、泡量、泡質の点から、本発明の水性毛髪洗浄剤中の0.01〜5質量%が好ましく、更には0.05〜4質量%、特に0.1〜3質量%が好ましい。
【0063】
本発明の水性毛髪洗浄剤には、上記成分のほか、通常の毛髪洗浄剤に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;ソルビトール、パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;酸化チタン等のパール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
【0064】
本発明の水性毛髪洗浄剤は、毛髪のツヤやまとまりを向上する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20重量倍希釈,25℃)が2〜6であるのが好ましく、更にはpH3〜5、特にpH3.5〜4.5であるのが好ましい。pH調整剤としては、有機酸、特にα−ヒドロキシ酸を用いることが好ましく、具体的にはリンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸が好ましい。これら有機酸は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、泡質、洗髪時の毛髪柔軟性の向上の点から、本発明の水性毛髪洗浄剤中の0.01〜5質量%が好ましく、更には0.1〜3質量%、特に0.3〜2質量%が好ましい。また、他のpH調整剤として、これら有機酸と合わせ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等の塩基を用いてもよい。
【0065】
本発明の水性毛髪洗浄剤の形態は、液状、ゲル状等適宜選択できるが、溶剤として水又は低級アルコール、特に水を用いた液状のものが好ましい。
【実施例】
【0066】
評価方法
(1)泡立ちの速さ
図1に示す装置(特開平10-73584号公報に開示される装置)及び下記に示す方法により、評価サンプル1.5mL、モデル皮脂0.3mLで起泡量を測定し、泡量が25mLになるまでの時間により評価した。
図1及び図2で示される装置において、毛髪1として、90mmの毛髪30gを直径略160mmの円板11に植毛したものを使用した。容器10は、直径160mm、高さ220mmの円筒状のものを使用し、蓋20には、第1の突起物21として直径15mm、高さ12mmの円柱状の突起物を3個備え、第2の突起物22として縦10mm、横2mm、高さ12mmの突起物を9個備えたものを使用した。また、モーターによる容器10の回転数は毎分70回転に設定した。
この装置を用いた起泡性評価方法においては、まず、毛髪を水30gでぬらし、モデル皮脂を加えた後、評価サンプルをかけ、次に毛髪1と突起物21、22とを摺動させ、計量器50に泡を捕集した。この場合、泡の捕集量を摺動開始直後から50秒ごとに記録した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:100秒未満
○:100以上200秒未満
△:200以上300秒未満
×:300秒以上
【0067】
(2)すすぎ時のすべり感
長さ25cm、幅5.5cm、重さ10gの人毛束を40℃の温水で軽く濯いだ後、余分な水分を取り去り、0.5gの毛髪洗浄剤を用いて約30秒間十分に泡立てた。その後、泡の付いた毛束を2L/minの流速の40℃のお湯ですすぎながら、すべり感を官能評価した。評価は5人で行い、その評価の合計値を示した。また、評価基準は以下の通りである。
4:よく滑る
3:やや滑る
2:あまり滑らない
1:滑らない
【0068】
(3)乾燥後のツヤとまとまり
すべり評価と同様に処理した毛束を40℃の流水(2L/min)で濯いだ後、タオルで水気を十分に拭き取り自然乾燥した。乾燥後、目視によりツヤ、まとまりを評価した。評価は5人で行い、その評価の合計値を示した。
4:良い
3:やや良い
2:あまり良くない
1:良くない
【0069】
(4)乾燥後の滑らかさ
すべり評価と同様に処理した毛束を40℃の流水(2L/min)で濯いだ後、タオルで水気を十分に拭き取り自然乾燥した。乾燥後、滑り性を評価した。評価は5人で行い、その評価の合計値を示した。
4:よく滑る
3:やや滑る
2:あまり滑らない
1:滑らない
【0070】
製造例1 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド1)[(A)成分が粘度1,000mm2/sのポリジメチルシロキサンであり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=90:10]
粘度が1,000mm2/sのポリジメチルシロキサンを54質量%、シリコーンSS−3588を6質量%加え、HEIDON社のスリーワンモーターBL600を用い200rpmの回転速度にて均質になるまで混合する。次に、200rpmの回転速度にて攪拌しながら、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルを4.5質量%、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを1.5質量%加えて、10分間混合する。その後、200rpmの回転速度にて攪拌しながら25質量%の水を添加し、続いて特殊機化工業社のアジホモミキサー(f2/5モデル,No.023010)を用いて5,000rpmの回転速度で5分間攪拌する。次に9質量%の水を添加し、特殊機化工業社のアジホモミキサー(f2/5モデル,No.023010)を用いて5000rpmの回転速度で5分間攪拌する。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径は、コールター社LS−130を用いて適正濃度にてレーザー回折測定を行ったところ、0.7μmであった。
【0071】
製造例2 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド2)[(A)成分が粘度10,000mm2/sのポリジメチルシロキサンであり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=90:10]
ポリジメチルシロキサンを、粘度が10,000mm2/sのものに代えた以外は製造例1と同様にして、シリコーンブレンドエマルジョンを調製した。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、0.7μmであった。
【0072】
製造例3 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド3)[(A)成分が粘度10,000mm2/sのポリジメチルシロキサン:10mm2/sのポリジメチルシロキサン=90:10の混合物であり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=90:10;混合物粘度5,000mm2/s]
ポリジメチルシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sのポリジメチルシロキサン48.6質量%及び粘度が10mm2/sのポリジメチルシロキサンを5.4質量%とを用いたこと及びアジホモミキサーの回転数を1,500rpmにした以外は製造例1と同様にして、シリコーンブレンドエマルジョンを調製した。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、8.5μmであった。
【0073】
製造例4 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド4)[(A)成分が粘度100,000mm2/sのポリジメチルシロキサンであり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=90:10]
ポリジメチルシロキサンを、粘度が100,000mm2/sのものに代えた以外は製造例1と同様にして、シリコーンブレンドエマルジョンを調製した。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、0.7μmであった。
【0074】
製造例5 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド5)[(A)成分が粘度1,000,000mm2/sのポリジメチルシロキサン:デカメチルシクロペンタシロキサン=70:30の混合物であり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=90:10;混合物粘度25,000mm2/s]
製造例1と同様にして、シリコーンブレンドエマルジョンを調製した。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、0.7μmであった。
【0075】
製造例6 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド6)[(A)成分が粘度6,000,000mm2/sのポリジメチルシロキサン:500mm2/sのポリジメチルシロキサン=70:30の混合物であり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=30:70;混合物粘度9,000mm2/s]
ポリジメチルシロキサンとして、粘度が6,000,000mm2/sのポリジメチルシロキサン:粘度が500mm2/sのポリジメチルシロキサン=30:70の混合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして、シリコーンブレンドエマルジョンを調製した。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径を製造例1と同様にして測定したところ、0.6μmであった。
【0076】
製造例7 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(本発明のシリコーンブレンド7)[(A)成分が粘度10,000mm2/sのポリジメチルシロキサンであり、(B)成分がシリコーンSS−3588(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)であり、(A)成分:(B)成分=95:5]
粘度が10,000mm2/sのポリジメチルシロキサンを54質量%、シリコーンSS−3588を6質量%加え、HEIDON社のスリーワンモーターBL600を用い200rpmの回転速度にて均質になるまで混合する。次に、200rpmの回転速度にて攪拌しながら、塩化セチルトリメチルアンモニウムを7質量%加えて、10分間混合する。その後、200rpmの回転速度にて攪拌しながら25質量%の水を添加し、続いて特殊機化工業社のアジホモミキサー(f2/5モデル,No.023010)を用いて2000rpmの回転速度で5分間攪拌する。次に8質量%の水を添加し、特殊機化工業社のアジホモミキサー(f2/5モデル,No.023010)を用いて2000rpmの回転速度で5分間攪拌する。
シリコーンエマルションの乳化粒子の平均粒径は、コールター社LS−130を用いて適正濃度にてレーザー回折測定を行ったところ、80μmであった。
【0077】
製造例8 シリコーンブレンドエマルジョンの調製(比較シリコーンブレンド1)[粘度1,000,000mm2/sのポリジメチルシロキサンとアミノ変性シリコーンQ2−8220(ダウ・コーニング社)のシリコーンブレンドエマルジョンであり、ポリジメチルシロキサン:アミノ変性シリコーン=75:25]
特表2004−526806に記載の実施例1の方法に従い、調製を行った。
【0078】
実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示す毛髪洗浄剤を調製し、上記評価方法にて評価した。なお、pHは水で20重量倍希釈し、25℃での値である
【0079】
【表1】

【0080】
*1 アミノ変性シリコーン;「Q2−8220」、ダウ・コーニング社
*2 ブロック共重合体;「シリコーンSS−3588」、東レ・ダウコーニング・シリコーン社
*3 ポリジメチルシロキサン;粘度100,000mm2/s
*4 ラウリルエーテル(1)硫酸アンモニウム;エチレンオキシド重量平均付加モル数1
*5 カチオン化ヒドロキシエチルセルロース;「Polymer JR-400、Amerchol社」
【0081】
実施例8 コンディショニングシャンプー (質量%)
ラウリルエーテル(1)硫酸アンモニウム 14.0
(エチレンオキシド平均付加モル数1)
シリコーンブレンド3 1.7
カチオン化ヒト゛ロキシエチルセルロース(ポイズC-80M、花王社) 0.3
カチオン化グアーガム(Jaguar C-13S、Rhodia社) 0.3
シ゛メチルシ゛アリルアンモニウム/アクリルアミト゛共重合体(マーコート550、NALCO社) 1.2
エチレングリコールジステアリルエステル 2.0
イソデシルグリセリルエーテル 0.5
ラウリルアミドプロピルベタイン 1.0
ミリスチルアルコール 0.5
ココイルモノエタノールアミド 0.8
ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル 0.7
アミノ変性シリコーン(8500 Conditioning Agent、東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社) 0.3
ポリプロピレングリコール(Mw=400) 0.5
ベンジルアルコール 0.3
エタノール 3.0
パンテノール 0.05
シルクエキス 0.05
塩化ナトリウム 0.5
香料 適量
リンゴ酸 0.5
乳酸 pH3.9になる量
イオン交換水 バランス
【0082】
実施例9 コンディショニングシャンプー (質量%)
ラウリルエーテル(2)硫酸ナトリウム 13.0
(エチレンオキシド平均付加モル数2)
シリコーンブレンド2 3.5
カチオン化ヒト゛ロキシエチルセルロース(Polymer JR-400、Amerchol社) 0.5
シ゛アリル四級アンモニウム塩/アクリルアミト゛共重合物(マーコート550、NALCO社) 2.4
エチレングリコールジステアリルエステル 3.0
イソデシルグリセリルエーテル 0.7
ラウリルアミドプロピルベタイン 2.0
ココイルモノエタノールアミド 0.5
ミリスチルアルコール 1.0
セチルアルコール 0.5
ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル 2.0
高重合ポリメチルシロキサンエマルション 0.5
(シリコーンCF2450、粒径0.2〜0.8μm、東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社)
ベンジルアルコール 1.0
ポリプロピレングリコール(Mw=400) 0.2
塩化ナトリウム 1.0
加水分解コンキオリン液(乾燥分3質量%) 0.05
オタネニンジンエキス(乾燥分3質量%) 0.05
ダイズエキス(乾燥分0.4質量%) 0.05
ユーカリエキス(乾燥分0.2質量%) 0.05
米胚芽油 0.05
グリコール酸 1.0
香料 適量
水酸化ナトリウム pH3.9になる量
イオン交換水 バランス
【0083】
実施例10 コンディショニングシャンプー (質量%)
ラウリルエーテル(1)硫酸ナトリウム 16.0
(エチレンオキシド平均付加モル数1)
シリコーンブレンド2 1.2
カチオン化ヒト゛ロキシエチルセルロース(Polymer JR-30M、Amerchol社)) 0.5
エチレングリコールジステアリルエーテル 3.0
ココイルモノエタノールアミド 0.8
ステアリルアルコール 0.8
高重合ポリメチルシロキサンエマルション 1.6
(シリコーンCF2460、粒径 20〜80μm東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社)
グリセリン 0.5
塩化ナトリウム 0.2
ベンジルオキシエタノール 0.5
リンゴ酸 0.7
香料 適量乳酸 0.1
クエン酸 pH5.5になる量
イオン交換水 バランス
【0084】
実施例11 コンディショニングシャンプー (質量%)
ラウリルエーテル(2.5)硫酸ナトリウム 15.0
(エチレンオキシド平均付加モル数2.5)
シリコーンブレンド1 1.7
カチオン化グアーガム(Jaguar C-14S、Rhodia社) 0.5
エチレングリコールジステアリルエステル 2.0
ラウリルアミドプロピルベタイン 3.0
ココイルモノエタノールアミド 0.8
ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル 2.0
ステアロキシプロピルジメチルアミン・リンゴ酸塩 0.5
ポリプロピレングリコール(Mw=400) 0.5
塩化ナトリウム 1.0
リンゴ酸 0.8
クエン酸 0.75
水酸化ナトリウム pH3.5になる量
イオン交換水 バランス
【0085】
実施例12 コンディショニングシャンプー (質量%)
ラウリルエーテル(1)硫酸アンモニウム 14.0
(エチレンオキシド平均付加モル数1)
シリコーンブレンド7 1.5
カチオン化ヒト゛ロキシエチルセルロース(Polymer JR-400、Amerchol社) 0.4
エチレングリコールジステアリルエステル 2.0
イソデシルグリセリルエーテル 1.5
ココイルアミドプロピルベタイン 1.0
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 1.0
ラウリン酸 0.5
オレイン酸 0.7
ココイルベンザルコニウムクロライド 0.5
エタノール 0.5
ヒバマタエキス 0.05
リンゴ酸 0.7
香料 適量
水酸化ナトリウム pH5.5になる量
イオン交換水 バランス
【0086】
実施例8〜12の毛髪洗浄剤は、すばやい泡立ちと良好な泡立て時及びすすぎ時のすべりを有し、かつ仕上がりの髪のツヤとまとまり性が良好であり、安定性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の水性毛髪洗浄料は、洗髪時とすすぎ時の滑らかな感触を有し、かつ、仕上がりの髪にツヤとまとまりを与える。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】洗浄剤評価装置を示す図である。
【図2】毛髪を植毛する円板の上面図(a図)及び毛髪を植毛した円板の断面図(b図)である。
【符号の説明】
【0089】
1 毛髪
10 容器
20 蓋
21 第1の突起物
22 第2の突起物
23 泡誘導壁
24 毛髪の巻込み防止ピン
25 注入孔
30 モーター
50 計量器
51 注水孔
60 トルク検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン油滴を分散した水性毛髪洗浄剤であって、該油滴が少なくとも(A)ポリジメチルシロキサン50〜98質量%及び(B)アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体2〜50質量%を含有することを特徴とする水性毛髪洗浄剤。
【請求項2】
(B)が一般式(1)で表される共重合体である請求項1記載の水性毛髪洗浄剤。
【化1】

〔式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。R2はR1又はEのいずれかを示す。Eは−R3−Z(ここでR3は直接結合手又は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Zは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される基を示す。Yは2価の基を示す。aは2以上の数、bは1以上の数、nは2〜10の数、cは4以上の数、dは2以上の数を示す。なお、複数個のR1、R2及びEは同一であっても異なっていてもよい。〕
【請求項3】
(A)が、25℃で100,000mm2/s以下の粘度を有する請求項1又は2に記載の水性毛髪洗浄剤。
【請求項4】
油滴の粒径が100μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の水性毛髪洗浄剤。
【請求項5】
油滴を0.01〜10質量%含む請求項1〜4のいずれかに記載の水性毛髪洗浄剤。
【請求項6】
更に、アニオン界面活性剤を1〜30質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の水性毛髪洗浄剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−213734(P2011−213734A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149521(P2011−149521)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【分割の表示】特願2005−230182(P2005−230182)の分割
【原出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】