説明

水晶振動子の製造方法

【課題】振動部の一方の主面が曲面形状の凸部を有している水晶振動子を容易に製造しその水晶振動子の製造コストを軽減することを課題としている。
【解決手段】水晶ウエハに複数の水晶基板凹部と基板内部配線を設ける水晶基板凹部形成工程と、水晶ウエハの他方の主面であって水晶基板となる部分に、インクジェット法を用いてカバーを設けるカバー形成工程と、カバーの設けられた水晶ウエハの他方の主面を加工するコンベックス加工工程と、水晶基板となる部分に電極を設ける電極形成工程と、複数の第一の容器体となる部分が設けられている第一のウエハと水晶ウエハとを水晶基板凹部を第一のウエハ側に向けて接合する第一の接合工程と、複数の容器体凹部が一方の主面に設けられている第二のウエハと水晶ウエハとを容器体凹部を水晶ウエハ側に向けて接合する第二の接合工程と、水晶振動子ごとに個片化する個片化工程とからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる水晶振動子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水晶振動子の小型化に対して、この水晶振動子に塔載されている水晶振動素子を個片に加工し扱い製造するには困難な状態となってきている。このため、このような小型化された水晶振動子の製造方法には、例えば、ウエハの状態で水晶振動素子を形成し、この状態を維持しながら水晶振動子を製造する製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
まず、特許文献1に示すような製造方法で製造された水晶振動子について説明する。このような水晶振動子は、例えば、水晶基板と第一の容器体と第二の容器体とから主に構成されている。また、このような水晶振動子は、水晶基板の一方の主面に設けられている第一の電極を第一の容器体で封止し、水晶基板の他方の主面に設けられている第二の電極を第二の容器体で封止している構造となっている。ここで、水晶基板は、振動部と振動部の端部に接続された枠部とから主に構成されおり、第一の電極および第二の電極は振動部に設けられている。
【0004】
次に、ウエハの状態で水晶振動素子形成し、この状態を維持しながら水晶振動子を製造する製造方法について説明する。このような水晶振動子の製造方法は、例えば、水晶ウエハ形成工程、電極形成工程、第一の接合工程、第二の接合工程、個片化工程から主に構成されている。
【0005】
水晶ウエハ形成工程は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、複数の水晶基板となる部分を水晶ウエハにマトリックス状に配列されるように形成する工程である。
【0006】
電極形成工程は、スパッタ等を用いて、水晶基板の一方の主面に第一の電極と2つ一対となる接続端子と第一の配線パターンとが設けられ、水晶基板の他方の主面に第二の電極と第二の配線パターンとが設けられる。
第一の配線パターンが第一の電極と所定の一つの接続端子とを接続するように設けられ、第二の配線パターンが第二の電極と所定の他の一つの接続端子とを接続するように設けられている。
【0007】
第一の接合工程は、複数の第一の容器体となる部分がマトリックス状に配列されている第一のウエハと複数の水晶基板となる部分が設けられている水晶ウエハの一方の主面とを接合する工程である。
第一の容器体となる部分の一方の主面には2つ一対となる塔載端子が設けられており、他方の主面には複数の外部接続端子が設けられている。所定の各搭載端子と所定の各外部接続端子とが第一の容器体に設けられている容器体内部配線を介して電気的に接続されている。
水晶ウエハと第一のウエハとが接合されることによって、水晶基板となる部分に設けられている接続端子と第一の容器体となる部分に設けられている塔載端子とが接続される。
【0008】
第二の接合工程は、複数の第二の容器体となる部分がマトリックス状に配列されている第二のウエハと複数の水晶基板となる部分が設けられている水晶ウエハの他方の主面とを接合する工程である。
【0009】
個片化工程は、ダイシング等を用いて、水晶ウエハに設けられている凹部の間を切断し、水晶振動子ごとに個片化していく工程である。
【0010】
また、近年の水晶振動子の小型化に対して、クリスタルインピーダンスの悪化やQ値の低下を回避するために、例えば、振動部の一方の主面に曲面形状の凸部を有する構造の水晶振動子が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
ここで、振動部の一方の主面に曲面形状の凸部を形成する工程が含まれている水晶ウエハ形成工程について説明する。水晶ウエハ形成工程は、枠部形成工程と振動部形成工程とから主に構成される。
【0012】
枠部形成工程は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、水晶ウエハの一方の主面に複数の凹部を形成することにより、複数の枠部となる部分を形成する工程である。
【0013】
振動部形成工程は、例えば、カバー形成工程とエッチング工程とレジスト除去工程とから構成されている。
カバー形成工程は、水晶ウエハの一方の主面に曲面形状の凸部を有したカバーを形成する工程である。このカバーの形成方法は、例えば、レジスト塗布工程と露光工程と現像工程とから構成されている。
レジスト塗布工程では、水晶と同一状態でエッチングされるレジストを平板の水晶からなるウエハの一方の主面に塗布する工程である。
露光工程は、振動部の中心位置から振動部の縁部が形成される位置に向かって、露光強度をレンズ及び/又はフィルタで変化させた電磁波を照射して、レジスト膜内に感光の有無による凸面状の露光領域を形成する工程である。
現像工程は、露光されたレジストを現像する工程である。
エッチング工程は、カバーの形成されている水晶ウエハをドライエッチングする。カバーは水晶と同じエッチング速度なので、エッチングされた水晶ウエハはカバーの形状が転写された形状となる。
カバー除去工程は、残っているレジストを除去する工程である。
ここでは、曲面形状の凸部とこの凸部と対向する凹部内の主面との間が振動部している。
【0014】
また、水晶ウエハの一方の主面に曲面形状の凸部を有したカバーを形成する方法は、例えば、露光工程に於いて濃度分布マスクを用いて、水晶ウエハの一方の主面に塗布されているレジストを露光する方法などがある。
ここで、濃度分布マスクは、例えば、ガラス平板と複数のクロム層とから主になっている。ガラス平板は、光を透過する材料からなり、平板状となっている。複数のクロム層は、ガラス平板の一方の主面に設けられている。また、クロム層は、例えば、形状や大きさが異なっている場合がある。
このクロム層が露光装置の解像度又は使用するレジストの解像度より小さい大きさの場合、この濃度分布マスクを用いて露光されたレジストが連続的に変化している曲面形状に凸形状なる。つまり、露光工程に於いて 濃度分布マスクを用いてレジストを露光することで、水晶振動子の振動部と同一形状のカバーが形成することができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−148758号公報
【特許文献2】特開2005−244677号公報
【特許文献3】特開2009−31399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来の水晶振動子の製造方法は、レンズ及び/又はフィルタで露光強度を変化させた電磁波をレジストに照射して水晶振動子の振動部と同一形状のカバーを形成し、エッチングを行っている。従って、曲面形状であって凸形状とるカバーを形成するために、レンズ及び/又はフィルタを調節する作業に手間と時間を要するので、従来の水晶振動子の製造方法は、製造コストが増大する恐れがある。
【0017】
濃度分布マスクを用いた従来の水晶振動子の製造方法は、水晶基板となる部分に濃度分布マスクの微細なパターンを合わせる作業に手間と時間を要するので、濃度分布マスクを用いた従来の製造方法は製造コストが増大する恐れがある。
【0018】
そこで、本発明は、振動部が曲面形状の凸形状となっている水晶振動子を容易に製造し、その水晶振動子の製造コストを軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するため、水晶ウエハの一方の主面に複数の水晶基板凹部をマトリックス状に設けて、前記水晶基板凹部の近傍に基板内部配線を厚み方向に設ける水晶基板凹部形成工程と、前記水晶ウエハの他方の主面であって前記水晶基板となる部分に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバーを設けるカバー形成工程と、前記カバーの設けられた前記水晶ウエハの他方の主面を加工するコンベックス加工工程と、前記水晶ウエハの水晶基板となる部分に第一の電極と第二の電極と第一の配線パターンと第二の配線パターンと接続端子とを設ける電極形成工程と、複数の第一の容器体となる部分が設けられている第一のウエハと前記水晶ウエハとを、前記水晶基板凹部を前記第一のウエハ側に向けて接合する第一の接合工程と、複数の容器体凹部が一方の主面に設けられている第二のウエハと前記水晶ウエハとを 前記容器体凹部を前記水晶ウエハ側に向けて接合する第二の接合工程と、 前記水晶ウエハの前記水晶基板凹部の間を切断して水晶振動子ごとに個片化する個片化工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
このような水晶振動子の製造方法は、異方性材料からなる水晶に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバーを設けて、エッチングを行っている。
つまり、異方性材料である水晶は結晶軸の方向によってエッチング速度が異なるので、水晶に中心が同一となる複数の保護膜を設けることによって、エッチング後に水晶振動子の振動部に擬似的な曲面形状の凸部を容易に設けることができる。
従って、このような水晶振動子の製造方法は、レンズ及び/又はフィルタで露光強度を変化させた電磁波をレジストに照射して水晶振動子の振動部と同一形状のカバーを形成するための手間と時間を省くことができるので製造コストを軽減することができる。
【0021】
また、このような水晶振動子の製造方法は、インクジェット法を用いてレジストを直接、水晶ウエハに塗布することができるので、濃度分布マスクを用いることなく水晶振動子を製造することができる。つまり、このような水晶振動子の製造方法は、濃度分布マスクと水晶基板となる部分の位置を合わせるための時間と手間が不要となり、製造コストを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子の断面図ある。
【図2】水晶基板凹部形成工程後の水晶ウエハの状態の一例を示す概念図である。
【図3】カバー形成工程後の水晶ウエハの状態の一例を示す概念図である。
【図4】カバー形成工程後の水晶ウエハの断面の状態の一例を示す概念図である。
【図5】コンベックス加工工程後の水晶ウエハの断面の状態の一例を示す概念図である。
【図6】電極形成工程後の水晶ウエハの状態の一例を示す概念図である。
【図7】電極形成工程後の水晶ウエハの断面の状態の一例を示す概念図である。
【図8】第一の接合工程前の水晶ウエハ状態の一例を示す概念図である。
【図9】第一の接合工程前の第一のウエハの状態の一例を示す概念図である。
【図10】第一の接合工程後の水晶ウエハと第一のウエハの断面の状態の一例を示す概念図である。
【図11】第二の接合工程前の第二のウエハの状態の一例を示す概念図である。
【図12】第二の接合工程後の水晶ウエハと第二のウエハと第一のウエハの断面の状態の一例を示す概念図である。
【図13】個片化工程後の状態を示す概念図である。
【図14】本発明の第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子の断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
【0024】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法ついて説明する。
まず、本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子100について説明する。
【0025】
本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子100は、図1に示すように、水晶基板10aと第一の容器体20aと第二の容器体30aとから主に構成されている。この水晶振動子100は、水晶基板10aが第一の容器体20aと第二の容器体30aとで挟まれた構造となっている。また、この水晶振動子100は、水晶基板10aに設けられている第一の電極13aが水晶基板10aと第一の容器体20aとで封止された状態となっており、水晶基板10aに設けられている第二の電極14aが水晶基板10aと第二の容器体30aとで封止された状態となっている。
ここで、この水晶振動子100は、例えば、水晶基板10aの一方の主面と第一の容器体20aとが陽極接合により接合され、水晶基板10aの他方の主面と第二の容器体30aとが陽極接合により接合されている。
【0026】
水晶基板10aは、例えば、図1及び図6に示すように、矩形形状の平板となっており、一方の主面に水晶基板凹部11aが設けられており、他方の主面に曲面形状の凸部12aが設けられている。また、水晶基板10aは、水晶基板10aの厚み方向であって、水晶基板凹部11aの近傍に基板貫通孔(図示せず)が設けられている。
水晶基板10aは、一方の主面側に第一の電極13aと第一の配線パターン17aと2つ一対の接続端子Sと第一の接合用金属層15aとが設けられおり、他方の主面側に第二の電極14aと第二の配線パターン18aと第二の接合用金属層16aとが設けられている。また、水晶基板10aは、基板内部配線NSが、基板貫通孔内部に設けられている。
【0027】
水晶基板凹部11aは、水晶基板10aの一方の主面に設けられている。
曲面形状の凸部12aは、水晶基板凹部11aと対向する位置にあって、その最大の高さの位置が水晶基板凹部11aの底面の中心と一致するように水晶基板10aの他方の主面に設けられている。
【0028】
第一の電極13aは、水晶基板凹部11aの底面に設けられている。
第二の電極14aは、第一の電極13aと対向する位置であって、水晶基板10aの他方の主面に設けられている。
基板内部配線NSは、水晶基板凹部11aの近傍に設けられている基板貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。ここで、近傍とは、水晶基板凹部11aの設けられていない水晶基板10aの一方の主面であって、水晶基板10aの縁部とする。
接続端子Sは、例えば、水晶基板10aの一方の主面の一方の短辺側に2個並んで設けられている。また、接続端子Sは、所定の一つの接続端子Sが後述する第一の配線パターン17aと接続され、所定の他の一つの接続端子Sが前述した基板内部配線NSと接続される位置に設けられている。
【0029】
第一の配線パターン17aは、第一の電極13aと所定の一つの接続端子Sとに接続されるように、水晶基板凹部11a内の面及び水晶基板10aの一方の主面に沿って設けられている。従って、第一の電極13aと所定の一つの接続端子Sとが電気的に接続している。
第二の配線パターン18aは、第二の電極14aと基板内部配線NSとに接続されるように、水晶基板10aの他方の主面に設けられている。従って、第二の電極14aと所定の他の一つの接続端子Sとが電気的に接続している。
【0030】
第一の接合用金属層15aは、図8に示すように、水晶基板10aの一方の主面の縁部であって、接続端子Sと第一の配線パターン17aと接触しないように環状に設けられている。この第一の接合用金属層15aは、後述する第一の容器体20aに設けられている第一の電極封止用金属層21aと陽極接合により接合されている。
第二の接合用金属層16aは、水晶基板10aの他方の主面の縁部であって、後述する容器第二の体30aの容器体凹部32aが設けられている一方の主面と対向する位置に、環状に設けられている。また、第二の接合用金属層16aは、第二の電極14aと第二の配線パターン18aとに接触しないように設けられている。この第二の接合用金属層16aは、後述する第二の容器体30aに設けられている第二の電極封止用金属層31aと陽極接合により接合されている。
【0031】
第一の容器体20aは、例えば、図1及び図9に示すように、矩形形状の平板となっている。また、第一の容器体20aは、その主面の大きさが水晶基板10aの主面の大きさと同じとなっている。また、第一の容器体20aは、複数の容器体貫通孔(図示せず)が設けられている。
第一の容器体20aは、一方の主面に第一の電極封止用金属層21aと2つ一対の塔載端子Pとが設けられており、他方の主面に複数の外部接続端子Gが設けられている。また、第一の容器体20aは、容器体内部配線NY1が容器貫通孔に設けられている。
【0032】
容器体貫通孔は、例えば、第一の容器体20aの4隅に4個、第一の容器体20aの厚み方向に設けられている。
容器体内部配線NY1は、容器体貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。
塔載端子Pは、例えば、第一の容器体20aの一方の主面の短辺側に2個並んで設けられている。また、塔載端子Pは、水晶基板10aに設けられている接続端子Sと対向する位置であって、各所定の塔載端子Pが各所定の容器体内部配線NY1と接続する位置に設けられている。
外部接続端子Gは、例えば、第一の容器体20aの4隅に4個設けられている。また、外部接続端子Gは、各所定の外部接続端子Gが各所定の容器体内部配線NY1と接続する位置に設けられている。
従って、所定の一つの接続端子Sと所定の一つの外部接続端子Gとは、所定の一つの容器体内部配線NY1により電気的に接続されており、同様に所定の他の一つの接続端子Sと所定の他の一つの外部接続端子Gとは電気的に接続されている。
【0033】
第一の電極封止用金属層21aは、第一の容器体20aの一方の主面の縁部であって、水晶基板10aの第一の接合用金属層15aと対向する位置に塔載端子Pと接触しないように環状に設けられている。
この第一の電極封止用金属層21aは第一の接合用金属層15aと陽極接合により接合されて、第一の容器体20aと水晶基板10aとが接合されている。従って、水晶基板10aは水晶基板凹部11aを第一の容器体20a側に向けた状態で第一の容器体20aと接合されているので、水晶基板凹部11aの底面に設けられている第一の電極13aが封止されている状態となる。
【0034】
また、水晶基板10aと第一の容器体20aとが接合されることで、各所定の接続端子Sと各所定の塔載端子Pとが接触され電気的に接続される状態となる。従って、水晶基板10aと第一の容器体20aが接合されることで、第一の電極13aと所定の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となり、第二の電極14aと所定の他の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となる。
【0035】
第二の容器体30aは、例えば、図1及び図11に示すように、矩形形状の平板となっている。また、第二の容器体30aは、その主面の大きさが水晶基板10aの主面の大きさと同じになっている。また、第二の容器体30aは、一方の主面に容器体凹部32aと第二の接合用金属層31aとが設けられている。
【0036】
容器体凹部32aは、水晶基板10aに設けられている曲面形状の凸部12aと第二の電極14aと第二の配線パターン18aに接触しない大きさとなっている。
第二の電極封止用金属層31aは、第二の容器体30aの一方の主面の縁部であって、水晶基板10aに設けられている第二の接合用金属層16aと対向する位置に、第二の電極14aと第二の配線パターン18aとに接触しないように、環状に設けられている。
第二の電極封止用金属層31aは第二の接合用金属層16aと陽極接合により接合されて、第二の容器体30aと水晶基板10aとが接合されている。従って、第二の容器体30aは、容器体凹部32aを水晶基板10a側に向けた状態で接合されているので、第二の電極14aが封止された状態となっている。
【0037】
次に、本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子100の製造方法について説明する。
本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子100の製造方法は、主に、水晶基板凹部形成工程、カバー形成工程、コンベックス加工工程、電極形成工程、第一の接合工程、第二の接合工程、個片化工程からなる。
【0038】
水晶基板凹部形成工程は、図2に示すように、水晶ウエハW10aの一方の主面に複数の水晶基板凹部11aをマトリックス状に設けて、前記水晶気基板凹部11aの近傍に基板内部配線NSを厚み方向に設ける工程である。この水晶基板凹部形成工程は、凹部形成工程と基板内部配線形成工程とからなる。
凹部形成工程は、平板状の水晶ウエハW10aの水晶基板10aとなる部分に水晶基板凹部11aと基板貫通孔(図示せず)を設ける工程である。なお、水晶基板凹部11aと基板貫通孔が同時に設けられる場合について説明するが、それぞれ別々に設けてもよい。
水晶基板凹部11aは、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、水晶基板10aとなる部分に形成される。
基板貫通孔は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、水晶基板10aとなる部分であって水晶基板凹部11aの近傍に形成される。ここで、近傍とは、水晶基板10aとなる部分の縁部であって、水晶基板凹部11aが設けられていない箇所とする。基板貫通孔は、例えば、水晶基板10aとなる部分の4隅のうち所定の1隅に設けられる。
基板内部配線形成工程は、水晶ウエハW10aに設けられている複数の基板貫通孔に金属や導電ペースト等を埋め込み基板内部配線NSを形成する工程である。
【0039】
カバー形成工程は、前記水晶ウエハの他方の主面であって前記水晶基板となる部分に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバーを設ける工程である。
ここで、インクジェット法は、インクジェット印字印刷のように、レジストを粒子又は小滴ごとに噴射して、所定の形状を印刷する方法をいう。
【0040】
カバー40aは、水晶ウエハW10aの他方の主面であって、水晶基板凹部11aの底面と対向する位置に設けられている。また、カバー40aは、後述するコンベックス加工工程に於いて設けられる曲面形状の凸部12aが、所定の曲率半径となる位置に設けられている。また、カバー40aは、環状の複数の保護膜からなっている。
この複数の保護膜は、その中心が同一であって、環状となっている。この複数の保護膜は、水晶基板10aとなる部分の縁部に向かうにつれて、隣の保護膜との間隔が広くなっている。
【0041】
ここで、カバー40aは、例えば、図3及び図4に示すように、保護膜が4つある場合について説明する。
カバー40aは、第一の保護膜41aと第二の保護膜41bと第三の保護膜41cと第四の保護膜41dとからなっている。
第一の保護膜41aは、その中心が水晶基板10aとなる部分の中心となるように設けられる。第一の保護膜41aはインクジェット法を用いて直接、水晶ウエハW10aに塗布されたレジストが、電磁波が照射され硬化することによって形成される。
第二の保護膜41bは、第一の保護膜41aを囲うように環状に設けられている。また、第二の保護膜41bは、その中心が第一の保護膜41aの中心と同一となるように設けられている。つまり、ここでは、第二の保護膜41bは、その中心が水晶基板10aとなる部分の中心となるように設けられている。第二の保護膜41bは、インクジェット法を用いて直接、水晶ウエハW10aに塗布されたレジストが、電磁波が照射され硬化することによって形成される。
第三の保護膜41cは、第一の保護膜41aと第二の保護膜41bとの間隔より、第二の保護膜41bとの間隔が広い位置に、第二の保護膜41bを囲うように環状に設けられている。また、第三の保護膜41cは、その中心が第一の保護膜41aの中心と同一となるように設けられている。第三の保護膜41cは、インクジェット法を用いて直接、水晶ウエハW10aに塗布されたレジストが、電磁波が照射され硬化することによって形成される。
第四の保護膜41dは、第二の保護膜41bと第三の保護膜41cとの間隔より、第三の保護膜41cとの間隔が広い位置に、第三の保護膜41cを囲うように環状に設けられている。また、第四の保護膜41dは、その中心が第一の保護膜41aの中心と同一となるように設けられている。第四の保護膜41dは、インクジェット法を用いて直接、水晶ウエハW10aに塗布されたレジストが、電磁波が照射され硬化することによって形成される。
つまり、4つの保護膜は、水晶基板となる部分の縁部に向かうについれて、隣合う保護膜との間隔が広がっている。
【0042】
従って、カバー形成工程では、インクジェット法により塗布したレジストを電磁波によって硬化させて、複数の保護膜を形成している。
なお、ここでは、複数の保護膜がそれぞれ形成された場合について説明しているが、複数の保護膜を同時に形成してもよい。
【0043】
コンベックス加工工程は、前記カバー40aの設けられた前記水晶ウエハW10aの他方の主面を加工する工程である。なお、ここでは、ウェットエッチングを用いた場合を例に説明する。コンベックス加工工程では、ウェットエッチングを用いることによって、擬似的な曲面形状の凸部12aが形成される。
水晶ウエハW10aは、結晶軸の軸方向によってエッチング速度の異なる異方性材料である水晶から主になっている。
このため、水晶ウエハW10aは、保護膜の間隔及びエッチングの時間によって、厚み方向のエッチングが停止して、保護膜で保護されている箇所がエッチングされる場合がある。このような現象は、一般的に、保護膜の間隔が狭く、エッチング時間が長い場合に生じやすい。
【0044】
前述したようにカバー40aは、例えば、図3及び図4に示すように、複数の保護膜からなっており、隣合う保護膜の間隔が水晶基板10aとなる部分の縁部に向かうにつれて広くなっている。
つまり、第一の保護膜41aと第二の保護膜41bは、隣合う間隔が、第二の保護膜41bと第三の保護膜41cの隣合う間隔又は第三の保護膜41cと第四の保護膜41dの隣合う間隔と比較して狭くなっている。
このため、第一の保護膜41aと第二の保護膜41bの間は、最初に厚み方向のエッチングが停止して、第一の保護膜41a及び第二の保護膜41bとで保護されている箇所がエッチングされた状態となる。エッチングの時間を長くすることで、第二の保護膜41bと第三の保護膜41c及び第三の保護膜41cと第四の保護膜41dの間に於いても同様の現象が生じる。
このため、第一の保護層41aの設けられている水晶基板10aとなる部分の中心付近は、厚み方向にあまりエッチングされず保護膜で保護されている箇所がエッチングされて、第四の保護層41dの設けられている水晶基板10aとなる部分の縁部側は、厚み方向にエッチングされる。
つまり、水晶基板10aとなる部分のカバー40aが設けられた主面は、中心付近が厚み方向にあまりエッチングされず、縁部付近が厚み方向にエッチングされている擬似的な曲面形状の凸形状となる。
【0045】
電極形成工程は、図1及び図6に示すように、前記水晶ウエハW10aの水晶基板10aとなる部分に第一の電極13aと第二の電極14aと第一の配線パターン17aと第二の配線パターン18aと接続端子Sとを設ける工程である。
第一の電極13aは、スパッタ等により、水晶ウエハW10aの水晶基板10aとなる部分の水晶基板凹部11aの底面に形成される。
第二の電極14aは、スパッタ等により、第一の電極13aと対向する位置であって、水晶ウエハW10aの水晶基板10aとなる部分の他方の主面に形成される。
接続端子Sは、スパッタ等により、2個一対となっており、例えば、水晶基板10aとなる部分の一方の主面であって、一方の短辺側に2個並んで形成される。また、接続端子Sは、所定の他の一つの接続端子Sが後述する第一の配線パターン17aと接続され、所定の他の一つの接続端子Sが前述した基板内部配線NSと接続される位置に設けられる。
第一の配線パターン17aは、スパッタ等により、第一の電極13aと所定の一つの接続端子Sとに接続されるように、水晶基板凹部11a内の面及び水晶基板10aとなる部分の一方の主面に沿って形成される。従って、第一の電極13aと所定の一つの接続端子Sとが電気的に接続される。
第二の配線パターン18aは、スパッタ等により、第二の電極14aと基板内部配線NSとに接続されるように、水晶基板10aの他方の主面に形成される。従って、第二の電極14aと所定の他の一つの接続端子Sとが電気的に接続される。
【0046】
第一の接合工程は、複数の第一の容器体20aとなる部分がマトリックス状に配列されている第一のウエハW10aと前記水晶基板凹部11aの設けられている前記水晶ウエハW10aの一方の主面を接合する工程である。ここで、水晶ウエハ10aと第一のウエハW20aとが、例えば、陽極接合により接合されている。
【0047】
水晶ウエハW10aは、第一のウエハW20aと陽極接合により接合するために、接合される一方の主面に第一の接合用金属層15aが設けられる。
第一の接合用金属層15aは、例えば、スパッタ等を用いて形成される。また、第一の接合用金属層15aは、水晶基板10aとなる部分の一方の主面の縁部であって、後述する第一のウエハW20aの第一の容器体20aとなる部分に設けられた第一の電極封止用金属層21aと対向する位置に、接続端子S及び第一の配線パターン17aと接触しないように環状に形成される。
【0048】
第一のウエハW20aは、複数の第一の容器体20aとなる部分がマトリック状に配列されている。なお、第一のウエハW20aの第一の容器体20aとなる部分の配列位置は、水晶ウエハ10aの水晶基板10aとなる部分の配列位置に対応している。
【0049】
第一の容器体20aとなる部分は、例えば、矩形形状であって、その主面は水晶基板10aとなる部分の主面と同じ大きさとなっている。また、第一の容器体20aとなる部分は、複数の容器体貫通孔(図示せず)が設けられている。
第一の容器体20aとなる部分は、一方の主面に第一の電極封止用金属層21aと2つ1対の塔載端子Pとが設けられており、他方の主面に複数の外部接続端子Gが設けられている。また、第一の容器体20aとなる部分は、複数の容器内部配線NY1が設けられている。
【0050】
容器体貫通孔は、例えば、第一の容器体20aとなる部分の4隅に4個、第一のウエハW20aの厚み方向に設けられている。
容器体内部配線NY1は、容器体貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。
塔載端子Pは、例えば、第一の容器体20aとなる部分の一方の主面の短辺側に2個並んで設けられている。また、塔載端子Pは、水晶基板10aとなる部分に設けられている接続端子Sと対向する位置であって、各所定の塔載端子Pが各所定の容器体内部配線NY1と接続する位置に設けられている。
外部接続端子Gは、例えば、第一の容器体20aとなる部分の4隅に4個設けられている。また、外部接続端子Gは、各所定の外部接続端子Gが各所定の容器体内部配線NY1と接続する位置に設けられている。
第一の電極封止用金属層21aは、第一の容器体20aとなる部分の一方の主面の縁部であって、水晶基板10aとなる部分の第一の接合用金属層15aと対向する位置に塔載端子Pと接触しないように環状に設けられている。
この第一の電極封止用金属層21aは第一の接合用金属層15aと陽極接合により接合されて、複数の第一の容器体20aとなる部分が設けられている第一のウエハW20aと複数の水晶基板10aとなる部分が設けられている水晶ウエハW10aとが接合される。
【0051】
この第一の容器体20aとなる部分に設けられた第一の電極封止用金属層21aと水晶基板10aとなる部分に形成された第一の接合用金属層15aとが陽極接合により接合されることで、第一のウエハW20aと水晶ウエハW10aとが接合される。従って、水晶ウエハW10aに形成された複数の水晶基板凹部11aを、第一のウエハW20aの一方の主面側に向けて重ね合わされて接合された状態となるため、水晶基板10aとなる部分に形成されている第一の電極13aが封止された状態となる。
【0052】
また、第一のウエハW20aと水晶ウエハW10aとが接合されることで、第一の容器体20aとなる部分に設けられている各所定の塔載端子Pと水晶基板10aとなる部分に形成されている各所定の接続端子Sとが接触され電気的に接続された状態となる。
従って、第一のウエハW20aと水晶ウエハW10aとが接合されることで、第一の電極13aと所定の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となる。また、第二の電極14aと所定の他の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となる。
【0053】
第二の接合工程は、複数の第二の容器体30aとなる部分がマトリックス状に配列されている第二のウエハW30aと曲面形状の前記凸部12aとが設けられている前記水晶ウエハW10aの他方の主面を接合する工程である。ここで、水晶ウエハW10aと第二のウエハW30aとが、例えば、陽極接合により接合されている。
【0054】
水晶ウエハW10aは、第二のウエハW30aと陽極接合により接合するために、接合される他方の主面に第二の接合用金属層16aが設けられる。
第二の接合用金属層16aは、例えば、スパッタ等を用いて形成される。また、第二の接合用金属層16aは、水晶基板10aとなる部分の他方の主面の縁部であって、後述する第二のウエハW30aの第二の容器体30aとなる部分に設けられた第二の電極封止用金属層31aと対向する位置に、第二の電極14a及び第二の配線パターン18aと接触しないように環状に形成される。
【0055】
第二のウエハW30aは、複数の第二の容器体30aとなる部分がマトリック状に配列されている。なお、第二のウエハW30aの第二の容器体30aとなる部分の配列位置は、水晶ウエハW10aの水晶基板10aとなる部分の配列位置に対応している。
【0056】
第二の容器体30aとなる部分は、例えば、矩形形状であって、その主面は水晶基板10aとなる部分の主面と同じ大きさとなっている。
第二の容器体30aとなる部分は、一方の主面に容器体凹部32aと第二の電極封止用金属層31aとが、スパッタ等により形成されている。
【0057】
容器体凹部32aは、水晶基板10aとなる部分に設けられている曲面形状の凸部12aと第二の電極14aと第二の配線パターン18aに接触しない大きさとなっている。
第二の電極封止用金属層31aは、第二の容器体30aとなる部分の一方の主面の縁部であって、水晶基板10aとなる部分に設けられている第二の接合用金属層16aと対向する位置に、第二の電極14aと第二の配線パターン18aとに接触しないように、環状に設けられている。
【0058】
この第二の容器体30aとなる部分に形成された第二の電極封止用金属層31aが、水晶基板10aとなる部分に第二の接合用金属層16aと陽極接合により接合されることにより、第二のウエハW30aと水晶ウエハW10aとが接合される。従って、第二のウエハW30aに設けられた複数の容器体凹部32aを、水晶ウエハW10aの他方の主面側に向けて重ね合わされて接合された状態となるため、水晶基板10aとなる部分に形成されている第二の電極14aが封止された状態となる。
【0059】
個片化工程は、前記水晶ウエハW10aの前記水晶基板凹部11aの間を切断して水晶振動子100ごとに個片化する工程である。個片化工程では、第一のウエハW20aと第二のウエハW30aとに接合されている水晶ウエハW10aが、第一の容器体20aと第二の容器体30aとに挟んで接合されている水晶基板10aごとに、ダイシング等により切断される。
【0060】
このような本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、異方性材料からなる水晶に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバーを設けて、エッチングを行っている。
つまり、異方性材料である水晶は結晶軸の方向によってエッチング速度が異なるので、水晶に中心が同一となる複数の保護膜を容易に設けることによって、エッチング後に水晶振動子の振動部に擬似的な曲面形状の凸部を容易に設けることができる。
従って、このような水晶振動子の製造方法は、レンズ及び/又はフィルタで露光強度を変化させた電磁波をレジストに照射して水晶振動子の振動部と同一形状のカバーを形成するための手間と時間を省くことができるので製造コストを軽減することができる。
【0061】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、インクジェット法を用いてレジストを直接、水晶ウエハに塗布することができるので、濃度分布マスクを用いることなく水晶振動子を製造することができる。つまり、このような水晶振動子の製造方法は、濃度分布マスクと水晶基板となる部分の位置を合わせるための時間と手間が不要となり、製造コストを軽減することができる。
【0062】
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子110について説明する。
第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子110は、接続端子Sが水晶基板10bの第二の電極14bが設けられている主面に設けられており、外部接続端子Gが第二の容器体30bに設けられている点で実施第一の形態と異なる。
従って、第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、電極形成工程に於いて、接続端子Sが水晶基板10bとなる部分の他方の主面に設けられる点で第一の実施形態と異なる。
【0063】
まず、第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法で製造された水晶振動子110について説明する。
水晶基板10bは、例えば、矩形形状の平板となっており、一方の主面に水晶基板凹部11bが設けられており、他方の主面に曲面形状の凸部12bが設けられている。また、水晶基板10bは、水晶基板10bの厚み方向であって、水晶基板凹部11bの近傍に基板貫通孔(図示せず)が設けられている。
水晶基板10bは、一方の主面側に第一の電極13bと第一の配線パターン17bと第一の接合用金属層15bとが設けられおり、他方の主面側に第二の電極14bと第二の配線パターン18bと第二の接合用金属層16bと2つ一対の接続端子Sとが設けられている。また、水晶基板10bは、基板内部配線NSが、基板貫通孔内部に設けられている。
【0064】
水晶基板凹部11bは、水晶基板10bの一方の主面に設けられている。
曲面形状の凸部12bは、水晶基板凹部11bと対向する位置にあって、その最大の高さの位置が水晶基板凹部11bの底面の中心と一致するように水晶基板10bの他方の主面に設けられている。
【0065】
第一の電極13bは、水晶基板凹部11bの底面に設けられている。
第二の電極14bは、第一の電極13bと対向する位置であって、水晶基板10bの他方の主面に設けられている。
基板内部配線NSは、水晶基板凹部11bの近傍に設けられている基板貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。ここで、近傍とは、水晶基板凹部11bが設けられていない水晶基板10bの一方の主面であって、水晶基板10bの縁部とする。
接続端子Sは、例えば、水晶基板10bの他方の主面の一方の短辺側に2個並んで設けられている。また、接続端子Sは、所定の他の一つの接続端子Sが基板内部配線NSと接続され、所定の他の一つの接続端子Sが第二の配線パターン18bと接続される位置に設けられている。
【0066】
第一の配線パターン17bは、第一の電極13bと基板内部配線NSと接続されるように、水晶基板凹部11b内の面及び水晶基板10bの一方の主面に沿って設けられる。従って、第一の電極13bと所定の一つの接続端子Sとが電気的に接続された状態となる。
第二の配線パターン18bは、第二の電極14bと所定の他の一つ接続端子Sとに接続されるように、水晶基板10bの他方の主面に設けられる。従って、第二の電極14bと所定の他の一つの接続端子Sとが電気的に接続された状態となる。
【0067】
第一の接合用金属層15bは、水晶基板10bの一方の主面の縁部であって、第一の配線パターン17bと接触しないように環状に設けられている。この第一の接合用金属層15bは、後述する第一の容器体20bに設けられている第一の電極封止用金属層21bと陽極接合により接合されている。
第二の接合用金属層16bは、水晶基板10bの他方の主面の縁部であって、後述する容器第二の体30bの容器体凹部32bが設けられている一方の主面と対向する位置に、環状に設けられている。また、第二の接合用金属層16bは、第二の電極14bと第二の配線パターン18bと接続端子Sとに接触しないように設けられている。この第二の接合用金属層16bは、後述する第二の容器体30bに設けられている第二の電極封止用金属層31bと陽極接合により接合されている。
【0068】
第一の容器体20bは、例えば、矩形形状の平板となっている。また、第一の容器体20bは、その主面の大きさが水晶基板10bの主面の大きさと同じとなっている。
第一の容器体20bは、一方の主面に第一の電極封止用金属層21bが設けられている。
【0069】
第一の電極封止用金属層21bは、第一の容器体20bの一方の主面の縁部であって、水晶基板10bの第一の接合用金属層15bと対向する位置に環状に設けられている。
この第一の電極封止用金属層21bは第一の接合用金属層15bと陽極接合により接合されて、第一の容器体20bと水晶基板10bとが接合されている。従って、水晶基板10bは水晶基板凹部11bを第一の容器体20b側に向けた状態で第一の容器体20bと接合されているので、水晶基板凹部11bの底面に設けられている第一の電極13bが封止されている状態となる。
【0070】
第二の容器体30bは、例えば、矩形形状の平板となっている。また、第二の容器体30bは、その主面の大きさが水晶基板10bの主面の大きさと同じになっている。また、第二の容器体30bは、複数の容器体貫通孔(図示せず)が第二の容器体30bの厚み方向に設けられている。
第二の容器体30bは、一方の主面に容器体凹部32bと第二の接合用金属層31bと2つ一対の搭載端子Pとが設けられており、他方の主面に外部接続端子Sが設けられている。また、第二の容器体30bは、容器体内部配線NY2が容器体貫通孔の内部に設けられている。
【0071】
容器体貫通孔は、例えば、例えば、第二の容器体30bの4隅に4個、第二の容器体20bの厚み方向に設けられている。
容器体内部配線NY2は、容器体貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。
塔載端子Pは、例えば、第二の容器体30bの一方の主面の短辺側に2個並んで設けられている。また、塔載端子Pは、水晶基板10bに設けられている接続端子Sと対向する位置であって、各所定の塔載端子Pが各所定の容器体内部配線NY2と接続する位置に設けられている。
外部接続端子Gは、例えば、第二の容器体30bとなる部分の4隅に4個設けられている。また、外部接続端子Gは、各所定の外部接続端子Gが各所定の容器体内部配線NY2と接続する位置に設けられている。
【0072】
第二の電極封止用金属層31bは、第二の容器体30bの容器体凹部32bの設けられていない一方の主面の縁部であって、水晶基板10bの第二の接合用金属層16bと対向する位置に塔載端子Pと接触しないように環状に設けられている。
この第二の電極封止用金属層31bは第二の接合用金属層16bと陽極接合により接合されて、第二の容器体30bと水晶基板10bとが接合される。
従って、第二の容器体30bは容器体凹部32bを水晶基板10b側に向けた状態で第二の容器体30bと接合されているので、水晶基板10bの他方の主面に設けられている第二の電極14bが封止されている状態となる。
【0073】
本発明の第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、電極形成工程に於いて、接続端子Sが、水晶基板10bとなる部分の他方の主面に設けられる点で第一の実施形態と異なる。
【0074】
電極形成工程は、前記水晶ウエハW10bの水晶基板10bとなる部分に第一の電極13bと第二の電極14bと第一の配線パターン17bと第二の配線パターン18bと接続端子とを設ける工程である。
第一の電極13bは、スパッタ等により、水晶ウエハW10bの水晶基板10bとなる部分の水晶基板凹部11bの底面に形成される。
第二の電極14bは、スパッタ等により、第一の電極13bと対向する位置であって、水晶ウエハW10bの水晶基板10bとなる部分の他方の主面に形成される。
接続端子Sは、スパッタ等により、2個一対となっており、例えば、水晶基板10bとなる部分の他方の主面であって、一方の短辺側に2個並んで形成される。また、接続端子Sは、所定の一つの接続端子Sが基板内部配線NSと接続され、所定の他の一つの接続端子Sが第二の配線パターン18bと接続される位置に設けられる。
第一の配線パターン17bは、スパッタ等により、第一の電極13bと基板内部配線NSとに接続されるように、水晶基板凹部11b内の面及び水晶基板10bとなる部分の一方の主面に沿って形成される。従って、第一の電極13bと所定の一つの接続端子Sとが第一の配線パターン17b及び基板内部配線NSを介して電気的に接続される。
第二の配線パターン18bは、スパッタ等により、第二の電極14bと所定の他の一つの接続端子Sとに接続されるように、水晶基板10bの他方の主面に形成される。従って、第二の電極14bと所定の他の一つの接続端子Sとが電気的に接続される。
【0075】
第一の接合工程は、複数の第一の容器体20bとなる部分がマトリックス状に配列されている第一のウエハW20bと前記水晶基板凹部11bが設けられている前記水晶ウエハW10bの一方の主面を接合する工程である。ここで、水晶ウエハW10bと第一のウエハW20bとが、例えば、陽極接合により接合されている。
【0076】
水晶ウエハW10bは、第一のウエハW20bと陽極接合により接合するために、接合される一方の主面に第一の接合用金属層15bが設けられる。
第一の接合用金属層15bは、例えば、スパッタ等を用いて形成される。また、第一の接合用金属層15bは、水晶基板10bとなる部分の一方の主面の縁部であって、後述する第一のウエハW20bの第一の容器体20bとなる部分に設けられた第一の電極封止用金属層21bと対向する位置に、第一の配線パターン17bと接触しないように環状に形成される。
【0077】
第一のウエハW20bは、複数の第一の容器体20bとなる部分がマトリック状に配列されている。なお、第一のウエハW20bの第一の容器体20bとなる部分の配列位置は、水晶ウエハ10bの水晶基板10bとなる部分の配列位置に対応している。
【0078】
第一の容器体20bとなる部分は、例えば、矩形形状であって、その主面は水晶基板10bとなる部分の主面と同じ大きさとなっている。
第一の容器体20bとなる部分は、一方の主面に第一の電極封止用金属層21bが設けられている。
【0079】
第一の電極封止用金属層21bは、第一の容器体20bとなる部分の一方の主面の縁部であって、水晶基板10bとなる部分の第一の接合用金属層15bと対向する位置に環状に設けられている。
この第一の電極封止用金属層21bは第一の接合用金属層15bと陽極接合により接合されて、複数の第一の容器体20bとなる部分が設けられている第一のウエハW20bと複数の水晶基板10bとなる部分が設けられている水晶ウエハW10bとが接合される。
【0080】
この第一の容器体20bとなる部分に設けられた第一の電極封止用金属層21bと水晶基板10bとなる部分に形成された第一の接合用金属層15bとが陽極接合により接合されることで、第一のウエハW20bと水晶ウエハW10bとが接合される。従って、水晶ウエハW10bに形成された複数の水晶基板凹部11bを、第一のウエハW20bの一方の主面側に向けて重ね合わされて接合された状態となるため、水晶基板10bとなる部分に形成されている第一の電極13bが封止された状態となる。
【0081】
第二の接合工程は、複数の第二の容器体30bとなる部分がマトリックス状に配列されている第二のウエハW30bと曲面形状の前記凸部12bとが設けられている前記水晶ウエハW10bの他方の主面を接合する工程である。ここで、水晶ウエハ10bと第二のウエハW30bとが、例えば、陽極接合により接合されている。
【0082】
水晶ウエハW10bは、第二のウエハW30bと陽極接合により接合するために、接合される他方の主面に第二の接合用金属層16bが設けられる。
第二の接合用金属層16bは、例えば、スパッタ等を用いて形成される。また、第二の接合用金属層16bは、水晶基板10bとなる部分の他方の主面の縁部であって、後述する第二のウエハW30bの第二の容器体30bとなる部分に設けられた第二の電極封止用金属層31bと対向する位置に、接続端子Sと第二の電極14bと第二の配線パターン17bと接触しないように環状に形成される。
【0083】
第二のウエハW30bは、複数の第二の容器体30bとなる部分がマトリック状に配列されている。なお、第二のウエハW30bの第二の容器体30bとなる部分の配列位置は、水晶ウエハ10bの水晶基板10bとなる部分の配列位置に対応している。
【0084】
第二の容器体30bとなる部分は、例えば、矩形形状であって、その主面は水晶基板10bとなる部分の主面と同じ大きさとなっている。また、第二の容器体30bとなる部分は、一方の主面に容器体凹部32bが設けられている。また、第二の容器体30bとなる部分は、複数の容器体貫通孔(図示せず)が設けられている。
第二の容器体30bとなる部分は、一方の主面に第二の電極封止用金属層21bと2つ1対となる塔載端子Pとが設けられており、他方の主面に複数の外部接続端子Gが設けられている。また、第二の容器体30bとなる部分は、複数の容器内部配線NY2が設けられている。
【0085】
容器体凹部32bは、水晶基板10bとなる部分に設けられている曲面形状の凸部12bと第二の電極14bと第二の配線パターン18bと接続端子Sに接触しない大きさとなっている。
容器体貫通孔は、例えば、第二の容器体20bとなる部分の4隅に4個、第二のウエハW30bの厚み方向に設けられている。
【0086】
容器体内部配線NY2は、容器体貫通孔に金属や導電ペーストを埋め込むことによって形成されている。
塔載端子Pは、例えば、第二の容器体30bとなる部分の一方の主面の短辺側に2個並んで設けられている。また、塔載端子Pは、水晶基板10bとなる部分に設けられている接続端子Sと対向する位置であって、各所定の塔載端子Pが各所定の容器体内部配線NY2と接続する位置に設けられている。
外部接続端子Gは、例えば、第二の容器体30bとなる部分の4隅に4個設けられている。また、外部接続端子Gは、各所定の外部接続端子Gが各所定の容器体内部配線NY2と接続する位置に設けられている。
第二の電極封止用金属層31bは、第二の容器体30bとなる部分の一方の主面の縁部であって、水晶基板10bとなる部分の第二の接合用金属層16bと対向する位置に塔載端子Pと接触しないように環状に設けられている。
【0087】
この第二の電極封止用金属層31bは第二の接合用金属層16bと陽極接合により接合されて、複数の第二の容器体30bとなる部分が設けられている第二のウエハW30bと複数の水晶基板10bとなる部分が設けられている水晶ウエハW10bとが接合される。
【0088】
この第二の容器体30bとなる部分に形成された第二の電極封止用金属層31bが、水晶基板10bとなる部分に第二の接合用金属層16bと陽極接合により接合されることにより、第二のウエハW30bと水晶ウエハW10bとが接合される。従って、第二のウエハW30bに設けられた複数の容器体凹部32bを、水晶ウエハW10bの他方の主面側に向けて重ね合わされて接合された状態となるため、水晶基板10bとなる部分に形成されている第二の電極14bが封止された状態となる。
【0089】
また、第二のウエハW30bと水晶ウエハW10bとが接合されることで、第二の容器体30bとなる部分に設けられている各所定の塔載端子Pと水晶基板10bとなる部分に形成されている各所定の接続端子Sとが接触され電気的に接続された状態となる。
従って、第二のウエハW30bと水晶ウエハW10bとが接合されることで、第一の電極13bと所定の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となる。また、第二の電極14bと所定の他の一つの外部接続端子Gとが電気的に接続された状態となる。
【0090】
このような本発明の第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、異方性材料からなる水晶に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバー40bを設けてエッチングを行い、水晶振動子の振動部に擬似的な曲面形状の凸部12bを設けている。つまり、第二の実施形態に係る水晶振動子の製造方法は、第一の実施形態に係る水晶振動子の製造方法と同じであるので同様の効果を奏する。
【0091】
なお、電極形成工程では、スパッタを用いて形成する場合について説明したが、ウエハ全面に金属膜を形成した後にその金属膜をフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて形成する方法を用いてもよい。
【0092】
なお、電極形成工程に於いて、第一の電極と第二の電極と第一の配線パターンと第二の配線パターンと接続端子を同時に形成しているが、別々に形成してもよい。
【0093】
なお、第一の接合工程では、第一の接合用金属層をスパッタ等により形成する場合について説明したが、ウエハ全面に金属膜を形成した後にその金属膜をフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて形成する方法を用いてもよい。
【0094】
なお、第二の接合工程では、第二の接合用金属層をスパッタ等により形成する場合について説明したが、ウエハ全面に金属膜を形成した後にその金属膜をフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて形成する方法を用いてもよい。
【0095】
なお、第一の容器体が平板状の場合について説明したが、第一の容器体で第一の電極が封止できる構造であれば、第一の容器体に第一の容器体凹部が設けられていてもよい。
【0096】
なお、水晶ウエハと第一のウエハとが陽極接合により接合されている場合で説明しているが、水晶ウエハと第一のウエハとを直接接合や樹脂等で接合してもよい。
【0097】
なお、水晶ウエハと第二のウエハとが陽極接合により接合されている場合で説明しているが、水晶ウエハと第二のウエハとを直接接合や樹脂等で接合してもよい。
【0098】
なお、曲面形状の凸部が水晶基板凹部の底面と対向する水晶基板の主面に設けられる場合について説明しているが、水晶基板凹部の底面に設けてもよい。
【0099】
なお、曲面形状の凸部が水晶基板凹部の底面と対向する水晶基板の主面に設けられる場合について説明しているが、水晶基板凹部の底面及び底面と対向する水晶基板の主面に一つずつ設けてもよい。
【0100】
なお、本発明に係る水晶振動子の製造方法は、水晶振動子の振動部に曲面形状の凸部を設ける場合について説明しているが、曲面形状の凹部、又は、曲面形状の凹部と相似した凹部を設けてもよい。このような場合、複数の保護膜は、水晶基板10aとなる部分の中心部に向かうにつれて隣の保護膜との間隔が広くなるように設けられる。
【符号の説明】
【0101】
100,110 水晶振動子
10a,10b 水晶基板
11a,11b 水晶基板凹部
12a,12b 曲面形状の凸部
13a,13b 第一の電極
14a,14b 第二の電極
15a,15b 第一の接合用金属層
16a,16b 第二の接合用金属層
17a,17b 第一の配線パターン
18a,18b 第二の配線パターン
20a,20b 第一の容器体
21a,21b 第一の電極封止用金属層
30a,30b 第二の容器体
31a,31b 第二の電極封止用金属層
32a,32b 容器体凹部
40a カバー
41a,41b,41c,41d 保護膜
P 塔載端子
S 接続端子
NS 基板内部配線
NY1,NY2 容器体内部配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶ウエハの一方の主面に複数の水晶基板凹部をマトリックス状に設けて、前記水晶基板凹部の近傍に基板内部配線を厚み方向に設ける水晶基板凹部形成工程と、
前記水晶ウエハの他方の主面であって前記水晶基板となる部分に、インクジェット法を用いて中心が同一となる複数の環状のレジストを塗布し、硬化させて複数の保護膜からなるカバーを設けるカバー形成工程と、
前記カバーの設けられた前記水晶ウエハの他方の主面を加工するコンベックス加工工程と、
前記水晶ウエハの水晶基板となる部分に第一の電極と第二の電極と第一の配線パターンと第二の配線パターンと接続端子とを設ける電極形成工程と、
複数の第一の容器体となる部分が設けられている第一のウエハと前記水晶ウエハとを、 前記水晶基板凹部を前記第一のウエハ側に向けて接合する第一の接合工程と、
複数の容器体凹部が一方の主面に設けられている第二のウエハと前記水晶ウエハとを 前記容器体凹部を前記水晶ウエハ側に向けて接合する第二の接合工程と、
前記水晶ウエハの前記水晶基板凹部の間を切断して水晶振動子ごとに個片化する個片化工程と、
からなることを特徴とする水晶振動子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−258931(P2010−258931A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108758(P2009−108758)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】