説明

水晶発振器

【課題】各々出力される信号に対して間欠動作を行い、消費電力を抑えた水晶発振器を提供する。
【解決手段】電源電圧が印加される電源電圧印加端子111と、電源電圧印加端子に接続される温度補償型水晶発振回路部110と、温度補償型水晶発振回路部及び電源電圧印加端子に接続される第一の緩衝増幅部120と、第一の緩衝部に接続され第一の緩衝部から信号が入力される第一の信号出力端子121と、第一の緩衝増幅部に接続され、第一の緩衝増幅部が動作又は停止する様に制御できる信号が入力される第一のE/D端子122と、温度補償型水晶発振回路部及び第一の緩衝増幅部に接続されている第二の緩衝増幅部130と、第二の緩衝増幅部に接続され第二の緩衝増幅部から信号が入力される第二の出力端子131と、第二の緩衝増幅部に接続され第二の緩衝増幅部が動作又は停止する様に制御できる信号が入力される第二のE/D端子132と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信機器に用いられる水晶発振器であって、特に二つ以上の信号を出力する水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の移動通信機器では、信号を送受信する際に必要な基準信号を発生させる水晶発振器が必要となっている。
また、移動通信機器では、近年の移動通信機器の多機能化により移動通信機器にマイクロコンピュータ(CPU)が用いられており、同時に、このCPUに必要なクロック信号を発生させる水晶発振器が必要となっている。
【0003】
このため、移動通信機器では、近年の移動通信機器の小型化に伴って、例えば、基準信号及びクロック信号の2つの信号を出力することができる水晶発振器が用いられている。
【0004】
このような水晶発振器300は、例えば、図3に示すように、温度補償型水晶発振回路部310と緩衝増幅部320を備えている。
【0005】
温度補償型水晶発振回路部310は、電源電圧印加端子311に接続されており、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると発振状態となる。
また、温度補償型水晶発振回路部310は、緩衝増幅部320及び第二の出力端子331に接続され、緩衝増幅部320及び第一の出力端子331に信号を出力する。
【0006】
緩衝増幅部320は、電源電圧印加端子311及び第二の出力端子331に接続されており、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると動作し、温度補償型水晶発振回路部310から入力された信号を変換し第一の出力端子321に信号を出力する。
【0007】
従って、このような水晶発振器300は、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると、温度補償型水晶発振回路部310が発振状態となりつつ緩衝増幅部320が動作し、第一の出力端子321及び第二の出力端子331からそれぞれの異なった信号が出力される構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、二つの出力信号を有する水晶発振器の他の一例として、図4に示すように、温度補償型水晶発振回路部310と第二の出力端子331との間に別の緩衝増幅部430を設ける水晶発振器400がある。
ここで、温度補償型水晶発振回路部310と第一の出力端子321との間に設けられている緩衝増幅部320を第一の緩衝増幅部とし、温度補償型水晶発振回路部310と第二の出力端子331との間に設けられている別の緩衝増幅部430を第二の緩衝増幅部とする。
【0009】
温度補償型水晶発振回路部310は、前述したように、電源電圧印加端子311に接続されており、電源電圧印加端子311に電源電圧印加されると動作し発振状態となる。このとき、温度補償型水晶発振回路部310から第一の緩衝増幅部及び後述する第二の緩衝増幅部に信号を出力する構成となっている。
【0010】
第一の緩衝増幅部は、前述したように、電源電圧印加端子311に接続されており、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると動作する構成となっている。
また、第一の緩衝増幅部は、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されているとき、温度補償型水晶発振回路部310から信号が入力されると第一の出力端子321に信号を出力する構成となっている。
【0011】
第二の緩衝増幅部は、図4に示すように、第一の緩衝増幅部と接続されつつ、温度補償型水晶発振回路部310と第二の出力端子331との間に設けられている。
また、第二の緩衝増幅部は、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると、第一の緩衝増幅部から第二の緩衝増幅部の電源電圧に相当する電源電圧が印加され動作する構成となっている。従って、第二の緩衝増幅部は、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると動作する構成となっている。
また、第二の緩衝増幅部は、電源電圧印加端子311に電源電圧印加されているとき、温度補償型水晶発振回路部310から信号が入力されると第二の出力端子331に信号を出力する構成となっている。
【0012】
従って、このような水晶発振器400は、図4に示すように、温度補償型水晶発振回路部310とそれぞれの信号出力端子との間にそれぞれ緩衝増幅部が設けられている。
また、このような水晶発振器400は、電源電圧印加端子311に電源電圧が印加されると、温度補償型水晶発振回路部310及び全ての緩衝増幅部が動作する回路構成となっている。
【0013】
携帯電話等の移動通信機器に用いられる水晶発振器は、一般的に、消費電力を抑えるために、出力される信号が不要な場合にそれぞれの出力端子から信号が出力されないように間欠動作が行われている。
上述した二つの水晶発振器では、電源電圧印加端子311に電源電圧を印加しない状態にすることで水晶発振回路部及び緩衝増幅部を停止させて出力端子から信号が出力されないようにしている。従って、上述した二つの水晶発振器では、電源電圧印加端子311に電源電圧を印加する状態又は印加しない状態とすることで間欠動作を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
特開2004−007036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来の水晶発振器は、電源電圧印加端子に電源電圧を印加する状態又は印加しない状態に切り替えることで間欠動作を行っているので、出力される信号が二つ以上ある場合、出力されるそれぞれの信号に対して間欠動作を行うことができない。
このため、従来の水晶発振器は、出力される信号の一つが必要な場合には電源電圧を印加し温度補償型水晶発振回路部を発振させつつ全ての緩衝増幅部を動作させ続けなければならない構成となっており、消費電力を多く費やしてしまう。
【0016】
本発明は、それぞれの出力される信号に対して間欠動作を行うことができ、消費電力を抑えた水晶発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するため、電源電圧が印加される電源電圧印加端子と、前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加される温度補償型水晶発振回路部と、前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加されつつ、
前記温度補償型水晶発振回路部に接続され前記温度補償型水晶発振回路部から信号が入力される第一の緩衝増幅部と、前記第一の緩衝増幅部に接続され、前記第一の緩衝増幅部を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される第一のE/D端子と、
前記第一の緩衝増幅部に接続され前記第一の緩衝増幅部が動作している際に前記第一の緩衝増幅部から出力された信号が入力される第一の出力端子と、前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加されつつ、前記温度補償型水晶発振回路部に接続され前記温度補償型水晶発振回路部から信号が入力される第二の緩衝増幅部と、
前記第二の緩衝増幅部を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される第二のE/D端子と、前記第二の緩衝増幅部に接続され前記第二の緩衝増幅部が動作している際に前記第二の緩衝増幅部から出力された信号が入力される第二の出力端子と、
を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、前記課題を解決するため、二つの信号入力端子から入力される信号によって異なる信号が信号出力端子から出力されるOR回路部が設けられ、一方の信号入力端子が前記第一のE/D端子に接続され前記第一のE/D端子から信号入力され、他方の信号入力端子が前記第二のE/D端子に接続され前記第二のE/D端子から信号が入力され、
前記他方の信号入力端子が電源電圧印加端子に接続されており、前記第一のE/D端子から前記第一の緩衝増幅部を停止する信号が入力されつつ前記第二のE/D端子から前記第二の緩衝増幅部を停止する信号が入力された際、前記温度補償型水晶発振回路部の発振状態が停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
このような水晶発振器によれば、電源電圧印加端子に電源電圧が印加されると温度補償型水晶発振回路部が発振状態となりつつ第一の緩衝増幅部及び第二の緩衝増幅部に電源電圧が印加された状態となり、第一のE/D端子に入力される信号によって第一の緩衝増幅部を停止することができ、
第二のE/D端子から入力される信号によって第二の緩衝増幅部を停止することができる回路構成となっているので、第一のE/D端子から第一の出力端子への出力を制御することができ、かつ、第二のE/D端子から第二の出力端子への出力を制御することができる。
このため、このような水晶発振器によれば、出力信号を二つ有している場合、それぞれの出力信号に対して間欠動作を行うことができ、従来の水晶発振器のように全ての緩衝増幅部を動作させる必要がないので、従来の水晶発振器と比較して消費電力を抑えることができる。
【0020】
また、このような水晶発振器によれば、第一のE/D端子から第一の緩衝増幅部を停止する信号が入力されつつ第二のE/D端子から第二の緩衝増幅部を停止する信号が入力された際、温度補償型水晶発振回路部の発振状態が停止する構成となっているので、第一の出力端子からの信号出力及び第二の出力端子からの信号出力が不要の場合、
温度補償型水晶発振回路部の発振状態を停止させることができる。
従って、このような水晶発振器によれば、それぞれの出力信号に対して間欠動作を行うことができ、全ての出力信号が不要な場合に、温度補償型水晶発振回路部の発振状態を停止させることができるので、さらに消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器の一例を示したブロック図である。
【図3】従来の水晶発振器の一例を示したブロック図である。
【図4】従来の水晶発振器の他の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において各構成要素の状態を分かりやすくするために誇張して図示している。
【0023】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器は、複数の信号が出力される構成となっており、例えば、二つの信号が出力される構成となっている。
また、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、例えば、図1に示すように、電源電圧印加端子111と温度補償型水晶発振回路部110と第一の緩衝増幅部120と第一の出力端子121と第一のE/D端子122と第二の緩衝増幅部130と第二の出力端子131と第二のE/D端子132とを備えている。
【0024】
電源電圧印加端子111は、外部の電源供給回路部(図示せず)から電源電圧が印加される端子である。
また、電源電圧印加端子111は、図1に示すように、後述する温度補償型水晶発振回路部110及び後述する第一の緩衝増幅部120に接続されている。
【0025】
温度補償型水晶発振回路部110は、前述したように電源電圧印加端子111に接続されており、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されると動作し発振状態となる。
また、温度補償型水晶発振回路部110は、温度補償型水晶発振回路部110が発振状態の際に、温度補償型水晶発振回路部110の信号出力端子から信号が出力される構成となっている。
【0026】
第一の緩衝増幅部120は、電源電圧印加端子111に接続され電源電圧印加端子111に電源電圧が印加された際に、電源電圧印加端子111から電源電圧が印加される。
また、第一の緩衝増幅部120は、温度補償型水晶発振回路部110の信号出力端子に接続され前記温度補償型水晶発振回路部110の信号出力端子から出力された信号が入力される。
【0027】
第一のE/D端子122は、第一の緩衝増幅部120に接続されている。
また、第一のE/D端子は、外部の第一の信号供給回路部(図示せず)に接続されており、信号、例えば、電圧信号が入力される端子である。
また、第一のE/D端子122には、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されている状態のときに、第一の緩衝増幅部120を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される。
【0028】
第一の出力端子121は、第一の緩衝増幅部120に接続されており、第一の緩衝増幅部120が動作しているとき、第一の緩衝増幅部120から出力している信号が入力される端子である。言い換えると、第一の出力端子121は、第一の緩衝増幅部120が動作しているとき、緩衝増幅部120からの信号を出力する端子である。
従って、第一の出力端子121には、第一のE/D端子から所定の信号が入力され第一の緩衝増幅部120が停止しているとき、第一の緩衝増幅部120から信号が出力されない。
【0029】
第二の緩衝増幅部130は、例えば、電源電圧印加端子111に接続されている第一の緩衝増幅部120に接続されている。
また、第二の緩衝増幅部130は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加された際、第一の緩衝増幅部120の内部配線(図示せず)によって第二の緩衝増幅部130に電源電圧が印加される構成となっている。
なお、第一の緩衝増幅部120が停止されている状態であっても、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されると第二の緩衝増幅部130に電源電圧が印加される構成となっている。
つまり、第二の緩衝増幅部130は、電源電圧印加端子111に接続され電源電圧印加端子111から電源電圧が印加される構成となっているとみなすことができる。
【0030】
第二の緩衝増幅部130は、温度補償型水晶発振回路部110の信号出力端子に接続され前記温度補償型水晶発振回路部110の信号出力端子から出力された信号が入力される。
【0031】
第二のE/D端子132は、第二の緩衝増幅部130に接続されている。
また、第二のE/D端子132は、外部の第二の信号供給回路部(図示せず)に接続されており、信号、例えば、電圧信号が入力される端子である。
また、第二のE/D端子132には、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されている状態のときに、第二の緩衝増幅部230を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される。
【0032】
第二の出力端子131は、第二の緩衝増幅部130に接続されており、第二の緩衝増幅部130が動作しているとき、第二の緩衝増幅部130から出力している信号が入力される端子である。言い換えると、第二の出力端子131は、第二の緩衝増幅部130が動作しているとき、第二の緩衝増幅部130からの信号を出力する端子である。
従って、第二の出力端子131には、第二のE/D端子から所定の信号が入力され第二の緩衝増幅部130が停止しているとき、第二の緩衝増幅部130から信号が出力されない。
【0033】
従って、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されると温度補償型水晶発振回路部110が発振状態となり、第一の緩衝増幅部120及び第二の緩衝増幅部130に電源電圧が印加される構成となっている。
【0034】
第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部110を停止させる所定の信号が入力されつつ、第二のE/D端子122から第二の緩衝増幅部110を停止させる所定の信号が入力されている場合、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されていると温度補償型水晶発振回路部110のみが動作し、
第一の緩衝増幅部120及び第二の緩衝増幅部130が停止し、第一の出力端子121及び第二の出力端子131から信号が出力されない状態となる。
【0035】
また、第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部110を停止させる所定の信号が入力されつつ、第二のE/D端子122から第二の緩衝増幅部110を動作させる所定の他の信号が入力されている場合、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されていると温度補償型水晶発振回路部110及び第二の緩衝増幅部130が動作し、
第一の緩衝増幅部110が停止し、第一の出力端子121から信号が出力されず第二の出力端子131からのみ信号が出力される状態となる。このとき、第二の緩衝増幅部130には、停止している第一の緩衝増幅部120の内部配線を介して電源電圧印加端子111から電源電圧が印加されている。
【0036】
また、第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部120を動作させる所定の他の信号が入力されつつ、第二のE/D端子132から第二の緩衝増幅部130を停止させる所定の信号が入力されている場合、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されていると温度補償型水晶発振回路部110及び第一の緩衝増幅部120が動作し、
第二の緩衝増幅部130が停止し第一の出力端子121から信号が出力され第二の出力端子131から信号が出力されない状態となる。
【0037】
また、第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部120を動作させる所定の他の信号が入力されつつ、第二のE/D端子132から第二の緩衝増幅部130を動作させる所定の他の信号が入力されている場合、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されていると温度補償型水晶発振回路部110と第一の緩衝増幅部120と第二の緩衝増幅部130が動作し、
第一の出力端子121及び第二の出力端子131から信号が出力される状態となる。
【0038】
従って、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、第一のE/D端子122に入力する信号によって、第一の出力端子121から出力される信号を制御することができ、第一の出力端子121から出力される信号に対し間欠動作することができる構成となっている。
また、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、第二のE/D端子132に入力する信号によって、第二の出力端子131から出力される信号を制御することができ、第二の出力端子131から出力される信号に対して間欠動作することができる構成となっている。
【0039】
また、本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100は、第一のE/D端子122から入力される信号によって第一の出力端子121から出力される信号に対して間欠動作を行い、第二のE/D端子132から入力される信号によって第二の出力端子131から出力される信号に対して間欠動作をすることができる構成となっているので、第一の出力端子121から出力される信号と第二の出力端子131から出力される信号に対し、
それぞれ、独立して間欠動作をすることができる。
【0040】
このような本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100によれば、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されると温度補償型水晶発振回路部110が発振状態となりつつ第一の緩衝増幅部120及び第二の緩衝増幅部130に電源電圧が印加された状態となり、第一のE/D端子122から入力される信号によって第一の緩衝増幅部120を停止することができ、
第二のE/D端子132から入力される信号によって第二の緩衝増幅部130を停止することができる回路構成となっているので、第一のE/D端子122に入力する信号によって第一の出力端子121への出力を制御することができ、かつ、第二のE/D端子132に入力する信号によって第二の出力端子131への出力を制御することができる。
このため、このような本発明の第一の実施形態に係る水晶発振器100によれば、出力信号を二つ有している場合、それぞれの出力信号に対して間欠動作を行うことができ、従来の水晶発振器のように全ての緩衝増幅部120,130を動作させる必要がないので、従来の水晶発振器と比較して消費電力を抑えることができる。
【0041】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器200は、図2に示すように、第一のE/D端子122及び第二のE/D端子132に入力された信号がそのまま入力され電源電圧印加端子111に信号を出力する構成となっているOR回路部が設けられている点で第一の実施形態と異なる。
【0042】
OR回路部240は、信号入力端子(図示せず)と信号出力端子(図示せず)とを備えている。
また、OR回路部240は、OR回路部240の信号出力端子から出力される信号がOR回路部240の信号入力端子から入力される信号によって選択される構成となっている。
【0043】
OR回路部240の信号入力端子は、2つ設けられている。
一方の信号入力端子は、図2に示すように、第一のE/D端子122に接続されており、第一のE/D端子122に信号が入力されると、そのまま第一のE/D端子122に入力された信号が入力される。
他方の信号入力端子は、図2に示すように、第二のE/D端子132に接続されており、第二のE/D端子132に信号が入力されると、そのまま第二のE/D端子132に入力された信号が入力される。
【0044】
OR回路部240の信号出力端子は、図2に示すように、電源電圧印加端子111に接続されている。
また、OR回路部240の信号出力端子からは、第一のE/D端子122に入力される信号と第二のE/D端子132に入力される信号の組み合わせによって異なる信号が出力される。
【0045】
第一の緩衝増幅部120を停止させるように所定の信号が第一のE/D端子122に入力されつつ、第二の緩衝増幅部130を停止させるように所定の信号が第二のE/D端子132に入力された場合、OR回路部120は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されないよう状態となり、温度補償型水晶発振器110に電源電圧が印加されず発振が停止する構成となっている。
【0046】
また、第一の緩衝増幅部120を停止させるように所定の信号が第一のE/D端子122に入力されつつ、第二の緩衝増幅部130を動作させるように所定の他の信号が第二のE/D端子132に入力された場合、OR回路部120は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されている状態となり、温度補償型水晶発振器110が発振状態となりつつ第一の緩衝増幅部120が停止し、第二の緩衝増幅部130が動作する構成となっている。
【0047】
また、第一の緩衝増幅部120を動作させるように所定の他の信号が第一のE/D端子122に入力されつつ、第二の緩衝増幅部130を停止させるように所定の信号が第二のE/D端子132に入力された場合、OR回路部120は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されている状態となり、温度補償型水晶発振器110が発振状態となりつつ第一の緩衝増幅部120が動作し、第二の緩衝増幅部130が停止する構成となっている。
【0048】
また、第一の緩衝増幅部120を動作させるように所定の他の信号が第一のE/D端子122に入力されつつ、第二の緩衝増幅部130を停止させるように所定の他の信号が第二のE/D端子132に入力された場合、OR回路部120は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されている状態となり、温度補償型水晶発振器110が発振状態となりつつ、第一の緩衝増幅部120及び第二の緩衝増幅部130が動作する構成となっている。
【0049】
従って、OR回路部240は、第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部120を停止させる信号が入力され、かつ、第二のE/D端子132から第二の緩衝増幅部132を停止させる信号が入力されると、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されていない状態にすることができ、温度補償型水晶発振回路部110の発振状態を停止することができる構成となっている。
【0050】
このような本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器200は、電源電圧印加端子111に電源電圧が印加されると温度補償型水晶発振回路部110が発振状態となりつつ第一の緩衝増幅部120及び第二の緩衝増幅部130に電源電圧が印加された状態となり、第一のE/D端子122から入力される信号によって第一の緩衝増幅部120を停止することができ、
第二のE/D端子132から入力される信号によって第二の緩衝増幅部130を停止することができる回路構成となっているので、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
また、このような本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器200によれば、第一のE/D端子122から第一の緩衝増幅部120を停止する信号が入力されつつ第二のE/D端子132から第二の緩衝増幅部130を停止する信号が入力された際、温度補償型水晶発振回路部200の発振状態が停止する構成となっているので、第一の出力端子121からの信号出力及び第二の出力端子131からの信号出力が不要の場合、
温度補償型水晶発振回路部110の発振状態を停止させることができる。
従って、このような本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器200によれば、それぞれの出力信号に対して間欠動作を行うことができ、全ての出力信号が不要な場合に、温度補償型水晶発振回路部110の発振状態を停止させることができるので、さらに消費電力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0052】
100,200,300,400 水晶発振器
110,310 温度補償型水晶発振回路部
111,311 電源電圧印加端子
120 第一の緩衝増幅部
121,321 第一の信号出力端子
122 第一のE/D端子
130 第二の緩衝増幅部
131,331 第一の信号出力端子
132 第二のE/D端子
240 OR回路部
320,430 緩衝増幅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧が印加される電源電圧印加端子と、
前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加される温度補償型水晶発振回路部と、
前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加されつつ、前記温度補償型水晶発振回路部に接続され前記温度補償型水晶発振回路部から信号が入力される第一の緩衝増幅部と、
前記第一の緩衝増幅部に接続され、前記第一の緩衝増幅部を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される第一のE/D端子と、
前記第一の緩衝増幅部に接続され前記第一の緩衝増幅部が動作している際に前記第一の緩衝増幅部から出力された信号が入力される第一の出力端子と、
前記電源電圧印加端子に接続され前記電源電圧印加端子から電源電圧が印加されつつ、前記温度補償型水晶発振回路部に接続され前記温度補償型水晶発振回路部から信号が入力される第二の緩衝増幅部と、
前記第二の緩衝増幅部を動作又は停止するように制御することができる信号が入力される第二のE/D端子と、
前記第二の緩衝増幅部に接続され前記第二の緩衝増幅部が動作している際に前記第二の緩衝増幅部から出力された信号が入力される第二の出力端子と、
を備えていることを特徴とする水晶発振器。
【請求項2】
前記請求項1に記載の水晶発振器であって、
二つの信号入力端子から入力される信号によって異なる信号が信号出力端子から出力されるOR回路部が設けられ、
一方の信号入力端子が前記第一のE/D端子に接続され前記第一のE/D端子から信号入力され、
他方の信号入力端子が前記第二のE/D端子に接続され前記第二のE/D端子から信号が入力され、
前記他方の信号入力端子が電源電圧印加端子に接続されており、
前記第一のE/D端子から前記第一の緩衝増幅部を停止する信号が入力されつつ前記第二のE/D端子から前記第二の緩衝増幅部を停止する信号が入力された際、
前記温度補償型水晶発振回路部の発振状態が停止する
ことを特徴とする水晶発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−235208(P2012−235208A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100946(P2011−100946)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】