説明

水溶性シート組成物

本発明は、可溶性シートまたは可溶性フィルム形態の組成物であり、これは種々の用途(特にパーソナルケアの分野)を有する。このようなシートは、好ましくは、水溶性である。これら水溶性シートの重要な構成成分は、「基本組成物」であり、これは、水溶性フィルム形成ポリマーと、ポリビニルアルコールと、プロピレングリコールのような湿滑剤とを含む。界面活性剤が、液体の基本組成物に添加され得、故にこの組成物が、シート形態へ乾燥された場合、このシートは、水に曝された際、泡を発生し、クレンジング特性を有する。スキンケア成分もまた、界面活性剤に加えて、または界面活性剤の代わりに、基本組成物に添加され得る。揮発性アルコールまたは炭化水素もまた、可撓性のあるシート生成物を形成するためにこの組成物の乾燥を容易にするため、液体の基本組成物に組み込まれ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、水溶性シートの形態の組成物に関連し、これは特にパーソナルケアの分野において、種々の用途を有する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
先行技術が、可溶性フィルムの種々の用途を開示する。例えば、可溶性フィルムは、物質を包むために使用されている。米国特許第5,385,737号(Shigenoら)、および米国特許第4,544,693号(Surgant)は、可溶性カプセルを開示し、この中に種々の物質が、収納され得る。
【0003】
可溶性フィルムはまた、美容目的に使用されている。例えば、米国特許第6,060,547号(Canterら)は、メークアップファンデーションを形成するために使用される油中水エマルジョンフィルムを開示する。水溶性フィルムの別の美容的用途は、米国特許第4,126,142号(Saute)に見出され、これは、フェイスマスクを開示し、フェイスマスクは、皮膚に適用され、乾燥させらされ、次いで取り除かれる。
【0004】
米国特許第5,948,430号(Zerbeら)は、経口投与のための可溶性フィルムを開示する。このフィルムは、粘膜(特に頬粘膜)を介した物質の輸送のために使用される。
【0005】
種々の用途のフィルムを形成するための手段は、当該分野において公知であるが、界面活性剤および他の成分と結合し、そして、水に曝された場合に、溶解し、個人的なクレンジング(例えば、ハンドソープまたはボディウォッシュから得られ得る)を提供する水溶性フィルムの必要性が存在する。スキンケア成分が添加され得、そして、充分な湿気への曝露に応じてこのような皮膚成分を放出する、水溶性フィルムの必要性がまた存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、可溶性シートまたは可溶性フィルムの形態の組成物であり、これは種々の用途(特にパーソナルケアの分野における)を有する。このようなシートは、好ましくは、水溶性であり、これは、パーソナルケアの分野におけるこれらシートの使用に役立つ。本発明の水溶性シートは、界面活性剤および他の成分と結合し、ならびにこれは、水に曝された場合、溶解しそしてパーソナルクレンジング(例えば、棒状石鹸または液体のボディウォッシュから得られ得るような)を提供する。
【0007】
これら水溶性シートの重要な成分は、いわゆる「基本組成物」であり、これは水溶性フィルム形成ポリマー、ポリビニルアルコール、および湿潤剤(例えば、プロピレングリコール)を含む。界面活性剤が、液体基本組成物に添加され得、故に、この組成物がシート形態へ乾燥された場合、水に曝された際にシートは、泡を生じ、クレンジング特性を有する。この段階で、スキンケア成分もまた、界面活性剤に加えて、または、界面活性剤の代わりに、基本組成物に添加され得る。さらに、揮発性アルコールまたは炭化水素がまた、可撓性のあるシート生成物を形成するための組成物の乾燥を容易にするために液体基本組成物に組み込まれ得る。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明は、新規な基本組成物から形成される水溶性シート生成物に関する。たとえ他の成分の添加がなくても、基本組成物は、乾燥させた場合、水溶性シートを形成する。本明細書中で使用される場合、所定の全重量は、その組成物において100%活性形態にある物質の重量を示す。
【0009】
基本組成物は、約0.75重量%から約5重量%までの水溶性ポリマーと、約6.5重量%から約23重量%までのポリビニルアルコールと、約0.75重量%から約12重量%の湿潤剤(好ましい湿潤剤は、プロピレングリコールである)とを含む。基本組成物の残りは、水である。約2重量%までのケイ酸マグネシウムアルミニウムもまた、基本組成物のすべりの特徴を高めるために基本組成物に添加され得る。しかし、ケイ酸マグネシウムアルミニウムは、より粘性のある基本組成物を生じ、これは次に、生じる可溶性シート生成物の厚みに影響する。
【0010】
好ましい水溶性ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)であり、そして最も好ましいPVPは、約60,000ダルトンの平均分子量を有する2−ピロリドン、1−エテニル−ホモポリマーである。このようなPVPは、Wayne,New JerseyにおけるInternational Speciality ProductsからPVP K−30として入手可能である。PVPが、本発明の基本組成物の中で最良に機能する水溶性ポリマーであることが、発見されたが、他の水溶性ポリマーが、PVPの変わりに、またはPVPと組み合わせて使用され得る。これらの水溶性ポリマーとしては、ポリクオタニウム10、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、VP/VAコポリマー、PVM/MAコポリマーのエチルエステル、およびケイ酸ナトリウムマグネシウムが挙げられる。適切なポリクオタニウム10は、Bridgewater,New JerseyにおけるNational StarchからCelquat CS 230Mとして入手可能である。適切なVP/VAコポリマーは、Wayne,New JerseyにおけるInternational Speciality ProductsからPVA 735として入手可能である。適切なPVM/MAのエチルエステルは、Wayne,New JerseyにおけるInternational Speciality ProductsからOmnirez 2000として入手可能である。条件にあったケイ酸ナトリウムマグネシウムは、Norwalk,ConnecticutにおけるR.T.VanderbiltからVeegum Kとして入手可能である。基本組成物に使用される水溶性ポリマーのレベルまたは水溶性ポリマーの組合せは、約0.75重量%から約5重量%の範囲であるべきである。
【0011】
本発明において、ポリビニルアルコールは、フィルム形成剤として機能し、そして水溶性ポリマーと組み合わせて使用される。本発明の好ましい実施形態において、使用されるポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解範囲を含む。好ましい程度の加水分解を含む適切なポリビニルアルコールは、Allentown,Pensylvaniaにおける、Air Products and Chemicals, Inc.により供給されるAirVolポリビニルアルコールとして入手可能である。約87%と89%との間の加水分解を含むAirVol 540、または約87%と90%との間の加水分解を含むAirVol 523Sのいずれかが、好ましい。本発明の最も好ましい実施形態において、AirVol 523Sが、可溶性シート生成物の溶解性を最も高めるので、使用される。87%未満の加水分解を含むポリビニルアルコールは、より低可溶性であるシートを生じることが見出された。90%を越えると、シートは、再びいくらかの溶解性を失う。
【0012】
好ましい湿滑剤は、プロピレングリコールであり、これは、シート生成物が、水を吸収することを補助することに役立つ。プロピレングリコールに加えて、本発明の基本組成物において湿滑剤として使用され得る他の湿滑剤としては、(1)グリセリン;(2)ジプロピレングリコール;(3)グリセリルポリメタクリレート;および(4)プロピレングリコールと組み合わせたグリセリルポリメタクリレートが挙げられる。基本組成物において使用される湿滑剤のレベルは、普通は、約0.75重量%から約12重量%である。しかし、さらなる湿滑剤が、可溶性シートの最終用途および所望される特徴に依存して添加され得る。しかし、添加される湿滑剤の量は、可溶性シート生成物の形成に不利に作用すべきでない。
【0013】
基本組成物の好ましい実施形態において、約1.5重量%から約2.5重量%までのPVPと、約13.5重量%から約14.5重量%のポリビニルアルコールと、約2.5%から約3.5%のプロピレングリコールとが、使用される。最も好ましい実施形態においては、約60,000ダルトンの平均分子量を有する1.75%のPVPと、約89%と90%との間の加水分解を含む約13.91%のポリビニルアルコールと、約2.94%のプロピレングリコールとが使用される。基本組成物の残りは、水である。
【0014】
本発明の基本組成物の調製において、水溶性ポリマーおよび水は、加熱可能な容器に入れられる。一定に撹拌しながら、ポリビニルアルコールが次いで、この水および水溶性ポリマー混合物にゆっくりと添加される。ポリビニルアルコールが、飽和した(膨張し始める)時、この混合物が約180°Fに達するまで、熱が適用される。この混合物は、加熱工程の間中、撹拌される。一旦この混合物が、180°Fに達すると、加熱は中断される。この時点で、湿潤剤が、添加される。好ましくは、撹拌は、混合物が、約120°Fまでさめる冷却するまで継続されるが、添加物および水は、混合物がまだ熱い間に、基本組成物に添加され得る。基本組成物は、きっちりと覆われた容器内に保存され得る。基本組成物がシート生成物の形成のためにこの基本組成物を使用する前に、長期間保存されるのであれば、DMDMヒダントインのような保存剤が、添加され得る。適切なDMDMヒダントインは、University Park,IllinoisにおけるMcIntyreからMackstat DMとして入手可能である。
【0015】
本発明によると、種々の成分が、最終生成物の企図される用途に応じて基本組成物と混合され得る。本明細書中で使用される場合、基本組成物と界面活性剤および/または他の成分との組み合わせは、液体生成物組成物と呼ばれる。本発明者は、基本組成物が、かなり広範な種類の界面活性剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、ビーズ、剥脱剤、着色剤および芳香添加剤と適合性があることを見出した。一旦所望の成分が、このような基本組成物に混合されると、生じる液体生成物組成物は次いで、水溶性シート生成物を形成するために乾燥させられる。基本組成物が、このような他の成分と混合される場合、液体生成物組成物中のPVPと、ポリビニルアルコールと、プロピレングリコールとのレベルは、以下のとおりである:約0.15重量%から約0.35重量%のPVP;約1.3重量%から約2.78重量%のポリビニルアルコール;および約0.15重量%から約0.59重量%のプロピレングリコール。一般的に、スキンコンディショニングに有用な液体生成物組成物は、約50重量%までの皮膚感触成分(skin feel ingredient)、約15重量%から約90重量%の基本組成物を含み、液体生成物組成物の残りは水である。液体生成物組成物の約50重量%までは、皮膚感触成分であり得るが、選択された皮膚感触成分に依存して、水溶性シートの形成に不利に影響する場合、液体生成物組成物の50重量%未満が、使用されるべきである。
【0016】
一般に、界面活性剤が、基本組成物に添加される場合、パーソナルクレンジングに有用な組成物は、約15重量%から約90重量%の基本組成物、および約65重量%までの界面活性剤を含むべきである。より詳細に以下に議論されるように、水溶性石鹸、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および界面活性剤の混合物が全て、基本組成物に加えられ得る。界面活性剤の総重量は、液体生成物組成物の約65重量%を越えるべきではない;しかし、水溶性シート生成物形成に不利に影響することなく添加され得る界面活性剤の量は、選択された界面活性剤に依存する。
【0017】
基本組成物が、選択された成分と混合される場合、基本組成物とこのような成分との組み合わせは、約20重量%の基本組成物を含むことが好ましい。しかし、使用される基本組成物の量は、液体生成物組成物の所望の粘性および可溶性シート生成物の対応する所望の厚さに依存して変化する。一般に、液体生成物組成物が、より粘性になるにつれて、液体生成物組成物から形成される可溶性シート生成物は、より厚くなる。添加される界面活性剤の量は、選択された特定の界面活性剤および使用者により所望される効果に依存して変化する。水の添加は、界面活性剤と基本組成物とを混合するために必要ではないが、水の添加により引き起こされる基本組成物および界面活性剤混合物の粘性の変化は、添加物成分の分散を補助する。水を用いた希釈はまた、製品コストを減少させ、より薄いシートを生成する。
【0018】
界面活性剤、石鹸、皮膚感触成分、および他の成分の開示に関連して、種々の例示的な処方物が、与えられる。これらの例は、例示に過ぎず、これらは、本発明を限定することを意図せず、決して本発明を限定しない。
【0019】
陰イオン性界面活性剤は、本発明の基本組成物と共に使用するのに好ましい界面活性剤である。基本組成物と適合性のある陰イオン性界面活性剤としては、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、およびグルタメートTEA−ココイルが挙げられる。適切なラウレス硫酸アンモニウムは、Ambler,PennsylvaniaにおけるCognisからStandapol Aとして入手可能である。ラウレス硫酸ナトリウムはまた、CognisからStandapol ES−2として入手可能である。適切なグルタメートTEA−ココイルは、Teaneck,New JerseyにおけるAjinomoto USA,Inc.からAmisoft CT−125として入手可能である。
【0020】
本発明の可撓性のあるシート生成産物の製造に界面活性剤として使用される場合、陰イオン性界面活性剤は、すばやくおよび長持ちする泡を生じる。約47重量%までの陰イオン性界面活性剤が、本発明の基本組成物に添加され得る。以下は、本発明を具現化する代表的な処方物であり、ここで陰イオン性界面活性剤は、液体生成物組成物を形成するために基本組成物と混合され、この液体生成物組成物は次いで、可溶性シート生成物を形成するために乾燥させられ得る。以下の実施例1から5において使用される場合、基本組成物は、約1.75%のPVP K−30、約13.91%のAirVol 523S、約2.94%のプロピレングリコール、および約81.4%の水を含む。
【実施例】
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

非イオン性界面活性剤もまた、本発明の基本組成物に添加され得る。しかし、唯一の界面活性剤として使用される場合、基本組成物との非イオン性界面活性剤のこのような混合物は、シートを形成しない。従って、所望の可溶性シート生成物の形成を達成するためには、付随する(companion)界面活性剤(例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、または界面活性剤の混合物)を含むことが必要である。選択された非イオン性界面活性剤の程度に依存して、約26重量%と30重量%との間までの非イオン性界面活性剤が、液体生成物組成物に組み込まれ得る。一般に、非イオン性界面活性剤は、フィルム形成、従って、可溶性シート生成物の形成に、不利に影響する時点まで、基本組成物に添加され得る。しかし、シート形成を達成するために、添加される非イオン性界面活性剤および他の界面活性剤の全量は、液体生成物組成物の約65重量%を越えるべきではない。満足のいくシートを形成するために、非イオン性界面活性剤は、混合物に含まれるその他の界面活性剤よりも低レベルで基本組成物に添加されるべきである。
【0023】
陽イオン性界面活性剤もまた、本発明のシートを形成するために使用され得る。適合性のある陽イオン性界面活性剤としては、DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートおよびヒマワリ種子アミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。適切なDLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートは、Teaneck,New JerseyにおけるAjinomoto USA,Inc.からCAEとして入手可能である。選択された陽イオン性界面活性剤に依存して、約4.9重量%と48重量%との間までの陽イオン性界面活性剤が、液体生成物組成物に組み込まれ得る。界面活性剤の最大レベルは、選択された特定の陽イオン性界面活性剤に依存して変化する。従って、可溶性シート生成物の形成を得るために、液体組成物に添加され得るDLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートの最高レベルは、約4.9重量%であり、そして液体生成物組成物に組み込まれ得るヒマワリ種子アミドプロピルジメチルアミンラクテートの最高レベルは、約12重量%であることが見出された。一般的に、陽イオン性界面活性剤は、フィルム形成従って、シートの形成に、不利に影響する時点まで基本組成物に添加され得る。
【0024】
DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネート(CAE)が、基本組成物に添加され、可撓性のあるシート生成物を形成するために乾燥された時、水中にすぐに溶解する伸縮性のある薄いシートが、形成される。シートの過剰な乾燥を防止するために、DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートは、基本組成物への添加前に、プロピレングリコール中に可溶性にされる。以下は、DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートを使用する、基本組成物と界面活性剤混合物との組み合わせの本発明を具体化する代表的な処方物である。実施例6および7において使用されるように、基本組成物は、約1.75%のPVP K−30、約13.91%のAirVol 523S、約2.94%のプロピレングリコール、および約81.4%の水を含む。
【0025】
【表3】

DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートを含有する混合物において、シートの泡生成は、ベタインの添加により高められ得る。それにもかかわらず、陰イオン性界面活性剤もまた、混合物に加えられない限り、少量の泡が、DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートを含有する混合物により生じられることが見出された。以下は、DLピロリドンカルボン酸エチルココイルアルギネートおよび陰イオン性界面活性剤(ラウレス硫酸ナトリウム)を含有する好ましい混合物の例である;
【0026】
【表4】

前述のとおり、適切なシートの形成を得るために、添加される陽イオン性界面活性剤および他の界面活性剤の総量は、液体生成物組成物の約65重量%を越えるべきではない。
【0027】
水溶性石鹸もまた、本発明の可溶性シート生成物の形成に使用され得る。これは、可溶性シートの泡生成能力を改変するために、およびシートの溶解を緩やかにするために使用され得る。約2重量%と22重量%との間までの石鹸が、液体生成物組成物へ組み込まれ得る(選択された石鹸に依存する)。一般に、石鹸および合成界面活性剤は、フィルム形成の、従って、可溶性シート生成物の形成に不利に影響する時点まで基本組成物に添加され得る。石鹸は、基本組成物に添加される唯一の界面活性剤であり得るか、あるいは、基本組成物への添加のために別の界面活性剤と組み合わせられ得る。シートの形成を得るために、石鹸および合成界面活性剤の総量は、液体生成物組成物の約65重量%を越えるべきではない。適合性のある石鹸としては、ナトリウムオクトノエート(sodium octonoate)およびカリウム石鹸が挙げられる。以下は、ナトリウムオクトノエートを使用する組成物の例である。実施例8で使用されるように、基本組成物は、約1.75%のPVP K−30、約13.91%のAirVol 523S、約2.94%のプロピレングリコール、および約81.4%の水を含む。
【0028】
【表5】

トリエタノールアミンカリウム植物油石鹸もまた、適合性のある石鹸であり、University Park,IllinoisにおけるMcIntyreからMackanate WGSとして入手可能である。以下は、Mackanate WGSを用いた混合物の例である。実施例9において使用されるように、基礎組成物は、約1.75%のPVP K−30、約13.91%のAirVol 523S、約2.94%のプロピレングリコール、および約81.4%の水を含む。
【0029】
【表6】

皮膚感触成分(ビタミンEアセテート、シリコーン、ペトロラタム、およびアロエのような、スキンコンディショナーを含む)が、界面活性剤を含んでいるかまたは含まずに、基本組成物に添加され得る。界面活性剤無しで使用される場合、このようなスキンコンディショニング添加物を含有するシートは、湿った皮膚(例えば、入浴またはシャワーを浴びた直後の)に直接的に適用され得る。スキンコンディショニング添加物を含むシートが、湿った皮膚に適用された場合、このシートは溶解して、皮膚上にスキンコンディショナーを残す。
【0030】
他の皮膚感触成分がまた、最終生成物に視覚的もしくは知覚的な感覚の効果、またはスキンコンディショニングの効果を提供するために、液体生成物組成物に添加され得る。例としては、ヘチマ海綿状組織、ホホバビーズ、オートムギの殻、クルミの殻、ペトロラタム、シクロメチコン、PEG−7オリーブオイルカルボン酸ナトリウム、シリコーン、アロエ、ビタミンEアセテート、皮膚軟化剤、および湿潤剤が挙げられる。これら皮膚感触成分は、美的感覚知覚、またはスキンコンディショニングに必要とされるレベルで添加され得、シート自体の生地を変化させる能力を有し得る。
【0031】
視覚的な知覚感覚効果、またはスキンコンディショニング効果を提供する目的で、液体生成物組成物に添加される皮膚感触成分は、使用者により所望されるレベルで添加され得る;しかし、添加される物質の量は、可溶性シート生成物を製造するためのフィルム形成を損なうべきではない。一般的に、液体生成物組成物。液体生成物組成物の約50重量%までは、皮膚感触成分であり得るが、選択された皮膚感触成分に依存して、液体生成物組成物の50重量%未満が、可溶性シート生成物形成に対して不利に影響するのを回避するために使用されるべきであり得る。
【0032】
以下の実施例は、本発明をさらに例示し、ここで視覚的もしくは知覚的感覚の効果、またはスキンコンディショニング効果を高める皮膚感触成分が、添加される。これら実施例は、本発明を限定することを決して意図しない。従って、特許請求の範囲内にある実施例の改変、または全く異なる成分を使用することでさえ、企図された発明の範囲外ではない。実施例10から14において使用されるように、基本組成物は、約1.75%PVP K−30と、約13.91%のAirVol 523Sと、約2.94%のポリビニルグリコールと、約81.4%の水とを含む。
【0033】
【表7】

【0034】
【表8】

抗菌剤(例えば、トリクロサン、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸ヘキシジン(CHG)およびトリクロカルバン)もまた、液体生成物組成物に組み込まれ得る。
【0035】
上の実施例において代表的に、種々のパーソナル洗浄製品に使用される界面活性剤が使用される。しかし、通常、家庭の洗浄製品(例えば、洗濯洗剤)に使用される界面活性剤もまた、可溶性シート生成物において使用され得る。このような実施形態は、衣服の汚れを処理するための特定の用途を有する。本発明のこの実施形態において、基本組成物中にこのような界面活性剤を含むことにより形成されるシートは、湿らされ、そして汚れた領域に適用される。このシートは次いで、汚れた領域上に残存させられ得、洗浄が行われるまで汚れの処理を提供し得る。
【0036】
揮発性成分(例えば、エタノール、石油エーテル、またはイソペタン)が、可溶性シート生成物の乾燥を高めることを補助するために液体生成物組成物に組み込まれ得る。これらの揮発性物質は、液体生成物を膨張することに役立ち、室温において、皮膚上にこの生成物の膨張した表面の形成を生じる。乾燥した可溶性シート生成物において、この皮膚は、半膨張したままであり、可溶性シート内にエアポケットまたは小部屋を造り出す。エアポケットはまた、液体生成物組成物のエアロゾル化により可溶性シート生成物内に造り出され得る。あるいは、エアポケットは、液体生成物組成物中に界面活性剤および特定の油を組み込むことにより、可溶性シート生成物内に造り出され得る。例えば、基本組成物への約11%のヒマワリ油の添加、および約10〜12%のラウレス硫酸アンモニウムの添加は、エアポケットまたは小部屋を有する可溶性シート生成物を生じる。
【0037】
一旦所望される成分が、基本組成物に組み込まれると、液体生成物組成物は、好ましくは、室温において乾燥させるために比較的平担な表面上に広げられる。あるいは、この液体は、熱(例えば、オーブン)にさらすことにより、より急速に乾燥させられ得る。約140°Fのオーブン内において液体生成物組成物を乾燥させることが、都合が良いことを見出した。しかし、より高温が、より早く乾燥させるために使用され得る。高められた乾燥はまた、加熱されたスプレー系、減圧、または他の公知の乾燥方法により達成され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ポリマーと、
ポリビニルアルコールと、
湿潤剤と、
界面活性剤と、
を含む組成物から形成される、水溶性シート。
【請求項2】
水溶性ポリマーと、
ポリビニルアルコールと、
湿潤剤と、
皮膚感触成分と、
を含む組成物から形成される、水溶性シート。
【請求項3】
水溶性シート生成物を調製するのに使用するための基本組成物であって、該基本組成物は、水、および約0.75重量%から約5重量%の水溶性ポリマー、約6.5重量%から約23重量%のポリビニルアルコールおよび約0.75重量%から約12重量%の湿潤剤を含む、基本組成物。
【請求項4】
前記水溶性ポリマーは、PVPである、請求項3に記載の基本組成物。
【請求項5】
前記PVPは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーである、請求項4に記載の基本組成物。
【請求項6】
前記ポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解を含む、請求項3に記載の基本組成物。
【請求項7】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールである、請求項3に記載の基本組成物。
【請求項8】
水溶性シート生成物を調製するのに使用するための組成物であって、該組成物は、約65重量%までの界面活性剤、約0.15重量%から約0.35重量%の水溶性ポリマー、約1.3重量%から約2.78重量%のポリビニルアルコール、約0.15重量%から約0.59重量%の湿潤剤を含み、該組成物の残りは水である、組成物。
【請求項9】
前記水溶性ポリマーは、PVPである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記PVPは、2−ピロリドン、1−エテニル−ホモポリマーである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールである、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤は、石鹸である、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤は、界面活性剤の混合物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
約50重量%までの皮膚感触成分をさらに含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
水溶性シート生成物を調製するのに使用するための組成物であって、該組成物は、約50重量%までの皮膚感触成分、約0.15重量%から約0.35重量%の水溶性ポリマー、約1.3重量%から約2.78重量%のポリビニルアルコール、および約0.15重量%から約0.59重量%の湿潤剤を含み、該組成物の残りは水である、組成物。
【請求項17】
前記水溶性ポリマーは、PVPである、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記PVPは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記ポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールである、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
水溶性シート生成物を形成するための方法であって、該方法は、
a.約0.75重量%から約5重量%の水溶性ポリマーと、約6.5重量%から約23重量%のポリビニルアルコールと、約0.75%から約12%までの湿潤剤と、水とを含む、基本組成物を形成する工程;
b.液体生成物組成物を形成するために該基本組成物に界面活性剤を添加する工程であって、該液体生成物組成物は、約65重量%までの該界面活性剤、約15重量%から約90重量%の間の基本化合物を含み、該液体生成物組成物の残りは水である、工程;
c.該液体生成物組成物をシート形態へと広げる工程;ならびに
d.該液体生成物組成物を乾燥させる工程、
を包含する、方法。
【請求項22】
前記水溶性ポリマーは、PVPである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記PVPは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記界面活性剤は、石鹸である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記界面活性剤は、界面活性剤の混合物である、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記液体生成物組成物を形成するために、約50重量%まで前記皮膚感触成分を前記界面活性剤および前記基本組成物に添加する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
水溶性シート生成物を形成するための方法であって、該方法は、
a.約0.75重量%から約5重量%の水溶性ポリマーと、約6.5重量%から約23重量%のポリビニルアルコールと、約0.75%から約12%までの湿潤剤と、水とを含む基本組成物を形成する工程;
b.液体生成物組成物を形成するために該基本組成物に皮膚感触成分を添加する工程であって、該液体生成物組成物は、約50重量%までの該皮膚感触成分、約15重量%から約90重量%の該基本化合物を含み、該液体生成物組成物の残りは水である、工程;
c.該液体生成物組成物をシート形態へと広げる工程;ならびに
d.該液体生成物組成物を乾燥させる工程、
を、包含する方法。
【請求項30】
前記水溶性ポリマーは、PVPである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記PVPは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリビニルアルコールは、約87%と90%との間の加水分解を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールである、請求項29に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ポリマーと、
ポリビニルアルコールと、
湿潤剤と、
陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、
を含む組成物から形成される、水溶性シートであって、非イオン性界面活性剤が選択された場合、該組成物は、少なくとも一種の他の非イオン性界面活性剤をさらに含む、水溶性シート。
【請求項2】
前記水溶性ポリマーは、PVPを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリビニルアルコールは、約87%から約90%の加水分解を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
約50重量%までの皮膚感触成分をさらに含む、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
水溶性ポリマーと、
ポリビニルアルコールと、
湿潤剤と、
非イオン性界面活性剤と、
非イオン性界面活性剤以外の界面活性剤と、
を含む組成物から形成される、水溶性シート。
【請求項8】
前記水溶性ポリマーは、PVPを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記水溶性ポリマーは、2−ピロリドン,1−エテニル−ホモポリマーを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記湿潤剤は、プロピレングリコールを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリビニルアルコールは、約87%から約90%の加水分解を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
約50重量%までの皮膚感触成分をさらに含む、請求項7に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−502292(P2006−502292A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543525(P2004−543525)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/031866
【国際公開番号】WO2004/032859
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(500144941)ザ ダイアル コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】