説明

水砕ピット及び水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法

【課題】高温の溶融物を水中で凝固させ、沈降した水砕固化物をスクレーパコンベアで水面上まで搬送して取り出す水砕ピットにおいて、動力損失の増大や異物のかみ込みによる異常停止を抑制する。
【解決手段】スクレーパコンベアを、水中で水砕固化物15を搬送する水平方向に配置された1段目スクレーパコンベア4aと、前記水砕固化物15を水面上まで搬送する傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベア4bとに分離し、1段目及び2段目スクレーパコンベア4a、4bをそれぞれ独立して駆動させる構成とする。この場合、従来において必要であったスクレーパ押えガイドを不要にすることができ、スクレーパ10a、10bがガイドに接触摺動することによる摩擦抵抗を低減することができ、スクレーパが異物を乗り越えることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水砕ピット及び水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法に関し、特に、例えば廃棄物処理において廃棄物溶融炉から出湯した溶融物を水砕化して処理する廃棄物処理設備に設けられる水砕ピット及び水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物のガス化溶融設備においては、廃棄物の灰分は溶融スラグ及び溶融メタルとして取り出し、水槽となっている水砕ピットの水中で冷却凝固させ、沈澱した水砕固化物を水砕ピットから取り出している。水砕固化物は、1mm以下の粒子径の砂状のスラグや5〜10mmの粒状メタル粒が殆どであるが、塊状の異物も少量ではあるが存在する。
【0003】
図5は、従来の水砕ピットの構成を示す。図6は、図5のB−B断面図である。
図5に示されるように、1基あるいは複数基のガス化溶融炉(不図示)から出湯される溶融物14は、ガス化溶融炉の底部に配置された溶融物樋3を経由して、水砕ピットケーシング1内に貯留された水中に落下供給される。このとき、溶融物14の着水付近に配置した水噴射ノズル2からの噴射水により、溶融物14は細かく分散され、水中を沈降する過程で冷却凝固する。主としてスラグやメタルで構成される水砕固化物15は、水砕ピットケーシング1の底部に沈殿する。
【0004】
水砕ピットケーシング1の底部に沈殿した水砕固化物15は、スクレーパコンベア4により搬送され、かつ水面上にかき上げられ、ケーシング端部の排出口1aから取り出される。スクレーパコンベア4は、多数のスクレーパ10がチェーン11で連結されて1本のループ(すなわち、エンドレスコンベア)を形成している。図5において、水砕ピットケーシング1の底面に沿って排出口1a側に向かって移動するのが搬送方向である。そのため、スクレーパ10は、水面上に配置された駆動チェーンホイル5と駆動装置(例えば、駆動モータM)によって図中矢印方向に駆動される。チェーン11の戻り側は、戻り側チェーン支持ホイル9によって一定間隔で架橋支持され、テンション調整用チェーンホイル6で搬送側に反転する。チェーン11の張力は、テンション調整用チェーンホイル6で調整し、初期調整や使用中におけるチェーン11の伸び分を調整している。
【0005】
このように、従来のスクレーパコンベア4は、水砕固化物15の水平方向の搬送と、水切りのための傾斜方向の搬送を行っている。すなわち、図5において、スクレーパコンベア4の搬送側スクレーパは、図中のC部からは傾斜面を移動して水面上に出るので、C部での方向転換が必要となる。そのため、搬送側スクレーパ押えガイド7が必要であり、C部では曲線状にガイドが形状されている。この場合において、チェーン11には駆動チェーンホイル5からの引力と初期張力がかかっているので、チェーン11に引っ張られてスクレーパ10がケーシング底面から浮き上がろうとし、C部では搬送側スクレーパ押えガイド7とスクレーパ10とが常に接触摺動する。
【0006】
また、戻り側においても、チェーン11の張力によりスクレーパ10が浮び上るのを防ぐために、戻り側スクレーパガイド8が設けられている。この場合も搬送側のC部と同じく、チェーン11の張力によってスクレーパ10とガイド8とが常に接触摺動している。
【0007】
このように、従来の水砕ピット1は、スクレーパ10とガイド7,8との摺動摩擦による抵抗のため、駆動チェーンホイル5の駆動には大きな動力を必要とし、さらに動力に見合ってスクレーパ10を連結するチェーン11も大きくなるという欠点があった。
【0008】
さらに、搬送側スクレーパ押えガイド7は、C部の曲線部のみで構成されているのではなく、塊状になった水砕固化物15が稼働部にかみ込むのを防ぐため、搬送経路の全長に亘って設置されている。図7に示すように、スクレーパ10は、通常であれば搬送側スクレーパ押えガイド7とは隙間δ1を保って移動している。しかしながら、ケーシング1の底面に例えばメタル塊の様な異物16が存在し、スクレーパ10が異物16に乗り上げた場合には、スクレーパ10が搬送側スクレーパ押えガイド7との間に挟まり、スクレーパコンベア4が停止してしまう事態となり得る(図中のD部)。このかみ込み現象は、チェーン11の張力によってスクレーパ10がケーシング底面から浮かび上がろうとするC部にて発生することが多い。そして、この異物16のかみ込みによる停止が水砕ピットの停止原因の殆どを占めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−181361号公報
【特許文献2】特開2009−8313号公報
【特許文献3】特開2001−201035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
すなわち、本発明は、一例として挙げた上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スクレーパとガイドが接触摺動することによる動力損失を低減することのできる水砕ピット及び水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、特に、チェーンの張力によりスクレーパがケーシングの底面から浮び上ることで発生し易い異物のかみ込み現象を抑え、異物のかみ込みによってスクレーパコンベアが停止することを低減することのできる水砕ピット及び水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従う水砕ピットは、高温の溶融物を水中で凝固させ、沈降した水砕固化物をスクレーパコンベアで水面上まで搬送して取り出す水砕ピットにおいて、前記スクレーパコンベアを、水中で水砕固化物を搬送する水平方向に配置された1段目スクレーパコンベアと、前記水砕固化物を水面上まで搬送する傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベアと、に分離し、1段目及び2段目スクレーパコンベアをそれぞれ独立して駆動させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に従う水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法は、水砕ピットの水中で高温の溶融物が凝固され、この水砕ピット内に沈澱した水砕固化物をスクレーパコンベアで水面上まで搬送して取り出す方法において、前記水砕ピット内に水平方向に配置された1段目スクレーパコンベアによって水砕固化物を水中で搬送し、前記1段目スクレーパコンベアとは分離され、独立して駆動される傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベアによって前記水砕固化物を水面上まで搬送することを特徴とする。
【0014】
前記1段目及び2段目スクレーパコンベアは、搬送側スクレーパ及び戻り側スクレーパ共に搬送方向の曲線部がなく、直線状に移動するようにすることが好ましい。また、前記2段目スクレーパコンベアの戻り側の端部が、1段目スクレーパコンベアの下方位置にまで入り込んだ配置にすることが好ましい。さらに、前記2段目スクレーパコンベアは、前記1段目スクレーパコンベアに比べてスクレーパのピッチを短く設定するか、又はコンベア回転速度を速く設定するか、或いはその両方に設定することが好ましい。さらには、前記1段目スクレーパコンベアの搬送方向に沿って配置され、その先端が前記2段目スクレーパコンベアの乗り継ぎ部の上方位置にまで延びる水砕固化物の搬送ガイド部材をさらに配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水砕ピットから水砕固化物を取り出すスクレーパコンベアを、水中で水砕固化物を搬送する水平方向に配置された1段目スクレーパコンベアと、前記水砕固化物を水面上まで搬送する傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベアと、に分離し、1段目及び2段目スクレーパコンベアをそれぞれ独立して駆動させる構成としたことにより、例えば搬送側スクレーパ押えガイドや戻り側スクレーパガイドが不要となり、これにより摩擦抵抗を低減することができる。その結果、スクレーパコンベアの動力損失を低減することができ、処理コストの低減を図ることが可能となる。
【0016】
さらに、搬送側スクレーパ押えガイドや戻り側スクレーパガイドが不要となったことにより、前述したような異物のかみ込み現象がなくなるので、装置が異常停止する問題を著しく改善することができる。その結果、本装置の信頼性が大幅に向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に従う水砕ピットの縦断面図である。
【図2】図1の断面A−Aを示す。
【図3】図1の第1コンベアの駆動モータである。
【図4】図1の第1コンベアが水砕固化物を搬送する様子を示す図である。
【図5】従来の水砕ピットの縦断面図である。
【図6】図5の断面B−Bを示す。
【図7】図5のスクレーパコンベア搬送状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態による水砕ピットについて、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
【0019】
図1は、本発明の好ましい実施形態に従う2連スクレーパチェーン式の水砕ピットの縦断面図である。水砕ピット1は、例えばガス化溶融炉などの溶融炉(不図示)から出湯される溶融物14を冷却するための水が貯留される水砕ピットケーシング1を備えている。ケーシング1は、搬送方向後方側が略矩形状を有し、搬送方向前方側が傾斜面を有し、その端部に水砕固化物を取り出すための排出口1aが形成されている。さらに、ケーシング1の上面側には、前記溶融炉の底部に配置された溶融物樋3から出湯される溶融物14をケーシング1内に受け入れるための開口部1bが形成されている。そして、溶融物14の着水付近に水噴射ノズル2が配置され、噴射水によって溶融物14が細かく分散される。分散された溶融物14は、冷却凝固して水砕固化物15になると共にケーシング底部に沈降していく。なお、図1には、2基の溶融炉から溶融物14を受け入れる構造を例示しているが、それ以上であってもよく、溶融炉の数が限定されることはない。
【0020】
水砕ピットケーシング1の底部側には、水砕固化物の水中搬送用の1段目スクレーパコンベア4aと、水中から水砕固化物をかき上げる水切り用の2段目スクレーパコンベア4bに分離したスクレーパコンベア4が配置されている。
【0021】
1段目スクレーパコンベア4aは、ケーシング1の底面に沿って略水平方向に配置されている。1段目スクレーパコンベア4aは、例えば駆動モータMなどの駆動機構によって回転駆動される駆動チェーンホイル5aと、テンション調整用チェーンホイル6aと、これらチェーンホイル5a,6aよって回動される無端状のチェーン11aと、所定のピッチでチェーン11aに連結された多数のスクレーパ10aを備えている。ケーシング1の底面に沿って水砕固化物を搬送するのが搬送側スクレーパであり、その上方をテンション調整用チェーンホイル6aに向かって移動するのが戻り側スクレーパである。戻り側スクレーパは、ケーシング底面に沿って直線上に配列した複数の戻り側チェーン支持ホイル9aによって架橋支持されている。
【0022】
2段目スクレーパコンベア4bは、ケーシング1の傾斜面に沿って傾斜方向に配置されている。2段目スクレーパコンベア4bも、1段目スクレーパコンベア4aと同様に、例えば駆動モータMなどの駆動機構によって回転駆動される駆動チェーンホイル5bと、テンション調整用チェーンホイル6bと、これらチェーンホイル5b,6bよって回動される無端状のチェーン11bと、所定のピッチでチェーン11bに連結された多数のスクレーパ10bを備えている。そして、戻り側スクレーパは、ケーシング1の傾斜面に沿って直線上に配列した複数の戻り側チェーン支持ホイル9bによって架橋支持されている。
【0023】
2段目スクレーパコンベア4bは、その戻り側の端部(少なくとも、テンション調整用チェーンホイル6b)が1段目スクレーパコンベア4aの下方位置にまで入り込んだ配置にしている。すなわち、1段目スクレーパコンベア4aによって水中を搬送される水砕固化物は、水中を落下(沈降)して2段目スクレーパコンベア4bに受け渡しされるように配置されている。その際、2段目用のテンション調整用チェーンホイル6bが位置するケーシング1の隅部に水砕固化物が沈降するのを防止し、且つ、2段目スクレーパコンベア4bの乗り継ぎ部41に水砕固化物が受け渡しされるように、搬送ガイド部材1bを配置している。
【0024】
さらに、乗り継ぎ部41で水砕固化物が滞留するのを防ぐために、2段目スクレーパコンベア4bは、1段目スクレーパコンベア4aに対して搬送能力を少なくとも同等以上としておく必要がある。このため、2段目スクレーパコンベア4bは、1段目スクレーパコンベア4aよりもスクレーパ10のピッチを短く設定するか、又はコンベアの回転速度を速く設定するか、或いはその両方を設定することが好ましい。
【0025】
このように、本実施形態におけるスクレーパコンベア4は、1段目スクレーパコンベア4aと、2段目スクレーパコンベア4bとに分離しており、それぞれが独立して駆動される構成である。1段目用の駆動チェーンホイル5aと、2段目用の駆動チェーンホイル5bの2つの駆動チェーンホイルを配置し、外部の駆動装置によって回転駆動させる。従ってこの場合、図3に示すように、1段目用の駆動モータMの駆動軸12がケーシング1の側壁を水中で貫通するため、例えばメカニカルシールやクランドシールなどの回転軸シール装置13を設けるようにしている。
【0026】
以上のように、本実施形態の水砕ピット1は、水砕固化物を取り出すためのスクレーパコンベア4を、水中で水砕固化物を搬送する1段目スクレーパコンベア4aと、水砕固化物を水面上まで搬送する2段目スクレーパコンベア4bに分離し、それぞれ独立して駆動させる構成とする。従来における動力損失の増大や、異物16のかみ込みによる停止等の主たる原因は、水砕固化物の水中搬送と水面上への搬送を一つのスクレーパチェーン4で行っていることにある。従って、本実施形態のように、それぞれを独立したスクレーパチェーン4a,4bに分離することによって、動力損失が増大するのを抑制し、異物16のかみ込みによる停止等を防止することが可能となる。
【0027】
さらに、本実施形態に従うスクレーパコンベア4によれば、1段目及び2段目スクレーパコンベア4a,4b共に、搬送側及び戻り側に搬送方向の曲線部がなく、直線的にスクレーパ10a,10bを移動させる構成にしたことにより、従来において必須であった搬送側スクレーパ押えガイド7や戻り側スクレーパ押えガイド8をより確実に不要とすることができる。従って、スクレーパ10a,10bがガイドに接触摺動することがないので、より確実に動力損失の問題や異物16のかみ込みによる停止等の問題を低減することができる。
【0028】
特に異物16のかみ込み現象については、図4に示すように搬送側スクレーパ押えガイド7を無くしたことで上方が自由に開放されているので、ケーシング1の底面に異物16が存在してもスクレーパ10は異物16を乗り超えることが可能である。従って、従来のように異物16がかみ込んでスクレーパ10がそれ以上移動できなくなる現象を防止することができる。なお、この異物16は、例えば大粒のメタル塊が相当するが、底面に固着している訳でないので、時間とともにスクレーパ10によって運ばれることとなる。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、2段目スクレーパコンベア4bのテンション調整用チェーンホイル6bが、1段目スクレーパコンベア4aの下方位置にまで入り込んだ配置とし、水砕固化物が2段目スクレーパコンベア4bの乗り継ぎ部41に沈降供給する構成としたことにより、1段目から2段目スクレーパコンベアへ水砕固化物を速やかに受け渡すことが可能である。その際、1段目スクレーパコンベア4aよりも2段目スクレーパコンベア4bの搬送能力を大きく設定することによって、水砕固化物が乗り継ぎ部41で滞留してしまうのを抑制することができる。さらに、搬送ガイド部材1bを配置することで、水砕固化物を確実に乗り継ぎ部41に受け渡しすることが可能となり、且つ、意図しないケーシング隅部へ沈降するのを防止することができる。
【0030】
詳しくは上述したように、本実施形態に従う水砕ピット1は、水中での水砕固化物の搬送と、水面上への搬送をそれぞれ独立した1段目及び2段目スクレーパコンベア4a,4bで行うように分離し、且つ、それぞれのスクレーパコンベア4a,4bが搬送方向に対して角度変更のない直線搬送とする構成としたことにより、従来のような搬送側スクレーパガイド7をなくし、且つ、戻り側もチェーン張力による浮き上り防止のための戻り側スクレーパガイド8を不要とした。その結果として、摺動抵抗を低減することができ、異物のかみ込みによる停止等を防止することができるのである。
【0031】
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0032】
1 水砕ピットケーシング
4a 1段目スクレーパコンベア
4b 2段目スクレーパコンベア
7 搬送側スクレーパ押えガイド
8 戻り側スクレーパガイド
10a 1段目用のスクレーパ
10b 2段目用のスクレーパ
11a 1段目用のチェーン
11b 2段目用のチェーン
15 水砕固化物
16 異物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の溶融物を水中で凝固させ、沈降した水砕固化物をスクレーパコンベアで水面上まで搬送して取り出す水砕ピットにおいて、
前記スクレーパコンベアを、水中で水砕固化物を搬送する水平方向に配置された1段目スクレーパコンベアと、前記水砕固化物を水面上まで搬送する傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベアと、に分離し、1段目及び2段目スクレーパコンベアをそれぞれ独立して駆動させることを特徴とする水砕ピット。
【請求項2】
前記1段目及び2段目スクレーパコンベアは、搬送側スクレーパ及び戻り側スクレーパ共に移動方向の曲線部がなく、直線状に移動することを特徴とする請求項1に記載の水砕ピット。
【請求項3】
前記2段目スクレーパコンベアの戻り側の端部が、1段目スクレーパコンベアの下方位置にまで入り込んだ配置にしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水砕ピット。
【請求項4】
前記2段目スクレーパコンベアは、前記1段目スクレーパコンベアに比べてスクレーパのピッチが短く設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水砕ピット。
【請求項5】
前記2段目スクレーパコンベアは、前記1段目スクレーパコンベアに比べてコンベア回転速度が速く設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水砕ピット。
【請求項6】
前記1段目スクレーパコンベアの搬送方向に沿って配置され、その先端が前記2段目スクレーパコンベアの乗り継ぎ部の上方位置にまで延びる水砕固化物の搬送ガイド部材をさらに配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水砕ピット。
【請求項7】
水砕ピットの水中で高温の溶融物が凝固され、この水砕ピット内に沈澱した水砕固化物をスクレーパコンベアで水面上まで搬送して取り出す方法において、
前記水砕ピット内に水平方向に配置された1段目スクレーパコンベアによって水砕固化物を水中で搬送し、前記1段目スクレーパコンベアとは分離され、独立して駆動される傾斜方向に配置された2段目スクレーパコンベアによって前記水砕固化物を水面上まで搬送することを特徴とする水砕ピットからの水砕固化物の取り出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−12902(P2011−12902A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157817(P2009−157817)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【Fターム(参考)】