説明

水素製造システム

【課題】消費エネルギーを抑制すると共に改質反応部の後段の装置に悪影響を与えることを防止可能な水素製造システムを提供する。
【解決手段】本発明の水素製造システム3は、改質反応部と、改質反応部を加熱するための加熱手段と、加熱手段を制御する制御部19と、を備える。改質反応部は、炭素間結合を有する炭化水素化合物が含まれた改質用原料を改質する改質反応を行うことにより水素を主成分とする改質ガスを生成する。加熱手段は、バーナー15と、バーナー15へ供給するFCスタック5のオフガスの量を調整する調整部17と、を含む。制御部19は、改質反応部へ供給される改質用原料の供給速度に基づいて、改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように、調整部17を制御して、改質反応部内の温度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素化合物を含む原料を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成する水素製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池等へ供給する水素を製造する装置として、炭化水素化合物を含む原料を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成する水素製造システムが知られている。例えば、下記特許文献1には、改質反応を行う改質反応部の温度が原料の種類に応じて設定された水素製造システムについて記載されている。
【特許文献1】特許第3403416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、水素製造システムにおける消費エネルギーを抑制するために、改質反応部の温度を低く抑えることが要求されている。しかしながら、改質反応部の温度を低くすると、改質反応が十分進まず、未反応の成分が改質反応部から排出される場合がある。この場合、炭素間結合を有する炭化水素化合物が原料に含まれていると、炭素間結合を有する炭化水素化合物を含有する改質ガスが、改質反応部の後段の装置に供給されることとなる。
【0004】
このような改質ガスが後段の装置へ供給されると、後段の装置において炭素が析出して流路を閉塞する虞がある。また、燃料電池のアノードに炭素が析出すると、発電効率が低下する。更に、改質反応部の後段には、シフト反応等を行うための触媒がある。この触媒は、炭素間結合を有する炭化水素化合物により劣化する。このように、炭素間結合を有する化合物が改質反応部から排出されると、後段の装置に悪影響を与えるので問題がある。
【0005】
そこで本発明は、消費エネルギーを抑制すると共に改質反応部の後段の装置に悪影響を与えることを防止可能な水素製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水素製造システムは、炭素間結合を有する炭化水素化合物が含まれた原料を改質する改質反応を行うことにより水素を主成分とする改質ガスを生成する改質反応部と、改質反応部を加熱する加熱手段と、改質反応部に配置された改質反応のための触媒の量と改質反応部へ供給される原料の供給速度とに基づいて、改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように加熱手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の水素製造システムでは、原料の供給速度に基づいて改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように加熱手段を制御する。これにより、原料の供給速度に応じて、炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように、改質反応部の温度を制御することとなる。よって、炭素間結合を有する炭化水素化合物によって改質反応部の後段に配置されたシフト触媒やアノードへ与えられる悪影響を防止することができる。また、後段の流路に炭素が析出することを防止できる。尚且つ、原料の供給速度が遅い場合には、改質反応部の温度を低く設定することができ、消費エネルギーを抑制することができる。更に、温度を低く設定することにより、触媒及び装置の熱による劣化を抑制することができ、装置の長寿命化を図ることができる。
【0008】
好ましくは、制御手段は、水素製造システムの積算運転時間に基づいて加熱手段を制御する。この場合、積算運転時間に基づいて加熱手段を制御することにより、改質反応部の温度を積算運転時間に応じて設定することとなる。積算運転時間が長くなるにつれて触媒が劣化して改質反応効率が低下するが、改質反応部の温度を積算運転時間に応じて高く設定できるので、後段へ排出される炭素間結合を有する炭化水素化合物の量が積算運転時間と共に増加することを防止できる。また、運転初期における改質反応部の温度を、触媒の活性効率に合わせて低く設定できるので、消費エネルギーを抑制することができる。
【0009】
好ましくは、制御手段は、改質反応部へ供給された原料の積算供給量に基づいて加熱手段を制御する。この場合、原料の積算供給量に基づいて加熱手段を制御することにより、改質反応部の温度を原料の積算供給量に応じて設定することとなる。原料の積算供給量が多くなるにつれて触媒が劣化して改質反応効率が低下するが、改質反応部の温度を原料の積算供給量に応じて高く設定できるので、後段へ排出される炭素間結合を有する炭化水素化合物の量が原料の積算供給量と共に増加することを防止できる。また、運転初期における改質反応部の温度を、触媒の活性効率に合わせて低く設定できるので、消費エネルギーを抑制することができる。
【0010】
好ましくは、制御手段は、供給速度と改質反応部の目標温度とを互いに関連付けたパラメータテーブルであって、原料の種類と改質反応部に配置された改質反応のための触媒の量及び種類とに応じて設定されたパラメータテーブルを参照して、改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように加熱手段を制御する。この場合、演算により目標温度を設定する場合より、制御手段の処理速度を高速化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、消費エネルギーを抑制すると共に改質反応部の後段の装置に悪影響を与えることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る水素製造システムを適用した燃料電池ユニットを示す概略構成図である。本実施形態に係る燃料電池ユニット1は、改質機能を有する燃料電池システムであり、例えば家庭に配置されて電力供給源として機能する。燃料電池ユニット1に供給される改質用原料は、炭素間結合を有する炭化水素化合物を含むものである。家庭で入手容易な改質用原料としては、例えば、灯油、LPG(液化石油ガス)、又はナフサ等がある。
【0014】
燃料電池ユニット1は、改質用原料から水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素製造システム3、発電を行うFC(燃料電池)スタック5、及びインバータ7を備えて電力供給を行う。この燃料電池ユニット1は、水素製造システム3、FCスタック5、及びインバータ7を1つのパッケージ内部に配置し、家庭への設置が容易に構成されている。
【0015】
水素製造システム3には、改質用原料と水蒸気改質のための改質用水とがポンプ9,11により供給される。要求される発電量に応じてポンプ9,11が駆動され、要求される発電量に応じた量の改質用原料及び改質用水が供給される。なお、燃料電池ユニット1は脱硫器(図示せず)を備えて、改質用原料を脱硫してから水素製造システム3に供給されるように構成されている。この水素製造システム3は、改質装置13、改質装置13を加熱するためのバーナー15及び調整部17、改質装置13の温度を制御するための制御部19、CO変成器21、及び選択酸化器23を備える。
【0016】
改質装置13には、水素製造システム3に供給された改質用原料及び改質用水(水蒸気)が供給され、バーナー15により改質反応熱が供給される。これにより、改質装置13において改質反応が進み、水素を主成分とする改質ガスが生成される。この改質装置13及びバーナー15の構成について図2を参照して説明する。改質装置13は、外形が略円柱状に形成され、その中心軸に沿って配置された燃焼筒25と、この燃焼筒25を同軸状に取り囲む排ガス流路27と、この排ガス流路27を取り囲む改質反応部29と、更に改質反応部29を取り囲む水蒸気流路31と、を備える。
【0017】
燃焼筒25の上端部にはバーナー15が取り付けられている。燃焼筒25の上部では、バーナー15から下方へ噴射された火炎Fによって排ガスEが発生し、この排ガスEは燃焼筒25の下部へ流れる。そして、排ガスEは、燃焼筒25の下部の側壁に形成されて排ガス流路27と連通する開口部から排ガス流路27に到達する。排ガス流路27に到達した排ガスEが、下部から上部へ流れることにより、外側の改質反応部29を加熱する。この排ガス流路27には、改質反応部29との間の伝熱を促進するためのアルミナビーズが充填されている。
【0018】
改質反応部29には、内部に改質反応を行うための改質触媒29aが充填されている。この改質反応部29には、改質用原料が上端から供給される。また、水蒸気流路31内の下部から上部へ流れてきた水蒸気(改質用水)が、改質用原料と共に改質反応部29へその上端から供給される。改質用原料が、排ガスEにより加熱された改質触媒29aの層を水蒸気と共に上部から下部へ流れることにより水蒸気改質反応が進み、その反応ガスである改質ガスが生成される。水素を主成分とするこの改質ガスは、CO変成器21と連通する改質ガス流路33を流れて、CO変成器21へ供給される。
【0019】
CO変成器21へ供給される改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように、改質反応部29の内部の温度が制御される。この改質反応部29内の温度は、バーナー15に供給する燃焼用燃料の量を調整することにより制御する。バーナー15の燃料は、例えば、FCスタック5内で消費されなかった燃料ガス(オフガス)が用いられる。すなわち、FCスタック5からバーナー15へ供給されるオフガスの量を調整することにより、改質反応部29内の温度を制御する。この制御は、制御部19が行う。
【0020】
制御部19は、改質反応部29内に設置されたTC(熱電対)35により測定された測定値を入力して、調整部17を調整することにより、改質反応部29内の温度をフィードバック制御する。調整部17は、FCスタック5からバーナー15へ供給されるオフガスの量を調整する手段である。TC35は、改質触媒29aの層内に配置されるのが好ましく、本実施形態では、改質触媒29aの層内であって改質反応部29の下方の出口付近に配置されている。
【0021】
制御部19は、改質触媒29aの量と改質反応部29へ供給される改質用原料の供給速度とに基づいて、調整部17を制御する。すなわち、制御部19は、バーナー15と調整部17とによって構成される加熱手段を制御して、改質反応部29内部の温度を制御する。なお、改質用原料の供給速度は、ポンプ11から入力される。
【0022】
制御部19における具体的な制御方法について説明する。制御部19は、改質用原料の供給速度と改質設定温度(目標温度)とが関連付けられたパラメータテーブル19aを予めメモリ内に記憶している。このパラメータテーブル19aの例を図3に示す。図3(a)に示すパラメータテーブルは、灯油の供給速度LHSV (Liquid Hourly Space Velocity)と改質設定温度とを関連付けたパラメータテーブルである。図3(b)に示すパラメータテーブルは、LPGの供給速度GHSV (Gus Hourly Space Velocity)と改質設定温度とを関連付けたパラメータテーブルである。制御部19は、燃料電池ユニット1において用いられる改質用原料の種類に適合したパラメータテーブルに基づいて、加熱手段を制御する。なお、パラメータテーブル19aにおける供給速度の間の値については、線形補間処理が行われ、改質設定温度が設定される。
【0023】
改質設定温度は、改質装置13からCO変成器21へ供給される改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となる最低温度に基づいて設定される。最低温度は、シミュレーション及び測定値等により、改質用原料の種類、改質触媒29aの量及び種類、改質装置13の構造及び運転条件等に応じて設定される値である。具体的には、改質設定温度は、最低温度に制御上のばらつきを考慮した温度を加算した値に設定される。なお、改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度について、実質的に0とは、例えば、約10ppm以下の濃度である。
【0024】
図3に示すように、供給速度が遅くなると改質設定温度が低く設定されている。すなわち、発電量が小さくなると、改質設定温度は最大発電時より低く設定される。制御部19は、改質用原料の供給速度を入力し、このパラメータテーブル19aを参照して改質設定温度を設定する。そして、制御部19は、入力した改質反応部29の温度と設定した改質設定温度との差分に基づいて、調整部17を制御し、バーナー15に供給されるオフガスの量を調整する。これにより、改質用原料の供給速度が遅くなると、水蒸気改質の反応速度を遅くして、必要以上に加熱しないようにすることができる。このようにして温度が制御された中で改質反応が進み、生成された改質ガスが改質装置13からCO変成器21へ流入する。
【0025】
図1に戻って、CO変成器21は、改質装置13から供給された改質ガスに含まれる一酸化炭素濃度(CO)を低減するために、水性シフト反応を行う反応容器である。このCO変成器21内には、水性シフト反応用のシフト触媒が充填されている。CO変成器21において生成されたガスは、選択酸化器23へ流入する。選択酸化器23は、CO変成器21で処理された改質ガスの一酸化炭素濃度を更に低減させるため、流入したガス中の一酸化炭素を選択的に酸化し、燃料ガスを生成する。
【0026】
以上のようにして水素製造システム3によって生成された燃料ガスは、FCスタック5へ供給される。FCスタック5は、固体高分子形燃料電池(PEFC)の複数のセルで構成されている。FCスタック5のアノードに、水素製造システム3によって生成された燃料ガスが導入される。一方、カソードに空気が導入されて、FCスタック5内で水素と酸素との電気化学的な発電反応が行われ、FCスタック5から直流電流が出力される。燃料ガスのうちFCスタック5内で発電に用いられなかったオフガスは、上述した調整部17へ導かれ、バーナー15の燃料として用いられる。
【0027】
FCスタック5から出力された直流電流は、インバータ7によって交流に変換され、供給電力として出力される。このようにして、燃料電池ユニット1において改質用原料の改質を行って燃料ガスを生成し、燃料電池による発電が行われる。
【0028】
本実施形態の水素製造システム3では、制御部19が、改質用原料の供給速度に基づいて改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるようにオフガスのバーナー15への供給量を制御する。これにより、改質用原料の供給速度に応じて、炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように、改質反応部29の温度を制御することとなる。よって、炭素間結合を有する炭化水素化合物によって改質反応部29の後段に配置されたシフト触媒やアノードへ与えられる悪影響を防止することができる。また、後段の流路に炭素が析出することを防止できる。尚且つ、改質用原料の供給速度が遅く、発電量が最大発電量より小さい場合には、改質反応部29の温度を最大発電時より低く設定するので、消費エネルギーを抑制することができる。また、改質反応部29の温度を低く設定することにより、改質触媒29a及び改質反応部29の熱による劣化を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。
【0029】
また、本実施形態の水素製造システム3では、制御部19は、原料の種類と改質触媒の量及び種類とに応じて設定されたパラメータテーブル19aを参照して、改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように加熱手段を制御する。これにより、演算により目標温度を設定する場合より、制御部19の処理速度を高速化することができる。
【0030】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、制御部19は、更に、水素製造システム3の積算運転時間に基づいてオフガスのバーナー15への供給量を制御するようにしてもよい。この場合のパラメータテーブル19aの例を図4に示す。図4(a)に示すパラメータテーブルは、灯油の供給速度LHSV (Liquid Hourly Space Velocity)と改質設定温度と積算運転時間とを関連付けたパラメータテーブルである。図4(b)に示すパラメータテーブルは、LPGの供給速度GHSV (Gus Hourly Space Velocity)と改質設定温度と積算運転時間とを関連付けたパラメータテーブルである。なお、積算運転時間は、例えば、制御部19が、水素製造システム3における動作のON・OFFを検出し、ON時間を積算することにより算出することができる。
【0031】
水素製造システム3を運転するほど、改質触媒29aは劣化する。そこで、図4に示すように、水素製造システム3の積算運転時間が長くなるほど、改質設定温度をより高く設定することにより、改質ガスに含まれる炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が増加することを抑制できる。また、水素製造システム3の運転初期に、改質触媒29aが劣化していないにもかかわらず、水素製造システム3の寿命(例えば4000時間)時の改質触媒29aの活性効率に合わせて改質設定温度を高く設定する必要がなくなる。これにより、更に消費エネルギーを抑制することができる。また、必要以上に改質触媒29aを加熱しないので、改質触媒29aの劣化を抑制することができる。
【0032】
また、例えば、制御部19は、改質反応部29に供給された改質用原料の積算供給量に基づいてオフガスのバーナー15への供給量を制御するようにしてもよい。改質触媒29aは、改質反応を行うほど劣化する。そこで、改質反応部29に供給された改質用原料の積算供給量が多くなるほど、改質設定温度をより高く設定することにより、改質ガスに含まれる炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が増加することを抑制できる。また、水素製造システム3の運転初期に、改質触媒29aが劣化していないにもかかわらず、水素製造システム3の寿命(例えば4000時間)時の改質触媒29aの活性効率に合わせて改質設定温度を高く設定する必要がなくなる。これにより、更に消費エネルギーを抑制することができる。なお、積算供給量は、例えば、制御部19がポンプ11から出力される供給速度に基づいて算出することができる。
【0033】
また、上記実施形態では、FCスタック5がPEFCであるとしたが、SOFC(固体酸化物型燃料電池)であってもよい。この場合、FCスタックからの発熱量が比較的大きいので、FCスタックの熱を改質反応部29へ供給するように構成し、改質反応部29の補助熱源としてFCスタックを用いてもよい。このように構成した場合、FCスタックの熱だけでは改質反応部29は改質設定温度に到達しないので、上述のように、制御部19により加熱手段を制御して、バーナー15の燃焼により改質反応部29へ熱を供給する。
【0034】
また、上記実施形態では、バーナー15の燃料をオフガスとしたが、水素製造システム3の原料を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係る水素製造システムを適用した燃料電池ユニットを示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る水素製造システムが有する改質器及びバーナーの概略構成図である。
【図3】本実施形態に係る水素製造システムに記憶されたパラメータテーブルの例を示す図である。
【図4】本実施形態の変形例に係る水素製造システムに記憶されたパラメータテーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
3…水素製造システム、15…バーナー、17…調整部、19…制御部(制御手段)、29…改質反応部、29a…改質触媒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素間結合を有する炭化水素化合物が含まれた原料を改質する改質反応を行うことにより水素を主成分とする改質ガスを生成する改質反応部と、
前記改質反応部を加熱する加熱手段と、
前記改質反応部へ供給される前記原料の供給速度に基づいて、前記改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように前記加熱手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする水素製造システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記水素製造システムの積算運転時間に基づいて前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1記載の水素製造システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記改質反応部へ供給された前記原料の積算供給量に基づいて前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1記載の水素製造システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記供給速度と前記改質反応部の目標温度とを互いに関連付けたパラメータテーブルであって、前記原料の種類と前記改質反応部に配置された前記改質反応のための触媒の量及び種類とに応じて設定されたパラメータテーブルを参照して、前記改質ガスにおける炭素間結合を有する炭化水素化合物の濃度が実質的に0となるように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−91210(P2009−91210A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264784(P2007−264784)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】