説明

水蒸気改質器に供給する原燃料の高次脱硫装置及び高次脱硫方法

【課題】吸着層を二層に直列に配置することによりメルカプタン類の吸着、除去量を向上させた原料中のメルカプタン類の除去装置、及び、メルカプタン類に加えてスルフィド類、チオフェン類、シクロヘキセンを除去する原料中の付臭剤除去装置を得る。
【解決手段】水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類を吸着除去する付臭剤除去部と、(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなる水蒸気改質器における付臭成分除去装置、および、水蒸気改質器における付臭成分除去方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気改質器に供給する原燃料の高次脱硫装置及び高次脱硫方法に関し、より具体的には水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を極微量まで吸着除去する付臭成分除去装置及び水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を極微量まで吸着除去する付臭成分除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガス、LPガス(液化石油ガス)、ガソリン、灯油などは、工業用や家庭用などの燃料や、各種用途に利用される水素の製造に用いられるほか、固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)などの燃料電池用の燃料水素の製造用原料としても使用される。水素の工業的製造方法の一つである水蒸気改質法では、それらの低級炭化水素ガスを、Ni系、Ru系等の改質触媒の存在下、水蒸気を加えて改質し、水素を主成分とする改質ガスが生成される。
【0003】
都市ガスやLPガス、ガソリンなどの燃料には漏洩保安を目的とする付臭剤として、メルカプタン類やスルフィド類、あるいはチオフェン類などの硫黄化合物が添加されている。また、それらの硫黄化合物のほか、その付臭剤として、炭化水素の一種であるシクロヘキセン(cyclohexene:以下、適宜“CH”と略記する)を添加することも開発されており、シクロヘキセンはメルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類などと併用しても使用される(特許文献1)。
【0004】
硫黄化合物のうち、メルカプタン類には、ターシャリーブチルメルカプタン(本明細書中“TBM”と略称する)やイソプロピルメルカプタンやノルマルプロピルメルカプタンやターシャリーアミルメルカプタンやターシャリーヘプチルメルカプタンやメチルメルカプタンやエチルメルカプタンなどがあり、スルフィド類は、ジメチルスルフィド(本明細書中“DMS”と略称する)やエチルメチルスルフィドやジエチルスルフィド、チオフェン類はテトラヒドロチオフェン(本明細書中“THT”と略称する)などである。
【0005】
一般に添加される付臭剤としてはDMS、TBM、THTが多く用いられ、その濃度はいずれも数ppmである。とりわけ、都市ガスにおいてはTBM及びDMSの両方を用いるケースがほとんどである。
【0006】
ところで、それらのメルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類は水蒸気改質法で用いられるNi系、Ru系等の改質触媒に対して被毒影響があり、触媒の性能劣化を来たしてしまう。例えば原燃料中の硫黄含有量が0.1ppm程度の状態であっても短時間のうちに、Ni触媒またはRu触媒の表面の約90%が硫黄で覆われてしまい、触媒活性が著しく劣化する。また、硫黄被毒した触媒には、炭素が析出しやすくなることが知られている。このため原料中のそれらの硫黄化合物は、原料から予め除去しておく必要がある。また、硫黄化合物を除去した後の原料中のそれらの硫黄化合物は、できるだけ低濃度であることが望ましい。
【0007】
従来、燃料に含まれる硫黄化合物の除去方法の一つとして吸着剤による方法がある。この方法は、吸着剤に燃料を通過させることにより硫黄化合物を吸着剤に吸着させて除去する方法である。硫黄化合物の吸着剤として活性炭、ゼオライト、金属担持のゼオライト(特許文献2〜4)などが知られている。このうち、活性炭は硫黄化合物吸着剤としては満足できる性能はなく、一方、ゼオライト、金属担持のゼオライトは高い硫黄化合物吸着能はあるものの、高価であるという欠点がある。
【0008】
硫黄化合物吸着剤としてシリカゲルや、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、鉄等の金属担持のシリカゲル(特許文献5)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物(特許文献6、7)も知られている。これらの硫黄化合物吸着剤(上記活性炭、ゼオライト、金属担持のゼオライトを含む)は、吸着剤層の一層により処理対象物質を全て吸着処理するという考え方に則っている。
【0009】
また、特許文献8には、銀不含ゼオライト層(銀を含まないゼオライト層)と銀含有A型ゼオライト層に天然ガスを順に通すことにより接触させるか、もしくは両層のゼオライトを混合した層に通すことにより、水銀及びメルカプタン類やジスルフィド類等の硫黄化合物を除去する方法が開示されている。この方法は、硫黄化合物の除去に加えて、水銀を除去することを前提としている。
【0010】
このほか、特許文献9には、容器中に、都市ガスやLPガスなどの燃料ガスの流れ方向でみて、(a)その上流側に活性炭等からなる既存の硫黄化合物吸着剤を充填し、下流側にゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた一種又は二種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を充填するか、または、(b)それら二種の硫黄化合物吸着剤を混合して充填してなる原料の脱硫装置が開示されている。この脱硫装置は、種類の異なる硫黄化合物を同時に吸着除去することを技術思想としている。
【0011】
さらに、特許文献10には、大便臭の主成分である硫化水素及びメチルメルカプタン等の悪臭成分と結合することによって常温で悪臭成分を除去する第1金属酸化物と、第1金属酸化物の作用を補助する第2金属酸化物と、悪臭成分若しくは悪臭成分からの生成物を吸着する吸着剤である活性炭からなる脱臭剤が記載されている。
【0012】
【特許文献1】特開昭54−58701号公報
【特許文献2】特開2001−286753号公報
【特許文献3】特開2002−66313号公報
【特許文献4】特開2003−64386号公報
【特許文献5】特開2003−24776号公報
【特許文献6】特開平11−519号公報
【特許文献7】特開2004−75778号公報
【特許文献8】特開平11−50069号公報
【特許文献9】特開2003−20489号公報
【特許文献10】特許第3704713号公報
【特許文献11】特願2008−204126(出願日:平成20年8月7日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本出願人は、以下(1)〜(6)の発明を先に出願している〔特許文献11:特願2008−204126(平成20年8月7日出願)、以下「先行技術」とも言う〕。
(1)メルカプタン類吸着層を遷移金属酸化物を含む層と活性炭層の二層に直列に配置することにより、従来技術に比べてメルカプタン類吸着量を飛躍的に向上できる原料中のメルカプタン類除去装置。
(2)(1)のメルカプタン類除去装置と、原料中のスルフィド類除去装置を組み合わせたメルカプタン類及びスルフィド類除去装置。
(3)(1)のメルカプタン類除去装置と、原料中のチオフェン類除去装置を組み合わせたメルカプタン類及びチオフェン類除去装置。
(4)(1)のメルカプタン類除去装置と、原料中のシクロヘキセン除去装置を組み合わせたメルカプタン類及びシクロヘキセン除去装置。
(5)(1)のメルカプタン類除去装置と、スルフィド類及びシクロヘキセン除去装置を組み合わせたメルカプタン類、スルフィド類及びシクロヘキセン除去装置。
(6)(1)のメルカプタン類除去装置と、原料中のスルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセン除去装置を組み合わせたメルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセン除去装置。
【0014】
ところで、都市ガスやプロセス水(=都市ガス等の炭化水素の水蒸気改質に用いられる水蒸気生成用の水)に含まれるCOS(硫化カルボニル)は、常温脱硫剤では除去することが困難であることが知られており、上記先行技術において用いられている遷移金属酸化物や活性炭、銀担持ゼオライトでも、条件によっては脱硫することができず、結果として、数ppb程度の硫黄分が後段にリークしてしまうことになる。
【0015】
一方で、原燃料の水蒸気改質器付き燃料電池システムにおいて、改質反応、シフト反応に使用されるプロセス水は、系内で水自立しており、フィルターやイオン交換樹脂などを通過させ、不純物を除去して用いている。しかし、フィルターやイオン交換樹脂などにトラブルがあった場合には、水に含まれる微量の硫黄分を除去することができず、結果としてその硫黄分が改質触媒に流入してしまう懸念がある。
【0016】
本発明は、水蒸気改質器に供給する原燃料と水蒸気(プロゼス水)の混合流中の極微量の硫黄成分を吸着除去する高次脱硫装置である水蒸気改質器における付臭成分除去装置を提供することを目的とし、また、水蒸気改質器に供給する原燃料と水蒸気(プロゼス水)の混合流中の極微量の硫黄成分を吸着除去する高次脱硫方法である水蒸気改質器における付臭成分除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明(1)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類を吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0018】
本発明(2)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0019】
本発明(3)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【0020】
本発明(4)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0021】
本発明(5)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0022】
本発明(6)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、チオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0023】
本発明(7)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0024】
本発明(8)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0025】
本発明(9)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類及びシクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0026】
本発明(10)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類及びシクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0027】
本発明(11)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0028】
本発明(12)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0029】
本発明(13)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0030】
本発明(14)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置である。
【0031】
本発明(15)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類を吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0032】
本発明(16)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0033】
本発明(17)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0034】
本発明(18)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0035】
本発明(19)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、スルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0036】
本発明(20)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、チオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0037】
本発明(21)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0038】
本発明(22)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0039】
本発明(23)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類とシクロヘキセンとスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0040】
本発明(24)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類とシクロヘキセンとスルフィド類とチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0041】
本発明(25)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0042】
本発明(26)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0043】
本発明(27)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0044】
本発明(28)は、水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0045】
本発明(1)〜(14)の水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置、および、本発明(15)〜(28)の水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法において、ガード触媒層に配置する脱硫剤としてはCu−Zn系脱硫剤、Ni系脱硫剤、CaO、MgO、CuOおよびZrO2の少なくとも1つからなる脱硫剤を使用することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明により、(a)常温脱硫では除去しきれなかった原燃料中の極微量の硫黄、(b)脱硫方式によらずプロセス水中に溶解している極微量の硫黄を0.1ppbレベルにまで除去できるようになったことにより、改質触媒の長寿命化、触媒量の低減化が可能になった。
本発明を先行技術(特許文献11)に係る発明に併せて適用することにより、上記効果に併せて、以下(1)〜(6)の効果が得られる。
(1)メルカプタン類からなる付臭剤を含む原料からメルカプタン類を選択的に且つ確実に吸着除去することができる。
(2)メルカプタン類のほか、スルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセンの一種または二種以上の付臭剤を含む原料からメルカプタン類を選択的に且つ確実に吸着除去することができる。
(3)メルカプタン類のほか、スルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセンの一種または二種以上の付臭剤を含む原料からメルカプタン類を選択的に且つ確実に吸着除去し、これに続いて、スルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセンの一種または二種以上の付臭剤を吸着除去することができる。
(4)上記(3)において、メルカプタン類の選択的吸着除去に続くスルフィド類、チオフェン類及びシクロヘキセンの一種または二種以上の付臭剤の吸着除去に金属担持ゼオライト吸着剤を使用すると、金属担持ゼオライトでの競争吸着がないので、スルフィド類、チオフェン類、シクロヘキセンの吸着剤の吸着容量を増やすことができる。
(5)原料からのPEFCやSOFC用の燃料水素の製造用脱硫剤のコンパクト化を図ることができる。
(6)都市ガス、LPガスその他の原料中に添加されるDMS、TBM、THT、シクロヘキセン(それらの1種または複数種)はそれぞれ数ppmレベルで添加されているが、本発明によればそれらの合計を0.1ppbレベルにまで低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は本発明(1)、(15)を説明する図である。
【図2】図2は本発明(2)、(16)を説明する図である。
【図3】図3は本発明(3)、(17)を説明する図である。
【図4】図4は本発明(4)、(18)を説明する図である。
【図5】図5は本発明(5)、(19)を説明する図である。
【図6】図6は本発明(6)、(20)を説明する図である。
【図7】図7は本発明(7)、(21)を説明する図である。
【図8】図8は本発明(8)、(22)を説明する図である。
【図9】図9は本発明(9)、(23)を説明する図である。
【図10】図10は本発明(10)、(24)を説明する図である。
【図11】図11は本発明(11)、(25)を説明する図である。
【図12】図12は本発明(12)、(26)を説明する図である。
【図13】図13は本発明(13)、(27)を説明する図である。
【図14】図14は本発明(14)、(28)を説明する図である。
【図15】図15は本発明を説明する図である。
【図16】図16は本発明の先行技術を説明する図である。
【図17】図17は一体型円筒式水蒸気改質器におけるガード触媒層(ガード触媒部)の設置位置、等を説明する図である。
【図18】図18は一体型円筒式水蒸気改質器におけるガード触媒層(ガード触媒部)の設置位置、等を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、水蒸気改質器に供給する原燃料と水蒸気(プロゼス水)の混合流中の硫黄成分を極微量にまで吸着除去する水蒸気改質器における付臭成分除去装置、及び、水蒸気改質器に供給する原燃料と水蒸気(プロゼス水)の混合流中の硫黄成分を極微量にまで吸着除去する水蒸気改質器における付臭成分除去方法である。
【0049】
本明細書において、硫黄成分を極微量にまで除去するとは、水蒸気改質器の改質触媒層に供給する原燃料と水蒸気の混合流(原燃料と水蒸気との混合ガス)中の硫黄成分を0.1ppb乃至それ以下のレベルにまで除去することを意味する。
【0050】
図15〜16は本発明を説明する図である。図15は原燃料の脱硫から改質ガス生成に至るまでの過程を示した図である。原燃料(都市ガス13A等)は脱硫剤を配置した脱硫器に供給されて硫黄成分として数ppbレベルにまで脱硫される。脱硫済み原燃料に対して、その水蒸気改質用の水蒸気(プロセス水を加熱器等により加熱することで生成)を混合し、混合流を脱硫剤を配置したガード触媒層に供給する。
【0051】
ガード触媒層(ガード触媒部)により極微量の硫黄分をさらに除去する。原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去した後、改質触媒層に供給する。これにより改質触媒の硫黄分による被毒を防止し、改質触媒の長寿命化、触媒量の低減化を可能としたものである。
【0052】
ここで、本明細書において、ガード触媒層におけるガード触媒とは、改質触媒層に供給する原燃料と水蒸気の混合流に含まれる硫黄分を、混合流を改質触媒に供給する前に、混合流中から吸着除去することで、改質触媒の硫黄分による被毒を防止し、改質触媒を保護(guard)するものとの意味である。
【0053】
本発明において、ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。そのような性能を有する脱硫剤であれば特に限定はなく、例えばCu−Zn系脱硫剤(CuOとZnOを主体とするもので、添加物を加えたものもある)、Ni系脱硫剤、CaO、MgO、CuO、ZrO2を含む脱硫剤などが挙げられる。
【0054】
図16は本発明の先行発明〔特許文献11:特願2008−204126(出願日:平成20年8月7日)〕を説明する図である。そのうち、図16(a)は脱硫剤(金属酸化物→活性炭)によりTBM等のメルカプタ類を除去する構成を示し、図16(b)は図16(a)の脱硫剤(金属酸化物→活性炭)に続きTBM等のメルカプタ類以外の形の硫黄分(DMS等)を除去する構成を示している。
【0055】
〈ガード触媒層に配置する脱硫剤の硫黄吸着量評価〉
ガード触媒層に配置する脱硫剤は、極微量の硫黄分を吸着する性能を有する必要があるので、この観点から硫黄吸着量を評価した。使用触媒、試験条件は以下のとおりとした。
【0056】
〈実験例1:Cu−Zn系脱硫剤の硫黄吸着量評価〉
〈実験条件〉
触媒量:10cm3〔ズードケミー触媒製、Cu−Zn系脱硫剤:MDC−7(1.4−1.0mmに整粒)〕
原燃料:COS=3ppm、脱硫済み都市ガス13A+水蒸気(スチーム)
GHSV=9000h-1
S/C=2.5
触媒層温度:400℃
破過基準:15ppb
【0057】
結果は表1〜2のとおりである。原燃料に水蒸気が入ると硫黄吸着量が低下したが(at 250℃)、温度を上げることで(〜400℃)、吸着量が増加した。
【0058】
【表1】

【0059】
温度400℃でスチーム(スチーム/N2)を流通させて熱処理したものは、新品とほとんど変化の無い吸着S量を示したが(表2中、上段)、温度500℃でスチームを流通させて熱処理したものは、吸着S量が顕著に低下した(表2中、下段)。このことから、Cu−Zn系脱硫剤は、400℃及びその前後、数値的に言えばおおよそ温度350〜450℃の範囲での使用が最適と言える。
【0060】
【表2】

【0061】
〈リーク硫黄量評価〉
ガード触媒層からリークする硫黄量は極微量であり、分析の定量下限(〜10ppb)の制約から、直接硫黄濃度を測定することはできない。
ここで、後段に改質触媒を配置して長時間の試験を行い、改質触媒に付着した硫黄量を分析することでリーク濃度を測定する方法が知られている(特許第2683531号)。この方法を利用してリーク硫黄量評価を行った。
【0062】
〈試験条件〉
触媒量:ガード触媒12cm3〔ガード触媒=ズードケミー触媒製、Cu−Zn系脱硫剤:MDC−7(整粒せず)〕+改質触媒30cm3(改質触媒=ズードケミー触媒製、Ru系触媒:RUA)
原燃料:COS=3ppm、脱硫済み都市ガス13A+水蒸気(スチーム)
GHSV=3500h-1(ガード触媒層)、GHSV=1400h-1(RUA層)
S/C=2.0
ガード触媒層温度:400℃(図15参照)
改質触媒層入口部温度:450℃(図15参照)
【0063】
本評価試験において、ガード触媒(=Cu−Zn系脱硫剤)に付着した硫黄量を分析し、脱硫剤をリークする硫黄を算出したところ、1.4〜2.1ppbであった。改質触媒には硫黄が全く付着していなかったため、ガード触媒層では硫黄分0.1ppb以下(S<0.1ppb)のレベルまで硫黄が除去できたものと解される。
【0064】
〈実験例2:Ni系脱硫剤の硫黄吸着量評価〉
実験例2ではNi系脱硫剤の硫黄吸着量を評価した。試験条件は以下のとおりである。
〈試験条件〉
触媒量:10cm3〔ズードケミー触媒製、Ni系脱硫剤:Reformax 100(1.4−1.0mmに整粒)〕
原燃料:COS=3ppm、脱硫済み都市ガス13A+水蒸気(スチーム)
GHSV=4500h-1
S/C=2.5
ガード触媒層温度:400℃
破過基準:15ppb
【0065】
結果は表3のとおりである。表3のとおり、Ni系脱硫剤も極微量硫黄分除除去用吸着剤として有効であり、ガード触媒として使用できることを示している。
【0066】
【表3】

【0067】
本発明において、ガード触媒層に使用する脱硫剤としては、以上評価したCu−Zn系脱硫剤やNi系脱硫剤のほか、400℃及びその前後、おおよそ350〜450℃の範囲で原燃料から硫黄分0.1ppb以下(S<0.1ppb)のレベルまで硫黄が除去できるものであれば使用することができる。
【0068】
〈本発明(1)〜(28)の態様〉
以下、本発明(1)〜(28)の態様について順次説明する。メルカプタン類としてTBMを例に、スルフィド類としてDMSを例に、チオフェン類としてTHTを例に説明しているが、他のメルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類についても同様である。
【0069】
〈本発明(1)及び(15)の態様〉
図1は本発明(1)及び(15)の態様を説明する図である。図1のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成している。
【0070】
遷移金属酸化物はメルカプタン類の重合反応に関して触媒効果を持っており、付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBM(t−C49SH)を二量体化する。TBMは、二酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケルなどの遷移金属酸化物の表面に吸着され、遷移金属酸化物の触媒効果による二量化反応により、二量体:ジターシヤリーブチルジスルフィド(C49−S−S−C49)となる。ここで、TBMの二量体を“DTBDS”と略記しており、この点以下においても同じである。
【0071】
遷移金属酸化物を含む層を経て、DTBDSを含む原燃料をTBM付臭剤除去部の臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器Kで加熱して水蒸気に変えて供給する。そして、付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。
【0072】
ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、前述Cu−Zn系脱硫剤、Ni系脱硫剤、その他、原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。これにより、ガード触媒層において燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分が0.1ppbレベルにまで除去されるので、ガード触媒層に続く改質触媒層の改質触媒は、長期間にわたり硫黄被毒による性能劣化を来すことなく、その改質性能を維持することができる。
本発明(1)及び(15)の態様に係る以上の点は、本発明(2)〜(14)、(16)〜(28)についても同様である。
【0073】
〈本発明(2)及び(16)の態様〉
図2は本発明(2)及び(16)の態様を説明する図である。図2のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層、臭素添着活性炭層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層で付臭剤除去部を構成し、臭素添着活性炭層でCH除去部を構成している。
【0074】
付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。付臭剤除去部を出た原燃料をCH除去部に通して臭素添着活性炭にCHを吸着させる。CH除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0075】
そして、付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0076】
〈本発明(3)及び(17)の態様〉
図3は本発明(3)及び(17)の態様を説明する図である。図3のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層でTBM及びCH付臭剤除去部を構成している。
【0077】
TBM及びCH付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着活性炭はDTBDSを良好に吸着するとともに、CHを良好に吸着する。TBM及びCH付臭剤除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0078】
そして、TBM及びCH付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0079】
〈本発明(4)及び(18)の態様〉
図4は本発明(4)及び(18)の態様を説明する図である。図4のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着なし活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でCH除去部を構成している。
【0080】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH除去部に通して銀担持ゼオライトにCHを吸着させる。CH除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0081】
そして、TBM付臭剤除去部、CH除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0082】
〈本発明(5)及び(19)の態様〉
図5は本発明(5)及び(19)の態様を説明する図である。図5のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着なし活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとDMSを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でDMS除去部を構成している。
【0083】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をDMS除去部に通して銀担持ゼオライトにDMSを吸着させる。DMS除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0084】
そして、TBM付臭剤除去部、DMS除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0085】
〈本発明(6)及び(20)の態様〉
図6は本発明(6)及び(20)の態様を説明する図である。図6のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着なし活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとTHTを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でTHT除去部を構成している。
【0086】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をTHT除去部に通して銀担持ゼオライトにTHTを吸着させる。THT除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0087】
そして、TBM付臭剤除去部、THT除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0088】
〈本発明(7)及び(21)の態様〉
図7は本発明(7)及び(21)の態様を説明する図である。図7のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着なし活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCH、DMSを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でCH、DMS除去部を構成している。
【0089】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH、DMS除去部に通して銀担持ゼオライトにCH、DMSを吸着させる。CH、DMS除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0090】
そして、TBM付臭剤除去部、CH、DMS除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0091】
〈本発明(8)及び(22)の態様〉
図8は本発明(8)及び(22)の態様を説明する図である。図8のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着なし活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCH、DMS、THTを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でCH、DMS、THT除去部を構成している。
【0092】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH、DMS、THT除去部に通して銀担持ゼオライトにCH、DMS、THTを吸着させる。CH、DMS、THT除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0093】
そして、TBM付臭剤除去部、CH、DMS、THT除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0094】
〈本発明(9)及び(23)の態様〉
図9は本発明(9)及び(23)の態様を説明する図である。図9のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着活性炭層、銀担持ゼオライトの3層を通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHとDMSを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層でTBM及びCH付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でDMS除去部を構成している。
【0095】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSをTBM及びCH付臭剤除去部の臭素添着活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着活性炭はDTBDSを良好に吸着し、CHも吸着する。すなわち、TBM及びCH付臭剤除去部の臭素添着活性炭層ではDTBDSとCHを吸着する。TBM付臭剤及びCH除去部を出た原燃料をDMS除去部に通して銀担持ゼオライトにDMSを吸着させる。DMS除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて原燃料に混合する。
【0096】
そして、TBM及びCH付臭剤除去部、DMS付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0097】
〈本発明(10)及び(24)の態様〉
図10は本発明(10)及び(24)の態様を説明する図である。図10のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着活性炭層、銀担持ゼオライト層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBM及びCHと、DMS及びTHTとを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層でTBM及びCH付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でDMS及びTHT除去部を構成している。
【0098】
TBM及びCH付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着活性炭はDTBDSを良好に吸着し、CHも吸着する。すなわち、TBM及びCH付臭剤除去部の臭素添着活性炭層ではDTBDSとCHを吸着する。TBM及びCH付臭剤除去部を出た原燃料をDMS及びTHT除去部に通して銀担持ゼオライトにDMS及びTHTを吸着させる。DMS及びTHT除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0099】
そして、TBM及びCH付臭剤除去部、DMS及びTHT付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0100】
〈本発明(11)及び(25)の態様〉
図11は本発明(11)及び(25)の態様を説明する図である。図11のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層、銀担持ゼオライト層、臭素添着活性炭層の4層を通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMと、CH及びDMSと、CHとを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層で一部のCHと、DMS付臭剤除去部を構成し、臭素添着活性炭層でCH除去部を構成している。
【0101】
銀担持ゼオライトはCHも吸着する。しかし、CHの吸着量については決して高くないため、本発明(11)及び(25)では、銀担持ゼオライト層の銀担持ゼオライトは主にDMSの除去剤としての必要量を設計、設定し、当該銀担持ゼオライト層では除去しきれなかったCHについては、その後段の臭素添着活性炭層で吸着除去することを技術思想とするものである。
【0102】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH、DMS付臭剤除去部に通して銀担持ゼオライトに一部のCH、DMSを吸着させる。CH、DMS除去部を出た原燃料をCH除去部に通して臭素添着活性炭にCHを吸着させる。CH除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0103】
そして、TBM付臭剤除去部、CH、DMS除去部、CH除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0104】
〈本発明(12)及び(26)の態様〉
図12は本発明(12)及び(26)の態様を説明する図である。図12のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層、銀担持ゼオライト層、臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCH、DMS、THTとCHとを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、銀担持ゼオライト層で一部のCH、DMS、THT付臭剤除去部を構成し、臭素添着活性炭層でCH除去部を構成している。
【0105】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH、DMS、THT付臭剤除去部に通して銀担持ゼオライトに一部のCH、DMS、THTを吸着させる。CH、DMS、THT付臭剤除去部を出た原燃料をCH除去部に通して臭素添着活性炭にCHを吸着させる。CH除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0106】
そして、TBM付臭剤除去部、CH、DMS、THT除去部、CH除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0107】
〈本発明(13)及び(27)の態様〉
図13は本発明(13)及び(27)の態様を説明する図である。図13のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層、臭素添着活性炭層、銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHとDMSとを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、臭素添着活性炭層でCH除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でDMS付臭剤除去部を構成している。
【0108】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH除去部に通して臭素添着活性炭にCHを吸着させるのに続き、DMS付臭剤除去部に通して銀担持ゼオライトにDMSを吸着させる。DMS付臭剤除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0109】
そして、TBM付臭剤除去部、CH除去部、DMS付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0110】
〈本発明(14)及び(28)の態様〉
図14は本発明(14)及び(28)の態様を説明する図である。図14のとおり、原燃料から改質ガス生成に至る流れ方向でみて、原燃料を順次、遷移金属酸化物を含む層、臭素添着無しの活性炭層、臭素添着活性炭層、銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるTBMとCHとDMS、THTとを吸着除去する。遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層でTBM付臭剤除去部を構成し、臭素添着活性炭層でCH除去部を構成し、銀担持ゼオライト層でDMS、THT付臭剤除去部を構成している。
【0111】
TBM付臭剤除去部の遷移金属酸化物によってTBMを二量体化する。DTBDSを臭素添着無しの活性炭層に通してDTBDSを吸着させる。臭素添着無しの活性炭はDTBDSを良好に吸着する。TBM付臭剤除去部を出た原燃料をCH除去部に通して臭素添着活性炭にCHを吸着させるのに続き、DMS、THT付臭剤除去部に通して銀担持ゼオライトにDMS、THTを吸着させる。DMS、THT付臭剤除去部を出た原燃料に水混合部で水(プロセス水)を混合する。水(プロセス水)は加熱器で加熱して水蒸気に変えて供給する。
【0112】
そして、TBM付臭剤除去部、CH除去部、DMS、THT付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置する。ガード触媒層に配置する脱硫剤としては、そのように原燃料と水蒸気との混合流中の硫黄分を0.1ppbレベルにまで除去し得る性能を有する脱硫剤を使用する。
【0113】
〈本発明のガード触媒層を一体型円筒式水蒸気改質器に対しても適用する態様:一体型円筒式水蒸気改質器におけるガード触媒層の設置位置、等〉
本発明は、原燃料から水素を製造する、改質触媒層、CO変成触媒層、CO除去触媒層を一体化した円筒式水蒸気改質器に対しても適用することができる。以下、本発明のガード触媒層をそのような円筒式水蒸気改質器に対しても適用する態様について説明する。本明細書中、改質触媒層、CO変成触媒層、CO除去触媒層を一体化した円筒式水蒸気改質器を適宜“一体型円筒式水蒸気改質器”と略称する。
【0114】
一体型円筒式水蒸気改質器は、(a)同心状に間隔を置いて配置された順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び第4円筒体を備え、そのうち、前記第1円筒体は底板を備え、第3円筒体は底板を備えており、(c)前記第1円筒体の内側にバーナを備え、(d)前記第1円筒体と前記第2円筒体により半径方向に区画された間隙に、原燃料を改質する改質触媒層と、その上流側に原燃料を予熱する予熱層を備え、(e)前記第2円筒体と前記第3円筒体との間に形成された間隙のうち、前記改質触媒層が位置する部位の間隙に熱回収層が形成され、(f)前記第2円筒体と前記第4円筒体との間で、前記熱回収層に続く間隙にCO変成触媒層が配置され、(g)前記第2円筒体と前記第3円筒体との間に形成された間隙のうち、前記CO変成触媒層からの改質ガスの流れ方向の下流側にCO除去触媒層が配置されて構成される。
【0115】
そして、本発明は、そのような一体型円筒式水蒸気改質器に対して、前記予熱層から続く前記改質触媒層の入口部に極微量の硫黄を除去する脱硫剤からなるガード触媒層(ガード触媒部)を配置するものである。図17〜18はその態様例を説明する図である。
【0116】
図17のとおり、直径を順次大きくした、第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3が中心軸を同一にして間隔を置いて配置され、第3円筒体3の上部には第3円筒体3より直径を大きくした第4円筒体4が配置されている。図17中、一点鎖線はその中心軸を示し、矢印はその中心軸の方向、すなわち軸方向を示している。第1円筒体1の内側には中心軸を同じくして、第1円筒体1より直径の小さい円筒状の伝熱隔壁すなわち輻射筒5が配置され、輻射筒5内にはバーナ6が配置されている。バーナ6は、中心軸部に配置され、輻射筒5の内側に上蓋兼バーナ取付台7を介して取り付けられている。
【0117】
輻射筒5は、その下端と第1円筒体1の底板8の間に間隔を設けて配置してあり、この間隙と、これに連なる輻射筒5と第1円筒体1の間の空隙とがバーナ6からの燃焼排ガスの排気通路9を形成している。底板8は第1円筒体1の直径に対応した直径で円盤状に構成されている。排気通路9は、その上部で排気通路9の上蓋(上蓋兼バーナ取付台7の下面)と隔壁10(後述予熱層14とCO除去触媒層36の上蓋)の間の間隙を経て燃焼排ガス排出管11に連なり、燃焼排ガスはここから排出される。
【0118】
符号12は原燃料の供給管である。第1円筒体1と第2円筒体2の間の空間内にはその上部に予熱層14、予熱層14に続く下部に改質触媒層16が設けられている。予熱層14の内部に一本の棒材(丸棒等)15が螺旋状に配置され、これにより予熱層14の内部に連続した螺旋状のガス通路が形成されている。改質触媒層16の改質触媒は、その下端部で多孔板、網目体等の支持体17で支持されている。棒材15は複数本でもよい。
【0119】
供給管12から供給された原燃料は、混合部13で水(水蒸気)が混合された後、予熱層14を経て、改質触媒層16に導入され、混合ガス中の炭化水素系原料が下降しながら水蒸気により改質される。改質触媒層16における改質反応は吸熱反応であり、バーナ6で発生する燃焼熱を吸収して改質反応が進行する。すなわち、バーナ6での燃焼ガスが輻射筒5と第1円筒体1の間の排気通路9を流通して通過するときに、燃焼ガスの熱が改質触媒層16に吸収され、改質反応が進行する。
【0120】
第2円筒体2の下端は第3円筒体3の底板18との間に間隔を置いて配置してあり、第2円筒体2と第3円筒体3の間は、改質ガスの流通路19を構成している。底板18は第3円筒体3の直径に対応した直径で円盤状に構成されている。改質ガスは、第2円筒体2の下端と第3円筒体3の底板18の間で折り返して第2円筒体2と第3円筒体3の間で形成された流通路19を流通する。第3円筒体3の上部には第3円筒体3より直径を大きくした第4円筒体4が配置され、第2円筒体2と第4円筒体4の間にCO変成触媒層22が設けられている。
【0121】
第3円筒体3の上端部と第4円筒体4の下端部には板体20(第3円筒体3の直径に相当する部分は第3円筒体3で占められるので、ドーナツ状の板体)が配置され、板体20の上に、間隔を置いてガス流通用の複数の孔を有する支持板21(第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるので、ドーナツ状の支持板)が配置されている。CO変成触媒層22は、支持板21とガス流通用の複数の孔を有する仕切板23(第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の仕切板、CO変成触媒層22の上部)の間に設けられている。支持板21、仕切板23は金属製等の網目体で構成してもよく、この場合には網目体の網目がガス流通孔となる。流通路19を流通した改質ガスは、支持板21の孔を経てCO変成触媒層22に供給される。
【0122】
上記のとおり、CO変成触媒層22は、第2円筒体2と第4円筒体4の間に設けられているが、第4円筒体4の外周には間隔を置いて円筒体25が配置され、その間に断熱材24が配置されている。円筒体25の外周には水供給管26から連なる伝熱管27が直接螺旋状に巻き付けてある。伝熱管27はCO変成触媒層22を間接的に冷却する冷却機構として作用する。CO変成触媒層22では、CO変成反応「CO+H2O→CO2+H2」により、改質ガス中のCOが二酸化炭素に変成され、併せて水素が生成する。
【0123】
断熱材24は、伝熱管27による冷却作用により、CO変成触媒層22の温度を低下させ過ぎず、適度な温度に均一に保持できる厚さに巻き付けてある。伝熱管27は、水供給管26から供給される水(=プロセス水)のボイラーとしての機能を備え、また水供給管26から続く連続した1つの通路となっているので、複数の通路では生じる部分的な滞留等が生じない。
【0124】
ここで、CO変成器から出る改質ガスは、未反応の原燃料(メタン等)と余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素からなっている。このうち水素が燃料電池の燃料となるが、CO変成触媒層22を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、1%(容量%)程度以下ではあるが、尚COが含まれている。
【0125】
燃料電池に供給する水素中のCOの許容濃度は10ppm(ppm=容量ppm、以下同じ)程度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化する。このため、改質ガスはCO変成触媒層22によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO除去触媒層36に供給される。CO除去触媒層36では酸化剤ガスが添加され、COの酸化反応によりCOをCO2に変えることでCOを除去し、CO濃度を10ppm以下、あるいは5ppm以下というように低減させる。なお、酸化剤ガスとしては空気、酸素富化空気、酸素などが使用されるが、通常は空気であるので、以下空気と記載する。
【0126】
仕切板23の上方には所定の間隔を置いて1つの連通孔29を有する仕切板28が設けてあり、両板間の空間に空気供給管30を通してCO除去用空気が供給される。仕切板28の上方には円環状の通路31が設けてある。連通孔29を、所定の孔径で、且つ、1つとすることにより、改質ガスとCO除去用空気が連通孔29を通過する際に所定の通過速度が得られ、通過時の乱流により改質ガスとCO除去用空気を良好に混合することができる。すなわち、CO変成器から出る改質ガスとCO除去用空気を連通孔29の箇所で集合させた後、CO除去触媒層に供給、分散させるように構成されている。
【0127】
CO除去触媒層36は、第2円筒体2と、これより直径を大きくした円筒体37と、第2円筒体2と円筒体37の間の下部及び上部にそれぞれ間隔を置いて配置された、複数個の孔35を有する支持板34(第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるので、ドーナツ状の板体)と、ガス流通用の複数個の孔39を有する仕切板38(第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるので、ドーナツ状の支持板)と、の間の空間に設けられている。
【0128】
円筒体37の下部にはその円周方向に均等に設けられた複数個の孔33が設けられている。円環状の通路31は、円筒体25と仕切板28と仕切板32と円筒体37で形成された通路であり、それら複数個の孔33と、支持板34の複数個の孔35を介してCO除去触媒層36と連通しており、CO除去用空気が混合された改質ガスがそれら複数個の孔33、35を介してCO除去触媒層36に導入される。CO除去触媒層36は、その上蓋である複数個の孔39を有する仕切板38と隔壁10の間の間隙を介して改質ガス取出管(導出管)40に連通している。また、CO除去触媒層36は円筒体37で囲まれているが、円筒体37の外周には円筒体25の外周の伝熱管27から連なる伝熱管27が直接螺旋状に巻き付けてある。
【0129】
CO除去触媒層36には、CO除去触媒(PROX触媒とも呼ばれる)が充填してあり、PROX触媒によりCO除去反応、すなわちCOの選択的酸化反応によりCOをCO2に変えることでCOを除去し、CO濃度をppmレベルにまで低減させる。COを除去した改質ガスは、その上蓋である仕切板38に設けられた複数個の孔39から排出され、仕切板38と隔壁10の間の間隙を経て改質ガス取出管40から取り出される。第3円筒体3、円筒体25及び円筒体37を含む外周部には断熱材41を配置し、外部への熱の放散を防止している。
【0130】
ところで、例えば上記のような一体型円筒式水蒸気改質器においては、各触媒層が適切な温度分布になるように冷却流路が形成されており、水はその流路を流れながら、各触媒層の熱を回収し蒸発する。改質器に導入される前段で脱硫された原燃料と、水もしくは水蒸気が混合された後に、改質触媒に導入されるのに適した温度(おおよそ400〜450℃)になるまで予熱される。図17にその温度、及び関連する幾つかの箇所の温度例を示している。
【0131】
本発明に係るガード触媒層(ガード触媒部)は、図17中符号“G”として示すように、改質触媒層16の入口部に配置する。当該箇所の温度は400℃ないしその前後であるので、ガード触媒層に配置する脱硫剤はその性能を良好に発揮することができる。
【0132】
CO変成触媒層22は高温CO変成触媒層22aとこれに続く低温CO変成触媒層22bとで構成することもあるが、本発明に係るガード触媒層は、そのようにCO変成触媒層を二層に構成した構造にも適用される。図18はその場合の態様を示している。ガード触媒層は、図18中符号“G”として示すように、改質触媒層16の入口部に配置する。当該箇所の温度は400℃ないしその前後であるので、ガード触媒層に配置する脱硫剤はその性能を良好に発揮することができる。
【0133】
以上、“一体型円筒式水蒸気改質器”についてその一、二の例を説明したが、一体型円筒式水蒸気改質器は、例えば、輻射筒5は必ずしも必須ではなく、また、燃焼排ガス排出管11、原燃料供給管12、水供給管26、空気供給管30のうちの一部または全部を上下方向(図17〜18のように横方向ではなく)に配置するなど各種変形態様で構成される。本発明に係るガード触媒層は、それら何れの態様の水蒸気改質器についても適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 第1円筒体
2 第2円筒体
3 第3円筒体
4 第4円筒体
5 輻射筒
6 バーナ
7 上蓋兼バーナ取付台
8 底板
9 燃焼排ガスの排気通路
10 隔壁
11 燃焼排ガス排出管
12 原燃料供給管
14 予熱層
16 改質触媒層
22 CO変成触媒層
26 水供給管
30 空気供給管
36 CO除去触媒層
37 円筒体
40 改質ガス取出管(導出管)
51 第1の仕切板
52 1個の改質ガス流通孔
54 第2の仕切板
55 1個の改質ガス流通孔
60 ガス流出用の複数の孔
61 隔壁
G ガード触媒層(ガード触媒部)
K 加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類を吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項2】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項3】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項4】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項5】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項6】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、チオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項7】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)前記付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項8】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項9】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類及びシクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項10】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類及びシクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置してなることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項11】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項12】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項13】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項14】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去装置であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去する付臭剤除去部と、
(b)該付臭剤除去部を出た原燃料と水(プロセス水)の混合部から改質触媒層に至るまでの流路中に極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を配置することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の水蒸気改質器における付臭成分除去装置において、ガード触媒層に配置する脱硫剤がCu−Zn系脱硫剤、Ni系脱硫剤、CaO、MgO、CuOおよびZrO2の少なくとも1つからなる脱硫剤であることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去装置。
【請求項16】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類を吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項17】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層の3層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項18】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層の二層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項19】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンとを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項20】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、スルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項21】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、チオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項22】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項23】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項24】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類とシクロヘキセンとスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項25】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の3層に連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類とシクロヘキセンとスルフィド類とチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項26】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン及びスルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項27】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と銀担持ゼオライト層と臭素添着活性炭層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセン、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項28】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項29】
水蒸気改質器に供給する原燃料中の付臭成分を吸着除去する付臭成分除去方法であって、
(a)原燃料を遷移金属酸化物を含む層と臭素添着無しの活性炭層と臭素添着活性炭層と銀担持ゼオライト層の4層を連続的に通過させて原燃料中の付臭成分であるメルカプタン類と、シクロヘキセンと、スルフィド類及びチオフェン類とを吸着除去した後、
(b)原燃料に水(プロセス水)を混合し、
(c)原燃料と水の混合流を極微量の硫黄化合物を除去する脱硫剤からなるガード触媒層を通過させて付臭成分を除去することを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。
【請求項30】
請求項16〜29のいずれか1項に記載の水蒸気改質器における付臭成分除去方法において、ガード触媒層に配置する脱硫剤がCu−Zn系脱硫剤、Ni系脱硫剤、CaO、MgO、CuOおよびZrO2の少なくとも1つからなる脱硫剤であることを特徴とする水蒸気改質器における付臭成分除去方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−148662(P2011−148662A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12638(P2010−12638)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】