説明

水質浄化装置および水質浄化方法

【課題】富栄養化が進んでも十分な効果が得られる水質浄化装置および水質浄化方法を提供する。
【解決手段】浄化すべき原水を汲み出してマイクロナノバブル発生装置6,7が設置されたマイクロナノバブル発生槽2に導入してマイクロナノバブルを発生させ、マイクロナノバブルによって処理水中の好気性微生物を活性化して、処理水中の藻類を硝酸性窒素に分解させ、マイクロナノバブルを含む処理水を、水草13を定植した定植床14を水中に配設した植物栽培槽3に導入し、硝酸性窒素を水草13に養分として吸収させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水質浄化装置および水質浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、池などの水質浄化装置は数多く存在していたが、湖沼の富栄養化が進展していくなかで、環境に悪影響を与えず、安全で、ランニングコストも低く、且つ、処理効率の高い水質浄化装置や水質浄化方法は存在していなかった。
【0003】
また、マイクロナノバブル含有水を利用した水質浄化装置が存在するが、処理水の富栄養化が進行すると、マイクロナノバブルによる水質浄化が追いつかず、十分な浄化効果が得られないという問題があった。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑みて、富栄養化が進んでも十分な効果が得られる水質浄化装置および水質浄化方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明による水質浄化装置は、処理水が導入され、貯留する処理水中にマイクロナノバブルを発生させるマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽と、前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水が導入され、水草が根付くことが可能な定植床を水中に配設した植物栽培槽とを有するものとする。
【0006】
この構成によれば、処理水中に発生させたマイクロナノバブルによって、好気性の微生物を活性化して処理水中の藻類やアンモニア性窒素を分解し、藻類等の分解によって生じる硝酸性窒素を水草に養分として吸収させることで、水質を浄化することができる。また、マイクロナノバブルは、水草による窒素の吸収を促進することもできる。
【0007】
また、本発明の水質浄化装置において、前記マイクロナノバブル発生槽は、処理水に界面活性剤を投入する界面活性剤投入装置を備えてもよい。
【0008】
この構成によれば、マイクロナノバブルを安定して大量に発生させることができ、藻類等の分解を効率よく行える。
【0009】
また、本発明の水質浄化装置において、前記マイクロナノバブル発生槽は、前記マイクロナノバブルの吸気の少なくとも一部にオゾンを供給するオゾン発生装置を備え、前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水を浄化すべき原水に流入し、前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水を含む前記原水を前記植物栽培槽に導入してもよい。
【0010】
この構成によれば、マイクロナノバブル発生槽においてオゾンマイクロナノバブルを発生させ、処理水中の藻類やアンモニア性窒素を酸化分解し、藻類等の分解によって生じる硝酸性窒素を水草に養分として吸収させるが、オゾンマイクロナノバブルを含む処理水を直接植物栽培槽にしないようにすることで、水草がオゾンによってかれる心配がない。
【0011】
また、本発明の水質浄化装置において、前記マイクロナノバブル発生装置は、好ましくは、旋回流型マイクロナノバブル発生機、加圧溶解ポンプ型マイクロナノバブル発生機、コンプレッサー型加圧型マイクロナノバブル発生機およびノズル噴射型マイクロナノバブル発生機の少なくともいずれかと、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機とを含む、種類の異なるものが複数設置されてもよい。
【0012】
この構成によれば、藻類を分解する効果の高い小径のマイクロナノバブルを発生させる小容量のマイクロナノバブル発生装置と、比較的大径のマイクロナノバブルを発生させる大容量のマイクロナノバブル発生装置とを併用することで、相乗効果により微細なマイクロナノバブルを多量に発生させることができ、藻類やアンモニア性窒素を効率よく分解できる。
【0013】
また、本発明の水質浄化装置において、前記定植床は、その下側に空間を形成するように水中に架設されてもよい。
【0014】
この構成によれば、定植床の下側空間を魚類等が住み処または隠れ場所とすることができ、魚類等が水草に付着した藻類や生長した水草を食べるので、水草が効率よく窒素を吸収できる状態が維持される。
【0015】
また、本発明による水質浄化方法は、原水を汲み出してマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽に導入してマイクロナノバブルを発生させ、前記マイクロナノバブルによって処理水中の好気性微生物を活性化して、処理水中の藻類を硝酸性窒素に分解させ、マイクロナノバブルを含む処理水を、水草を定植した定植床を水中に配設した植物栽培槽に導入し、硝酸性窒素を前記水草に養分として吸収させる方法とする。
【0016】
この方法によれば、処理水中に発生させたマイクロナノバブルによって、好気性の微生物を活性化して処理水中の藻類やアンモニア性窒素を分解し、藻類等の分解によって生じる硝酸性窒素を水草に養分として吸収させることで、水質を浄化することができる。
【0017】
また、本発明の水質浄化方法において、前記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を投入してもよく、前記界面活性剤は洗剤であってもよい。
【0018】
この方法によれば、マイクロナノバブルを安定して大量に発生させることができ、藻類等の分解を効率よく行える。
【0019】
また、本発明の水質浄化方法の異なる態様は、浄化すべき原水を汲み出して、少なくとも吸気の一部にオゾンを供給するオゾン発生装置を備えるマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽に導入し、処理水に界面活性剤を投入し、処理水中にオゾンマイクロナノバブルを発生させ、前記オゾンマイクロナノバブルによって処理水中の藻類を酸化分解して、流出した処理水を前記原水に環流させ、前記原水を汲み出して、水草を定植した定植床を水中に配設した植物栽培槽に導入し、硝酸性窒素を前記水草に養分として吸収させる方法とする。
【0020】
この方法によれば、処理水中に発生させたオゾンマイクロナノバブルによって、処理水中の藻類やアンモニア性窒素を酸化分解し、藻類等の分解によって生じる硝酸性窒素を水草に養分として吸収させることで、水質を浄化することができる。
【0021】
また、本発明の水質浄化方法において、前記マイクロナノバブル発生装置は、好ましくは、旋回流型マイクロナノバブル発生機、加圧溶解ポンプ型マイクロナノバブル発生機、コンプレッサー型加圧型マイクロナノバブル発生機およびノズル噴射型マイクロナノバブル発生機の少なくともいずれかと、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機とを含む、種類の異なるものが複数設置されていてもよい。
【0022】
この方法によれば、藻類を分解する効果の高い小径のマイクロナノバブルを発生させる小容量のマイクロナノバブル発生装置と、比較的大径のマイクロナノバブルを発生させる大容量のマイクロナノバブル発生装置とを併用することで、相乗効果により藻類やアンモニア性窒素を効率よく分解できる。
【0023】
また、本発明の水質浄化方法において、前記水草は、川しょうぶであってもよい。
【0024】
この方法によれば、川しょうぶが季節を問わず窒素を吸収することができるので、1年間を通して安定した水質浄化を行うことができる。
【0025】
また、本発明の水質浄化方法において、前記水草は、わさびであってもよい。
【0026】
この方法によれば、湧き水などの比較適富栄養化していない水をさらに清浄化しつつ、高品質のわさびを栽培することができる。
【0027】
また、本発明の水質浄化方法において、前記植物栽培槽において、前記定植床の下側に空間を形成して、魚類、甲殻類および貝類の少なくともいずれかを、前記定植床の下側の空間をその住み処として養殖してもよい。
【0028】
この方法によれば、魚類等が水草に付着した藻類や生長した水草を食べるので、水草が効率よく窒素を吸収できる状態が維持される。
【0029】
また、本発明の水質浄化方法において、前記植物栽培槽において、前記定植床の下側に空間を形成して、冷水魚を、前記定植床の下側の空間をその住み処として養殖してもよい。
【0030】
この方法によれば、水質を浄化しながら、冷水魚のえさを供給することもできるので、冷水魚をストレスなく成長させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、マイクロナノバブルによって好気性の微生物を活性化して処理水中の藻類やアンモニア性窒素を分解し、藻類等の分解によって生じる硝酸性窒素を水草に養分として吸収させることで、安定して効率よく水質を浄化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1実施形態の水質浄化装置1を示す。水質浄化装置1は、マイクロナノバブル発生槽2と、植物栽培槽3とを有し、例えば池4の水を浄化する装置である。
【0033】
水質浄化装置1は、池4から浄化すべき原水を原水ポンプ5で汲み出して、マイクロナノバブル発生槽2に導入するようになっている。マイクロナノバブル発生槽2は、原水が補給される処理水を貯留し、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生器6と、旋回流型マイクロナノバブル発生装置7とを備える。
【0034】
水中ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6は、ブロワ8から空気が供給され、吸い込んだ処理水を回転撹拌して供給された空気を分散させることでマイクロナノバブルを生成するものである。水中ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6は、例えば、処理水中に毎分5リットルの空気を導入してマイクロナノバブルとする能力があるが、形成されるマイクロナノバブルがやや大きめになる特性がある。
【0035】
旋回流型マイクロナノバブル発生装置7は、マイクロナノバブル発生槽2の処理水を循環ポンプ9で吸い出して、旋回流型マイクロナノバブル発生器10に導入し、旋回流型マイクロナノバブル発生器10内における水流によって調節弁11を介して空気を自給し、空気を剪断することでマイクロナノバブルを発生することができる。旋回流型マイクロナノバブル発生装置7は、例えば、毎分1リットルの空気をマイクロナノバブルとして処理水中に導入する能力があり、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生器6に比して微細なマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0036】
マイクロナノバブル導入槽2からオーバーフローした処理水は、オーバーフロー流路12を介して、植物栽培槽3に導入される。
【0037】
植物栽培槽3は、処理水が一定方向に流れる人工水路である。植物栽培槽3には、例えば川しょうぶ等の水草13が根付くことが可能な定植床14を形成する植物栽培容器15が配設されている。
【0038】
植物栽培容器15は、例えば、図2に示すように、側壁に魚が出入りできるように穴16を開けた例えばFRP製の容器であり、その中程に多孔板17を架設し、多孔板17の上に礫(小石)等を敷き詰めることで、定植床14を形成するとともに、定植床14の下側に空間を形成している。植物栽培槽3において、植物栽培容器15は、定植床14が水没して水草13が根付くことができるように配置される。
【0039】
多孔板17は、パンチングメタルやワイヤメッシュなどからなり、水草13は、その根13aが多孔板17を貫通して下側空間に延伸することができるようになっている。
【0040】
定植床14の下部空間は、外部から隔離されており、魚類、甲殻類および貝類の住み処に適するように形成されている。よって、定植床14を架設する高さや、穴16の大きさ等は、住まわせる魚類等の種類に応じて設定することができる。
【0041】
図1に戻ると、植物栽培槽3からオーバーフローした処理水は、環流路19を介して池4に返送されるようになっている。また、循環ポンプ9の吐出側を分岐した洗浄配管20,21は、原水ポンプ5の吐出配管や環流路19を洗浄する際にのみ使用される。
【0042】
続いて、本実施形態の水質浄化装置1の作用について説明する。
池4の藻類等を含む原水は、マイクロナノバブル発生槽2に汲み上げられ、マイクロナノバブルが導入される。
【0043】
マイクロナノバブル発生槽2は、ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6によって処理水中に大きめのマイクロナノバブルを発生させる。このマイクロナノバブルを含む処理水が、旋回型マイクロナノバブル発生装置7に取り込まれると、ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6によって発生した大きめのマイクロナノバブルがさらに剪断され、より小さいマイクロナノバブルになる。つまり、旋回型マイクロナノバブル発生装置7は、空気量1L/分の微細なマイクロナノバブルを処理水中に発生させるだけでなく、ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6が形成した大きめのマイクロナノバブルを剪断してより多くの、且つ、より微細なマイクロナノバブルを形成するのである。
【0044】
このように、大径大容量のマイクロナノバブル発生装置7と小径小容量のマイクロナノバブル発生装置7を併用することで、微細なマイクロナノバブルを効率よく大量に生成することができる。
【0045】
小容量の微細なマイクロナノバブルを発生するものとして、旋回型マイクロナノバブル発生装置7に代えて、加圧溶解ポンプ型マイクロナノバブル発生機、コンプレッサー型加圧型マイクロナノバブル発生機またはノズル噴射型マイクロナノバブル発生機が適用できる。また、大径大容量のマイクロナノバブル発生装置7および小径小容量のマイクロナノバブル発生装置7は、それぞれ、複数設けてもよく、3種類以上のマイクロナノバブル発生装置を設置してもよい。
【0046】
マイクロナノバブル発生槽2において、マイクロナノバブルは、処理水中の好気性微生物を活性化し、処理水中の藻類やアンモニア性窒素を硝酸性窒素に分解する。
【0047】
藻類やアンモニア性窒素が分解されて生じる硝酸性窒素を含む処理水は、オーバーフロー流路12を介して植物栽培槽3に導入される。
【0048】
植物栽培槽3では、水草13が、光合成を行うために、処理水中の硝酸性窒素を養分として、その根から吸収する。つまり、処理水中の硝酸性窒素は、水草に吸収されて水草の組織中に固定される。
【0049】
定植床14の下側空間に住む魚等は、水草13の表面に付着した藻類やその死骸、および、成長しすぎた水草13を食べて成長する。このため、水草13は、常に、適切に日光を浴びることができ、効率よく光合成を行うことができる状態に維持される。
【0050】
水草によって硝酸性窒素を吸収除去した処理水は、藻類が発生し難く、植物栽培槽3からオーバーフローした処理水を環流路19を介して池4に環流することで、池4における藻類の発生を低減することができる。つまり、池4の水を水質浄化装置1に繰り返して循環させることで、その透明度を高めることができる。
【0051】
また、池4の原水が、例えば湧き水であって比較的清浄度が高い場合、植物栽培槽3において、例えばわさび等の食用の水草13を栽培することもできる。特に、水質浄化装置1でわさびを栽培すると、墨入り病の発生を抑え、品質のよいわさびを生産することができる。
【0052】
また、池4の原水が、例えば湧き水等である場合、定植床14の下側空間で、例えばマス等の冷水魚のような食用魚を養殖することもできる。水質浄化装置1によって、水質が良好に維持されるので、冷水魚はストレスなく成長する。
【0053】
図3に、本発明の第2実施形態の水質浄化装置1を示す。以降の説明において、先に説明した構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態の水質浄化装置1のマイクロナノバブル発生槽2は、貯留している処理水に界面活性剤を一定量投入する界面活性剤投入装置22を備えている。界面活性剤投入装置22により投入する界面活性剤は、できるだけ微生物による分解が容易なものを使用することが好ましく、例えば、安価な家庭用の洗剤等を用いることができる。
【0055】
マイクロナノバブル発生槽2の処理水に界面活性剤を投入することで、マイクロナノバブルの発生を容易にし、且つ、発生したマイクロナノバブルが長時間持続する。これによって、処理水中の好気性微生物を活性化して藻類等を分解させる効果が高くなる。
【0056】
よって、本実施形態の水質浄化装置1は、第1実施形態よりも、より富栄養化度が高い池などの水質浄化に適用できる。
【0057】
図4に、本発明の第3実施形態の水質浄化装置1を示す。本実施形態では、マイクロナノバブル発生槽2からオーバーフローした処理水を、オーバーフロー流路12aを介して池4に環流させている。また、オゾン発生装置24がポンプ型マイクロナノバブル発生装置6の吸気にオゾンを供給するようになっている。
【0058】
また、植物栽培槽3には、池4に設置したポンプ25により、清浄化すべき原水が汲み上げられて供給されるようになっている。
【0059】
本実施形態では、ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6により、マイクロナノバブル発生槽2に貯留している処理水中にオゾンマイクロナノバブルが導入される。オゾンマイクロナノバブルは、オゾンが有する強力な酸化力により、処理水中の藻類を枯らす作用を有する。
【0060】
本実施形態では、オゾンマイクロナノバブルを含有する処理水を池4にオーバーフロー流路12aを介して環流させている。これは、オゾンマイクロナノバブルを含有する処理水を、植物栽培槽3に直接導入すると、オゾンの酸化力によって、植物3を枯らしたり、定植床14の下側空間に住んでいる魚類等に悪影響を与えるからである。
【0061】
本実施形態の水質浄化装置1は、特に、処理水中の藻類を枯らして除去する能力が高いので、第2実施形態よりも、さらに富栄養化度が高い場合、つまり、藻類が多く発生しているような場合に適用される。
【0062】
オゾン発生装置24は、図5に示す本発明の第4実施形態の水質浄化装置1のように、旋回型マイクロナノバブル発生装置7の吸気に接続してもよく、図6に示す本発明の第5実施形態の水質浄化装置1のように、ポンプ型マイクロナノバブル発生装置6および旋回型マイクロナノバブル発生装置7の両者の吸気に接続してもよい。
【0063】
(実験例)
図2に示す第2実施形態の水質浄化装置1を検証するために、容量2mの2つの人工池4、容量0.1mのマイクロナノバブル発生槽2、容量1mの植物栽培槽3を用意し、植物栽培槽3に容量0.05mの植物栽培容器15を配置して実験を行った。
【0064】
人工池4には、それぞれ、液体肥料40mlとアオミドロの種子とを投入して、一方の人工池4の水だけを水質浄化装置1に循環させた。
【0065】
2週間後、水を水質浄化装置1に循環した人工池4には藻の発生が見られなかったが、水質浄化装置1を適用しなかった人工池4の水面には、多量の藻が発生した。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態の水質浄化装置の概略構成図。
【図2】図1の水質浄化装置の植物栽培容器の詳細図。
【図3】本発明の第1実施形態の水質浄化装置の概略構成図。
【図4】本発明の第1実施形態の水質浄化装置の概略構成図。
【図5】本発明の第1実施形態の水質浄化装置の概略構成図。
【図6】本発明の第1実施形態の水質浄化装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0067】
1 水質浄化装置
2 マイクロナノバブル発生槽
3 植物栽培槽
4 池
6 ポンプ型マイクロナノバブル発生装置
7 旋回型マイクロナノバブル発生装置
13 水草
14 定植床
15 植物栽培容器
22 界面活性剤投入装置
24 オゾン発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理水が導入され、貯留する処理水中にマイクロナノバブルを発生させるマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽と、
前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水が導入され、水草が根付くことが可能な定植床を水中に配設した植物栽培槽とを有することを特徴とする水質浄化装置。
【請求項2】
前記マイクロナノバブル発生槽は、処理水に界面活性剤を投入する界面活性剤投入装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化装置。
【請求項3】
前記マイクロナノバブル発生槽は、前記マイクロナノバブルの吸気の少なくとも一部にオゾンを供給するオゾン発生装置を備え、
前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水は、浄化すべき原水に流入し、前記マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水を含む前記原水を前記植物栽培槽に導入することを特徴とする請求項1または2に記載の水質浄化装置。
【請求項4】
前記マイクロナノバブル発生装置は、種類の異なるものが複数設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水質浄化装置。
【請求項5】
前記マイクロナノバブル発生装置は、旋回流型マイクロナノバブル発生機、加圧溶解ポンプ型マイクロナノバブル発生機、コンプレッサー型加圧型マイクロナノバブル発生機およびノズル噴射型マイクロナノバブル発生機の少なくともいずれかと、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機とを含むことを特徴とする請求項4に記載の水質浄化装置。
【請求項6】
前記定植床は、その下側に空間を形成するように水中に架設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水質浄化装置。
【請求項7】
浄化すべき原水を汲み出してマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽に導入してマイクロナノバブルを発生させ、前記マイクロナノバブルによって処理水中の好気性微生物を活性化して、処理水中の藻類を硝酸性窒素に分解させ、
マイクロナノバブルを含む処理水を、水草を定植した定植床を水中に配設した植物栽培槽に導入し、硝酸性窒素を前記水草に養分として吸収させることを特徴とする水質浄化方法。
【請求項8】
前記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を投入することを特徴とする請求項7に記載の水質浄化方法。
【請求項9】
前記界面活性剤は洗剤であることを特徴とする請求項8に記載の水質浄化方法。
【請求項10】
原水を汲み出して、少なくとも吸気の一部にオゾンを供給するオゾン発生装置を備えるマイクロナノバブル発生装置が設置されたマイクロナノバブル発生槽に導入し、処理水に界面活性剤を投入し、処理水中にオゾンマイクロナノバブルを発生させ、前記オゾンマイクロナノバブルによって処理水中の藻類を酸化分解し、
マイクロナノバブル発生槽から流出した処理水を前記原水に環流させ、
前記原水を汲み出して、水草を定植した定植床を水中に配設した植物栽培槽に導入し、硝酸性窒素を前記水草に養分として吸収させることを特徴とする水質浄化方法。
【請求項11】
前記マイクロナノバブル発生装置は、種類の異なるものが複数設置されていることを特徴とする請求項10に記載の水質浄化方法。
【請求項12】
前記マイクロナノバブル発生装置は、旋回流型マイクロナノバブル発生機、加圧溶解ポンプ型マイクロナノバブル発生機、コンプレッサー型加圧型マイクロナノバブル発生機およびノズル噴射型マイクロナノバブル発生機の少なくともいずれかと、水中ポンプ型マイクロナノバブル発生機とを含むことを特徴とする請求項11に記載の水質浄化方法。
【請求項13】
前記水草は、川しょうぶであることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の水質浄化方法。
【請求項14】
前記水草は、わさびであることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の水質浄化方法。
【請求項15】
前記植物栽培槽において、前記定植床の下側に空間を形成して、魚類、甲殻類および貝類の少なくともいずれかを、前記定植床の下側の空間をその住み処として養殖することを特徴とする請求項7から14のいずれかに記載の水質浄化方法。
【請求項16】
前記植物栽培槽において、前記定植床の下側に空間を形成して、冷水魚を、前記定植床の下側の空間をその住み処として養殖することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の水質浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−93624(P2008−93624A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281229(P2006−281229)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】