Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2007-268393 [meishou] => 塗装室用除湿及び有機溶剤処理システム ) [prev] => Array ( [id] => A,2007-268391 [meishou] => 予備吐出装置及び予備吐出方法 ) ) 汚染水の処理方法

汚染水の処理方法

【課題】粉状の浄化剤を用いて、簡単な操作で経済的に効率よく汚染水を処理する方法を提供する。
【解決手段】粉状の浄化剤による重金属及びその他の有害物を含む汚染水の処理法において、酸化鉄及び石膏を主成分とする浄化剤を砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆させた後カラムあるいは浄化壁に充填し、これに汚染水を通液する汚染水の処理方法。又、破過後の浄化剤は水洗、篩い分けにより原材料の骨材を回収する事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚染水の処理方法に関するものであり、更に詳しく述べるならば、酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤を砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆させた後カラムあるいは浄化壁に充填し、これに重金属及びその他の有害物を含む汚染水を通液することにより浄化する汚染水の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
汚染水に含まれる重金属等有害物の処理には多くの種類の浄化剤が提案されているが、酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤は安価である上、粒径が小さく、比表面積が大きいため、物理吸着、化学吸着に優れており、重金属処理に有効である。さらに、含まれる石膏により重金属だけでなくリン、ふっ素の除去にも有効である。
【0003】
しかし、このような粉状の浄化剤は粒径が小さいためカラムあるいは浄化壁に充填すると透水性がなくなり使うことはできず、汚染水の処理に使用するには、もっぱら汚染水に浄化剤を添加し撹拌して吸着した後、固液分離するといった使い方に限定される。
【特許文献1】特開2003−088880
【特許文献2】特開2004−209424
【特許文献3】特開2004−255376
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、汚染水に浄化剤を添加し撹拌して吸着した後、固液分離するといった使い方では、反応槽、撹拌機、ろ過機といった多くの設備と煩雑な操作が必要となる上、処理後液の有害物濃度を充分に低下させようとすると浄化剤の使用量が多くなり不経済である。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決し、簡単な操作で経済的に効率よく汚染水を処理する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明を示す。
(1)粉状の浄化剤による重金属及びその他の有害物を含む汚染水の処理法において、
酸化鉄及び石膏を主成分とする浄化剤を砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆させた後
カラムあるいは浄化壁に充填し、これに汚染水を通液する汚染水の処理方法。
(2)浄化剤に対して50〜125%の水を加え、これに砂、砂利、砕石等の骨材を加えて混合し浄化剤を表面に被覆する(1)記載の汚染水の処理方法。
(3)破過後の浄化剤は適量の水を加え回転式または振とう式の洗浄機で共洗いすることにより砂、砂利、砕石等の骨材の表面から洗い落とし、使用した骨材より小さな目の篩を用いて分離した後、砂、砂利、砕石等は骨材として再使用し、浄化剤を含む水は必要に応じて排水処理した後固液分離し、水は放流、使用済み浄化剤は中間処理もしくは廃棄処分する(1)記載の汚染水の処理方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、骨材に被覆した浄化剤を充填したカラム又は浄化壁に汚染水を通水するという簡単な操作で浄液が可能となり、添加法に比較して浄化剤の使用量も大幅に減少させることができるので経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
汚染水に含まれる重金属を始めとする色々な有害物を処理するために吸着剤を使用する方法があるが、吸着剤には、イオン交換樹脂、キレート樹脂等の有機系吸着剤、ゼオライト、活性アルミナ、酸性白土等の無機系吸着剤、および活性炭など多くの種類があり、汚染物質の種類、形態に応じ、価格等を考慮して選定されている。
【0009】
これらの浄化剤の中で酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤は安価である上、粒径が小さく、比表面積が大きいため、物理吸着、化学吸着に優れており、重金属処理に有効である。さらに、含まれる石膏により重金属だけでなくリンやふっ素の除去にも有効である。
【0010】
しかし、通常このような粉状の浄化剤は粒径が小さいためカラムあるいは浄化壁に充填すると透水性がなくなり使うことはできず、汚染水の処理に使用するには、もっぱら汚染水に浄化剤を添加し撹拌して吸着した後、固液分離するといった使い方に限定される。
【0011】
このような、汚染水に浄化剤を添加し撹拌して吸着した後、固液分離するといった使い方では、反応槽、撹拌機、ろ過機といった多くの設備と煩雑な操作が必要となる上、処理後液の有害物濃度を充分に低下させようとすると浄化剤の使用量が多くなり不経済である。
【0012】
粉状の浄化剤をあえてカラムや浄化壁に用いようとすると、造粒したり多孔性物質に吸着させるといった透水性のある形状に加工することが必要になり、多くの労力、費用を必要とする。
【0013】
そこで種々検討した結果、酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤では特にバインダーを添加することなく、含まれる石膏の水和固化反応により、容易に砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆させることができ、カラムあるいは浄化壁に充填して使用できることを見出した。
【0014】
ここでいう酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤は、Fe2O3で25〜40%、CaSO4で35〜55%の範囲の組成からなり、結晶水を含んでいる。主成分の酸化鉄及び石膏の他、吸着特性を向上させるため、珪素、アルミニウム、マンガンの酸化物、水酸化物等の化合物を含むこともある。また、骨材は砂、砂利、砕石等であるが耐久性、耐摩耗性があり化学的、物理的に安定なものであれば天然、人工を問わない。
【0015】
浄化剤を砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆するには、浄化剤に対して、50〜125%の水を加え、これに骨材を加えて混合する。水添加量50%未満では浄化剤全体に水が行きわたらないため骨材表面にうまく被覆することができず、125%を超すと砕石に被覆される量が減り、浄化剤がべたついて取り扱いが不便で容器や撹拌機への付着も多くなってしまうからである。なお、原料を投入する順序は特に規程されるものではなく、骨材に適量の水を加えてから浄化剤を投入したり、水を何回かに分けて添加することも可能である。
【0016】
骨材の表面に被覆させた浄化剤は、カラムあるいは浄化壁に充填し、これに汚染水を通液することにより浄化を行う。浄化剤の寿命は、処理後液(流出水)の対象成分の分析を行うことにより把握する。図1に本発明の浄化カラムによる汚染排水の処理方法使用例を、図2に本発明の浄化壁による地下汚染水の処理方法使用例を示す。
【0017】
破過後の浄化剤はそのまま骨材ごと中間処理もしくは廃棄処分してもよいが、廃棄物の減量という観点からは以下の方法により骨材と使用済み浄化剤を分離し、浄化剤だけ中間処理もしくは廃棄処分とし、骨材は再使用することが好ましい。すなわち、使用済み浄化剤に適量の水を加え回転式または振とう式の洗浄機で共洗いすることにより骨材の表面から浄化剤を洗い落とし、使用した骨材より小さな目の篩を用いて骨材と浄化剤を含むスラリー液を分離した後、骨材は再使用し、浄化剤を含むスラリー液は必要に応じて排水処理した後固液分離し、水は放流、使用済み浄化剤は中間処理もしくは廃棄処分する。
【実施例】
【0018】
以下、実施例により更に詳しく本発明を説明する。なお、実施例は砒素について記載しているが、砒素だけに限定されるものではなく、本浄化剤で吸着することのできるその他の重金属やリン、ふっ素に対しても有効である。
(実施例1)
(浄化剤の吸着能力把握試験)
浄化剤の吸着能力評価のため振とう試験により等温吸着曲線を求めた。用いた浄化剤は酸化鉄及び石膏を主成分とする粉状の浄化剤で、分析の結果、Fe2O3 29%、CaSO4 43%を含んでいた。浄化剤の粒径をレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所SALD−2100)で測定した結果、平均粒径は5μmであった。この浄化剤の所定量を三角フラスコに秤り取り、砒素溶液(砒酸溶液から調整)500mlを加えて密栓し、振とう機により6時間振とうした。振とう終了後、1μmのメンブレンフィルターでろ過し、ろ液の分析を行い、吸着量を求めた。
浄化剤の使用量、砒素溶液濃度を変動させて試験した結果を表1に示す。
この結果から求めた等温吸着線を図3に示す。
プロットはほぼ直線上にのっており、吸着はFreundlichの吸着式に従っていることがわかる。
例えば平衡に達したとき、溶液の砒素濃度が0.01mg/l、0.1mg/l、1mg/lであれば浄化剤1グラムに吸着される砒素量はそれぞれ、およそ6.5mg、10mg、16mgである。


【表1】

この試験により、処理液の砒素濃度を予め把握して、所定量の浄化剤を使用することにより、本発明を有効に実施できる。
【0019】
(実施例2)
(砕石等に浄化剤を被覆する際の適正な水添加量)
実施例1に使用したのと同じ浄化剤40gに骨材として7号砕石400gを入れ、これに所定量の水を加えてよく混合し、砕石表面の浄化剤被覆状況を観察した。
次いで、砕石に被覆した浄化剤を内径40mm、長さ30cmのガラス管に詰め浄化カラムを作製し、浄化カラムの下部より水140ml/hrをチューブ式ポンプで送水し、上部より処理水を流出させ浄化剤の剥離の有無を観察した。
なお、7号砕石の粒度は標準ふるいにより測定したところ2.36mmから4.75mmの範囲が85%であった。
水添加量を変動させて試験した結果を表2に示す。
水添加量50%未満では浄化剤全体に水が行きわたらないため骨材表面にうまく被覆することができず、125%を超すと浄化剤がべたついて砕石に被覆される量が減り、容器への付着が増え、取り扱いが不便である。
即ち、表2に示すように水添加率は、50から125%で行うことが好ましい。
【表2】

【0020】
(実施例3)
(実際に浄化剤を砕石に被覆し、行ったカラム試験
(通液流速と滞留時間を把握する。))
実施例1に使用したのと同じ浄化剤20gに骨材として7号砕石400gを入れ、これに水10mlを加えてよく混合し砕石の表面に浄化剤を被覆した。砕石に被覆した浄化剤は内径40mm、長さ30cmのガラス管に詰め浄化カラムを作製し、浄化カラムの下部より砒素模擬汚染水をチューブ式ポンプで一定の流速で送水し、上部より処理水を流出させた。
浄化カラム作製後、通液するまで特に放置時間はとらなかったが、通液をしても骨材から浄化剤が剥離し流出するというようなことはなかった。
流出水は随時カラム出口で採取し、砒素濃度を分析した。なお、砒素模擬汚染水は、市販の60%砒酸溶液を用いて砒素濃度を10mg/lに調製した。
カラム出口流出水の砒素濃度は、試験開始後しばらくは定量下限の0.001mg/l以下であったが、時間の経過とともに上昇し、砒素濃度が0.01mg/lになった時を破過点とした。
流速を変動させて試験を行ったときの試験結果を表3に示す。
通液の流速が速くなるほど破過するまでの通液量は減少する傾向を示しており、滞留時間が2時間以上になるような速度で通液すれば浄化剤1グラムに吸着する砒素量を10mg以上とすることができる。
滞留時間が短いと吸着量が減少するのは、骨材に被覆された浄化剤の内部に液が浸透するのに時間を要するためと考えられる。
【表3】

【0021】
(比較例)
(浄化剤の量を変動させた比較試験)
実施例3で用いたものと同じ濃度10mg/lの砒素模擬汚染水500mlを三角フラスコに取り、実施例1で使用したのと同じ浄化剤の所定量を加え、振とう機により6時間振とうした。
振とう終了後、1μmのメンブレンフィルターでろ過し、ろ液の分析を行い、吸着量を求めた。浄化剤の使用量を変動させて試験した結果を表4に示す。
処理後液の砒素濃度を下げるには浄化剤の使用量を増やす必要がある。
従って、この方法は、好ましい方法ではない。
即ち、砒素濃度を実施例3で示した0.01mg/l以下にしようとすると、濃度10mg/lの砒素汚染水1リットルに対し、浄化剤1.5gが必要となり、浄化剤1グラムに吸着する砒素量も6.7mgと実施例3と比較して低い。
よって、好ましい方法ではない。
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の浄化カラムによる汚染排水処理方法の使用例を示す。
【図2】本発明の浄化壁による地下汚染水処理方法の使用例を示す。
【図3】浄化剤の砒素に対する等温吸着線を示す。
【符号の説明】
【0023】
1:浄化カラム、2:骨材に被覆した浄化剤、3:ポンプ、4:汚染排水、5:浄化排水、6:浄化壁、7:地表、8:表層、9:透水層、10:不透水層、11:汚染地下水、12:浄化地下水









【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状の浄化剤による重金属及びその他の有害物を含む汚染水の処理法において、
酸化鉄及び石膏を主成分とする浄化剤を砂、砂利、砕石等の骨材の表面に被覆させた後
カラムあるいは浄化壁に充填し、これに汚染水を通液することを特徴とする汚染水の処理方法。
【請求項2】
浄化剤に対して50〜125%の水を加え、これに砂、砂利、砕石等の骨材を加えて混合し浄化剤を表面に被覆することを特徴とする請求項1記載の汚染水の処理方法。
【請求項3】
破過後の浄化剤は適量の水を加え回転式または振とう式の洗浄機で共洗いすることにより砂、砂利、砕石等の骨材の表面から洗い落とし、使用した骨材より小さな目の篩を用いて分離した後、砂、砂利、砕石等は骨材として再使用し、浄化剤を含む水は必要に応じて排水処理した後固液分離し、水は放流、使用済み浄化剤は中間処理もしくは廃棄処分することを特徴とする請求項1記載の汚染水の処理方法。













【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−268392(P2007−268392A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96290(P2006−96290)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(591007860)日鉱金属株式会社 (545)
【Fターム(参考)】