説明

汚泥濃縮装置とこれの洗浄方法及び運転方法

【課題】濾過筒の濾過面外面の汚れを防いで所要の処理量と固形物回収率を確保することができる汚泥濃縮装置の洗浄方法を提供すること。
【解決手段】外筒7内に濾過筒8を収容し、該濾過筒8の内部にスパイラルスクリュー9を回転可能に収容し、該スパイラルスクリュー9を回転駆動することによって、汚泥凝集槽2から前記濾過筒8内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒8の濾過面8aを通過させて分離液として前記外筒7内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒3の内部より排出する汚泥濃縮装置1の洗浄方法として、前記外筒7内に洗浄水(逆洗流体)を噴射することによって、前記外筒7と前記濾過筒8との間に収容された分離液中で洗浄体(立方体)25を旋回せしめ、該洗浄体25によって前記濾過筒8の濾過面8a外面に付着した汚れを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過筒内でスパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながらこれを濃縮するスクリュープレス型の汚泥濃縮装置とこれの洗浄方法及び運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種汚泥を廃棄又は焼却するため、汚泥を脱水機にて脱水処理することが行われるが、脱水機に供給される汚泥は、その濃度が高い程、効率的に脱水処理することができる。このため、汚泥の脱水機による脱水処理に先立って、汚泥を凝集剤で凝集させ、この凝集された汚泥(凝集汚泥)から水分を分離して汚泥を脱水処理に適した濃度まで濃縮することが行われ、これを実施するための汚泥濃縮装置が種々提案されて実用に供されている。
【0003】
このような汚泥濃縮装置として、本出願人が先に提案したスクリュープレス型の汚泥濃縮装置の一例を図7に示す(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
即ち、図7は従来の汚泥濃縮装置1’の基本構成を示す概略図であり、図示の汚泥濃縮装置1’は、上面が開口する円筒タンク状の汚泥凝集槽2と、汚泥を濃縮する固液分離手段3及び分離液を収容する分離液槽4を含んで構成されている。
【0005】
上記汚泥凝集槽2の底部には汚泥供給管5が接続されており、汚泥凝集槽2の内部には、モータM1によって回転駆動される撹拌機6が収容されている。
【0006】
前記固液分離手段3は、密閉構造を有する円筒タンク状の外筒7の内部に円筒状の濾過筒8を縦方向に配置し、該濾過筒8内にスパイラルスクリュー9を回転可能に収容して構成されている。
【0007】
ここで、上記濾過筒8の前記外筒7内に臨む部位の周面は、パンチングプレート又はウェッジワイヤー等から成る濾過面8aを構成しており、濾過筒8の下部側方には、前記汚泥凝集槽2の上部側方から導出する凝集汚泥導入管10が接続されている。又、濾過筒8の上部側方からは濃縮汚泥排出管11が導出している。
【0008】
又、前記スパイラルスクリュー9は、駆動源としてのモータM2によって回転駆動されるものであって、その外径は濾過筒8の濾過面8aの内径よりも僅かに小さく設定されており、該スパイラルスクリュー9の外周縁と濾過筒8の濾過面8aとの間には微小隙間が形成されている。
【0009】
更に、前記分離液槽4は、上下2本の接続管12によって外筒の上下側部に接続されており、その上部側方からは分離液排出管13が導出している。
【0010】
以上の構成を有する汚泥濃縮装置1’においては、前記汚泥供給管5から汚泥凝集槽2に汚泥(原泥)が供給されるが、それ以前に汚泥には凝集剤が添加される。ここで、凝集剤としては、汚泥の凝集・脱水処理に供されるものであれば任意のものを使用することができ、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ鉄(ポリ硫酸第二鉄)等の無機凝集剤、カチオン性、アニオン性、ノニオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等を用いることができ、或は無機凝集剤と高分子凝集剤を併用することもできる。
【0011】
而して、凝集剤が添加された汚泥が汚泥凝集槽2内に供給されると、該汚泥凝集槽2内においては、モータM1によって回転駆動される攪拌機6によって汚泥と凝集剤が撹拌され、汚泥は、これに含まれる固形成分が凝集されて凝集汚泥となる。そして、この凝集汚泥は、凝集汚泥導入管10から濾過筒8内にその下部から導入される。
【0012】
固液分離手段3においては、前記スパイラルスクリュー9は、モータM2によって濾過筒8内で所定の速度で回転駆動されており、濾過筒8内に導入された凝縮汚泥は、回転するスパイラルスクリュー9によって上方へと搬送されるとともに、これに含まれる水分が濾過筒8の濾過面8aを通過して外筒7内に分離液として排出され、この分離液は上下2本の接続管12から分離液槽4へと送られて収容される。尚、濾過筒8内の液位は外筒7内の液位よりも僅かに高く設定されており、両液位の差(ヘッド差)に基づく差圧を濾過圧として汚泥から分離された水分が分離液として濾過筒8の濾過面8aを通過して汚泥の濃縮が安定的に行われる。
【0013】
そして、分離液槽4内に収容された分離液は、分離液排出管13を通って外部へと排出される。又、スパイラルスクリュー9の回転によって濾過筒8内を上方へと搬送される凝集汚泥は、その途中で水分が分離されることによって濃縮されて濃縮汚泥となり、この濃縮汚泥は、前記濃縮汚泥排出管11を通って外部へと排出され、不図示の脱水機による脱水処理に供される。
【0014】
ところで、斯かる汚泥濃縮装置1’においては、濃縮運転を続けると濾過筒8の濾過面8aの濾過孔内に懸濁物質等の固形物が付着して目詰まりが発生する。
【0015】
そこで、濾過筒8の濾過面8aを定期的に逆洗によって洗浄することが行われているが、その一例を図8に示す(特許文献2参照)。
【0016】
図8は従来の洗浄手段を備えた汚泥濃縮装置1’の構成図であり、同図において、14は逆洗流体貯留槽であって、この逆洗流体貯留槽14には洗浄水供給管15から供給された洗浄水が貯留されており、この洗浄水は、圧縮空気供給管16から逆洗流体貯留槽14内に供給される圧縮空気によって所定圧に加圧されている。そして、逆洗流体貯留槽14から導出する逆洗水供給管17は、固液分離手段3の外筒7の側部に接続されており、その途中にはバルブV1’が設けられている。尚、図8において、18は排水管、V2’,V3’はバルブである。
【0017】
而して、汚泥濃縮装置1’の運転によって濾過筒8の濾過面8aに目詰まりが発生すると、バルブV1’が開けられ、逆洗流体貯留槽14内に貯留されている加圧水が逆洗水として逆洗水供給管17から外筒7内へと噴射され、図9(a)に示すように、濾過筒8の濾過面8aに目詰まりを生じさせている懸濁物質等の固形物が逆洗水によって除去され、これによって濾過面8aの目詰まりが解消される。
【特許文献1】特開2003−164899号公報
【特許文献2】特開2004−121955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、濾過筒8の濾過面8aの内面に付着する固形物等の汚れは、濾過筒8内で回転するスパイラルスクリュー9によって常時掻き取られるために濾過面8aの内面には汚れは発生しないが、濾過面8aの外面側では、濾過面8aを通って外筒7内の分離液側へリークした固形物が分離液中に残存する凝集剤によってフロック化されて大きくなり、図9(b)に示すように、この大きくなった固形物が濾過面8aの外面に汚れとして付着するとともに、濾過面8aに目詰まりを生じさせるという問題があった。
【0019】
このように、濾過筒8の濾過面8aの目詰まりの問題に対しては図8に示す従来の洗浄手段及び洗浄方法によって対処することができるが、濾過面8aの外面の汚れの問題には従来の洗浄手段及び洗浄方法によっては対処することができず、この問題に対する解決策が望まれていた。
【0020】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、濾過筒の濾過面外面の汚れを防いで所要の処理量と固形物回収率を確保することができる汚泥濃縮装置とこれの洗浄方法及び運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、
前記外筒内に逆洗流体を噴射する逆洗流体噴射手段と、該逆洗流体噴射手段による逆洗流体の前記外筒内への噴射によって外筒と前記濾過筒との間に収容された分離液中で旋回する洗浄体を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記逆洗流体以外に逆洗空気を前記外筒内に噴射するための逆洗空気噴射手段を設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記洗浄体を、分離液中でゆっくり沈降する程度の比重を有し、その一辺の長さが前記外筒と前記濾過筒の間隔の1/3〜2/3の立方体で構成したことを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記洗浄体を、前記濾過筒又は外筒に回転可能に支持され、前記濾過筒の濾過面外面に摺接するスクレーパ又はブラシを含んで構成したことを特徴とする。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記外筒と前記濾過筒を長さ方向に複数に分割し、各分割部において前記洗浄体を旋回させて濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去するようにしたことを特徴とする。
【0026】
請求項6記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、
前記濾過筒の濾過面外面に摺接する洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動可能に設けたことを特徴とする。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記洗浄体を、前記濾過筒の濾過面外面に摺接する弾性リングの両面を金属リングで挟持して構成したことを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の発明において、前記洗浄体をロープで吊り下げ、該ロープを引き上げることによって洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させることを特徴とする。
【0029】
請求項9記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法として、
前記外筒内に逆洗流体を噴射することによって、前記外筒と前記濾過筒との間に収容された分離液中で洗浄体を旋回せしめ、該洗浄体によって前記濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去することを特徴とする。
【0030】
請求項10記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法として、
前記濾過筒の濾過面外面に摺接する洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させることによって、前記濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去することを特徴とする。
【0031】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明において、更に逆洗空気を前記外筒内に噴射することによって前記濾過筒の濾過孔内の汚れを除去することを特徴とする。
【0032】
請求項12記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の運転方法として、
汚泥濃縮運転を継続しつつ、前記外筒内へ逆洗空気を1〜10分毎に0.05〜1秒間噴射する汚泥濃縮工程と、1〜24時間毎及び/又は濃縮運転終了時に0.5〜10分間前記外筒内に収容した洗浄体を旋回又は濾過筒の長さ方向に移動させることによって濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去する洗浄工程とを有することを特徴とする。
【0033】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記洗浄工程中に、前記外筒内へ逆洗空気を5〜30秒毎に0.05〜1秒間噴射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
請求項1及び9記載の発明によれば、濾過筒の濾過面外面に付着した汚れは、外筒と濾過筒の間の空間に収容された分離液と共に旋回する洗浄体によって効果的に除去されるため、濾過面の目詰まりも防がれ、所要の処理量と固形物回収率(SS回収率)が確保される。
【0035】
請求項2及び11記載の発明によれば、逆洗流体以外に外筒内に噴射される逆洗空気によって濾過筒の濾過面の濾過孔内が逆洗されるため、濾過面外面に付着した汚れの除去と共に濾過面の目詰まりが防がれる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、洗浄体である立方体は、分離液中でゆっくり沈降する程度の比重を有し、その一辺の長さは外筒と濾過筒の間隔の1/3〜2/3に設定されているため、分離液中に浸漬した状態で分離液と共に旋回して濾過面の外面の清掃に供され、その清掃機能が十分発揮される。
【0037】
請求項4記載の発明によれば、洗浄体が分離液と共に回転し、濾過面の外周面に付着した汚れは、濾過面外面に摺接しながら回転するスクレーパ又はブラシによって掻き取られるため、濾過面の外面が確実に清掃される。
【0038】
請求項5記載の発明によれば、濾過筒の長さが長い場合には、該濾過筒を外筒と共に長さ方向に複数に分割し、各分岐部毎に洗浄体の旋回による濾過面外面の洗浄を行うようにしたため、濾過面外面の汚れが該濾過面の全長に亘って均一に除去される。
【0039】
請求項6及び10記載の発明によれば、濾過筒の濾過面外面に付着した汚れは、濾過面外面に摺接しながら濾過筒の長さ方向に移動する洗浄体によって効果的に掻き取られるため、濾過面の目詰まりも防がれ、所要の処理量と固形物回収率(SS回収率)が確保される。
【0040】
請求項7記載の発明によれば、洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させると、その弾性リングは濾過面外面に摺接するため、該弾性リングによって該濾過面外面の汚れが確実に掻き取られる。
【0041】
請求項8記載の発明によれば、洗浄体を吊り下げるロープを引き上げて洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させることによって、濾過筒外面の汚れを洗浄体によって確実に除去することができる。
【0042】
請求項12記載の発明によれば、濃縮運転中に1〜10分毎に空気逆洗を行うことによって濃縮運転中の濾過面の目詰まりを防止するとともに、1〜24時間毎及び/又は濃縮運転終了時に外筒内に収容した洗浄体で濾過面外面を洗浄することによって、濾過面外面に付着した汚れも効果的に除去することができる。
【0043】
請求項13記載の発明によれば、洗浄工程における空気逆洗を通常の濃縮運転時よりも頻繁に行うことによって、洗浄工程で剥離した固形物を濃縮汚泥側に効果的に排出することができ、汚泥の回収率を高めるとともに、剥離した固形物による濾過面の目詰まりを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[第1発明]
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図、図2は図1のA−A線断面図であり、これらの図においては、図7及び図8に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0045】
本発明に係る汚泥濃縮装置1は、図1に示すように、洗浄時に逆洗流体として洗浄水と圧縮空気を外筒7内に噴射する逆洗流体噴射手段として、分離液返送管19、雑用水供給管20、洗浄ポンプ21等と、逆洗空気噴射手段としてのコンプレッサ22、圧縮空気供給管23、空気貯槽24等を備えている。
【0046】
ここで、上記分離液返送管19は、分離液槽4の底部から導出して外筒7の側部に接続されており、その途中にはバルブV1,V2と前記洗浄ポンプ21が設けられている。そして、この分離液返送管19のバルブV2と洗浄ポンプ21の間には前記雑用水供給管20が接続されており、この雑用水供給管20の途中にはバルブV3が設けられている。
【0047】
又、前記コンプレッサ22から導出する前記圧縮空気供給管23は外筒7の側部に接続されており、その途中には前記空気貯槽24とバルブV4が設けられている。尚、空気貯槽24内には所定圧の圧縮空気が貯留されている。
【0048】
ところで、汚泥濃縮装置1の運転によって固液分離手段3の濾過筒8と外筒7の間の円筒状空間には、濾過筒8の濾過面8aを通過した分離液が収容されるが、図2に示すように、この分離液中には洗浄体としての複数の立方体25が浸漬した状態で収容されている。又、図2に示すように、前記分離液返送管19は、外筒7に、その外周面の接線方向に向かって接続されている。
【0049】
ここで、上記立方体25は、分離液中でゆっくり沈降する程度の比重(=1.02〜1.20)を有し、その一辺の長さLは外筒7と濾過筒8の間隔Dの1/3〜2/3に設定されている(L=(1/3〜2/3)D)。
【0050】
本実施の形態に係る汚泥濃縮装置1の濃縮運転中は以下に示す空気逆洗によって濾過面8aの目詰まりが防止される。
【0051】
即ち、バルブV4を開けると、空気貯槽24内に貯留された圧縮空気が圧縮空気供給管23から外筒7内に噴射され、濾過筒8の濾過面8aの濾過孔内に詰まっていた固形物等の汚れが圧縮空気による逆洗によって除去され、これによって濾過面8aの目詰まりが解消される。尚、この圧縮空気による逆洗は、1〜10分に1回の頻度で0.05〜1秒間、好ましくは0.1〜0.2秒間行われる。
【0052】
尚、濾過面8aの内面に付着する固形物等の汚れは、濾過筒8内で回転するスパイラルスクリュー9によって常時掻き取られるために濾過面8aの内面には汚れは発生しない。
【0053】
このように、汚泥濃縮装置1の濃縮運転を継続すると、濾過筒8の濾過面8aの外面に固形物が付着してくるため、以下の洗浄工程、即ち上記圧縮空気による逆洗を継続した状態で、濾過筒8の濾過面8aの外面を以下に示す洗浄方法によって洗浄する。
【0054】
即ち、バルブV1〜V3が開けられるとともに、洗浄ポンプ21が駆動され、分離液槽4内の分離液が雑用水供給管20から供給される雑用水と共に洗浄水として分離液返送管19を通って外筒7内へと噴射される。ここで、分離液返送管19は、前述のように外筒7にその外周面の接線方向に接続されているため、この分離液返送管19から洗浄水が図2に矢印にて示すように外筒7内に接線方向に噴射され、外筒7と濾過筒8の間の円筒状空間に分離液の矢印方向の旋回流を起させる。従って、分離液中に収容された洗浄体としての複数の立方体25が分離液と共に濾過筒8の周囲を旋回し、濾過筒8の濾過面8aに衝突して該濾過面8aの外面に付着している汚れ(図9(b)参照)を除去する。
【0055】
上述のように、濾過筒8の濾過面8aに付着している汚れは、分離液と共に外筒7と濾過筒8の間の空間を旋回する複数の立方体25によって除去されて濾過面8aの外面が清掃されるが、この場合、各立方体25は、前述のように分離液中でゆっくり沈降する程度の比重(=1.02〜1.20)を有し、その一辺の長さLは外筒7と濾過筒8の間隔Dの1/3〜2/3に設定されている(L=(1/3〜2/3)D)ため、分離液中に浸漬した状態で分離液と共に旋回して濾過面8aの外面の清掃に供され、その清掃機能が十分発揮される。因に、立方体25の比重が分離液の比重よりも大き過ぎると、該立方体25が分離液中に沈降してその清掃機能が十分発揮されず、逆に分離液の比重よりも小さ過ぎると、該立方体25が分離液の表面上に浮遊するためにその清掃機能が発揮されない。又、各立方体25の一片の長さLが外筒7と濾過筒8の間隔Dの1/3よりも小さいと(L<D/3)、該立方体25の清掃機能が十分発揮されず、外筒7と濾過筒8の間隔Dの2/3よりも大きいと(L>2D/3)、該立方体25の旋回運動が円滑になされず、やはり立方体25の清掃機能が十分発揮されない。
【0056】
尚、以上の立方体25による濾過面8aの洗浄は、0.5〜10分間、好ましくは1〜6分間継続して行われ、タイマーを設けて1〜24時間に1回定期的に行うようにしても良い。昼間に装置を例えば6時間程度運転し、夜間は装置の運転を停止する場合には、運転を停止する直前に行うようにしても良い。特に濾過面8aの汚れが少ない場合には、運転停止時に1回だけ洗浄を行えば良い。
【0057】
又、濾過筒8の濾過面8aは、図9(b)に示すように、その外面に付着した汚れによって目詰まりを発生し易いが、目詰まりを生じさせている汚れは、立方体25を旋回させるだけでは除去できないが、前記圧縮空気による逆洗を併用することによって除去されるため、濾過面8aの外面に付着した汚れによる濾過面8aの目詰まりも防がれる。尚、立方体25による洗浄作業中は、空気逆洗を5〜30秒に1回程度の割合で実施するよう、洗浄間隔を変更することが好ましい。このようにすることによって、立方体25による濾過面8aの目詰まりを確実に防ぐことができる。
【0058】
以上のように、本実施の形態に係る汚泥濃縮装置1においては、濾過筒8の濾過面8aの目詰まりは、圧縮空気による逆洗によって防がれ、濾過面8aの外面に付着した汚れは、分離液と共に旋回する複数の立方体25によって効果的に除去されるため、所要の処理量と固形物回収率(SS回収率)が確保される。
【0059】
又、本実施の形態では、洗浄体としての立方体25に旋回流を起させるために外筒7内に噴射される洗浄水の一部に分離液を使用するようにしたため、雑用水の使用量が少なくて済み経済的である。尚、洗浄水として分離液を使用せず、雑用水のみを洗浄水として使用しても良い。
【0060】
ところで、本実施の形態では、洗浄体として特に立方体25を使用したが、他の任意の形状の部材を洗浄体として使用することができる。但し、その洗浄体は、分離液中でゆっくり沈降する程度の比重を有し、その一辺の長さが外筒7と濾過筒8の間隔の1/3〜2/3に設定されている必要がある。
【0061】
尚、上記洗浄工程中は、汚泥の供給を停止し、汚泥濃縮運転を停止しても良いが、濃縮運転中に定期的に洗浄工程に移行する場合には、そのまま汚泥を供給し、汚泥濃縮運転を継続した状態で洗浄工程へ移行することが好ましい。
【0062】
次に、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明するが、以下に挙げる実施例は本発明を何ら限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0063】
下水をオキシデーションディッチで処理した余剰汚泥(濃度:1.0%)を濃縮する試験を下記条件にて行った。
(1)試験条件:
・固液分離手段:濾過筒:直径φ300mm×高さH600mm
外筒:直径φ400mm×高さH600mm

汚泥処理量:10m3 /h
・凝集剤:高分子凝集剤;クリフィックスCP604(栗田工業株式会社製、カチオンポリマー)0.6%/TS添加
・濃縮倍率:5倍
以上の条件で短時間は安定した運転ができた。運転をそれ以上の時間継続するためには、濾過面の洗浄が必要であり、従来と本発明による洗浄方法ついて比較評価した。
(2)従来の洗浄方法:
図8に示した逆洗流体貯留槽に15×103 cm3 の空気を貯留した後、逆洗水を11×103 cm3 を逆洗流体貯留槽に注入し、該洗浄水を空気の容積が約4×103 cm3 になるまで圧縮して加圧した。そして、この加圧した洗浄水を30分周期で外筒内に噴射した。
【0064】
この方法によれば、数時間の間は安定した運転(固形物回収率99%以上)が可能であったが、24時間後には濾過筒の濾過面外面の面積の約30%程度に図9(b)に示すように汚れが付着し、処理量が7m3 /h、固形物回収率が97%に低下した。そして、その後は汚れが付着している部分の面積が徐々に増加し、運転が困難になった。
(3)本発明の洗浄方法:
1)空気逆洗:
洗浄空気圧力:0.5MPa
空気貯槽容積:500cm3
洗浄頻度:1回/3分
2)水洗浄(洗浄体使用):
洗浄体:材質;PVAスポンジ、寸法:20mm角、投入個数:100個
洗浄水量:5m3 /h
洗浄頻度・時間:1回/3時間、洗浄時間:3分
本発明方法では、濾過面の目詰まりや濾過面外面の汚れは完全に解消され、運転時間100時間経過後でも処理量、固形物回収率共に低下することはなかった。
【0065】
以上の結果から、本発明方法の前記効果を確認することができる。
【0066】
<実施の形態2>
次に、第1発明の実施の形態2を図3に基づいて説明する。
【0067】
図3は本実施の形態に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図であり、本図においては図1に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0068】
本実施の形態に係る汚泥濃縮装置1は、長さの長い(例えば、長さが1m超)濾過筒8を備えるものであって、このような場合には外筒7内(濾過筒8と外筒7との間の分離液が収容されている空間)を隔壁26によって上下に2分割して分割部3A,3Bとし、各分割部3A,3Bに属する各外筒7A,7B内に洗浄水と圧縮空気を各々供給するとともに、外筒7A,7B内に収容された分離液中に洗浄体である複数の立方体25を浸漬させた状態で収容したことを特徴としている。
【0069】
即ち、分離液槽4の底部から導出する分離液返送管19から分岐する分岐管19A,19Bを各分割部3A,3Bの外筒7A,7Bに接続するとともに、コンプレッサ22から導出する圧縮空気供給管23から分岐する分岐管23A,23Bを各分割部3A,3Bの外筒7A,7Bに接続し、各分岐管19A,19B,23A,23BにバルブV1A,V1B,V4A,V4Bを設けている。
【0070】
而して、洗浄に際しては各分岐部3A,3B毎に圧縮空気による逆洗と洗浄水による立方体25の旋回による洗浄が同時に行われ、濾過筒8の濾過面8aの目詰まり防止と濾過面8a外面の汚れの除去が該濾過面8aの全長に亘って均一になされ、所要の処理量と固形物回収率が確保される。
【0071】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図4に基づいて説明する。
【0072】
本実施の形態は、前記実施の形態1に係る汚泥濃縮装置1(図1参照)において洗浄体として使用された立方体25に代えて図4に示すスクレーパ又はブラシ27を用いた洗浄体25’を用いたことを特徴としており、他の構成は図1に示した汚泥濃縮装置1のそれと同じである。
【0073】
図3は洗浄体25’の斜視図であり、図示の洗浄体25’は、上下のリング28間に2本のスクレーパ又はブラシ27を上下に架設して構成されており、スクレーパ又はブラシ27は、図1に示す濾過筒8の濾過面8aの外面にその全長に亘って弾性的に接触している。そして、この洗浄体25’は、上下のリング28が濾過筒8の外周又は外筒7の内周に回転可能に支持されている。
【0074】
而して、洗浄に際して前記実施の形態1と同様に外筒7内に洗浄水を接線方向に噴射すると、図4に示す洗浄体25’が、外筒7と濾過筒8の間の空間に収容された分離液と共に回転し、濾過面8aの外周面に付着した汚れは、該濾過面8aの外面に摺接しながら回転するスクレーパ又はブラシ27によって掻き取られ、これによって濾過面8aの外面が清掃され、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0075】
尚、本実施の形態では、洗浄体25’に2本のスクレーパ又はブラシ27を設けたが、スクレーパ又はブラシ27の本数は任意であって、1本又は3本以上であっても良い。
[第2発明]
次に、第2発明の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。
【0076】
図5は本発明に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図、図6(a)は洗浄体の平面図、図6(b)は同図(a)のB−B線断面図である。
【0077】
図5に示す濃縮汚泥装置1においては、凝集汚泥導入管10から固液分離手段3の濾過筒8内の上部に導入された凝縮汚泥は、モータM2によって回転するスパイラルスクリュー9によって濾過筒8内を下方へと搬送されながら、これに含まれる水分が分離されて濾過筒8の濾過面8aを通過し、この水分は、分離液として外筒7と濾過筒8の間の空間に収容され、分離液排出管13から外部に排出される。又、水分が除去された濃縮汚泥は、濾過筒8の下部から濃縮汚泥排出管11へと排出される。
【0078】
ところで、本実施の形態に係る汚泥濃縮装置1においては、濾過筒8の濾過面8aの外面に付着した汚れを除去する清掃手段として、濾過筒8の外周面に沿って上下動する洗浄体25”が設けられている。
【0079】
ここで、上記洗浄体25”は、図6(b)に示すように、濾過筒8の濾過面8aの外面に弾性的に接触するゴム製の弾性リング29を鋼製の金属リング30で挟持して構成されており、弾性リング29の内径d1は濾過筒8の外径d3よりも小さく(d1<d3)設定され、金属リング30の内径d2は濾過筒8の外径d3よりも大きく(d2>d3)設定されており、金属リング30の内周面は濾過筒8の外周面に対して非接触状態を維持している。
【0080】
そして、以上のように構成された洗浄体25は、図5に示すように、ロープ31によって吊り下げられており、洗浄時以外には図示のように濾過筒8の下端に位置している。
【0081】
而して、濃縮運転によって濾過筒8の濾過面8aに目詰まり等が生じたために洗浄が必要になった場合には、圧縮空気供給管23から外筒7内に圧縮空気を噴射して濾過筒8の濾過面8aに目詰まりを生じさせている固形物を除去するとともに、ロープ31を上げ下げして洗浄体25”を濾過筒7の外周面に沿って上下動させる。尚、ロープ31を上方へ引っ張れば洗浄体25”が上昇し、ロープ31を引っ張る力を開放すれば洗浄体25”は自重で下降し、これを繰り返すことによって洗浄体25”が濾過筒8の外周面に沿って上下動する。
【0082】
上述のように洗浄体25”が濾過筒8の外周面に沿って上下動すると、その弾性リング29は前述のように濾過面8aの外面に弾性接触しているため、該弾性リング29の内面が濾過面8aの外面に沿って摺動し、濾過面8aの外面に付着している汚れが弾性リング29によって掻き取られる。
【0083】
従って、本実施の形態においても、濾過筒8の濾過面8aの目詰まりは、圧縮空気による逆洗によって防がれ、濾過面8aの外面に付着した汚れは、濾過筒8の外周面に沿って上下動する洗浄体25”によって効果的に除去されるため、所要の処理量と固形物回収率(SS回収率)が確保される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、スクリュープレス型の汚泥濃縮装置及びこれの洗浄方法に対して適用可能であって、その処理対象である汚泥の種類を問わない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1発明の実施の形態1に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】第1発明の実施の形態2に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図である。
【図4】第2発明の実施の形態3に係る汚泥濃縮装置の洗浄に使用される洗浄体の斜視図である。
【図5】第2発明に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図である。
【図6】(a)は第2発明に係る汚泥濃縮装置の洗浄に使用される洗浄体の平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】従来の汚泥濃縮装置の基本構成を示す概略図である。
【図8】従来の洗浄手段を備えた汚泥濃縮装置の概略図である。
【図9】(a)は濾過面の逆洗による洗浄の様子を示す部分断面図、(b)は濾過面外面の汚れの様子を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 汚泥濃縮装置
2 汚泥凝集槽
3 固液分離手段
3A,3B 分割部
4 分離液槽
5 汚泥供給管
6 撹拌機
7 外筒
8 濾過筒
8a 濾過面
9 スパイラルスクリュー
10 凝集汚泥導入管
11 濃縮汚泥排出管
12 接続管
13 分離液排出管
14 逆洗流体貯留槽
19 分離液返送管
20 雑用水供給管
21 洗浄ポンプ
22 コンプレッサ(逆洗空気噴射手段)
23 圧縮空気供給管(逆洗空気噴射手段)
24 空気貯槽(逆洗空気噴射手段)
25 立方体(洗浄体)
25’,25” 洗浄体
26 隔壁
27 スクレーパ又はブラシ
28 リング
29 弾性リング
30 金属リング
31 ロープ
D 外筒と濾過筒の間隔
L 立方体の1辺の長さ
M1,M2 モータ
V1〜V4 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、
前記外筒内に逆洗流体を噴射する逆洗流体噴射手段と、該逆洗流体噴射手段による逆洗流体の前記外筒内への噴射によって外筒と前記濾過筒との間に収容された分離液中で旋回する洗浄体を設けたことを特徴とする汚泥濃縮装置。
【請求項2】
前記逆洗流体以外に逆洗空気を前記外筒内に噴射するための逆洗空気噴射手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の汚泥濃縮装置。
【請求項3】
前記洗浄体を、分離液中でゆっくり沈降する程度の比重を有し、その一辺の長さが前記外筒と前記濾過筒の間隔の1/3〜2/3の立方体で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥濃縮装置。
【請求項4】
前記洗浄体を、前記濾過筒又は外筒に回転可能に支持され、前記濾過筒の濾過面外面に摺接するスクレーパ又はブラシを含んで構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥濃縮装置。
【請求項5】
前記外筒と前記濾過筒を長さ方向に複数に分割し、各分割部において前記洗浄体を旋回させて濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去するようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の汚泥濃縮装置。
【請求項6】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、
前記濾過筒の濾過面外面に摺接する洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動可能に設けたことを特徴とする汚泥濃縮装置。
【請求項7】
前記洗浄体を、前記濾過筒の濾過面外面に摺接する弾性リングの両面を金属リングで挟持して構成したことを特徴とする請求項6記載の汚泥濃縮装置。
【請求項8】
前記洗浄体をロープで吊り下げ、該ロープを引き上げることによって洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させることを特徴とする請求項6又は7記載の汚泥濃縮装置。
【請求項9】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法であって、
前記外筒内に逆洗流体を噴射することによって、前記外筒と前記濾過筒との間に収容された分離液中で洗浄体を旋回せしめ、該洗浄体によって前記濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去することを特徴とする汚泥濃縮装置の洗浄方法。
【請求項10】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法であって、
前記濾過筒の濾過面外面に摺接する洗浄体を濾過筒の長さ方向に移動させることによって、前記濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去することを特徴とする汚泥濃縮装置の洗浄方法。
【請求項11】
更に逆洗空気を前記外筒内に噴射することによって前記濾過筒の濾過孔内の汚れを除去することを特徴とする請求項9又は10記載の汚泥濃縮装置の洗浄方法。
【請求項12】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として前記外筒内に収容して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の運転方法であって、
汚泥濃縮運転を継続しつつ、前記外筒内へ逆洗空気を1〜10分毎に0.05〜1秒間噴射する汚泥濃縮工程と、1〜24時間毎及び/又は濃縮運転終了時に0.5〜10分間前記外筒内に収容した洗浄体を旋回又は濾過筒の長さ方向に移動させることによって濾過筒の濾過面外面に付着した汚れを除去する洗浄工程とを有することを特徴とする汚泥濃縮装置の運転方法。
【請求項13】
前記洗浄工程中に、前記外筒内へ逆洗空気を5〜30秒毎に0.05〜1秒間噴射することを特徴とする請求項12記載の汚泥濃縮装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−38187(P2007−38187A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228120(P2005−228120)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】