説明

決定された比率のプロセス流体を供給する方法および装置

【課題】正確な量の1つまたは複数の流体を提供する。
【解決手段】複数の流体出口に、第1流体出口と少なくとも1つの第2流体出口が含まれる。第1流体出口は、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を供給し、少なくとも1つの第2流体出口は、プロセス流体の流れの残りの部分を供給する。1実施形態では、制御システムに、圧力変換器、第1乗算器、第2乗算器、第1フローコントローラ、および第2フローコントローラが含まれる。第1乗算器は、圧力変換器から受け取る圧力信号に、第1セットポイントをかけて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を供給する第1フローコントローラを制御する。第2乗算器は、圧力信号に第2セットポイントをかけて、残りの部分を供給する第2フローコントローラを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる、2001年5月24日出願の米国仮特許出願第60/293356号、表題「METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING A DETERMINED RATIO OF PROCESS FLUIDS」に対する米国特許法第119(e)条での優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、流体処理システムを対象とし、具体的には、それぞれがプロセス流体の全体の流れに関する所定の量のプロセス流体を提供する、複数のプロセス流体流れを提供することができる流体処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
流体処理システムは、処理室に正確な量の1つまたは複数の流体を提供するために、半導体産業および製薬産業(ならびに他の産業)で使用される。たとえば、半導体産業では、流体処理システムを使用して、正確に測定された量の1つまたは複数の流体を半導体ウェハ処理室に供給することができる。通常の流体処理システムでは、複数の流体供給のそれぞれが、正確に測定された量の流体を共通のマニホルドに供給することができるマスフローコントローラに結合される。共通のマニホルドは、プロセス室の入口に流体的に結合される。普通は、プロセス室が、共通のマニホルドからプロセス流体の流れを受け取る単一の入口だけを有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1態様によれば、第1の量の流体を受け取り、複数の流体出口に複数の第2の量の流体を供給することができ、複数の第2の量の流体のそれぞれが、第1量の流体に関する所定の比を有する、流体処理システムが提供される。
【0005】
1実施形態によれば、流体流れコントローラが提供される。流体流れコントローラには、プロセス流体の流れを受け取る流体入口と、プロセス流体の流れを複数の装置入口に供給する複数の流体出口が含まれる。複数の流体出口には、第1流体出口および少なくとも1つの追加流体出口が含まれる。流体流れコントローラには、さらに、流体入口で受け取られるプロセス流体の量を表す第1信号を受け取る第1入力と、第1流体出口に供給されるプロセス流体の量の所定の部分を表す第2信号を受け取る第2入力が含まれ、プロセス流体の量の残りの部分は、少なくとも1つの追加流体出口に供給される。
【0006】
本発明のもう1つの実施形態によれば、プロセス流体の流れを受け取る流体入口と、複数の流体出口とを含む流体流れ制御システムが提供される。複数の流体出口には、第1流体出口と少なくとも1つの第2流体出口が含まれ、第1流体出口は、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を供給し、少なくとも1つの第2流体出口は、プロセス流体の流れの残りの部分を供給する。
【0007】
本発明のもう1つの実施形態によれば、プロセス流体の流れを制御する方法が提供される。この方法には、流体入口でプロセス流体の流れを受け取る動作と、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給する動作と、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給する動作が含まれる。
【0008】
本発明のもう1つの実施形態によれば、流体流れコントローラが提供される。流体流れコントローラには、第1入口で受け取られるプロセス流体の量を表す第1信号を受け取る第1入力と、プロセス流体の受け取られた量の第1の所定の部分を表す第2信号を受け取る第2入力と、第1乗算器が含まれる。第1乗算器は、第1信号および第2信号を受け取り、第1信号に第2信号をかけ、流体入口で受け取られるプロセス流体の量とは独立に、プロセス流体の量の第1の所定の部分を表す第1乗算済み信号を供給する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で使用される用語流体は、液体状態の流体、気体状態の流体、またはスラリ(たとえば、液体状態の流体とそれに懸濁された固体)を指すのに使用される。本発明の実施形態を、本明細書では主に気体状態の流体(すなわち気体)の処理に関して説明するが、本発明が、それに制限されず、液体状態の流体ならびにスラリと共に使用するように適合させることができることを了解されたい。さらに、使用されるプロセス流体を、単一の種類のプロセス流体とするか、異なるプロセス流体種の混合物とすることができることを了解されたい。
【0010】
図1に、気体状態の流体と共に使用されるように適合された、本発明の1実施形態による振分率流体処理制御システムを示す。液体など、他のタイプの流体と共に使用するためにこの流体処理制御システムに対して行うことができる修正を、下でさらに述べる。
【0011】
本発明の1態様によれば、振分率流体処理制御システムに、流体入口および複数の流体出口を有する振分率コントローラが含まれる。振分率コントローラは、流体入口でプロセス流体の流れを受け取り、複数の流体出口のそれぞれにプロセス流体の複数の流れを供給することができる。プロセス流体の複数の流れのそれぞれによって、プロセス流体の所定の量を供給することができる。
【0012】
図1からわかるように、流体処理システム100には、複数の流体供給131から13N(S1からSNというラベルがついている)が含まれ、流体供給131から13Nのそれぞれは、プロセス流体またはプロセス流体の混合物を、めいめいのマスフローコントローラ(MFC)141から14N(MFC1からMFCNというラベルがついている)に供給する。たとえば、流体供給S1を窒素とすることができ、流体供給S2をアルゴンとすることができ、流体供給S3をヘリウムとすることができ、流体供給S4をシランとすることができるなどである。各マスフローコントローラ141から14Nは、めいめいの流体供給から流体(1つまたは複数)の流れを受け取り、プロセスコントローラ110からセットポイントを受け取る。プロセスコントローラ110から受け取ったセットポイントに基づいて、各MFC141から14Nは、測定された量の流体を共通マニホルド150に供給する。本発明の実施形態に従って適当に使用することができるマスフローコントローラの詳細については、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる、2002年4月24日出願の米国特許出願第10/131603号、表題「SYSTEM AND METHOD FOR A MASS FLOW CONTROLLER」に記載されている。プロセスコントローラ110は、通常の形で複数のプロセスステップのそれぞれの間にさまざまな量の1つまたは複数の流体を供給するようにMFC141から14Nのそれぞれを制御するようにプログラムされる。
【0013】
共通マニホルド150およびプロセスコントローラ110に、振分率コントローラ120が結合される。振分率コントローラ120は、共通マニホルド150から1つまたは複数のプロセス流体の流れを受け取るために共通マニホルド150に流体的に結合された流体入口155と、複数の流体出口156および157を有する。複数の流体出口156および157のそれぞれを、プロセス室160のめいめいの流体入口151および152に結合して、所定の量の流体をプロセス室160に供給することができる。本発明の1実施形態によれば、振分率コントローラに、圧力変換器121が含まれ、圧力変換器121は、共通マニホルド150、マスフローコントローラ123、および圧力調節器(P.C.)129に流体的に結合される。圧力変換器121は、共通マニホルド150内の圧力を表す信号を、圧力調節器129に供給する。プロセスコントローラ110は、共通マニホルド150内の所望の圧力を識別する圧力セットポイント制御信号を、圧力調節器129に送る。通常、プロセスコントローラ110によって供給される圧力セットポイントは、所与のプロセスステップ中は固定された値であるが、ステップごとにまたは所与のプロセスステップ中に変更することができる。一般に、圧力セットポイントの値は、プロセス室160の室内圧力に依存して変化する。たとえば、非常に低いプロセス室圧力では、圧力セットポイントに、プロセス室の圧力の数倍の値をセットして、マスフローコントローラ123および圧力調節器129での1つまたは複数のプロセス流体の適当な流れを保証することができる。より高いプロセス室圧力では、約10トルの圧力差が、十分である可能性がある。一般に、圧力セットポイントには、使用されるコントローラ(たとえばコントローラ141から14N、123、および129)を通る必要な流れを可能にする任意の値をセットすることができ、この値は、さまざまな要因に基づいて変化する可能性がある。
【0014】
プロセスコントローラ110は、プロセス室160の第1入口151に供給される、マニホルド150からのプロセス流体の量を表す振分セットポイントを、マスフローコントローラ123(MFCXというラベルがついている)に供給する。図1に示された実施形態では、プロセス流体の残りの部分が、圧力調節器129を介してプロセス室160の第2入口152に供給される。圧力変換器121によって供給される信号およびプロセスコントローラ110によって供給される圧力セットポイントに基づいて、圧力調節器129は、MFCX123および圧力調節器129の上流のマニホルド内の圧力を一定の値に維持するように動作する。振分率コントローラ120の動作を、これから説明する。
【0015】
所与のプロセスステップ中に、プロセスコントローラ110は、1つまたは複数のマスフローコントローラ141から14Nにプロセスセットポイントを供給して、所望の量の流体を流す。また、プロセスコントローラ110は、1つまたは複数のマスフローコントローラ141から14Nによって供給されるマニホルド150内の流体の所望の圧力を表す圧力セットポイント値を、圧力調節器129に供給する。プロセスコントローラ110は、プロセス室160の入口151に供給されることが望まれる、共通マニホルド150に供給される流体の量を表す振分セットポイントを、マスフローコントローラ123(MFCX)に供給する。本発明の1実施形態によれば、プロセスコントローラ110は、次式に従って振分セットポイントをセットすることができ、ここで、マスフローコントローラ123(MFCX)は、窒素などの既知のプロセス流体に対して較正されたマスフローコントローラである。
【0016】
【数1】

@0009
ここで
Kは、所望の振分率(0…1)であり、
は、MFC(たとえばMFC141から14N)のセットポイントであり、
は、
=(MFCのN等量フルスケール範囲)/(MFCXのNフルスケール範囲)
として計算される較正係数である。
【0017】
この実施形態によれば、プロセスコントローラ110は、所与のプロセスステップ中に、窒素等量に関する、共通マニホルド150に供給される流体の総量を計算し、その流体の量に所望の振分率Kをかけることによって、振分セットポイントをセットする。この実施形態で、プロセスコントローラ110が、流体の異なる量または異なるタイプの流体を供給するプロセスステップごとに、所望の振分セットポイントを計算することを了解されたい。さらに、プロセス室に供給される流体(1つまたは複数)の流れの範囲が広すぎる場合に、マスフローコントローラMFCXを、一方は高いレートの流れ、他方は低いレートの流れの、2つの別々のマスフローコントローラに置換することができることを了解されたい。
【0018】
この実施形態では、プロセスコントローラ110が振分セットポイントを判定する形を、窒素等量に関して説明するが、本発明が、それに制限されないことを了解されたい。したがって、マスフローコントローラ141から14Nおよびマスフローコントローラ123(MFCX)のそれぞれのフルスケール範囲が、特定の流体の種類について既知であり、マスフローコントローラ141から14Nおよびマスフローコントローラ123(MFCX)のそれぞれが、プロセス動作条件の下で使用される実際の流体の種類に関して信頼性がある形で動作するならば、振分セットポイントを、窒素以外の種類の流体に基づいて決定することができる。
【0019】
図1に関して上で説明した振分率流体処理制御システムに対して、複数の変更を行うことができることを了解されたい。たとえば、電子圧力調節器129を使用するのではなく、機械式圧力調整器を使用して、マニホルド150内の上流圧力を制御することができる。さらに、ある種の環境で、圧力変換器121を除去し、圧力調節器129を、ノズルなどの流れ制限装置に置換することができる。したがって、1)最大出口圧力、圧力調節器129を通る流れの最大の量、およびマスフローコントローラ123を通る流れの最大の量で、マニホルド圧力が、供給MFC141から14Nのそれぞれが正しく機能するのに十分に低く、2)動作範囲内の出口圧力、圧力調節器129を通る流れの最小の量、およびマスフローコントローラ123を通る流れの最大の量で、マニホルド圧力が、マスフローコントローラ123が正しく機能するのに十分であり、供給MFC141から14Nのそれぞれが正しく機能するのに十分に低い限り、無数の代替構成を使用して、流体出口156および157のそれぞれに所定の量の流体を供給することができる。そのような代替構成は、図1に関して説明した実施形態より悪い過渡応答を有する可能性が高いが、そのような代替構成のコストの低さが、ある種の流体供給システムで魅力的である場合がある。
【0020】
図1の実施形態を、1つまたは複数のプロセス気体の流れに関して説明したが、本発明が、それに制限されないことを了解されたい。したがって、図1の実施形態を、液体またはスラリ(surrly)と共に使用するように適合させることができる。たとえば、液体などの非圧縮流体と共に使用するために、流体入口155の上流にアキュムレータを追加することができ、マスフローコントローラ123の代わりに容積測定コントローラを使用することができる。非圧縮流体と共に使用するのに必要な他の修正を、当業者はすぐに了解するであろう。さらに、スラリと共に使用するために、当業者は、スラリに存在する懸濁された固体がバルブに損傷を与えず、バルブの正しい動作を妨害しないように、バルブの選択に非常に注意する必要があることを了解するであろう。
【0021】
本発明のもう1つの態様によれば、プロセスコントローラ110が、窒素等量に関して、共通マニホルド150に供給される流体の総量を計算する必要を不要にする流体処理システムが提供される。この実施形態によれば、振分率処理制御システムに、流体入口および複数の流体出口を有する振分率コントローラが含まれる。振分率コントローラは、流体入口でプロセス流体の流れを受け取り、複数の流体出口のそれぞれにプロセス流体の複数の流れを供給することができる。プロセス流体の複数の流れのそれぞれは、流体入口で受け取られるプロセス流体の総量に関する所定の比率を有することができる。この実施形態を、図2に関してこれから説明する。
【0022】
図1に示された実施形態と同様に、図2に示された流体処理システム200には、複数の流体供給131から13N(S1からSNというラベルがついている)が含まれ、流体供給131から13Nのそれぞれは、プロセス流体またはプロセス流体の混合物を、めいめいのマスフローコントローラ(MFC)141から14N(MFC1からMFCNというラベルがついている)に供給する。同様に、マスフローコントローラ141から14Nは、めいめいの流体供給から流体(1つまたは複数の)の流れを受け取り、プロセスコントローラ210からセットポイントを受け取る。プロセスコントローラ210から受け取るセットポイントに基づいて、各MFC141から14Nは、測定された量の流体を共通マニホルド250に供給する。図1に関して説明した実施形態と同様に、図2のプロセスコントローラ210は、複数のプロセスステップのそれぞれの間に、普通の形で、さまざまな量の1つまたは複数の流体を供給するようにMFC141から14Nのそれぞれを制御するようにプログラムされる。
【0023】
共通マニホルド250およびプロセスコントローラ210に、振分率コントローラ220が結合される。本発明のもう1つの実施形態によれば、振分率コントローラ220に、共通マニホルド250に流体的に結合される圧力変換器221、第1振分率マスフローコントローラ223(振分MFC Aというラベルがついている)、第2振分率マスフローコントローラ224(振分MFC Bというラベルがついている)、第1乗算器226、第2乗算器227、減算回路229、およびPID(proportional−integral−derivative)コントローラ222を含めることができる。第1振分率MFC A223および第2振分率MFC B224が、類似するMFCであり、類似する応答特性を有するようにチューニングされることが好ましいが、これらのMFCのフルスケール範囲は異なる場合がある。たとえば、MFC Bが、プロセス流体の流れの比較的小さい部分を提供するのに使用される場合に、MFC Bのフルスケール範囲を、MFC Aのフルスケール範囲より小さくなるように選択し、その結果、予想されるフローレートの範囲についてより高い精度を提供することができる。さらに、第1および第2の振分率MFC223および224は、流れセンサを、バルブの上流ではなく下流(各マスフローコントローラ内)に配置され、その結果、これらのフローセンサが、共通マニホルド250内の圧力推移から分離されるようになっていることが好ましい。本明細書では、コントローラ222を、PID(proportional−integral−derivative)コントローラとして説明するが、本発明が、それに制限されないことを了解されたい。これに関して、ID(Integral−Differential)コントローラ、LL(リード−ラグ)コントローラ、GLL(利得−リード−ラグ)コントローラなど、PIDコントローラ以外の他の多数のタイプのフィードバックコントローラを使用することができる。
【0024】
図1の実施形態と同様に、圧力変換器221は、共通マニホルド250内の圧力を表す信号を供給する。しかし、図2の実施形態では、圧力信号が、PIDコントローラ222に供給され、PIDコントローラ222は、共通マニホルド250内の所望の圧力を識別する圧力セットポイント制御信号も、プロセスコントローラ220から受け取る。通常、プロセスコントローラ210によって供給される圧力セットポイントは、所与のプロセスステップ中は固定された値であるが、図1に関して上で説明したように、ステップごとに、または所与のプロセスステップ中に変更することができる。一般に、圧力セットポイントは、供給MFC141から14Nと振分率MFC223および224の両方が正しく動作できる範囲内の値をセットされなければならず、システム応答特性を最適化するために、この範囲の下端近くであることが好ましい。圧力変換器221からの信号およびプロセスコントローラ210からの圧力セットポイント信号に基づいて、PIDコントローラ222は、2つの乗算器226および227のそれぞれに集合セットポイント信号を供給する。
【0025】
プロセスコントローラ210は、振分率セットポイントを、第1乗算器226および減算回路229に供給する。振分率セットポイントは、マニホルド250内のプロセス流体のうちで、プロセス室160の第1入口151に供給される部分または比率を表す。振分率セットポイントは、流れ全体のうちで第1入口151に供給されることが望まれる比率を表す、両端を含む0と1の間の値とすることができる。第1乗算器226は、PIDコントローラ222からの集合セットポイントに振分率セットポイントをかけて、第1セットポイント信号を第1振分率MFC A223に供給する。プロセスコントローラ210からの振分率セットポイントは、減算回路229にも供給され、減算回路229は、1から振分率セットポイントの値を引いて、第2振分率セットポイントを第2乗算器227に供給する。第2乗算器227は、PIDコントローラ222からの集合セットポイントに第2振分率セットポイントをかけて、第2セットポイント信号を第2振分率MFC B224に供給する。振分率コントローラ220の動作を、これから説明する。
【0026】
所与のプロセスステップ中に、各MFC141から14Nは、プロセスコントローラ210から受け取るめいめいのプロセスセットポイントの制御の下で、測定された量の流体を供給する。これらの流体は、MFC141から14Nの出力に接続される共通マニホルド250内で混合され、流体混合物が、振分率コントローラ220の入口に流れ込む。各プロセスステップ中に、適当な時に、プロセスコントローラ210が、各MFC141から14Nに適当なセットポイントを供給し、振分率コントローラ220に振分率セットポイント(0と1の間)を供給する。PIDコントローラ222は、集合セットポイントを作り、プロセスステップ中に、マニホルド250内の圧力が圧力セットポイントと一致するようにする。圧力セットポイントは、定数(たとえば50から100トル)とするか、プロセスコントローラ210によって供給し、ステップごとに変更することができる。PIDコントローラ222からの集合セットポイントに、共通マニホルド250への総フローレートが反映される。次いでその集合セットポイントが、プロセスコントローラ210からの振分率セットポイントに基づいて分割される。たとえば、集合セットポイントが、0.6(「フルスケール」の60%)であり、振分率が、0.3である場合に、第1乗算器226は、0.6×0.3(すなわち0.18)のセットポイントを、第1振分率MFC A223に供給し、第2乗算器227は、減算回路229によって実行される減算に基づいて、0.6×(1−0.3)(すなわち0.42)のセットポイントを、第2振分率MFC B224に供給する。振分率MFC A223は、フルスケールの18%を流し、振分率MFC Bは、フルスケールの42%を流す。振分率MFC223および224は、実質的に同一なので、振分率MFC A223は、振分率セットポイントによって要求される、総計の30%を流し、振分率MFC B224は、残りを供給する。集合セットポイントが、0.7に増やされる場合に、振分率MFC A223は、0.7×0.3(すなわち0.21)のセットポイントを見、振分率MFC B224は、0.7×(1−0.3)(すなわち0.49)のセットポイントを見、振分率MFC AおよびB223および224を通る流れの総計は、フルスケールの70%に増える。
【0027】
PIDコントローラ222は、サーボ動作し、振分率MFC223および224を通る流れ全体が、供給MFC141から14Nからの流れ全体と正確に等しくなるようにする。集合セットポイントが少し低すぎる場合には、圧力変換器221によって測定されるマニホルド圧力が、増加し始め、PIDコントローラ222が、集合セットポイントを増やして補償する。集合セットポイントが、少し高すぎる場合には、マニホルド圧力が減少し、PIDコントローラ222が、集合セットポイントを減らして補償する。
【0028】
他の振分率コントローラ構成によって、応答を改善できることを了解されたい。たとえば、集合セットポイントを、プロセスコントローラ210からのセットポイントとPIDコントローラ222からの出力の合計として計算することができる。これによって、マニホルドに入る流体が変化することの予告をコントローラに与えることによって、システムの動的応答を改善することができる。しかし、プロセスコントローラがすべてのプロセスMFCに送られるプロセスセットポイントから総N2等量フローを計算することを必要とすることによって、プロセスコントローラ210のプログラミングが複雑になる可能性がある。また、上で図2に関して説明した実施形態を、液体などの非圧縮流体およびスラリと共に使用するために適合させることができることを了解されたい。
【0029】
本発明のもう1つの実施形態によれば、プロセス室のめいめいの入口ポートにつながる複数の出口ポートを含む流体処理システムが提供される。たとえば、3つの出口ポートを含む流体処理システムの実施形態を、図3に関してこれから説明する。この実施形態の多くの特徴が、図2の実施形態に関して上で説明したものに似ているので、このさらなる実施形態の動作の説明中には、この2つの実施形態の間の差だけを詳細に説明する。
【0030】
所与のプロセスステップ中に、各MFC141から14Nは、プロセスコントローラ310から受け取るめいめいのプロセスセットポイントの制御の下で、測定された量の流体を供給する。これらの流体は、MFC141から14Nの出口に接続された共通マニホルド350内で混合され、流体混合物が、振分率コントローラ320の入口155に流れ込む。各プロセスステップ中に、適当な時に、プロセスコントローラ310が、各MFC141から14Nに適当なセットポイントを供給し、振分率コントローラ320に複数の振分率セットポイントを供給する。PIDコントローラ322は、集合セットポイントを作り、プロセスステップ中に、マニホルド350内の圧力が圧力セットポイントと一致するようにする。圧力セットポイントは、定数とするか、プロセスコントローラ310によって供給し、ステップごとに変更することができる。前に説明したように、PIDコントローラ322からの集合セットポイントに、共通マニホルド350への総フローレートが反映される。その集合セットポイントが、プロセスコントローラ310からの複数の振分率セットポイントのそれぞれに基づいて分割される。たとえば、集合セットポイントが、0.6(「フルスケール」の60%)であり、振分率MFC Zに供給される振分率が、0.2であり、振分率MFC Bに供給される振分率が、0.3であり、振分率MFC Aに供給される振分率が、0.5である場合に、第1乗算器326が、第1振分率MFC Z323に0.6×0.2(すなわち0.12)のセットポイントを供給し、第2乗算器327が、第2振分率MFC B324に0.6×(0.3)(すなわち0.18)のセットポイントを供給し、第3乗算器328が、第3振分率MFC A325に0.6×0.5(すなわち0.30)のセットポイントを供給する。
【0031】
乗算器へのレシオ入力が、合計して1になる必要がないことを了解されたい。たとえば、同一の20%:30%:50%振分を、第1振分率MFCに40%の集合セットポイント、第2振分率MFCに60%の集合セットポイント、第3振分率MFCに100%の集合セットポイントを供給することによって得ることができる。PIDコントローラ222は、最終的に、異なる値に落ち着くが、各振分率MFCは、最終的に、前の例と同一の量の流体を流す。
【0032】
振分率セットポイントの合計が定数になる限り、図2の減算回路229に似た減算回路を使用して、振分率MFCの任意の1つのセットポイントを決定できることを了解されたい。たとえば、第1および第2の乗算器326および327に供給される振分率セットポイントを、まず合計し、次に減算回路に供給して、乗算器328に振分率セットポイントを与えることができる。他の構成も、考慮することができる。
【0033】
図3に関して上で説明した振分率コントローラ320は、3つの出口ポートを有するものとして説明されたが、3つを超える流体出口ポートを有するシステムにすぐに拡張できることを了解されたい。実際、所望の振分率を、正しい比率の複数の値に分解でき、これらの値のそれぞれに、合成(集合)セットポイントがかけられる限り、追加の流体出口ポートに対処することができる。
【0034】
図2および3の振分率コントローラを区別する態様に、各出力ポートがそれ自体の振分率MFCを有し、振分率MFCに対するセットポイントが、互いに関する正しい比率であることと、すべての振分率MFCへのセットポイントが、一緒にサーボ動作して、所望のマニホルド圧力が維持されることを含めることができることを了解されたい。
【0035】
本発明のもう1つの実施形態によれば、その中での1つまたは複数のマスフローコントローラの使用を不要にする振分率コントローラを含む流体処理システムが提供される。この、もう1つの実施形態を、これから図4に関して説明する。
【0036】
図1から3に関して説明した実施形態と同様に、図4に示された流体処理システム400には、複数の流体供給131から13N(S1からSNというラベルがついている)が含まれ、流体供給131から13Nのそれぞれは、プロセス流体またはプロセス流体の混合物を、めいめいのマスフローコントローラ(MFC)141から14N(MFC1からMFCNというラベルがついている)に供給する。同様に、各マスフローコントローラ141から14Nは、めいめいの流体供給から流体(1つまたは複数の)の流れを受け取り、プロセスコントローラ410からセットポイントを受け取る。プロセスコントローラ410から受け取るセットポイントに基づいて、各MFC141から14Nは、測定された量の流体を共通マニホルド450に供給する。図1から3に関して説明した実施形態と同様に、図4のプロセスコントローラ410は、複数のプロセスステップのそれぞれの間に、普通の形で、さまざまな量の1つまたは複数の流体を供給するようにMFC141から14Nのそれぞれを制御するようにプログラムされる。
【0037】
共通マニホルド450およびプロセスコントローラ410に、振分率コントローラ420が結合される。本発明のもう1つの実施形態によれば、振分率コントローラ420に、共通マニホルド450に流体的に結合される圧力変換器421、パルス幅変調(PWM)コントローラ422、第1臨界流れノズル(CFN)423(CFN A)、第2臨界流れノズル424(CFN B)、および、第1臨界流れノズル423および第2臨界流れノズル424のそれぞれの下流に配置された第1制御バルブ426および第2制御バルブ427を含めることができる。制御バルブ426および427のそれぞれが、ディジタル制御バルブであることが好ましい。第1および第2の臨界流れノズル423および424は、実質的に同一であり、流体的に共通マニホルド450に結合されることが好ましい。臨界流れノズル423および424のそれぞれにまたがって約2:1の圧力比が維持される場合に、臨界流れノズルのそれぞれを通る流れは、実質的に同一であり、バルブ426および427のそれぞれが開状態である時間の量を変調することによって制御することができる。バルブ426および427のそれぞれの開状態は、各バルブが開かれる頻度、各バルブが開かれる時間の持続時間、あるいはその両方に基づいて制御することができる。
【0038】
図4からわかるように、臨界流れノズル423および424のそれぞれを通る流れは、それぞれ制御バルブ426および427を介して制御される。制御バルブ426および427のそれぞれは、PWMコントローラ422からパルス幅変調された制御信号428および429を受け取り、PWMコントローラ422は、バルブ426および427を開く持続時間(幅またはW)および頻度(パルスまたはP)を制御する。バルブのそれぞれの頻度(P)および持続時間(W)は、2つの要因によって決定される。この要因は、圧力変換器421によって表され、プロセスコントローラ410からの圧力セットポイントを介してセットされる上流圧力と、プロセスコントローラ410によって供給される所望の振分率セットポイント信号である。1実施形態によれば、バルブ426および427のそれぞれの持続時間(W)を同一とし、頻度を調整して、出口156および157のそれぞれに所望の比率の流体を供給することができる。たとえば、出口156と出口157の間の40/60振分率が所望される場合に、バルブ427の頻度は、バルブ426の頻度かける60割る40(すなわち、バルブ426の頻度の1.5倍)になる。バルブ426および427の両方の状態の持続時間(W)は、上流圧力に基づいて決定される。持続時間は、所望の上流圧力を維持するために増減される。代替案では、バルブ426および427のそれぞれに供給される制御信号428および429の頻度を、同一にし、持続時間(W)を調整して、流体の所望の比率をもたらすことができる。さらに、持続時間(W)および頻度(P)の両方を調整して、出口のそれぞれに所望の比率の流体を供給できることを了解されたい。
【0039】
第1および第2の臨界流れノズル423および424を、実質的に互いに同一であるものとして説明したが、ある程度の差が不可避的に存在することを了解されたい。しかし、臨界流れノズルのそれぞれの特性を表し、訂正アルゴリズムを適用するようにPWMコントローラ422をプログラムして、その特性が同一になるようにすることができる。たとえば、制御信号428および429の頻度(または持続時間)を、臨界流れノズルの特性に基づいてわずかに調整することができる。したがって、臨界流れノズルが、実質的に同一であることが好ましいが、本発明は、それに制限されない。
【0040】
図5および6に、それぞれ図2および3に関して上で説明した実施形態に似ているが、PIDコントローラ222および322が省略された、本発明の代替実施形態を示す。当業者が了解するとおり、PIDコントローラ222および322の省略は、機能的には、1の比例ゲイン(P)、0の積分ゲイン(I)および微分ゲイン(D)を有するPIDコントローラを設け、プロセスコントローラから0の圧力セットポイントを供給することと同等である。
【0041】
図5および6の実施形態のそれぞれで、圧力変換器521および621が、共通マニホルド550および650内の圧力を表す信号を、乗算器526および527(図5)と626、627、および628(図6)に供給する。図5の実施形態では、プロセスコントローラ510が、第1乗算器526および減算回路529に、振分率セットポイントを供給する。図2の実施形態と同様に、振分率セットポイントは、マニホルド550内のプロセス流体のうちで、プロセス室160の第1入口151に供給される部分または比率を表す。振分率セットポイントは、流れ全体のうちで第1入力151に供給されることが望まれる比率を表す、両端を含む0と1の間の値とすることができる。第1乗算器526は、振分率セットポイントに共通マニホルド550内の圧力を表す信号をかけて、第1振分率MFC A523に第1セットポイント信号を供給する。プロセスコントローラ510からの振分率セットポイントは、減算回路529にも供給され、減算回路529は、1から振分率セットポイントの値を引いて、第2振分率セットポイントを第2乗算器527に供給する。第2乗算器527は、第2振分率セットポイントに、共通マニホルド550内の圧力を表す信号をかけて、第2振分率MFC B524に第2セットポイント信号を供給する。
【0042】
図6の実施形態では、プロセスコントローラ610が、適当な時に、振分率コントローラ620に複数の振分率セットポイントを供給する。これらの振分率セットポイントのそれぞれは、めいめいの乗算器626、627、および628に供給され、これらの乗算器は、めいめいの振分率セットポイントを受け取り、めいめいの振分率セットポイントに、圧力変換器621から受け取る、共通マニホルド650内の圧力を表す信号をかける。乗算器626、627、および628のそれぞれは、めいめいの振分率MFCによって供給される流体の所望の比率を反映するめいめいのセットポイント信号を、めいめいの振分率MFC623、624、および625に供給する。
【0043】
本発明のもう1つの実施形態によれば、圧力センサの必要をなくす流体処理システムが提供される。この実施形態によれば、振分率流体処理制御システムに、2つの流体出口の間でプロセス流体の流れを分割するように制御可能な比例ダイバータバルブを有する振分率コントローラと、各流体出口を通るプロセス流体の流れを測定する流量計の対と、2つの流体出口の間でのプロセス流体の流れの比率を制御する制御システムが含まれる。この実施形態を、これから図7に関して説明する。
【0044】
図1に関して説明した実施形態と同様に、図7に示された流体処理システム700には、複数の流体供給131から13N(S1からSNというラベルがついている)が含まれ、流体供給131から13Nのそれぞれは、プロセス流体またはプロセス流体の混合物を、めいめいのマスフローコントローラ(MFC)141から14N(MFC1からMFCNというラベルがついている)に供給する。同様に、各マスフローコントローラ141から14Nは、めいめいの流体供給から流体(1つまたは複数)の流れを受け取り、プロセスコントローラ710からセットポイントを受け取り、各MFC 141から14Nは、測定された量の流体を共通マニホルド750に供給する。図1に関して説明した実施形態と同様に、図7のプロセスコントローラ710は、複数のプロセスステップのそれぞれの間に、普通の形で、さまざまな量の1つまたは複数の流体を供給するようにMFC141から14Nのそれぞれを制御するようにプログラムされる。
【0045】
共通マニホルド750およびプロセスコントローラ710に、振分率コントローラ720が結合される。本発明のもう1つの実施形態によれば、振分率コントローラ720に、共通マニホルド750に流体的に結合される比例ダイバータバルブ701、第1流量計702(流量計Aというラベルがついている)、第2流量計703(流量計Bというラベルがついている)、加算器706、除算器708、およびコントローラ722を含めることができる。第1流量計A702および第2流量計B703が、類似する応答特性を有するようにチューニングされた、類似する流量計であることが好ましい。本明細書では、コントローラ722を、PID(proportional−integral−derivative)コントローラとして説明するが、本発明が、それに制限されないことを了解されたい。これに関して、LL(リード−ラグ)コントローラ、GLL(利得−リード−ラグ)コントローラなど、PIDコントローラ以外の他の多数のタイプのフィードバックコントローラを使用することができる。
【0046】
比例ダイバータバルブ701は、バルブ駆動信号711の制御の下で、入口の流れを2つの出口の間で選択的に分割する常時開バルブである。どちらの出口も、閉じることができるが、一時には1つの出口しか閉じることはできない。本発明が、特定のタイプのバルブに制限されないので、ディスクバルブ、ボールバルブ、カートリッジバルブ、ソレノイド制御バルブなど、さまざまな異なるタイプのバルブをこの目的に使用できることを了解されたい。
【0047】
比例ダイバータバルブ701の出口の1つは、流量計A702の入口に流体的に結合され、もう1つの出口は、流量計B703の入口に流体的に結合される。流量計Aは、加算器706の第1入力および除算器708の第1入力に接続された示された流れA出力信号704を供給する。流量計Bは、加算器706の第2入力に接続された示された流れB出力信号705を供給する。加算器706は、除算器708の第2入力に接続された総流れ信号707を供給する。除算器708は、レシオフィードバック信号709(すなわち、示された流れA/(示された流れA+示された流れB))を計算し、この信号は、PIDコントローラ722のフィードバック入力に接続される。プロセスコントローラ710は、PIDコントローラ722のセットポイント入力に振分率セットポイント信号712を供給する。これらの信号に基づいて、PIDコントローラ722は、バルブ駆動信号711を供給し、比例ダイバータバルブ701によってもたらされる流体分割が制御される。振分率コントローラ720の動作を、これから説明する。
【0048】
所与のプロセスステップ中に、各MFC141から14Nは、プロセスコントローラ710から受け取るめいめいのプロセスセットポイントの制御の下で、測定された量の流体を供給する。これらの流体は、MFC141から14Nの出力に接続された共通マニホルド750内で混合され、流体混合物が、振分率コントローラ720の入口155に流れ込む。各プロセスステップ中に、適当な時に、プロセスコントローラ710が、各MFC141から14Nに適当なセットポイントを供給し、振分率コントローラ720に振分率セットポイント(0と1の間)を供給する。比例ダイバータバルブ701は、バルブ駆動信号711の制御の下で、マニホルド750からの入口流体流れを、その2つの出口の間で分割する。セットポイント流れまたは流体の種類の変更の直後に、バルブ701によってもたらされる分割が、プロセスコントローラ710によって要求される分割に正確に一致しない場合があることを了解されたい。
【0049】
流量計A702および流量計B703は、比例ダイバータバルブ701の2つの出口のそれぞれからのプロセス流体の実際の流れを測定し、示された流れ信号AおよびB704および705を供給する。これらの流れ信号が、プロセス室160の各流体入力に供給されるプロセス流体の流れを表すことを了解されたい。加算器706は、示された流れ信号AおよびB704および705を合計することによって、振分率コントローラ720を通る総流れ707を計算する。除算器708は、示された流れ信号A704を総流れ信号707で割ることによって、レシオフィードバック信号709を計算する。PIDコントローラ722は、振分率セットポイント信号712をレシオフィードバック信号709と比較し、サーボ動作し、バルブ駆動信号711を調整し、レシオフィードバック信号709が振分率セットポイント信号712と等しくなるようにする。レシオフィードバック信号709が、少し低すぎる場合には、PIDコントローラ722は、バルブ駆動信号711を増やして補償する。同様に、レシオフィードバック信号709が、少し高すぎる場合には、PIDコントローラ722は、バルブ駆動信号711を減らして補償する。
【0050】
複数の修正を、図7に関して上で説明した実施形態に対して行うことができることを了解されたい。たとえば、上で図7に関して説明した振分率コントローラ720には、示された流れ信号Aを示された流れ信号AおよびBの合計によって割った結果に基づいてレシオフィードバック信号709を決定する除算器708が含まれ、PIDコントローラ712が、レシオフィードバック信号709を振分率セットポイント信号712と比較したが、類似する機能性を、乗算器を用いて提供することができる。たとえば、除算器Aを、振分率セットポイント信号712に総流れ信号707をかけたものに基づいて流れセットポイントを計算する乗算器に置換することができる。PIDコントローラ722は、所望の流れ信号Aをこの代替の流れセットポイント信号と比較して、類似する機能性を提供する。その代わりに、比例ダイバータバルブ701を接続し、その結果、バルブ駆動信号711の増加が流量計702を通る流れの増加につながり、流量計703を通る流れの減少につながるようにするのではなく、バルブ701を、反対の形で接続し、バルブ駆動信号711を反転して補償することができる。
【0051】
したがって、本発明の少なくとも1つの例示的実施形態を説明したが、さまざまな代替形態、修正形態、および改善を、当業者はすぐに思い浮かべるであろう。そのような代替形態、修正形態、および改善は、本発明の範囲に含まれることが意図されている。したがって、前述の説明は、例示的であるのみであって、制限的であることを意図されていない。本発明は、請求項での定義およびその同等物のみによって制限される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】プロセス流体の所定の流れを流体出口の対に供給するように適合された、本発明の1実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図2】プロセス流体の所定の流れを流体出口の対に供給するように適合された、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図3】プロセス流体の所定の流れを3つ以上の流体出口に供給するように適合された、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図4】臨界流れノズルを使用し、プロセス流体の所定の流れを流体出口の対に供給する、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図5】図2の実施形態に似ているがPIDコントローラを含まない、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図6】図3の実施形態に似ているがPIDコントローラを含まない、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。
【図7】比例ダイバータバルブを使用する、本発明のもう1つの実施形態による振分率流体処理制御システムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流れ制御システムであって、
プロセス流体の流れを受け取る流体入口と、
複数の流体出口であって、複数の流体出口が、第1流体出口および少なくとも1つの第2流体出口を含み、第1流体出口が、プロセス流体の流れの第1の所定の量を供給し、少なくとも1つの第2流体出口が、プロセス流体の流れの残りの部分を供給する、複数の流体出口と
を含む流体流れ制御システム。
【請求項2】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する圧力変換器と、
流体的に流体入口および第1流体出口に結合され、プロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取る第1フローコントローラと、
流体的に流体入口および少なくも1つの第2流体出口に結合され、圧力信号および流体入口のプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取り、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給する、圧力コントローラと
をさらに含む、請求項1に記載の流体流れ制御システム。
【請求項3】
それぞれが流体入口および流体出口を有する複数の流体供給フローコントローラであって、各めいめいの流体供給フローコントローラの流体入口が、流体のめいめいの供給に流体的に結合され、各めいめいの流体供給フローコントローラが、めいめいの流体供給コントローラの流体出口で供給されるめいめいの流体の量を表すめいめいのセットポイントを受け取り、各めいめいの流体供給コントローラの流体出力が、プロセス流体の流れを供給するために流体入口に流体的に結合される、複数の流体供給フローコントローラと、
各めいめいの流体供給コントローラにめいめいのセットポイントを供給し、第1フローコントローラに第1セットポイントを供給し、圧力コントローラに圧力セットポイントを供給するプロセスコントローラと
をさらに含み、第1フローコントローラに供給される第1セットポイントが、プロセス流体の流れのうちで第1フローコントローラによって供給される第1の所定の部分を表す比率流れに、複数の流体供給コントローラについて、各めいめいの流体供給コントローラに供給されるめいめいのセットポイントの合計をかけ、めいめいの流体供給コントローラに対応する較正係数をかけたものに基づく
請求項2に記載の流体流れ制御システム。
【請求項4】
めいめいの流体供給コントローラの較正係数が、既知の流体に対するめいめいの流体供給コントローラのフルスケール範囲を、既知の流体に対する第1フローコントローラのフルスケール範囲で割ったものと等しい、請求項3に記載の流体流れ制御システム。
【請求項5】
既知の流体が、窒素である、請求項4に記載の流体流れ制御システム。
【請求項6】
複数の流体供給フローコントローラおよび第1フローコントローラが、マスフローコントローラである、請求項4に記載の流体流れ制御システム。
【請求項7】
第1フローコントローラが、バルブおよび流れセンサを含むマスフローコントローラであり、流れセンサが、バルブの下流に配置される、請求項4に記載の流体流れ制御システム。
【請求項8】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する、圧力変換器と、
圧力信号および流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取り、プロセス流体の流れを表す第1セットポイントを供給する、フィードバックコントローラと、
第1セットポイントおよびプロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第2セットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントを提供するために第1セットポイントに第2セットポイントをかける、第1乗算器と、
流体入口および第1流体出口に流体的に結合され、第1乗算済みセットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給する、第1フローコントローラと、
第1セットポイントおよび、プロセス流体の流れのうちで少なくとも1つの第2流体出口によって供給される残りの部分を表す第3セットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントを提供するために、第1セットポイントに第3セットポイントをかける、第2乗算器と、
流体入口および少なくとも1つの第2流体出口に流体的に結合され、第2乗算済みセットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給する、第2フローコントローラと
をさらに含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項9】
第2セットポイントを受け取り、第2乗算器に第3セットポイントを供給するために、プロセス流体のフルスケール流れを表す値から第2セットポイントを引く減算回路
をさらに含む、請求項8に記載の流体フローコントローラ。
【請求項10】
フィードバックコントローラが、比例、積分、微分フィードバックコントローラである、請求項8から9のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項11】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、バルブおよび流れセンサを含むマスフローコントローラであり、流れセンサが、第1フローコントローラおよび第2フローコントローラのそれぞれのバルブの下流に配置される、請求項8から10のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項12】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、既知の流体に対して類似する応答を有するようにチューニングされる、請求項8から11のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項13】
それぞれが流体入口および流体出口を有する複数の流体供給フローコントローラであって、各めいめいの流体供給フローコントローラの流体入口が、めいめいの流体の供給に流体的に結合され、各めいめいの流体供給フローコントローラが、めいめいの流体供給コントローラの流体出口で供給されるめいめいの流体の量を表すめいめいのセットポイントを受け取り、各めいめいの流体供給フローコントローラの流体出口が、プロセス流体の流れを供給するために流体入口に流体的に結合される、複数の流体供給フローコントローラと、
各めいめいの流体供給コントローラにめいめいのセットポイントを供給し、フィードバックコントローラに圧力セットポイントを供給し、第2セットポイントを第1乗算器に供給するプロセスコントローラと
をさらに含む、請求項8から12のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項14】
複数の流体供給フローコントローラが、マスフローコントローラである、請求項13に記載の流体流れ制御システム。
【請求項15】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する圧力変換器と、
圧力信号および、プロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントを提供するために圧力信号に第1セットポイントをかける、第1乗算器と、
流体入口および第1流体出口に流体的に結合され、第1乗算済みセットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の量を第1流体出口に供給する、第1フローコントローラと、
圧力信号および、プロセス流体の流れのうちで少なくとも1つの第2流体出口によって供給される残りの部分を表す第2セットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントを提供するために、圧力信号に第2セットポイントをかける、第2乗算器と、
流体入口および少なくとも1つの第2流体出口に流体的に結合され、第2乗算済みセットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給する、第2フローコントローラと
をさらに含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項16】
第1セットポイントを受け取り、第2乗算器に第2セットポイントを供給するために、プロセス流体のフルスケール流れを表す値から第1セットポイントを引く、減算回路
をさらに含む、請求項15に記載の流体流れ制御システム。
【請求項17】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、バルブおよび流れセンサを含むマスフローコントローラであり、流れセンサが、第1フローコントローラおよび第2フローコントローラのそれぞれのバルブの下流に配置される、請求項15から16のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項18】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、既知の流体に対して類似する応答を有するようにチューニングされる、請求項15から17のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項19】
それぞれが流体入口および流体出口を有する複数の流体供給フローコントローラであって、各めいめいの流体供給フローコントローラの流体入口が、めいめいの流体の供給に流体的に結合され、各めいめいの流体供給フローコントローラが、めいめいの流体供給コントローラの流体出口で供給されるめいめいの流体の量を表すめいめいのセットポイントを受け取り、各めいめいの流体供給コントローラの流体出口が、プロセス流体の流れを供給するために流体入口に流体的に結合される、複数の流体供給フローコントローラと、
各めいめいの流体供給コントローラにめいめいのセットポイントを供給し、第1セットポイントを第1乗算器に、第2セットポイントを第2乗算器に供給する、プロセスコントローラと
をさらに含む、請求項15から18のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項20】
複数の流体供給フローコントローラが、マスフローコントローラである、請求項19に記載の流体流れ制御システム。
【請求項21】
少なくとも1つの第2流体出口が、プロセス流体の流れの残りの部分を一緒に供給する複数の第2流体出口を含み、流体流れ制御システムが、さらに、
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する圧力変換器と、
圧力信号および流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取り、プロセス流体の流れを表す第1セットポイントを供給する、フィードバックコントローラと、
第1セットポイントおよびプロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第2セットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントを提供するために第1セットポイントに第2セットポイントをかける、第1乗算器と、
流体入口および第1流体出口に流体的に結合され、第1乗算済みセットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給する、第1フローコントローラと、
それぞれが複数の第2流体出口のめいめいの第2流体出口に対応する複数の第2乗算器であって、第1セットポイントおよびめいめいの第2流体出口によって供給されるプロセス流体の流れのめいめいの第2部分を表すめいめいの第3セットポイントを受け取り、めいめいの第2乗算済みセットポイントを提供するために、第1セットポイントにめいめいの第3セットポイントをかける複数の第2乗算器と、
流体入口およびめいめいの第2流体出口に流体的に結合された複数の第2フローコントローラであって、めいめいの第2乗算済みセットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れのめいめいの第2部分を供給する、複数の第2フローコントローラと
を含む、請求項1に記載の流体流れ制御システム。
【請求項22】
少なくとも1つの第2流体出口が、プロセス流体の流れの残りの部分を一緒に供給する複数の第2流体出口を含み、流体流れ制御システムが、さらに、
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する圧力変換器と、
圧力信号および、プロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントを提供するために圧力に第1セットポイントをかける、第1乗算器と、
流体入口および第1流体出口に流体的に結合され、第1乗算済みセットポイントを受け取り、第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給する、第1フローコントローラと、
それぞれが複数の第2流体出口のめいめいの第2流体出口に対応する複数の第2乗算器であって、圧力信号およびプロセス流体の流れのうちでめいめいの第2流体出口によって供給されるめいめいの第2部分を表すめいめいの第2セットポイントを受け取り、めいめいの第2乗算済みセットポイントを提供するために、圧力信号にめいめいの第2セットポイントをかける、複数の第2乗算器と、
流体入口およびめいめいの第2流体出口に流体的に結合された複数の第2フローコントローラであって、めいめいの第2乗算済みセットポイントを受け取り、第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れのめいめいの第2部分を供給する、複数の第2フローコントローラと
を含む、請求項1に記載の流体流れ制御システム。
【請求項23】
第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれが、バルブおよび流れセンサを含むマスフローコントローラであり、流れセンサが第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれのバルブの下流に配置される、請求項21から22のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項24】
第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれが、既知の流体に対する類似する応答を有するようにチューニングされる、請求項21から23のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項25】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定し、プロセス流体の圧力を表す圧力信号を供給する圧力変換器と、
パルス幅変調されるコントローラであって、圧力信号と、流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントと、プロセス流体の流れのうちで第1流体出口によって供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントとを受け取り、第1および第2のパルス幅変調された制御信号を供給する、パルス幅変調されるコントローラと、
流体入口に流体的に結合され、プロセス流体の流れを受け取り、プロセス流体の圧力を減らす第1臨界流れノズルと、
流体入口に流体的に結合され、プロセス流体の流れを受け取り、プロセス流体の圧力を減らす第2臨界流れノズルと、
第1臨界流れノズルおよび第1流体出口に流体的に結合され、第1パルス幅変調された制御信号を受け取り、第1パルス幅変調された制御信号に基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給する、第1制御バルブと、
第2臨界流れノズルおよび少なくとも1つの第2流体出口に流体的に結合され、第2パルス幅変調された制御信号を受け取り、第2パルス幅変調された制御信号に基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給する、第2制御バルブと
をさらに含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項26】
第1臨界流れノズルおよび第2臨界流れノズルが、実質的に同一である、請求項25に記載の流体流れ制御システム。
【請求項27】
第1臨界流れノズルおよび第2臨界流れノズルが、約2対1の比率によってプロセス流体の圧力を下げる、請求項25から26のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項28】
第1制御バルブおよび第2制御バルブが、ディジタル制御バルブである、請求項25から27のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項29】
第1パルス幅変調された制御信号および第2パルス幅変調された制御信号の頻度および持続時間の少なくとも1つが、圧力信号、圧力セットポイント、および第1セットポイントに基づいて変調される、請求項25から28に記載の流体流れ制御システム。
【請求項30】
第1パルス幅変調された制御信号および第2パルス幅変調された制御信号の1つの頻度および持続時間の少なくとも1つが、第1臨界流れノズルおよび第2臨界流れノズルの性能を実質的に同一にするためにさらに変調される、請求項25から29のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項31】
複数の流体出口が、半導体ウェハ処理室に流体的に接続される、請求項1から30のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項32】
プロセス流体が、気体プロセス流体である、請求項1から31のいずれかに記載の流体流れ制御システム。
【請求項33】
プロセス流体の流れを制御する方法であって、
流体入口でプロセス流体の流れを受け取るステップと、
プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給するステップと、
プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給するステップと
を含む方法。
【請求項34】
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口に供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取るステップと、
第1セットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給するように第1フローコントローラに指示するステップと
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定するステップと、
流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取るステップと、
をさらに含み、プロセス流体の流れの残りの部分を供給するステップが、プロセス流体の圧力を圧力セットポイントに維持するために、ある量のプロセス流体を少なくとも1つの第2流体出口に供給するステップを含む
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
めいめいの流体供給フローコントローラによって複数のめいめいの流体供給からめいめいに供給される流体の複数のめいめいの量を表す複数のめいめいのセットポイントを受け取るステップと、
プロセス流体の流れを形成するために、流体の複数のめいめいの量を組み合わせるステップと、
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口に供給される第1の所定の部分を表す比率に、流体の複数のめいめいの量に関する各めいめいのセットポイントの合計をかけ、めいめいの流体供給コントローラに対応する較正係数をかけたものに基づいて、第1セットポイントを決定するステップと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
既知の流体に対するめいめいの流体供給コントローラのフルスケール範囲を、既知の流体に関する第1フローコントローラのフルスケール範囲で割ったものに基づいて、各めいめいの流体供給コントローラの較正係数を決定するステップ
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
既知の流体が、窒素である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第1フローコントローラが、流れセンサおよびバルブを含み、方法が、さらに、
流れセンサをバルブの下流に配置することによって、流れセンサに対する圧力推移の影響を最小にするステップ
をさらに含む、請求項34から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定するステップと、
流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取るステップと、
圧力セットポイントおよびプロセス流体の圧力に基づいて、流体入口でのプロセス流体の流れを表す第1セットポイントを決定するステップと、
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口で供給される第1の所定の部分を表す第2セットポイントを受け取るステップと、
第1乗算済みセットポイントを決定するために第1セットポイントに第2セットポイントをかけるステップと、
第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給するように第1フローコントローラに指示するステップと
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
第2乗算済みセットポイントを決定するために、プロセス流体の流れのうちで少なくとも1つの第2流体出口に供給される残りの部分を表す第3セットポイントを第1セットポイントにかけるステップと、
第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給するように第2フローコントローラに指示するステップと
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
流体入口で受け取られるプロセス流体の流れを表す値を受け取るステップと、
流体入口で受け取られるプロセス流体のフルスケール流れを表す値から第2セットポイントを引くことによって、第3セットポイントを決定するステップと
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
既知の流体に対する類似する応答を有するように第1フローコントローラおよび第2フローコントローラをチューニングするステップ
をさらに含む、請求項41から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、それぞれ、流れセンサおよびバルブを含み、方法が、さらに、
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラのそれぞれでバルブの下流に流れセンサを配置することによって、流れセンサに対する圧力推移の影響を最小にするステップ
を含む、請求項41から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定するステップと、
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口に供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取るステップと、
第1乗算済みセットポイントを決定するために、第1セットポイントにプロセス流体の圧力をかけるステップと、
第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給するように第1フローコントローラに指示するステップと
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
第2乗算済みセットポイントを決定するために、プロセス流体の流れのうちで少なくとも1つの第2流体出口に供給される残りの部分を表す第2セットポイントをプロセス流体の圧力にかけるステップと、
第2乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給するように第2フローコントローラに指示するステップと
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
流体入口で受け取られるプロセス流体の流れを表す値を受け取るステップと、
流体入口で受け取られるプロセス流体のフルスケール流れを表す値から第1セットポイントを引くことによって、第2セットポイントを決定するステップと
をさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
既知の流体に対する類似する応答を有するように、第1フローコントローラおよび第2フローコントローラをチューニングするステップ
をさらに含む、請求項46から47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラが、それぞれ、流れセンサおよびバルブを含み、方法が、さらに、
第1フローコントローラおよび第2フローコントローラのそれぞれでバルブの下流に流れセンサを配置することによって、流れセンサに対する圧力推移の影響を最小にするステップ
を含む、請求項46から48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1つの第2流体出口が、プロセス流体の流れの残りの部分を一緒に供給する複数の第2流体出口を含み、方法が、さらに、
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定するステップと、
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口に供給される第1の所定の部分を表す第1セットポイントを受け取ることと、
第1乗算済みセットポイントを決定するために、第1セットポイントにプロセス流体の圧力をかけるステップと、
第1乗算済みセットポイントに基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分を第1流体出口に供給するように第1フローコントローラに指示するステップと、
それぞれが複数の第2流体出口の第2流体出口に対応する複数の第2セットポイントを受け取るステップと、
複数のめいめいの第2乗算済みセットポイントをそれぞれ決定するために、各めいめいの第2セットポイントにプロセス流体の圧力をかけるステップと、
めいめいの第2乗算済みセットポイントのそれぞれに基づいて、プロセス流体の流れのめいめいの第2部分を供給するように、複数の第2流体出口のめいめいの第2流体出口にめいめいが対応する複数のめいめいの第2フローコントローラのそれぞれに指示するステップと
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
既知の流体に対する類似する応答を有するように、第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれをチューニングするステップ
をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれが、それぞれ、流れセンサおよびバルブを含み、方法が、さらに、
第1フローコントローラおよび複数の第2フローコントローラのそれぞれでバルブの下流に流れセンサを配置することによって、流れセンサに対する圧力推移の影響を最小にするステップ
を含む、請求項50から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
流体入口でのプロセス流体の圧力を測定するステップと、
流体入口でのプロセス流体の所望の圧力を表す圧力セットポイントを受け取るステップと、
プロセス流体の流れのうちで第1流体出口に供給される第1部分を表す第1セットポイントを受け取るステップと、
流体入口でのプロセス流体の圧力、圧力セットポイント、および第1セットポイントに基づいて、第1パルス幅変調された制御信号を生成するステップと、
第1パルス幅変調された制御信号に基づいて、プロセス流体の流れの第1部分を第1出口に供給するように第1バルブを制御するステップと
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
流体入口でのプロセス流体の圧力、圧力セットポイント、および第1セットポイントに基づいて、第2パルス幅変調された制御信号を生成するステップと、
第2パルス幅変調された制御信号に基づいて、プロセス流体の流れの残りの部分を少なくとも1つの第2流体出口に供給するように第2バルブを制御するステップと
をさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
圧力信号、圧力セットポイント、および第1セットポイントに基づいて第1パルス幅変調された制御信号および第2パルス幅変調された制御信号の頻度および持続時間の少なくとも1つを変調するステップ
をさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
プロセス流体の流れを第1バルブおよび第2バルブに供給する前に、プロセス流体の圧力を下げるステップ
をさらに含む、請求項54から55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
圧力を下げるステップが、約2対1の比率によってプロセス流体の圧力を下げるステップを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
圧力を下げるステップが、第1バルブの上流に配置される第1臨界流れノズルおよび第2バルブの上流に配置される第2臨界流れノズルによって実行され、変調するステップが、さらに、第1臨界流れノズルおよび第2臨界流れノズルの性能を実質的に同一にするために、第1パルス幅変調された制御信号および第2パルス幅変調された制御信号の1つの頻度および持続時間の少なくとも1つをさらに変調するステップを含む、請求項56から57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
プロセス流体の流れを複数の装置入口に供給する流体流れコントローラであって、
プロセス流体の流れを受け取る流体入口と、
プロセス流体の流れを複数の装置入口に供給する複数の流体出口であって、複数の流体出口が、第1流体出口および少なくとも1つの追加流体出口を含む、複数の流体出口と、
流体入口で受け取られるプロセス流体の量を表す第1信号を受け取る第1入力と、
プロセス流体の量のうちで第1流体出口に供給される第1の所定の部分を表す第2信号を受け取る第2入力であって、プロセス流体の量の残りの部分が、少なくとも1つの追加流体出口に供給される、第2入力と
を含む流体流れコントローラ。
【請求項60】
第1信号および第2信号を受け取り、第1乗算済み信号を供給するために、第1信号に第2信号をかける、第1乗算器と、
第1入口および第1流体出口に流体的に結合され、第1乗算済み信号を受け取り、第1乗算済み信号に基づいて、プロセス流体の量の第1の所定の部分を第1流体出口に供給する、第1フローコントローラと
をさらに含む、請求項59に記載の流体流れコントローラ。
【請求項61】
少なくとも1つの追加流体出口が、プロセス流体の量の残りの部分を一緒に供給する複数の追加流体出口を含み、流体流れコントローラが、さらに、
プロセス流体の量のうちで複数の追加流体出口のそれぞれにめいめいが供給される残りの部分のめいめいの第2部分を表す複数の追加信号をそれぞれが受け取る複数の追加入力と、
それぞれがめいめいの追加入力に対応する複数の第2乗算器であって、それぞれが第1信号およびめいめいの追加信号を受け取り、めいめいの第2乗算済み信号を供給するために第1信号にめいめいの追加信号をかける、複数の第2乗算器と、
それぞれがめいめいの第2乗算器に対応し、流体入口および複数の追加流体出口のめいめいの追加流体出口に流体的に結合された複数の第2フローコントローラであって、それぞれが、対応する第2乗算器からめいめいの第2乗算済み信号を受け取り、めいめいの第2乗算済み信号に基づいて、プロセス流体の量の残りの部分のめいめいの第2部分をめいめいの追加流体出口に供給する、第2フローコントローラと
を含む、請求項60に記載の流体流れコントローラ。
【請求項62】
第1信号が、流体入口で受け取られるプロセス流体の圧力を識別する、請求項59から61のいずれかに記載の流体流れコントローラ。
【請求項63】
第1信号が、流体入口で受け取られるプロセス流体の圧力に基づく、請求項59から61のいずれかに記載の流体流れコントローラ。
【請求項64】
流体流れコントローラであって、
流体入口で受け取られるプロセス流体の量を表す第1信号を受け取る第1入力と、
プロセス流体の受け取られた量の第1の所定の部分を表す第2信号を受け取る第2入力と、
第1信号および第2信号を受け取り、第1信号に第2信号をかけ、流体入口で受け取られるプロセス流体の量と独立に、プロセス流体の量の第1の所定の部分を表す第1乗算済み信号を供給する、第1乗算器と
を含む流体流れコントローラ。
【請求項65】
流体入力で受け取られたプロセス流体の量の第2の所定の部分を表すめいめいの追加信号を受け取る複数の追加入力と、
各めいめいの追加入力に対応する複数の第2乗算器であって、それぞれが第1信号およびめいめいの追加信号を受け取り、第1信号にめいめいの追加信号をかけ、流体入口で受け取られるプロセス流体の量と独立に、プロセス流体の量の各第2の所定の部分を表すめいめいの第2乗算済み信号を供給する、複数の第2乗算器と
をさらに含む、請求項64に記載の流体流れコントローラ。
【請求項66】
第1信号が、流体入口で受け取られるプロセス流体の圧力を識別する、請求項64から65のいずれかに記載の流体流れコントローラ。
【請求項67】
第1信号が、流体入口で受け取られるプロセス流体の圧力に基づく、請求項64から65のいずれかに記載の流体流れコントローラ。
【請求項68】
少なくとも1つの第2流体出口が、単一の第2流体出口を含み、流体流れ制御システムが、さらに、
流体流れ制御システムの流体入口に流体的に結合された流体入口を有するバルブであって、第1流体出口が、流体制御システムの第1流体出口に流体的に結合され、第2流体出口が、流体制御システムの単一の第2流体出口に流体的に結合され、バルブが、バルブ駆動信号に基づいて、プロセス流体の流れの第1の所定の部分をバルブの第1流体出口に、プロセス流体の流れの残りの部分をバルブの第2流体出口に供給する、バルブ
を含む、請求項1に記載の流体流れ制御システム。
【請求項69】
プロセス流体の流れの第1の所定の部分を表すセットポイントと、プロセス流体の流れの第1の所定の部分の測定された値を表すフィードバック信号とを受け取り、バルブ駆動信号を供給するコントローラ
をさらに含む、請求項68に記載の流体流れ制御システム。
【請求項70】
バルブの第1流体出口によって供給されるプロセス流体の流れの第1の所定の部分を測定し、第1流れ信号を供給する第1流量計と、
バルブの第2流体出口によって供給されるプロセス流体の流れの残りの部分を測定し、第2流れ信号を供給する第2流量計と、
第1流れ信号および第2流れ信号を受け取り、合計し、合計流れ信号を供給する加算器と、
第1流れ信号および合計流れ信号を受け取り、第1流れ信号を合計流れ信号で割り、除算された信号をフィードバック信号としてコントローラに供給する除算器と
をさらに含む、請求項69に記載の流体流れ制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−198203(P2008−198203A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−27627(P2008−27627)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【分割の表示】特願2002−591927(P2002−591927)の分割
【原出願日】平成14年5月23日(2002.5.23)
【出願人】(507145075)セレリティ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】