説明

決済システムおよび決済方法

【課題】訪問者に対面することなく決済を行うこと。
【解決手段】本発明に係る決済システムは、任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末110と、室外端末110を制御する制御装置120とを含み、室外端末110は、認証情報が入力される認証情報入力部111と、請求情報が入力される請求情報入力部112とを備え、制御装置120は、認証情報入力部111で入力された認証情報および/または請求情報入力部112で入力された請求情報に基づいて認証を行う認証部123aと、認証部123aによる認証が成功した場合に請求情報入力部112で入力された請求情報に基づいて決済を行う決済部123bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システムおよび決済方法に関し、特に、訪問者に対面することなく決済を行うことができる決済システムおよび決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、訪問者の正当性を確認する目的で、インターフォンが使用されている。また、特許文献1では、訪問者をカメラで撮影して得られた顔画像データ等を用いて、訪問者の正当性の認証精度を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−3805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、訪問者の訪問目的が、集金や代金引換の物品の配達等の決済を必要とするものである場合、従来は、その訪問者と対面して決済を実行するする必要があった。しかしながら、上記の従来技術等を用いて訪問者の正当性をある程度確認することができたとしても、その訪問者が初対面の者である場合等には、対面するのに不安がある。
【0005】
また、訪問者と対面しなければ決済を行えないこととすると、訪問者が正当な者であっても、外出中や何らかの対面できない事情があるときに訪問が行われた場合、訪問者は、決済を受けることができず、別の機会に訪問し直さなければならない。
【0006】
このような事情から、本発明は、訪問者に対面することなく決済を行うことができる決済システムおよび決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る決済システムは、任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末と、該室外端末を制御する制御装置とを含む決済システムであって、前記室外端末は、認証情報が入力される認証情報入力部と、請求情報が入力される請求情報入力部とを備え、前記制御装置は、前記認証情報入力部で入力された認証情報および/または前記請求情報入力部で入力された請求情報に基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合に前記請求情報入力部で入力された請求情報に基づいて決済を行う決済部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る決済システムおよび決済方法は、任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末と、該室外端末を制御する制御装置とを含む決済システムによって実行される決済方法であって、前記室外端末が、認証情報の入力を受け付ける認証情報入力工程と、前記室外端末が、請求情報の入力を受け付ける請求情報入力工程と、前記制御装置が、前記認証情報入力工程において入力された認証情報および/または前記請求情報入力工程において入力された請求情報に基づいて認証を行う認証工程と、前記制御装置が、前記認証工程における認証が成功した場合に前記請求情報入力工程において入力された請求情報に基づいて決済を行う決済工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る決済システムおよび決済方法は、訪問者に対面することなく決済を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係る決済システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る決済システムの動作を示す図である。
【図3】図3は、実施例2に係る決済システムの構成を示す図である。
【図4】図4は、許可条件情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施例2に係る決済システムの動作を示す図である。
【図6】図6は、実施例3に係る決済システムの構成を示す図である。
【図7】図7は、訪問予定情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、実施例3に係る決済システムの動作を示す図である。
【図9】図9は、実施例4に係る決済システムの構成を示す図である。
【図10】図10は、実施例4に係る決済システムの動作を示す図である。
【図11】図11は、実施例5に係る決済システムの構成を示す図である。
【図12】図12は、実施例5に係る決済システムの動作を示す図である。
【図13】図13は、実施例6に係る決済システムの構成を示す図である。
【図14】図14は、実施例6に係る決済システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る決済システムおよび決済方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明に係る決済システムが家庭において利用される例について説明するが、本発明に係る決済システムは、オフィスや工場のように訪問者に対して決済を行う必要がある可能性のある他の場所でも利用することができる。また、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
まず、図1を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図1に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末110と、家の内部に設置される制御装置120とを含む。
【0013】
室外端末110は、訪問者を認証するための認証情報を取得する認証情報入力部111と、訪問者が請求情報を入力するための請求情報入力部112とを有する。制御装置120は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部123とを有する。ここでいう請求情報には、少なくとも請求額が含まれる。
【0014】
制御部123は、認証部123aと、決済部123bとを有する。認証部123aは、認証情報入力部111から入力された認証情報に基づいて訪問者の正当性を認証する。決済部123bは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証された場合に、請求情報入力部112から入力された請求情報に基づいて、決済を実行する。
【0015】
認証部123aにおける認証は、例えば、正当な訪問者と認めた人の顔画像を登録し、登録した顔画像と認証情報入力部111が撮影した訪問者の顔画像を用いて顔認証を行うことにより実現される。なお、認証部123aにおける認証については、他の方式、例えば、上記の特許文献1で開示されている方式を利用することとしてもよい。また、認証情報入力部111が撮影した訪問者の顔画像を表示部122に表示して住人に提示し、認証を可とする旨の入力が入力部121からあった場合に、認証を成功させることとしてもよい。また、認証情報入力部111が撮影した訪問者の顔画像を予め登録されたメールアドレス宛に送信する等して住人が所持する携帯端末へ送信し、認証を可とする旨の応答が携帯端末からあった場合に、認証を成功させることとしてもよい。住人に訪問者の顔画像を提示する場合、請求情報入力部112から入力された請求情報の内容も提示することとしてもよい。
【0016】
また、認証情報入力部111で入力されたIDとパスワードを、制御装置120内または制御装置120とネットワーク接続された管理装置内に登録されたIDとパスワードと照合して認証を成功させることとしてもよい。また、携帯端末やICカード等の所持品からIDを読み取って認証することとしてもよい。また、IDとパスワードの代わりに、指紋情報や虹彩情報等の生体情報を利用することとしてもよい。また、これらの方式を組み合わせて利用することとしてもよい。認証のための情報は、予め認証部123aに登録しておくこととしてもよい。
【0017】
決済部123bによる決済は、例えば、クレジット会社や銀行を経由して行うことができる。クレジット会社を経由して決済を行う場合、決済部123bは、請求情報入力部112から入力された請求情報に含まれる請求先へ請求情報に含まれる請求金額を支払うようにクレジット会社のサーバ装置へネットワーク経由で依頼する。依頼に必要なクレジット番号等の情報は、入力部121または図示しないカードリーダ経由で予め取得して制御装置120内に記憶させておいてもよいし、決済を実行するたびにカードリーダ等から取得してもよい。
【0018】
銀行を経由して決済を行う場合、決済部123bは、請求情報入力部112から入力された請求情報に含まれる口座へ請求情報に含まれる請求金額を振り込むように銀行のサーバ装置へネットワーク経由で依頼する。振込の代わりにデビッドカードによる支払いの仕組みを利用することもできる。依頼に必要な振込み元の口座番号等の情報は、入力部121または図示しないカードリーダ経由で予め取得して制御装置120内に記憶させておいてもよいし、決済を実行するたびにカードリーダ等から取得してもよい。
【0019】
また、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に固定的に設置される箱の内部に現金等を収容しておき、決済部123bが、その箱の鍵を遠隔操作で解錠して訪問者に内部の現金等を取得させることとしてもよい。
【0020】
次に、図2を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS101)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS102)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS103)、認証が成功した場合は(ステップS104肯定)、決済部123bが、入力された請求情報に基づいて決済を実行する(ステップS105)。認証が失敗した場合は(ステップS104否定)、決済は実行されない。
【0021】
上述してきたように、本実施例では、訪問者を遠隔で認証する手段と訪問者から請求された支払いを遠隔で決済する手段とを組み合わせて決済システムを構成したので、訪問者が請求する支払いを訪問者と対面することなく決済することができる。
【実施例2】
【0022】
決済の安全性を高める例について説明する。まず、図3を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図3に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末110と、家の内部に設置される制御装置220とを含む。
【0023】
制御装置220は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部223と、決済を許可するための条件が定義された許可条件情報を記憶する許可条件記憶部224とを有する。
【0024】
制御部223は、認証部123aと、許可条件確認部223bと、決済部223cとを有する。許可条件確認部223bは、許可条件記憶部224に記憶されている許可条件情報に基づいて決済の可否を確認する。決済部223cは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証され、かつ、許可条件確認部223bによって決済を行ってもよいことが確認された場合に、請求情報入力部112から入力された請求情報に基づいて、決済を実行する。なお、決済部223cによる決済の実現方式は、上述した決済部123bと同様である。
【0025】
許可条件確認部223bによる決済の可否の確認についてさらに詳しく説明する。許可条件記憶部224に記憶される許可条件情報の一例を図4に示す。図4に示すように、許可条件情報は、日付、曜日、時間帯といった訪問者の訪問日時に関する条件と、上限額といった請求内容に関する条件とを含む。
【0026】
図4に示す許可条件情報の1行目には、日付として「*」が設定され、曜日として「Sun」が設定され、時間帯として「10:00〜15:00」が設定され、上限額として「¥5000」が設定されている。これは、日付に関係なく、日曜日の10時から15時の間に訪問者があり、¥5000以下の支払いの請求があった場合には決済を行ってよいことを表している。
【0027】
図4に示す許可条件情報の2行目には、日付として「24」が設定され、曜日として「*」が設定され、時間帯として「13:00〜14:00」が設定され、上限額として「¥3000」が設定されている。これは、曜日に関係なく、24日の13時から14時の間に訪問者があり、¥3000以下の支払いの請求があった場合には決済を行ってよいことを表している。
【0028】
許可条件確認部223bは、許可条件情報の各行を参照して、現在日時が訪問日時に関する条件を満たし、かつ、請求情報入力部112から入力された請求情報の内容が請求内容に関する条件を満たす行が1つでもあれば、決済を行ってもよいと判断し、訪問日時に関する条件と請求内容に関する条件を満たす行が1つもなければ、決済を行ってはならないと判断する。
【0029】
制御部223は、入力部121から入力される指示に従って、許可条件情報の追加、変更、削除を行う。本実施例に係る決済システムの管理者である住人等は、予め分かっている予定や訪問者の訪問パターンに基づいて、許可条件情報を更新する。例えば、住人は、配達日時を指定して商品を代金引換で注文した場合、指定した配達日時前後の時間帯を訪問日時に関する条件として設定し、商品の値段に手数料を加算した額を請求内容に関する条件として設定した行を許可条件情報に追加する。また、¥5000の新聞代を集金する集金人が日曜日の昼間に訪問するというパターンが予め分かっている場合は、住人は、図4に示した許可条件情報の1行目のような情報を許可条件情報に追加する。
【0030】
なお、図4に示した許可条件情報は、一例であり、例えば、訪問者を特定する情報のように他の条件を含んでいてもよい。また、決済を何度も繰り返して受ける不正行為を防止するため、許可条件確認部223bが許可条件情報のある行に基づいて決済を行ってもよいと判断した場合にその行を削除または無効化するようにしてもよい。
【0031】
次に、図5を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS201)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS202)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS203)、認証が成功した場合は(ステップS204肯定)、許可条件確認部223bが許可条件記憶部224に記憶される許可条件情報の各行を参照して決済の可否を検証する(ステップS205)。
【0032】
そして、全ての条件が充足される行があったならば(ステップS206肯定)、決済部223cが、入力された請求情報に基づいて決済を実行する(ステップS207)。認証が失敗した場合(ステップS204否定)、あるいは、全ての条件が充足される行がなかった場合(ステップS206否定)、決済は実行されない。
【0033】
上述してきたように、本実施例では、決済システムの管理者が決済の日時や内容についての条件を定義できるように構成したので、決済システムの安全性を高めることができる。
【実施例3】
【0034】
決済の安全性を高める他の例について説明する。まず、図6を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図6に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末110と、家の内部に設置される制御装置320とを含み、インターネット等のネットワーク10を介して訪問予定管理装置31と接続される。
【0035】
制御装置320は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部323と、予め通知された訪問予定情報を記憶する訪問予定記憶部325とを有する。
【0036】
制御部323は、認証部123aと、訪問予定確認部323bと、決済部323cとを有する。訪問予定確認部323bは、訪問予定記憶部325に記憶されている訪問予定情報に基づいて現在の訪問が予告されたものであるかを確認する。決済部323cは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証され、かつ、訪問予定確認部323bによって現在の訪問が予告されたものであることが確認された場合に、請求情報入力部112から入力された請求情報に基づいて、決済を実行する。なお、決済部323cによる決済の実現方式は、上述した決済部123bと同様である。
【0037】
訪問予定確認部323bによる予告の確認についてさらに詳しく説明する。訪問予定記憶部325に記憶される訪問予定情報の一例を図7に示す。図7に示すように、訪問予定情報は、取引IDといった取引を特定する情報と、訪問予定者の顔画像データまたは訪問者の顔画像データから抽出した特徴量データや、訪問者IDといった訪問予定者を特定する情報と、日付、時間帯といった訪問者の訪問日時を特定する情報と、請求額といった請求内容を特定する情報と、取引内容を示す情報とを含む。
【0038】
図7に示す訪問予定情報の1行目には、取引IDとして「aaa」が設定され、訪問者IDとして「xxx」が設定され、日付として「2月24日」が設定され、時間帯として「10:00〜15:00」が設定され、請求額として「¥5000」が設定され、内容として「ABCショップ」が設定されている。これは、「aaa」というIDで識別される取引のために、「xxx」というIDで識別される訪問予定者が、2月24日の10時から15時の間に訪問し、¥5000の支払いを請求する予定であり、その取引は「ABCショップ」に関連するものであることを表している。
【0039】
図7に示す許可条件情報の2行目には、取引IDとして「bbb」が設定され、訪問者IDとして「yyy」が設定され、日付として「2月25日」が設定され、時間帯として「13:00〜14:00」が設定され、請求額として「¥3000」が設定され、内容として「栄光靴店〜ハイヒール」が設定されている。これは、「bbb」というIDで識別される取引のために、「yyy」というIDで識別される訪問予定者が、2月25日の13時から14時の間に訪問し、¥3000の支払いを請求する予定であり、その取引は「栄光靴店」の「ハイヒール」に関連するものであることを表している。
【0040】
これらの情報は、訪問予定者または訪問予定者が属する組織のオペレータ等によって訪問業者端末32a〜32nのいずれかを用いて入力され、ネットワーク10を介して訪問予定管理装置31に集積される。訪問予定管理装置31に集積された段階の許可条件情報の各行には、訪問先を特定するための情報が含まれており、訪問予定管理装置31は、それに基づいて許可条件情報の各行を訪問先の決済システムへ配信し、訪問予定記憶部325に記憶させる。
【0041】
訪問予定確認部323bは、訪問予定情報の各行を参照して、訪問予定者を特定する情報(例えば、訪問予定者の顔画像と、訪問者IDの両方または一方)が現在訪問中の訪問者を特定する情報(例えば、認証情報入力部111によって撮影された顔画像と、認証情報入力部111または請求情報入力部112によって取得された情報に含まれる訪問者IDの両方または一方)と一致し、現在日時が訪問日時を特定する情報が示す期間内であり、かつ、請求情報入力部112から入力された請求情報の内容が請求内容と一致する行があれば、現在の訪問が予告されたものであると判断し、そのような行がなければ、現在の訪問が予告されたものではないと判断する。
【0042】
なお、図7に示した訪問予定情報は、一例であり、他の情報を含んでいてもよい。例えば、決済システムの管理者である住人等が決済を承認したか否かを示す承認フラグを訪問予定情報の行毎に含めることとし、承認フラグが立っていなければ他の条件が満たされていても決済を認めないこととしてもよい。承認フラグの設定は、決済システムの管理者である住人等が制御装置320を操作することなどにより、訪問予定者の訪問前の任意のとき、または訪問予定者の訪問時に行われる。また、制御装置320を操作することにより、訪問予定の変更依頼をネットワークを介して訪問予定管理装置31へ送信することもできる。
【0043】
また、上記の説明では、訪問者IDに基づいて現在の訪問が予告されたものであるか否かを判定することとしたが、取引IDに基づいて現在の訪問が予告されたものであるか否かを判定することとしてもよい。また、決済を何度も繰り返して受ける不正行為を防止するため、訪問予定確認部323bが訪問予定情報のある行に基づいて現在の訪問が予告されたものであると判断した場合にその行を削除または無効化するようにしてもよい。
【0044】
次に、図8を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS301)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS302)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS303)、認証が成功した場合は(ステップS304肯定)、訪問予定確認部323bが訪問予定記憶部325に記憶される訪問予定情報の各行を参照して現在の訪問が予告されたものであるかを検証する(ステップS305)。
【0045】
そして、現在の訪問に該当する行があったならば(ステップS306肯定)、決済部323cが、入力された請求情報に基づいて決済を実行する(ステップS307)。認証が失敗した場合(ステップS304否定)、あるいは、現在の訪問に該当する行がなかった場合(ステップS306否定)、決済は実行されない。
【0046】
上述してきたように、本実施例では、現在の訪問が予告されたものであるか否かを確認できるように構成したので、決済システムの安全性を高めることができる。なお、本実施例では、訪問予定管理装置31が訪問予定情報を各決済システムに配信することとしたが、訪問があるたびに各決済システムが現在の訪問が予告されたものであるか否かを訪問予定管理装置31に問い合わせるように構成してもよい。
【実施例4】
【0047】
電子マネーによる決済の例について説明する。本例は、電子マネーがチャージされた室内のICカードや携帯端末等と、訪問者がもつ決済用の携帯端末とを仲介して決済を行う例である。まず、図9を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図9に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末410と、家の内部に設置される制御装置420とを含む。
【0048】
室外端末410は、訪問者を認証するための認証情報を取得する認証情報入力部111と、訪問者が請求情報を入力するための請求情報入力部112と、訪問者が所持する携帯端末41と通信可能なRFアンテナ413とを有する。
【0049】
制御装置420は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部423と、電子マネーによる決済に用いられるICカード43と通信可能なRFアンテナ426とを有する。なお、ICカード43によって決済される電子マネーは、プリペイド型であってもポストペイ型であってもよい。
【0050】
制御部423は、認証部123aと、決済部423bとを有する。決済部423bは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証された場合に、ICカード43から携帯端末41への電子マネーの支払いを可能にする。具体的には、決済部423bは、RFアンテナ426がICカード43から受信した信号が、RFアンテナ413から携帯端末41へ送信され、RFアンテナ413が携帯端末41から受信した信号が、RFアンテナ426からICカード43へ送信されるようにRFアンテナ413とRFアンテナ426とを一時的に接続させることによって、電子マネーの支払いを可能にする。
【0051】
このようにRFアンテナ413とRFアンテナ426とを一時的に接続させることにより、ICカード43が携帯端末41に近接している場合と同様に、携帯端末41はICカード43から決済に必要な情報を取得したり、電子マネーを集中管理する決済センタ42と無線通信でやりとりして実行した決済の結果をICカード43へ通知したりすることが可能なる。なお、RFアンテナ413とRFアンテナ426の接続の解除は、一定時間後に行うこととしてもよいし、決済部423bがICカード43と携帯端末41のやりとりを監視して決済の完了を示す情報の送受信が行われた後に行うこととしてもよい。
【0052】
なお、ICカード43は、住人がRFアンテナ413にかざすこととしてもよいし、RFアンテナ413の近傍に設けられた孔に挿入する等していつでもRFアンテナ413と信号を送受信できる状態にしておくこととしてもよい。
【0053】
次に、図10を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS401)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS402)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS403)、認証が成功した場合は(ステップS404肯定)、決済部423bが、RFアンテナ413とRFアンテナ426とを一時的に接続させて信号のやり取りを可能にする(ステップS405)。認証が失敗した場合は(ステップS404否定)、RFアンテナ413とRFアンテナ426は接続されない。
【0054】
上述してきたように、本実施例では、認証が成功した場合にRFアンテナ413とRFアンテナ426とを一時的に接続させることとしたので、訪問者と対面することなく電子マネーによる決済を行うことができる。なお、本実施例においては、室外端末410において請求情報入力部112とRFアンテナ413とを別個に設けることとしたが、決済部423bが請求情報入力部112の機能を兼ねて、RFアンテナ413を介して携帯端末41から請求情報を読み出すこととしてもよい。
【実施例5】
【0055】
電子マネーによる決済の他の例について説明する。本例は、訪問者のもつ携帯端末に電子マネーをチャージする例である。まず、図11を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図11に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末510と、家の内部に設置される制御装置520とを含み、インターネット等のネットワーク10を介して、電子マネーを集中管理する決済センタ52と接続される。
【0056】
室外端末510は、訪問者を認証するための認証情報を取得する認証情報入力部111と、訪問者が請求情報を入力するための請求情報入力部112と、訪問者が所持する携帯端末51と通信可能な通信部513とを有する。なお、携帯端末51と通信部513との間の通信は、接触式のものであってもよいし、電波や赤外線等による非接触式のものであってもよい。
【0057】
制御装置520は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部523と、電子マネーを管理する電子マネー管理部527とを有する。
【0058】
制御部523は、認証部123aと、決済部523bとを有する。決済部523bは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証された場合に、請求情報入力部112から入力された請求情報に含まれる請求額に対応する額の電子マネーを通信部513を介して携帯端末51へチャージ処理と、チャージされた電子マネーの清算を決済センタ52へ要求する処理を電子マネー管理部527に実行させる。
【0059】
次に、図12を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS501)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS502)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS503)、認証が成功した場合は(ステップS504肯定)、決済部523bが、電子マネーを携帯端末51へチャージする処理と、電子マネーの清算を決済センタ52へ要求する処理を電子マネー管理部527に実行させる(ステップS505、ステップS506)。認証が失敗した場合は(ステップS504否定)、電子マネーのチャージ等は実行されない。
【0060】
なお、本実施例においては、室外端末510において請求情報入力部112と通信部513とを別個に設けることとしたが、通信部513が請求情報入力部112の機能を兼ねて携帯端末51から請求情報を読み出すこととしてもよい。
【実施例6】
【0061】
デビッドカードやクレジットカードによる決済の例について説明する。まず、図13を参照しながら本実施例に係る決済システムの構成について説明する。図13に示すように、本実施例に係る決済システムは、玄関の外部のように任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末610と、家の内部に設置される制御装置620とを含む。
【0062】
室外端末610は、訪問者を認証するための認証情報を取得する認証情報入力部111と、訪問者が請求情報を入力するための請求情報入力部112と、訪問者が所持する携帯端末61と通信可能な通信部613とを有する。なお、携帯端末61と通信部613との間の通信は、接触式のものであってもよいし、電波や赤外線等による非接触式のものであってもよい。
【0063】
制御装置620は、住人が指示や情報を入力するための入力部121と、住人に対して各種情報を表示するための表示部122と、決済システムを全体制御する制御部623と、決済に用いられるデビッドカードやクレジットカードから情報を読み出すカードリーダ628とを有する。
【0064】
制御部623は、認証部123aと、決済部623bとを有する。決済部623bは、認証部123aによって訪問者の正当性が認証された場合に、一時的に、携帯端末61が通信部613を介して、入力部121と、表示部122と、カードリーダ628とを制御可能な状態にする。
【0065】
入力部121と、表示部122と、カードリーダ628の制御が可能となることにより、携帯端末61は、デビッドカードやクレジットカードによる決済用の端末として機能することが可能になる。すなわち、携帯端末61は、指示メッセージを表示部122に表示したり、入力部121で入力された暗証番号を取得したり、カードリーダ628で読み取られたカード情報を取得したりすることが可能になる。そして、携帯端末61は、取得した暗証番号やカード情報を請求情報とともに決済センタ62へ無線通信で送信して、決済を依頼することができる。
【0066】
なお、携帯端末61が入力部121等を制御可能な状態にする代わりに、入力部121で入力された暗証番号や、カードリーダ628で読み取られたカード情報を予め決済システム内に記憶しておき、認証部123aによって訪問者の正当性が認証された場合に、携帯端末61からの要求に応じて、記憶している暗証番号やカード情報を通信部613経由で応答することとしてもよい。
【0067】
次に、図14を参照しながら、訪問者の訪問があった場合の本実施例に係る決済システムの動作について説明する。認証情報入力部111が認証情報の入力を受け付け(ステップS601)、請求情報入力部112が請求情報の入力を受け付ける(ステップS602)。認証部123aが、入力された認証情報に基づいて認証を実行し(ステップS603)、認証が成功した場合は(ステップS604肯定)、決済部623bが、決済システムを、携帯端末61へ暗証番号やカード情報が送信される状態にする(ステップS605)。認証が失敗した場合は(ステップS604否定)、そのような状態にはされない。
【0068】
なお、本実施例においては、室外端末610において請求情報入力部112と通信部613とを別個に設けることとしたが、通信部613が請求情報入力部112の機能を兼ねて携帯端末61から請求情報を読み出すこととしてもよい。
【0069】
上述した各実施例で示した決済システムの構成は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。また、各実施例で示した決済システムの構成を任意に組み合わせることもできる。決済に荷物が伴う場合は、郵便ポストや宅配BOXを用いて、あるいは、所定の場所に置いて帰るなどして荷物の受け渡しを行うこともできる。荷物の受け渡しに捺印が必要な場合は、例えば、特開平7−242297や特開平10−099184に記載されるような捺印装置を室外端末とともに設置し、決済の許可と同様に捺印を許可するとよい。
【符号の説明】
【0070】
10 ネットワーク
31 訪問予定管理装置
32a〜32n 訪問業者端末
41、51、61 携帯端末
42、52、62 決済センタ
43 ICカード
110、410、510、610 室外端末
111 認証情報入力部
112 請求情報入力部
120、220、320、420、520、620 制御装置
121 入力部
122 表示部
123、223、323、423、523、623 制御部
123a 認証部
123b、223c、323c、423b、523b、623b 決済部
223b 許可条件確認部
224 許可条件記憶部
323b 訪問予定確認部
325 訪問予定記憶部
413、426 RFアンテナ
513、613 通信部
527 電子マネー管理部
628 カードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末と、該室外端末を制御する制御装置とを含む決済システムであって、
前記室外端末は、
認証情報が入力される認証情報入力部と、
請求情報が入力される請求情報入力部とを備え、
前記制御装置は、
前記認証情報入力部で入力された認証情報および/または前記請求情報入力部で入力された請求情報に基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証が成功した場合に前記請求情報入力部で入力された請求情報に基づいて決済を行う決済部と
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項2】
前記認証部は、顔認証または生体認証によって訪問者を認証することを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記認証部は、取引の識別番号に基づいて認証を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記認証部は、予め設定された日時に関する条件に基づいて認証を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載の決済システム。
【請求項5】
前記認証部は、予め設定された請求額に関する条件に基づいて認証を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の決済システム。
【請求項6】
前記認証部は、前記認証情報および/または前記請求情報請求額を予め送信された情報と照合することにより認証を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の決済システム。
【請求項7】
任意の訪問者がアクセス可能な位置に設置される室外端末と、該室外端末を制御する制御装置とを含む決済システムによって実行される決済方法であって、
前記室外端末が、認証情報の入力を受け付ける認証情報入力工程と、
前記室外端末が、請求情報の入力を受け付ける請求情報入力工程と、
前記制御装置が、前記認証情報入力工程において入力された認証情報および/または前記請求情報入力工程において入力された請求情報に基づいて認証を行う認証工程と、
前記制御装置が、前記認証工程における認証が成功した場合に前記請求情報入力工程において入力された請求情報に基づいて決済を行う決済工程と
を含むことを特徴とする決済方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−198147(P2011−198147A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65191(P2010−65191)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】