説明

油分解触媒とその製造方法、および油捕集・分解フィルタとその製造方法

【課題】多量の付着油を分解することができる油分解触媒とその製造方法、および前記油分解触媒を担持した油捕集・分解フィルタとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ステンレス製メッシュ構造フィルタ1を1100℃で焼成することにより酸化被膜2を形成し、それをチタニアゾルにディップし、乾燥、焼成することによりチタニア層3を形成した。このフィルタを、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選択される一種以上の金属化合物を含む第1触媒と、銅化合物を含む第2触媒と、バナジウム化合物を含む第3触媒、マンガン、コバルト、モリブデン、タングステンから選択される一種以上の化合物を含む第4触媒とを溶解または/および分散させた液にディップし、乾燥、焼成することにより、フィルタ上に油分解触媒4を均一に担持した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油分解能力の優れた油分解触媒と、その触媒を担持した油捕集・分解フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンなどに設置されているレンジフードや換気扇などの局所排気装置は、調理等によって発生した油などを戸外へ排出するが、その際に、油などで風路が汚れてしまうという課題があった。また、地球環境保全の観点からも、油などをそのまま排出してしまうのは好ましくない。
【0003】
そこで、排気装置の風路にフィルタを設けて油などを捕集するだけでなく、フィルタに二酸化チタンなどの光触媒を担持させ、フィルタ上で油などを分解してしまう試みがなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−5513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の光触媒を用いた油分解方法では、光触媒の油分解性能があまり高くないため、油の付着量が多量になると分解しきれなくなってしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、多量の付着油を分解することができる油分解触媒とその製造方法、および前記油分解触媒を担持した油捕集・分解フィルタとその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の油分解触媒は、上記目的を達成するために、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選択される一種以上の金属化合物を含む第1触媒と、銅化合物を含む第2触媒と、バナジウム化合物を含む第3触媒からなることを特徴としたものである。
【0007】
これにより油をより低温で燃焼させることができる。
【0008】
また、本発明の油捕集・分解フィルタは、上記目的を達成するために、金属またはセラミック製フィルタに上記油分解触媒を担持させたものである。
【0009】
これにより、捕集した油を高効率で燃焼させることができ、また、油汚れによる掃除の必要がない油捕集・分解フィルタが得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多量の油を高効率で燃焼させることができる触媒と、その製造方法とを提供することができる。捕集した油を触媒の作用により分解することができるので、本触媒をフィルタに担持させることにより、油汚れによる掃除の必要がない油捕集・分解フィルタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選択される一種以上の金属化合物を含む第1触媒と、銅化合物を含む第2触媒と、バナジウム化合物を含む第3触媒からなることを特徴とする油分解触媒である。
【0012】
第1触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの、酸化物、硝酸塩、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
【0013】
第2触媒としては、銅の酸化物、硝酸塩、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられ、銅は一価でも二価でも構わない。
【0014】
第3触媒としては、硫酸酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、二塩化バナジル、オキシ三塩化バナジウム、硫酸バナジル、五酸化バナジウム、三酸化バナジウム、二塩化バナジウム、四塩化バナジウム、バナジン酸リチウム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム、およびこれらの酸化物、焼成物等が挙げられる。
【0015】
また、銅化合物と、バナジウム化合物と、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選択される一種以上の金属化合物とが共存しているため、触媒活性を高めることができるだけでなく熱的安定性を向上させることもできる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、マンガン、コバルト、モリブデン、タングステンから選択される一種以上の化合物を含む第4触媒からなることを特徴とする油分解触媒である。
【0017】
第4触媒を加えることにより、銅とバナジウムとの複合酸化物の結晶構造を不安定化させ、それにより触媒の活性を高めることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、第1触媒を構成する金属化合物が、金属硫酸塩であることを特徴とする油分解触媒である。
【0019】
金属硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウムが挙げられるが、特に硫酸セシウムが好ましい。
【0020】
硫酸塩を用いる理由としては、酸化物や硝酸塩などと比べると硫酸塩のほうが熱的安定性に優れているためである。
【0021】
請求項4に記載の発明は、第1触媒が硫酸セシウム、第4触媒がマンガンの酸化物であることを特徴とする油分解触媒である。
【0022】
これにより、熱的安定性と油分解性能に優れた油分解触媒を得ることができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液を乾燥、次いで焼成することを特徴とする油分解触媒の製造方法である。
【0024】
これにより、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒の組成比が均一な触媒を得ることができる。
【0025】
また、触媒を分散させる際に分散剤を用いるのも良い。分散剤は、例えばポリカルボン酸型高分子界面活性剤のような、乾燥時または焼成時に燃焼するなどして、触媒上に残存しないものが好ましい。
【0026】
請求項6に記載の発明は、銅とバナジウムとの複合酸化物を形成する温度で焼成することを特徴とする油分解触媒製造方法である。
【0027】
これにより、Cu5210、CuV26、Cu328から選択される一種以上の複合酸化物を含む油分解触媒が得られるので、油に対して高い分解性能を発揮することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、焼成温度が600℃〜950℃であることを特徴とする油分解触媒の製造方法である。
【0029】
これにより、CuV26が銅とバナジウムとの複合酸化物の主成分となり、最も触媒活性が高くかつ耐熱性の高い触媒を得ることができる。
【0030】
焼成温度が600℃未満の場合、銅とバナジウムとの複合酸化物が十分に生成せずに触媒活性が低くなる可能性がある。また、950℃を超えると触媒の結晶構造が変化し、触媒活性が低くなる可能性がある。したがって、より好ましい焼成温度は650℃〜900℃である。
【0031】
請求項8に記載の発明は、油分解触媒を担持したことを特徴とする油捕集・分解フィルタである。
【0032】
これにより、油を捕集するだけでなく、油をフィルタ上で分解することができるため、フィルタ後方の風路を汚すことなく空気を排出することができる。
【0033】
さらに、フィルタに付着した油を効率的に分解することができるので、油汚れによるフィルタ掃除の必要がなくなる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、フィルタの材質が、金属またはセラミックであることを特徴とする油捕集・分解フィルタである。
【0035】
これにより、耐熱性を有する油捕集・分解フィルタとなり、使用環境温度がかなり高温になる場所でも使用可能となる。
【0036】
請求項10に記載の発明は、フィルタの材質が、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタンから選択される一種以上の金属または合金であることを特徴とする油捕集・分解フィルタである。
【0037】
これらの金属を単独で用いてもよいが、耐衝撃性、耐腐食性等の改善のために、複数種類の合金を用いるのもよい。
【0038】
請求項11に記載の発明は、フィルタの材質が、コージェライト、チタン酸アルミニウム、ムライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ・ジルコニアから選択される一種以上のセラミックであることを特徴とする油捕集・分解フィルタである。
【0039】
これらのセラミックを単独で用いてもよいが、複数種類のセラミックが混合されたものを用いるのもよい。
【0040】
請求項12に記載の発明は、フィルタの構造が、網目構造、ハニカム構造、メッシュ構造、粒子状構造のいずれかであることを特徴とする油捕集・分解フィルタである。
【0041】
ここに示すメッシュ構造とは、例えば、金属繊維がメッシュ状になったものを示す。また、粒子状構造とは、粒状の金属およびセラミックを示し、それらを容器に入れ、その容器に処理したいガスを流通させて用いることができる。
【0042】
請求項13に記載の発明は、金属製フィルタにおいて、金属が酸化して酸化被膜を形成する温度で、焼成することを特徴とする油捕集・分解フィルタの製造方法である。
【0043】
例えば、ステンレス製フィルタを1100℃で1時間焼成することにより、酸化アルミニウムを主成分とする酸化被膜が形成される。
【0044】
これにより、金属表面が酸化被膜で被覆されるため、耐腐食性等を向上させることができる。
【0045】
また、酸化被膜が形成されることによりフィルタ表面に凹凸が増えるので、フィルタの表面積が増大し、触媒担持がしやすくなるという効果もある。
【0046】
請求項14に記載の発明は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選択される一種以上の酸化物で、フィルタ表面を被覆することを特徴とする油捕集・分解フィルタの製造方法である。
【0047】
これにより、フィルタがシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選択される一種以上の酸化物で被覆されるため、フィルタ全体としての表面積が増大し、触媒担持がしやすくなる。
【0048】
また、金属性フィルタは、触媒を溶解または/および分散させた液をはじいてしまうので、フィルタ上に触媒を均一に担持することができないが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選択される一種以上の酸化物で被覆することにより、触媒を溶解または/および分散させた液がこれらの酸化物に染み込むことによって、触媒を担持させることが可能になる。
【0049】
また、アルミニウムを含有するフィルタを用いた場合、触媒中の銅とフィルタ中のアルミニウムとが反応してしまうことによる、触媒性能の低下を防ぐこともできる。
【0050】
請求項15に記載の発明は、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液を、フィルタに塗布し、次いで乾燥、焼成することを特徴とする油捕集・分解フィルタの製造方法である。
【0051】
これにより、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒の組成比が均一な触媒が担持され、捕集した油を高効率で分解することができる油捕集・分解フィルタが得られる。
【0052】
また、触媒を分散させる際に分散剤を用いるのも良い。分散剤は、例えばポリカルボン酸型高分子界面活性剤のような、乾燥時または焼成時に燃焼するなどして、触媒上に残存しないものが好ましい。
【0053】
また、ここに示す塗布とは、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液に、フィルタを含浸するなどして、液を付着させることを示す。また、第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液をスプレーする、はけで塗る、などしてフィルタに液を付着させるのも良い。
【0054】
請求項16に記載の発明は、焼成温度が600℃〜950℃であることを特徴とする油捕集・分解フィルタの製造方法である。
【0055】
これにより、CuV26が銅とバナジウムとの複合酸化物の主成分となり、最も触媒活性が高くかつ耐熱性の高い触媒担持した油捕集・分解フィルタを得ることができる。
【0056】
焼成温度が600℃未満の場合、銅とバナジウムとの複合酸化物が十分に生成せずに触媒活性が低くなる。また、950℃を超えると触媒とフィルタ、または触媒とシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選択される一種以上の酸化物との反応が起こり、触媒活性が低くなる可能性がある。したがって、より好ましい焼成温度は650℃〜900℃である。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例にて詳細を説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
【0058】
(実施例1)
イオン交換水30gに、硫酸セシウムを1.74g、硫酸銅五水和物を0.92g、硫酸酸化バナジウムを1.21gの順で加え、10分間攪拌した。次いで、その溶液を凍結乾燥し、さらに、700℃で5時間焼成することにより、CCV触媒を得た。
【0059】
(実施例2)
イオン交換水30gに、硫酸セシウムを1.74g、硫酸銅五水和物を0.92g、硫酸酸化バナジウムを1.21g、酢酸マンガン四水和物を0.01gの順で加え、10分間攪拌した。次いで、その溶液を凍結乾燥し、さらに、700℃で5時間焼成することにより、CCVM触媒を得た。
【0060】
(評価例1)
実施例1および実施例2で調製した触媒の油分解性能を、熱分析装置を用いて評価した。
【0061】
アルミナ製の皿に、油回転ポンプに使用されるポンプ油を約2mg滴下し、そこへ実施例1で調製したCCV触媒、または実施例2で調製したCCVM触媒を約20mg加え、10分静置して触媒に油を染み込ませた。それを10℃/minで30℃から400℃まで昇温させ、そのときの重量を測定し、スタート時の重量を100%としたときの油の残存率を算出した。
【0062】
結果を図1に示す。油のみで400℃まで加熱したとき約10%が残存しているが、CCVおよびCCVMと接触させた場合は400℃で完全に分解しているのがわかる。
【0063】
また、触媒と接触させた場合は100℃付近で分解しているのがわかる。さらに、CCVとCCVMとを比較すると、CCVMの方が残存率が小さくなっており、マンガンの酸化物(酢酸マンガン四水和物を焼成することにより得られた)が微量加わるだけで、分解性能が大幅に高まることがわかった。これは、マンガンの酸化物が銅とバナジウムとの複合酸化物の結晶構造を不安定化させたことにより、活性が高くなったためと考えられる。
【0064】
(評価例2)
CCVM触媒の、調理油の主成分であるオレイン酸に対する分解性能を、評価例1と同様の方法で評価した。
【0065】
結果を図2に示す。オレイン酸のみのときは、150℃あたりから徐々に分解が始まり、約450℃で完全に分解している。CCVMと接触させた場合は50℃あたりから分解が始まり、約250℃で完全に分解している。ここから、オレイン酸を主成分とする調理油に対しても、CCVM触媒は高い分解性能を示すことがわかった。
【0066】
(実施例3)
はじめに、5cm×5cmのステンレス製メッシュ構造フィルタ1を1100℃で1時間焼成し、フィルタ表面に酸化アルミニウムを主成分とする酸化被膜2を形成させた。
【0067】
次いで、フィルタをチタニアゾルにディップし、十分に液切りした後、液体窒素にて予備凍結させ、凍結乾燥した。乾燥後、700℃で5時間焼成し、フィルタ表面をチタニア層3で被覆させた。
【0068】
次いで、イオン交換水30gに、硫酸セシウムを1.74g、硫酸銅五水和物を0.92g、硫酸酸化バナジウムを1.21g、酢酸マンガン四水和物を0.01gの順で加えた溶液に、表面をチタニア層3で被覆させたステンレス製メッシュ構造フィルタ1をディップし、十分に液切りした後、液体窒素にて予備凍結させ、凍結乾燥した。乾燥後、700℃で5時間焼成し、油分解触媒4をフィルタに担持させた。
【0069】
製造した油捕集・分解フィルタの概略断面図を図3に示す。油捕集・分解フィルタの構造は、ステンレス製メッシュ構造フィルタ1表面に酸化被膜2が形成され、チタニア層3、油分解触媒4の順で積層し、油分解触媒4が最表面に担持されている。
【0070】
(比較例1)
イオン交換水30gに、硫酸セシウムを1.74g、硫酸銅五水和物を0.92g、硫酸酸化バナジウムを1.21g、酢酸マンガン四水和物を0.01gの順で加えた溶液に、ステンレス製メッシュ構造フィルタ1をディップし、十分に液切りした後、液体窒素にて予備凍結させ、凍結乾燥した。乾燥後、700℃で5時間焼成し、油分解触媒4をフィルタに担持させた。
【0071】
(評価例3)
実施例3と比較例1の触媒担持量を重量測定より求め、ステンレス製メッシュ構造フィルタ1に対する重量%を算出した。
【0072】
【表1】

【0073】
実施例3と比較例1の触媒担持量を表1に示す。表1より、フィルタをチタニア層3で被覆することにより、CCVM触媒の担持量が約3倍に増加したことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の油捕集・分解フィルタは、金属やセラミック製のフィルタに触媒を担持することにより、捕集した油を効率良く分解することができるので有用である。このフィルタはキッチンに設置されるレンジフードや換気扇などの換気装置のほかに、油回転ポンプなどから発生する機械油の捕集・分解フィルタなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明評価例1における、触媒温度に対するポンプ油残存率を示す図
【図2】本発明評価例2における、触媒温度に対するオレイン酸残存率を示す図
【図3】本発明実施例3における、油捕集・分解フィルタの概略断面図
【符号の説明】
【0076】
1 ステンレス製メッシュ構造フィルタ
2 酸化被膜
3 チタニア層
4 油分解触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選択される一種以上の金属化合物を含む第1触媒と、銅化合物を含む第2触媒と、バナジウム化合物を含む第3触媒からなることを特徴とする油分解触媒。
【請求項2】
第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、マンガン、コバルト、モリブデン、タングステンから選択される一種以上の化合物を含む第4触媒からなることを特徴とする請求項1記載の油分解触媒。
【請求項3】
第1触媒を構成する金属化合物が、金属硫酸塩であることを特徴とする請求項1または2記載の油分解触媒。
【請求項4】
第1触媒が硫酸セシウム、第4触媒がマンガンの酸化物であることを特徴とする請求項2または3に記載の油分解触媒。
【請求項5】
第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液を乾燥、次いで焼成することを特徴とする油分解触媒の製造方法。
【請求項6】
銅とバナジウムとの複合酸化物を形成する温度で焼成することを特徴とする請求項5記載の油分解触媒の製造方法。
【請求項7】
焼成温度が600℃〜950℃であることを特徴とする請求項5または6記載の油分解触媒の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至4いずれかに記載の油分解触媒を担持したことを特徴とする油捕集・分解フィルタ。
【請求項9】
フィルタの材質が、金属またはセラミックであることを特徴とする請求項8記載の油捕集・分解フィルタ。
【請求項10】
フィルタの材質が、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタンから選択される一種以上の金属または合金であることを特徴とする請求項9記載の油捕集・分解フィルタ。
【請求項11】
フィルタの材質が、コージェライト、チタン酸アルミニウム、ムライト、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ・ジルコニアから選択される一種以上のセラミックであることを特徴とする請求項9記載の油捕集・分解フィルタ。
【請求項12】
フィルタの構造が、網目構造、ハニカム構造、メッシュ構造、粒子状構造のいずれかであることを特徴とする請求項8乃至11いずれかに記載の油捕集・分解フィルタ。
【請求項13】
金属製フィルタにおいて、金属が酸化して酸化被膜を形成する温度で、焼成することを特徴とする、請求項8乃至10または12いずれかに記載の油捕集・分解フィルタの製造方法。
【請求項14】
シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアから選択される一種以上の酸化物で、フィルタ表面を被覆することを特徴とする請求項13記載の油捕集・分解フィルタの製造方法。
【請求項15】
第1触媒と、第2触媒と、第3触媒と、第4触媒とを溶媒に溶解または/および分散させた液を、フィルタに塗布し、次いで乾燥、焼成することを特徴とする請求項8乃至12いずれかに記載の油捕集・分解フィルタの製造方法。
【請求項16】
焼成温度が600℃〜950℃であることを特徴とする請求項13乃至15いずれかに記載の油捕集・分解フィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−95369(P2006−95369A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281820(P2004−281820)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】