説明

油又は脂肪の測定方法、油又は脂肪用ろ過装置、及び測定装置

油又は脂肪を使用し、且つフィルタ・ハウジング及びこれに挿入された少なくとも1個のフィルタ素子(7)を含むろ過装置(1;101)を備えた装置において、油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定する方法であって、測定装置(30;130;230)の少なくとも1個のセンサ(35,36;135;235)を、油又は脂肪巡回路に位置する測定空間(8;208)に導入して、油又は脂肪の少なくとの1個の状態特性を測定し、その測定値を、少なくとも1個のセンサ(35,36;135;235)に接続された測定電子機器を用いて評価する方法を開示している。本発明の特徴は、上記フィルタ素子としてマイクロフィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子(7)を使用することにある。また同様に、ろ過装置(1)及び対応して設計された測定装置(30)も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の包括項に従う、油又は脂肪の少なくとも1個の定常特性を測定する方法、請求項9の包括項に従う、油又は脂肪のろ過装置、特にエンジン、油圧技術、変速機、タービン又は食料の分野における油又は脂肪用ろ過装置、及び請求項28の包括項に従う測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油(oil)又は脂肪(fat)の定常特性の測定(決定)は、多くの分野で要望されている。特にエンジン、油圧技術、変速機及びタービンの分野、とりわけモータ・ビヒクルの分野では、特に油の品質、及び循環における油の油温度の測定に対しては、大きな要求がある。油は、例えば、クランク・ケースに浸透する空気のために、モータ・ビヒクルのエンジン中で酸化し、このためそのプロセス酸が形成する。分離された樹脂油(oleoresin)及びアスファルト、同様にストリート・ダスト、金属すり減り粉、及び溶解した燃焼残さが、油を泥のように変える。油の循環は、さらに凝縮水及び時々冷媒により邪魔される。結果として、油の品質及び油の分解が、機械部品を保護するために油の交換が必要か否かの決定を可能にする。
【0003】
TEMIC社の公知のオイル・センサは、モータ・ビヒクルのオイルパンの油の誘電定数、そのレベル、そして温度を測定することができる。このため、このセンサ・セルは、2個のキャパシタを示し、その1個は完全に油に浸されている。その容量は、油の誘電定数に依存している。第2のキャパシタは、予想される最大レベルと最小レベルの間において油の特性(状態)を測定することができる位置に配置される。第2のキャパシタの容量は、油の誘電定数とオイルパンのレベル(液面)とに依存している。センサ・セルは、機械的アダプタにより、オイルパンに取り付けることができる。センサ・セルは、電子ケーブルを介して、オイルパンの外側の測定電子機器に接続される。センサ・セルは、このため、オイル・フィラーを介して案内され、機械的アダプタによりフィラーにねじ留めされる。
【0004】
公知のオイル・センサの不利は、その操作がどちらかと言うとやりにくい点である。センサは、油の補給中には予め除去されていなければならないのである。さらなる不利は、オイルパンの油が必ずしも循環している油を表すものではなく、このため実際の潤滑剤の明確な状態をもたらさないとの点にある。オイルパンの金属、及びクランクシャフトの金属も、測定精度に影響する誘電電流をもたらし得るとのさらなる問題を与える。
【0005】
さらに、特許文献1(DE10103532A1)及び特許文献2(DE10025690A1)によれば、オイル・サイクルのフィルタ・ハウジングの内壁に近接してセンサを配置することが知られている。これらの公知の配置においては、とりわけ、センサへのアクセスのし易さが限定されるか、或いはセンサの交換の費用が極めて高い。同様に、特許文献3(US2003/0046985A1)のろ過装置にも当てはまる。ここには、フィルタ・ハウジングの内壁に円筒状に直線配置された数個の電極が開示されている。ここでも、測定装置のアクセスのし易さ及び取扱い性が容易とは言えない。さらに、これらのオイル・センサの測定精度も最適ではない。
【0006】
特許文献4(DE10208600A1)には、オイル・フィルタと共に交換のみされ得る、そのオイル・フィルタに組み込まれたセンサが開示されている。この装置は、それ相応に高価であり、コスト面から好ましくない。
【0007】
特許文献5(US5023133)には、内部に酸センサが配置されている中空円筒フィルタ素子を有するオイル・フィルタが開示されている。フィルタ・ハウジング・ワイヤのリムから、ワイヤがオームメータに接続されている。このセンサは、アクセスが容易でもなく、交換が容易でもない。
【0008】
さらに、油の定常特性の測定を正確にすることは、公知のどの測定装置を用いても不可能である。
【0009】
他の分野、特に食料分野で、脂肪の定常状態の測定が望まれており、法律で規定さえされている。従って、例えば、フライ用脂肪の場合、その品質及びその温度、或いは他の測定可能な脂肪特性を測定する簡単で正確な手段が大いに必要とされている。
【0010】
【特許文献1】DE10103532A1
【特許文献2】DE10025690A1
【特許文献3】US2003/0046985A1
【特許文献4】DE10208600A1
【特許文献5】US5023133
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、油又は脂肪を高い信頼性で、容易に測定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、請求項1の要旨の本発明の方法によって、請求項9の要旨の本発明のろ過装置によって、そして請求項28の要旨の本発明の測定装置によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の方法によれば、油又は脂肪の特性(状態)の極めて正確な測定は、測定材料を極めて精密にろ過された場合に、行うことができることが確認された。このため、フィルタ素子は、油又は脂肪の循環において、マイクロフィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子として作製されている;即ち、10μm未満のサイズの粒子は流れからろ過除去される。名目上、マイクロフィルタ(他の名称:微粒子フィルタ)は、1μmを超える粒子をろ過し、ウルトラフィルタは、0.1μmを超える粒子をろ過し、そしてナノフィルタは、0.01μmを超える粒子をろ過する。これらの値は操作において達成することは困難である。しかしながら、マイクロフィルタは、例えば、約3μm以下のサイズの粒子を、繰り返し操作でその流れから確実にろ過除去することができる。
【0014】
上記フィルタのフィルタ材料は、セルロース、グラスファイバー及び/又はセラミックであることが好ましい。このようにろ過される測定材料により、センサは、顕著に良好に「風化」から保護されており、これにより測定の精度が顕著に向上し得ることが明らかとなっている。同様に、油中での酸形成は大幅に減少している。なぜなら、本発明のマイクロフィルタ使用は、油から水分を除去するので、結果として酸アセテートをほとんど形成しないためである。油の耐用年数も、この測定の結果、延ばされる。さらに、公知の測定法では質量が無いと考えられる極小の金属粒子は、センサに引きつけられるため、センサに損傷を与える。特に、キャパシタとしてセンサを構築する場合、測定結果が歪められるが、これは、これらの極小の金属粒子をろ過除去することができるマイクロフィルタの使用により防止される。
【0015】
特に好ましい改良設計によれば、ろ過装置は、オイル・サイクルのバイパス・フローに配置され、そして原則として、さらにフル・フローろ過装置が設けられる。このような配置の場合、フル・フローろ過装置に対する摩耗及び引き裂きに対する優れた保護が保証され、一方、バイパス・フローろ過装置では、油の極めて集中的な洗浄がなされる。特に、バイパス流ろ過装置を使用することにより、油は循環を数回通過した後に極めて精密にろ過されるので、油の品質を極めて正確に且つ簡単に行うことができ、従って起こり得る油交換のための正確な指示を提供する。これに関係して、少なくとも1個のセンサは、新しい油の品質に対して油品質を測定するために較正される。即ち、今の油の品質の偏差を新しい油の品質に対して測定する。
【0016】
ろ過装置のバイパス・フロー配置の場合、実際の油の品質は、結果的に正確に測定することができ、正しい時期に油の変更を実施することができる。これに関連して、マイクロフィルタにより、油が極めて長い耐用年数を維持するとの利点が得られる。
【0017】
本発明の方法における特に好ましい改良設計によれば、特にオイル・サイクル・エンジンの場合、潤滑の測定が、ろ過装置のフィルタ・ハウジングの内部で行われる。標準機能として、フィルタ・ハウジングのフィルタ素子は絶好の時間間隔で交換されなければならないので、フィルタ・ハウジングは容易にアクセスできるように作製されている。これに関連して、油潤滑のエンジンの場合の測定は、ルーチン操作で可能であるとの利点がある。例えば、ろ過装置は、エンジンが作動している一定の時間の後、オイル・サイクルから分離することができ、このため油はフィルタ・ハウジング内に存在しており、それから測定がハンド装置で行うことができる。油、好ましくは油供給サイクルにおいてポンプで送り続けられる油は、この間に、オーバー・フロー・ライン(バイパス・フロー・ライン)により、他のオイル・ラインを介して潤滑点に到達する。以下においても議論される別の手段においては、センサは、この目的のフィルタ・ハウジングに永久に取り付けられる。結果として、情報は、オイル・サイクルにおいて実際に循環する油の少なくとも1個の定常特性について、連続的に得られる。
【0018】
本発明の方法は、RME(菜種油メチルエステル)又はバイオディーゼルで作動するエンジンで使用されることが好ましく、便宜であることが明らかとなっている。この燃料は、リノール酸及びリノリウム酸を含む、そして前者は汚れた溶解剤であり、後者は接着剤として働く。オイル潤滑点で、汚れた粒子は、油中で、バイオディーゼルのリノリウム酸と重合し、このため、本発明によれば、油は精密にろ過されて、潤滑点及び潤滑オイル・ライン通路(channel)の粘着を防止することができる。本発明の方法によれば、オイル・フィルタ・ハウジングにおけるこのろ過の点検は容易に行うことができ、且つ特に好ましい。
【0019】
本発明のろ過装置は、マイクロフィルタ、粒子フィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子として作製されたフィルタ素子に特徴があり、その結果として、上述の利点がもたらされる。名目上、マイクロフィルタ及び粒子フィルタは、約1μmまで(実際、数μmサイズまで)の粒径の汚れた粒子を除去する。
【0020】
測定空間に置かれたセンサは、前述のマイクロフィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子によって囲まれていることが特に好ましく、正確に言うと、可能であればセンサをオイル流に置くようにすることが好ましい。これは、特に、フィルタ素子が中空の円筒として作製され、油が内側から外側に流れるか、或いはろ過材料が外側から内側に流れる場合である。このことは、巡回路を巡回する油の少なくとも1個の定常特性を機械作動しながら簡単に測定することができることを保証する。
【0021】
上記目的のため、便宜的に、遮断装置は、フィルタ・ハウジング内の油用注入口から上流に設けられる。この遮断装置は、オイル・ラインを積極的に遮断し、測定を実行することができるように、手動で操作することができ、特に好ましい。遮断装置は、バルブ、又は開閉栓として設計することが有利である。このように、オイル・回路に実際に到達する油を測定する一方、オイルパンでの測定は誤った状態を与えるであろう。なぜなら、パンの油の組成は巡回路内の油の組成とは異なっているためである。
【0022】
上記の手動操作遮断装置は、ハンド装置を使用すべき場合に特に用途があり得る。ハンド装置としては、好ましくはDE10015516A1及びDE10163760に記載されているもので、センサとしてインターデジタル・キャパシタを示す装置で、ハンド装置を油の当座の測定(例えば、自動車修理工場の試験台での、及び特に作動中のエンジン又はタービンを用いての油の当座の測定)に使用されるものである。その装置は、この場合、モータ・ビヒクルは、永久センサが据え付けられている必要はなく、このためこれはコスト効率の良い改良タイプである。測定電子機器の少なくとも大部分は、アタッチメントを介してセンサに接続された手動操作測定装置のハウジング内に組み込まれる(DE10163760参照)。
【0023】
インターフェースは、手動操作測定装置のハウジング上に、そのヘルプデータと共に、据え付けることができる。そのヘルプデータは、例えば測定装置の測定電子機器に格納されており、読み出すことができ(データロガー機能)、そしてまたデータを、外側から、例えばPCから測定装置に入力することができる。
【0024】
油又は脂肪の少なくとも1個の定常特性が、当座測定されるか、或いは定点測定されるか否かに拘わらず、フィルタ・ハウジング上の挿入開口部が設けられ、これにより、センサが測定空間に当座又は固定的に据え付けられ得る。挿入開口部は、便宜的態様によれば、フィルタ・ハウジングを覆うハウジング・カバー内に構築される。
【0025】
選択肢として、ハウジング・カバーにより閉鎖されるべきフィルタ・ハウジングの挿入開口部全体は、センサを挿入するのに好適とされる。両方の場合において、挿入開口部の対応するシールは、フィルタ・ハウジングの測定空間にセンサを挿入するために、即座に除去できることが好ましい(油又は脂肪がフィルタ・ハウジング内に供給されないことを確認後)。
【0026】
中空空間(好ましくは中央の中空間)を有するフィルタ素子の場合、センサは、この中央の中空空間の測定空間に便宜的に導入される。この測定空間への導入は、好ましくはろ過装置の上部の挿入開口部を介して、そしてこれに関して、特にハウジング・カバー内に設けられた挿入開口部を介して行われる。これに関して、フィルタ・ハウジングは、実質的に直立に配置されることが好ましい。この便宜的態様の場合、測定装置を用いるための十分な空間は、注入口及び出口をハウジングの下側又は側壁にさらに設けた場合に有効である。この点に関する便宜的態様において、中空の円筒型フィルタ素子を使用し、その素子は、油から水を捕獲するため純粋なセルロースから作製されていることが特に好ましい。このようなマイクロフィルタ又は特にフィルタ素子は、名目上、1μmサイズの粒子をろ過除去することができる。
【0027】
測定装置との連動におけるろ過装置の特に簡単な操作は、挿入開口部が測定空間と実質的に一列に並んだ場合にもたらされる。
【0028】
当座の測定のための測定装置は、フィルタ・ハウジングの挿入開口部の端部に支持され、これによりユーザにより把握されるべき測定装置の別のユニットは、フィルタ・ハウジングから突き出ていることが好ましい。それから、このような設計では挿入開口部の開口及び測定装置の支持のみ必要であり、これによりセンサはフィルタ・ハウジングの油と接触するようになる。
【0029】
挿入開口部は、閉鎖素子(例、ねじユニット、特にねじ)により閉鎖することができ、閉鎖素子は例えばハウジング・カバー内に配置されている。当座の測定のために、このねじだけが、センサをフィルタ・ハウジングに挿入するために除去されればよい。ハウジングを有する幅広の表示部及びハンドルユニット、或いはハンド測定装置上の別の対応する広い構築部が、挿入開口部の外側端部にそれ自体支持されており、一方センサは油又は脂肪中に沈んでいる。
【0030】
固定の測定装置の改良型の場合、ハウジング・カバー上の第1の保持部が、本発明の測定装置の第2の保持部と直接又は間接に連結するために設けられている。これに関連して、第1及び第2の保持部の摩擦連結が絶好である。
【0031】
好ましい態様によれば、第1の保持部は、前述のハウジング・カバーの挿入開口部に構築され、そして、例えば内部のねじ山を含んでいる。相応して、測定装置(測定電子機器を持たない)は、対応する外部のねじ山を有する挿入開口部にねじ込むことができ、同時に挿入開口部を閉鎖することができる。それから、ワイヤーが測定装置の測定電子機器の外側に導かれる。
【0032】
上記の外部のねじ山は、上記閉鎖素子上に設けられ、且つ測定装置はその下側に摩擦的に及び/又は確実に連結され得るか、又は連結されることが好ましい。この配置は、測定装置とフィルタ・ハウジングとの直接又は間接の連結に対応する。
【0033】
センサと上記閉鎖素子との摩擦連結の場合、フィルタ素子を交換するため、センサを清掃するため、或いはセンサ/閉鎖素子ユニットを交換するために、両方とも、ハンドル付きろ過装置から除去されることが好ましい。
【0034】
選択肢として、挿入開口部は、測定装置に連結されていないシールで閉鎖することができ、この場合、しかしながら、上記ラインは、フィルタ・ハウジングから、シールを介して、好ましくはシールされたチャンネルを介して、導かれていることが便宜である。これに関して、測定装置は、ハウジング・カバー上の閉鎖素子から分離され、そして、おそらく、挿入開口部上に、例えば特に適応されたサスペンション・システムにより配置することさえできる。
【0035】
便宜上、測定空間は、フィルタ素子の下半分の高さに位置し、これによりセンサの油又は脂肪への確実な浸漬を保証している。さらに、このため、少なくとも1個のセンサを、フィルタ素子の下端部の領域に配置することができれば、便宜である。
【0036】
フィルタ・ハウジング内の測定空間は、注入口又は出口に近接して設けられることが便宜である。第1の場合、油は、まずセンサを通り過ぎ、それからフィルタを通過し、第2の場合、他の逃げ道がある。特に、作動中のエンジン又はタービンの場合、油はフィルタ素子を介して数回供給されるので、両方の設計の場合における油の品質は、実質的に同一であり、これにより上記2つの場合における測定値は相互に実質的に異なるものではない。ここでも、実際に油巡回路にある油が測定され、オイルパンの油は測定されないとの利点はある。
【0037】
少なくとも1個の注入口及び/又は少なくとも1個の出口は、フィルタ・ハウジングの下側に配置することが好ましい。油又は脂肪は、フィルタ・ハウジングを通って底部から頂部に垂直に進み、方向変換後、再び出口を通ってフィルタ・ハウジングを出る。上方及び/又は下方への途中で、油又は脂肪はフィルタ素子を通過する。
【0038】
本発明の便宜な設計によれば、少なくとも1個のセンサは、フィルタ・ハウジングの出口領域及び注入口領域の両方に挿入又は設置され、これにより、例えば飛行機の分野では、ろ過装置のろ過効率を測定することができる。
【0039】
本発明の測定装置は、油又は脂肪の1個以上の定常特性をそれを用いて測定することができるように、従って、例えば、その誘電定数、粘度、pH値、TAN値(合計酸価)、TBN値(合計塩基価)、温度、PC値(極性化合物)、及び/又はFFA値(遊離脂肪酸)を測定することができるように、構築されていることが便宜である。特に、誘電定数は、油又は脂肪の品質についての情報を与える。キャパシタとして、便宜的にはインターデジタル・キャパシタ(IDK)として相応するようにセンサを構築するのが絶好である。本出願人のDE10015516A1及びDE10163760A1公報に記載されている。従って、このようなデジタル・キャパシタは、ハンド測定装置による測定(DE10015516A1及びDE10163760A1参照)、及び測定装置とフィルタ・ハウジング・カバーとの連結による固定測定の両方に適用することができる。
【0040】
遊離脂肪酸(FFA値−free fatty acids)の場合、これらは、化学的方法又は物理的方法のいずれかによって測定することができる。TAN及び/又はTBNは、イオン感受性半導体センサを用いて便宜的に測定することができる。pH値は、ガラス電極又はイオン感受性半導体センサで好ましく測定することができる。粘度は、表面センサ(SAW=表面アコースティック・ウエーブ・テクノロジー)で便宜的に測定することができる。数種のセンサの場合、それらは便宜的に一体化、例えばセラミック板に配列されている。
【0041】
本発明の装置は、ろ過装置及び/又はそれぞれ前述のタイプの測定装置を含んでいる。特に好ましい設計によれば、装置は、対応するエンジン、油圧技術、変速機及び/又はタービン部が油巡回路を介して提供されるモータ・ビヒクルとして構築されている。本発明の方法は、本発明のろ過装置を用いて実施され、−エンジン駆動モータ・ビヒクルの場合−、好ましくは駆動エンジンの場合における停止モータ・ビヒクルと共にだけ使用されるハンド測定装置を用いて、或いは停止の(好ましくは駆動エンジン付きの)又は走行中のモータ・ビヒクルの場合におけるフィルタ・ハウジング内に固定的に留まっている測定装置を用いて実施される。
【0042】
操縦者には、測定値(未加工状態又は評価した状態)について通信により知らせることが特に好ましい。操縦者は、情報を得るために、積極的に介入する必要はない。この目的のために設けられた表示ユニットは、聴覚又は視覚に基づく情報を示すことができる。測定装置の測定電子機器は、測定値の作成及び必要により評価の目的を提供するものであるが、ここでは、これは、表示ユニットに、例えば通信又はフィールド・バス・システムにより連結される。
【0043】
視覚再生の場合、情報が操縦者の視野内、例えば、計器パネル又はフロントガラス上で表示されると便宜である。結果として、操縦者には、固定測定装置の場合、油の特性(状態)及び他の油のパラメータについて操縦中に伝えることができ、特に、臨界値については警告することができる。
【0044】
本発明の対応する改良によれば、種々の色信号伝達装置(信号装置)を、油又は脂肪の特性を示すように使用することができる。信号装置が緑色を発光した場合、操縦者には、油が臨界状態にないことが知らされる。黄色又は赤色の信号は、操縦者に、油の状態が臨界相に近づいているか、既に警告状態になったことを知らせる。
【0045】
本発明の別の改良では、本発明の装置は、食料製造分野での電熱式フライ専用鍋(deep fryer)として構築されるものであり、且つ電熱式フライ専用鍋の脂肪は本発明により測定することができる。
【0046】
本発明の便宜的改良は、従属の請求項の要旨を特徴とする。
【0047】
以下に、本発明を、図面を用いてより詳細に説明する。図は以下の通りである:
図1は、本発明のろ過装置の側面断面図を示し;
図2は、ハンド測定装置を備えたろ過装置の側面断面図を示し;
図3は、本発明のろ過装置の別の態様で、永久使用測定装置を備えたろ過装置の側面断面図を示し;そして
図4は、フル・フロー及びバイパス・フロー・フィルタの組合せを備えた油巡回路の流体力学概略図を示す。
【0048】
図1において、本発明のろ過装置1は、側面断面図で示されており、それを完成させるハウジング・カバー3を備えたカップ型のフィルタ・ハウジング2が上側に示されている。ろ過装置1は、その縦軸で実質的に対称となるように構築されており、直立位置で描かれている。フィルタ・ハウジング2の下に、断面がU形状の連結部分(piece)4がねじ5によりねじ連結されている。自動車車体の金属シート等を据え付けるねじ6がフランジの下側に設けられている。
【0049】
フィルタ・ハウジング2の内部には、中空円筒形状の、交換可能なフィルタ素子7が挿入される。フィルタ素子7は、軸方向に巻かれたマイクロフィルタ、又は特に、ストッキング形状の外側カバーを備えたセルロース製フィルタ素子として構築されている。このようなマイクロフィルタ又は特にフィルタ素子は、名目上、1μmのサイズの粒子をろ過除去することができる。特に、これらのフィルタは、約2.5μm以上のサイズの粒子をろ過することができる。
【0050】
スルーホールとして構築された注入口9は、フィルタ素子7によって封入された測定空間8に流れ込んでいる。この注入口には、供給パイプ10によって供給される。供給パイプ10の他方の端部には、フランジ4の側壁に留められた開閉栓11が設けられ、これにより、ろ過装置1への油供給が遮断される。さらに、フィルタ素子7の下に、ろ過された油のための出口15が設けられる。ろ過された油はフィルタ素子7を通過後、まず輪溝16に流れ込み、その後続く油によって押されて出口15に向かう(ろ過された油のドレーンは示されていない)。この構造によれば、下からの油は、測定空間8において、実質的に中心に到達し、ハウス・カバー3の内壁で外側へのルートに切り換え、これにより上からフィルタ素子5を通って進行し、フィルタ・ハウジング2を離れる(矢印参照)。特に点線で示されるオイル・レベルは、参照記号Lによって指示されている。
【0051】
ハウジング・カバー3の中心に、内部ねじ山を有する測定空間8と1列に並んだ挿入開口部20が設けられる。そして、図1によれば、シール・リング22を有する6角形のねじ21がねじ込まれている。図2によれば、ねじ21はねじ込まれていない;その代わり、ハンド装置として構築された測定装置30が挿入開口部20に挿入されている。示された態様の測定装置30は、DE10015516A1及び/又はDE10163760A1に対応して構築され得る;即ち、それは、その中に収容された測定電子機器32を有するハウジング31を含んでいる。ハウジング31は、長楕円又は長方形のアタッチメント33を介して測定ヘッド34に連結されており、測定ヘッド34の上にセンサ35が取り付けられている。センサ35は、この場合、その内部でメッシュ化された金ワイヤー製のキャパシタとして構築されている(DE10163760A1)。フィルタ素子により極めて精密にろ過された油は、このキャパシタによって極めて正確に測定され得る。これに加えて、より大きい金属粒子が油からろ過されるとの事実は、センサ35の耐用年数を向上させる。
【0052】
便宜上、さらに温度センサ36が、測定ヘッド34上のキャパシタに近接して配置される。センサ35,36は、アタッチメント33の中又は上に入るラインを介して測定電子機器32に連結されている。さらに、インターフェース39がハウジング31上に据え付けられ、それで、測定電子機器32に保存されたヘルプ・データを読み出すことができ、また外側のデータ(例えば、PCからの)を測定装置に入力することができる。キーボード41も、ハウジング31上に設けられ、これにより例えば選択コマンド又は較正コマンドを入力することができ、同様にこれにより測定装置30のスイッチをオン、オフすることができる。
【0053】
フィルタ・ハウジング2の油の誘電定数及び必要によりその温度を測定するために、開閉栓11をまず手動で閉鎖位置に回し、それから6角形ねじ21を、挿入開口部20からはずし、そしてその後、測定装置30を、測定ヘッド34が油中に浸漬するように、測定空間8に挿入する。オイル・レベルは、参照記号99で印されている。情報は、ハウジング31上の表示ユニット37上に示され、同時にオペレータの操作により構築される。その情報は、測定された誘電定数及び/又はこれから誘導される油の品質又は必要により温度を含むことができる。或いは、又はさらに、ハウジング31上の色信号伝達装置(例えば、緑色、黄色及び赤色を用いて)により、油についての良好、臨界に近い及び臨界の品質状態が示される。聴覚信号は、選択肢として、或いは追加的に、例えば臨界油の状態の警告音として、出力され得る。
【0054】
測定後、測定装置30を再びフィルタ・ハウジング2から除去し、ねじ21をねじ込み、開閉栓11を開く。
【0055】
前述のろ過装置1をエンジンの潤滑用の油巡回路に挿入した場合、上記測定はエンジンを作動させながら実施することができる。開閉栓11は、フィルタ・ハウジング2が油で満たされ、好ましくは測定されるべき油が油巡回路を数回通過するまで、閉めないのが有利である。開閉栓11を閉めた場合、付加的にポンプで送られた油が、ろ過装置の外側を、回路内の、例えばオーバー・フロー・ライン(示されていない)又はメイン・フロー・ラインを介して巡回し、その結果潤滑点に到達する。
【0056】
第2の本発明の態様が図3に側面断面図として示されている。図1から図3まで、同じ参照記号が、同じ要素を表している。図3の設計においては、ねじ21(図1及び2参照)の代わりに、測定装置130が、挿入開口部20内にねじ留めされている。挿入開口部20の内部ねじ山は、第1の保持部27として機能する。第1のそれに対応する外部ねじ山の形状の第2の保持部28は、測定装置130に連結された閉鎖素子121を備えている。この測定装置130は、閉鎖素子121(例えばねじ込まれているかロックされている)に摩擦接続されていることが好ましく、その閉鎖素子は挿入開口部20をシールするように機能する。測定装置130は、他の選択肢では、閉鎖素子121に分離不可能に(即ち、破壊すること無く分離不可能)連結され得る。
【0057】
測定装置130は、原則として、図1及び2の測定装置に類似して構築されている。測定ヘッド134は、アタッチメント133においてフィルタ・ハウジング2の測定空間8に突出している。ライン138a,138bは、センサ35(キャパシタ)、そして必要により、36(温度センサ;示されていない)を、測定電子機器132に連結している。ライン138aは、フィルタ・ハウジング2内を進み、プラグ接点の閉鎖素子121の上側で止まる。プラグ140は、これらの接点に差し込まれ、そのライン138bは測定電子機器132に導かれる。測定値が作成され、そこで評価され、そして例えば、油の品質、及び温度についての対応する情報がモータ・ビヒクルの計器パネルに再生され、その上に色信号伝達装置137aが異なる色で配置され得る。
【0058】
センサ35,36を備えた測定ヘッド134は、フィルタ・ハウジングに留まっており、モーター・オイルの状態及び温度についての作動中の情報を提供することもできる。
【0059】
表3において、さらに、少なくとも1個のセンサ235を備えた追加の測定装置230が、測定空間208に導入、固定され、且つセンサ235は出口15の領域に配置されることが、概略的に示されている。ここでも、測定装置130と同じことが言える。測定装置230は、出口での油の状態の測定する機能を有し、測定電子機器132による結果を、−ライン238bにより測定値を移送した後−、注入口9上の測定装置130の結果と比較する。この情報は、特に航空機分野での要望がある。
【0060】
図4において、測定装置30及び130の可能な使用の1つが再現されている。オイルパン56が、潤滑点56を有する油巡回路に設けられており、そこからこのオイルパンの油が、オイル・ポンプ51により、オイル・クーラ53を介してメイン・フロー・ろ過装置54に、そして、その後潤滑点56に供給される。過圧バルブ52が、余りにも高いオイル圧のために設けられている。プラグが差し込まれたメイン・フロー・ろ過装置54の場合、さらにオーバー・フロー・バルブが、これにも拘わらず潤滑点56に到達し得ることを保証している。バイパス・フロー巡回路では、バイパス・フローろ過装置1又は101が設けられ、これに絞り弁(throttle)57が直列で接続される。バイパス・フローろ過装置1又は101により、油の極度に集中的な清掃をもたらされる。結果として、油の品質が長期間極めて良好な状態にあり、さらにバイパス・フローろ過装置1又は101により、油交換が実際に必要場合に油の品質を正確に決定することを保証している。それから、もはや、運行したkm(キロ・メートル)に頼る必要は無く、kmに従えば度々遅すぎたり、早すぎたりする、オイル交換を、標準機能として行うことができる。
【0061】
本発明を、モータ・ビヒクル(パーソナル又はトラック、飛行機、船)への使用において説明した。同じことが、脂肪の測定、特に食料分野における脂肪の測定にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明のろ過装置の側面断面図を示す。
【図2】図2は、ハンド測定装置を備えたろ過装置を示す。
【図3】図3は、本発明のろ過装置の別の態様で、永久使用測定装置を備えたろ過装置の側面断面図を示す。
【図4】図4は、フル・フロー及びバイパス・フロー・フィルタの組合せを備えた油巡回路の流体力学概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油又は脂肪を使用し、且つフィルタ・ハウジング(2)及びこれに挿入された少なくとも1個のフィルタ素子(7)を含むろ過装置(1;101)を備えた装置において、油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定する方法であって、
測定装置(30;130;230)の少なくとも1個のセンサ(35,36;135;235)を、油又は脂肪巡回路に位置する測定空間(8;208)に導入して、油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定し、その測定値を、少なくとも1個のセンサ(35,36;135;235)に接続された測定電子機器を用いて評価し、且つフィルタ素子としてマイクロフィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子(7)を使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
センサ(35,36;135;235)をフィルタ・ハウジング(2)内に配置する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
センサ(35,36;135;235)を、フィルタ素子(7)のフィルタ材料によって囲まれた状態で、フィルタ・ハウジング(2)内に配置する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
測定を、油巡回路のバイパス・フローに配置されたろ過装置(1)において行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
手動装置を、当座の測定のための測定装置(30)として用い、その際この測定装置はキャパシタを用いて油又は脂肪の誘電定数を測定することが好ましい請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
当座の測定のために、フィルタ・ハウジング(2)への油又は脂肪ラインを遮断、好ましくはバルブ又は開閉栓(11)を用いて遮断する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1個のセンサ(35,36;135)を、フィルタ・ハウジング(2)を閉鎖するハウジング・カバー(3)の挿入開口部(20)を通って、測定空間(8)に導く請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
測定を、RME(菜種油メチルエステル)又はバイオディーゼルを含む燃料で作動するエンジンを潤滑させる機能を有する油巡回路において、行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
油又は脂肪用ろ過装置、特に、エンジン、油圧技術、変速機、タービン又は食料の分野における油又は脂肪用フィルタ・ハウジング(2)を有するろ過装置であって、
油又は脂肪のための少なくとも1個の注入口(9)及び少なくとも1個の出口(15)、フィルタ・ハウジング(2)で使用される油又は脂肪フィルタ素子(7)、フィルタ・ハウジング(2)内の少なくとも1個の測定空間(8)及び測定空間(8)で油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定するための測定装置(30;130)におけるセンサ(35,36;135;235)を備え、且つフィルタ素子(7)がマイクロフィルタ、ウルトラフィルタ又はナノフィルタ素子として構築されていることを特徴とするろ過装置。
【請求項10】
フィルタ素子(7)が測定空間(8)を囲んでいる請求項9に記載のろ過装置。
【請求項11】
フィルタ素子(7)のフィルタ材料がセルロース及び/又はグラスファイバ及び/又はセラミックから構成されている請求項9又は10に記載のろ過装置。
【請求項12】
フィルタ素子(7)が、5μm未満、好ましくは3μm未満のサイズの粒子をろ過除去し得るものである請求項9〜11のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項13】
測定空間(8)が、中空円筒体として構築されたフィルタ素子(7)の内部に配置されている請求項9〜12のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項14】
注入口(9)の上流に、油又は脂肪用の好ましくは手動操作可能な開閉栓(11)が設けられている請求項9〜13のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項15】
フィルタ素子(7)は、ハウジング・カバー(3)を除去した後に交換可能である請求項9〜14のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項16】
フィルタ・ハウジング(2)上の挿入開口部(20)を通って、センサ(35,36;135)が、測定空間(8)に当座の又は固定された状態で挿入可能である請求項9〜15のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項17】
測定装置(30;130)の挿入開口部(20)が、ろ過装置の上部に配置され、少なくとも1個のセンサ(35,36;135)が、測定空間(8)に上から挿入可能である請求項16に記載のろ過装置。
【請求項18】
挿入開口部(20)が、フィルタ・ハウジング(2)を閉鎖するハウジング・カバー(3)に構築されている請求項16又は17に記載のろ過装置。
【請求項19】
挿入開口部(20)が、測定空間(8)と実質的に1列に並んでいる請求項15〜18のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項20】
挿入開口部(20)が、閉鎖素子(121)によって閉じることが可能で、且つ測定装置が、測定装置(130)に摩擦で及び/又は確実に、連結され得るか、又は連結されている請求項15〜19のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項21】
少なくとも1個のセンサ(135)を測定空間(8)内に固定的設置するために、第1の保持部(27)、好ましくはハウス・カバー(3)が、測定装置(130)上の対応する第2の保持部に、直接又は間接的に、摩擦で、固定的に連結するように構築されている請求項9〜20のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項22】
第1の保持部(27)が、挿入開口部(20)、好ましくは請求項15〜19のいずれか1項に記載の挿入開口部に構築されている請求項21に記載のろ過装置。
【請求項23】
挿入開口部(20)は、挿入開口部(20)の端部で当座の測定中に測定装置(30)を支持することができるように構築されており、且つ測定装置(30)のハンドル(31)及び好ましくは表示ユニット(37)もフィルタ・ハウジング(2)から突出している請求項16〜20のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項24】
挿入開口部(20)が、当座の測定のために除去されるねじ又は差し込みピン(21)によって閉鎖可能である得る請求項16〜23のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項25】
測定空間(8)が、注入口(9)又は出口(15)に近接して設けられている請求項9〜24のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項26】
油又は脂肪のための、少なくとも1個の実質的に集中型又は分散型の注入口(9)及び少なくとも1個の分散型又は実質的に集中型の出口(15)を用いて、カップ状に成形されている請求項9〜25のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項27】
少なくとも1個のセンサ(35,36;135)は注入口(9)の領域に導くことができ、そして少なくとも1個の付加センサ(235)はフィルタ・ハウジング(2)の対応する測定空間(8;208)の出口(15)の領域に導くことができる請求項9〜26のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項28】
油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定するための少なくとも1個のセンサ(135)を備えた測定装置であって、
センサ(135)は、ろ過装置(1;101)、好ましくは請求項9〜27のいずれか1項に記載のろ過装置(1;101)の、フィルタ・ハウジング(2)の測定空間(8)に配置が可能であり、且つ
測定装置(130)は、フィルタ・ハウジング(2)に挿入されるフィルタ素子(7)を交換するために、フィルタ・ハウジング(2)から除去することができるハウジング・カバー(3)上に配置されるか、又は配置が可能であることを特徴とする測定装置。
【請求項29】
ハウジング・カバー(3)において、第2の保持部(28)を介して第1の保持部(27)に確実に及び/又摩擦で連結することができる請求項28に記載の測定装置。
【請求項30】
第2の保持部(28)は、測定装置(130)自体に配置され、ハウジング・カバー(3)に構築された挿入開口部(20)の第1の保持部(27)に連結可能であるか、又は連結されている請求項29に記載の測定装置。
【請求項31】
第2の保持部(28)は、ハウジング・カバー(3)に設けられた挿入開口部(20)の閉鎖のために構築され且つ測定装置(130)が連結され得るか又は連結される閉鎖素子(121)に設けられ、そして第2の保持部(28)に、ハウジング・カバー(3)の挿入開口部(20)に設けられた第1の保持部(27)が連結可能であるか、又は連結されている請求項29に記載の測定装置。
【請求項32】
少なくとも1個のセンサ(135)は、清掃又は交換のために、ろ過装置(1)から閉鎖素子(121)と共に除去可能である請求項28〜31のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項33】
油又は脂肪の少なくとの1個の定常特性を測定するための少なくとも1個のセンサ(35,36;135)が、次のグループ:即ち、誘電定数、粘度、pH値、TAN値(合計酸価)、TBN値(合計塩基価)、温度、PC値(極性化合物)、FFA値(遊離脂肪酸)から構築されている請求項28〜32のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項34】
センサ(35;135)が、誘電定数を測定するための、キャパシタ、好ましくはインターデジタル・キャパシタを含む請求項28〜33のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項35】
少なくとも1個のセンサ(35,36;135)が、アタッチメント(33;133)を介して、測定値を評価するための電子機器(32;132)に連結された測定ヘッド(34;134)上に配置されている請求項28〜34のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項36】
測定電子機器(32;132)に連結された表示ユニット(37;137)を含む請求項28〜35のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項37】
請求項9〜35のいずれか1項に記載のろ過装置(1;101)及び/又は測定装置(30;130;230)備えた装置。
【請求項38】
モータ・ビヒクルとして構築された請求項37に記載の装置。
【請求項39】
測定装置(30;130;230)の測定電子機器(32;132)が、通信、例えば無線又はフィールド・バス・システムによって、油又は脂肪の少なくとの1個の特性についての情報を示すための聴覚ユニット及び/又は視覚表示ユニット(37;137)に接続されている請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
情報が、運転手の視野内にある、例えば計器パネル又はフロントガラス上にある表示ユニット(137)に視覚的に再生され得る請求項38に記載の装置。
【請求項41】
電熱式フライ専用鍋として構築されている請求項37に記載の装置。
【請求項42】
情報が、油又は脂肪の特性に従って異なった色で、例えば緑色、黄色、及び赤色の信号を与える装置(137a)で視覚的に再生されることが可能である請求項36〜40のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−509335(P2007−509335A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536099(P2006−536099)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052651
【国際公開番号】WO2005/040788
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(500184431)エブロ、エレクトロニック、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング、ウント、コムパニー、コマンデイト、ゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】ebro Electronic GmbH & Co.KG
【Fターム(参考)】