説明

油圧ドライブシステム

【課題】高効率でのエネルギ蓄積及び単純な作動が可能な油圧ドライブシステムを提供する。
【解決手段】油圧ドライブシステムは、機械エネルギを伝達するためにドライブユニットが接続可能であるか又は接続されている第1及び第2の油圧容積機器と、機械エネルギを伝達するために被駆動装置に接続可能であるか又は接続されている第3及び第4の油圧容積機器とを備えている。第1の油圧容積機器は、第3の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である。このシステムは高圧アキュムレータ5を備えており、高圧アキュムレータ5は、第2及び第4の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次油圧回路を介して被駆動装置を駆動するドライブユニットを有する油圧ドライブシステムであって、第1及び第2の油圧容積機器と、機械エネルギを伝達するために該被駆動装置と接続可能であるか又は接続されている第3の油圧容積機器と、第3の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータとを備えた油圧ドライブシステムに関する。本発明は、具体的には、クレーンにおいて使用する油圧ドライブシステム、特にウインチを駆動する油圧ドライブシステムに関する。さらに、本発明は、特にリーチスタッカー又はホイールローダー等の移動式車両において、走行用ドライブとして使用する油圧ドライブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような油圧ドライブシステムは、通常、例えば内燃機関又は電気モータ等の、1つ以上の油圧ポンプを駆動することにより被駆動装置を駆動する油圧エネルギを供給する一次ドライブユニットを備えている。このようなシステムの能力を向上するため、第1に、ドライブユニットの寸法を大きくして、より大きな油圧エネルギを供給できるようにすることが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、一次ドライブユニットのサイズを大きくすると、システム全体のコスト、収容スペース及び消費エネルギが増大する。
【0004】
この欠点の解決策として、エネルギを増大するために油圧エネルギアキュムレータを用いる。アキュムレータは、例えば制動減速期間においてエネルギを蓄積し、加速期間には蓄積された油圧エネルギをドライブシステムに供給する。したがって、荷重のピーク時には高圧アキュムレータによって補助されるので、ドライブユニット自体の寸法を縮小できる。しかし、そのような高圧アキュムレータを備えた公知の油圧ドライブシステムでは、エネルギの蓄積・放出時の効率が十分でない。さらに、作動が複雑になる場合が多い。
【0005】
上記を鑑みて、本発明の課題は、高効率でのエネルギ蓄積及び単純な作動が可能な油圧ドライブシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、請求項1に記載の被駆動装置を駆動する油圧ドライブシステムにより達成される。この油圧ドライブシステムは、第1及び第2の油圧容積機器を含む一次油圧回路を介して上記被駆動装置を駆動できるドライブユニットと、機械エネルギを伝達するために上記被駆動装置に接続可能であるか又は接続されている第3の油圧容積機器と、上記第3の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータとを備えている。本発明によると、上記高圧アキュムレータは、機械エネルギを伝達するために上記ドライブユニットに接続されているか又は接続可能である油圧容積機器によりエネルギを蓄積することができる。
【0007】
高圧アキュムレータは、ドライブユニットに接続されているか又は接続可能である油圧容積機器を介してエネルギを蓄積することができ、ドライブユニットにより供給される機械エネルギの油圧エネルギへの直接変換が油圧容積機器により実現されるので、被駆動装置を駆動するために、ドライブユニットにより供給される駆動動力が不要であるか又はその動力全てが必要ではない期間において、高圧アキュムレータは優れた効率でエネルギを蓄積することができる。
【0008】
本発明の構成により、被駆動装置を動かすことなくドライブユニットにより高圧アキュムレータにエネルギを蓄積することができる。それに対して従来のシステムでは、高圧アキュムレータは被駆動装置の動作中でないとエネルギを蓄積できない。この結果、被駆動装置が動作しておらず且つ第2の油圧容積機器も第3の油圧容積機器も動いていない期間において、本発明の油圧ドライブシステムのアキュムレータの管理の柔軟性が大幅に向上し、高圧アキュムレータは、機械エネルギを伝達するためにドライブユニットに接続されているか又は接続可能である油圧容積機器を介してエネルギを蓄積することも可能である。ドライブユニットの機械エネルギを油圧エネルギに直接変換して蓄積することにより得られる最適効率に加えて、アキュムレータの管理も向上する。
【0009】
本発明の構成により、ドライブユニット(例えばディーゼルエンジン)を常時最適動作点で動作させ、一次駆動回路で不要なエネルギを高圧アキュムレータに蓄積することができる。荷重のピーク時には、このエネルギをドライブシステムに戻すことができるので、ドライブユニットの寸法が比較的小さくても、システム全体としては大きい動力を出力できる。さらに、最適動作点で動作可能なので、ドライブユニットのエネルギ消費は、耐用年数と同様、最適化することができる。
【0010】
本発明によると、第1の油圧容積機器はさらに油圧ポンプとして動作し、第2の油圧容積機器は油圧モータとして動作し得る。それにより、第1の油圧容積機器は、第2の油圧容積機器を駆動し、一次油圧回路を形成する。一次油圧回路から独立した第3の油圧容積機器を介してエネルギの回収を行うことができる。これにより、本発明のシステムを特に簡単に作動することができる。好適には、第1の油圧容積機器及び第2の油圧容積機器を含む一次油圧回路内を流れる作動油の量、及びこれら油圧容積機器の調節により、被駆動装置の速度及び位置が特定される。荷重の状況に応じて、第3の油圧容積機器を用いて油圧エネルギを蓄積するか、又は、第1及び第2の油圧容積機器を含むドライブシステムを補助するかが決まる。
【0011】
結果として、一次駆動部を主に制御し、高圧アキュムレータ及び第3の油圧容積機器を含む二次駆動部を二次的に制御することができる。このように、実際に従来と比べて有利な二次制御の実際の変換を妨げてきた問題を効果的に排除することができる。二次制御に基づく従来の駆動方法は、トルクの差が即座に被駆動装置の動作に影響するので、制御技術の点で抑制が難しい。実施上、油圧部品の公差、ヒステリシス及び類似の阻害要因が原因で100%の理想的なトルクは生成できないので、本発明による一次制御及び二次制御での駆動回路の組合せにより、制御技術の点で大きな利益が得られる。二次制御下における簡単な駆動と比較して、本発明の変形例は、高圧アキュムレータ及び第3の油圧容積機器を含む二次駆動部が予め計算された所望のトルクを生成できない場合であっても、一次駆動部により所望の速度又は位置が特定され、被駆動装置の望ましくない動作が防止されるので、非常に堅固である。本発明のシステムは、特に安全性の点で大幅に向上しており、この安全性が、二次制御における駆動のエネルギ上の利点と組み合わされている。
【0012】
好適には、高圧アキュムレータは、本発明の油圧ドライブシステムに常に設けられ且つドライブユニットに接続可能であるか又は接続されている、第1の油圧容積機器によりエネルギを蓄積し、第2の油圧容積機器を駆動するための油圧エネルギを提供することができる。第1の油圧容積機器により供給される油圧エネルギが第2の油圧容積機器に利用されないか又はその全てが利用されない期間において、本発明によると、この油圧エネルギは、高圧アキュムレータに蓄積でき、高荷重での動作期間中にドライブユニットを補助するのに利用可能である。
【0013】
好適には、高圧アキュムレータは、バルブを介して第1の油圧容積機器に接続可能である。ドライブユニット及び第1の油圧容積機器により高圧アキュムレータにエネルギを蓄積する必要がある期間において、高圧アキュムレータはこのバルブを介して一次油圧回路に連通している。しかし、高圧アキュムレータに蓄積された油圧エネルギを利用して被駆動装置を駆動する期間には、高圧アキュムレータは一次油圧回路から分離され、第3の油圧容積機器を介して被駆動装置を駆動する。したがって、高圧アキュムレータと第1の油圧容積機器との連通状態を制御するバルブは、好適には、高圧アキュムレータが第1の油圧容積機器から分離される切換位置と、高圧アキュムレータが第1の油圧容積機器に連通する第2の切換位置とを有する。
【0014】
さらに、好適には、上記連通状態を絞り制御できるようにしてもよい。そのような流量制御バルブを介して、本発明によるアキュムレータ管理を効率良く行うことができる。
【0015】
本発明の別の実施形態において、第4の油圧容積機器をさらに設けてもよい。第4の油圧容積機器を介して、高圧アキュムレータにエネルギを蓄積することができる。これにより、効率がよく柔軟性の高いアキュムレータ管理が行えるという上記利点に加えて、油圧システムの残りの部分の構成を柔軟に行える。というのは、第1及び第2の油圧容積機器を含む一次油圧回路は、第4の油圧容積機器、高圧アキュムレータ及び第3の油圧容積機器を含む第2の油圧回路から独立して動作可能だからである。
【0016】
したがって、本発明の上記実施形態は、ドライブユニットと、機械エネルギを伝達するためにドライブユニットが接続可能であるか又は接続されている第1及び第4の油圧容積機器と、機械エネルギを伝達するために被駆動装置に接続可能であるか又は接続されている第2及び第3の油圧容積機器とを備えている。第1の油圧容積機器は、第2の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である。本発明によると、第4及び第3の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能な高圧アキュムレータがさらに設けられてもよい。
【0017】
これは、まず、油圧を利用して被駆動装置を駆動できる第1及び第2の油圧容積機器を含む一次油圧回路を提供する。それに対して、第4及び第3の油圧容積機器は、高圧アキュムレータの効率のよいアキュムレータ管理を実現する。第4の油圧容積機器が一次ドライブユニットに接続されているか又は接続可能であり且つ第3の油圧容積機器が被駆動装置に接続可能であるか又は接続されているので、高圧アキュムレータへのエネルギの蓄積時及びエネルギの回収時の両方において、一次ドライブユニットにより供給される駆動動力の最適効率及び有効利用が実現される。さらに、4つの油圧容積機器を用いることにより、システムの最適制御が実現される。
【0018】
さらに好適には、高圧アキュムレータは、油圧ポンプとして動作する第3の油圧容積機器を介してエネルギを蓄積することができる。したがって、被駆動装置を制動減速する必要がある期間において、被駆動装置からドライブシステムに伝達された機械エネルギを蓄積することができる。被駆動装置からの機械エネルギが第3の油圧容積機器を介して油圧エネルギに直接変換され、高圧アキュムレータに供給されるので、この場合も同様に高い効率が得られる。このように、システムのエネルギ消費を低減できる。さらに、加速期間中、高圧アキュムレータに蓄積された油圧エネルギを用いてシステムを補助することができるので、ドライブユニットのサイズを縮小できる。
【0019】
特に好適には、動作状態に応じて第1若しくは第4の油圧容積機器又は第3の油圧容積機器のいずれかを介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できるので、高圧アキュムレータがドライブユニットによりエネルギを蓄積されるのか被駆動装置によりエネルギを蓄積されるのかに関わらず、それぞれの場合について高い効率が得られる。
【0020】
さらに好適には、エネルギの蓄積に用いる油圧容積機器は、油圧リザーバに連通しているか又は連通可能である。エネルギを蓄積する場合、作動油を油圧リザーバから吸い上げて、高圧アキュムレータ内に吐出することができる。これに対して、各油圧容積機器が油圧モータとして動作する場合、作動油は油圧容積機器を介して油圧リザーバ内に流入する。
【0021】
本発明によると、第3及び/又は第4の油圧容積機器は、好適には、油圧リザーバに連通している。第4の油圧容積機器を用いる場合、好適には、第4の油圧容積機器、高圧アキュムレータ及び第3の油圧容積機器を含む開ループの二次油圧回路が形成される。
【0022】
しかし、第1の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積する場合、構成は、一次油圧回路が開ループであるか閉ループであるかに応じて変化する。開ループの一次油圧回路を用いる場合、第1の油圧容積機器は油圧リザーバに連通しており、高圧アキュムレータが油圧ポンプとして動作している第1の油圧容積機器の出口に連通する場合に、高圧アキュムレータにエネルギを蓄積することができる。閉ループの一次油圧回路を用いる場合、作動油は、好適には、いずれの場合にも設けられている漏れオイル補償部により供給される。この目的のために、油圧リザーバは、給油ポンプ及びチェックバルブを介して、油圧ポンプとして動作している第1の油圧容積機器の入口に連通しており、これにより圧力が最小の作動油が供給される。
【0023】
さらに好適には、本発明によると、第3の油圧容積機器は油圧モータとして動作し、高圧アキュムレータにより駆動される。したがって、高荷重の期間において、高圧アキュムレータに蓄積された油圧エネルギをドライブシステムに戻して、被駆動装置を駆動することができる。油圧エネルギが第3の油圧容積機器を介して機械エネルギに直接変換され、その機械エネルギが被駆動装置を駆動するので、この場合も高い効率が得られる。一次駆動が第3の油圧容積機器により補助され、高圧アキュムレータに蓄積されたエネルギにより荷重のピークを吸収できるので、ドライブユニットの寸法を縮小できる。
【0024】
さらに好適には、第1及び/又は第4の油圧容積機器は油圧モータとして動作し得、高圧アキュムレータにより駆動され得る。このように、ドライブユニットにより並列に駆動されるさらなる荷重にエネルギを供給することが可能であり、この場合も同様に良好な効率が達成される。
【0025】
さらに好適には、第1の油圧容積機器は油圧モータとして動作可能であり、第2の油圧容積機器は油圧ポンプとして動作可能であり、このように動作した場合、第2の油圧容積機器が第1の油圧容積機器を駆動する。このように、例えば被駆動装置の制動減速期間において、ドライブユニットにより並列に駆動されるさらなる荷重に、第2及び第1の油圧容積機器を含む回路を介してエネルギを再循環させることが可能である。
【0026】
本発明によると、第1及び第2の油圧容積機器は、好適には、閉ループの油圧回路を形成する。被駆動装置を駆動する第1及び第2の油圧容積機器からなる閉ループの油圧回路は、多くのアプリケーションにおいて大きな利点を有するが、従来公知の油圧ドライブシステムにおいて、そのような構成は、エネルギの効率的な回収及び効率的なアキュムレータ管理を妨げていた。
【0027】
しかし、高圧アキュムレータに連通した第3の油圧容積機器を用い、ドライブユニットに接続可能である油圧容積機器により高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できるので、第1及び第2の油圧容積機器を含む閉ループの油圧回路を用いる場合にも、効率的にアキュムレータを管理し、高い効率でエネルギの蓄積及び回収を行うことができる。
【0028】
言うまでもなく、本発明は、第1及び第2の油圧容積機器が開ループの油圧回路を形成する場合にも適用可能である。
【0029】
さらに好適には、第2及び第3の油圧容積機器のシャフトは、機械エネルギを伝達するため、被駆動装置のドライブシャフトに接続可能であるか又は接続されている。このように、機械エネルギは、第2及び第3の油圧容積機器から被駆動装置の駆動シャフトに効率的に伝達され、その逆方向にも効率的に伝達される。
【0030】
さらに好適には、第2及び第3の油圧容積機器のシャフトは、直接又はトランスミッションを介して接続されている。その結果、第2及び第3の油圧容積機器のシャフトの動作は強固に結合されており、そのため、高効率を達成する単純な構成が得られる。
【0031】
さらに好適には、第2及び/又は第3の油圧容積機器のシャフトは、少なくとも1つのクラッチを介して被駆動装置のドライブシャフトに接続可能である。その結果、必要に応じて、機械エネルギを伝達するための本発明による接続が効率的に行われる。
【0032】
さらに好適には、ドライブユニットの出力軸は、機械エネルギを伝達するため、上記第1及び/又は第4の油圧容積機器のドライブシャフトに接続可能であるか又は接続されている。このように、第1及び/又は第4の油圧容積機器は、ドライブユニットにより駆動され、ドライブユニットにより供給される機械エネルギを油圧エネルギに変換することができる。
【0033】
さらに好適には、第1及び第4の油圧容積機器のドライブシャフトは、少なくとも2つのクラッチを介してドライブユニットの出力シャフトに個別に接続可能である。このように、第1及び第4の油圧容積機器の対応する作動が個別に可能であるので、例えば第1の油圧容積機器のみを駆動することも、第4の油圧容積機器のみを駆動することも、第1及び第4の油圧容積機器の両方を駆動することも可能である。
【0034】
さらに好適には、ドライブユニットは、トランスミッションを介して第1及び/又は第4の油圧容積機器のドライブシャフトを駆動する。このトランスミッションは、第1及び/又は第4の油圧容積機器を駆動するため、それに対応するギア比を提供する。ドライブユニットは、クラッチを介してトランスミッションに接続可能である。さらに、トランスミッションは、クラッチを介して第1及び/又は第4の油圧容積機器に接続可能である。
【0035】
本発明によると、さらに好適には、ドライブユニットにより駆動されるさらなる被駆動装置が設けられる。好適には、該さらなる被駆動装置は、第1及び/又は第4の油圧容積機器に対して並列に駆動される。第1の被駆動装置が例えばクレーンの巻上ギアである場合、第4の被駆動装置が例えばクレーンのラフィングギア又は旋回ギアであり、クレーンの複数のポジショナを1つのドライブユニットで駆動することができる。
【0036】
さらに好適には、上記さらなる被駆動装置は、ドライブユニットにより駆動される油圧ポンプを有する油圧回路を介して駆動される。したがって、複数の被駆動装置を駆動するために、ドライブユニットを用いて複数の油圧回路を駆動する。
【0037】
さらに好適には、上記さらなる被駆動装置又はそのさらなる被駆動装置を駆動する油圧ポンプは、第1及び/又は第4の油圧容積機器から独立した少なくとも1つのクラッチを介してドライブユニットに接続可能である。したがって、個々の被駆動装置を、ドライブユニットを介して個別に駆動することができる。
【0038】
さらに好適には、上記さらなる被駆動装置又はそのさらなる被駆動装置を駆動する上記油圧ポンプは、機械エネルギを伝達するために、特に少なくとも1つのクラッチを介して、上記第1及び/又は第4の油圧容積機器に接続可能である。このように、第1及び/又は第4の油圧容積機器から上記さらなる被駆動装置へと、又は上記さらなる被駆動装置を駆動する油圧ポンプへと、エネルギを伝達することができるので、さらなる被駆動装置はアキュムレータ管理又はエネルギ回収の対象に含まれる。しかし、この場合、さらなる被駆動装置については、油圧エネルギをまず機械エネルギに変換して、その後油圧エネルギに戻す必要があるので、効率は比較的高くない。さらなる被駆動装置又はそのさらなる被駆動装置を駆動する油圧ポンプへの第1及び/又は第4の油圧容積機器の接続は、例えば、共通のトランスミッションを介して実施することができる。この共通のトランスミッションを介して、全ての構成部品がドライブユニットにより駆動される。このトランスミッションは、個々の構成部品間におけるエネルギの伝達のために使用され得る。
【0039】
さらに好適には、本発明の油圧ドライブシステムのドライブユニットは、内燃機関又は電気モータを備えている。したがって、ドライブユニットは、個々の油圧容積機器を駆動する一次ドライブユニットである。本発明の油圧ドライブシステムにより、低荷重期間にエネルギを高圧アキュムレータに蓄積し、高荷重期間にこの蓄積されたエネルギをシステムに供給してドライブユニットのモータを補助できるので、ドライブユニットは最適動作点で動作することができる。出力動力が大きい場合、このように、比較的小さな駆動動力を有するドライブユニットを用いることができる。
【0040】
好適には、本発明のドライブユニットは1つのモータを有する。システム全体の能力を増大するため、本発明の高圧アキュムレータ管理を用いない場合には2つのモータが必要であるが、本発明によると、高圧アキュムレータにより荷重のピークを吸収できるので、1つのモータで十分である。あるいは、ドライブユニットを第1及び/又は第4の油圧容積機器に接続することにより、余剰な駆動エネルギが蓄積され、個々のモータの最適利用が確実に行えるので、トランスミッションを並列に駆動する複数のモータを用いてもよい。
【0041】
本発明によると、さらに好適には、第1及び/又は第2の油圧容積機器は容量が可変である。このように、第1及び第2の油圧容積機器を含む油圧回路は、それぞれに対応して作動させることができる。
【0042】
さらに好適には、本発明の油圧ドライブシステムの第3及び/又は第4の油圧容積機器は、容量が可変である。第4の油圧容積機器の可変な容量により、この油圧容積機器を介してエネルギの蓄積及び放出を制御できる。また、第3の油圧容積機器の可変な容量により、被駆動装置及びこの被駆動装置の対応する追加ドライブからエネルギを回収できる。
【0043】
さらに好適には、第1及び/又は第2の油圧容積機器は、2方向に給送可能である。このように、第1及び第2の油圧容積機器を介して2方向に被駆動装置を動かすことができる。
【0044】
本発明によると、さらに好適には、第3及び/又は第4の油圧容積機器は、2方向に給送可能である。このように、2方向に給送可能でない場合に必要な回路構成すなわちポンプ及びモータの両方を設けることなく、一方の給送方向から他方の給送方向へと切り換えることにより、第3及び/又は第4の油圧容積機器を動作することができる。
【0045】
さらに好適には、本発明によると、2つの被駆動装置が設けられ、そのドライブシステムは、それぞれが第1、第2及び第3の油圧容積機器を有し、第1の油圧容積機器は、機械エネルギを伝達するため、ドライブユニットに接続可能であるか又は接続されており、第2及び第3の油圧容積機器は、機械エネルギを伝達するため、それぞれ被駆動装置に接続可能であるか又は接続されており、第1の油圧容積機器はそれぞれ第2の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である。基本的に、第1、第2及び第3の油圧容積機器を含む2つの並列な油圧ドライブシステムが得られる。本発明の高圧アキュムレータは、第3の油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である。このように、荷重が2つの場合であっても、2つの第3の油圧容積機器により両荷重からのエネルギの回収が最適化されるので、最適なエネルギ蓄積を行うことができる。
【0046】
ドライブユニットによるエネルギの蓄積は、第1の油圧容積機器の一方又は両方を介して行われ得る。このために、高圧アキュムレータは、好適には、1つ以上のバルブを介して、第1の油圧容積機器の少なくとも一方の出口に連通している。
【0047】
あるいは、エネルギの蓄積は、第4の油圧容積機器を介して行ってもよい。ドライブユニットの駆動動力からエネルギを直接蓄積するにあたり、第4の油圧容積機器を1つ設けるだけで最適の効率が達成される。
【0048】
好適には、本発明の油圧ドライブシステムは、エネルギの蓄積及びシステムの作業機能を制御する制御部をさらに備えている。この制御部は、高圧アキュムレータにエネルギを蓄積するため又は個々の期間においてこの蓄積されたエネルギをシステムへ戻すために、システム構成部品の対応する作動を実行する。
【0049】
好適には、本発明の油圧ドライブシステムは、クレーンのドライブシステムである。この場合、本発明のアキュムレータ管理を用いることで大きな利点が得られる。
【0050】
好適には、被駆動装置はウインチであり、より具体的には巻上ウインチである。具体的には、荷重を下げる場合に放出されるエネルギを第3の油圧容積機器により回収することができる。荷重を持ち上げる場合、高圧アキュムレータによりドライブユニットを補助することができる。また、ドライブユニットにかかる荷重が小さい場合には、第1又は第4の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積することができる。この結果、能力が大幅に向上し且つエネルギが大幅に節約される。したがって、出力動力が増大しても、一次駆動動力を低減できる。同様に、荷重を下げる場合に放出されるエネルギを損なうことがなく、蓄積できるので、冷却面を低減できる。さらに、一次駆動部の速度が低減された結果、ノイズ及び排気エミッションが低減される。さらに、荷重が均一なので、駆動ユニット(例えばディーゼルエンジン)の耐用年数が長くなる。
【0051】
また、本発明の油圧ドライブシステムは、リーチスタッカー又はホイールローダー等の移動式車両を駆動するためにも使用できる。この場合も、本発明のアキュムレータ管理により、エネルギが大幅に節約され、能力が向上する。
【0052】
好適には、被駆動装置は走行用ドライブである。この場合、制動減速時にエネルギを回収することが可能であり、その回収したエネルギを加速時に利用することができる。
【0053】
本発明は、上で説明した本発明の油圧ドライブシステムを備えたクレーンをさらに含む。このクレーンは、上述の油圧ドライブシステムと同じ利点を提供するものである。
【0054】
本発明は、上で説明した本発明の油圧ドライブシステムを備えた、リーチスタッカー又はホイールローダー等の移動式車両をさらに含む。この移動式車両もまた、上述の油圧ドライブシステムと同じ利点を提供するものである。
【0055】
本発明は、本発明のドライブシステムの動作方法をさらに含む。この方法では、被駆動装置を駆動するためにドライブユニットの動力が不要であるか又は該動力の全てが必要でない場合、高圧アキュムレータは、第3の油圧容積機器を介して被駆動装置の運動エネルギを変換することによりエネルギが蓄積される、且つ/又は、機械エネルギを伝達するためにドライブユニットに接続されているか若しくは接続可能である油圧容積機器を介してエネルギが蓄積される。このように、一方では例えば被駆動装置の制動減速時に放出されるエネルギを蓄積することができ、他方では油圧容積機器により高圧アキュムレータに余剰動力を蓄積することによりドライブユニットを最適動作点で動作させることができる。各油圧容積機器を直接接続することにより、それぞれに良好な効率が得られる。
【0056】
本発明によると、高圧アキュムレータへのエネルギの蓄積は、被駆動装置の停止時に、ドライブユニットにより行われる。このことは、従来のシステムでは不可能であったが、本発明ではこれによりエネルギ管理を大幅に改善することができる。
【0057】
好適には、この目的のために、一方では第1及び第2の油圧容積機器を含む2つの油圧回路を設け、他方では第4及び第3の油圧容積機器を設けている。これにより、仕事の分割が可能になり、本発明の油圧システムの作動を単純に行える。
【0058】
さらに好適には、被駆動装置は、高圧アキュムレータからの油圧エネルギを第3の油圧容積機器を介して変換することにより駆動される。このように、蓄積された油圧エネルギを利用してドライブユニットを補助できるので、必要な出力動力が低減される。
【0059】
さらに好適には、高圧アキュムレータからの油圧エネルギを第1及び/又は第4の油圧容積機器を介して変換することにより、機械エネルギがさらなる荷重に供給される。したがって、動力のピーク時、高圧アキュムレータによりさらなる荷重を駆動することが可能である(但しこの場合、効率が幾分低下する)。
【0060】
本発明は、被駆動装置を駆動する油圧ドライブシステムをさらに含む。このシステムは、油圧ポンプ及び油圧モータを含む一次油圧駆動部を介して被駆動装置を駆動できるドライブユニットと、機械エネルギを伝達するために被駆動装置に接続可能であるか又は接続されているさらなる油圧容積機器並びに該さらなる油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータを含む二次油圧駆動部と、制御部とを備えている。該システムにおいて、上記一次油圧駆動部は一次制御下にあり、上記二次油圧駆動部は二次制御下にある。
【0061】
さらに、本発明は、油圧ドライブシステムにより被駆動装置を駆動する方法を含む。油圧ドライブシステムは、油圧ポンプ及び油圧モータを含む一次油圧駆動部を介して被駆動装置を駆動できるドライブユニットと、機械エネルギを伝達するために被駆動装置に接続可能であるか又は接続されているさらなる油圧容積機器並びに該さらなる油圧容積機器に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータを含む二次油圧駆動部と、制御部とを備えている。該システムにおいて、上記一次油圧駆動部は一次制御下にあり、上記二次油圧駆動部は二次制御下にある。
【0062】
したがって、一次制御下における一次油圧駆動部が、流れる作動油の量により被駆動装置の速度及び位置を規定する。よって、さらなる油圧容積機器の二次制御における小さな誤差が原因で荷重が即座に影響を受けて望ましくない動きをするといったことは起こらない。これにより、二次制御下において従来のドライブと比べて特に安全性の点で大きな利点がある(従来の装置は、抑制が難しいという制御技術の問題点が原因で受け入れられなかった)。本発明では、二次制御下のドライブと一次制御下のドライブを組み合わせることにより、単純に制御可能であるという利点と、エネルギを効率的に回収できるという利点が組み合わされて得られる。
【0063】
本発明の方法は、好適には、本発明の油圧ドライブシステムの制御により自動的に実行される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0065】
図1aは、ウインチ6を駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態を示す。第1の油圧容積機器1を駆動するドライブユニット10として、ディーゼルエンジンが設けられている。ドライブユニット10は、クラッチ7及びトランスミッション8を介して第1の油圧容積機器1に接続されている。第1の油圧容積機器1は、油圧管路11,13を介して第2の油圧容積機器2に連通し、閉ループの一次油圧回路が形成されている。第2の油圧容積機器2は、ウインチ6に接続されており、ウインチ6を駆動する。
【0066】
さらに、同様にウインチ6に接続された第3の油圧容積機器3が設けられている。第3の油圧容積機器3は、油圧管路を介して、油圧リザーバ9及び高圧アキュムレータ5に連通している。油圧アキュムレータ5は、バルブ70、つまり一次油圧回路の圧力側油圧管路11を介して第1の油圧容積機器1に連通している。
【0067】
第1の油圧容積機器1がドライブユニット10によって駆動されると、一次油圧回路が第2の油圧容積機器2を介してウインチ6を駆動し、それにより荷重が持ち上げられる。一方、ウインチ6によって荷重を下ろす場合、放出される機械エネルギを、第3の油圧容積機器で油圧エネルギに変換して高圧アキュムレータ5に蓄積する。機械エネルギを油圧エネルギに直接変換するので、優れた変換効率が得られる。一方、荷重を持ち上げる場合、高圧アキュムレータ5に蓄積されたエネルギを用いて、第3の油圧容積機器3を介して第2の油圧容積機器2の仕事を補助し、同様にウインチ6を駆動することができる。やはりこの場合も、油圧エネルギを機械エネルギに直接変換するので、優れた変換効率が得られる。バルブ70は、図1aに示す位置に設けられている。バルブ70により、高圧アキュムレータ5は一次油圧回路から分離される。
【0068】
さらに、ウインチ6が休止状態であるか又はウインチ6を作動するのに必要な駆動エネルギがドライブユニット10により供給されるエネルギよりも小さい動作期間において、高圧アキュムレータ5は、バルブ70を切り換えることにより第1の油圧容積機器1の出口に連通し、それにより高圧アキュムレータ5にエネルギが蓄積される。ドライブユニットによって供給される機械エネルギが第1の油圧容積機器1によって油圧エネルギに直接変換されて、そのエネルギが高圧アキュムレータ5に蓄積されるので、やはりこの場合も優れた効率が得られる。アキュムレータを作動するために、バルブ70を開位置へと変化させることができる。
【0069】
小さい方の給油ポンプ90により供給される作動油は、アキュムレータの動作中には、第1の油圧容積機器1により高圧アキュムレータ5へ吐出される。給油ポンプ90は、チェックバルブ91を介して低圧側13に最小の圧力を与えて、公知の閉ループ油圧回路におけるリークオイル損失を補償する。本発明によると、この給油ポンプ90は、第1の油圧容積機器1に作動油を供給する。第1の油圧容積機器1が、作動油を高圧アキュムレータ5へ吐出する。
【0070】
本発明によると、機械エネルギを伝達するためにドライブユニット10に接続された油圧容積機器を介して高圧アキュムレータ5にエネルギを直接蓄積できるので、ウインチ6が休止状態の間、エネルギを優れた効率で蓄積することができる。その結果、ドライブユニット10(例えばディーゼルエンジン)は常に最適の動作点で動作可能であり、ドライブユニット10によって供給される機械エネルギは、ウインチ6の駆動に用いられるか、又は、高圧アキュムレータ5に蓄積される。さらに、ウインチ6の動作により得られるエネルギを、第3の油圧容積機器3により回収・蓄積することができる。さらに、荷重が大きな期間において、蓄積された油圧エネルギを第3の油圧容積機器3を介して利用してウインチ6を駆動することができる。その結果、荷重のピークを補償することができるので、ドライブユニット10をかなり小さな寸法とすることができる。
【0071】
第1、第2及び第3の油圧容積機器は、油圧システムがその調整により作動される、2方向に給送可能な可変容量ポンプを構成している。第1及び第2の油圧容積機器からなる閉ループの油圧回路内を流れる作動油の量がウインチの動作量を決定する。それに対し、第3の油圧容積機器は、荷重の状態に応じて、ウインチ6によって駆動されるか又はウインチ6を駆動するかが決まる。一次油圧回路が主として制御され、第3の油圧駆動機器が二次的に制御されることにより、それぞれの利点(一次制御による安全且つ信頼性の高い作動並びに二次制御による効率的なエネルギの回収)が組み合わされ、且つ、それぞれの欠点が解消される。
【0072】
図1bは、2つの荷重を駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらなる実施形態を示す。それぞれ荷重を駆動する2つの閉ループの一次油圧回路が設けられている。これらは実質的に、図1aに示す一次油圧回路に対応している。それぞれの一次油圧回路の第1の油圧容積機器1,21は、ドライブユニット10により、トランスミッション8を介して並列に駆動される。第1の油圧容積機器1,21は、それぞれ第2の油圧容積機器2,22に油圧連通している。第2の油圧容積機器2,22は、第1及び第2の被駆動装置を駆動する。2つの被駆動装置に対して、第3の油圧容積機器3,23がそれぞれ接続されている。第3の油圧容積機器3,23は、一方のポートを介して油圧リザーバ9に連通しており、他方のポートを介して高圧アキュムレータ5に連通している。さらに、高圧アキュムレータ5は、バルブ70を介してバルブアセンブリ71に連通している。バルブアセンブリ71は、2つのチェックバルブを有する。これら2つのチェックバルブを介して、バルブ70とバルブアセンブリ71との間の連通管路74が、一次油圧回路の圧力側72,73に連通している。したがって、図1bに示す実施形態における油圧蓄積は、実質的に、図1aに示す蓄積に対応しており、バルブ70が開位置にある場合に、一次油圧回路を介して高圧アキュムレータ5に高い圧力が蓄積される。
【0073】
図1bに示す実施形態により、図1aに示す実施形態と同様に、第1の油圧容積機器又は第3の油圧容積機器のいずれかを介して、本発明のエネルギ蓄積動作モードを実行することができる。同様に、高圧アキュムレータ5に蓄積された油圧エネルギを用いて、第3の油圧容積機器3,23を介して2つの被駆動装置を駆動することができる。
【0074】
図1cは、本発明のドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1bと同様、2つの被駆動装置が駆動される。一次駆動回路は図1bに示す駆動回路と同一であるが、バルブアセンブリ71の代わりに制御バルブ70,80がそれぞれ別個に設けられており、この制御バルブ70,80を介して高圧アキュムレータ5が一次油圧回路の圧力側72,73に連通される。バルブ70,80は図1aに示したバルブ70と同様に動作し、それぞれ一次油圧回路の第1の油圧容積機器1,21を介して高圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積することができる。
【0075】
図1b及び図1cに示す実施形態において、作動油の供給、すなわち、第1の油圧容積機器1,21により作動油を吐出して高圧アキュムレータ5に供給することは、図1aに示した実施形態と同様に、それぞれの、リークオイルの流れを補償することにより実施される。さらにこのオイルの補償は、図示しない給油ポンプにより実施される。
【0076】
図2aは、クレーンのウインチ6を駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態において、高圧アキュムレータへのエネルギの蓄積は、第4の油圧容積機器4を介して実施される。ドライブユニット10として、同様に、クラッチ7を介してトランスミッション8に接続されたディーゼルエンジンが設けられている。トランスミッション8は、第1の油圧容積機器1及び第4の油圧容積機器4に接続されている。したがってドライブユニット10は、クラッチ7及びトランスミッション8を介して、第1の油圧容積機器1及び第4の油圧容積機器4を駆動できる。
【0077】
第1の油圧容積機器1は、油圧管路11,13を介して第2の油圧容積機器2に連通しており、第1及び第2の油圧容積機器を含む油圧回路が形成されている。第2の油圧容積機器2は、ウインチ6に接続されており、ウインチ6を駆動する。この実施形態において、第1及び第2の油圧容積機器を含む油圧回路は、閉ループの油圧回路であり、第1の油圧容積機器1がドライブユニット10により駆動されてポンプとして動作すると、作動油が、第1の油圧容積機器1、油圧管路11、第2の油圧容積機器2及び油圧管路13内を循環する。
【0078】
さらに、第3の油圧容積機器3が設けられている。第3の油圧容積機器3のドライブシャフトは第2の油圧容積機器2のドライブシャフトに直接接続されている。第4の油圧容積機器4及び第3の油圧容積機器3は、油圧管路12,14を介して高圧アキュムレータ5に連通している。第4及び第3の油圧容積機器はそれぞれ、油圧リザーバ9から得た作動油を高圧アキュムレータ5に吐出し得る。第4及び第3の油圧容積機器の動作時には、逆に、作動油は高圧アキュムレータ5からそれぞれの油圧容積機器を介して油圧リザーバ9へと戻る。つまり、油圧容積機器は油圧モータとして動作する。
【0079】
したがって、本発明の油圧ドライブシステムにおいて、ドライブユニット10から得た機械エネルギを、第1の油圧容積機器1及び第4の油圧容積機器4の両方に直接伝達することが可能である。さらに、第2及び第3の油圧容積機器から得た機械エネルギをウインチ6に直接伝達すること、また逆に、ウインチ6から第2及び第3の油圧容積機器へと直接伝達することが可能である。
【0080】
ウインチ6は、まず始めに、第1及び第2の油圧容積機器を含む閉ループの油圧回路を介して駆動される。つまり、ドライブユニット10により供給される機械エネルギは、第1の油圧容積機器1によって油圧エネルギに変換され、第2の油圧容積機器2によって再び機械エネルギに変換されて、ウインチ6を駆動する。一方、荷重を下ろす場合のように、ウインチ6から油圧ドライブシステムへと機械エネルギが伝達される場合、油圧エネルギは、従来のシステムのように損失することもドライブユニット10に補助される必要もなく、第3の油圧容積機器3を駆動し、この第3の油圧容積機器3がポンプとして動作して、リザーバ9から得た作動油を高圧アキュムレータ5へと吐出する。さらに別の変換処理を介在させることなく機械エネルギを油圧エネルギに直接変換するので、優れたエネルギ変換効率が達成でき、荷重を下ろす際に得られるエネルギを効率良く蓄積することができる。
【0081】
逆に、ウインチ6で荷重を持ち上げる場合、ウインチ6は第3の油圧容積機器3により駆動される。このとき、作動油は、高圧アキュムレータ5から油圧リザーバ9へと流れる。その結果、駆動作業は第1及び第2の油圧容積機器を含む油圧回路により補助されるので、ドライブユニット10を小さな寸法にすることができる。油圧アキュムレータから得た油圧エネルギをウインチ6を駆動するための機械エネルギに直接変換することにより得られる効率は非常に高いので、システム全体として、効率のよいエネルギの回収が可能である。
【0082】
さらに、第1の油圧容積機器1を駆動するために、ドライブユニット10により供給されるエネルギが不要である場合又はそのエネルギの全てが必要でない場合、高圧アキュムレータ5は、第4の油圧容積機器4を介してエネルギを蓄積することもできる。このようにして、ドライブユニット10であるディーゼルエンジンを最適な動作点で動作させることができる。つまり、ウインチ6を駆動するのに少しの動力で足りる期間においては、高圧アキュムレータ5にエネルギが蓄積され、特に大きな動力が必要な期間においては、高圧アキュムレータ5からエネルギが再度放出され、第3の油圧容積機器3を介してウインチ6を駆動する。
【0083】
第1及び第2の油圧容積機器を含む閉ループの油圧回路内を流れる作動油の量がウインチの動作量を決定する。それに対し、第3の油圧容積機器3は、荷重の状態に応じて、ウインチ6により駆動されるのか又はウインチ6を駆動するのかが決まり、第4の油圧容積機器4は、動作状況に応じて、高圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積するか否かが決まる。このように、一次駆動回路の一次制御と、第3及び第4の油圧容積機器並びに高圧アキュムレータを含む二次駆動回路の二次制御とを実現できる。
【0084】
この実施形態において、全ての油圧容積機器が、2方向に給送可能な可変容量ポンプとして構成されている。つまり、全ての油圧容積機器が、油圧ポンプとしても油圧モータとしても動作可能である。しかし、本発明の油圧ドライブシステムの動作のために、全ての油圧容積機器がそのような構成を有していることは必須ではない。
【0085】
通常、第1の油圧容積機器1がポンプとして動作し、第2の油圧容積機器2がモータとして動作し、その調節能力がウインチの作動に利用される。通常、第4の油圧容積機器4はポンプとして動作して、油圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積する。その調節能力は、このエネルギの蓄積に利用される。第3の油圧容積機器3は、通常、ポンプとしてもモータとしても動作する。この実施形態において、これらの機能は、給送の方向を調節することにより切換可能である。第3の油圧容積機器3の調節能力は、ポンプ動作とモータ動作との切換だけでなく、油圧アキュムレータ5におけるエネルギの蓄積・放出を制御するためにも利用される。したがって、第3及び第4の油圧容積機器3,4は、バルブ部材を設けることなく、高圧アキュムレータ5に直接連通し、高圧アキュムレータ5は油圧容積機器の調節により作動される。しかし、これとは異なりバルブによって作動される構成も、本発明の範囲内に含まれるものとして考えられる。
【0086】
図2bに示す本発明の油圧ドライブシステムの実施形態は、概ね図2aに示す油圧ドライブシステムに対応しているので、対応する構成部材のさらなる説明は省略する。図2aに示す第1の実施形態との差違は、第2及び第3の油圧容積機器とウインチ6との接続のみであり、第4の実施形態(図2b)だけがトランスミッション17を介在させて構成されている。したがって、図2aの実施形態において、第2及び第3の油圧容積機器並びにウインチ6は1つの軸上に直列に配置されるのに対して、第4の実施形態(図2b)の第2及び第3の油圧容積機器は並列に配置され、トランスミッション17に接続されており、トランスミッション17がウインチ6を駆動する。
【0087】
図2cは、本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態を示す。この実施形態では、ドライブの構成部材は図2aに示す実施形態に対応しているが、クレーンのウインチを駆動するために用いるのではなく、リーチスタッカー又はホイールローダー等の移動式車両の走行駆動部として使用される。走行駆動は、まず、第1及び第2の油圧容積機器1,2を含む閉ループの油圧回路によって油圧的に実現される。また、自動車の制動減速時に放出されたエネルギを第3の油圧容積機器3を介して高圧アキュムレータ5に蓄積し、その蓄積したエネルギを加速動作時に再度放出することができる。その後、第3の油圧容積機器3が油圧モータとして動作して、第2の油圧容積機器2と共に自動車を駆動する。走行駆動のために少しの動力で済む場合、高圧アキュムレータ5は、ドライブユニット10により第4の油圧容積機器4を介してエネルギを直接蓄積されるので、ドライブユニット10は、いつでも最適な動作点で動作することができる。エネルギを直接変換するので、エネルギを大幅に節約することが可能であり、走行駆動のための能力も向上する。
【0088】
図2dに示す実施形態では、2つの被駆動装置が設けられており、これら被駆動装置は油圧ドライブシステムによって別々に駆動することができる。クレーンにおいて、例えば、巻上ウインチ及び旋回装置の両方又は2つのウインチを、油圧ドライブシステムにより駆動することができる。ドライブユニット(ディーゼルエンジン)が、クラッチ7及びトランスミッション8を介して、並列に配置された2つの第1の油圧容積機器1,21及び第4の油圧容積機器4を駆動する。前述の実施形態と同様、第1の油圧容積機器1及び第2の油圧容積機器2が、第1の被駆動装置を駆動する閉ループの油圧回路を形成している。同様に、第1の油圧容積機器21及び第2の油圧容積機器22が、第2の被駆動装置を駆動する閉ループの油圧回路を形成している。第3の油圧容積機器3,23はそれぞれ、第2の油圧容積機器2,22に接続されている。つまり、それぞれ対応する被駆動装置に接続されているか又は接続可能である。
【0089】
エネルギの回収時、それぞれ対応する被駆動装置から得た機械エネルギを、第3の油圧容積機器3,23により油圧エネルギに直接変換することができる。その後、油圧エネルギは共通の高圧アキュムレータ5に蓄積される。このため、2つの第3の油圧容積機器3,23は、それぞれ油圧管路14,19を介して高圧アキュムレータ5に連通している。両被駆動装置は、高圧アキュムレータ5から得た圧力を用いて、それぞれ第3の油圧容積機器3,23により直接駆動することができる。ドライブユニット10により高圧アキュムレータ5にエネルギを直接蓄積するため、さらに第4の油圧容積機器4が油圧管路12を介して高圧アキュムレータ5に連通している。しかし、2つの荷重によりドライブユニット10に荷重が全く又はほとんどかからない場合、第4の油圧容積機器4を介して油圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積することができるので、やはりドライブユニット10を最適動作点で動作させることができる。
【0090】
したがって、本発明のエネルギ管理は、2つの荷重を駆動するのに最適の効率で且つドライブシステムを完全に二重に設ける必要なく使用することができる。荷重が追加されても、必須の構成要素である第1及び第2の油圧容積機器21,22を含む駆動回路に第3の油圧容積機器23をさらに1つ追加するだけでよく、それに対して、第4の油圧容積機器4及び高圧アキュムレータ5を二重に設ける必要はない。一方、共通の高圧アキュムレータ5を設けた構成とすることにより、第1及び第2の被駆動装置に対応する2つのドライブシステム間でのエネルギの移動を単純に行うことができる。
【0091】
図2eに示す実施形態は、3つの被駆動装置を駆動するドライブシステムである。第1及び第2の被駆動装置を駆動するドライブシステムは、図2dに示す実施形態と同一であるので、これらのシステム構成部材の説明は省略する。第1及び第2の被駆動装置の第1の油圧容積機器1,21並びに第4の油圧容積機器4に加えて、ドライブユニット10により駆動されるトランスミッション8が、並列に設けられた第3の被駆動装置用の第1の油圧容積機器31を駆動する。第3の被駆動装置用の第1の油圧容積機器31及びさらに設けられた油圧容積機器32が、第3の被駆動装置を駆動する油圧回路を形成している。この油圧回路もまた閉ループの油圧回路である。第3の被駆動装置に対して、これ以上の容積機器は設けられていないので、第3の被駆動装置の制動減速動作時、高圧アキュムレータ5にエネルギを直接蓄積することができない。しかし、第3の被駆動装置の制動減速動作時、まず、第3の被駆動装置から得た機械エネルギを油圧容積機器32により油圧エネルギに変換し、この油圧エネルギを油圧容積機器31により再度機械エネルギに変換し、その後、この機械エネルギをトランスミッション8を介して他の油圧容積機器に供給することができるので、エネルギを、例えば第4の油圧容積機器4により再度油圧エネルギに変換し、高圧アキュムレータ5に蓄積することができる。しかし、この場合の効率は、第3の油圧容積機器により機械エネルギから油圧エネルギへの直接変換が可能な第1及び第2の被駆動装置におけるエネルギ変換と比べて良いとは言えない。
【0092】
図3aは、ウインチ6を駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、開ループの一次油圧回路を用いる。第1の油圧容積機器1は、クラッチ7を介して接続可能なドライブユニット10により駆動され、油圧システム全体に圧力を提供する。第1の油圧容積機器1は、1方向に給送可能で且つ容量が可変の油圧ポンプである。第1の油圧容積機器1の出口46は、4/3方向バルブ40を介して、ウインチ6を駆動する第2の油圧容積機器2のポート42,43に選択的に連通される。第2の油圧容積機器2のそれぞれのポートは、第1の油圧容積機器1の出口46に連通していない場合、油圧リザーバ9に連通している。さらに、バルブ40が中間位置にある場合は、出口42,43の両方が油圧リザーバ9に連通している。さらに、ウインチ動作のために高圧側に設けられた第2の油圧容積機器2の連通管路42に、バルブ41が設けられている。バルブ41は、低圧側43に連通した制御管路44を介して作動される。油圧管路43が加圧されない場合、バルブ41は逆止弁として機能し、第2の油圧容積機器2から第1の油圧容積機器1への作動油の逆流を防止する。逆の場合、バルブ41は可変絞り弁として機能する。
【0093】
さらに、本発明による機械エネルギを伝達する第3の油圧容積機器3が、クラッチ47を介してウインチ6に接続され、且つ、高圧アキュムレータ5に油圧連通している。この構成では、ウインチ6により放出された機械エネルギを第3の油圧容積機器3により油圧エネルギに変換し、高圧アキュムレータ5に蓄積することが可能である。逆に、高圧アキュムレータ5に蓄積された油圧エネルギを用いて、第3の油圧容積機器3を介してウインチ6を駆動することにより、ドライブユニット10を補助することができる。
【0094】
高圧アキュムレータ5は、バルブ70を介して、第1の油圧容積機器1の出力側46に連通している。この構成では、実質的に図1aに示した本発明の実施形態と同様の動作が可能である。油圧回路は開ループであるので、高圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積する場合、第1の油圧容積機器1は必要な作動油をリザーバ9から直接受け取る。
【0095】
図3bは、本発明のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図3aで使用した構成を用いて2つのウインチを駆動する。このため、2つの第2の油圧容積機器2,22が設けられている。第2の油圧容積機器2,22はそれぞれ第1及び第2のウインチを駆動し、それ自体は、図3aに示す実施形態と同様に、バルブ40,41並びにバルブ80,81を介して第1の油圧容積機器1により駆動される。さらに、第3の油圧容積機器3,23が設けられている。第3の油圧容積機器3,23は、それぞれクラッチを介して第1及び第2のウインチに接続されている。第3の油圧容積機器3,23は、一方の端部が油圧リザーバに油圧連通しており、他方の端部が高圧アキュムレータ5に油圧連通している。図3aに示した実施形態と同様に、高圧アキュムレータ5はさらに、バルブ70を介して第1の油圧容積機器1の出口46に連通している。
【0096】
したがって、ウインチにより放出されたエネルギを、第3の油圧容積機器3,23のそれぞれを介して高圧アキュムレータ5に蓄積することができる。同様に、高圧アキュムレータ5に蓄積されたエネルギを用いてウインチを駆動することができる。
【0097】
2つの油圧容積機器2,22がウインチを駆動するためにドライブユニット10により生成される駆動エネルギが不要であるか又はその駆動エネルギの全てが必要でない動作期間において、残余エネルギを油圧アキュムレータ5に蓄積することがさらに可能である。これにより、閉ループの一次油圧回路について前に説明した利点が、この開ループの一次油圧回路においても同様に得られる。
【0098】
図4は、開ループの一次油圧回路を備えた本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、高圧アキュムレータ5は、第4の油圧容積機器を介してエネルギが蓄積される。したがって、一次油圧回路は図3aに示す実施形態に対応しているが、エネルギの蓄積は図2aに示す実施形態に対応している。
【0099】
第1の油圧容積機器1は、可変容量ポンプである。第1の油圧容積機器1は、バルブ40,41を介して第2の油圧容積機器2の入口側に連通可能であり、その出力側は、バルブ40を介して油圧リザーバ9に連通可能である。バルブ40は、4/3方向バルブである。このバルブが中間位置にある場合、第2の油圧容積機器2の2つのポートが油圧リザーバ9に連通し、2つの外側切換位置にある場合、油圧ポンプ1の圧力側出口を、油圧管路42又は油圧管路43のいずれかを介して、第2の油圧容積機器2の2つのポートのうちの一方に連通させ、第2の油圧容積機器2の他方のポートを油圧リザーバ9に連通させる。この構成において、油圧ポンプ1により油圧リザーバ9から作動油が吐出される。作動油は、第2の油圧容積機器2を通って複数の方向に流れる。さらに、油圧管路42に、制御管路44を介して作動される弁が設けられている。油圧管路43が加圧されない場合、このバルブは逆止弁として機能する。逆の場合、可変絞り弁として機能する。この構成は、特に、ウインチを駆動するために設けられている。
【0100】
第4の油圧容積機器、第3の油圧容積機器及び油圧アキュムレータ5の構成は、図2aから図2eに示した実施形態と同じであるので、同じ構成部材については詳細を繰り返し説明しない。対応するアキュムレータ管理に基づく動作は、前述の実施形態と同じである。
【0101】
図4にはさらなる荷重が設けられており、この荷重は、エネルギを別個に蓄積することなく、独立した油圧回路により駆動される。
【0102】
図5aは、クレーンの油圧ドライブシステムを示す。このシステムでは、本発明によるエネルギ直接回収原理が巻上ギアに適用されるのに対し、ラフィングギア及び旋回ギアは、別個にエネルギを回収することなく、別々の油圧回路により並列に駆動される。巻上ギア6のドライブシステムは、図2aに示す実施形態に実質的に対応している。このシステムでは、トランスミッション8と第1及び第4の油圧容積機器との間にクラッチ52,51が追加されている。さらに、共通の軸上に設けられた第2及び第3の油圧容積機器と巻上ギア6との間に、クラッチ55が設けられている。作動及びアキュムレータ管理は、第1の実施形態と略同様に実施される。いずれのクラッチも必須の部材ではなく、別の実施形態においても省略可能である。
【0103】
さらに、ラフィングギア58及び旋回ギア63がさらなる被駆動装置として設けられている。これらのギアは、油圧システムにより駆動される。トランスミッション8は、クラッチ53を介して、可変容量ポンプ57に接続されている。可変容量ポンプ57は、ラフィングギア58の油圧シリンダを駆動する。このため、油圧シリンダの圧力室61,62が、それぞれ、容量が可変であり且つ給送方向が2方向の油圧ポンプ57のポートに連通しており、それに対応して両方向にラフィングギアを動かすことができる。
【0104】
トランスミッション8は、クラッチ54を介して油圧ポンプ59に接続されている。油圧ポンプ59は、油圧モータ60と共に閉ループの油圧回路を形成している。油圧モータ60は、クラッチ56を介して旋回ギア63を駆動する。油圧ポンプ59は、2方向に給送可能な可変容量ポンプとして構成されている。油圧モータ60は、2方向に給送可能な容量一定のモータとして構成されている。
【0105】
トランスミッションと油圧容積機器との間に設けられたクラッチも、油圧容積機器と被駆動装置との間に設けられたクラッチも、いずれも必須ではない。したがって、別の実施形態において、それらクラッチの一部又は全てを省略してもよい。
【0106】
図2eを参照して前に説明したように、ラフィングギア及び旋回ギアの動作からエネルギを回収することは、巻上ギアの場合と同じく、直接的には行えず、トランスミッション8を介して間接的に回収されるので、その分、効率も低下する。しかし、クレーンにおける中央周期運動は荷重の上げ下げを含む巻上ギアの作動であるので、巻上ギアにとって、本発明によりエネルギを直接回収することは非常に重要である。
【0107】
図5bは、クレーンを駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態は、ラフィングギア及び旋回ギアについて図5aに示した実施形態に対応しており、本発明による油圧エネルギを蓄積するシステムに2つのウインチを含んでいる。本実施形態の2つのウインチを駆動する油圧ドライブシステムは、図2dに示したドライブシステムに対応している。つまり、第1の油圧容積機器1,21及び第2の油圧容積機器2,22を含む閉ループの油圧回路を備えている。エネルギの蓄積は、第3の油圧容積機器3,23と、クラッチを介してドライブユニット10に接続可能である第4の油圧容積機器4とを介して実施される。
【0108】
図5bに示すドライブシステムの動作は、図5aに示したドライブシステムの動作と略同様に実施される。つまり、2つのウインチの動作からエネルギを回収することが可能であり、高圧アキュムレータ5に蓄積された油圧エネルギにより両ウインチの駆動を補助することも同様に可能である。
【0109】
前述のとおり、図5a及び図5bに示した本発明によるクレーン駆動において、第3の油圧容積機器3を介して巻上ギアからエネルギを直接回収することができ、高圧アキュムレータ5及び第3の油圧容積機器3を二次駆動動力源として用いて能力を向上することができ、この目的のためにドライブユニット10の一次駆動動力を増大する必要もないので、荷物取扱処理に用いるエネルギが実質的に節約される。さらに、巻上ギアからクレーンに放出されるエネルギを蓄積できて損なうことがないので、冷却面を低減することができる。
【0110】
第4の油圧容積機器4を介してドライブユニット10により放出されたエネルギが直接蓄積され、余剰なエネルギを効率良く蓄積できるので、ドライブユニット10であるディーゼルエンジンを最適動作点で動作させることがさらに可能である。それに応じてエンジンの速度が低減されるので、ノイズ及び排気エミッションの両方が低減される。さらに、ディーゼルエンジンの耐用年数が長くなる。
【0111】
荷重がピークの場合、高圧アキュムレータ5を、ラフィングギア又は旋回ギアを駆動する二次駆動動力源として用いることも同様に可能である。つまり、第4の油圧容積機器は油圧モータとして動作し、トランスミッション8を介して他の荷重に機械エネルギを供給する。トランスミッション8を介してラフィングギア及び旋回ギアからエネルギを回収することも同様に可能である。しかし、この場合、本発明による直接変換により巻上ギアについて得られる効率と同程度の高い効率は得られない。
【0112】
言うまでもないが、上記の異なる実施形態の1つをウインチ駆動のために選択した場合も、閉ループの一次油圧回路と高圧アキュムレータ5へのエネルギの蓄積を可能にする第4の油圧容積機器とを用いたウインチ駆動について説明した利点と同じ利点が得られる。したがって、開ループの一次油圧回路を同様に選択でき、第4の油圧容積機器の代わりに、第1の油圧容積機器により高圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積することができる。
【0113】
機械エネルギを伝達するためにドライブユニット10に接続されているか又は接続可能である油圧容積機器を介して高圧アキュムレータ5にエネルギを蓄積可能であることが単に重要なので、ウインチの駆動に必要ないエネルギを、特にウインチ自体が休止状態にある場合にも、効率良く蓄積することができる。
【0114】
図6aは、本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態を示す。この実施形態は、図2aに示すドライブシステムに実質的に対応している。しかし、この実施形態では、2つの駆動モータ10,110が設けられており、クラッチ7,107を介してトランスミッション8に接続されている。トランスミッション8は、第1及び第4の油圧容積機器を駆動する。特に電気駆動モータにおいて、そのような構成は、要求される能力を達成するという点で有利であり得る。2つのモータ10,110は並列に動作するので、これらのモータから放出される機械エネルギを用いてウインチ6を駆動することも、エネルギを蓄積することも可能である。したがって、ドライブユニットが並列に動作する1つ以上のモータを含むか否かに関わらず、本発明の利点が得られる。
【0115】
図6bに示す本発明の油圧ドライブシステムの実施形態において、まず、図2aに示したシステムに対応した第1の部分システムが設けられている。さらに、第2の部分システムが、第1の部分システムに対して並列に設けられている。第2の部分システムにおいて、さらなるドライブユニット120が、クラッチ117及びトランスミッション108を介して、さらなる第1の油圧容積機器101及びさらなる第4の油圧容積機器104を駆動する。第1の油圧容積機器101及び第4の油圧容積機器104は、第1の部分システムの第1及び第4の油圧容積機器に対して並列に油圧連通している。この結果、システム全体の能力が2倍に向上し且つ冗長な設計となり、これによりシステム全体の安全性が向上する。このシステムの動作は、図2aに示した実施形態に類似している。つまり、ドライブユニット並びに第1及び第4の油圧容積機器を含む駆動側のみが二重に設けられ、ウインチを駆動する第2及び第3の油圧容積機器は1組だけ設けられている。
【0116】
油圧圧力供給についての冗長性が追加されたこのドライブシステムを用いた場合にも、上で説明したのと同じ利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1a】図1aは、閉ループの一次油圧回路を用いてウインチを駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、一次油圧回路の第1の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図1b】図1bは、2つの被駆動装置を駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、閉ループの一次油圧回路が2組設けられ、圧力が高い方の一次油圧回路を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図1c】図1cは、2つの荷重を駆動する、閉ループの一次油圧回路を2組備えた本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、それぞれの一次油圧回路の第1の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図2a】図2aは、ウインチを駆動する、閉ループの一次油圧回路を備えた本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、第4の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図2b】図2bは、図2aに示した油圧ドライブシステムの別の実施形態を示す図である。
【図2c】図2cは、図2aに示した本発明の油圧ドライブシステムの実施形態を用いて走行用ドライブを駆動する構成を示す図である。
【図2d】図2dは、2つの荷重を駆動する、閉ループの一次油圧回路を2組備えた本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、第4の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図2e】図2eは、図2dに示した油圧ドライブシステムに加えてさらなる荷重を駆動する油圧回路をさらに含む、本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態を示す図である。
【図3a】図3aは、開ループの一次油圧回路を用いてウインチを駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、一次油圧回路の第1の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図3b】図3bは、2つのウインチを駆動する、1つの第1の油圧容積機器により作動油が供給される開ループの一次油圧回路を2組備えた本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、第1の油圧容積機器を介して高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる構成を示す図である。
【図4】図4は、第1の被駆動装置を駆動する、開ループの一次油圧回路と高圧アキュムレータにエネルギを蓄積できる第4の油圧容積機器とを備えた本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、さらなる荷重を駆動する油圧回路をさらに備えた構成を示す図である。
【図5a】図5aは、クレーンを駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、油圧ドライブシステムがウインチを駆動するためのエネルギ回収部と、旋回ギア及びラフィングギアを駆動する2組の油圧回路とをさらに備えた構成を示す図である。
【図5b】図5bは、クレーンを駆動する本発明の油圧ドライブシステムの一実施形態であり、油圧ドライブシステムが2つのウインチを駆動するためのエネルギ回収部と、ラフィングギア及び旋回ギアを駆動する2組の油圧回路とをさらに備えた構成を示す図である。
【図6a】図6aは、ウインチを駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態であり、ドライブユニットが並列に接続されたモータを備えている構成を示す図である。
【図6b】図6bは、ウインチを駆動する本発明の油圧ドライブシステムのさらに別の実施形態であり、ドライブユニット並びに第1及び第4の油圧容積機器が二重に設けられた構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の油圧容積機器(1)及び第2の油圧容積機器(2)を含む一次油圧回路を介して前記被駆動装置(6)を駆動できるドライブユニット(10)と、
機械エネルギを伝達するために前記被駆動装置(6)に接続可能であるか又は接続されている第3の油圧容積機器(3)と、
前記第3の油圧容積機器(3)に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータ(5)とを備えた被駆動装置(6)を駆動する油圧ドライブシステムであって、
前記高圧アキュムレータ(5)は、機械エネルギを伝達するために前記ドライブユニット(10)に接続されているか又は接続可能である油圧容積機器によりエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記高圧アキュムレータ(5)は、前記第1の油圧容積機器(1)によりエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
第4の油圧容積機器(4)をさらに備え、
前記高圧アキュムレータ(5)は、前記第4の油圧容積機器(4)を介してエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記高圧アキュムレータ(5)は、油圧ポンプとして動作する前記第3の油圧容積機器(3)を介してエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記高圧アキュムレータ(5)へのエネルギの蓄積に用いる油圧容積機器は、油圧リザーバ(9)に連通しているか又は連通可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項6】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第3の油圧容積機器(3)は、油圧モータとして動作し、前記高圧アキュムレータ(5)を介して駆動することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項7】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1及び/又は第4の油圧容積機器は、油圧モータとして動作し、前記高圧アキュムレータ(5)を介して駆動することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項8】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1の油圧容積機器(1)は油圧モータとして動作可能であり、
前記第2の油圧容積機器(2)は油圧ポンプとして動作可能であり、
上記のように動作した場合、前記第2の油圧容積機器(2)が前記第1の油圧容積機器(1)を駆動する
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項9】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1及び第2の油圧容積機器は、閉ループの油圧回路を形成している
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項10】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第2の油圧容積機器(2)及び前記第3の油圧容積機器(3)のシャフトは、機械エネルギを伝達するため、前記被駆動装置(6)のドライブシャフトに接続可能であるか又は接続されている
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第2及び第3の油圧容積機器のシャフトは、直接又はトランスミッション(17)を介して接続されている
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項12】
請求項10に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第2及び/又は第3の油圧容積機器のシャフトは、少なくとも1つのクラッチ(55)を介して前記被駆動装置(6)のドライブシャフトに接続可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項13】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記ドライブユニット(10)の出力軸は、機械エネルギを伝達するため、前記第1及び/又は第4の油圧容積機器のドライブシャフトに接続可能であるか又は接続されている
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項14】
請求項13に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1及び第4の油圧容積機器のドライブシャフトは、少なくとも2つのクラッチ(51,52)を介して前記ドライブユニットのドライブシャフトに個別に接続可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記ドライブユニット(10)は、トランスミッション(8)を介して前記第1及び/又は第4の油圧容積機器のドライブシャフトを駆動する
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項16】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
少なくとも1つのさらなる被駆動装置(63)が前記ドライブユニット(10)により駆動される
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項17】
請求項16に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記さらなる被駆動装置(63)は、油圧ポンプ(59)を備えた油圧回路を介して駆動され、
前記油圧ポンプは前記ドライブユニット(10)により駆動される
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記さらなる被駆動装置(63)又は前記さらなる被駆動装置(63)を駆動する前記油圧ポンプ(59)は、前記第1及び/又は第4の油圧容積機器から独立した少なくとも1つのクラッチ(54)を介して前記ドライブユニット(10)に接続可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記さらなる被駆動装置(63)又は前記さらなる被駆動装置(63)を駆動する前記油圧ポンプは、機械エネルギを伝達するために、少なくとも1つのクラッチを介して、前記第1及び/又は第4の油圧容積機器に接続可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項20】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記ドライブユニット(10)は、内燃機関又は電気モータを含んでいる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項21】
請求項20に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記ドライブユニットは、1つのモータ又はトランスミッションを並列に駆動する複数のモータ(10,100)を含んでいる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項22】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1及び/又は第2の油圧容積機器は、容量が可変である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項23】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第3及び/又は第4の油圧容積機器は、容量が可変である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項24】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第1及び/又は第2の油圧容積機器は、2方向に給送可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項25】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記第3及び/又は第4の油圧容積機器は、2方向に給送可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項26】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
2つの被駆動装置が設けられ、そのドライブシステムは、それぞれが第1、第2及び第3の油圧容積機器を有し、
前記第1の油圧容積機器(1,21)は、機械エネルギを伝達するため、前記ドライブユニット(10)に接続可能であるか又は接続されており、
前記第2の油圧容積機器(2,22)及び前記第3の油圧容積機器(3,23)は、機械エネルギを伝達するため、それぞれ前記被駆動装置に接続可能であるか又は接続されており、
前記第1の油圧容積機器(1,21)は、それぞれ前記第2の油圧容積機器(2,22)に油圧連通しているか又は油圧連通可能であり、
前記高圧アキュムレータ(5)は、前記第3の油圧容積機器(3,23)に油圧連通しているか又は油圧連通可能である
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項27】
請求項26に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記高圧アキュムレータ(5)は、前記2つの第1の油圧容積機器(1,21)の一方又は両方によりエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項28】
請求項26に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
第4の油圧容積機器(4)をさらに備え、
前記高圧アキュムレータ(5)は、前記第4の油圧容積機器(4)を介してエネルギを蓄積することができる
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項29】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記エネルギの蓄積及び前記システムの作業機能を制御する制御部をさらに備えたことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項30】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
クレーンを駆動する
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項31】
請求項30に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記被駆動装置(6)はウインチであり、前記ウインチは巻上ウインチを含む
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項32】
請求項1〜29のいずれかに記載の油圧ドライブシステムにおいて、
リーチスタッカー又はホイールローダーを含む移動式車両を駆動する
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項33】
請求項32に記載の油圧ドライブシステムにおいて、
前記被駆動装置(6)は走行用ドライブである
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項34】
請求項1〜31のいずれかに記載の油圧ドライブシステムを備えたクレーン。
【請求項35】
請求項1〜29、32及び33のいずれかに記載の油圧ドライブシステムを備えた移動式車両であり、
前記移動式車両はリーチスタッカー又はホイールローダーを含む
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項36】
前記請求項のいずれかに記載の油圧ドライブシステムの動作方法であって、
前記被駆動装置(6)を駆動するために前記ドライブユニット(10)の動力が不要であるか又は該動力の全てが必要でない場合、前記高圧アキュムレータ(5)は、第3の油圧容積機器(3)を介して前記被駆動装置(6)の運動エネルギを変換することによりエネルギが蓄積される、且つ/又は、機械エネルギを伝達するために前記ドライブユニット(10)に接続されているか若しくは接続可能である油圧容積機器を介してエネルギが蓄積される
ことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、
前記高圧アキュムレータ(5)へのエネルギの蓄積は、前記被駆動装置(6)の停止時に行われる
ことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項36又は37に記載の方法において、
前記被駆動装置(6)は、前記高圧アキュムレータ(5)からの油圧エネルギを前記第3の油圧容積機器(3)を介して変換することにより駆動される
ことを特徴とする方法。
【請求項39】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、
前記高圧アキュムレータ(5)からの油圧エネルギを前記第1及び/又は第4の油圧容積機器を介して変換することにより、機械エネルギがさらなる荷重に供給される
ことを特徴とする方法。
【請求項40】
油圧ポンプ(1)及び油圧モータ(2)を含む一次油圧駆動部を介して前記被駆動装置(6)を駆動できるドライブユニット(10)と、
機械エネルギを伝達するために前記被駆動装置(6)に接続可能であるか又は接続されているさらなる第3の油圧容積機器(3)、並びに、前記さらなる第3の油圧容積機器(3)に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータ(5)を含む二次油圧駆動部と、
制御部とを備えた被駆動装置(6)を駆動する油圧ドライブシステムであって、
前記一次油圧駆動部は一次制御下にあり、前記二次油圧駆動部は二次制御下にある
ことを特徴とする油圧ドライブシステム。
【請求項41】
油圧ポンプ(1)及び油圧モータ(2)を含む一次油圧駆動部を介して前記被駆動装置(6)を駆動できるドライブユニット(10)と、
機械エネルギを伝達するために前記被駆動装置(6)に接続可能であるか又は接続されているさらなる第3の油圧容積機器(3)、並びに、前記さらなる第3の油圧容積機器(3)に油圧連通しているか又は油圧連通可能である高圧アキュムレータ(5)を含む二次油圧駆動部とを備えた油圧ドライブシステムにより前記被駆動装置(6)を駆動する方法であって、
前記一次油圧駆動部は一次制御下にあり、前記二次油圧駆動部は二次制御下にある
ことを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2009−133479(P2009−133479A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−248274(P2008−248274)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(501190549)リープヘル−ヴェルク ネンツィング ゲーエムベーハー (11)
【Fターム(参考)】