説明

治療剤の新規組み合わせ

鼻または口を介した吸入投与のためのムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストとβ2アゴニストおよび/またはコルチコステロイドとの新規組み合わせ、ならびにその使用方法が本明細書において提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療などの喘息および関連障害の治療で使用するための製剤および組成物に関する。
【0002】
さらに詳細には、本発明は、ムスカリン性アンタゴニストと少なくとも1つの追加の治療剤との組み合わせ、ならびにM3ムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患、および該第2の治療剤が適応とされることが知られている他の治療適応症の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストは、気管支拡張剤が適応としてきた臨床状態の予防および治療において使用されてきた。このような病態としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば、慢性および喘息様気管支炎、気腫)、気道感染症および上気道疾患(例えば、季節性鼻炎およびアレルギー性鼻炎をはじめとする鼻炎)などの[可逆性]気道閉塞を伴う疾患が挙げられる。
【0004】
特に、これらのβ2-アドレナリン性受容体アゴニスト(β2アゴニスト)は、気管支拡張作用を患者にもたらし、息切れの症状を軽減するので、喘息および他の関連障害の治療に用いられてきた。β2アゴニストのクラス内には、サルブタモール、ビルトルテロール(biltolterol)、ピルブテロール、およびテルブタリンなど即時軽減のための短時間作動型化合物が現在利用可能である。サルメテロールおよびホルモテロールなどより長い時間作用する化合物も市販されている。サルメテロールおよび他の市販β2アドレナリン受容体アゴニストは有効な気管支拡張薬であるが、一般にヒト被験体におけるそれらの作用持続時間は約12時間であり、したがって1日2回投与がしばしば必要である。
【0005】
β2アゴニストは、患者における気管支収縮の症状を軽減するが、喘息の別の構成要素、すなわち炎症には、別の治療が必要であることが多い。典型的には、この治療にはステロイドが用いられてきた。現在利用可能なコルチコステロイドとしては、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸モメタゾン、およびトリアムシノロンが挙げられる。
【0006】
この20年間にわたって、吸入抗コリン薬は、COPDの治療のための安全でかつ有効な気管支拡張薬として十分に確立されてきた。抗コリン薬を用いた治療は、大幅にFEV1(1秒間の努力呼気量)、安静時および動的肺過膨脹、症状、ならびに運動能力を改善し、COPD増悪を低減する。現在、数種類の吸入抗コリン性気管支拡張薬しか利用できない:短時間作動型臭化イプラトロピウム(イプラトロピウム;1日4回投与)および臭化オキシトロピウム、ならびに長時間作動型臭化チオトロピウム(チオトロピウム;1日1回投与)。
【0007】
国際COPD治療ガイドライン[COPD患者の診断と管理のための米国胸部疾患学会(American Thoracic Society:ATS)および欧州呼吸器学会(European Respiratory Society:ERS)の標準、ならびに慢性閉塞性肺疾患に対するグローバルイニシアチブ(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease:GOLD)]では、異なるまたは補完的な作用機序を有する薬物クラスの組み合わせの使用を含む、病状の悪化につれて増加させる治療手法が推奨されている。中等症患者の場合、1つまたは複数の長時間作動型気管支拡張薬を用いた定期的治療が推奨され、より重症のCOPDの場合には、吸入コルチコステロイドの添加へと移行する。
【0008】
個々の成分が同様の安全性を有しながらも改善された有効性を示すことが、COPD治療のための長時間作動型抗コリン薬とβ2-アゴニスト(2成分)との固定用量合剤製品、および長時間作動型抗コリン薬とβ2-アゴニストと吸入コルチコステロイド(3成分)との固定用量合剤製品を開発する根本的な理由になる。さらに、喘息および他の関連障害の治療のための長時間作動型抗コリン薬と吸入コルチコステロイド(2成分)との固定用量合剤製品も求められている。
【0009】
治療レジメンに対する患者のコンプライアンスをより良くするためには、1日1回または1日2回、1つまたは複数の作用剤を同時に(at the same time)(同時に(simultaneously)もしくは同時に(concurrently))投与すること、あるいは連続(逐次)投与することが有利である。これらの様々な組み合わせによって、一般的な多剤レジメンの単純化が可能になるはずであり、治療アドヒアランスを改善する可能性もある。
【0010】
いくつかの組み合わせ製品、例えばプロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールとの吸入組み合わせ医薬品が知られており、この組み合わせは、1つの使いやすい装置で提供される。この組み合わせ製品は、同時にβ2アゴニスト(サルメテロール)によって気道収縮の治療、およびステロイド(プロピオン酸フルチカゾン)によって炎症の治療をもたらす。
【0011】
臭化イプラトロピウムとサルブタモールの組み合わせも知られている。この組み合わせ療法は、抗コリン薬(臭化イプラトロピウム)を与えて、気管支分泌物を低減し、かつβ2アゴニスト(サルブタモール)を与えて、収縮を低減する。他の組み合わせとしては、イプラトロピウムとサルブタモール(国際公開第01/76601号)、およびチオトロピウムとホルモテロール(国際公開第00/47200号)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第01/76601号
【特許文献2】国際公開第00/47200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、単一製品または剤形で気管支の炎症、気管支の収縮、および気管支の分泌物を低減するのに適した組み合わせ療法を提供することは非常に望ましいはずである。このような組み合わせ製品または組成物を様々な成分の正確な投与量が容易にかつ安全に投与される形で提供することも望ましいはずである。本発明は、市場におけるこのような必要性を対象にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンの製薬上許容されるアニオン(化合物(I))とキシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つとの新規組み合わせであって、治療剤のそれぞれが、製剤として任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する組み合わせを提供する。
【0015】
本発明は、治療化合物のうち1つまたは複数の投与が適応とされる状態の予防または治療のための医薬の製造における該製剤の使用も提供する。
【0016】
一実施形態において、該使用は、炎症性または気道疾患の第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤の同時または連続投与による治療のためである。
【0017】
別の実施形態において、使用は、第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤の同時または連続投与による喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療用の医薬の製造のためのものである。
【0018】
本発明の別の実施形態は、炎症性または気道疾患の予防または治療方法であって、それを必要とする患者に、(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンの製薬上許容されるアニオンである第1の治療剤(化合物(I));およびキシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択される少なくとも1つの他の治療剤を含む製剤を逐次にまたは同時に投与することを含む方法であって、治療剤のそれぞれが、製剤として任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する。
【0019】
本発明の一実施形態において、炎症性または気道疾患は、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性気道閉塞、肺線維症、肺気腫、およびアレルギー性鼻炎からなる群から選択される。
【0020】
本発明の別の実施形態において、製剤を、第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤の同時または連続投与による炎症性または気道疾患の治療、さらに具体的には喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用することができる。第1の治療剤を他の治療剤のうち1つだけと同時に投与してもよく、次いで第2の他の治療剤をその後引き続いて投与してもよく、または3つの治療剤をすべて一緒に同時に投与してもよいということはよく認識されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、以下のもの:
(a)次式の化合物から選択される第1の治療剤:
【化1】

【0022】
式中、
指し示したH原子はエキソ位であり、
R1-は、N原子の正電荷と結合している製薬上許容されるアニオンを表す;および
(b)キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つを含む製剤であって、治療剤のそれぞれが、任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する製剤を対象にする。少なくとも1つの他の治療剤を、本明細書では化合物(II)と称する。追加の治療剤が2つあるとき、第3の化合物を本明細書では化合物(III)などと称する。
【0023】
本発明の一実施形態において、製薬上許容されるアニオンである式(I)の化合物は、クロリド、ブロミド、ヨージド、スルファート、ベンゼンスルホナート、またはトルエンスルホナートから選択される。
【0024】
本発明の一実施形態において、アニオンはブロミドであり、式(I)の化合物は、(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドである。この特定の化合物を、本明細書ではブロミド化合物と称する。
【0025】
治療効果を実現するのに必要とされる式(I)の化合物、具体的には(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドの量は、言うまでもなく、投与経路、治療中の被験体、および治療する特定の障害または疾患に応じて異なる。好適には、投与経路は、鼻を介した吸入、または経口吸入療法による。
【0026】
式(I)の化合物、具体的には(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド(ブロミド化合物)は、約10mcg〜約200mcg/日の用量で、必要なら分割投与により吸入投与することができる。
【0027】
ブロミド化合物は、用量依存的であることが分かった。これにより、今回ブロミド化合物はムスカリン性アセチルコリン(Ach)受容体において遅い「解離速度」を有することが示されたということになる。これは、長い作用持続時間を予示することが知られている。したがって、10〜100mcg/用量の量、1日2回投与することができるが、投与量を、100〜200mcg/用量の量までなどに増加する場合、1日1回投与は適当な代替策であり得る。
【0028】
重要なことには、ブロミド化合物は、M2受容体に比べてM1およびM3受容体に対する選択性が10倍高いことが分かり、ブロミド化合物は、部分的可逆性アンタゴニストであることも分かった。
【0029】
プロピオン酸フルチカゾンは、一般に吸入経路により、ヒトに(a)1回250マイクログラム、1日1回、または(b)1回50〜250マイクログラム、1日2回投与される。プロピオン酸フルチカゾンの量は、必要があると認めるときは、1日の量を、1日当たり1回投与して、500マイクログラムの量などに増加できることがよく認識されている。
【0030】
サルメテロール、またはその製薬上許容される塩、例えばキシナホ酸サルメテロールを、一般にヒトに1回吸入25〜50マイクログラム、1日2回(遊離の塩基として測定)投与する。
【0031】
この場合に利用できない気管支収縮、気道の炎症および粘膜分泌の制御は、サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン(Advair/Seritide)を特定の抗コリン剤と組み合わせて含む3成分一体型治療合剤が市場に存在すればもたらされるはずである。本発明によって提供される3成分一体型組み合わせ療法は、極めて患者に優しい観点も有し、患者のコンプライアンスを最大限にし、かつ公知の組み合わせまたは単独療法より喘息の制御を良好にするはずである。
【0032】
したがって、本発明は、治療剤のうち1つまたは複数の投与が適応とされる状態の治療において同時、分離または逐次使用のための治療剤の組み合わせを含む製剤を提供する。
【0033】
本明細書の下記にさらに記載されるように、本明細書で使用するための製剤には、様々な形態の吸入投与(様々なタイプの定量加圧エアゾール、ネブライザー、またはインサフレーターによって生成することができる微細粒子のダストまたはミストを含む)が含まれる。
【0034】
吸入による肺への局所送達のためのドライパウダー組成物は、例えば吸入器またはインサフレーターで使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、または例えば積層アルミ箔のブリスター中に提供することができる。パウダーブレンド製剤は、一般に本発明の化合物および単糖、二糖、または多糖など(例えば、ラクトースまたはデンプン)の適当なパウダーベース(担体/希釈剤/賦形剤物質)の吸入のためのパウダーミックスを含有する。ラクトースの使用が好ましい。
【0035】
ドライパウダー組成物には、薬物および担体に加えて、糖エステル、例えばセロビオースオクタアセタート、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸マグネシウムなど別の賦形剤(例えば、第3の物質)も含み得る。あるいは、本発明の化合物を賦形剤なしに提供してもよい。誤解を避けるために、本明細書では「組成物」という用語の使用は、賦形剤または担体を含むまたは含まない治療化合物を意味する。
【0036】
各々のカプセルまたはカートリッジは、一般に10μg〜200μgのブロミド化合物を、任意により(1つまたは複数の)他の治療上活性な物質と組み合わせて含有することができる。あるいは、本発明の化合物を賦形剤なしに提供してもよい。製剤の包装は、単位用量または多回用量の送達に適していることがある。製剤が2つの追加の活性な物質、例えばサルメテロールとフルチカゾンの両方を含有する場合、ブロミド化合物をサルメテロールと混合してもよく、かつフルチカゾンをそれ独自のカプセルに入れてもよく、あるいはブロミド化合物をフルチカゾンと混合してもよく、かつサルメテロールをそれ独自のカプセルまたはカートリッジに入れてもよい。それにもかかわらず、別の実施形態において、ブロミド化合物をそれ独自のカプセルまたはカートリッジなどに入れてもよく、かつサルメテロールおよびフルチカゾンを一緒に、それら独自のカプセルまたはカートリッジに入れて、患者に投与する。さらに別の実施形態において、製剤が追加の活性な物質を両方とも含有する場合、必要があると認めるときは追加の賦形剤を含めてまたは含まずに、3つの活性な物質をすべて、それら独自のカートリッジまたはカプセルに入れることが可能である。
【0037】
任意により、これらの吸入可能なドライパウダー製品では、吸入投与に適した組成物を、適当な吸入装置の内部に配置された(1つまたは複数の)医薬品パック上に設けられた密封した複数の投与容器(例えば、ドライパウダー組成物が入っている)に組み込んでもよい。容器は、当技術分野で知られているように、一度に1つずつ、裂開可能、剥離可能、またはその他の方法で解放可能とすることができ、かつドライパウダー組成物の用量を吸入装置のマウスピースで吸入投与することができる。医薬品パックは、いくつかの異なる、例えば円盤状または細長い小片の形態をとることができる。代表的な吸入装置は、GlaxoSmithKlineによって販売されているDISKHALER(商標)およびDISKUS(商標)装置である。DISKUS(商標)吸入装置は、例えば英国特許出願公開第2242134号(A)に記載されている。
【0038】
吸入可能なドライパウダー組成物、例えば製剤を、吸入装置中のバルクリザーバーとして提供することもでき、その場合装置には、組成物の用量をリザーバーから吸入チャンネルに計量するための計量機構が設けられており、計量した用量を、装置のマウスピースで吸入する患者が吸入することができる。このタイプの市販装置の例は、AstraZenecaのTURBUHALER(商標)、ScheringのTWISTHALER(商標)、およびInnovataのCLICKHALER(商標)である。
【0039】
吸入可能なドライパウダー組成物(製剤)の別の送達方法は、カプセル中に供給されるべき組成物の用量(カプセル1個当たり1回用量)を計量し、次いで典型的には患者が要求時に吸入装置に入れるためのものである。装置は、患者が装置のマウスピースで吸入すると用量が患者の肺に流入することができるように、カプセルを裂開、穿孔、またはその他の方法で解放する手段を有する。このような装置の市販されている例としては、GlaxoSmithKlineのROTAHALER(商標)およびBoehringer IngelheimのHANDIHALER(商標)を挙げることができる。本明細書で「1つのカプセル」と記載しているが、上記の活性な物質の組み合わせを収容するように、2つまたは3つのカプセルの吸入も含むよう意図されていることはよく認識されている。
【0040】
ドライパウダー組成物は、ブロミド化合物を単独で、または1つもしくは2つの物質としてサルメテロールもしくはフルチカゾンと混合して、別々に保持することを可能にする送達装置中に提供することもできる。したがって、例えばこの組み合わせの個々の化合物は同時に投与可能であるが、例えば国際公開第03/061743号(A1)および/または国際公開第2007/012871号(A1)に記載されているように、例えば別々の医薬組成物中に別々に貯蔵する(あるいは3成分の組み合わせの場合、全部または一部分を別々に貯蔵する)。異なる化合物を別々に保持することを可能にする別の装置は、InnovataのDUOHALER(商標)である。
【0041】
吸入のための噴霧剤組成物は、例えば水溶液もしくは懸濁液として、または適当な液化噴射剤を使用して定量吸入器などの加圧パックから送達されるエアゾールとして製剤化することができる。吸入に適したエアゾール組成物は、懸濁液または溶液とすることができ、一般に製剤、およびフルオロカーボン、もしくは含水素クロロフルオロカーボン、またはそれらの混合物などの適当な噴射剤、具体的にはヒドロフルオロアルカン、特に1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、またはそれらの混合物を含有する。エアゾール組成物は、界面活性剤、例えばオレイン酸、レシチン、または例えば国際公開第94/21229号および国際公開第98/34596号に記載されているオリゴ乳酸誘導体など当技術分野でよく知られている追加の製剤賦形剤、および共溶媒、例えばエタノールを任意により含有することができる。
【0042】
したがって、本発明の別の態様として、噴射剤としてのフルオロカーボン、または含水素クロロフルオロカーボンと共に、任意により界面活性剤および/または共溶媒と組み合わせて、化合物(I)、具体的には(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド、およびサルメテロールまたはフルチカゾンのうち少なくとも一方を含む医薬エアゾール製剤製品が提供される。
【0043】
本発明の別の態様によれば、噴射剤が1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、およびそれらの混合物から選択される医薬エアゾール製剤が提供される。本発明の別の態様は、噴射剤としてのフルオロカーボン、または含水素クロロフルオロカーボンと共に、任意により界面活性剤および/または共溶媒と組み合わせて、化合物(1)、具体的には(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドだけのエアゾール製剤である。本発明の別の実施形態において、噴射剤は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、または1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン、およびそれらの混合物から選択される。
【0044】
本発明の製剤は、適当な緩衝剤の添加によって緩衝することができる。
【0045】
吸入投与のための医薬は、望ましくは粒径を調整する。気管支系への吸入に最適な粒径は、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。20μmを超えるサイズの粒子は、吸入されて、末梢気道に到達するとき、一般に大きすぎる。これらの粒径を実現するために、生成したままの活性成分の粒子は、通常の手段、例えば微粒子化によって粒径を低減することができる。所望の画分は、空気分級または篩い分けによって分別することができる。好ましくは、粒子は結晶質である。ラクトースなどの賦形剤を使用するとき、一般に賦形剤の粒径は、本発明の範囲内の吸入医薬よりはるかに大きい。賦形剤がラクトースであるとき、典型的には粉砕ラクトースとして存在し、ラクトース粒子の85%以下はMMDが60〜90μmであり、15%以下はMMDが15μm未満である。
【0046】
ステアリン酸マグネシウムが製剤中に存在する場合、それは一般に約0.1〜2%、例えば0.5〜2%、例えば0.75%、1%、1.25%、または1.5%の量で使用される。ステアリン酸マグネシウムは、典型的には粒径が1〜50μm、さらに詳細には1〜20μm、例えば1〜10μmの範囲である。当技術分野でよく知られているように、ステアリン酸は、ステアリン酸とパルミチン酸の混合物を含んでもよい。少量の他の酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、および/またはアラキン酸も存在してもよい。したがって、ステアリン酸マグネシウムも同様に、前記酸で生成した塩の混合物を含んでもよい。一般に、存在しているステアリン酸の割合は、0.0〜100%である。典型的には、ステアリン酸の割合は、60〜75%の量で存在し、ステアリン酸とパルミチン酸の全体の割合は、96〜100%の量で存在する。
【0047】
化合物(I)を含む製剤において、試験条件下でステアリン酸マグネシウムを添加すると、安定性に関して製品の安定化の改善がいくらか認められた。
【0048】
鼻腔内噴霧剤は、粘稠化剤、pHを調整するための緩衝塩または酸もしくはアルカリ、等張性調整剤、あるいは抗酸化剤などの物質を添加して、水性または非水性ビヒクルと共に製剤化することができる。
【0049】
噴霧吸入のための溶液は、酸もしくはアルカリ、緩衝塩、等張性調整剤、または抗菌剤などの物質を添加して、水性ビヒクルと共に製剤化することができる。これらは、濾過、またはオートクレーブ中での加熱によって滅菌することができ、あるいは非滅菌の製品として提供することもできる。
【0050】
喘息などの状態を患っている被験体は、時には該状態の明白な症状を多様に示さないことがあり、あるいは症状を示しているときに周期的な発作に襲われることがあり、あるいは該状態の増悪または悪化を経験することがあることを理解されたい。この文脈では、「治療」という用語は、このような周期的な発作または現状の増悪の予防を包含するよう意図されている。このような治療は、「維持治療」または「維持療法」と呼ばれることがある。
【0051】
本明細書に記載される製剤の個々の化合物は、別々のまたは組み合わせた医薬製剤/組成物として、逐次にまたは同時に投与することができる。したがって、ブロミドおよび1つまたは複数の他の治療剤は、例えば別々に製剤化し、逐次投与用などの別々のパックまたは装置に提供することができ、あるいは前記個別に製剤化した成分は、単一のパックまたは装置に提供することができる。適切な場合、個々の化合物を同じ製剤内で混合し、したがって固定医薬合剤として提供することができる。一般に、このような製剤は、以下に記載する医薬担体または賦形剤を含むが、いずれの賦形剤も含まない化合物の組み合わせも本発明の範囲内である。一実施形態において、個々の化合物を組み合わせた医薬製剤として同時に投与する。公知治療剤の適切な用量は、当業者によって容易に理解されよう。
【0052】
したがって、別の態様において、本発明は、
化合物(I)および化合物(II)は、逐次または同時投与のために別々に提供される;
逐次または同時投与のための、別々に製剤化されたが同じパックまたは装置に保持された化合物(I)および化合物(II);ならびに
同時投与のためのブレンド製剤中の化合物(I)および化合物(II)
を提供する。
【0053】
いずれの場合にも、化合物(I)および/または化合物(II)はそれぞれ、賦形剤を含んでまたは含まず製剤化することができる。
【0054】
3成分組み合わせのように、第3の活性な物質が含まれる場合、
化合物(I)、化合物(II)、および化合物(III)は、逐次または同時投与のために別々に提供される;あるいは
逐次または同時投与のための、別々に製剤化されたが同じパックまたは装置に保持された化合物(I)、化合物(II)、および化合物(III);あるいは
化合物(I)および化合物(II)は、同時投与のためブレンド製剤中に存在し、化合物(III)は、逐次または同時投与のため別々に提供され;あるいは
化合物(I)および化合物(III)は、同時投与のためブレンド製剤中に存在し、化合物(II)は、逐次または同時投与のため別々に提供され;あるいは
化合物(II)および化合物(III)は、同時投与のためブレンド製剤中に存在し、化合物(I)は、逐次または同時投与のため別々に提供される。
【0055】
いずれの場合にも、化合物(I)および/または化合物(II)および/または化合物(III)はそれぞれ、賦形剤を含んでまたは含まず製剤化することができる。
【0056】
本発明は、化合物(I)と化合物(II)の組み合わせを含む医薬製剤であって、化合物(I)および化合物(II)の少なくとも1つが、製薬上許容される担体または賦形剤を用いて製剤化されている医薬製剤をさらに提供する。
【0057】
一般に使用されるように、プロピオン酸フルチカゾンは、ブロミド化合物とそれだけであろうと、キシナホ酸サルメテロールと組み合わせてであろうと、250mcg/用量の量で存在するであろう。一般に使用されるように、キシナホ酸サルメテロールは、ブロミド化合物とそれだけであろうと、プロピオン酸フルチカゾンと組み合わせてであろうと25または50mcg/用量の量で存在するであろう。
【0058】
2つ以上の治療剤を含む実施形態では、哺乳動物における臨床状態の予防または治療方法は、様々な治療剤を哺乳動物に同時に、逐次に、または別々に投与することを含んでもよいことを理解されたい。
【0059】
本発明は、本明細書に定義する製剤を調製する方法を提供し、
該方法は、
(a)組み合わせの個々の化合物を逐次にもしくは同時に投与するための別個の医薬組成物を調製するステップ、あるいは
(b)組み合わせの個々の化合物のうち1つを逐次に投与するための、または一緒に混合した他の1つもしくは2つの化合物の別個の医薬組成物と同時に投与するための別個の医薬組成物を調製するステップ、あるいは
(c)同時に使用するための組み合わせにおいて、個々の化合物を一緒に投与するための組み合わせた医薬組成物を調製するステップであって、医薬組成物が、1つまたは複数の製薬上許容される担体および/または賦形剤と一緒に、該組み合わせを含むステップ
を含む。
【0060】
抗コリン薬のブロミド化合物は、あるいは他のβ2アドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤、および抗アレルギー剤または抗炎症剤など他の望ましい治療剤と組み合わせて投与してよいこともよく認識されている。したがって、本発明は、
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドと、
(b)短時間作動型および長時間作動型β2アゴニスト:サルブタモール、ビルトルテロール(biltolterol)、ピルブテロール、ホルモテロール、サルメファモール、フェノテロール、もしくはテルブタリン、またはそれらの塩(例えば、その製薬上許容される塩)、例えばサルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基、またはホルモテロールのフマル酸塩からなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
との新規組み合わせであって、治療剤が、製剤として任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する新規組み合わせも含む。
【0061】
本発明の別の実施形態は、
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドと、
(b)コルチコステロイド:ベクロメタゾン、ベクロメタゾン17-プロピオン酸エステル、ベクロメタゾン17,21-ジプロピオン酸エステル、デキサメタゾンもしくはそのエステル、トリアムシノロン、モメタゾンもしくはフロ酸モメタゾンなどのそのエステル、シクレソニド、ブデソニド、フルニソリド、またはその製薬上許容される塩からなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
との新規組み合わせも含む。
【0062】
好適には、コルチコステロイドは、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾン、およびトリアムシノロン、ならびにその製薬上許容される塩またはエステルから選択される。
【0063】
本発明の別の実施形態は、
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドと、
(b)ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、モメタゾン、トリアムシノロン、サルブタモール、硫酸サルブタモール、ビルトルテロール(biltolterol)、ピルブテロール、ホルモテロール、フマル酸ホルモテロール、およびテルブタリンからなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
との新規組み合わせであって、治療剤が、製剤として任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する新規組み合わせを含む。
【0064】
本発明の別の実施形態は、
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドと、
(b)キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルニソリド、モメタゾン、トリアムシノロン、サルブタモール、硫酸サルブタモール、ビルトルテロール(biltolterol)、ピルブテロール、ホルモテロール、フマル酸ホルモテロール、およびテルブタリンからなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
との新規組み合わせであって、治療剤が、製剤として任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する新規組み合わせを含む。
【0065】
フロ酸モメタゾンは、現在鼻噴霧剤(Nasonex(登録商標))として市販されており、100mgの懸濁液を含有する定量スプレーは、無水ベースで算出して50μgのフロ酸モメタゾンに相当するフロ酸モメタゾン一水和物を含有する。吸入散剤としてのモメタゾンは、ASMANEX TWISTHALER(登録商標)として、1日1回の治療用に220マイクログラム(mcg)の用量で市販されている。
【0066】
フロ酸フルチカゾンは、季節性アレルギー性鼻炎および通年性アレルギー性鼻炎の症状の治療のため、1日1回、商業的に鼻腔内(Veramyst(登録商標))投与する。化合物(I)と組み合わせたフロ酸フルチカゾンの投与に適当な用量は、1日1回または2回投与して、約20mcg〜約2000mcgの範囲とすることができる。別の実施形態において、投与する用量は、約20mcg〜約500mcg、または約50〜約1000mcg/用量の量、1日1回または2回投与することができる。別の実施形態において、用量は、1日1回または2回投与して、約110mcgとすることができる。フロ酸フルチカゾンと化合物(I)との組み合わせも、やはり本明細書で定義する第3の活性な物質を含み得るということはよく認識されている。
【0067】
したがって、本発明は、治療剤のうち1つまたは複数の投与が適応とされる状態の治療において、同時に、別々に、または逐次に使用するための組み合わせた調製物として、本明細書の治療剤の記載した組み合わせのうちいずれか1つを含む製剤をさらに提供する。
【0068】
化合物(I)と共に本明細書で使用するのに適当な組み合わせには、下記が挙げられる:
サルメテロール、およびシクレソニド;
サルメテロールおよびブデソニド;
サルメテロールおよびフロ酸フルチカゾン;
サルメテロールおよびモメタゾン;
ホルモテロールおよびブデソニド;
ホルモテロールおよびシクレソニド;
ホルモテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン;
ホルモテロールおよびフロ酸フルチカゾン;
サルブタモールおよびベクロメタゾン;
サルブタモールおよびブデソニド;
サルブタモールおよびフロ酸フルチカゾン;
テルブタリンおよびプロピオン酸フルチカゾン;ならびに
テルブタリンおよびフロ酸フルチカゾン。
【0069】
いくつかのこれらの組み合わせはすでに市販されており、市場でのそれらの固定された組み合わせの投与量に限定するものではないが、以下の情報を提供する:
Chiesiのもの(FOSTER;INUVAIR)は、β2アドレナリン性受容体アゴニストであるホルモテロールとコルチコステロイドであるベクロメタゾンとの固定組み合わせである。この剤形には、100mcgのベクロメタゾンおよび6mcgのホルモテロールが含まれる。
シクレソニド(Omnaris(登録商標)/Alvesco(登録商標))は、160および320mcg/用量の量、1日2回投与の吸入コルチコステロイドとして市販されている。しかし、100〜1600μg/日の用量で投与することができる。
ブデソニドは、Pulmicort Turbuhaler(登録商標)、または鼻吸入薬(Rhinocort(登録商標)Aqua(登録商標))として入手可能である。≧6才の小児および成人におけるRhinocortの投与量:各々の鼻孔で単回32mcgの噴霧剤として、64mcg/日。認可された投与量として0.5〜1mg/日。経口吸入の場合、用量は、成人において200または400mcg、1日2回とすることができる。
アルブテロール(硫酸サルブタモール)は、Proventil(登録商標)、ProAir HFA(登録商標)、またはVoSpire ER(登録商標)などいくつかの形態で市販されている。Proventilについては、各々の作動によって、バルブから120mcgの硫酸アルブテロールUSP、およびマウスピースから108mcgの硫酸アルブテロールUSP(マウスピースから、90mcgのアルブテロール塩基に相当する)が送達される。
プロピオン酸フルチカゾンは、投与量50mg、100mg、および250mgのFlovent Diskus(登録商標)、またはFlovent HFA(登録商標)として入手可能である。
Schering Plough/Novartisは、フロ酸モメタゾンとフマル酸ホルモテロールとの固定組み合わせ用量400/10mcgおよび200/10mcg、1日2回投与(bid)を開発中である。ホルモテロールフメラート(formoterol fumerate)(またはフマラート)は、NorvatisからForadil(登録商標)Aerolizerとして別々に市販されており、1日2回投与のために12mcgのホルモテロールおよび担体として25mgのラクトースを含有する。
フマル酸ホルモテロールおよびブデソニドの市販製品が、ブデソニド80mcgとホルモテロール4.5mcg、およびブデソニド160mcgとホルモテロール4.5mcgを含有するAstraZenecaのSymbicort(登録商標)として入手可能である。
開発過程におけるFLUTIFORM(登録商標)の2つの用量組み合わせは、100mcgのフルチカゾンと10mcgのホルモテロール、または250mcgのフルチカゾンと10mcgのホルモテロールを含有すると思われる。
【0070】
吸入コルチコステロイドの高い1日用量は、一般に下記と思われる:
・ クロロフルオロカーボン(CFC)剤形中>1000mcgのベクロメタゾン
・ ヒドロフルオロアルカン(HFA)剤形中>500mcgのベクロメタゾン
・ ドライパウダー吸入剤(DPI)中>1000mcgのブデソニド
・ >2000mcgのフルニソリド
・ >500mcgのフルチカゾン
・ >400mcgのフロ酸モメタゾン
・ >2000mcgのトリアムシノロンアセトニド。
【0071】
本発明の別の実施形態は、
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドと、
(b)メタピリレン、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、またはフェキソフェナジンなどの吸入に適した抗ヒスタミン剤からなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
との新規組み合わせを含む。
【0072】
上記から、本明細書で記載した組み合わせと同様に、組み合わせた調製物用のこれらの各治療剤を同じまたは異なる医薬製剤中で、同時に、または別々にもしくは逐次に投与できることも理解されよう。別々にまたは逐次に投与する場合、逐次投与する治療剤は、本発明による製剤に存在しているような組み合わせた調製物の上記の有利な相乗治療効果を実現、またはさらに詳細には最適化するように、時間範囲内で患者に投与すべきであることも理解されよう。
【0073】
合成化学
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]-オクタンブロミドは、国際公開第2005/037280号に記載されており、後述するように生成することができる。ブロミドまたはヨード塩などの第四級塩として好適に製薬上許容されるアニオンは、化学中間体である3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリルを、臭化メチルまたはヨウ化メチルなどの適当なメチルアニオンと共に使用して生成することができる。
【実施例】
【0074】
実施例1
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1.]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリル、TFA塩
【化2】

【0075】
(a)((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-メタノールの調製
1,1-ジメチルエチル(エンド)-3-(ヒドロキシメチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラート(0.50g、2.05mmol)およびLiAlH4(6.16mL、THF中1.0M、6.16mmol)の混合物を、マイクロ波反応器を用いて80℃で60分間加熱した。次いで、溶液を飽和Na2SO4溶液と混合し、エチルエーテルを添加し、炭酸カリウムで乾燥し、セライトに通して濾過し、濃縮して、表題化合物(0.31g、97%)を得た。LCMS(ES)m/z 156(M+H)+;1H-NMR(CDCl3)δ1.28(s,1H),1.59(m,4H),1.90(m,1H),2.13(m,4H),2.32(s,3H),3.17(s,2H),3.59(d,2H)。
【0076】
(b)(エンド)-3-ヨードメチル-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンの調製
ヨウ素(6.67g、25.8mmol)および((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-メタノール(2.0g、12.9mmol)のCH2Cl2(120mL)溶液を、PPh3(樹脂上、8.6g、3mmol/g、25.8mmol)と混合した。得られた混合物を17時間撹拌し、濾過し、濃縮し、表題化合物(2.63g、77%)を得た。LCMS(ES)m/z 266(M+H)+;1H-NMR(CDCl3)δ2.05(m,4H),2.39(m,3H),2.79(d,3H),2.98(m,2H),3.45(d,2H),3.81(s,2H)。
【0077】
(c)3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリル、TFA塩の調製
Ph2CHCN(2.32g、12.0mmol)のDMF(20mL)溶液に、NaH(0.288g、12.0mmol)を添加した。10秒間撹拌した後、(3-エンド)-3-ヨードメチル-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(1.06g、4.0mmol)を添加し、得られた混合物を室温で60分間撹拌した。混合物に5mlのDMSOおよび1mlのHCL(2N)を加えて撹拌し、次いで濾過した。逆相HPLC(Gilson)でさらに精製し、TFAを加えて、表題化合物(1.16g、93%)を得た。LCMS(ES)m/z 331(M+H)+;1H-NMR(CDCl3)δ1.64(m,2H),2.14(m,1H),2.26(m,2H),2.34(m,2H),2.52(m,2H),2.75(m,5H),3.83(s,2H),7.39(d,10H)。
【0078】
実施例2
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド
【化3】

【0079】
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリル、TFA(310mg、0.938mmol)の溶液を、アセトニトリル中炭酸カリウムで洗浄し、20分間撹拌した。真空下で濃縮した後、アセトン(6.0mL)中残渣をMeBr(4.69mL、t-BuOMe中2.0M、9.38mmol)と混合した。得られた混合物を室温で約90分間撹拌し、濾過し、濃縮した。残渣をアセトン(2回×3mL)で洗浄して、表題化合物(333mg、83%)を得た。LCMS(ES)m/z 345(M)+;1H-NMR(MeOD)δ1.82(d,2H),2.17(m,1H),2.35(m,2H),2.49(m,4H),3.01(d,2H),3.07(s,3H),3.10(s,3H),3.79(s,2H),7.36(m,2H),7.43(m,4H),7.49(m,4H)。
【0080】
生物学的実施例
ヒト臨床試験で、ブロミド化合物は、チオトロピウムより予想外に速い作用発現を有する有効な長時間作動型抗ムスカリン性気管支拡張薬であることが分かった。このようにブロミド化合物の作用発現の改善および用量依存性が示されることによって、1日2回(bd)と1日1回(qd)の投与が単独または一緒に投与する第2の治療剤に応じて行われる。
【0081】
ブロミド塩は、高親和性、汎活性、競合性、および可逆性の長時間作用型ムスカリン性受容体であり、また10nMの単一濃度で比べて、摘出されたヒト気管支条片のカルバコール誘発性収縮の50%阻害の発現半期は、インビトロにおいてブロミド化合物25分、イプラトロピウム10分、およびチオトロピウム10分である。同じ濃度で、ブロミド化合物の停止半期は195分であり、イプラトロピウム(24分)の停止半期より長く、チオトロピウム(314分)の停止ハーフタイムより短かった。
【0082】
ブロミド化合物とラクトース一水和物との2成分混合物を使用した別の臨床試験で、イプラトロピウムに応答性である健常男性被験者20名において、単独漸増用量のブロミド化合物(Diskusを介して、20、60、100、250、および350mcg)、およびチオトロピウム(18mcg)の安全性、耐容性、薬力学、および薬物動態学を比較した。
【0083】
ブロミド化合物およびチオトロピウムのすべての用量において、気道コンダクタンス(sGaw)値の増加は、プラセボより統計学的に有意に大きかった。ブロミド化合物投与群は、20mcgの用量が24時間後に16%の増加を示した点を除いてすべて、12時間および24時間において、プラセボに比べて36%〜49%の増加を示した。差は、24時間における20mcgの用量を除いて、チオトロピウムで示された差と規模の点で同様であった。
【0084】
第3の臨床試験で、イプラトロピウムに応答性である男性および女性のCOPD被験者31名において、単回吸入投与のブロミド化合物(Diskusを介して、20、50、および100mcg)、およびチオトロピウム(18mcg)の安全性、耐容性、薬力学、および薬物動態学を評価した。
【0085】
すべてのブロミド化合物用量の平均FEV1値は、24時間にわたって評価された各々の時点で、プラセボより統計学的に有意に高かった。平均FEV1値は、各々の用量について、2時間でピークとなり、24時間になるまで一貫して低下した。20、50mcg、および100mcgの用量について、12時間における調整した平均差(対プラセボ)はそれぞれ、241mL、288mL、および305mLであった。これらは、20mcgおよび50mcgの用量の場合に24時間で135および136mLに低下したが、100mcgの用量の場合に200mLを超えたままであり(チオトロピウムに匹敵する)、これは、気管支拡張および作用持続時間に及ぼす効果が用量依存性であることを示唆している。
【0086】
COPD患者について不完備ブロックデザインを使用し、多施設共同、部分盲検、3ウェイクロスオーバー試験であった第4の臨床試験で、5つの治療群を調査した:サルメテロール50mcg+ブロミド化合物20mcgおよび50mcg(1日2回)、サルメテロール50mcg単独(1日2回)、チオトロピウム18mcg(1日1回)、およびプラセボ。試験は、2週間の導入期を設けた。7日間の治療期間を3回、各々の治療期間の間には、14日間のウォッシュアウト期間を設けた。また、2週間のフォローアップ期間を設けた。
【0087】
主要エンドポイントを使用して、サルメテロール(50mcg、1日2回)と同時に投与されたブロミド化合物(20mcgおよび50mcg、1日2回)の気管支拡張性効果を、プラセボに比べて推定した。
【0088】
副次的エンドポイントは、サルメテロールおよびチオトロピウムの気管支拡張性効果を、プラセボ、およびブロミド化合物(20mcgおよび50mcg)にサルメテロールを加えた組み合わせ療法に比べて推定するものであった。
【0089】
主要マーカーは、8日目の午前のトラフFEV1であった。
【0090】
副次的マーカーは、2日目の午前のトラフFEV1;2日目および8日目のトラフFVC;24時間にわたる投与後の一連のFEV1およびFVC;2日目および8日目におけるトラフsGaw、Raw、IC、およびRV、ならびに25時間にわたる投与後の一連の測定;ブロミド化合物およびサルメテロールの血漿中濃度および派生PKパラメータであった。
【0091】
組み合わせ治療(ブロミド化合物20mcg+サルメテロール、ブロミド化合物50mcg+サルメテロール)は両方とも、プラセボ、サルメテロール、およびチオトロピウムに比べて、肺機能(FEV1、FVC、sGAW)の改善を示した。
【0092】
両方の組み合わせ治療に関して、8日目のトラフFEV1は、予想外にプラセボより200mL超高く、サルメテロールより100mL超高く、チオトロピウムより80mL超高かった。
【0093】
組み合わせ治療は、プラセボ、サルメテロール、およびチオトロピウムに比べて、発作止めのVENTOLINの使用を低減した。
【0094】
2つの組み合わせ治療間には、明らかな用量反応関係は認められなかった。
【0095】
本明細書に引用された刊行物は、限定されないが、特許および特許出願を含むすべて、各々個々の刊行物が、完全に記述されているかのように参照により本明細書に組み込まれることが詳細にかつ個別に示唆されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
上記の説明には、本発明について、その好ましい実施形態を含めて完全に開示されている。本明細書に具体的に開示する実施形態の修正および改良は、後続の特許請求の範囲内である。当業者は、直前の説明を使用して、さらに苦労することなく、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書の実施例は、単に例示するためのものであって、決して本発明の範囲を限定するものではないと解釈されたい。排他的財産権または特権が特許請求されている本発明の実施形態は、以下の通り定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のもの:
(a)(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンの製薬上許容されるアニオンである第1の治療剤;および
(b)キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択される他の治療剤のうち少なくとも1つ
を含む製剤であって、該治療剤が任意により鏡像異性的に純粋な形態で、またはラセミ混合物として存在する、上記製剤。
【請求項2】
第1の治療剤が、(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドである、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤が、混合物または別個の組成物として投与するために調製される、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
第1の治療剤およびキシナホ酸サルメテロールを含む、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項5】
サルメテロールが50mcg/用量の量で存在する、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
第1の治療剤が約10〜100mcg/用量の量で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
第1の治療剤およびキシナホ酸サルメテロールが、別個の組成物として存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項8】
第1の治療剤およびキシナホ酸サルメテロールが相互に混合している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
第1の治療剤およびプロピオン酸フルチカゾンを含む、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項10】
プロピオン酸フルチカゾンが250mcg/用量の量で存在する、請求項1または8に記載の製剤。
【請求項11】
第1の治療剤が約10〜100mcg/用量の量で存在する、請求項1、9、または10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項12】
第1の治療剤およびプロピオン酸フルチカゾンが別個の組成物として存在する、請求項1、9、10、または11に記載の製剤。
【請求項13】
第1の治療剤およびプロピオン酸フルチカゾンが相互に混合している、請求項1、9、10、または11に記載の製剤。
【請求項14】
キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンが両方とも存在する、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項15】
第1の治療剤が、キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンの組成物とは別の組成物中に存在する、請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンがそれぞれ、独立した組成物中に存在する、請求項14に記載の製剤。
【請求項17】
キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンが相互に混合している、請求項14または15に記載の製剤。
【請求項18】
第1の治療剤が、キシナホ酸サルメテロールとの混合物として存在し、かつプロピオン酸フルチカゾンとは分離している、請求項14に記載の製剤。
【請求項19】
第1の治療剤が、プロピオン酸フルチカゾンとの混合物として存在し、かつキシナホ酸サルメテロールとは分離している、請求項14に記載の製剤。
【請求項20】
サルメテロールが50mcg/用量の量で存在する、請求項1、2、および14〜19のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項21】
プロピオン酸フルチカゾンが250mcg/用量の量で存在する、請求項1、2、および14〜20のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項22】
第1の治療剤が約10〜100mcg/用量の量で存在する、請求項1、2、および13〜21のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項23】
経口または経鼻吸入による投与に適した形態の、請求項1〜22のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項24】
エアゾール製剤の形態である、請求項23に記載の製剤。
【請求項25】
1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、モノフルオロトリクロロメタン、およびジクロロジフルオロメタン、またはその2つ以上の混合物からなる群より選択される噴射剤をさらに含む、請求項24に記載の製剤。
【請求項26】
共溶媒をさらに含む、請求項25に記載の製剤。
【請求項27】
界面活性剤をさらに含む、請求項24〜26のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項28】
剤形が、リザーバー型ドライパウダー吸入器、単位用量型ドライパウダー吸入器、前計量多回用量ドライパウダー吸入器、経鼻吸入器、または加圧型定量吸入器から選択される医薬品ディスペンサーを介した吸入による投与に適している、請求項23に記載の製剤。
【請求項29】
加圧型定量吸入器である、請求項28に記載の製剤。
【請求項30】
吸入散剤の形態である、請求項1または23に記載の製剤。
【請求項31】
製薬上許容される賦形剤としてラクトースをさらに含む、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
請求項1に記載の組成物を含有するドライパウダー吸入剤である、請求項28、29、30、または31に記載の製剤。
【請求項33】
噴射剤を含まない吸入溶液または懸濁液の形態である、請求項1に記載の製剤。
【請求項34】
治療化合物のうち1つまたは複数の投与が適応とされる状態の予防または治療のための医薬の製造における、請求項1に記載の製剤の使用。
【請求項35】
治療化合物のうち1つまたは複数の投与が適応とされる状態の予防または治療のための、請求項1に記載の製剤の使用。
【請求項36】
第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤の同時または連続投与による炎症性または気道疾患の治療のための、請求項34または35に記載の使用。
【請求項37】
第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤の同時または連続投与による喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための、請求項34または35に記載の使用。
【請求項38】
炎症性または気道疾患の予防または治療方法であって、それを必要とする患者に、第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤を含む請求項1に記載の製剤を逐次にまたは同時に投与するステップを含む、上記方法。
【請求項39】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性気道閉塞、肺線維症、肺気腫、およびアレルギー性鼻炎からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
同時または連続投与による喘息および/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
投与が口または鼻による吸入を介している、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
投与が、リザーバー型ドライパウダー吸入器、前計量多回用量ドライパウダー吸入器、経鼻吸入器、または加圧型定量吸入器から選択される医薬ディスペンサーを介する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
第1の治療剤を前計量多回用量ドライパウダー吸入器によってヒトに投与し、かつ第1の治療剤および少なくとも1つの他の治療剤が吸入器中に別個の組成物として貯蔵される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
他の治療剤がキシナホ酸サルメテロールである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
プロピオン酸フルチカゾンである第2の他の治療剤を含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾンの両方が存在し、相互に混合しており、第1の治療剤とは分離している、請求項38または45に記載の方法。
【請求項47】
キシナホ酸サルメテロールが50mcg/用量の量で存在する、請求項38〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
プロピオン酸フルチカゾンが250mcg/用量の量で存在する、請求項38〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
第1の治療剤が約10〜100mcg/用量の量で存在する、請求項38〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
1日1回または2回投与に適した形態である、請求項38に記載の方法。
【請求項51】
エアゾールの形態である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンの製薬上許容されるアニオンを、セロビオースオクタアセテート、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸マグネシウムから選択される第3の物質と混合して含む、製薬上許容される組成物。
【請求項53】
アニオンがブロミドまたはヨージドであり、かつ第3の物質がステアリン酸マグネシウムである、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンの製薬上許容されるアニオンを、ラクトースである少なくとも1つの担体と混合して含む、製薬上許容される組成物。
【請求項55】
ステアリン酸マグネシウムである第3の物質をさらに含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
第1の治療剤および他の治療剤のうち少なくとも1つが、少なくとも1つの製薬上許容される担体または賦形剤と共に製剤化される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項57】
少なくとも1つの担体がラクトースである、請求項56に記載の製剤。
【請求項58】
治療剤のうち少なくとも1つが、第3の物質と共に製剤化される、請求項56に記載の製剤。
【請求項59】
第3の物質がステアリン酸マグネシウムである、請求項58に記載の製剤。

【公表番号】特表2010−539182(P2010−539182A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525017(P2010−525017)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/076122
【国際公開番号】WO2009/036243
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】